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Posted by ブクログ
『20[ニジュウ]』というその小説は、設定が凄い。
歴史あるプロ野球チーム“スターズ”に入団した有原。かつては人気と実力を誇るチームだったが、低迷を極めて売却が決定。来期にはオーナーが替わり、首脳陣も一新されてしまうのです。今のメンバーでは最後になるだろう本拠地での試合で、先発を任されたのは有原。高卒ルーキー、プロ初先発の彼は、なんと8回終了までノーヒットノーラン。スターズが1点リードして迎えた9回、このわずか1回の20球について、350頁をかけて描かれるのですから、なんと面白い。
20球を1球ずつ、20人から見た1球毎に描いています。有原本人、それを受ける捕手、守る野手、有原に対する打者。両チーム監督に高校時代の監督、現オーナー、新オーナー、球場のビールの売り子、新聞記者と、さまざまな立場の者にとっての1球。上記の『プロ野球解説者を解説する』を読んだあとだから、これは誰タイプかななどと解説にも興味を惹かれます。
球は速いけれど、制球力皆無の有原は、四球か三振か。投球のリズムが悪くて、守備についている野手は辟易。あり得ないほど汚いスコアブックで、もしも達成されれば史上最低のノーヒットノーラン劇になるだろう、そんな試合。
「野球は、人の心や生き様を変えることもあるんだぜ。お前の今の一球で、人生が変わったと感じた人間は、俺以外にも何人もいるはずだ」。この台詞に、伊坂幸太郎の『あるキング』を思い出しました。
Posted by ブクログ
ノーコン高卒ルーキー、初先発ノーヒットノーランを賭けて9回のマウンドへ。9回表の20球を巡る群像劇、ってことになるのかな。投手本人、キャッチャー、守ってる野手、打者、敵味方の監督、味方のピッチングコーチ、身売りを発表したチームの新旧オーナー、次期監督のオファーを受けている解説者、次期コーチ候補のOB、スポーツ紙記者、高校時代の監督、ビールの売り子、トレーナー、近所の中華料理店の大将。
さすが堂場瞬一、読ませるねぇ。独立した章にはなってないけど、相手チームのスコアラー(というか、マネーボールのポール・デポデスタ役)とかの物語も読みたい。
あと、20球ってのはやはり「江夏の21球」へのオマージュなのかな。
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