あらすじ
浅野内匠頭が吉良上野介を襲い切腹。赤穂浪士らは復讐を誓う。ところが、吉良が急死してしまい、家臣らはたまたま金の無心にきていた亡き主人の弟を替え玉にすることに。一方、赤穂の大石も本音を言えば、勝手に死んだ主君の為に討ち入りなんてしたくない。だが、世間がそれを許さない。偽者の吉良と不忠の大石が繰り広げる笑って泣ける忠臣蔵。
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Posted by ブクログ
超高速!参勤交代が面白かったので、本屋さんで見かけて購入。しばらく積読になっていたところ、映画化されたので読んでみました。
いや〜面白かったです。史実をもとに、フィクションを上手に織り交ぜたストーリーももちろんですが、ところどころ胸熱くなるぐっと来るところありでよかったです。映画の感じが、バラエティーっぽい雰囲気でしたが、後半ジーンとしてしまうところもありました。
特に、大石内蔵助が仇討ちよりも生きること、主君のいっときの感情で有能な部下たちの将来を捨ててしまうことに悩む場面は、ぐっときました。孝証が自分の使命を悟って、仇討ちを受け入れるところも胸アツです。
映画が終わる前に絶対に見に行きたいと思います。
Posted by ブクログ
誰もが知ってる忠臣蔵のパロディ版を上手に仕上げる。高速参勤交代もそうだけど、映像ありきの物語の気がするんだよ、それも是非見たいものだよ。佐々木蔵之介が大石上総介なのか、なのだなあ。これで出版された文庫本を読み切ったよ。面白いね、生臭くないし殺す殺されるとかないし、武士という堅物な中に人間味が溢れる登場人物ばかりで、吉良の弟とかよく考えるものだぞ
Posted by ブクログ
土橋章宏さんのお話には比較的同じ時代背景で描かれている。
例えば、徳川宗春とかとか。徳川宗春が出てくるのは土橋さんの超高速参勤交代!などです。いつも爽快な物語で面白いですよね。
Posted by ブクログ
なぜ松の廊下事件から書き起こされたのか? 誰が身代わりなのかが、この直後に明かされる、というか吉良上野介が浅野内匠頭の最初の一太刀で致命傷(硬膜外血腫?)を負い、実は死んでしまったという、とんでもない設定なのだ。そして京都の遊郭で、上野介の身代わりとなった元破戒僧の孝証と内蔵助が出会い、意気投合するというハプニングも面白い。内蔵助は最後まで討ち入りを回避すべく動くのだが、幕臣、江戸の庶民など周囲がそれを許さず。四十七士は切腹し、孝証は生き延び、歴とした僧侶として菩提を弔う最後の場面がまた良かった。
Posted by ブクログ
浅野内匠頭が吉良上野介に斬りつけて切腹、でも吉良は咎めもなく生きていた。その吉良を討つ、のが普通の忠臣蔵。
実は吉良が死んでいて、というのが本書。
とにかく浅野内匠頭も吉良もまあ嫌な殿様で、こりゃ両方とも死んだ方が良いわ。死んだのか、それはめでてえ!
とは、いえない。
残念ながら上の者がやらかすと、下の者が苦労する。あの馬鹿のために何で下の者がこんなに苦労させられるのか。腹立たしい。
実際のところ、上に立つ者がしっかりしていたら、赤穂浪士も仇討ちなど考えなかっただろう。
暗愚は浅野と吉良だけではない。その辺の示唆がとても面白くて好き。
上の者がダメなので、結局のところ、仇討ちはしなければならない。やりたくもないのに。
内蔵助の苦労が何とも前向きで、なるほどなー、と思った。
吉良の替え玉となった弟の人物像が、とてもとぼけた凡人で心和んだ。
読みやすいし、軽やかなお話なので、気分転換にちょっと読んで、楽しくてよかった。
使われすぎた題材なので
忠臣蔵という使われすぎた題材に対して「身代わり」というまた新たなるアイデアを元に作り出した作品である。この作品単独で虚心に読めばそれなりに面白い作品である。しかしこの題材は芥川龍之介を始め数多くの作家が様々な新解釈で様々な描き出し方をしている。この作品もその数多い新解釈本一つに過ぎない。文体は大変読みやすくスラスラと読了することができた。
Posted by ブクログ
とてもスッキリした読後感です
ほう、史実の人物へのイメージをそれほど変えることなく
こんな風にアレンジ出来るんだ~と感心します。
また忠臣蔵への興味がたかまりますね
ちょっとH な部分ありも、土橋さんらしいでしょうか?
おもしろいです