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低迷に喘ぎ、売却が決定した名門球団<スターズ>。本拠地でのシーズン最終戦、プロ初先発のルーキー有原秀は、ノーヒットノーランのまま9回を迎えた。スターズのリードは1点。快挙達成へのアウト3つを奪うため、ルーキーが綱渡りで投じる20球を巡り、両軍選手や監督ほか関係者の思惑を1球ごとに、語り手を替えて濃密に描き出す。ノーヒットノーランなるか? 20球を巡る20のドラマ、堂場野球小説の真骨頂!
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Posted by ブクログ
ノーヒットノーランを20人の視点で描いた小説ですが、一人ひとりに違うドラマがあり大変読み応えのある面白い小説でした。また、「焔TheFlame」に登場した人物の人生の歩みが感じられ、現実のような特別な思いに浸ってしまいました。続編「21」、「22」があれば読みたいものです。
堂場瞬一の野球ものはいままではずれがなかったが、文句なしにこれが最高に面白かった。たった一イニングで300ページというのも凄いのだが、全て各章の異なる登場人部の独白という形で書かれているのだ。こんな形式の小説が初めてだ。強いて近いものをあげると、「桐島部活やめるってよ」だろうか。しかしあれは独白では...続きを読むなかったと思う。 心理描写だけの文章は非常に読みにくいものだが、本作にはテンポがある。内容は結構他愛のない悩みなのだけれど、妙にリアリティがあって、実話ではないかと錯覚すtるぐらいだ。さすがに警察もので鍛えられた味なのだろうと思う。
堂場さんの警察物も好きだけど、スポーツ物もいい! これは野球もの。消化試合でノーヒットノーランまであと1イニングとなった初先発の高卒ルーキ。20の本人含むモノローグで構成されてるちょっと変わった作品。 どんどん次の章が読みたくなります。 過去の作品に登場した選手が登場してるとのことで、「焔」と「ラス...続きを読むトダンス」を読んでいれば、余計面白いでしょう。
低迷が続き、身売りの決まったかっての名門球団・スターズのシーズン最終戦。プロ初先発の高卒ルーキーが8回までノーヒットピッチング。残すはあと1イニング、3つのアウト。このままノーヒットノーランが達成するのか?この試合に関わる選手、監督、コーチ、観客etc.様々な人物の視点でその1イニングが描かれていく...続きを読む。 1イニング、時間にして数十分を300ページの物語に仕立てる著者の選手心理の描写が秀逸。 「焔」の沢崎や神宮寺、「ラストダンス」の樋口や真田が登場し、堂場作品を読んできた人間にとって楽しめる内容。
9回ウラの、たぶん20分前後の出来事を、1冊の小説に仕上げてしまいました。 すげ。 だから、内容によっては1章あたり数十秒から数秒のコトだったりするわけで、実際はあれだけの事柄をそれぞれ脳内でワーっと考えているわけですね。 いや~、野球の試合って、選手だけじゃなくホントにいろんな人たちが関わって...続きを読むいるのだなぁ。 過去作の登場人物たちが出演してますが、誰が誰だか忘れてしまった・・・。 そのうち読み直してみよう。 堂場氏のスポーツものにハズレなし!(現時点まで)
堂場瞬一さんのスポーツものは、ハズレなし! 本作の野球ものも含め、マラソン、ラグビー等々どの種目を書いてもハラハラドキドキ熱中させられる。 しっかりと専門的な知識を織り混ぜて書いているところがキモなのだろう。 また、本作は9回の表の1イニングの攻防のみで一冊の本にしたところはびっくり。感服。18人の...続きを読む視点からなるストーリーは、多少くどさを感じる部分もあったが、掘り下げ度合いがハンパなくかなり面白い。一気読み必須! 堂場さんのスポーツものは本当に好きなのに、なぜか刑事ものを手に取る気が起きないのはなぜだろう(汗)
九回表、ノーアウト。 試合終了までの二十球を、関係者の視点から描く。 様々な思惑が犇めく試合の様子が上手く書かれており、飽きさせない。 あっさり気味な幕引きも、これはこれで。
江夏の21球的なモノかなと思ってたら、のべ20人のエピソード構成。 ミステリー作家の描くスポーツ小説ってコトで最後の1球,最後の1行までまでドンデン返しの期待と不安が止まず心地良い。
『20[ニジュウ]』というその小説は、設定が凄い。 歴史あるプロ野球チーム“スターズ”に入団した有原。かつては人気と実力を誇るチームだったが、低迷を極めて売却が決定。来期にはオーナーが替わり、首脳陣も一新されてしまうのです。今のメンバーでは最後になるだろう本拠地での試合で、先発を任されたのは有原。...続きを読む高卒ルーキー、プロ初先発の彼は、なんと8回終了までノーヒットノーラン。スターズが1点リードして迎えた9回、このわずか1回の20球について、350頁をかけて描かれるのですから、なんと面白い。 20球を1球ずつ、20人から見た1球毎に描いています。有原本人、それを受ける捕手、守る野手、有原に対する打者。両チーム監督に高校時代の監督、現オーナー、新オーナー、球場のビールの売り子、新聞記者と、さまざまな立場の者にとっての1球。上記の『プロ野球解説者を解説する』を読んだあとだから、これは誰タイプかななどと解説にも興味を惹かれます。 球は速いけれど、制球力皆無の有原は、四球か三振か。投球のリズムが悪くて、守備についている野手は辟易。あり得ないほど汚いスコアブックで、もしも達成されれば史上最低のノーヒットノーラン劇になるだろう、そんな試合。 「野球は、人の心や生き様を変えることもあるんだぜ。お前の今の一球で、人生が変わったと感じた人間は、俺以外にも何人もいるはずだ」。この台詞に、伊坂幸太郎の『あるキング』を思い出しました。
ノーコン高卒ルーキー、初先発ノーヒットノーランを賭けて9回のマウンドへ。9回表の20球を巡る群像劇、ってことになるのかな。投手本人、キャッチャー、守ってる野手、打者、敵味方の監督、味方のピッチングコーチ、身売りを発表したチームの新旧オーナー、次期監督のオファーを受けている解説者、次期コーチ候補のOB...続きを読む、スポーツ紙記者、高校時代の監督、ビールの売り子、トレーナー、近所の中華料理店の大将。 さすが堂場瞬一、読ませるねぇ。独立した章にはなってないけど、相手チームのスコアラー(というか、マネーボールのポール・デポデスタ役)とかの物語も読みたい。 あと、20球ってのはやはり「江夏の21球」へのオマージュなのかな。
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