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Posted by ブクログ
【討ち入りなんかしたくなかった件】
同じ忠臣蔵がテーマの、白蔵盈太さん著『討ち入りたくない蔵之介』とはまた違った面白さがあった!
どちらもコメディタッチで、大石内蔵助の「討ち入りたくないなぁ」という本音は同じ。
だけど本作は、まさかのボスキャラ・吉良が「えっ、もう、早!」と秒速で退場してしまうとんでもない設定が秀逸!
何より驚いたのが、浅野内匠頭と吉良上野介の「実際の人物像」と世間の常識とのギャップ。
史実を知ると、ドラマや映画はかなり脚色されていて、浅野内匠頭は善人に、吉良はとんだ悪役に仕立て上げられて、なんだか気の毒で同情の涙を禁じ得ない。
本作の面白いところは、本来なら悪役であるはずの吉良側(弟の孝証)にもスポットを当てた点。この偽吉良の必死すぎる本音には思わず笑ってしまう!
タイトルの通り「身代わり」同士、究極のウィン・ウィンを目指してドタバタ奮闘する姿は、笑いあり、涙あり。読後に「あぁ、面白かった!」と笑顔で本を閉じられる、実に見事な着地で最高に楽しめる一冊!
Posted by ブクログ
浅野内匠頭が吉良上野介に斬りつけて切腹、でも吉良は咎めもなく生きていた。その吉良を討つ、のが普通の忠臣蔵。
実は吉良が死んでいて、というのが本書。
とにかく浅野内匠頭も吉良もまあ嫌な殿様で、こりゃ両方とも死んだ方が良いわ。死んだのか、それはめでてえ!
とは、いえない。
残念ながら上の者がやらかすと、下の者が苦労する。あの馬鹿のために何で下の者がこんなに苦労させられるのか。腹立たしい。
実際のところ、上に立つ者がしっかりしていたら、赤穂浪士も仇討ちなど考えなかっただろう。
暗愚は浅野と吉良だけではない。その辺の示唆がとても面白くて好き。
上の者がダメなので、結局のところ、仇討ちはしなければならない。やりたくもないのに。
内蔵助の苦労が何とも前向きで、なるほどなー、と思った。
吉良の替え玉となった弟の人物像が、とてもとぼけた凡人で心和んだ。
読みやすいし、軽やかなお話なので、気分転換にちょっと読んで、楽しくてよかった。
使われすぎた題材なので
忠臣蔵という使われすぎた題材に対して「身代わり」というまた新たなるアイデアを元に作り出した作品である。この作品単独で虚心に読めばそれなりに面白い作品である。しかしこの題材は芥川龍之介を始め数多くの作家が様々な新解釈で様々な描き出し方をしている。この作品もその数多い新解釈本一つに過ぎない。文体は大変読みやすくスラスラと読了することができた。
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小説・文芸
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