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明治7年、伊豆入間村。村の漁師・達吉は嵐の海から異人を救った。匿えばお咎めを受けると承知しながら、達吉は彼を助けることを決意する。異国と日本がまだ分断された時代、心触れ合わせた人々の清廉な姿。〈ニール号沈没〉の史実から紡がれた渾身の歴史小説。
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Posted by ブクログ
最後は寺島宗則に持ってかれちゃいましたね(笑! ニール号遭難事件、聞いたことはありましたけど、良く知りませんでした。伊豆の方々、粋な人々ばかりですね。頼母さんも素敵。山川さん、友達になって欲しい!でも、治三郎さんは残念。悲しい。厳しい時代。フランス
明治初頭、実際あった「ニール号沈没」を下敷きにしたお話。。。まあ実際にどの登場人物が創作なのかどうなのかは史実に疎いのであんまりわからないところではありますが、詳しい解説とか入ってる人物はそうなんだろうなあ、と思うくらい。 なかなかに興味深く読みましたが、史実が下敷きになっているので展開がわりとあっ...続きを読むさりしている感が。心情を追うっていう場面がとにかく少ないからそう感じるのかな。もっとずっとフィクション側に傾けて「この時この人物はこう考えていたのだ」くらいのほうが物語としては楽しめる・・・ような気がしました。
世界の片隅で来てきた人間が思いがけず未知(あるいは世界)との遭遇を果たす話はどれも魅力的でロマンに溢れている。 会話はもっぱらお互いの母国語だけど、うまい具合に意思疎通できるようにまでなった達吉とトムを見ていると、相手に出会う前から言語を学ぶ意味を考えてしまう。 亮子さんのように留学を経て英語が流...続きを読む暢になっても本心をそのまま伝えられないことだってある。(彼女の固い意志だけど、そこがまたやりきれなかった)気持ちと言葉について悶々とした時間だった。 語りでの人物紹介や時代背景の解説が豊富。 中には現代に当てはめた解説も含まれていて、歴史小説としては読みやすい部類に入ると思う。(たまに現代に近づきすぎている箇所もあるけど…) 日本が外国を受け入れたように、かつての官軍と朝敵がある意味和解できたのもこの話のミソかもしれない。 タイトルの如く脳内でぐるぐる吹き荒れていた「言葉」を駆使しつつ、両者が手を取り合って外国人を助ける絵はこれまた今から見てもハッとさせられる。
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