歴史・時代小説作品一覧

  • 妖鬼の剣
    -
    大鷲の嘴(くちばし)が襲ったかのごとき傷痕を残す、斬殺事件が発生した。下手人は夜盗団「鷹の爪」か? 情け無用の魔手は、さらに美少女剣士・琴江に伸びる! 頻発する凶行に怯える江戸の町。ついに若き剣士・毬谷直二郎(まりたに・なおじろう)が立ち上がる。秘技「千手剣(せんじゅけん)」を武器に、悪を討つ直二郎の活躍を痛快に描く時代長編。
  • 御聞番 会津藩・最後の隠密
    3.0
    敵陣に入りこみ、死をもって味方に利をもたらす間者を、死間という。その死間となり、幕末の京都で活躍する、会津藩御聞番・大庭恭平。しかし時代の大きな流れは、会津藩も恭平も呑みこんで翻弄する。風雲急を告げる京都で、隠密の恭平が見たものは。維新をはさみ動乱の渦中を生きた一人の男の、波乱の生涯を描く歴史小説!
  • 抜打ち庄五郎
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    求めるものは、ひとつ。『技を磨き、強くなる』――歴史に名を残してはいない。名を求めるでも、金を求めるでもなく、ひたすら己の技を磨き、強くなることを目指した男たち。その不世出の剣豪の生きざまを、鮮やかに描く! 技へのこだわり、リアルな決闘シーン、意外な結末……。表題作「抜打ち庄五郎」以下、短編の名手の選りすぐった8編を収録した好短編集。
  • 新装版 影法師冥府おくり : 1 父子雨情
    -
    父を暴漢に殺害された青年剣士・宇佐見平四郎は、師と仰ぐ平山行蔵が御先手組が氏ら・藤堂源左衛門から命じられた先手御用掛の仲間として、許せぬ悪を討つ役目を担うことになった。勘定方の島田外記と銭両替商・秋田屋の不穏な関係を探るうち、平四郎の前に、秋田屋の腹黒い企みが姿を現す。剣と情の名作シリーズが新装版になって登場!
  • 悪霊じいちゃん風雲録
    3.2
    江戸の破天荒なおじいちゃん幽霊――商家の幽霊・左五平は、自分の血みどろ姿を孫の伊勢次に見せて、怖がらせるのが大好き。武士の幽霊・十右衛門は、孫・文七郎を鍛えんと打ちのめすのが大好き。両幽霊、巷を騒がす幽霊騒ぎの真相を孫に調べるように仕向け……二人の悪霊じいちゃん、おおいに孫を悩ます!
  • 鶴亀横丁の風来坊
    4.0
    浅草の外れにある、気のいい商売人が集まる貧乏長屋。今宵もいささか面倒な揉め事が――鳥羽亮、待望の人情物新シリーズ登場!
  • 水壁 アテルイを継ぐ男
    4.0
    著者のライフワークとも言える東北の大河小説「最新刊」がついに完成! 朝廷の容赦ない仕打ちに苦しめられ続ける民を救うべく、伝説の英雄・アテルイの血をひく若者が立ち上がる。やがて彼のもとには、その志に共感する、力ある者たちが集まってくる。圧倒的な数の差を知略で制し、不利と思われる状況にも臆せず力を尽くして立ち向かってゆく、蝦夷たちの気高い姿に心がゆさぶられる歴史長編。
  • 襲来 上
    3.2
    安房国の港町・片海で漁師をしていた見助は、京の寺々に遊学していたという僧侶と出会う。僧はやがて日蓮と名を改め、鎌倉の松葉谷に草庵を構えて辻説法を始める。見助も鎌倉まで従い、草庵で日蓮の身の回りの世話をするようになる。その後日蓮は、他宗派への攻撃を強め「立正安国論」を唱える。幕府がこのまま邪宗を放置し法華経を用いなければ、国内の災難が続き他国からの侵略を受けると主張した。そして見助は日蓮の予言に伴い、九州の対馬に一人で赴くことになる。日蓮の目となり耳となるために。鎌倉から京の都までは陸路、京から博多さらに壱岐・対馬までは海路だ。遥か遠国の地への、見助の苦難の旅が始まった。
  • 新今川記・外伝 花倉悲歌
    -
    時は戦国乱世。名門今川家の若き太守氏輝亡き後の家督争いに引きずり出されるふたりの弟――玄広恵探と栴岳承芳(後の今川義元)。彼等を推し立てる福島越前・九英承菊ら野心家たち、さらには女傑と呼ばれた承芳の母寿桂尼など、さまざまな人物の思惑に翻弄され、悲劇的な戦いに身を投じていく兄弟の運命の物語。
  • 闇の葬列 広沢参議暗殺犯人捜査始末
    -
    元神奈川奉行所の同心・朝倉新次郎は、維新政府を震撼させた広沢真臣参議暗殺事件の密偵を命じられ、犯人を追って久留米に乗り込んだが、あと一歩で取り逃してしまう。新次郎は、その後6年間犯人を追い続け、西南戦争中に真犯人を捕縛するが、その背後に強大な力の存在を知る。歴史の闇に隠された、明治維新混乱期の実相を抉り出す。
  • メリケンざむらい
    -
    米田桂次郎は、万延元年(1860年)に16歳で、日米修好通商条約批准交換のための幕府遣米使節団に、通訳見習いとして随行した。アメリカ人にトミーと呼ばれる人気者で、当時の通詞の中では抜群に英語がうまくなった。帰国後はハリスに仕え、戊辰戦争で敗走。激動の時代を大正初期まで生きぬいた、米田桂次郎の波瀾の生涯。
  • 新地奉行 太田太田太
    3.0
    上から読んでも下から読んでも、太田太田太──。人を食ったような名であるが、この男、歴とした直参旗本の書院番士である。そんな太田太が出役として「新地奉行」へ配転となった。新地奉行とは屋敷改とも言われ、江戸市中の屋敷の所在地、坪数、相続などを調べ、届出を諸屋敷帳に記すのがお役目である。そして、その記録を残すために、どこのどんな屋敷にも立入り御免という役得があったのである。大名家や旗本家も例外ではない。宏大な屋敷でも新地奉行の検めは行なわれた。だが正義漢の強い太田太は、家に隠された重大事の匂いをかぎ取る。闇の空間に悪事の証を見つけ出し、目上の者でも迷わず成敗する特命奉行。その活躍を描く期待の新シリーズ!
  • 円也党、奔る 光秀の忍び
    4.0
    稀代の大うつけ・織田信長を天下人に! 戦国版「スパイ大作戦」ここに開幕! 智将・明智光秀が抱いた無謀ともいえる野望を叶えるべく、 天下無双の忍びたちが暗躍する! 書き下ろし時代活劇。 元亀三年(1572)秋。 織田信長は、小谷城で籠城を続ける浅井、朝倉連合軍を攻めあぐねていた。 織田家家臣の明智光秀は、朝倉に兵を引かせるため、 密かに円也党一味を朝倉の国許越前へ向かわせる。 かつて越前で牢人生活を送った時に知己を得た遊行僧百鬼円也率いる忍び集団だ。 念仏踊りで敵を惑わす一舎、 催眠術を操る茜、 怪力の妙林坊、 美丈夫の来栖…… 一味は国内を攪乱すべく動き出す。
  • 殉国 陸軍二等兵比嘉真一
    4.6
    14歳の少年は、何を見たのか。 少年の体験を通して、すさまじい沖縄戦の実相をつぶさに描いた長篇小説。 「郷土を渡すな。全員死ぬのだ」 太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの招集令状が出された。小柄な14歳の比嘉真一は、だぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け、陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛線に参加する。 実在の人物の体験を、ことこまかに聞きとり、特異な事実をそっくりそのまま写し取った外面的リアリズムが、読む者の胸を強く打つ。 1991年に刊行された文庫本の新装版。元本は、累計102000部のロングセラー。 解説・森史朗 ※この電子書籍は、1911年11月に文春文庫より刊行された文庫の新装版を底本としています。単行本は1982年6月に筑摩書房より「陸軍二等兵 比嘉真一」として刊行されました。
  • 突きの鬼一 春雷
    3.0
    秘術を尽くす忍び!迎え撃つ“秘剣滝止”! 北山城下の寒天問屋から多額の賄賂を手にしていた江戸家老・黒岩監物がついに牙をむいた。次男・重二郎を溺愛するあまり、監物と手を組んで嫡男の一郎太追い落としを謀っていた桜香院が翻意したと見るや、忍びの棟梁・東御万太夫に殺害を命じたのだ。これまでの恩讐を越え、少しは母と心が通い合うようになった一郎太は江戸屋敷に桜香院を訪ね、監物の不穏な動きを耳に入れる。時あたかも、国元より「重二郎の一粒種・重太郎が病に倒れた」の報に接した桜香院は、取るものも取りあえず江戸を後にする。陰ながら桜香院一行を警固する一郎太と、竹馬の友にして国家老・神酒五十八の嫡男・藍蔵。その後を追って、隙あらばと機を窺う万太夫。さらに一郎太の身を案じ、慌ただしく旅装を整え、北山に旅立つ正室・静。昼九つ近く、一行は甲州街道布田五宿に差し掛かった。指定の御膳所で昼食を摂るはず、と読んだ一郎太は、思い当たった善桐寺に先回りする。間一髪、敵の魔の手を防いだ一郎太だったが、それは御嶽山麓の隠れ里で待ち受ける万太夫との死闘の始まりにすぎなかった!?大好評書き下ろし痛快時代小説第6弾。突きの鬼一シリーズ前半のクライマックス!
  • それからの三国志 上 烈風の巻
    -
    西暦234年、五丈原の戦いで稀代の軍師・孔明が没し、数々の英雄たちに彩られた「三国志」は終焉する。しかし蜀魏呉の覇権争いには、新たなステージが待っていた。老将・仲達が徐々に権力を掌握してゆく魏、対して、孔明の遺命を受けた姜維が蜀を支え、呉とともに北伐を重ねる。激動の世紀の先に、平和な世は訪れるのか? 知られざるその後のヒーローたちの活躍を描く感動の歴史大河。
  • 将軍狩り 風魔小太郎血風録
    -
    将軍徳川吉宗の密命を受け上海から帰国した御書院番格村垣慶介は、家来の真壁梗之介と十五年ぶりの江戸の空気を吸い込んだ。帰国後は江戸下谷の屋敷で蘭方治療院を開設せよとの命がくだった。御書院番は将軍直属の隠密で、村垣は以後、風祭虎庵と名乗るようにも命じられた。実は、村垣には本人も知らない、出生の秘密があったのだ!?虎庵は自分の運命を知ることになる!!シリーズ第一弾。
  • ガキバラ
    -
    「第2回草思社・文芸社W出版賞」文芸社金賞受賞作品。 首斬り役人の跡継ぎとして剣の修練に励む与太は、乱暴に遭い心を失った幼馴染のさやを支えて生きることを決意する。与太の親友の佳一は身を立てるため脱藩し、動乱の京で剣をふるうが、ある事件をきっかけに破滅していく。まったく異なる未来を選びつつも、同じように己を高め、同じように人を愛し、同じように愛を喪失した二人のガキバラ―無知で生意気な子どもたち―の魂の彷徨を描く。
  • 倭王の末裔 ―小説・騎馬民族征服説―
    3.5
    日本国家は、いかにして誕生したか? 古代史の謎に、SF作家・豊田有恒が、該博な知識とSFの手法を駆使して挑戦した、雄大な歴史ロマン。その迫真性と実在感は、ノンフィクションとも見まがう力で読者を衝つ。――第一章・女王卑弥呼/第二章・神功皇后/第三章・太の安麻呂。
  • 私説聊斎志異
    -
    官吏の登竜門である科挙の試験に生涯落第し続けて、その鬱屈をバネに幻想怪異譚『聊斎志異』16巻を書いた、清代の蒲松齢。著者・安岡章太郎は、己れの屈折した戦時下体験をこの作者に重ね合わせつつ、回想小説風に筆を進める。時代と社会と個人の根っこの関係を自在に描いて、人間存在の不可思議な面白さを生きいき剔出する。後の『流離譚』などの作品とも通ずる名篇。
  • 鞆ノ津茶会記
    3.0
    秀吉の暴威と隠者の酒宴。『黒い雨』に通底する最晩年の傑作――茶会の作法や規則なども全く知らないが、鞆ノ津の城内や安国寺の茶席で茶の湯の会が催される話を仮想した……秀吉の九州攻略から朝鮮出兵へと至る時期。作家の郷里・備後を舞台に、小早川隆景に恩顧を受けた、武将や僧侶が集まる宴で噂話に花が咲き、戦国末期の生々しい世相や日常が、色鮮やかに甦る。著者の想像力に圧倒される、最晩年の名作。 ※本書は、1989年1月福武文庫版『鞆ノ津茶会記』、1999年1月刊『井伏鱒二全集27』(筑摩書房)を底本としました。
  • 新装版 捨て童子・松平忠輝 上中下合本版
    -
    捨て童子とは、この世ならぬ途方もないエネルギーを持ち、人を戦慄せしめる人物! 徳川家康の第六子でありながら、容貌怪異なため、生まれ落ちてすぐ家康に「捨てよ」と言われた“鬼っ子”松平忠輝の異形の生涯を描く、傑作伝奇ロマン小説。新鮮な発想や史観、壮大なスケールで完結をみた、著者最後の長編。一気に読める合本版。
  • フランシスコ・X
    3.0
    エウロペと日本が、初めて邂逅した瞬間! ザビエルとは何者か? ――布教と交易という、相矛盾する2つの情熱が世界中を駆けめぐった時代、はるかエウロペの地から、8年の歳月をかけて辿り着いた戦乱渦巻く日本に、イエズス会宣教師・フランシスコは何をもたらしたのか? 東洋と西洋が初めて邂逅した瞬間を描き、日本と世界を読み解くための示唆に満ちあふれた、渾身の力作長編。
  • 城をひとつ―戦国北条奇略伝―(新潮文庫)
    4.1
    城をひとつ、お取りすればよろしいか――。小田原城に現れた男は不敵にも言い放った。ある時は馬商人、ある時は旅の僧に姿をやつし、敵中深く潜入する。人の心を操るという兵法書『孟徳新書』の「入込」の術で、相手を分断。機を見て一気に城を奪取する。曰く「敵を攻めるのではない。敵の心を攻めるのだ」。江戸城攻略をはじめ、北条五代を支えた謎の軍師一族を名手が初めて描き出す傑作。(解説・春風亭昇太)
  • 信長・秀吉・家康 天下人の夢
    -
    危機の時代、真のリーダーの戦略と決断とは!? 〈戦国〉の第一人者が三人の覇者を語り尽くす! 英傑の天下取り戦略とは?戦国の新常識がわかる! 戦国時代を終わらせた、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら三人の英雄の戦いや政策、人間像を、『下天は夢か』など「夢」三部作で戦国小説の第一人者となった津本陽と、多くの大河ドラマの監修を務める歴史学者・二木謙一との対談で解き明かす。「長篠の合戦」「本能寺の変」「関ヶ原の戦」など歴史的事件も詳細に解説、図版も多数収録。戦国ファン必読! 目次 第一章 織田信長          辛抱強かった若き日の信長 信長のリーダーシップ 信長の人材活用術 信長の派閥対策 信長の経済政策 信長流部下の使い方 信長の宗教政策 信長の演出力 信長必勝の戦略 第二章 豊臣秀吉 秀吉の読心術 秀吉流金の使い方 秀吉の使われ方 秀吉による人の動かし方 黒田官兵衛の引き際 第三章 徳川家康 家康の経験値 家康のナンバー2活用術 二代目、三代目の甘さと徳川家 ◎CLOSE UP 戦国合戦・戦国時代 桶狭間の合戦 楽市・楽座 本能寺の変 信長の親衛隊 一向一揆と石山合戦 長篠の合戦 安土城 木津川口の合戦 山崎の合戦 高松城水攻め 戦国の軍師 九州の関ヶ原 三方ヶ原の合戦 小牧・長久手の合戦 関ヶ原の合
  • 武者始め
    4.0
    一日に十六粒を食する梅干し好き。新九郎は義兄今川義忠討死直後の混乱の中、幼い嫡男龍王丸と実姉北川殿を亡き者にせんとする刺客の目を欺き、知謀を以て家督争いを無血裏に解決。のちに、北条早雲となる。(「烏梅新九郎」)ほか、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・真田幸村・武田信玄・上杉謙信、歴史に名を馳せる戦国七武将の“初陣”を鮮やかに描いた傑作短編集!
  • 北条早雲1 青雲飛翔篇
    完結
    4.7
    人気シリーズがついに文庫化! 一代にして伊豆・相模を領する大名にのし上がった風雲児の、 知られざる物語が幕を開ける! 後に「北条早雲」と呼ばれることになる伊勢新九郎。 父の任地・備中荏原郷で過ごした幼少期から、 都で室町幕府の役人となり、 駿河でのある役目に乗り出すまで―― 稀代の悪人に成り上がった男は、 いかにして自らの信念を貫いたのか。 全5巻、連続刊行スタート。
  • まぼろし成敗 八州廻り料理帖
    4.0
    勘定奉行の配下として関八州を巡回し、治安の取り締まりにあたる関東取締出役。通称「八州廻り」の一人・藤掛右京には、もうひとつの顔があった。役目で訪れた各地の料理を仕入れ、江戸・平川天神裏に開いた小料理屋「八味」で客に振る舞う包丁人でもあったのだ。その裏の顔を知るのは同僚で画芸の得意な江坂三十郎と「八味」の料理人・佐吉だけ。そんな右京と三十郎に、相州(神奈川県)を荒らし回る盗賊・追手風の甚兵衛捕縛の命が下った。右京と三十郎は大磯と大山の二手に分かれて探索に当たるが、彼らを待っていたのは、敵の仕掛けた思わぬ罠だった…。傑作長編時代小説、シリーズ第一弾。
  • 「神さま」はじめまして―キリストの復活の「ごあいさつ」-
    -
    かみさま はじめまして。イエスさま、はじめまして。というわけで、これから、あたらしいひとりひとりの神さまの「しょうかい」をしていきます。むずかしい「おはなし」ではありません。どうしていいのか、こまったときに、『おはなし』のできる神さまの「ことば」を紹介(しょうかい)しています。
  • 100%ムックシリーズ 完全ガイドシリーズ288 東京&京都 魔界地図 完全ガイド
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 東京と京都の闇と歴史を 写真と地図で巡る!! 日本を代表する都市、東京&京都。 歴史あふれる二大都市には、令和の今になってもモノノケや怨霊がいっぱい! ビルの合間に佇む恐怖のスポットや歴史ある遺物に残された身も凍るような逸話の数々をご紹介していきます。 コロナウイルスに負けない寺社仏閣情報や魔界に詳しい達人のインタビューなど、内容も大充実。 東京と京都の魔界スポットが一目でわかる大判マップ付きです!
  • 童の神
    4.4
    「世を、人の心を変えるのだ」「人をあきらめない。それが我々の戦いだ」――平安時代「童」と呼ばれる者たちがいた。彼らは鬼、土蜘蛛……などの恐ろしげな名で呼ばれ、京人(みやこびと)から蔑まれていた。一方、安倍晴明が空前絶後の凶事と断じた日食の最中に、越後で生まれた桜暁丸は、父と故郷を奪った京人に復讐を誓っていた。そして遂に桜暁丸は、童たちと共に朝廷軍に決死の戦いを挑むが――。差別なき世を熱望し、散っていった者たちへの、祈りの詩。 第10回角川春樹小説賞(選考委員 北方謙三、今野敏、角川春樹 大激賞)受賞作にして、第160回直木賞候補作。
  • 盲目物語
    -
    四歳のときに盲目になった按摩師の弥市が語る、お市の方の生涯。織田信長の妹で戦国時代一の美女。浅井長政に嫁いで三女を儲けたが、信長との戦いに破れ長政は自害。信長に引き取られるも明智光秀の謀反により信長は殺される。その後柴田勝家と再婚するも、今度は羽柴秀吉に破れ、勝家と供に自害する。悲劇の美女の運命と彼女をとりまく人々。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 秘する花 刀剣目利き 神楽坂咲花堂
    完結
    4.0
    人の心の真贋も見抜く! 刀剣鑑定師にして名うての剣士、江戸に参上! 馬喰町から上州の駆け込み寺に向かったはずの女が、神楽坂の三日月坂で息絶えた。死因はわからず、爪が割れるほど土を掴んだ女の両手が無念さを物語っていた……。京に本店を構える刀剣鑑定で著名な「咲花堂」。その江戸店(だな)を任された上条綸太郎(かみじょう・りんたろう)は女の死に疑念を抱くが……(『秘する花』)。文化文政の江戸を舞台に、刀剣や骨董を鑑定する綸太郎の鋭い眼力が人の心の真贋をも見極める、書下ろし傑作時代小説シリーズ第1弾!
  • 銭形平次捕物控 傑作集 : 1 陰謀・仇討篇
    -
    野村胡堂の不朽の名作『銭形平次捕物控』。数多ある作品群の中から、テーマ毎に六篇を選定し収録した傑作選第一弾。神田明神下に住む凄腕の岡っ引・銭形平次は、投げ銭と卓越した推理力で、江戸で起こる様々な難事件に挑んでいく!
  • 取替屋 新・神楽坂咲花堂
    -
    義賊か! 大悪党か! 謎の怪盗が跋扈(ばっこ)する中、江戸にあの男が還ってきた! 刀剣目利きの上条綸太郎は、ある日、名匠・虎徹(こてつ)の流れを汲む刀鍛冶とともに刀を作り続ける香苗と出会う。藩主の御側役だった香苗の夫は、主君の刀を失くし切腹したが、後に濡衣だと判明。香苗は自ら作った刀で夫の仇を討つという。だが、彼女の工房には骨董の贋作も多く、お宝と贋物をすり替えて盗む取替屋の疑いが浮上すると……。江戸に舞い戻った綸太郎が再び快刀乱麻を断つ、シリーズ新展開の第1弾!
  • 三島屋変調百物語 おちか編5冊合本版  『おそろし 三島屋変調百物語事始』~『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』
    4.8
    十七歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。合本版には、宮部みゆきによるあとがきとイラストギャラリーを収録! ※本電子書籍は「おそろし 三島屋変調百物語事始」「あんじゅう 三島屋変調百物語事続」 「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」「三鬼 三島屋変調百物語四之続」 「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続」を1冊にまとめた合本版です。
  • 老侍
    4.0
    群雄割拠の戦国時代。武士たちは身命を賭して主君に仕え、家を守り、己の矜持のためにその生涯を生き抜いた。どんなに老いて体が衰えたとしても、その経験と智慧が輝きを失うことはない。 常に戦いの中に身を置き、死を傍らに感じる中で、武将たちはいかに考え、いかに生き残っていったのか。 最期の最期まで「侍」であることにこだわり続けた、六人の武将の生き様を描く作品集。 戦国時代に、「定年」はない――。 「意地の天寿」……龍造寺家兼(齢九十三) 「勝てば良かろう」……朝倉宗滴(齢八十二) 「不屈なれ」……長野業正(齢七十一) 「捨て身の思慕」……宇佐美定満(齢七十六) 「魂の檻」……武田信虎(齢八十一) 「過ぎたるもの」……島左近(齢六十一)
  • P+D BOOKS 喪神・柳生連也斎
    4.0
    “剣豪小説の名手”の世界に浸る11篇。  豊臣秀次の剣の師で「夢想剣」を名乗る瀬名波幻雲齋とその娘・ゆき、そして幻雲齋が父の仇でありながら、門下生となって修行を積む松前哲郎太重春。奇妙な3人の絆は、やがて哲郎太とゆきが契りを結ぶまでに深まっていく。  そんななか、哲郎太は身重のゆきを残して武者修行の旅に出ようとするが――。  第28回芥川賞に輝いた出世作「喪神」のほか、柳生流新陰流正統を継いだ連也斎とライバルとの決闘を描く「柳生連也齋」、剣豪が巨人軍の強打者として大活躍する異色作「一刀齋は背番號6」など、剣を題材にした珠玉の11篇。
  • 秀吉の活
    4.4
    織田信長への仕官を目指した就活、伴侶を求めた婚活、合戦で頭角を現すための勤活、天下取りに名乗りを上げた天活、跡取りづくりの妊活……。乱世を駆け昇った豊臣秀吉は人生の分岐点に立った時、いかに懊悩し、どう決断したのか。その波瀾に満ちた生涯を「活」という一語を軸に十の時期に分け、これまでにない切り口で秀吉を描いた新たな『太閤記』。
  • 陰仕え 石川紋四郎
    -
    “陰仕え”として、公儀の敵を闇から闇へとやむなく斬ってきたという秘事を抱える薄毛の剣士・紋四郎は、好物の海苔弁を食しながら煩悶していた。愛妻さくらにも、このことは明かせぬ苦悶の日々。そんな折、友の同心から助けを請われる。次々と起こる読売殺し――江戸を騒がす下手人の捕縛を手伝ってくれというのだ。紋四郎は勇んで引き受けるが…なんと!好奇心に富みすぎる妻が自分も手伝うと言い出すから、気苦労が増えて……。
  • ひとめぼれ
    3.7
    累計130万部突破、大人気「まんまこと」シリーズの第6弾。 札差の娘と揉めて上方へ追いやられた男。その思わぬ反撃とは(「わかれみち」)。盛り場で喧伝された約束が、同心一家に再び波紋を呼び起こす(「昔の約束あり」)。麻之助の亡き妻に似た女にもたらされた三つの縁談の相手とは(「言祝ぎ」)。火事現場で双子を救った麻之助は、新たな騒動に巻き込まれる(「黒煙」)。行方不明の男を探すため、麻之助は東海道へと旅立とうとする。そして新たな出会いが?(「心の底」)。沽券が盗まれた料理屋から、一葉が消えてしまったのは何故か(「ひとめぼれ」)。 いつの世も思い通りにならない、人の生死と色事。泣きたいときほど泣けない、「まんまこと」ワールド、慟哭の第六弾。 解説・紗久楽さわ〈「まんまこと」を自由に漫画で描けた幸福〉 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 天地に燦たり
    4.0
    新直木賞作家、驚異のデビュー作 選考委員も絶賛した松本清張賞受賞作。 戦を厭いながらも、戦でしか生きられない島津の侍大将。 被差別民ながら、儒学を修めたいと願う朝鮮国の青年。 自国を愛し「誠を尽くす」ことを信条に任務につく琉球の官人。 秀吉の朝鮮出兵により侵略に揺れる東アジアを、日本、朝鮮、琉球の三つの視点から描く。 松本清張賞選考委員会でも絶賛された歴史エンターテインメント。 解説・川田未穂 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 音四郎稽古屋手控 音わざ吹き寄せ
    3.0
    血を分けた兄妹でも知らぬことがいいことがある 元吉原の北、長谷川町に住まいする役者あがりの音四郎と妹お久。 足に大けがを負い舞台から去った異父兄にはお久の知らぬ事情が……。 江戸・元吉原の「猫返しの神さま」 と言われる三光神社近くの長屋で、 長唄を教えている音四郎、お久の兄妹。 将来を期待されていた歌舞伎役者だった兄は足に傷を負って役者を辞め、稽古屋を始めた。 負傷にはなにやら因縁があるようだ が、お久には知らされていない。 兄にはまだ他にも、人に言えぬ秘密があるようだ。 「大女」「ならのかんぬし」「いぬぼうざき」「はで彦」「宵は待ち」「鷺娘」「菊の露」「丙午」「にせ絵」。 弦音ひびく江戸情緒あふれる9編を収録。 解説・吉崎典子
  • 柿のへた 御薬園同心 水上草介
    3.9
    水上草介は、薬草栽培や生薬の精製に携わる小石川御薬園同心。人並み外れた草花の知識を持つものの、のんびり屋の性格と、吹けば飛ぶような外見からか、御薬園の者たちには「水草さま」と呼ばれ親しまれている。御薬園を預かる芥川家のお転婆娘・千歳にたじたじとなりながらも、草介は、人々や植物をめぐる揉め事を穏やかに収めていく。若者の成長をみずみずしく描く、全9編の連作時代小説。
  • 脱藩さむらい
    3.5
    『付添い屋・六平太』に続く新シリーズ!  香坂又十郎は、石見国、浜岡藩城下に妻の万寿栄と暮らしている。お役目は、市中警護、犯罪の取り締まりや犯人の逮捕に奔走する奉行所の町廻り同心頭である。田宮神剣流の使い手であり、御前試合で十人抜きを果たした剣の腕を買われ、斬首刑の執行も行っていた。  浜岡藩は、海に恵まれた土地でもある。漁師の勘吉と釣りに出かけた又十郎は、外海の岩場で脇腹に切り傷のある水主の死体を見つける。浜で検分を行っていたところ、大目付の下知により、死体は持ち去られてしまった。又十郎の義弟兵藤数馬は、水主の死について不信を抱いていた。数馬によれば、水主の正体は、公儀の密偵ではないかというのだ。後日、当然城内に呼ばれた又十郎は、謀反を企んで出奔した藩士を討ち取るよう命じられる。追うべき藩士の名は、兵藤数馬であった――。追討をしくじれば、罪は縁戚にも及ぶという。又十郎の重く孤独な追跡行が始まる!
  • 遊戯神通 伊藤若冲
    3.5
    天才絵師の素顔と技法に迫った長編小説。 若冲没後百年を経た明治37年、セントルイス万博に〈若冲の間〉というパビリオンが出現する。この時〈Jakuchu〉の名を世界に広めたのは誰だったのか? 京都の図案家・神坂雪佳は、若冲の末裔という芸者から〈若冲の妹〉と呼ばれた美しい女性の話を聞く。  宝暦13(1763)年、京都錦の青物問屋〈枡源〉に、一人の少女がやってきた。主の若冲が飼う鶏や、珍しい鳥、美しい毒草などの世話をするために。美以という名の少女の体からは不思議な芳香が漂っていた。その匂いに、若冲はかつての異国の女の面影を重ね合わせながらも、美以を自分の弟に嫁として与えてしまう。若冲を慕う美以は、以後〈若冲の妹〉として思いを秘めたまま生きていくことになる。  『動植綵絵』の完成間際に、錦市場を揺るがす事件が起こり、弟が謎の死を遂げる。彼は本当は若冲の何だったのだろうか。さらに天明の大火による被災……だが、若冲が本来の絵師として蘇生するのはそれからだ。そして、いつも傍らには〈妹〉の姿があった。  心の中の〈奇〉を描かずにはいられなかった絵師、若冲。時空を超え魅了し続けるその素顔と秘密に、江戸と明治の二つの時代軸で迫った長編小説。 ※この作品は過去に単行本版として配信した『遊戯神通 伊藤若冲』の文庫版です。
  • 紅蓮浄土 石山合戦記
    4.0
    十六歳になる孤児の千世は、本願寺の間諜組織「護法衆」の一員として育てられ、篤い信仰心と類まれな戦闘技術を身に付けていた。信長と本願寺の戦いに身を投じた千世の運命は──。著者渾身の長編歴史小説。
  • 恩讐の香炉 居眠り同心 影御用30
    3.0
    シリーズ開始から丸9年――最終回、第30弾 元老中松平定信が白昼、居眠り同心の目の前で「貴船党」に拉致された。 家宝「鳳凰の香炉」と交換に定信の身を返すとの文が。 大納言三条錦卿が三十年前、老中定信に受けた遺恨を晴らすためだというが……。 北町奉行所の元筆頭同心で今は“居眠り番”の蔵間源之助は、元老中で隠居の白河楽翁と鉄砲洲の鰻屋で食事をした直後、店の前で何者かに襲われ昏倒。その隙に楽翁は貴船党を名乗る一団に拉致され、身代金として松平家の家宝「鳳凰の香炉」を要求された。翌早朝、奥女中が貴船党の指定場所に香炉を運び、楽翁は……。家宝の香炉はいつの間にか贋物にすり替えられていた。
  • 天命は易ったか 清の太祖アイシンギョロ・ヌルハチ
    -
    中国最後の王朝、清国創業の礎を築いたアイシンギョロ・ヌルハチとは──。戦闘に明けくれ、それまで連戦連勝を続けてきたヌルハチは、1626年(天命11)、生涯で唯一の敗北を喫す。病床に伏すようになったヌルハチが、波瀾に富んだ若き日々を回想する、画期的で興味尽きない歴史小説。ヌルハチに関しては類書の少ない本書は、明から清に移行する歴史を俯瞰する貴重な一書である。
  • 己惚れの記
    値引きあり
    5.0
    「俺は見境をなくすほどに己惚れている」。侍の世も終わりに近づいた天保年間。たとえ愚か者と罵られようとも、己の信じた道を貫き通す男がいた。誰よりも武士らしくあろうとした男の、手に汗握る一代記!
  • 艶娘まくら絵草紙
    -
    北関東の小藩・北川藩の見回り役、大河原家の厄介者・真吾は剣術より絵が得意で、いつか江戸に出て絵師になることを夢見ていた。だが、そんなある日、兄の突然の死で運命は大きく変わってしまう。家名の存続のため兄嫁の志穂と添うことを強いられた真吾は、ついに藩を出奔することを決意した。 おりから、藩の剣術使いを斬り殺した女武芸者・山吹真弓の追捕を命じられた真吾は、思いを寄せていた村娘の芙美と江戸を目指す。だが、旅の途中で無頼に襲われる危機を救ったのは当の真弓。二人の美女と熱い情交を重ねつつ、江戸に辿り着いた真吾だが、そこでは、女たちのさらなる濃厚な媚香が待ち受けていた…。傑作長編時代小説。
  • 酔どれ副将軍 徳川萬次郎
    -
    荒くれ人足や大工左官、香具師の酔客が夜な夜な集う深川の「のぶ」。女将の信が切り盛りする居酒屋であったが、今日は見かけない客がひとり。一見、浪人のような若侍だが、腰には見栄えする刀を帯びている。萬次郎と名乗るこの風来坊、その正体たるや、将軍・家治の実の弟にして、御三卿・清水家の初代当主・徳川重好、その人であった。仲の良い兄を助けようと、庶民と同じ暮らしをして政を見直すべく、町に出ていたのだった。そこで見聞きしたのは、萬次郎と同じ御三卿・一橋家の横暴な策略。一橋治済は、野菜の産地を将軍家の鷹狩り場にしようと土地を買い占め、農民たちを苦しめていたのだ。兄とともにその野心を阻もうと立ち上がる萬次郎。民の願いは果たして天に通じるのか──!?
  • 万葉恋づくし(新潮文庫)
    3.8
    万葉歌人は、じつは恋愛下手でした――。若い大伴家持から恋歌を贈られた年上女性の、理性と情熱の揺らぎを描く「年下の男」。夫に愛想を尽かした妻が出した結論「しゑやさらさら」。恋の歌が苦手な女の前に現れた庭を愛する男との、不意の出来事が胸を焦がす「恋の奴」。その他、下級役人の滑稽な同棲「紅はかくこそ」など全七編。歌人たちのおおらかで不器用な恋の一瞬を、みずみずしく描く傑作。(解説・上野誠)
  • 反三国志 上
    4.0
    蜀の劉備、魏・呉を滅ぼして三国を統一す! 巷間、流布されている「三国志」の叙述は誤りであるとし、全体をひっくりかえす、幻の書の完訳。悲劇の人物として描かれた劉備を、漢の中興をなした英雄として活写する。各陣営の勇将の活躍も生き生きと甦える。厳密な時代考証と人間描写で綴る一大歴史ドラマ。<上下巻>
  • 小説伊勢物語 業平
    4.0
    千年読み継がれてきた歌物語の沃野に分け入り、美麗な要望と色好みで知られる在原業平の生涯を日本で初めて小説化。現代語訳ではなく小説に紡ぐことで、日本の美の源流が立ち現れた。これは文学史的な事件である! 歌物語の不朽の名作にして、「恋の教科書」ともいわれることもある「伊勢物語」。その主人公とされる在原業平の一代記を「伊勢」の百二十五章段の和歌を物語の中に据えて大胆に周到に小説化。やまとことばに注目の集まった令和改元をはさみ日経新聞夕刊に連載された本作は、平安時代の古典に、千年かけて培われてきた日本人の情感、美意識を現代小説として吹き込み、活き活きとよみがえらせた傑作長編。連載時に小説に平安の都の風を吹き込んだ大野俊明氏の挿絵もカラーで16点収録。この作品を読んでから「伊勢物語」を読めば平安の「みやび」を五感で味わうことができるだろう 【著者「あとがき」より抜粋】 古典との関わり方として、私は現代語訳ではなく小説化で人物を蘇らせたいと思ってきました。千年昔には身体感覚において、どこかが違う人間が生きていて、私たちは、現代にも通じる部分においてのみ、かの時代の人間を理解しているのではないか。この疑問は、書くことに矛盾をもたらし、文体を模索させました。平安の雅を可能なかぎり取り込み、歌を小説の中に据えていくために編み出したのが、この文体です。味わい読んでいただければ、在原業平という男の色香や、日本の美が確立した時代の風が、御身に染みこんでいくものと信じます。
  • 母の祈り 風烈廻り与力・青柳剣一郎[49] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    「恋」を知った女は、慈母にも、鬼女にもなる! 連続盗賊殺しの裏に隠された驚愕の真相とは!?……五年前、奉行所は盗賊鈴鹿一味の塒(ねぐら)を急襲。頭目の伝蔵は自ら娘を斬り、火を放って死んだ。からくも逃げおおせた手下の扇蔵は一味を再興、江戸に戻ると、雪駄(せった)問屋から一千両を奪った。しかし次の狙いを定めた矢先、仲間の千吉が刺殺され、さらに次々と手下が何者かに命を奪われた。疑心暗鬼の扇蔵の前に立ったのは、風烈廻り与力・青柳剣一郎だった。巡り巡ってついに剣一郎が辿り着いた盗賊殺しの真相とは? 不動の人気を誇る長大シリーズ、迫力の第49弾!
  • 決戦!新選組
    3.7
    葉室麟が、門井慶喜が、土橋章宏が「新選組」を描く! 累計28万部を突破し、ますます進化を続ける「決戦!」シリーズ。 戦国時代の著名な戦場を舞台にすることが多かった「決戦!」シリーズだが、今回の舞台は初の幕末。 「新選組」の活躍と悲哀を、当代きっての人気作家が描き出す。
  • 乱

    3.0
    少年時代を独り野生児として育った「虎」が、畑を荒らして村人に捕まってしまう。処刑されそうになるところを四郎という少年に命を救われる。天草四郎と虎の出会いだった。そのころ、九州の島原と天草の切支丹に対する迫害は苛烈を極め、四郎の父親らを首謀者にして公儀への反抗が企てられつつあった。他方、老中・松平信綱は、三代将軍・家光の治世に不安を抱いていた。江戸に幕府が開かれて三十有余年、天下は徳川家の下に本当に治まっていると言えるのか。歯向かう大名家は無くとも、民草はまだ治まっていない。信綱の心の中に潜む闇が蠢く……。
  • 昭和の漱石先生
    -
    1916年に死んだとされる夏目漱石は実は1945年8月15日まで生きていた──。姿を変えた漱石は、敗戦へと向かう日本の歴史の流れを何とか押しとどめようとする。破滅を避けるため、漱石はどんな手を打ったか? 漱石の暗躍により、歴史はどう塗り替えられるか? 昭和20年まで生きた漱石が、昭和史の裏で暗躍する姿を描く歴史改編小説。第2回歴史文芸賞最優秀賞受賞作品。
  • 遠縁の女
    3.8
    五年の武者修行から帰ってみれば……。 直木賞作家が贈る濃密な傑作時代小説集。 寛政の世、浮世離れした武者修行から五年ぶりに帰国した男を待っていたのは、美貌の女が仕掛ける謎――。 表題作ほか、二十俵二人扶持の貧しい武家一家で、後妻が生活のため機を織る「機織る武家」、新田開発を持ちかけられ当惑する三十二歳当主を描く「沼尻新田」。 閉塞した武家社会を生きる人間の姿が鮮やかに立ち上がる傑作三篇。 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 駄犬道中おかげ参り
    3.8
    日本アカデミー賞作家が描く愉快痛快珍道中。 時は文政十三年(天保元年)、おかげ年。民衆は六十年に一度の「おかげ参り」に熱狂していた。 博徒である辰五郎は、深川の賭場で多額の借金を背負った夜、お伊勢講のくじに当たり長屋代表として伊勢参りの旅へと出発する。 途中で出会った代参犬の翁丸、奉公先を抜け出してきた子供の三吉、訳ありな美女・沙夜と家族のふりをしながら旅を続けるなか、ダメ男・辰五郎の心にも変化があらわれて……。 借金を回収しようと追いかけてくる殺し屋・菊佐から逃げ回り、ひしゃくとガマの油で路銀を稼ぎ、地元の名産品には舌鼓。笑いあり、涙あり、美味(グルメ)ありの愉快痛快珍道中。 『超高速!参勤交代』『引っ越し大名!』の著者による傑作時代長編! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『駄犬道中おかげ参り』 の文庫版となります。
  • 剣客旗本春秋譚
    3.0
    新妻との暮らしと新たな事件――大人気シリーズ新章開幕、待望の第一弾!! 朋友・糸川の妹・おみつを妻に迎えた非役の旗本・青井市之介のもとに、事件が舞い込む。神田川沿いで、定廻り同心と岡っ引きが無残な姿で殺されたのだ。ふたりは浅草茅町の米問屋・美浜屋の主らが襲撃された事件を追っていた――。事件の裏には殺し人の元締「闇の旦那」の姿が見え隠れする。市之介は成敗できるのか!? 大人気シリーズ新章開幕、待望の第一弾!
  • 戦国業師列伝
    3.0
    剣豪、茶聖から大泥棒まで 神業で時代を変えた男たち 業師といわれるほどの人は、その道において、特異な感覚といってもよい能力をそなえている。人柄はおおむね明るい。一見暗く見えていても、本質は陽気だ。そうでなければ、人からほめたたえられるほどの才能を発揮できない。――(まえがきより) 新陰流の流祖で柳生石州斎にその神髄を相伝した上泉伊勢守信綱。無類の武辺者でありながら奇矯なかぶき者として知られた前田慶次。信長・秀吉と真っ向から対峙した茶聖・千利休。そのほか築城・藤堂高虎、水墨画・長谷川等伯、大泥棒・石川五右衛門ら、戦国の世、神の〈業〉で時代を変えた十人のカリスマの生き様を歴史小説の泰斗が描く傑作列伝。 〈目次〉 【剣豪】上泉伊勢守信綱 【かぶき者】前田慶次 【茶聖】千利休 【築城名人】藤堂高虎 【絵師】長谷川等伯 【水軍大将】久鬼嘉隆 【外交僧】安国寺恵瓊 【鉄砲衆】雑賀孫一 【大泥棒】石川五右衛門 【山師頭領】大久保長安 解説/末國善己
  • 夢あかり 人情料理わん屋
    4.0
    順風満帆なわん屋に 舞い込んだ摩訶不思議な物語 世の中が円くおさまるようにと、全ての料理を円い器に盛って出す「わ ん屋」。跡取り息子の誕生、縁を取り持った娘の嫁入りと、順風満帆。そ こへ、同心が妙な話を持ちこんでくる。江戸を騒がせている盗賊を追う ため足跡をたどると、寂しい感じの小料理屋に辿りついた。悪事に関わ りはないようだが、何か秘密が……。書き下ろし江戸人情物語。
  • 正邪の武士道 居眠り同心 影御用29
    3.0
    不可解な辻斬りが続発。背中から斬りつけ、銭六文だけを残す……。 六文は三途の川の渡し賃。単なる洒落ではあるまい。 四万五千石の大名の後継ぎに絡む「影御用」を受けて、元筆頭同心の源之助は……。 不可解な辻斬りが続発。侍ばかりが背中から斬りつけられ、遺体には銭六文だけが残されていた。北町奉行所の元筆頭同心で今は閑職“居眠り番”の蔵間源之助に駿河三島藩四万五千石の藩主後継から、奇妙な影御用が舞い込んだ。側室にと見初めた町娘の素性調査。あまりに単純な御用に思えたが、折りからの辻斬り事件との絡みで、意外な展開が待ちかまえていた。
  • 海賊とよばれた男(上)
    4.3
    すべてのビジネスマンに捧ぐ。 本屋大賞の話題作、早くも文庫化! ページをめくるごとに、溢れる涙。これはただの経済歴史小説ではない。 一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。 石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。 「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。
  • さむらい道(上) 最上義光 表の合戦・奥の合戦
    完結
    3.0
    最上義光、山形に立つ。父・義守との家督相続争いや天童・白鳥氏、そして伊達氏らとの峻烈な内憂外患をいかに乗り越え、山形に君臨することができたのか!? 伊達政宗との抗争から上杉軍と激闘を繰り広げた一六〇〇年九月の〝北の天下分け目の戦い〟まで、義光の「負けまい、勝つまいの戦」を見よ! 山形在住の直木賞作家による渾身の長編歴史小説。 (本文より)  遠国の大名を滅ぼして天下統一をくわだてるのは覇道であって、義光の考えるさむらい道とはあい容れない。武辺にのみ頼る武士は、それによって身を滅ぼす。義光はそう思っていた。 (目次より) 一章 小僧丸/二章 人質/三章 本懐/四章 御所の方/五章 四面楚歌/六章 天童合戦/七章 宿敵/八章 その君の名を
  • さむらい道(合本版)
    -
    最上義光、山形に立つ。父・義守との家督相続争いや天童・白鳥氏、そして伊達氏らとの峻烈な内憂外患をいかに乗り越え、山形に君臨することができたのか!? 伊達政宗との抗争から上杉軍と激闘を繰り広げた一六〇〇年九月の〝北の天下分け目の戦い〟まで、義光の「負けまい、勝つまいの戦」を見よ! 山形在住の直木賞作家による渾身の歴史巨篇。 (目次より) 一章 小僧丸/二章 人質/三章 本懐/四章 御所の方/五章 四面楚歌/六章 天童合戦/七章 宿敵/八章 その君の名を/九章 出羽の大守/十章 伊達政宗/十一章 大崎内紛/十二章 お東様/十三章 奥羽仕置/十四章 三条河原/十五章 天下分け目
  • 義将 石田三成
    -
    戦国の要衝地近江の国に生まれ、秀吉に才覚を 見いだされた三成は太閤の天下統一に誰よりも貢献していく。 秀吉の死後、独断専行を続ける家康の動きに、主家の滅亡 を防ぎ、天下安堵のため一身を捨てて立ち向かっていく…。 盟友・大谷吉継、剛将・島左近との交誼を折り込み、戦国の ハイライトである関ヶ原へ向かうダイナミックな人間模様と 義将の生涯を描く長編歴史小説。◆文庫書き下ろし◆

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  • 服部半蔵 日と影と
    -
    室町時代末期、下克上が横行し時代が戦国に移っていく中、一人の男を世に出すために、生涯を人の影で生きて、闇に死んでいくことを決意した男がいた……。彼は、父・服部半三保長から何を学び、友や兄弟たちと何を育んできたのか。日本最高の忍者・服部半蔵の少年時代を描く。伝奇時代小説。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
  • 開眼活人剣 傑物列伝
    -
    刀を早く抜くためには、足さばき、腰のひねり、手の返しを一体とすることが必要なのだ。走ることによって身体が不安定に揺れては出来ぬ技であろう。「つまりは……」己は動かず、相手の近寄るのを待つ。それしかない。居て仕合う。居ついて斬る。「居合い斬り、抜刀の術!」林崎甚助は、己の思いつきに快哉をあげた。(「甚助抜刀術」より)  宮本武蔵、柳生十兵衛、荒木又右衛門といった剣豪にまつわる秘話を描く。7本の短篇を収録した傑作剣豪小説集。 *甚助抜刀術 *夫婦武蔵 *死霊又右衛門 *中風越後 *千鳥助九郎 *志織円明剣 *宗次郎応じ返し ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
  • ガラシア祈祷書
    -
    寛永十四年。九州は島原地方において、年貢の取立てと仕置きの厳しさに反抗した百姓一揆が起こり、また、怪しげな切支丹伴天連の預言が広まっていると噂された。細川藩が放った密偵・松井寄之と阿修羅衆のくノ一・不知火。この男女が切支丹一揆の真っ只中に潜入し、そこで見たものは……。  捕縛された隠れ切支丹が囁いた“ガラシア・オラショ”とは何を意味するのか? 天童・天草四郎との関係は? 島原の乱を斬新な発想で描いた長篇時代小説。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
  • 十六武蔵
    -
    慶長一七年四月一三日。関門海峡に浮かぶ小島「船島」に於いて、巌流・佐々木小次郎と播州牢人・宮本武蔵の試合が行なわれた。小倉細川藩主の厳命で、勝者を藩の剣法指南役に推挙するというものだった。結果、小次郎が敗れ、九州一円から巌流の流儀が消えようとしていた。後日、遺族や弟子たちは、師・小次郎の死は、藩と武蔵の策謀だと悟るや、仇敵武蔵討つべし! と立ち上がった……。  その生涯について、不明な所が多い剣豪の中の剣豪・宮本武蔵。本書は、彼のもう一つの武蔵伝として書かれた小説で、巌流島の決闘から始まる。巌流と武蔵のその後にテーマを当て、佐々木小次郎の遺族たちの確執を軸に展開し、武蔵漂泊の三十年を一気に駆け抜ける。 ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年、熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年に「中風越後」で小説CLUB新人賞佳作入選。1990年、『蛍丸伝奇』を発表、作家生活に入る。『奥義・殺人剣』(光文社)、『裏小路しぐれ傘』(学研)、『用心棒・新免小次郎』シリーズなど著書多数。
  • 風草の道 橋廻り同心・平七郎控
    4.0
    生き残った流人(るにん)の最後の願い。盗っ人に墜(お)ちた男が命懸けで捜そうとしたものは?……久里浜沖で流人船が難破した。助かったのは、流人の鹿之助ひとり。しかし三日後、彼は姿をくらます。北町奉行の榊原は鹿之助が親友の倅でないかと危惧し、同心・立花平七郎に極秘の探索を依頼する。探索の中で、徐々に明らかになる鹿之助の閉ざされた過去。養子としての葛藤、凄絶な恋、そして流人になった理由……数奇な運命に翻弄された男を、平七郎はどう裁くのか!?(「風草の道」)。円熟のシリーズ第11弾!
  • 残り鷺 橋廻り同心・平七郎控
    3.8
    「帰れない…あの橋を渡れないの…」 謎のご落胤(らくいん)に付き従う女の意外な素性とは?…… 江戸市中に現われた、宮家のご落胤を名乗る一行。大奥とつなぎを取ってやると称して商家から金を巻き上げ、奉行所を悩ませていた。平七郎が探索に乗り出した直後、真福寺橋に二人の女の亡骸(なきがら)が流れ着き、一人はご落胤一行と共にいた女と判明する。女が持っていた伊勢神宮のお守りに込められた哀しき想いとは? 平七郎が非道な輩の正体を追う!(「ご落胤の女」)。シリーズ急展開の第10弾!
  • 麦湯の女 橋廻り同心・平七郎控
    3.8
    「命に代えても申しません」 犯人を庇(かば)うひたむきな娘。平七朗、どうする!?……本所・法恩寺橋袂(たもと)で麦湯屋をやっている器量よしの娘。奉行所が総力を上げて追う浪人は、必ずその娘と接触するはずだった。だが、そこに現われたのは吟味方与力の一色弥一郎。娘を見張っていた橋廻り同心・立花平七郎は、娘と楽しげに語らう一色の姿から情報の漏洩を疑う。自らを犠牲にしてまで浪人を救おうとする娘のひたむきな想いとは……(「麦湯の女」)。人気シリーズ、待望の第9弾!
  • 冬の野 橋廻り同心・平七郎控
    3.8
    母の切なる祈りよ、届け……。辛苦をともにした一人娘を攫(さら)われた女将(おかみ)。その哀しみを胸に、平七郎が江戸を疾駆する!……竜閑橋の袂(たもと)で、美人女将の愛嬌と絶品茶漬で繁盛する『紅葉屋』の娘が攫われた。橋の管理を頼みに来ていた橋廻り同心・立花平七郎は探索に乗り出す。やがて、拐(かどわ)かし犯が房次郎という名の浪人を捜していたことが発覚すると、女将は狼狽する・・・(「冬の野」)。人気シリーズ、哀切の第12弾!
  • 天下を駆ける 菊と葵の拝領剣
    -
    用心棒の仕事を終え、帰宅した浪人・一色彪馬──。そこで目にしたのは、血まみれで倒れていた父の姿だった。父は間もなく息絶えたが、翌日、宍戸徳兵衛と名乗る旗本の訪問を受ける。御城へ登城せよ、というのである。待っていたのは、なんと将軍・家斉であった。浪々の身である自分がなぜ?家斉は、元々名門である一色家を再興し、徳川を支えて欲しい、と懇願。京へ赴き、新しい高家として天皇家に官位をもらい、政をほしいままにする老中の企みを、朝廷と組みして探って欲しいという。葵の御紋入りの短刀を受け取り、彪馬はいざ京へ。御所では天子さまに拝謁、短刀にはもう一つ、恐れ多い御紋を刻まれる……!天下無二の拝領剣を手にした彪馬が、朝廷と幕府に仇なし、父を襲った悪を裁く!!
  • 風よ哭け 橋廻り同心・平七郎控
    3.8
    八丈島送りの父と、巾着(きんちゃく)切りの息子、その心に吹きすさぶものは…。立花平七郎は懇意の酒屋での聞き酒会の最中、巾着切りの少年を捕えた。身元を質すと、父親は八丈島に流されていてひとり暮らしだという。父は諸色(しょしき)問屋の手代頭だったが、暗闇の中、賊と間違えて主の弟を刺し殺したのだ。平七郎は自分が取り調べた一件だったと驚く。少年の住まいを確保した直後、恩赦の報せが届き、父子は再会を果たしたが……(「風よ哭け」)。ますます快調のシリーズ第14弾!
  • 初霜 橋廻り同心・平七郎控
    3.8
    幼くして親に捨てられた娘が、恩義を感じた商家の主人夫婦。だが彼女が受けたのは、本物の人の情けだったのか――。幼い頃、父母の喧嘩が元で顔に火傷を負った娘・お花。親に捨てられ奉公先でも揉め事に巻き込まれて、今は御茶問屋「山城屋」の女中をしていた。絶品の御茶を淹(い)れるお花だが、店(たな)の奔放娘・お鶴の不始末の尻ぬぐいを押しつけられる。お鶴が、逢い引き相手に他家との祝言を告げるや、男が逆上したのだ。男は旗本家次男の札付きのワルだった。お花の目の前で修羅場が展開、主(あるじ)夫婦に恩を感じるお花は思わぬ行動に……(「初霜」)。同心・平七郎の人情裁きが冴える、大好評シリーズ第13弾!
  • 夜盗狩り 助立屋始末
    -
    妻殺しの濡れ衣を着せられ、国を出奔した泉州岸山田藩勘定方・竹中信兵衛。真の下手人である城代家老の甥・富樫与三郎を討ち取り、追っ手から逃れるように江戸に流れて来た信兵衛が辿り着いたのは、奇しくも与三郎の落とし胤・竹太郎を預かる浅草の米問屋『佐野屋』だった。あるじの幸左衛門の厚意のもと、三津五郎と名を変え士分を捨てた信兵衛は、商人として生きようと模索をはじめる。だが、その矢先『佐野屋』を凶事が襲った。三津五郎の留守中に夜盗が佐野屋に押し込み、あるじ親子・奉公人たちの命と金を奪ったのだ。残されたのは竹太郎と妹の伊予の幼子ふたり。兄妹の仇を討つべく下手人の探索に挑む三津五郎だが、事件は町方同心も手に負えぬ混迷を深めて…。
  • おとぼけ兵庫と姫将軍
    -
    春の江戸に突如としてあらわれた、謎の娘と深編笠の侍――。怪しげなふたりに難癖をつけ、素性を探ろうとする御用聞きの千八であったが、ぬらりくらりと相手にされぬ。それどころか、その場のなりゆきで、事件の探索をともにすることになってしまった。南町奉行所同心・弓川心十郎をくわえ、奇妙な仲間となった四人であったが、この謎の男女こそ、町にくだった男装の女将軍・徳川家重と、幕府一の権力者である側用人・大岡兵庫であった。ひとりの娘として江戸の町を謳歌するあおいと、茫洋としながらも切れ者のお目付役・兵庫が、身分を隠して悪党を成敗する!『ぼんくら同心と徳川の姫』を引き継ぐ、痛快時代の新シリーズ!
  • 梅灯り 橋廻り同心・平七郎控
    4.3
    橋上に浮かぶ母の面影、生き別れた親を探し求める少年僧に危機が! 平七郎の人情裁きや、いかに!?…… 「夢のなかでおっかさんに会ったんだ」幼い頃、母親に捨てられた小僧・珍念(ちんねん)が橋廻り同心・立花平七郎に嬉しそうに話した。夢で再現された母との最後の場所。そこは梅の香(か)が漂う橋の上だったと言う。二百数十ある橋を一つ一つ、その香りの記憶をたよりに巡り歩く珍念。だが、折しも殺しが発生、珍念が行方知れずに!(「まぼろし」)。人気沸騰の「橋廻り同心」シリーズ、待望の第8弾!
  • 柴錬三国志 英雄・生きるべきか死すべきか(上)
    4.0
    蜀はいま、先帝・劉備が逝き、豪雄の関羽・張飛もいない。しかし軍師・孔明は、魏の政変を好機と、武力を誇る宿敵を叩き討つべく、若き劉禅を奉じ立ち上がった。迎えるは、大軍率いる名将・仲達(ちゅうだつ)。二人の知能の限りを尽くした、壮烈な戦いの火ぶたが切られた。中原に夢を馳せた英雄たちの栄光と挫折を、雄大なスケールで描く。<上下巻>
  • 足利兄弟
    -
    鎌倉幕府を滅ぼし、壮絶な権力争いの末に朝廷をも屈服させて、室町幕府を開いた足利尊氏。類い希なるカリスマ性で騒乱の世を駆け抜けた猛将の生きざまを、彼を支えた弟・直義。北条家から尊氏に嫁ぎ、夫によって実家を滅ぼされた妻・登子の視点で描く歴史巨編。
  • エスパーニャのサムライ 天の女王
    4.0
    17世紀、無敵の王国エスパニア(スペイン)の地を踏んだ慶長遣欧使節のなかに、彼の地に止まった二人のサムライがいた-- 武士の誇りを捨てず、鮮やかに剣を遣う小寺外記と瀧野嘉兵衛は「男の中の男」と称えられ宮廷で人望を得る。だが、フランス・イギリス、バチカンらエスパニアを狙う権力闘争は激化し、二人は巨大な隠謀に巻き込まれていく。現代セビーリャと絢爛たる往時のマドリードを舞台に描く歴史冒険活劇。
  • 贖罪 ナチス副総統ルドルフ・ヘスの戦争
    -
    構想20年、同じ時代に行きあわせた証しとして書き上げた、吉田喜重監督(『エロス+虐殺』『鏡の女たち』)渾身の長編小説! ドイツの闇の歴史に切り込む――。 ナチス副総統、ルドルフ・ヘス。「わたし」という主語がない奇妙な手記を通して、謎に満ちたヘスの生き様を掘り尽す。 ナチス・ドイツによる絶滅戦争=ソ連侵攻を控えた1941年5月10日、ヒトラーの代理人といわれたヘスは 単身メッサーシュミットを操り、スコットランドをめざしてミュンヘンを飛び立った。イギリスとの講和工作のために。 しかし、それを知ったヒトラーは激怒し、チャーチルはとりあわなかった。世界は破滅へ向かって動きはじめる……。 ヘスの罪と罰を辿る、大作歴史小説。
  • にわか雨
    3.5
    以前から侍になりたい百姓の平太は、尾張織田との合戦に雑兵として駆り出されたが、初陣が負け戦となってしまい、脱出するも…。 尾張織田家を攻め滅ぼすべく、駿河今川家の雑兵として駆り出された百姓の平太。以前から侍になりたかった平太は、意気揚々と出立するも、初陣が負け戦となってしまう。命からがら戦場から脱け出せはしたものの、一瞬の大雨が惨劇をもたらした…。敵も味方も次々と斃れていく様を目の当たりにした若者の心は折れてしまうのか、それとも―。刀槍と大地、人が選ぶべきはどちらなのか?傑作戦国時代小説。
  • 吉原美味草紙 おせっかいの長芋きんとん
    3.5
    たいせつな父を亡くし、大坂から江戸に出てきたさくらには夢がある――一人前の料理人になり自分の店をもつ。 だがなんの因果か、吉原の妓楼〈佐野槌屋〉の台所ではたらくことに。 乏しい食材にめげそうになるが、自慢の腕をふるい、様々な悩みを解きほぐす――最高位の花魁の落涙の理由、男衆の暴れ騒ぎ、旅立つ人形師の心の迷い……温かな料理で人を包み込み、そっと後押しする。 さくらの心意気がまぶしい、人情料理小説!
  • 按針【あんじん】
    4.0
    新航路発見の野心に燃える英国の航海士ウィリアム・アダムスは、荒れ狂う海原に呑まれた。 船は日本国の豊後に漂着。やがて徳川家康への接見を契機に、関ヶ原の合戦に駆り出される。 死地を生き延びたアダムスは、家康から日本名・三浦按針を授けられる。 それは祖国と決別し、妻子を捨てて日本につくせという命令であった。按針がくだした決断とは?  日本を愛し、平和のために家康を支えた、「青い目の侍」の冒険浪漫。
  • 嵯峨野花譜
    4.0
    花を生ける、人を生かす。 まだ悲しみも喜びも知らぬ少年僧の、四季折々の花に彩られた成長物語。 物語の舞台は文政13(1830)年の京都。 年若くして活花の名手と評判の高い少年僧・胤舜(いんしゅん)は、ある理由から父母と別れ、大覚寺で修行に励む。 「昔を忘れる花を活けてほしい」 「亡くなった弟のような花を」 「闇の中で花を活けよ」 次から次へと出される難題に、胤舜は、少年のまっすぐな心で挑んでいく。 繊細な感受性を持つ少年僧が、母を想い、父と対決していくうちに成長をとげていく、美しい物語。 解説・澤田瞳子 ※この電子書籍は2017年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 姉上は麗しの名医
    3.8
    イケメン侍のコンビが難事件を見事に解決! 剣術道場の若先生こと、瓜生清太郎は二十三歳。鍼治療で不在がちの老師範代わりに、毎日洟ったれの少年たちを指南している。 今日もみっちり稽古をつけてやると、清太郎の技を見て、「強い男と見込んだ」という、小間物問屋の息子・直二から相談を持ちかけられた。 話によれば、「最近、家の近くで野良犬がたくさん死んでいる。死に方からすると、たぶん毒を食べさせられた」らしい。 つまりは、憎っくき犯人を懲らしめてほしいようだ。 一方、町奉行所の定廻り同心・藤代彦馬は、二十五歳。 三年前に家督を継いで、十手を預かる身となり、休みもなく働き通し。 いま携わっているのは、医者が誤って毒を飲み、死んでしまった事件だ。 不審な点がいくつもあるが、奉行所は理由もなしに、探索を打ち切ってしまったという。 納得のいかない彦馬は、腕の立つ女医者の真澄に知恵を借りようと、清太郎の家にやって来た。 真澄は、清太郎が自慢する姉なのだ。 事件の経緯を聞き、訝しさを感じた真澄は、清太郎と彦馬が止めたのにもかかわらず、独自に探索に乗り出す。 が、真澄は行方不明に……。
  • 燃えよ剣
    4.6
    司馬遼太郎による国民的ベストセラー、映像化に合わせて待望の新装版刊行。 俺は今日から武士になる――。 佐幕派と倒幕派が対立する幕末の激動期。 武州多摩のバラガキだった土方歳三は、近藤勇、沖田総司らとともに、 幕府徴募の浪士組にまじって、京へ向かう。 京都守護職御預の名のもと、「新選組」を結成。 副長・土方は厳しい局中法度を定め、類のない苛烈な軍事集団を創り上げ、 池田屋事件などで、世にその名を轟かせていく――。 しかし、薩長同盟成立で、時流は一気に倒幕へ。 土方は最後まで激しく抵抗、夢と信念を貫き、江戸、会津、箱館へ向かう。 稀代の男の生涯を巧みな物語展開で描いた、傑作長編。 〈名著が一冊で読める、大変お得な決定版!〉 司馬さんによる「あとがき」、原田眞人監督による特別寄稿「そびえ立つ歴史的遺産『燃えよ剣』を映画化して」を収録。 ※本書は、一九九八年九月に刊行されたノベルス判の新装版です。
  • 御仕出し立花屋 狐の嫁入り
    -
    人情の機微をさまざまな形で作品に仕上げてきた著者が、はじめて舞台を江戸に移して描く長編時代ミステリー。主人公は、深川で仕出し専門の料理屋・立花屋を営む与七。三人の弟子を使って、四季折々の自慢の料理を供している。ある日、青物市場に買い出しに出かけた与七は、途中、元吉という少年と知り合う。少年は、付け火事件で親兄弟をすべて失った孤児だった。ちょうど下働きがほしいと思っていた与七は、元吉を連れて帰ることに。それから一月が経ち、与七について久しぶりに青物市場を訪れた元吉は、そこで付け火事件の犯人と思しき人物を見かけた。与七はさっそく、岡っ引きの正蔵親分に頼んで犯人捜しを始めるが、事件は武家を巻き込んで意外な方向へと展開してゆく……。ミステリーで味付けされたストーリーに、下町人情の隠し味が冴え、さらに江戸料理が彩りを添える。新境地を開いたエンタテインメントの佳編である。
  • 上杉鷹山 財政危機を打開した名君の生涯
    3.5
    江戸期のもっとも優れた改革者・上杉鷹山の仕法と生き方を描いた、書き下ろし長編小説である。江戸開幕から百数十年、米沢藩十五万石は、幕府への領地返上も考えざるを得ないほど、財政窮乏の極みにあった。そんな状況のもとで、日向高鍋藩から養子に入った治憲(鷹山)は、十七歳で上杉家の家督を継ぎ、さっそく藩政改革に着手する。名門であるがゆえに家臣の抵抗は強く、まず自らが襟を正すとともに、思い切った人材の登用で、藩士の意識改革に努める。その上で、倹約の奨励、漆・桑・楮の植立てや縮布製造など殖産興業を推進し、財政基盤を整えていくのである。本書では、改革に取り組む治憲を、剣の奥義を極めることを目指す若き武芸者の生きざまと対比しながら描くことにより、治憲のこころの内を見事に引き出していく。作家と会社社長の二足のわらじをはく著者だけに、ひと味違った新鮮な味付けがなされた鷹山像が描かれている。
  • 艶お庭番 尾張の蜜謀
    5.0
    徳川吉宗治世の江戸、市中では火事が頻発していた。しかもそれは、ほとんどが火付によるものと思われた。そんな折、町火消の梅次は炎の中に裸で飛び込み、逃げ遅れた幼女を助けだした謎の女と出会う。女は幕府の御庭番・凜。吉宗の密命を受け、火付の首謀者を探っていたのだ。凜は梅次とともに火事の現場にいた怪しい浪人を尾け、ついに尾張藩邸に繋がりがあることをつかむ。事件の背景にいるのは吉宗の政道に批判的な尾張藩主・徳川宗春。敵に迫る凜と梅次だが、その矢先、宗春配下の隠密集団・土居下衆によって、彼らはとらわれの身に……。はたして吉宗は、宗春の陰謀を暴くことができるのか。書下ろし長編時代エンターテインメント。
  • 小説 蜂須賀重喜 阿波藩財政改革
    -
    江戸時代は宝暦年間、9代将軍・家重の世。阿波藩の峰須賀家に入った重喜は、火の車であった藩財政の改革に着手し、画期的な提案を行う。ところが、ことごとく陋習に縛られた重臣たちの反対にあう。さらに、江戸幕府・田沼意次の陰謀も進み、平島公方の騒動も無視できない。阿波藩の経営改革を追う、長篇歴史小説。
  • 御蔵入改事件帳
    -
    長崎奉行の任を解かれ小普請入りした荻生但馬は、船宿の二階で三味線三昧の気ままな日々を送っていた。しかし、公平で人情味溢れる仕事ぶりが長崎でも評判だった男を幕閣も放っておかず、新役の御蔵入改方頭取に任命する。南北町奉行所や火付盗賊改が取り上げない訴えや未解決事件を探索する御蔵入改方は、但馬を入れてもたったの五人。頭取自身が「一癖も、二癖もある面白い奴ら」と評するはみ出し者たちが、各々の特技を活かし、難事件に挑む! 【目次】 第一話 消えた花嫁 第二話 吝嗇の夢 第三話 木乃伊取り 第四話 名門の穢れ
  • 大井川連環の譜 近代日本茶物語
    -
    幕末~明治初期。煎茶の国際化に奔走した 静岡の茶農家と元幕臣たちの奮闘を描く。 1854(安政元)年、開国とともに日本の高品質な生糸と煎茶が外国商に見いだされた。 特に茶は、横浜港開港時より明治初期において第一位の輸出品となる。 この物語は、欧米から先進技術を導入することなく、独自の製法と生産供給網を作り上げて国際流通に参画した駿河志太地方の茶農家たちの取り組みと、支援した元幕臣たちの奮闘を史実をもとに丁寧に描いた歴史小説である。

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  • 愚か者の城
    値引きあり
    3.0
    木下藤吉郎は、実現不可能と目されていた墨俣城築城を成し遂げ、織田家中でも一目置かれる存在となっていた。だが、藤吉郎の前に足利義昭の使者として、明智光秀が現れた。信長は、光秀を重用するようになるが……。

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