角川春樹事務所作品一覧
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3.6動けなくなった家族は、誰が看るのですか? 自宅火災の跡から殺害された家族三人の遺体が出た。唯一生き残った長女は典型的なヤングケアラーだった。少子高齢化、認知症、貧困、格差、少年犯罪、教育――。日本が抱える問題は、すべて家族の問題につながっていく。いずれ誰もが直面する現実を描く問題作! 雑誌記者の笹山真由美は、若年性アルツハイマーを発症した父に付き添い病院を訪れた。彼女はその病院のICUで、頭に包帯が巻かれ、複数の管につながれた意識のない少女・美咲が流す涙を目撃する。美咲の家族は殺害され、自宅火災の焼け跡から遺体で発見されていた。事件を調べ始めた真由美は、美咲が典型的なヤングケアラーだったことを知る。重度の障害者の兄と認知症の祖母の面倒を、看護師の母にかわって一人で看ていた美咲が、衝動的に家族を殺して放火したと考える警察の見解に違和感を覚えた真由美が突き詰めた衝撃の真実とは……?
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3.9「本屋が選ぶ時代小説大賞」など数々の賞を受賞し、直木賞候補にもなった『高瀬庄左衛門御留書』から3年。スリリングかつ心震える新たな傑作時代小説が誕生。世の中には決して見過ごせないことがある。浅草の寺子屋を舞台に、師弟、親子、兄弟、幼なじみ……明日にむかい、ともに懸命に生きる。人間の縁と心の機微を濃やかに深く描く感動作。大滝信吾は、ゆえあって旗本である兄の紹介で、浅草寺の境内にある正顕院で寺子屋を開いている。源吉や三太、おさよなど大半は町人の子だ。穏やかな春の日、子どもたちと縁側で握り飯をほおばっていたとき、源吉の姉が駆け込んできた――大切な人を守るため、信吾は江戸の闇と真っ向から闘う。浅草の四季を背景に、家族や友人、下町の人情に支えられながら、信吾が天命を見つけ、成長するさまを圧倒的な筆力で描く。
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4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 師匠を追いかけて訪れた浅草「並木の藪」で頼むのは、鴨なんばんのソバ抜き・通称「鴨ヌキ」。女将のたねさんが笑顔で運んでくれた、祇園「山ふく」の雑ぜ御飯。美味しいのになぜか味が嘘くさい空港のハヤシライス。こだわりと人情で彩られた、日本各地の行きつけの店と、食にまつわる礼儀作法、そして今は亡き人々の温かい記憶。昭和の文士によるとっておきのグルメエッセイが、新装版として復活しました!(解説・嵐山光三郎)(新装版解説・白央篤司)
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3.7解剖は死者を救うため――。 犯罪都市NYの検視局で キャリアを積んだ法医学者が 神奈川県警と警察医契約を結び、 横浜に戻ってきた。 すべては死者を救うために――。 医師が最期を確認する病死以外は〈異状死〉と呼ばれる。欧米では異状死の五割 を解剖しているが、日本の解剖率は二割に届いていない。 国内に法医学者の絶対数が少ないうえ、犯罪捜査のための解剖を行う公的機関が 常設されていないからだ。 重大犯罪が見逃されていないか?死者と語り、どこまでも真実に執着する警察医である法医学者。 多様化する性を取り巻く犯罪に立ち向かうジェンダー班の刑事たち。 死に隠れた謎を解き明かす、新たなドラマの幕が上がる!
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4.0「寺地さんの作品の中で、一番好きです」原田ひ香さん ぼくたちは、夜を歩く。眠れない夜に。不安な夜に。静かで、藍色で、心細い。でも歩かずにはいられない。そんな夜に。 「一緒に歩かない?」 会社員の實成は、父を亡くした後、得体のしれない不安(「モヤヤン」と呼んでいる)にとり憑かれるようになった。特に夜に来るそいつを遠ざけるため、とにかくなにも考えずに、ひたすら夜道を歩く。そんなある日、会社の同僚・塩田さんが女性を連れて歩いているのに出くわした。中学生くらいみえるその連れの女性は、塩田さんの娘ではないという……。やがて、何故か増えてくる「深夜の散歩」メンバー。元カノ・伊吹さん、伊吹さんの住むマンションの管理人・松江さん。皆、それぞれ日常に問題を抱えながら、譲れないもののため、歩き続ける。いつも月夜、ではないけれど。
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4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 昭和5年、27歳の周五郎は、煩悶の日々を送っていた。世界大恐慌の煽りを受け、日本もまた出口の見えない不況にあった時代。文壇デビューは果たしたものの、思うような作品を生み出せずに苦しみ、焦り、金銭的にも追い詰められて、自暴自棄になる日もあった。しかし、転機は恋と結婚によってもたらされる。周五郎は、最愛の妻に貧しい暮らしをさせていることに心を痛めながらも、真摯に小説と向き合う過程で、「読んで面白い小説」に活路を見出していく。妻への愛情を糧に、自分の為すべき仕事に辿りつくまでの若き周五郎の日常と心情が赤裸々に綴られた、第一級の文学史資料。(監修・竹添敦子)
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3.4幕末・ミッション・インポッシブル! MISSION 『幕末最後の戦いで見事活躍し、甲賀忍者ここにありと知らしめ、武士の地位を獲得せよ!』 幕末、江戸幕府が大政奉還をし、旧幕府と薩摩・長州の間で大きな戦が起ころうとしているその時、〝元〟忍びの里・甲賀は揺れていた。忍びとして戦国では大いに活躍したにもかかわらず、戦がなくなると時の権力者たちは難癖をつけて身分と領地を没収。気づけば忍びの術は失われ、百姓として困窮するまでになっていた。そんな折の大戦。忍びの技を再び世に示し、甲賀忍者ここにありと知らしめれば、武士の身分につけるのでは――。そんな願いのもと、集められた甲賀の里の若者たち。その中でも、鬼っ子・山中了司、宮司見習い・安井金左衛門、箱入り息子・大原伴三郎、誇り高き血筋・鵜飼当作、少々年の行った薬術師・間瀬勘解由の五人組は喧嘩ばかりのはちゃめちゃで!? 幕末を駆け抜けた「最後の忍者」の活躍を描くノンストップ・エンターテインメント時代小説!
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3.6「この物語、年代を問わず全ての女のためにあるのかもしれない。そして、本気で女を愛せる男たちのためにも」(あさのあつこ・巻末エッセイより)。「待っているわ・・・・・・」明日上方へ旅立つ男からの告白に幼い感傷で応えてしまったおせんが、その一途さゆえに歩むこととなった苛酷な生涯を描いた恋愛小説の傑作「柳橋物語」、万年補欠とも称すべき武家の四男としての人生を堂々とまい進する青年とその家族の物語「ひやめし物語」、あまりの世間しらずに幽霊たちもたじたじ・・・・・・講談調の滑稽譚「風流化物屋敷」。人間の諸相を巧みに、鮮烈に描き出した三篇を収録。(エッセイ/あさのあつこ、編・解説/竹添敦子)
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4.0天保五年の正月、むさし屋喜兵衛の寮から火の手が上がり、焼跡から三人の焼死体が見つかった。三人は、長く結核を患っていた当主喜兵衛と、妻おその、娘おしのと認められる。一方その年の晩秋、江戸の町では殺人事件が相次ぎ、骸の傍らには必ず椿の花弁が残されていた。被害者はいずれも殺されて当然と思われるような悪名高い男たちばかり。この一連の事件に、与力青木千之助が捜査に当たる。聞き込みの末に若い娘の影を掴むが、果たしてその娘とは・・・・・・。法で罰することのできない、けれど到底許しがたい罪をどう裁くべきか――昭和の文豪・山本周五郎渾身の傑作長篇。(エッセイ/澤田瞳子、編・解説/竹添敦子)
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3.6奈緒は、夫の仇を討つため、義父の文二郎と信州から江戸へやってきた。 ふたりは暮らしを立てようと、深川で薬屋を営むが、医者である文二郎の元には、貧しく医者代の払えない病人やけが人が次々と駆け込んでくるようになっていた。 そんなある日、深川の芸者・捨て丸が、惚れ薬を作ってほしいといってくる。 捨て丸の相手は、なんと有名な本草学者であった……。 奈緒たちは、藩の秘め事に巻き込まれながらも、市井の人々のたくましさと優しさに触れ 日々の暮らしを愛するようになるが――。 『貸本屋おせん』で、時代小説界に鮮やかにデビューした、期待の新鋭による飛翔の傑作長篇。
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3.7罪を償っていれば、許せるか? 受け入れられるか? それとも、許せないのか? 揺れ動く心情を丹念に描き切った社会派ミステリー。『希望が死んだ夜に』の著者が挑む新境地——。横浜に本社を置くオオクニフーズの相模原支社に勤務する藤沢彩は、子どもの頃から自分の感情や思考を言葉にするのが苦手だ。その性格もあり引っ込み思案で人との付き合いが苦手な彩だったが、仕事のことで思い悩んでいた時に声をかけてきた一年先輩の同僚社員・田中心葉に次第に惹かれていく。心葉と同期の佐藤千暁とも次第に交流ができ、三人はそれぞれ十年後も二十年後も一緒にいたいと願うようになっていた。そんなある日、心葉が会社の朝礼で、何の前置きもなく「ぼくは人を殺したことがあります」と発言したことで、絆は揺らぐ。そして千暁にも、兄が殺された被害者遺族という人に言えなかった過去があった……。
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3.7ドラマ化もされた大ロングセラー「安積班」シリーズ熱望の最新刊! 外国人同士がもめているという通報があり現場に駆けつけると、複数の外国人が罵声を上げて揉み合っていた。ナイフで相手を刺して怪我を負わせた一人を確保し、送検するも、彼らの対立はこれでは終わらなかった……。(「略奪」より) 高齢者の運転トラブル、半グレの取り締まり、悪質なクレーマー…… 守るべき正義とは何か。揺るぎない眼差しで安積は事件を解決に導いていくーー。 おなじみの安積班メンバーに加え、国際犯罪対策課、水上安全課、盗犯係、暴力犯係など、ここでしか味わえない警察官たちのそれぞれの矜持が光る短編集。
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4.0台湾有事の時、最初に狙われるのは沖縄だ! 徹底した長期取材を経て辿り着いた〝おそるべき日本の危機〟を描く、著者渾身の軍事小説。「日本有事のリアルなストーリーとその意外な展開に読者は引き込まれるであろう」河野克俊氏(元統合幕僚長) 中国人民解放軍が台湾周辺の海域で今までにない規模で演習を開始した。台湾侵攻が急迫していると分析した日本政府は、〝台湾戦争〟の勃発後に日本が巻き込まれた場合を想定し、アメリカ軍の作戦をいかに支援していくべきかの検討を開始した。その事前準備として石垣島と与那国島への陸上自衛隊の事前配置を急ぐ決断をした日本を嘲笑うかのように、中国特殊部隊は宮古島をはじめとする先島諸島に徐々に浸透、破壊工作を始めようとしていた。そして日本は、想定していなかった戦禍に見舞われていく……。
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3.0『ブラザーズ』『ムショぼけ』『インフォーマ』の著者、最新作! 震える、笑える、そして痺れる——ぴっかぴかのヤクザ小説、爆誕! 関西ヤクザ界に「ヒットマンブラザーズ」の異名で知られる危険な男、天空会の萩原紅。懲役囚だが刑務所内に絶大な影響力を持ち、不自由ながら懲役の面白さを感じながら刑期を過ごしていた。やがて出所し組に戻った萩原が引き起こした、構成員1万人とも言われる大川連合とのもめ事。10人の組員しかいない天空会だが、誰も引く気はない。難しいこと考えて、こぢんまりまとまっても、しゃあない――そして、また熱い日々がやってくる。
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3.7「ゼロ打ち」とは選挙の開票開始直後、開票率0パーセントに近い時点で特定候補者の当選確実を報じること――。 大和新聞の社会部記者・片山芽衣は、唐突な解散後の衆議院選挙で、選挙報道センターに配属された。担当は激戦区の東京一区。そんなある日、片山は取材中に「ある都議会議員の不審死」を知ることに。一方、国会議員の秘書歴十年の中村は、同じく民政党東京一区の新人・大学教授である若宮の事務所の応援に駆り出された。苦しい選挙戦のなか、若宮の女性スキャンダルがネットで拡散され…… 小説でしか描けない政界の暗部とマスコミとの危険な癒着。ノンストップエンターテインメント。
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3.3ドラマ映画プロデューサー・村瀬健氏、ミステリ書評家・若林踏氏、絶賛!!! 悪とは何か? 正義とは?を問う衝撃ミステリー。神奈川県警最悪の汚れ刑事、闇に潜み続けた最凶最悪の〝悪〟に挑む! 郊外の森林公園で発見された身元不明の死体の捜査に従事していた神奈川県警捜査第一課の桃井小百合は、県警本部に呼び出された。そこで彼女は本スジからはずれ、迷宮入り事件を専門に捜査する特命中隊の赤堂栄一郎警部補と組むように指示される。赤堂は以前、捜査一課の強行犯係にいた際は、“神の手”と呼ばれたエース刑事で、その検挙率は群を抜いていた。だが彼は汚職の疑いがある“汚れ刑事”でもあった。身元不明遺体発見現場に向かった赤堂と桃井は、その近くの山中で複数の遺体が埋められている場所を発見する。二人の捜査はやがて、戦後から続く人狩り集団の存在に辿り着いていく。それは神奈川で続く神隠し事件の真相につながっていた……。
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3.5嘉応二年(一一七〇年)。朝廷が行った強制移住で近江の国に生まれ育った蝦夷のシレトコロは、まだ見ぬ本当の故郷―奥州―を想っていた。十三歳の春のこと、三条の橘司信高と名乗る男があらわれ、シレトコロは奥羽に連れて行かれる……。それは、後の源義経の影武者とするためだった。一方、鞍馬山の牛若は、「あなた様は、源氏のお血筋。平家を打倒し、天下に名をはせるお人」という言葉によって剣術の稽古を続けていた。そして〈遮那王〉と名乗ることになった十六歳の牛若は、奥州平泉に向かう決意をする。壮大なスケールで、新しい義経を描ききった、歴史小説の金字塔!
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3.7九代将軍家重の治世。親の代からの浪人・諫山左馬介は、馴染みの棟梁の紹介で割のいい仕事にありついた。雇い主は、江戸屈指の両替屋・分銅屋仁左衛門。夜逃げした貸し方の店の片付けという楽な仕事を真面目にこなす左馬介を仁左衛門は高く評価するが、空店から不審な帳面を見つけて以降ふたりの周りは騒がしくなる。一方、若き田沼意次は亡き大御所・吉宗からの遺言に頭を悩ませていた。「幕政の中心を米から金にすべて移行せよ」。しかし、既存の制度を壊して造りなおす大改革は、武家からも札差からも猛反発必至。江戸の「金」に正面から挑む新シリーズ、堂々の第一弾!(解説/細谷正充)
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4.0嘉永六年(1853)江戸。好奇心たっぷりの銀次と絵師の歌川芳徳は、妖怪伝説やゴシップネタなどを追う、低俗なかわら版を売りさばいて人気を博していたが、浦賀に来た黒船を見に行き、勢いで乗り込んだことがきっかけで人生が変わる。江戸一番の物知りと評判が高い佐久間象山に師事し、勝麟太郎や坂本龍馬、吉田松陰、西郷吉之助など、様々な幕末の英雄と出会い、大地震や大火災、死の疫病をかわら版で報じるうちに、銀次は報道の使命に目覚め、弱き大衆のために立ち上がる。 幕末の動乱の中で、真実(たまに嘘)を追い求めるかわら版屋を描いた、痛快時代小説!!
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3.7ひとりでも寂しくない。 私はもっと、強くなれる――。 「あなたのご先祖様を調査いたします」 風子は、母と生き別れてから20年以上、 野良猫のように暮らしてきた。 東京は谷中銀座の路地裏で、探偵事務所を ひらいている。 「曾祖父を探してください」「先祖の霊のたたりか もしれないので、調べて」など 様々な、先祖の調査依頼が舞い込む。 宮崎、岩手、沖縄…… 調査に赴いた旅先で美味しい料理を楽しみながら、 マイペースで仕事をしている風子。 いつか、自らの母を探したいと思いながら―― 大人気作家による「探偵小説」の傑作が、ここに誕生。待望の文庫化。
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4.0松前家中の少年、春山伸輔は、尊皇攘夷に与しなかったことで落ちぶれてしまった家名を復権させるべく、箱館の遊軍隊と合流。 榎本軍への撹乱活動を行っていた。 一方、新選組副長だった土方歳三は、蝦夷地にできた箱館政府において陸軍奉行並となっていた。 市中の混乱を収めつつ、近藤勇らと夢見た国盗りを、再びこの地で実現させようとしていた。 薬売りに変じて市中見廻りに出ていた土方歳三は、撹乱活動中だった伸輔と偶然にも知り合うことになる。 互いの正体を知らないままに、知遇を得た二人。 だが激化する戦いが、やがて二人の運命を切り裂いていく。待望の文庫化。
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3.6第15回角川春樹小説賞受賞作 「狼との闘いの描出に秀でたものがある」北方謙三 「一種の『チームもの』『バディもの』としてもよく出来ている」今野敏 「時代小説の持つべき要諦を完璧に押さえている」今村翔吾 「『狼狩奉行』という役職に着目した点が鋭く、ミステリータッチの部分も効果的」角川春樹 選考委員、満場一致!静謐なるデビュー作。時代小説の本流を継ぐ、新人誕生。 江戸時代、馬産が盛んな地域にとって、狼害は由々しき問題だった。そのため、奥州には狼を狩る役――狼狩奉行が存在した。狼狩奉行に就くよう藩から申し渡された、岩泉亮介。父が三年前に非業の死を遂げ、家督を継いだ兄も病で臥せっている。家のため、命を受けた亮介だったが、今、狼の群れは「黒絞り」という見たこともない大きな頭目に率いられ、かつてないほどの狼害を引き起こしていた。だが「黒絞り」を追う内に、父の死の真相、藩の不正問題にまで繋がり……。狼狩を通じて描かれる、自然と人。時代小説に新風を吹き込む静謐な世界。
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-異能力を持つ元警察官の桐也は、2年前に姉が精神を病んでいく姿に耐えられず、自らの手で姉を撃ったトラウマに囚われていた。そんな自己嫌悪と孤独に苛まれる日常の中で、無垢なある少女に出会う。この日から、桐也は、生きるための小さな光を見つけていく。映画『レオン』と『ブレードランナー』へのオマージュを込めた、近未来の札幌を舞台に描く希望と再生の物語。選考委員が温かく応援!今野敏氏絶賛の第11回角川春樹小説賞受賞作。
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4.51940年、太平洋戦争勃発直前の南洋サイパン。日本と各国が水面下でぶつかり合う地に、横浜で英語教師をしていた麻田健吾が降り立つ。表向きは、南洋庁サイパン支庁庶務係として。だが彼は日本海軍のスパイという密命を帯びていた。日本による南洋群島の支配は1914年にさかのぼるが、海軍の唱える南進論が「国策の基準」として日本の外交方針となったのは1936年だった。その後、一般国民の間でも南進論が浸透していった。この地にはあらゆる種類のスパイが跋扈し、日本と他国との開戦に備え、海軍の前線基地となるサイパンで情報収集に励んでいた。麻田は、沖縄から移住してきた漁師が自殺した真相を探ることをきっかけに、南洋群島の闇に踏み込んでいく……。時代が大きなうねりを見せる中、個人はどこまで自分の考えを持つことができるのか? そして、どこまで自らの意思を通すことができるのか? 南洋の地を舞台にした壮大な物語がここに――。
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