海外文学作品一覧

  • 少年船長の冒険
    -
    ディックの乗り組んだ捕鯨船は、ニュージーランドのオークランドを出て数日後、事故にみまわれた。キャッチャーボートが船長と乗組員ともども遭難して行方知れずになったため、見習水夫のディックはアメリカまでの長い航海を捕鯨船の「船長」として働かなければならなくなった。航海は順調のようだったが、船は思いもかけなかった「危険な大陸」に到着してしまった!

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  • 地の果ての燈台
    5.0
    南アメリカ最南端のマゼラン海峡に近いエスタードス島に《地の果ての燈台》が建てられ、アルゼンチン海軍から派遣されたバスケスら3人は、3カ月の間、燈台守としてこの無人島で過ごすことになる。だが、岩礁に囲まれた海の難所であるこの島には、難破船を標的にする海賊の一味が隠れ住んでいた……

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  • 気球旅行の五週間
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    気球によるアフリカ横断SF冒険小説。アフリカ東岸のザンジバル島から、ヴィクトリア湖、チャド湖をへて西岸セネガルのグイナの滝まで、前人未踏の世界への冒険旅行。この作品はあっというまに大成功を収めて各国で翻訳刊行され、ヴェルヌは一躍人気作家となった。彼の長大な「驚異の旅」シリーズはこれがもとになって始まる。

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  • 二年間の休暇
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    夏休みの航海旅行を楽しむはずだった15人の少年たちは、事故のため子供たちだけで無人島に漂着。次々と押し迫る危機的状況の中「集団」として生き残るための全力を尽くす戦いが始まる。幼い知恵と勇気をふりしぼり、ときに衝突しながらも仲間と力をあわせ、無人島での2年間を見事に生き抜いた彼らの姿を、躍動感あふれる筆致で描いた傑作冒険小説。「15少年漂流記」としても知られる。

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  • ペロー童話集
    -
    フランスのシャルル・ペローの童話集は、のちにつづくイギリスの「マザーグース」、ドイツのグリム兄弟による民話収集(グリム童話)の先駆をなしたものとして名高い。「眠れる森の美女」をはじめ、ここに収めた「赤ずきん」「青ひげ」「長ぐつをはいたねこ」「シンデレラ」「おやゆび小僧」などは誰でも知っている物語であるが、もとの形は意外に知られていない。

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  • 白い牙
    -
    犬の血をうけた狼「ホワイト・ファング(白い牙)」が幾多の苦難を乗り越えていく物語。凍てつく北国のきびしい暮らしと自然の描写は他の追随を許さない。「野性の叫び」と「白い牙」はジャック・ロンドンの「ユーコン物語」の代表作である。

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  • ジェイン・エア(上)
    -
    孤児として生まれたジェインは冷酷非情な伯母に育てられ、ついにはローウッドの慈善院へ追いやられる。施設は貧弱で衛生状態もわるく、生徒の扱いは非人間的であったが、ジェインは持ち前の意志の強さで試練と逆境を生き抜く。ヴィクトリア朝的雰囲気を濃厚にもちながら、なお一個の女性を描ききった小説として、今なお読みつがれている名作中の名作。

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  • ワインズバーグ・オハイオ
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    アメリカ中西部オハイオ州の一つの町(ワインズバーグ)に住む何でもない普通の人々の心にかくされた秘密の世界が、若いジャーナリストのジョージ・ウィラードを仲介役として、つぎつぎとあばきだされ、いつしかそれらはグロテスクな姿をさえとってくる。発表と同時に大きな注目をあび、以降もアメリカ文学を代表する作品として読み継がれている名作。

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  • 豪勇ジェラールの冒険
    -
    シャーロック・ホームズで人気絶頂にあったドイルが、どうしても書きたくて書いた歴史小説の代表作。ジェラールは祖国フランスとナポレオンに忠誠をつくす快男児。「シラノ」と同じガスコーニュ男児で、剣術と馬術にかけては並ぶ者なく、美女にはからっきし弱い。ヴェネチア、サラゴサ、ミンスク、ワーテルローなど、ナポレオン戦争中の各地で豪胆ぶりを発揮する。大言壮語と自己陶酔が大いに笑いをよぶ痛快回顧談。

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  • 審判
    -
    銀行の業務主任ヨーゼフ・Kは朝の起き抜けに逮捕される。だが罪状は明らかにされない。法廷に出ても弁護士を頼んでも、肝心のところは何もつかめず、必死になればなるほどいよいよ不可解の度は増してゆく。……組織・機構・制度のとらえがたいぶきみさと、それに翻弄される個人との関係を力強く描ききったカフカの代表作。

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  • ドリアン・グレイの肖像
    -
    快楽主義の権化ヘンリ・ウォットン卿の言葉に幻惑されて、麻薬を知り、娼窟に足を踏み入れ、とめどない背徳におぼれていく美青年ドリアン・グレイ…それを証するかのように、彼の肖像画には亀裂がはいり、どこまでも醜くなっていく。唯美主義者ワイルドが描いた怪奇幻想物語。

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  • エマ(上)
    -
    『エマ』というのは、だれもが気軽に手にとってみたくなる題名です。そして事実、ジェーン・オースティンというのは、実に気軽に楽しんでもらえる作家なのです。そのうえ彼女ほど、読者の好き勝手な解釈を許してくれる作品を書いた作家もいません。通俗的な恋愛小説ととってくださってかまいません。または、18世紀後半、あるいは19世紀前半の風俗習慣が生き生きと、手に取るように伝わってくる作品と解釈することもできます……要は、多種多様の要素を含みながら、けっして押しつけがましいところがなく、ひたすら読者を楽しませてくれる。それが彼女の作品の素晴らしさなのです。(訳者の言葉より)
  • マノン・レスコー
    -
    恋愛小説の最高峯と言われる名作。純情で移り気、しかも妖しい魅力を放ってやまないマノンのとりこになった17歳の若者シュヴァリエ・ド・グリューは、急速に堕落しながらも、ついに祖国を捨て、地の果てまでマノンを追いかけ、みずから愛する恋人の屍を葬る。

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  • スケッチブック
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    エッセイスト、ジャーナリスト、批評家として幅広く活躍し、「ペンで暮らしをたてた最初のアメリカ人」とも評されるこの作家の代表作。原書は34編の短編小説と随想、紀行文からなるが、ここには最も有名な作品「リップ・ヴァン・ウィンクル」「スリーピー・ホローの伝説」の2編をふくめて13編の短編を収録した。

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  • 凱旋門(上)
    5.0
    「ふたりは細い雨の降っている、人影ひとつない灰色の街を歩いていった。街の端までくると、ふたりのまえにまた広場がひろびろと果てしもなくひろがった。流れる白銀の糸の中から、凱旋門のどっしりした灰色の姿が、震えながら空高くそそりたっていた」……強制収容所を脱走して、フランスに不法入国、幽霊外科医として、もぐりの宿オテル・アンテルナショナールに不安な生活をおくっているラヴィック、天涯孤独の歌い手で、端役の女優マヅー、二人はふとしたきっかけで知り合うようになる。第二次世界大戦前夜の凶暴な嵐が吹き荒れつつあるパリを舞台に、避難民たちの不安と絶望、愛と復讐をみごとに描ききった名作。ラヴィックとマヅーの飲むカルヴァドスは当時、世界的流行にまでなった。

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  • アンの青春
    -
    アン・シリーズ第2巻の原題は「アヴォンリーのアン」。大学進学をいさぎよく諦めたアンは、アヴォンリーにもどって小学校の先生になる! 子供たちの面倒をみるかたわら、村の改善会を組織したり、双子の孤児を引き取ったり、さらにはロマンスの橋渡しをしたり、あいかわらずの大奮闘…そして。

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  • 諜報員アシェンデン
    5.0
    イギリスの作家モームの、実体験にもとづくスパイ戦の実相。女スパイあり、革命の志士あり、革命の敗者あり、売国奴あり、れっきとした外交官のスパイあり、全16章はそれぞれが独立したエピソードからなり、多種多様な人たちが姿をあらわし、さながら短編連作集のおもむき。哀歓の渦中にはモーム独特の皮肉な側面もしばしば顔をだす。

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  • スカーレット・レター
    -
    法律の定めによって、姦通を犯した印として胸に「緋色の文字」を縫いつけていなければならない女の生涯を描いたホーソンの代表作。近代アメリカ文学史を飾る傑作であり、当時の清教徒の生活意識や道徳観を超えた人間愛を描く心理小説。

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  • 草の葉
    5.0
    「この書に触れる者はひとりに人間に触れるのだ」という自負の言葉どおり、人間の誇り、民主主義の理想、霊的高み、性的自由、アメリカ精神の神髄を、誰ひとり到達しえなかった地点まで歌いあげた詩人の代表詩集の選集。ホイットマンは過激、狂人、ポルノ詩人という悪口と、新しい人間精神の開拓者という賛辞のはざまに今日まで生きつづけ、なお最も大きな影響を及ぼしているアメリカを代表する詩人である。

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  • 荒野の狼
    -
    普通の社会生活に適応できないハリー・ハラーは精神的な分裂状態に悩まされている。自分のなかの「荒野の狼」は苦悩と不幸の源になり、阿片製剤入りの鎮痛剤をあおり、ときおりどうしようもない死の誘惑に駆られる。脱出口を見つけられないこうした彼の前にヘルミーネという女性があらわれる。そしてその世話でダンスと愛技の名手マリーア、サックス吹きのパブロに出会う。めくるめく異世界との接触は仮装舞踏会でクライマックスに達する…そこには「魔法劇場」が待っていた。壮年のヘッセが描いたファンタジー。70年代、ヒッピーたちのバイブルともなった。

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  • デーミアン
    -
    「ぼくはただ、ひとりでにぼくのなかから生まれ出ようとするものを、生きてみようと思っただけだ。それがどうしてこんなにもむずかしいものだったのだろうか?」……幼くしてジンクレールは両親の家の「明るい世界」と、下女や職人の「暗い世界」の存在に気づく。そしてまたたくまに「暗い世界」へと引きずりこまれる。そこに現われたのが自信に満ちた導き手の「デーミアン」だった。潜在意識の世界への探求にむかった、ヘッセ後期の出発点となった記念碑的作品。

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  • 勝者には何もやるな ヘミングウェー短編集3
    -
    『われらの時代に』で描かれたひとりの男の成長の過程。『女のいない男たち』における男の絶望。そして本作『勝者には何もやるな』では、あきらめの境地に達した男のいっそう深い絶望が語られる。人生の激しい嵐をとおりぬけ、静かに虚無の世界を眺めるかのように綴られるヘミングウェーの第三傑作短編集!名作 「キリマンジャロの雪」収録

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  • 女のいない男たち ヘミングウェー短編集2
    -
    「失われた世代」の代弁者として、黙々と生きる男の虚無と絶望と救いをうたいあげた、ヘミングウェー28歳のときの第二短編集。長編『日はまた昇る』と『武器よさらば』のあいだの時期に書かれ、熱狂的な支持をえた作品集。

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  • われらの時代に ヘミングウェー短編集1
    5.0
    死と暴力と恐怖にとりまかれた生を、装飾を排したかぎりなく簡潔な文体とみごとな構成で浮き彫りにした、ヘミングウェー26歳のときの処女短編集。それぞれ登場人物を異にする短編連作を通じて、ひとりの人間の生涯が浮かびあがる。ヘミングウェーを愛する高村氏による全面改訳版。

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  • ラジオナメンティ
    -
    ナンナは十六になった娘の身の振り方を決めてやるのに迷い、友達のアントニアに相談する。「修道女にするのがいいか」「さっさと結婚させるのがいいか」「娼婦にするのがいいか」というのだ。それというのも、ナンナ自身、この三つの暮らしをすべて経験してきたからで…ルネサンス期ローマの町のけた外れの淫乱ぶりを暴露するポルノの元祖。

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  • 箴言と省察
    -
    「われわれの美徳は、まずたいてい、衣装を替えた悪徳にすぎない」という巻頭言に明らかなように、世間では美徳と考えられている、友情、感謝、献身、謙遜、礼儀、誠実、正義、博愛、沈着、寛大、などの徳目が徹底的に解剖され、すべてが自己愛の見せかけにすぎないことが暴露される。

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  • トム・ソーヤーの冒険
    -
    ミシシッピ川にのぞむちっぽけな町を舞台に、野生児トムが引き起こす騒動やいたずらと、それをめぐる大人たちの右往左往を描いたトウェインの代表作。浮浪児ハックとの好奇心からおこなった冒険は現実の殺人事件を目撃することになり、二人は真の恐怖も経験する。宝探し、いかだ下り、小島での野営、洞窟の恐怖、ガールフレンドとのやりとりなどを通じて、トムは多くのことを学んでいく。世界中で愛され続けている名作!

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  • 雨の朝パリに死す
    -
    「悲しみをたたえた華麗さ、グレーのセーターのような、メランコリックな優しさ、ワイン色のアンニュイ。フイッツジェラルドの作品の中には、現代の女性の心をひきつける、何ものかがひそんでいるのかも知れません」(訳者)。この短編集には表題作のほか「冬の夢」「金持ちの青年」というフィッツジェラルドの代表的な三つの作品が収められている。

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  • 椿姫
    -
    椿の花しか持たないため、椿姫と呼ばれるパリの高級娼婦マルグリットと出会った青年アルマンは、彼女をひたむきに愛するようになる。彼女も彼に好意を抱くが、娼婦であり、病魔に冒されているために応えることが出来ない。愛しあいながらもついに結ばれることのなかった二人の悲恋を、パリの社交界を舞台に美しく描く。アレクサンドル・デュマの私生児デュマ・フィスの出世作で、ヴェルディのオペラの原作ともなった。

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  • ジーキル博士とハイド氏
    -
    自分の発明した薬品によって「善良な市民」ジーキルから「悪の権化」ハイドに変身、闇にまぎれて悪逆非道をはたらき、ふたたび薬品によって元に復帰する……人の心の二面性を象徴的に描出した怪奇ものの古典。他に二つの短編「水車小屋のウイル」「一夜の宿」を収めた。

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  • 続あしながおじさん
    -
    ジューディは結婚して、孤児院の有力な後援者に。かわって大学時代の親友、赤毛のサリーは孤児院の院長さんになって大活躍、がんこ者のお医者さんと力をあわせて、孤児院を大改革。前作とおなじ手紙の形で話が進められ、前作とおなじように、ユーモアにあふれ、強い正義感をうたった傑作。

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  • あしながおじさん
    -
    孤児院に育った少女ジューディに幸運が。月に一度手紙を書くという約束で大学に入れてくれるという紳士があらわれたのである。「あしながおじさん」は、快活で機知にとむジューディがこの約束にそって書いた手紙形式の物語。90年も前の作品にもかかわらず今なお世界中の人たちに愛され親しまれている名作。

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  • 三銃士(上)
    -
    フランスのリシュリュー時代を舞台に、アトス、ポルトス、アラミスの三銃士と堅い友情で結ばれたダルタニャンとが、陰謀と権謀術数の渦巻くなかを泳ぎ渡ってゆく痛快、汗握るデュマならではの冒険活劇。スリルと波乱、雄大なスケールで、決して読者をあきさせない最高級のエンターテイメント!

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  • シラノ・ド・ベルジュラック
    -
    当代随一の才気ある詩人であり、勇猛果敢な剣士でもあるシラノは、唯一その顔のまんなかを占める巨大で醜い鼻のコンプレックスに悩んでいた。美女ロクサーヌへの純真な恋心も鼻のまえには率直に告白することができない。シラノは恋敵の貴公子クリスチャンの影法師として生きる。……波乱万丈、痛快無比、決闘あり、百人切りあり、駄じゃれ、毒舌、雄弁、名せりふに満ち満ちた、おもしろさ、楽しさ完全保証の悲喜劇。

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  • 風車小屋だより
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    製粉工場ができて利用されなくなった風車小屋のなかで、粉ひきじいさんが壁土をひいていたという「コルニーユ親方の秘密」、あばずれ女と結婚した青年が、女をもとの情夫に連れていかれて、女を思い切れずに自殺するという「アルルの女」など、プロバンスを舞台にした情趣あふれる24の短編からなるドーデの代表作。

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  • 城(上)

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    測量士Kは「城」から招かれ「村」を訪れた。だがようやくたどりついた村からは「城」はろくに見えず、村人の待遇はよそよそしい。城に到る道は迷宮のように錯綜していて、Kは城に到ろうとさまざま試みるが、どうやってもたどりつけない…20世紀文学に異彩をはなつ大作。

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  • ガルシン短編集 赤い花
    -
    1巻550円 (税込)
    新たに精神病院に連れてこられたその患者は、病院の花壇に異様な赤い花を見つける。彼には、その花はあらゆる悪のシンボルと感じられ、それを摘み取ることが自分に課せられた仕事なのだと思い込む。…この代表作「赤い花」のほか、「四日間」「アッターレア・プリンケプス」「めぐりあい」「信号」など、ガルシンの代表作6編を収録。

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  • 隊長ブーリバ
    -
    1巻550円 (税込)
    南部ロシアのウクライナが戦乱のちまたであった時代。勇猛果敢なコサックの戦士たちが、祖国と信仰を守るために立ち上がった時代。典型的なコサック魂の権化、隊長ブーリバの峻厳な行動モラルを描く歴史ロマン。

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  • 王妃マルゴ(上)
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    舞台はフランス・ルネサンスの一見はなやかな時代。だが新旧の宗教の対立はきわだち、聖バルテルミーの大虐殺で対立はクライマックスを迎える。シャルル9世は君主ではあったが、母親のカトリーヌ・ド・メディシスは隠然たる力をもち、シャルルの弟たちもそれぞれが次期の王位を狙っていた。こうしたなかでシャルルの妹マルゴはプロテスタント勢力の旗頭ナヴァール王アンリと政略結婚をさせられる。だがマルゴは披露宴の席で元恋人のギーズ公からなにごとかささやかれると「今夜、いつものように」という言葉をラテン語であたえるのだった。

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  • イソップ寓話1
    -
    紀元前5世紀のヘロドトスの「歴史」に出てくる作者イソップ。だがその生涯はよくわからない。しかし、イソップ作とされる寓話の数々は、いつしかまとめられて多くの国の言葉に訳されて普及した。日本でも1593年に『天草本伊曾保《いそぽ》物語』が出版された。おもに動物や植物を材料に書かれたその寓話は、末尾の警句とともに、大人が改めて読んでも非常におもしろい。本寓話集には、(1)に148編の寓話を、(2)には120編の寓話と、同じく寓話作家として有名なラ・フォンテーヌの手になる、これも非常におもしろいイソップの伝記寓話15編が収めてある。

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  • 武器よさらば
    5.0
    第一次世界大戦の一進一退がつづく北イタリア戦線に志願し、傷病兵運搬の任務にあたるアメリカの青年フレデリックは、戦場で働く看護婦キャサリンと恋におちる。二人はスイスへの逃避行を試みるが…。死と生の世界を「乾いた」文体で描いて発表と同時に各国でベストセラーとなった20世紀文学の記念碑的作品。

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  • 黒いチューリップ
    -
    ルイ14世によって引き起こされたオランダ戦争の渦中、オランダ国内は政治的党派の争いも過熱していた。その一方で、ハルレムの町は「黒いチューリップ」を作り上げた者に10万フロリンの巨額の懸賞金を出すというイベントを企画する。資産家の息子で根っからの園芸好きのコルネリウスは、全力をあげて品種改良に取り組む。だが隣家には、コルネリウスに対抗心と嫉妬の炎を燃やす園芸家ボクステルの目があった。彼はコルネリウスが当時の政治リーダーの叔父から重要書類を託されたらしいのを目撃する。

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  • 阿Q正伝
    -
    1巻550円 (税込)
    阿Qは正式な呼び名も「阿キュウ」としか判らず、小さな村で麦狩りや米つきや船こぎなどの臨時の手伝いをして、その日その日を暮らす最下層の貧民だった。住まいも村の社(やしろ)をねぐらにしていた。だが、プライドは高かった。そして、いつの日か、偉くなって、自分を馬鹿にする連中を見返してやろうという野心を抱いてもいた。近代中国の庶民をはじめて描き、その目覚めと再生を希求した魯迅(ろじん)の代表作。他に「狂人日記」「藤野先生」など、短篇代表作7作を収めた。

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  • 水滸伝 巻一
    4.0
    1~8巻550円 (税込)
    竜虎山から天空に飛散した108個の星が転生したのが、この小説の108人の豪傑たち。英傑・豪傑・盗賊からなる彼らが、梁山泊(りょうざんぱく)に結集するまでを物語る大長編伝奇絵巻の読みやすい完訳。全8巻。

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  • 中国古典の人生学 四字句に学ぶ処世の知恵
    -
    1巻540円 (税込)
    人生の達人は真理に逆らわない。中国二千年の文化が育んできた古典は、人間学の原則原理を収めたエッセンスである。先憂後楽、玩物喪志、経世済民、不言之言……本書は『論語』『孫子の兵法』『三国志』『書経』などから中国の故事・格言を四字句に凝縮し、現代の世相を例に引きながら解説した好著。読み進むうちに、必ずあなたの人生の道しるべとなる一言があるはずである。

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  • にんじん
    3.9
    にんじん――。髪の毛が赤くてそばかすだらけのルピック家の三番目の男の子はみんなからそう呼ばれている。あだなをつけたのはお母さんだ。お母さんは、にんじんに夜の暗闇のなかをにわとり小屋の扉を閉めに行かせたり、おもらししたおしっこを朝食のスープに混ぜて飲ませたりする……。だが、にんじんは母親のいじわるにも負けずに成長してゆく。生命力あふれる自伝的小説の傑作。
  • 星の王子さま
    4.3
    砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった……。一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後七十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。
  • 青春とは、心の若さである。
    3.7
    年を重ねただけでは人は老いない。人は理想を失うとき初めて老いる。温かな愛に満ち、生を讃える詩の数々。困難な時代の指針を求めるすべての人へ贈る、珠玉の詩集。
  • 鏡の国のアリス
    3.6
    ある日、アリスが部屋の鏡を通り抜けると、そこはおしゃべりする花々やたまごのハンプティ・ダンプティたちが集う不思議な国。そこでアリスは女王を目指すのだが……永遠の名作童話決定版!
  • マクベス
    3.8
    「ヘエエエイ、マクベース!」荒野で三人の魔女から呼びかけられた闘将マクベス。やがては王になるとの予言どおり、ひたすら血塗られた裏切りと栄達への道を突き進む。王の座を手中におさめたマクベスの勝利はゆるがぬはずだった、バーナムの森が動かないかぎりは……。シェイクスピアの不滅の四大悲劇の一つであり、「舞台で生きる言葉」にこだわり練り上げた演劇の人・安西徹雄、最後の訳業。
  • まざあ・ぐうす
    4.3
    ナンセンス、なぞなぞ、レジスタンス、諷刺などさまざまな要素を軽やかなリズムのうちに包み、英語圏で大切にはぐくまれてきた伝承童謡、まざあ・ぐうす。残忍で陽気で、奔放でとりとめがなく、そのおもしろさは不思議な魅力を秘め、暮らしの中に、文学の世界に深く息づいている。言葉の魔術師白秋が、愛をこめて子供たちのために訳出した幻の名著。
  • 変身・断食芸人
    4.2
    一家の大黒柱として勤勉に生きてきた青年ザムザ。ある朝目覚めてみると、彼は一匹の毒虫と化していた―。確たる理由もなく、とつぜん一人の青年をおそう状況の変化。その姿をたんたんと即物的に描くカフカ(一八八三―一九二四)の筆致は、荒涼たる孤独地獄を私たちに思い知らせてやまない。カフカ生前発表の二篇を収録。(改訳)

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  • 共産党宣言
    -
    カール・ハインリッヒ・マルクスによる作品。
  • 十二夜
    3.9
    男に変装した若く美しいヴァイオラは、セザーリオと名乗ってある国の領主に仕えていた。その領主に魅せられたヴァイオラだが、領主は、伯爵家の令嬢で当主のオリヴィアに恋焦がれている。ところが、こんどはオリヴィアが男装のヴァイオラにひと目惚れ、大混乱が巻き起こって……。幾重にも行き違う愛の行方は? シェイクスピア喜劇の到達点!
  • ヴェニスの商人
    4.0
    裕福な貴婦人ポーシャへの恋に悩む友人のため、貿易商アントニオはユダヤ人高利貸しのシャイロックから借金をしてしまう。担保は自身の肉1ポンド。商船が難破し全財産を失ったアントニオに、シャイロックはあくまでも証文どおりでの返済を迫るのだが……。「ユダヤ人には、目がないのか。ユダヤ人には、手がないのか……」登場人物の生々しいまでの真情が胸を打つ。迫力の安西シェイクスピア、第3弾登場!
  • 聊斎志異の怪
    -
    芥川龍之介や森歐外などが愛読した『聊斎志異』は、中国、清の蒲松齢が20年以上民間伝承を取材しまとめた、全16巻からなる世界最大の怪異小説集。本書では幽霊譚・動物奇談・妖怪譚を抄録し、現代語訳で紹介する
  • 動物農場
    4.4
    一従軍記者としてスペイン戦線に投じた著者が見たものは、スターリン独裁下の欺瞞に満ちた社会主義の実態であった……寓話に仮託し、怒りをこめて、このソビエト的ファシズムを痛撃する。
  • リア王
    -
    純真な末娘より、甘言を信じ、長女と次女に国を譲ったリア王は、忘恩の娘達に追い出され、発狂し嵐の荒野をさ迷う。急を聞き、父を援けに出た末娘は、不運にも捕えられ殺される。理性をとり戻した王は、真実の愛情と虚偽を見分け出来なかった愚をくやみつつ息を引きとった。シェイクスピア全劇作品中、最高作と評価される一作。
  • トロイラスとクレシダ
    -
    トロイ戦争とその戦争の中に咲いた悲しい恋の物語。西欧の文学に歌いつがれたこの「恋愛と名誉」の伝統的な主題をシェイクスピアはこの戯曲の中でまったく非情の眼で直視する。トロイやギリシアの華やかな英雄たちはその栄光の座から引きずり降ろされ、純情なトロイラスは、女性を理想化したため深い幻滅を味わされる。最も古典的な物語がシェイクスピアの手によって一変する。
  • ベンジャミン・バトン 数奇な人生
    3.6
    老人として生まれ、若者へと時間を逆行して生きるベンジャミン・バトン。しかしその心は同世代の人間と変わらず、青春時代の苦悩や恋愛や結婚を経験し、戦争などの逆境に果敢に挑んでいく。不思議な人生を歩みつづける彼を、最後に待つものは……。(「ベンジャミン・バトン」)20世紀を代表する伝説的な作家による、ロマンあふれるファンタスティックな作品を集めた傑作選。
  • にんじん
    3.6
    「にんじん」――ルピック夫人は末の男の子をそう呼ぶ。髪の毛は赤く、顔はそばかすだらけだから。にんじんは、部屋の片隅にうずくまりながら、家族のために役立つ機会を待ちぶせしている。が、母親の口汚いののしりと邪険な態度が、そんな彼の気持ちを打ち砕く――。愛に飢え、愛を求めながら、母親のあまりの反応のなさに悩み傷つく少年の姿を生き生きと描き、読者の感涙を誘う不朽の名作!
  • 果樹園のセレナーデ
    4.0
    荒廃した果樹園の古びたベンチにすわって、ひとり静かにヴァイオリンを奏でる美少女キルメニイ。悲運の母の偏愛ゆえに世間から隔絶された口のきけない少女に、大学を出て赴任してきた若い臨時教師エリックが真実の愛をそそぎ、奇蹟を起こす、この美しい愛の物語は、『赤毛のアン』で知られ、生涯青春の情熱を失わなかったモンゴメリ女史の実質的処女作。

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  • ブッダの「慈しみ」は愛を超える
    3.5
    最高の悟りを得たブッダは、一切の生命への「慈しみ」を繰り返し説かれました。この本は、そんなブッダの教えの精髄と呼べるパーリ語の経典『慈経(Metta Sutta)』を、スマナサーラ長老が詳細な解説とともに紹介する画期的な仏教入門書。2500年語り継がれてきた教え、「全ての生命は幸福であって欲しい」という願いがこの経典に溢れています。収録されている『慈悲の瞑想』の言葉を唱えて、心穏やかな毎日を過ごしてください。
  • オズの魔法使い
    4.0
    カンザスの大平原のまんなかから大竜巻で家ごと見知らぬ土地に飛ばされたドロシー。ヘンリーおじさんとエムおばさんが待つ故郷へ戻りたい一心で、どんな願いも叶えてくれるという偉大なる魔法使いオズに逢いにエメラルドの街を目指す。頭にわらの入ったかかし、心臓がないブリキの木こり、勇気がほしいライオン。仲間とともに困難を乗り越える一行の願いは叶えられるのか? 柴田元幸の新訳による不朽の冒険ファンタジー!
  • 星の王子さま
    4.4
    砂漠に不時着した主人公と、彼方の惑星から来た「ちび王子」の物語。人の心をとらえて離さないこの名作は、子供に向けたお伽のように語られてきた。けれど本来サン・テグジュペリの語り口は淡々と、潔い。原文の心を伝えるべく、新たに訳された王子の言葉は、孤独に育った少年そのもの。ちょっと生意気で、それゆえに際立つ純真さが強く深く胸を打つ――。「大切なことって目にはみえない」。感動を、言葉通り、新たにする。
  • 新訳 リチャード三世
    4.3
    薔薇戦争の末期、世の中に平穏が訪れようとした頃、醜悪な容姿と不自由な身体を持つグロスター公リチャードは、王となることで全ての人々を嘲笑し返そうと屈折した野心を燃やしていた。やがて彼は兄王エドワード四世の病死を契機に、暴虐の限りを尽くして王位を奪う。しかし、明晰な頭脳を誇ったはずの彼にも思わぬ誤算があった――。シェイクスピア初期の傑作を、原文のリズムにこだわった名訳でおくる決定版。
  • 新訳 ハムレット
    4.0
    「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。――」王子ハムレットは父王を毒殺された。犯人である叔父は王位に、殺人を共謀した母は、その妻におさまる。ハムレットは父の亡霊に導かれ、気の触れたふりをして復讐の時をうかがうが……。四大悲劇のひとつである、シェイクスピアの不朽の名作。古典の持つリズムと日本語にこだわり抜いた、読み易く、かつ格調高い、画期的新訳完全版!
  • 完訳グリム童話集1
    値引きあり
    -
    19世紀初め、20代の若い学者の兄弟が、ドイツ語圏に伝わるメルヒェンを広く蒐集してまとめた『グリム童話集』は、半世紀近い歳月、兄弟自身の手で改版が重ねられ、1857年、最後の第7版が刊行された。それは、国境を越え、時代を超え、今も生き続ける、他に類をみない新しい文芸の誕生であった。池田香代子の生命感溢れる翻訳による完訳決定版。第1巻には、「灰まみれ」「赤ずきん」「白雪姫」等、56話収録。〈全3巻〉
  • (真)夏の夜の夢 七五調訳シェイクスピアシリーズ〈10〉
    NEW
    -
    1巻495円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 この作品の原題はA Midsummer Night’s Dream である。「真夏」、即ち、夏至の日。一年中で一番昼が長い6月24日の前夜である。6月は真夏ではないし、クライマックスの結婚式と余興の日は、夏至の日なのか五月祭なのか曖昧であるが、この婚礼の日は、妖精たちに守られて、男女は結ばれ、新しい生命を生み出し、植物も大きく育つ季節である。真夏の「真」を取るべきだという訳者も現れ、『夏の夜の夢』という題になっているものもある。私の作品は折衷案として『(真)夏の夜の夢』としてある。この作品に登場するのは善良な妖精の王と女王であり、悪戯好きの妖精である。筋立ての中心になるのは、妖精の悪戯による2カップルの青年貴族の恋愛沙汰と、職人たちの劇中劇とそのリハーサル中の喜劇的な人物のロバへの変身である。場面の多くは、「魔法の森」で繰り広げられ、とても面白く作劇されていて楽しめる作品である。
  • オセロ -ヴェニスのムーア人- 七五調訳シェイクスピアシリーズ〈7〉
    -
    1巻495円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『オセロ』は1604年に上演された。オセロは貿易で栄えるヴェニス公国の将軍である。傭兵であるのに将軍である。なぜか? ヴェニスの人間が将軍になり、富と政治に軍事力が加われば、独裁者になることが分かっていたのだろう。ヴェニスの人々はこの点で賢明だった。四大悲劇の他の作品と比較すると、戦争のことは背景として描かれてはいるが、この作品は出世を阻まれた男の妬みと復讐、そして夫婦に起こる小さな世界の悲劇である。この作品は、ある意味、イアゴが主人公で「嫉妬」がテーマである。有名な台詞は、「嫉妬とは 緑色した 怪物で/ 人の心で 増殖し 人の心を 弄(もてあそ)ぶ」というものである。オセロは最後に「自分は嫉妬深い人間ではないが、悪漢の言葉に惑わされ、デスデモーナを殺してしまった」と自白する。自分の最も大切で神聖な「宝」を誰にも奪われないようにするためのオセロの究極の選択が、その宝を葬るという極論である。
  • ハムレット 七五調訳シェイクスピアシリーズ〈5〉
    -
    1巻495円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 七五調シリーズも〈5〉になった。試行錯誤の結果、良くなってきている。散文形式の筋をただ追うだけの訳ではないので、最初は抵抗感があるかしれない。シェイクスピアの作品自体、英文の「劇的詩」である。訳は近松門左衛門的な「日本の劇的詩」なのである。シェイクスピアの全作品の中で傑出しているのは『ハムレット』である。その理由は作品の中にある作者の「人生論」だ。そこに我々は共感し、感動し、学び、生きる指針を見出せるからだ。文学や演劇には大切な役目がある。それは「鏡」の役目だ。時代を映し、読者や観客の内面を映し出すもの。『ハムレット』の中には高品質の「(受け手の内面を映す)鏡」がある。ハムレットの「狂気」という屈折する鏡まである。受け手はそれに自分を映し出してみて、自分の知らなかった自分を発見できるのかもしれない。シェイクスピアの登場人物の提示する「宝」を発見できれば、人生が有意義なものになるに違いない。
  • リア王 七五調訳シェイクスピアシリーズ〈3〉
    -
    1巻495円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 悲劇の最高傑作『リア王』は、シェイクスピアが37歳ぐらいのときに書いた作品である。翻訳にはアーデン版『リア王』を用いた。亡き妻がロンドンで英文学を学んでいたときのテキストで、ここに彼女の貴重な多くの書き込みがあったからである。ところで、この作品を読んで、リア王の強い思い込みと激情に駆られて即断するという「愚かな罪」に対して「罰」が厳しすぎるのではと思われる方も多いのではないだろうか。ただ、現代においても親子の情は同じだ。信頼感と不信感、虚偽と正義のせめぎ合い、虚飾を取り去った人間の裸の姿、「見えていたときには見えず、見えなくなって初めて見える」人の世のこと、「どん底にいる」などと言える間はどん底ではないというギリシャの哲人が語るような人生哲学など、学ぶべきものが作品中に散りばめられている。訳していて気づかされたことは、主筋と副筋が微妙に絡み合っていて、強烈な一つの本体を形成していることであった。劇の途中で主人公のリア王がいなくなってしまい、それを補完するかのようにグロスターが代役の主人公のように登場し、リア王が最後に狂気となって現れるのだが、そこに至る過程をシェイクスピアはグロスターで描き出している。リア王の悲劇的効果を高めた道化の役も、リア王が消えている間は道化だけで登場させるわけにはいかないので、エドガーがしっかりと代役を務めている。ここにシェイクスピアの偉大さをまざまざと感じ取ることができた。
  • 野性の呼び声
    4.0
    ゴールドラッシュに沸くカナダ・アラスカ国境地帯。ここでは犬橇が開拓者の唯一の通信手段だった。大型犬バックは、数奇な運命のもと、この地で橇犬となる。大雪原を駆け抜け、力が支配する世界で闘い、生きのびていくうちに、やがてその血に眠っていたものが目覚めはじめるのだった。苛酷な大自然を力のかぎり生きぬく犬たちの誇り高き生命の物語。20世紀初頭、アメリカで国民的な人気を博したジャック・ロンドンの出世作。
  • 肉体の悪魔
    3.9
    第一次大戦下のフランス。パリの学校に通う15歳の「僕」は、ある日、19歳の美しい人妻マルトと出会う。二人は年齢の差を超えて愛し合い、マルトの新居でともに過ごすようになる。やがてマルトの妊娠が判明したことから、二人の愛は破滅に向かって進んでいく……。早熟な少年の人妻への恋を、天才作家が悪魔的な筆致で描く20世紀心理小説の白眉、研ぎ澄まされた文体で甦った決定訳!
  • 新訳 ドリトル先生アフリカへ行く
    4.3
    やったぜ! 映画化!! 『ドクター・ドリトル』2020年3月20日全国ロードショー!! 世界中で愛される、動物と話せるお医者さんの物語。第1弾。 【動物と話せるお医者さんのびっくりゆかいな大冒険!新訳&挿絵付】 装画・挿絵:ももろ ※本書は、既刊の角川つばさ文庫版の漢字表記や表現を大人向けに加筆修正し、全ての漢字にふられていたルビを最低限にまでへらしたものです。 ●あらすじ ドリトル先生は動物のことばが話せる、世界でただひとりのお医者さん。でも患者は動物ばかりで人はよりつかず、いつも貧乏。 ある日、ジャングルのサルの間で広がる、おそろしい伝染病の話を聞き、仲良しのオウム、子ブタ、アヒル、犬、ワニたちと、船でアフリカへむかう。 凶悪な海賊との対決、世にもめずらしいボクコチキミアチとの出会い…。 世界中の子どもと動物に愛されるお医者さんの名作を、新訳とかわいい挿絵で楽しもう! ●この本に登場する人間と動物たち ・ドリトル先生 動物に大人気のお医者さん。人間の患者がよりつかないので、いつも貧乏。 ・ダブダブ おかあさんみたいに先生を世話するアヒル。いつも先生の心配ばかり。 ・ポリネシア 物知りのおばあちゃんオウム。人間のことばが話せて、なんでもおぼえている。 ・ガブガブ 食いしんぼうな子ブタのぼうや。泣き虫であまえんぼう。 ・トートー オスのフクロウ。計算が得意。耳がすごくいい。 ・ジップ とんでもなく鼻がきくオス犬。先生のおうちの番犬。 ・チーチー アフリカからやってきたオスのサル。ドリトル先生に助けられる。 ・サラ ドリトル先生の妹さん。先生の動物好きにあきれている。 ・バンポ王子 ジョリギンキ国の王子さま。心がきれい。
  • トウェイン完訳コレクション 〈サプリメント1〉ちょっと面白い話
    -
    ハバナのある博物館に行くと、クリストファー・コロンブスの頭蓋骨が二つある。「一つは彼の子どもの頃のもので、もう一つは大人になってからのもの」なのだそうだ――。文豪マーク・トウェインの本質とも言える、ユーモアと風刺に満ちた短編を、トウェイン翻訳の第一人者である大久保博が腕によりをかけて選りすぐり翻訳した傑作集! 大げさなホラ話やたわいのない馬鹿話、笑い話の裏に、ユーモアセンスでは並ぶ者がいないと言われた文豪の深い人間洞察が行き届いている。どの一編にも人間社会の鋭い警句が満ちた必読の書。 ※本作品は一九八〇年二月、旺文社より刊行された文庫「ちょっと面白い話」を改題し、加筆修正したものです。 カバー:アラン・オウドル(Alan Odle, 1888-1948)『1601』より
  • 新訳 から騒ぎ
    4.5
    ドン・ペドロは友人クローディオが持つヒアローへの恋心を知り、策を練って二人を婚約させるのに成功した。続けて独身至上主義のベネディックとビアトリスもくっつけようとするが、思わぬ横やりが入ってしまう……。
  • トウェイン完訳コレクション マーク・トウェインのバーレスク風自叙伝
    -
    奇想天外、抱腹絶倒! 文豪マーク・トウェインのリドル・ストーリーの傑作との呼び声高い、一風変わった作品集。追いはぎ・辻斬り・ペテン師などなど……、自らのユニークな祖先のビックリ仰天の伝記を語る表題作ほか、自分の娘を男に仕立て、兄公爵の相続人にしようとする陰謀と、その悲劇的結末を描く「最初のロマンス――恐ろしき、悲惨きわまる中世のロマンス」、そして、「西部の無法者 ジャック・スレイド」、「食欲治療所にて」、「秘伝 上手な話し方のコツ」を収録。充実の解説を付した決定版!
  • トウェイン完訳コレクション アダムとイヴの日記
    -
    この世で最初の人間、アダムとイヴの書いた日記が発掘された。ふたりがそれぞれに記したエデンの園の日常とは……? アダムから見たイヴは「長い髪をしたこの新しい生きもの」、イヴから見たアダムは「低級な趣味の持ち主」。その認識の違いっぷりが笑いを誘う、おかしくて、やがてほろりとさせられる極上の逸品。原書からの挿画を満載し、巻末には詳細な解説と年譜を付した決定版!
  • 富を「引き寄せる」科学的法則
    4.1
    お金や資産は、「確実な方法」にしたがって物事を行った結果、手に入るものです。この確実な方法にしたがえば、だれでも間違いなく豊かになれるのです――。百年にわたり読み継がれてきた成功哲学の名著。
  • しいたげられた人々
    -
    若い公爵アリョーシャと清純な処女ナターシャの悲劇的な恋をめぐって、暗い都会ペテルブルグにうごめく新進作家、冷酷な老公爵、運命に呪われた少女などを描く。多分にメロドラマ的要素の濃い作品で、そのドラマティックな構成は読者を最後まで捕らえて放さない。しいたげられた人々への一貫した作者の温かい愛情を示す作品である。
  • 歌う白骨
    -
    リチャード・オースティン・フリーマンによる作品。
  • 不思議の国のアリス
    3.7
    ある昼下がり、アリスが土手で遊んでいると、チョッキを着た兎が時計を取り出しながら、生け垣の下の穴にぴょんと飛び込んで……個性豊かな登場人物たちとユーモア溢れる会話で展開される、児童文学の傑作。
  • 雨の朝パリに死す
    3.7
    奔放な妻ヘレンとの生活に疲れはてて失意の酒に酔いしれていたチャーリイ。妻の死によって一人娘への愛情にめざめ、娘を取り返そうとパリに戻ってくるが、ふと出会った昔の女に過去が甦える。第一次大戦後のパリを背景に男女の愛情のもつれを描く。他に「カットグラスの鉢」「冬の夢」「罪の赦し」「金持ちの青年」を収める。
  • 新訳 ロミオとジュリエット
    3.6
    モンタギュー家の一人息子ロミオは、ある夜仇敵キャピュレット家の仮面舞踏会に忍び込み、ある娘と劇的な恋に落ちる。が、彼女はまさしくその仇敵の一族の一人娘ジュリエットだった。固く永遠の愛を誓いあう二人だが、運命は逃れようのない破滅へと加速してゆく……世界恋愛悲劇のスタンダードを原文の持つリズムや巧みな心理ドラマにこだわり、より分かりやすくよみがえらせた、新訳版。
  • 十二夜 七五調訳シェイクスピアシリーズ〈9〉
    -
    1巻445円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「十二夜」とは、クリスマスから数えて12日目の1月6日のことである。この劇は1602年に初演されたことになっているが、その前年にオーシーノ公爵を招いたエリザベス女王が上演させたという記録も残っている。作品には男女の双子が登場し、女性が男装していて混同される。出だしではオーシーノが主人公のように思えるが、オーシーノ→オリヴィア→セザリオ(男装したヴァイオラ)→オーシーノと、恋愛感情の矢印は循環している。ところが、最後に男装の「トリック」が明らかにされ、めでたく二組のカップルが誕生し結婚に至るのである。これが主筋であるが、とても「筋」とは言い難く、喜劇的な展開が主題となっている。[マライア+トビー卿+アンドリュー卿+フェステvs.マルヴォリオ]という「笑い」の筋が、どちらかというと主筋のような作品である。世俗的な世界とマルヴォリオに象徴されるピューリタン的な世界との対立構図でもある。
  • いやいやながら医者にされ
    -
    飲んだくれの木こりスガナレルは、若いとき医者の家で働いたことがあるが、たったそれだけのことから「名医」にされてしまう。モリエール笑劇の真骨頂。作者の同時代人の一人はこう述べている。「すばらしい傑作で、誰だってつい見たくなってしまいます。世の中にこれほど面白く、人を笑わせる作品はありますまい。いま、こうしてペンをとっていても、思わずおかしくなってきて、笑いがこみあげてきます」
  • 病は気から
    3.0
    医者や薬剤師によって「自分は病気だと思いこまされている男」アルガンが主人公。若い後妻は財産目当てで、夫のすみやかな死を待っている。医者への痛烈な風刺をたっぷりと盛り込み、陽気な歌と踊りでふんだんに味付けした喜劇。国立劇場コメディ・フランセーズの上演回数は記録的で、見て面白いという点では、モリエール劇のなかでも屈指の芝居との評価が定まった傑作。
  • 白痴 完全版
    -
    白痴と呼ばれる純朴なムィシキン公爵と二人の女性をめぐる群像劇を感動的に描き、ドストエフスキー五大長編の一つとされる『白痴』。ロシア文学者中山省三郎の読みやすい名訳を上下巻セットで合本した完全版。
  • 罪と罰 完全版
    -
    苦学生ラスコーリニコフは自分なりの信念を持って金貸しの老婆を殺害。その罪悪感と運命に翻弄される姿を描いた世界文学史上不朽の名作。ドストエフスキーの主要作品をほぼ全て翻訳し、近現代日本文学にも大きな影響を与えたロシア文学者・米川正夫の名訳を上・中・下巻全巻セットで合本した完全版。
  • 三つの物語
    -
    純粋であるがゆえに薄幸な人生を送らざるをえなかった一人の女を描いた「純な心」、「無上の栄光を手にするかわり、自らの両親を殺めることになるだろう」という不吉な予言に翻弄された男の物語(「聖ジュリアン伝」)、サロメの首をモチーフにした「ヘロディア」を収録。この3作は順に「ボヴァリー夫人」「聖アントワーヌの誘惑」「サラムボー」の3長編を連想させるフローベール最晩年の遺言の書だ。
  • アントニーとクレオパトラ
    -
    アントニーはすぐれた武将であり、勇敢で偉大な人間であったが、クレオパトラに恋していた。恋に酔いしれたアントニーは公事を忘れ、ローマに残した妻を忘れて日を過ごす。彼に対する非難の声は高まるばかり。妻ファルヴィアの死の報にもエジプトをはなれない彼は、完全に武将としての生活をすてて、恋のとりこになり終わってしまったかのようにみえた……シェイクスピアの最も油の乗り切った時期の作品の一つ。
  • 美しい夏
    -
    一人の少女が大人へと成長していく青春のひとこまを、鮮やかに描く。ジーニアは兄と二人暮らし、洋裁店で働いている。もうすぐ17歳になる夏、三つほど年上のアメーリアと出会う。アメーリアは画家のモデルをしているという。成熟した雰囲気を漂わせるアメーリアに、ジーニアは反発しつつも憧れを抱く。昼間は働き、夜はカフェやダンスホールで遊び、日曜は散歩に出かけたり湖でボートに乗ったり映画をみたり、あるときアメーリアは、モデルの仕事をしている画家のもとへジーニアを連れていく。ジーニアはその画家に恋するが……燦めくような夏はあっという間に過ぎ去る。パヴェーゼに惚れ込んだ訳者による名訳。
  • 田園交響楽
    -
    「もし盲目なりせば、罪なかりしならん」――スイスの片田舎の一牧師と盲目の少女、牧師の妻と長男の4人の愛情の葛藤を中心に、人間の自由と宗教の戒律の相剋をきびしく追求――自らの時代をもっとも誠実に生きた、巨星ジッド円熟期の名作。
  • 飛行士たちの話
    -
    作者ダールはシェル石油会社の外国駐在員となってタンザニアへ赴任中、第二次世界大戦が勃発。訓練を受けたのち戦闘機中隊に加わり、数々の実戦を体験した。たまたま「サタデー・イブニング・ポスト」誌から空中戦の体験を語ってほしいという依頼があったが、ダールは談話では不足と思い、体験の一部を手記にして渡した。この出来栄えが素晴らしかったので、そのまま記事になり、続編を書くことになる。その最初の原稿が本書の中の「簡単な任務」であり、続編が本書となった。戦記文学としても優れた飛行機乗りの物語10編を収録したダールの最初の短編集。
  • 新訳 ジキル博士とハイド氏
    3.6
    ロンドンに住むジキル博士の家に、ある時からハイドという男が出入りしている。彼の評判はすこぶる悪い。心配になった親友のアタスンがジキルの様子を窺いに行くと……。
  • 青年に訴う
    -
    ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキンによる作品。
  • 盗まれた手紙
    -
    エドガー・アラン・ポーによる作品。
  • 革命の研究
    -
    ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキンによる作品。
  • 霊訓 前編
    -
    ウィリアム・ステイントン・モーゼスによる作品の前編。

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