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20××年、相馬凛子(そうま・りんこ)は42歳の若さで第111代総理大臣に選出された。
鳥類学者の夫・日和(ひより)は、「ファースト・ジェントルマン」として妻を支えることを決意。
妻の奮闘の日々を、後世に遺すべく日記に綴る。税制、原発、社会福祉。混迷の状況下、相馬内閣は高く支持されるが、
陰謀を企てる者が現れ……。凛子の理想は実現するのか!? 痛快&感動の政界エンターテインメント!
「なぜ日本の総理は当たり前のように男性なのか?それをフィクションで覆してみたかった。
凜子は私の理想そのもので、彼女を支える夫・日和は何があっても妻を信じ、陰ながら守り抜く。
本作は政界を舞台にした、信じ合い支え合う夫婦愛の物語である。
日和役の田中圭さんはお茶目でまっすぐな役柄にぴったり。凛子役の中谷美紀さんは書きながらイメージしていたので
とても嬉しい。このカップルが日本を変える、封切りの日が待ち遠しい。」
――原田マハ(映画化決定にあたって)
※本書は、2016年刊行の『総理の夫 First Gentleman』(実業之日本社文庫)と同じ内容です。
新版刊行にあたり装幀を新たにし、国谷裕子氏による解説を収録しました。
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Posted by ブクログ
原田マハさんの作品は、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『生きるぼくら』『たゆたえども沈まず』に次いで5作目になります。久しぶりに大いに感動し、泣かされました。
私にとって、間違いなく最も相性の良い作家です。
この作品は、2013年に出版された、日本初の女性総理大臣・相馬凛子の夫を主人公とした物語です。原田マハさんが描く理想の女性総理像なのだと思いますが、主人公の日和は右往左往するものの、「助言をしないのが、最大限の助言だと……僕は信じています」と、何もできなくても妻のそばに居続けることで、総理である凛子を安心させる存在となっています。
特に凛子首相の演説は秀逸で、『本日は、お日柄もよく』の久遠久美がスピーチライターとして登場していたことには、二重のうれしさを感じました。
出版から12年後の2025年、現実の日本でも高市早苗氏が日本初の女性総理大臣となりました。小説の凛子首相は大胆な政治改革を進めていきますが、現実の政治は小説とは当然異なります。『総理の夫』を読んだことで、女性が総理大臣として国を率いることについて、改めて考える機会になりました。今後の日本の政治がどのように進んでいくのか、見守っていきたいと思います。
Posted by ブクログ
もともと知っていた作品だったけど、限定装丁に惹かれて購入。
こういう「装丁が好みで読むことになる本」って、なんだか嬉しい。
今回、1番良かったのは、物語がずっと日和の日記形式で進んでいくこと。
常に日和の目線で話が進むから、そのときの日和の驚きや戸惑い、喜びまで一緒に味わえる。日記だからこその、その瞬間の温度感が伝わってくる感じが好きでした。
一方で、日和から見ている凛子の姿しか分からないのも面白い。凛子の発言や表情、行動は分かっても、本人の脳内までは見えない。だからこそ、日和と一緒になって凛子の気持ちを想像しながら読めました。
そして、物語が進むにつれて、最初は「総理大臣」として見ていた凛子が、少しずつ「一人の女性」として見えてくる感じも良かったです。
大きな責任を背負って、堂々と振る舞う姿だけではなく、悩んだり、迷ったり、夫の前で見せる表情があったり。「総理大臣」という肩書きの向こう側に、一人の人間としての凛子が見えてくる。
そして、そんな凛子の隣にいる日和も好きでした。
総理の夫としては、正直ちょっと頼りなさそうに見えるところもあるけれど(笑)、それでもいつも凛子のそばにいる。
何か大きなことをして支えるというより、ただそばにいて、見守っている。その距離感がすごく良かったです。
政治の世界が舞台ではあるけれど、読んでいて印象に残ったのは、総理大臣としての凛子だけではなく、一人の女性としての凛子と、その隣にいる日和の関係。
「支える」って、何かをしてあげることだけじゃなくて、相手のそばにいることなのかもしれない。
日和の目線で最後まで描かれているからこそ味わえた、二人の物語でした。
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