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動物農場は複数の出版社から訳本が出ていますが、1972年のソビエト連邦が健在なりしころに高畠文夫さんによって訳された本作。
農場の管理者である人間を、動物たちが蜂起して追放し、自分たちの自由で平等な理想の農場を作ろうとします。様々な動物が登場しますが、キャラクターが旨く描き分けらていてわかりやすいのと、理想に向かって進んでいるはずなのにいつの間にか次の権力者が生まれ、過去の出来事が簡単に塗り替えられ、何が事実かもわからなくなって、次の権力構造が形作られる様が分かりやすく描かれています。スターリン時代の旧ソ連を風刺した作品で、訳についても健在なりしころの左翼っぽい表現も感じられて味わい深いです。
しかし、ここに描かれた物語は昔のソ連のパロディというだけでなくて、お隣の国の現在進行しつつある状況をも彷彿とさせます。歴史は繰り返すと言いますが、そのからくりはどこにあるのか、本作を読めばわかる気がします。
Posted by ブクログ 2022年11月12日
「動物農場」はスペイン内戦が背景となって書かれた、『1984年』の寓話版とも言える作品だという予備知識ありで読んだけれど、それにとどまらない普遍性をもった小説だと思った。
ソ連、ロシア、中国、北朝鮮。
打倒したはずの権力者を民衆自らが再生産し、しかもそれに無自覚なまま虐げられる「ユートピアからのディ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月29日
かなり衝撃を受けた『一九八四年』を書いたジョージ・オーウェルのヒット作。表題作を含む短編4編が収録されているが、どの短編にも共通するテーマは「支配」。100%ORANGEさんの描く表紙の可愛らしい動物たちとは裏腹に、内容は残酷。だが雰囲気は明るく、不思議な感覚。どんな人間も動物でさえも、権力の頂点...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月05日
ディストピア3小説3冊目。動物農場の物語自体は意外と短い短編小説だった。残り半分は、オーウェルのビルマ時代の話と解説など。いきなり話が変わったので、一瞬整理が出来なかった。
動物農場の話自体は、リアルな怖さを覚える。
どんどん事実が歪められていくが、既成事実として皆に信じこませていく過程は、今の自...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月21日
おもしろかったのは
・支配者がいなくなってもすぐ別の支配者が生まれること
・支配する側は自分の利益しか考えないこと
・何も考えず流される者は自分の運命を他人に決めさせてしまっていること、気付かぬうちに搾取されること
・まじめに従順に何も考えず従う者は損すること
・人のせいにすること
・記憶は簡単に上...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月09日
嫌だなあ
どれだけ人に絶望したらこんな小説が書けるんだろうと思う
でも、この小説を読んでいてこの上なく不快な理由は、ひとえに、自分にも身に覚えのある人間の業深さを突きつけられてるからに違いない
こういう露悪的なものは大好きだ
でも、風刺されている業深さについて心当たりがある自分、重視している小説と...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年02月14日
人間社会の縮図を描いた寓話。
共産主義にしろ、ナチズムにしろ、はたまた現代の民主主義もどきにしろ、行き着く先はこの本にある。欲を持つ動物である限りはこうなるのであろう。
理想を掲げて国家建設を目指しても、成就してしまうと、その理想はどこへやら、今までと変わらぬ為政者に成り果ててしまう。ずっと繰り返さ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月18日
この作品の訳書はいくつかの出版社から刊行されているが、角川版を推したい理由は、巻末に開高健氏による短い評論『24金の率直―オーウェル瞥見―』が掲載されているから。(ほかに、ちくま文庫では開高健訳の動物農場がある)
George Orwellの著作を読むにあたって、ぜひ参照してほしい。
また、訳者...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月16日
ーウェルの2大作品のひとつ
人間に虐げられている農場の動物たちが理想の暮らしを得るために立ち上がり、人間を追い出し動物農場を作る。
その中で賢いブタが彼らのリーダーとなり統率していくが、やがてその農場はブタが人間に代わっただけの世界へと変貌していく。
旧ソ連時代の社会主義圏の全貌を動物を...続きを読む
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