【感想・ネタバレ】20のレビュー

あらすじ

低迷に喘ぎ、売却が決定した名門球団<スターズ>。本拠地でのシーズン最終戦、プロ初先発のルーキー有原秀は、ノーヒットノーランのまま9回を迎えた。スターズのリードは1点。快挙達成へのアウト3つを奪うため、ルーキーが綱渡りで投じる20球を巡り、両軍選手や監督ほか関係者の思惑を1球ごとに、語り手を替えて濃密に描き出す。ノーヒットノーランなるか? 20球を巡る20のドラマ、堂場野球小説の真骨頂!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 ノーヒットノーランを20人の視点で描いた小説ですが、一人ひとりに違うドラマがあり大変読み応えのある面白い小説でした。また、「焔TheFlame」に登場した人物の人生の歩みが感じられ、現実のような特別な思いに浸ってしまいました。続編「21」、「22」があれば読みたいものです。

0
2024年07月13日

Posted by ブクログ

堂場瞬一の野球ものはいままではずれがなかったが、文句なしにこれが最高に面白かった。たった一イニングで300ページというのも凄いのだが、全て各章の異なる登場人部の独白という形で書かれているのだ。こんな形式の小説が初めてだ。強いて近いものをあげると、「桐島部活やめるってよ」だろうか。しかしあれは独白ではなかったと思う。
心理描写だけの文章は非常に読みにくいものだが、本作にはテンポがある。内容は結構他愛のない悩みなのだけれど、妙にリアリティがあって、実話ではないかと錯覚すtるぐらいだ。さすがに警察もので鍛えられた味なのだろうと思う。

0
2013年12月16日

Posted by ブクログ

堂場さんの警察物も好きだけど、スポーツ物もいい!
これは野球もの。消化試合でノーヒットノーランまであと1イニングとなった初先発の高卒ルーキ。20の本人含むモノローグで構成されてるちょっと変わった作品。
どんどん次の章が読みたくなります。
過去の作品に登場した選手が登場してるとのことで、「焔」と「ラストダンス」を読んでいれば、余計面白いでしょう。

0
2013年11月30日

Posted by ブクログ

低迷が続き、身売りの決まったかっての名門球団・スターズのシーズン最終戦。プロ初先発の高卒ルーキーが8回までノーヒットピッチング。残すはあと1イニング、3つのアウト。このままノーヒットノーランが達成するのか?この試合に関わる選手、監督、コーチ、観客etc.様々な人物の視点でその1イニングが描かれていく
1イニング、時間にして数十分を300ページの物語に仕立てる著者の選手心理の描写が秀逸。
「焔」の沢崎や神宮寺、「ラストダンス」の樋口や真田が登場し、堂場作品を読んできた人間にとって楽しめる内容。

0
2013年10月31日

Posted by ブクログ

9回ウラの、たぶん20分前後の出来事を、1冊の小説に仕上げてしまいました。
すげ。

だから、内容によっては1章あたり数十秒から数秒のコトだったりするわけで、実際はあれだけの事柄をそれぞれ脳内でワーっと考えているわけですね。

いや~、野球の試合って、選手だけじゃなくホントにいろんな人たちが関わっているのだなぁ。

過去作の登場人物たちが出演してますが、誰が誰だか忘れてしまった・・・。
そのうち読み直してみよう。

堂場氏のスポーツものにハズレなし!(現時点まで)

0
2013年10月15日

Posted by ブクログ

堂場瞬一さんのスポーツものは、ハズレなし!
本作の野球ものも含め、マラソン、ラグビー等々どの種目を書いてもハラハラドキドキ熱中させられる。
しっかりと専門的な知識を織り混ぜて書いているところがキモなのだろう。
また、本作は9回の表の1イニングの攻防のみで一冊の本にしたところはびっくり。感服。18人の視点からなるストーリーは、多少くどさを感じる部分もあったが、掘り下げ度合いがハンパなくかなり面白い。一気読み必須!
堂場さんのスポーツものは本当に好きなのに、なぜか刑事ものを手に取る気が起きないのはなぜだろう(汗)

0
2023年01月26日

Posted by ブクログ

九回表、ノーアウト。
試合終了までの二十球を、関係者の視点から描く。

様々な思惑が犇めく試合の様子が上手く書かれており、飽きさせない。
あっさり気味な幕引きも、これはこれで。

0
2022年09月13日

Posted by ブクログ

江夏の21球的なモノかなと思ってたら、のべ20人のエピソード構成。
ミステリー作家の描くスポーツ小説ってコトで最後の1球,最後の1行までまでドンデン返しの期待と不安が止まず心地良い。

0
2021年12月31日

Posted by ブクログ

『20[ニジュウ]』というその小説は、設定が凄い。

歴史あるプロ野球チーム“スターズ”に入団した有原。かつては人気と実力を誇るチームだったが、低迷を極めて売却が決定。来期にはオーナーが替わり、首脳陣も一新されてしまうのです。今のメンバーでは最後になるだろう本拠地での試合で、先発を任されたのは有原。高卒ルーキー、プロ初先発の彼は、なんと8回終了までノーヒットノーラン。スターズが1点リードして迎えた9回、このわずか1回の20球について、350頁をかけて描かれるのですから、なんと面白い。

20球を1球ずつ、20人から見た1球毎に描いています。有原本人、それを受ける捕手、守る野手、有原に対する打者。両チーム監督に高校時代の監督、現オーナー、新オーナー、球場のビールの売り子、新聞記者と、さまざまな立場の者にとっての1球。上記の『プロ野球解説者を解説する』を読んだあとだから、これは誰タイプかななどと解説にも興味を惹かれます。

球は速いけれど、制球力皆無の有原は、四球か三振か。投球のリズムが悪くて、守備についている野手は辟易。あり得ないほど汚いスコアブックで、もしも達成されれば史上最低のノーヒットノーラン劇になるだろう、そんな試合。

「野球は、人の心や生き様を変えることもあるんだぜ。お前の今の一球で、人生が変わったと感じた人間は、俺以外にも何人もいるはずだ」。この台詞に、伊坂幸太郎の『あるキング』を思い出しました。

0
2017年05月14日

Posted by ブクログ

ノーコン高卒ルーキー、初先発ノーヒットノーランを賭けて9回のマウンドへ。9回表の20球を巡る群像劇、ってことになるのかな。投手本人、キャッチャー、守ってる野手、打者、敵味方の監督、味方のピッチングコーチ、身売りを発表したチームの新旧オーナー、次期監督のオファーを受けている解説者、次期コーチ候補のOB、スポーツ紙記者、高校時代の監督、ビールの売り子、トレーナー、近所の中華料理店の大将。
さすが堂場瞬一、読ませるねぇ。独立した章にはなってないけど、相手チームのスコアラー(というか、マネーボールのポール・デポデスタ役)とかの物語も読みたい。
あと、20球ってのはやはり「江夏の21球」へのオマージュなのかな。

0
2015年02月04日

Posted by ブクログ

野球小説は実際の球場でのドラマを越えられないのか?この小説はかなり肉薄してると思うが越えてはいない気がする。

0
2013年12月13日

Posted by ブクログ

ラスト1イニング。20球にまつわる話。
色々な人間模様があり、引き込まれる。淡々と投げているだけではなく、色々な思いがある。そして、それを観ている人たちにも様々な思いがある。
そして最後の一球、一気にクライマックスへ。痺れました。
堂場さんの野球ものは結構繋がっているんですね。次は、過去選手だった人達が指導者側に回っての話になるのかナーー・・・。

0
2013年11月11日

Posted by ブクログ

20のモノローグで構成するという、
少し珍しい形式の小説。

この作品でようやく気が付いたんですが、
堂場瞬一のプロ野球関連の作品って、
つながってますよね?
以前の作品で主人公だった人物が、
この作品では脇役として活躍しています。

なるほど、面白いです。

0
2013年11月09日

Posted by ブクログ

野球の試合の1イニング、ピッチャーが20球を投げる間だけに起こるプレーを様々な登場人物の視点から物語る小説。新人投手がプロ初先発の試合でノーヒットノーランを達成しかけている9回のマウンドを舞台にした小説です。1試合、1シーズンなどの長い時間ではなく、実時間では30分にも満たない出来事を、これほど多様な切り口で描くことができるとは。サッカー、バスケットボールなどと違い、野球が1球ごとにプレーが止まり、選手、観客、みんなが考える時間がある故に成り立つ小説か。野球の好きな人ならどの視点からも「こういうのあるやろうなぁ」と思いながら読めると思います。山際淳司氏の「江夏の21球」を読み返したくなりました。

0
2013年10月24日

Posted by ブクログ

ルーキーピッチャーのノーヒットノーラン。ラスト20球を20の物語で語る。こんな書き方も有るんだな~「ラストダンス」の登場人物も出てきて楽しめた♪
2013.10.11

0
2013年10月12日

Posted by ブクログ

堂場瞬一先生の野球小説を久々に堪能。
過去の野球小説とのリンクもあり、少々ニヤニヤ…
名門球団 スターズ の高卒ルーキーがシーズン最終戦の『消化試合』でノーヒットノーランを達成しそうになる最終回での20球を本人を含む各関係者の視点から描いた作品。
おそらく時間にすれば20分程度のお話をここまで濃密に描写したスポーツ小説は他にはなかったのではないでしょうか⁉
読後は、やはり 野球は良いなァ と思わせてくれる作品です。

有原、分かるか? 野球は人の心や生き様を変えることもあるんだぜ。
お前の今の一球で、人生が変わったと感じた人間は、俺以外にも何人もいるはずだ。

0
2013年10月11日

Posted by ブクログ

草野球ならまだしもプロの世界でこんな試合はあり得ないが、読んでいるうちにドンドン引き込まれ、有原にイライラさせられるも何故か応援したくなる。いくら才能があっても勝てないのがプロスポーツ。やはり団体スポーツはチームワークが大事で、何よりここぞというときのメンタル(気持ち)が大事だと痛感しました。色んな野球小説を読んできたが9回の守りだけの一冊は見たことがない。有原以上に驚きました。

0
2013年10月11日

Posted by ブクログ

20球で小説ができる。

素晴らしい才能だと思う。

しかし、お話としてはちょっと長いし、ちょっと飽きる。

0
2025年04月07日

Posted by ブクログ

駅伝、水泳に続けて、今回読んだのはプロ野球。あんまりスポーツ観戦には興味がわかないんだけど、この人の小説を見るとちょっと見てみたくなる。野球が面白いって感覚はもちろん試合運びの面白さもあるんだろうけど、選手の才能や球団の生い立ちだったり、地元愛・企業愛だったり、外で飲むビールの美味しさだったり、ファン同士のふれあいだったり、色々なんだろうな。

0
2015年11月13日

Posted by ブクログ

結果は何と無く分かるのになかなか展開しない。が、20球の間の様々な人間模様から、一球一球に多くの人達の物語があることを感じさせてくれた。スポーツは深い。

0
2015年07月18日

Posted by ブクログ

(架空の)プロ野球チームの新人投手が、初登板初先発のマウンドであと少しでノーヒットノーランを達成する最終イニングから物語は始まります。タイトルの「20」は、つまりこの新人投手が最終イニングで投げる「20」球のこと。そう、347ページ(文庫)はこの20球のドラマが描かれています。まるで、週刊漫画雑誌の野球マンガでわずか1球をドラマチックに連載1回分まるまる描くような。

新人投手をはじめとして、この物語にはチームメイト、監督、コーチ、OB、球団オーナー、球場の売り子さんなど、さまざまな人物が登場します。しかしながら、新人投手の初登板での大偉業をだれもが応援しているわけではなく、自身の現状や将来を案ずる心情を絡ませつつ、それぞれの人物の視点からこの20球のドラマが描かれています。

スポーツを題材にした小説は初めて読んだかもしれません。とても新鮮でした。

0
2015年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

江夏の21球、野球ファンなら知らない人は少ないはずのこのドキュメント。あれは映像だったけど、あの緊迫感を小説にしたらどうなるか・・・って感じの小説である。

日本一や優勝がかかった試合ではないものの、ノーヒットノーランがかかった最終回の20球をピッチャー、キャッチャー、監督、野手、相手チームはもとより、観客、解説者、ビール売りから近所の中華屋の親父に至るまで様々な目線で追いかける。

その構成を知ったとき「こりゃすげーぞ、是非読んでみたい」と思い手に取ったのだけど・・・、うーんこのギクシャクして読みにくい展開はなんだ?、リズムに乗り切れないストーリー展開はなんだ?、手に握ってる汗の違和感はなんだ?

同じスターズを舞台にした「焔」や「ラストダンス」とは全然違って、スカっと感がないなぁと思ったんだけど、実はそれも仕掛けなんじゃないかなと分かった。衰えの目立つ名門球団にドラフト6位で入った高校ルーキーの初先発ノーヒットノーラン、それもノーコンでビビり。そんな試合を見ているリアル感を、ギクシャクだったりスカっとしなかったりで表現しようとしているってことなんかなと。

せやけど、緊張感のないギクシャクした試合なんて、阪神の試合おっかけたらイヤになるくらいあるわけで、せめて小説ではそんなオモロない気持ちになりたくないと思う俺にはちょっと苦手な小説だった。

それによーく考えたら、20球で1冊って小説では稀有かも知れんけど、巨人の星でもドカベンでも野球漫画ならもっと冗長な展開はザラにあったわなぁ。

0
2014年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

プロ初先発の19歳ルーキー有原のノーヒットノーラン達成間近、そして身売りが決まったチームのシーズン最終ゲーム、最後の20球をめぐる20のストーリー。

1球1球、視点を変え、交差する思いが語られていきます。

低迷が続いた名門チームの選手、監督、コーチ、そしてファン。

コントロールが定まらない気弱なマウンドの有原。
この有原のイライラさせるような性格とピッチングがこの本の味噌ですね(笑)

じれったいのに、何かを感じさせる彼のピッチングに、期待と言うより重々しい緊張感がずっと漂っています。
さぁ、果たして最後の一球まで耐え抜くことができるのか!?

0
2014年02月11日

Posted by ブクログ

 低迷に喘ぎ、売却が決定した名門球団“スターズ”。本拠地でのシーズン最終戦、プロ初先発のルーキー有原はノーヒットノーランのまま9回を迎えた。スターズのリードは1点。快挙達成へのアウト3つを奪うため、ルーキーが綱渡りで投じる20球を巡り、両軍選手や監督ほか関係者の思惑を、1球ごとに語り手を替えて濃密に描き出す。堂場野球小説の真骨頂、渾身の書き下ろし!

0
2013年12月17日

Posted by ブクログ

「江夏の21球」風に「ノーコンピッチャーのノーヒットノーランをかけた20球」と言う話です。が、面白くないわけじゃないけど、少々疲れる作品です。それぞれの選手や監督などの視点で見るのは面白い設定ですが、各自の気持ちの中に爽やかさがないです(プロだからそうなんだろうなあ(笑))。その分、マウンドの孤独感が際立っていいかな。

0
2013年12月13日

Posted by ブクログ

あることに関わる様々な人物の様々な目線から描かれている、その一つ一つの描写がリアルで、物語をとても立体的に感じられた作品。
ただ、狙いでもあるのだろうが20球がとても長くてイライラしてしまった。
野球小説として見るのではなく、ヒューマンドラマだと思って見れば、とても秀作。

0
2013年12月13日

「小説」ランキング