【感想・ネタバレ】動物農場のレビュー

あらすじ

一従軍記者としてスペイン戦線に投じた著者が見たものは、スターリン独裁下の欺瞞に満ちた社会主義の実態であった……寓話に仮託し、怒りをこめて、このソビエト的ファシズムを痛撃する。

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動物農場は複数の出版社から訳本が出ていますが、1972年のソビエト連邦が健在なりしころに高畠文夫さんによって訳された本作。
農場の管理者である人間を、動物たちが蜂起して追放し、自分たちの自由で平等な理想の農場を作ろうとします。様々な動物が登場しますが、キャラクターが旨く描き分けらていてわかりやすいのと、理想に向かって進んでいるはずなのにいつの間にか次の権力者が生まれ、過去の出来事が簡単に塗り替えられ、何が事実かもわからなくなって、次の権力構造が形作られる様が分かりやすく描かれています。スターリン時代の旧ソ連を風刺した作品で、訳についても健在なりしころの左翼っぽい表現も感じられて味わい深いです。
しかし、ここに描かれた物語は昔のソ連のパロディというだけでなくて、お隣の国の現在進行しつつある状況をも彷彿とさせます。歴史は繰り返すと言いますが、そのからくりはどこにあるのか、本作を読めばわかる気がします。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

3種類の動物農場を読み比べたが、この角川文庫が1番わかりやすかった。
他に『像を撃つ』『絞首刑』『貧しいものの最期』も載っており、お得感あり。

こんな批判を書いて大丈夫か⁈と思った時に浮かんだのが、海堂尊のコロナシリーズの本。 あれも勇気ある内容!

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

動物農場: ロバのベンジャミン、作者自身の諦めに近い気持ちを現しているのかなと思った。訳者は大衆の中に希望があるとオーウェルは感じていたのではないかと書いていたが、面白い論点だと思う。動物が出てきて物語全体としてゆとりがある印象があるという見方には非常に共感するが、個人的には、七戒が全て破られ、豚が二本足でたったところで、彼の、生きてきた時代への絶望•諦めを感じた。物語に加えて解説を読むと考えることが多くて面白い。
象を射つ•絞首刑: 訳者の指摘するところの支配-非支配の関係性への、諦め的な気持ちを読み取った。
貧しいものの最期: X病院で現状に何もできない人々が、全体主義に黙って従う人々を描いているように感じた。
24金:オーウェルの書き物が、誰の側に立っているか明らか、という点に共感する。

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2025年03月20日

Posted by ブクログ

モリーちゃん可愛いよモリーちゃん。

解説も含めて最高でした。
もっともっと自分が深みのある人間になることができてから、もう1回読みたい。

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2023年03月30日

匿名

購入済み

怖い

怖いけど全体主義がよくわかる傑作。
こういう小説で概要を理解した上で専門書を読むとすんなり全体主義が理解できそう

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2023年01月12日

Posted by ブクログ

「動物農場」はスペイン内戦が背景となって書かれた、『1984年』の寓話版とも言える作品だという予備知識ありで読んだけれど、それにとどまらない普遍性をもった小説だと思った。
ソ連、ロシア、中国、北朝鮮。
打倒したはずの権力者を民衆自らが再生産し、しかもそれに無自覚なまま虐げられる「ユートピアからのディストピア」という構図を、戯画化することで一般化している。
そういえば、イタリアの終戦記念日だったっけか、「ファシストになるくらいなら、豚になる方がマシ」という、紅の豚のセリフがさかんに流れるらしい。けれど、この「動物農場」では、豚こそがファシストということになっている。しかも、それは他より多少優れた知性をもつことによる。ということは、そこには能力主義がもつ歪みも当然反映されているわけで、そうなればさっき挙げた共産圏(元共産圏を含めて)だけではなくて、民主主義を標榜する国全部が当てはまるということになる。
頭のいい人、カリスマ性のある人に任せておけば大丈夫。難しい政治のことは優秀な人に預けておいて、自分は日々の暮らしに埋もれていられるのが幸せ。
そういう気分で暮らしている人が大半の国に自分は暮らしているし、自分にも多少なりともそういう気分は共有されている。
自分が当たり前だと思っていることが、自分自身にとっていかに危険なことなのか。
そういうことにハッと気づかせてくれるオーウェルは、やっぱりすごいと思う。

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2022年11月12日

Posted by ブクログ

 かなり衝撃を受けた『一九八四年』を書いたジョージ・オーウェルのヒット作。表題作を含む短編4編が収録されているが、どの短編にも共通するテーマは「支配」。100%ORANGEさんの描く表紙の可愛らしい動物たちとは裏腹に、内容は残酷。だが雰囲気は明るく、不思議な感覚。どんな人間も動物でさえも、権力の頂点に君臨すると独裁者になってしまうと風刺している。馬のボクサーが不憫でならない。ナポレオンを始めとする豚たちよりも、シュプレヒコールを声高に唱える羊たちが怖かった。
 オーウェルは小説より評論が主らしいが、既読の2作がとても面白いので他の作品も読んでみたい。

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2022年09月29日

Posted by ブクログ

ディストピア3小説3冊目。動物農場の物語自体は意外と短い短編小説だった。残り半分は、オーウェルのビルマ時代の話と解説など。いきなり話が変わったので、一瞬整理が出来なかった。

動物農場の話自体は、リアルな怖さを覚える。
どんどん事実が歪められていくが、既成事実として皆に信じこませていく過程は、今の自分たちの世界におき変えても平気で起きている事のような気がする。

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2022年06月05日

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おもしろかったのは
・支配者がいなくなってもすぐ別の支配者が生まれること
・支配する側は自分の利益しか考えないこと
・何も考えず流される者は自分の運命を他人に決めさせてしまっていること、気付かぬうちに搾取されること
・まじめに従順に何も考えず従う者は損すること
・人のせいにすること
・記憶は簡単に上書きされること

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2022年05月21日

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嫌だなあ

どれだけ人に絶望したらこんな小説が書けるんだろうと思う
でも、この小説を読んでいてこの上なく不快な理由は、ひとえに、自分にも身に覚えのある人間の業深さを突きつけられてるからに違いない
こういう露悪的なものは大好きだ
でも、風刺されている業深さについて心当たりがある自分、重視している小説として評価してしまう自分は、嫌いなんだよなあ

みなを

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2022年05月09日

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人間社会の縮図を描いた寓話。
共産主義にしろ、ナチズムにしろ、はたまた現代の民主主義もどきにしろ、行き着く先はこの本にある。欲を持つ動物である限りはこうなるのであろう。
理想を掲げて国家建設を目指しても、成就してしまうと、その理想はどこへやら、今までと変わらぬ為政者に成り果ててしまう。ずっと繰り返される歴史。 

色々と思い当たるものに、当てはめて読むと、大変面白いです。

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2021年02月14日

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ネタバレ

ソビエトのスターリン制を批判した作品で、ナポレオンはスターリン、スノーボールはトロツキー、革命を焚きつけたメージャー爺さんはレーニンだそうだ。民衆のために人一倍働いた馬のボクサーが、病院に搬送するとされながら屠殺場に送られ、その酒でどんちゃん騒ぎをする豚たちのくだりが生々しかった。共産主義も右翼も度を過ぎればファシズムであり独裁である。こんな社会になってはいけない、しかし今の社会そのものではないか?最後に人間のピルキントンが二足歩行のナポレオンと宴会をしているが、うちは下層階級、おたくは下層動物というやっかいものがいる、というようなことを言っている。これは共産主義の話か、資本主義の話か?どちらにしても、社会主義のオーウェルは、そのどちらも憎んでいたんだろうと思った。

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2020年05月17日

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この作品の訳書はいくつかの出版社から刊行されているが、角川版を推したい理由は、巻末に開高健氏による短い評論『24金の率直―オーウェル瞥見―』が掲載されているから。(ほかに、ちくま文庫では開高健訳の動物農場がある)

George Orwellの著作を読むにあたって、ぜひ参照してほしい。

また、訳者による解説も、著者の簡潔な伝記となっていて良い。

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2019年01月18日

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平等を目指したロシア革命が独裁制に陥った歴史を、農場主から独立した家畜動物たちに擬して描いている。家畜を主人公にするところからしてそうだけど、全篇に渡ってコミカルな風刺が効いていておもしろい。

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2023年10月13日

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専制君主制、資本主義、共産主義どれにしたって民衆を救えるのは私たちだけだって囁き、寄り添ってくる。
人間には高いリスク回避能力が備わっていて、ポジティブな思い出よりネガティブな思い出の方が頭に残りやすいので、前の時代に逆戻りしてしまうくらいなら、自分が勤勉に動き耐え忍ぼう(馬)という人が大勢出てくる
こういう大衆を知能が低い、流されやすいという言葉で片付けたくない。
人間の身体と同様に社会の仕組みや権力をどこに置くかなど新陳代謝をスムーズに行うことが必要だ。
その点において、厳しい言論弾圧(=過去や現在の改ざん)を行い新陳代謝を防ぐ共産主義に恐ろしさを感じる。

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2025年03月03日

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表題作はもちろん、短編もとても良い。
1984年は読むのに苦労したが、こちらは読む手が止まらなかった。
象を撃つ、貧しい者の最期、には生が絶えていく描写があるが、経験していなければ決して描けないようなインパクトがあった。

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2024年06月04日

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あらすじは各所に書かれている通りで、ロシア革命とソビエト連邦建国になぞらえたと言われる寓話。寓話として抽象化されているのでナチスドイツにあてはめた読み方もできるらしい。さらに抽象化して権力構造一般にもあてはめられる。
個人的にはスノーボールの再登場を期待していたのだが、退場後は二度と登場せず、実態のない仮想敵として存在感を示していた。

表題作の他に、「象を射つ」「絞首刑」「貧しいものの最期」というエッセイが収められている。それぞれビルマ、パリで暮らしていたときのものである。これを読むと、とても読みやすく印象的な文章を書く作家なのだなということが分かる。「象を射つ」の象が射たれた直後の描写、「絞首刑」の囚人がふと人間らしさを見せる瞬間の描写などは特にはっとするものがあった。

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2024年05月23日

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セリフの一句や一行の文に、読み手がどれだけの関心や知識、歴史の知識があるか次第でこの寓話は感じ方が変わる。私もロシア革命時代の様子は良く知らないが、寓話と読むには心に引っかかるサインが随所にあった。全くスタイルの違う「象を撃つ」「絞首刑」「貧しい者の最期」も何でだか引き込まれて行った。リアリティがあるのかな?

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2023年07月02日

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人間の支配から脱して独自の社会を築き始めた動物たちのお話。
動物のセレクトが秀逸で良かった!
表題作の他にも支配がテーマの短編がいくつか。
象を撃ち殺す話が好きだった。

後半かなりページ数さいてオーウェルの生涯について記してあるのも興味深く読めた。

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2022年12月26日

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共産主義と資本主義と独裁主義が、いつの間にか混ざり合って混乱し、いつの間にか差別主義と格差の中に迷い込んでしまった。
ロシアか中国の話だとばかり考えていましたが、最近の日本も笑えなくなってきている気がしています。

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2022年11月18日

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人間が思想をもち、その思想が人間を歪めていくある種必然的な時の流れを見事に描いている。ソビエトの歴史を上手く動物世界に落とし込んたわ作品。

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2022年09月08日

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民主主義国家を作ろうとした動物たちが独裁国家や全体主義国家へ至る過程を描いた寓話、同作者の『一九八四年』より明快で読みやすい。
スターリン政権時のソ連を風刺した内容だけど、データの改ざんやデマ拡散で国民を騙そうとする手法なんかは現代の日本でも使われてるっていう。

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2022年06月04日

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オーウェルはテーマが一貫してますね。
20世紀のイソップ寓話とカバーに書かれていましたが、その通りです。
ほっこりから始まりじわじわと怖くなってきます。

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2021年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作品もテーマが著者オーウェルの代表作「1984年」の中で描かれる「ニュースピーク」に重なる。

それは「全体主義の恐怖政治」において、法(作中では7つの掟)や歴史の解釈(作中では追放された元リーダーのスノーボールが活躍した事実)がこっそり政治の中枢で改訂され、それが知識人らによって流布され、大衆が簡略化されたスローガンを連呼して全体主義が浸透していくという流れ。

資本家の象徴として描かれる元荘園主を追い出して動物による動物のための農場を作ったリーダーのナポレオンだったが、最後は隣接する農園主の人間と密会を重ねるうちに豚のナポレオンが2本足で歩くようになり、服を着るようになり、人間と見分けがつかなくなっていく。
これは労働者のリーダーのはずのスターリンが資本主義国家の英国や米国首脳と会談を重ねて彼らに同化していく様子を風刺している。

オーウェルは言う。
【現代の戦争】とは、支配集団が自国民に対して仕掛けるものであり、戦争の目的は領土の征服やその阻止ではなく『支配構造の保持』にある、と。

そして法や歴史的解釈、ニュースの真相といった政治的教養は、いかにマスコミやフェイクニュース、プラットフォームのアルゴリズムによって自在にプロパガンダに変貌しうるのかを示している。

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2021年10月09日

Posted by ブクログ


社会主義を寓話化して批判している本であるが、解説にもあるように、全ての権力体制にこれが当てはまるほどに昇華されている。

権力は、ついた瞬間に腐敗が始まる。

象の話も印象深い。支配者は被支配者に支配者として振る舞うように支配されている。

解説や作者の生い立ちも詳細に書かれ、何重にも楽しめる本。

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2021年05月23日

Posted by ブクログ

そうなのか…という落胆が最後を飾る。
傲慢な管理者になった豚たちは、人間と見分けがつかなくなる。無知な他の動物たちは、ただ為すすべなく 搾取されるだけ。
隷属から解放されるための革命だったはずなのに、なぜ理想は現実にならないのだろう。

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2021年03月04日

Posted by ブクログ

動物農場→人間にこき使われてた動物たちが反乱して自分たちで農場を運営する童話。でも後半…やっぱり悪いやつはいるってことで。

特に2回目の緊急事態宣言下で「飲食店いじめ」と言われるような政策も検討されてる中読んだので共感するところは多かった。

グロはないが胸糞。

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2021年01月07日

Posted by ブクログ

『動物農場』は旧ソ連のスターリン政権を痛烈に皮肉った作品である。スターリンの「集団農場」から捩ったのだろうか。同じスターリン批判でもディストピア的な『1984』よりこちらのほうが個人的には寓話的で面白い。本来1944年に出版できたはずが英国としてソ連をドイツ帝国の防波堤として利用したい思惑から発売見送りになったのも、それだけ的を得たスターリン批判になっていたということであろう。

主人公?のナポレオンをスターリンにしても毛沢東にしても亡国のカリアゲ氏に代えても成り立つ話というのが面白い。いつの時代も恐怖政治を織り成すのは結局人間であるので根っこは一緒ということか。

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2020年11月27日

Posted by ブクログ

「1984」に比べるて断然読みやすい。が、話が進むにつれどんどん憎らしくなってくる。

ライバルを貶める為には手段を選ばないナポレオン、話を自分達に都合よく少しずつ変える話術をもつスクィーラー、都合が悪くなると騒ぎだすヒツジ達。

今の日本にピッタリと当てはまる構図。

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2019年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある農場で飼われている動物たちの会議。
みんなのまとめ役豚のメージャー爺さんの話を聞こうとヤギ、馬、アヒルなどたくさんの動物たちが集まった。
メージャー爺さんは昨日見た夢の話を始める。
「我々は力の続く限り強制的に働かされます。そして役に立たなくなった瞬間虐殺の憂き目にあいます。どうしてそんな悲惨な運命をたどらなければいけないのか?われわれに豊かな生活を保障できないほどイギリスは貧しいのか?否!彼らは優雅な生活を送るためにわれわれの労働から得られる収穫のほとんどすべてを搾取してているのです。『人間』こそがわれわれの唯一の敵である。
われわれは何をすべきか?そう、人間打倒をするしかないのです!決起せよ!」

反乱を決意した動物の成就は意外なほど早くやってきた。牧場主ジョーンズは最近訴訟に負けお大金を失ってからやる気なく酒ばかり飲んでいる。家畜をおろそかにし、畑も荒れてしまっていた。彼はある日餌をあげ忘れたまま出かけ、帰ってきてからも忘れ、酒を飲んで寝てしまった。動物たちはついに堪忍袋の緒が切れジョーンズやその使用人に襲いかかった。ジョーンズたちはいつもの暴れと様子が違うことに慄き、すべてを置いて逃げ去ってしまった。

動物たちの勝利である。彼らは自分たちを縛っていたナイフ、首輪、リボンなどの道具を燃やし、丘を駆け巡り自由を確かめた。動物たちはそこを「動物農場」という名前に改め自治を確立した。自分たちで干し草を取り入れ、畑を耕した。実際に取り入れは人間たちよりも早く終わった。そして自分たちで作った食事をするのは格別だった。

その頃ジョーンズは酒場で愚痴をこぼしていた。同情してくれる者もいたが、たいがい自分たちに被害が及ばないようにするだけだった。ジョーンズは一度使用人と共に農場を取り戻そうとしたが豚のスノーボール、馬のボクサーを筆頭に皆々の奮闘により敗北してしまった。

人間たちを完全に追っ払った後は、動物たちだけで動物農場という国を運営してくのだが、最初は平等だった動物たちは、他の動物より賢かった豚のナポレオンにより徐々に力関係が変わっていった。つまり彼は人間の主人のようになりたがったのだ。

ナポレオンは彼の側近たちだけで物事を決めるようになり、一人だけ元農場主の家を使い、ベッドで寝て、番犬をはべらせた。自分自身に勲章を送り、自分は酒を飲でいる間に他の動物たちを働かせた。そして革命時の英雄スノーボールは実は裏切り者だったと吹聴し、彼を英雄視するものは罪人とみなし処刑した。そしてあれほど嫌悪していた人間たちと取引を始めるのであった。

このときにはすでに革命のときに決めた動物を殺さない、人間と取引しない、人間の作った家を利用しない、などほとんどの決まり事はナポレオンの都合の良いように解釈されていた。しかし頭の良くない動物たちはナポレオンの取り巻きに言いくるめられ反論できなかった。頭は悪いが忠実で働き者のボクサーは余生を夢見ながら一生懸命働いたが、もう働けなくなると廃棄処分された。

他の動物たちは人間に支配されていたときと変わらない食事しか与えられず、仲間もたくさん殺され、近隣との戦争にかりだされ傷つき死んでいったのであるが、やはりナポレオンは正しいと思ってしまうのであった。

結局、まじめで善良な動物たちにとって支配者が人間から豚になっただけのことだった。

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2025年05月19日

Posted by ブクログ

SFじゃなくて寓話だった。設定とか展開に凝ってるわけじゃなくてロシア革命を風刺してるらしい。読んでてワクワクするような内容じゃなかったけど、よくできた話だとは思った。

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2024年08月30日

Posted by ブクログ

ロシア革命を風刺した寓話。現代の日本に当て嵌めても面白い。自分たち(権力者)にとって良いように解釈される法。そこになんとなく違和感を感じつつも抵抗しない国民...。愚直に信じ続けることで自己肯定感を醸成して思考停止。表題作他、超短編3作も当時の状況を把握できる内容で満足の一冊。初読は中学生ぐらいだったかな...。改めて著者の先見性を垣間見れる。

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2020年02月28日

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