榊原史保美の作品一覧

「榊原史保美」の「荊の冠」「イヴの鎖」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 雪うさぎ
    -
    1巻495円 (税込)
    茶道家元羽生流の跡取り息子・羽生雪彦は類まれなる美少年だった。彼はすでに大学受験の時、家庭教師と妖しい世界に耽溺するほどの少年ではあったが、感情的な執着を知らぬ孤独な魂の持ち主でもあった。だが、夏の終わりの避暑地でのこと、少年・青矢(セイジ)との宿命的な邂逅から、彼をめぐる人々の歯車が微妙なきしみを見せ始めた……。  華やかな上流社会を舞台に、家元跡目相続の骨肉の争いに巻き込まれた雪彦の出生の秘密とは? 夏から冬を駆けぬけた少年たちのきらめく青春を抒情豊かに描写する長篇耽美小説。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 蛇神 ジュナ
    -
    1巻770円 (税込)
    ……綬那山の山頂近くに、大蛇ヶ池いう大きな池があって、その先に浄土ヶ島いう聖地があってなぁ。その森の奥深くに丹波一族が奉じてはるジュナ院いうお社があるんやて。そこには不老不死の“ジュナ”いう神さまがいはるて言い伝えられてる。そやけど、祭で“ジュナ”の託宣をいただくはずやった“蛇子”いう役目の里の若者が……ジュナ院に上がったきり、行方を断ってしもうたんや……。  京都・山科の山麓に祀られる不老不死の神“ジュナ”。人喰い鬼と恐れられ封印された神と、愛を渇望した魂が出会った至福の世界とは? 本格耽美サスペンス。「電子版あとがき」を追加収録。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 荊の冠
    -
    1巻1,100円 (税込)
    深見辰伍は、幼い頃の母の病と死の影響から、廃園の絵のみを描く新進画家だった。後ろ楯であった洋画壇の権威・尾上伴久が亡くなったことで、尾上派の後継者争いに巻き込まれる立場となった辰伍のために、美術ライター・三宅晋平は、彼を伴って越智展彬の邸を訪ねることにした。展彬は、政財界を牛耳る越智一族の一員であり、辰伍のライバルともいえる気鋭画家だが、なぜか辰伍支援を申し出ていた。やがてそれぞれの思惑を内包し、運命が動きはじめる……。  1400枚を超える本格耽美小説の大作、ついに復刊! 加筆修正された双葉ノベルス版を底本に、勁文社版に収録されていた「単行本あとがき」、深沢梨絵氏との「特別対談」、エッセイ「荊の冠に寄せて」を併録した豪華版。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 風花の舞
    -
    1巻770円 (税込)
    能楽・葛城流の十二代家元の息子・瑞生(みずお)は後継争いの渦中にいた。京都で新作を舞うことが決まった瑞生は、後援者のすすめで鞍馬教の里で“魔王尊を地下王国シャンバラからお迎えするための祭り”に恩寵を授けられる少年の役となる。そのクマラの儀を経て、大祭で新作を奉納舞いすることが、家元の望みだった。だが、この鞍馬の風に吹かれた時から、瑞生を取り巻く運命は大きなうねりとなって葛城流を揺るがし始める……。  少年神〈サナート・クマラ〉に捧げられた能をめぐる、絢爛たる一大叙事詩。長篇耽美ミステリの傑作。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 火群の森
    -
    1巻770円 (税込)
    鼈甲を思わせる深い鳶色の膚と炎燃え立つ赤い髪……斑鳩の里“ぬばたまの館”の若き主であり、次期天皇と噂される父を持つ蜂子は、その異貌のためにひっそりと時を過ごしていた。かたや、桜の薄桃の花びらの如く優しく儚い容貌を持つ厩戸皇子は、救世観音の化身として、飛鳥の京で華やかな世界の中心にあった。蘇我馬子と物部守屋の政略の渦の中で、二人の皇子はたがいに激しい憧憬を抱く。光と闇、生と死の交錯の果て、日出る国を現前させる魂たちの荘厳な営み。歴史長編ロマン。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 聖三角形(セントトライアングル)
    -
    1巻495円 (税込)
    写真は本当の姿を写し出しているのだ。普段は世間のしがらみと、自分かわいさから何とか笑顔を作っているものの、レンズを前にすると、その欺瞞は一瞬のうちにはぎとられてしまう。心の内にあふれている困惑や呪詛や悲哀や不安はもちろん、それを押し隠そうとする見栄までもがくっきりと写し出されて、フィルムの上の雪矢の顔はかすかに歪むのだ。(「聖三角形」より)  短篇4本を収録した本格耽美小説作品集。 *聖三角形(セントトライアングル) *鬼笛 *逢魔ヶ時(デジャブ) *花の階 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 黄昏のバイヨン
    -
    1巻495円 (税込)
    言葉をなくして、ただ、みことを見上げていた珠紀の額に、静かに柔らかい髪のかかった自分の額を押し当てた後、みことは細い顎を引くようにしてゆっくりと顔を離した。戸惑いに揺れて彼を追った珠紀の眼差しを、みことは黄昏の色が映った瞳で受け止めた。(「黄昏のバイヨン」より)  中篇2本を収録した本格耽美小説作品集。 *黄昏のバイヨン *鏡戀 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 胡蝶の夢
    -
    1巻495円 (税込)
    両親の離婚騒ぎが落ち着くまで叔父の元に預けられることになった十七歳の少年・二条貢。だが、写真家をしているというその叔父・五十嵐綾人は、松浪征志郎という実業家の屋敷に住んでいるという。芸術家のパトロンを自称する征志郎と綾人の関係を訝りながらもその屋敷で過ごすことになった貢。使用人の案内で広大な敷地内を散策していると、黒く尖った屋根を持つ時計塔が目についた。その時計塔では過去におぞましい事件が起きたというが……。  愛憎渦巻く本格耽美サスペンス。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 魔性の封印
    -
    1巻770円 (税込)
    人気絶頂のロックバンド「ビートクラブ」のボーカル・藤原七瀬が何者かに拉致誘拐され、その直後、富山の奥深い行者村で彼と瓜二つの男の死体が発見された。誘拐事件との関連を調べるため富山にとんだ第三埠頭署の島津享平刑事は、土地を二分する宝生家と首藤家の確執、そして現場付近に何百年にもわたって伝わる「辰子姫伝説」を知る。一方、この伝説を小説化し、脚光を浴びていた美人作家・水村若子の父親が殺害され、彼女も消息を絶った。二つの事件をたぐりよせた「辰子姫伝説」の怨念とは……。  長篇耽美ミステリの傑作。過去に刊行された廣済堂ブルーブックス、天山文庫、立風書房、アテール文庫での歴代あとがきをすべて巻末に収録。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • ペルソナ
    -
    1巻770円 (税込)
    能舞台の跡地で発見された、奇妙な面をつけた死体。歴史の闇に葬られた幻の能、封印された宗教民画、失われた秘面……。さまざまな謎を秘めた禁忌の里に蠢く、野望に憑かれた男たち、怨念に呑まれた女たち。かりそめの生を呪いながら輪廻を彷徨う幾多の魂に、果たして神は、仮面の下の真実の貌を顕すのか?  壮大なドラマの中に人間存在の根源を描破する長篇ミステリ。「電子版あとがき」を追加収録。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • さくらさくら
    -
    1巻385円 (税込)
    彼は青い月光を含んだ冷たい夜の空気で胸を満たしたかった。けだるい足を運んで、彼がその開けはなった高窓の鉄枠に身をもたせかけた、その時だった。青い桜の下に、ふいに白い影が浮かび上がった。ぎくりと身を起こして凝らした目に淡く儚げな少年の姿が一瞬映り、瞬きする間もなく青い闇の中に溶け入って消えた。(本文より)  精神科医である安達実彦は、赴任先である郊外の病院を訪れた。中庭の中央には、明らかに古木と知れる、なんともいえない妖しい息づかいを感じさせるような桜があった。やがてその桜にまつわる不吉な伝説を聞かされて……。本格耽美サスペンス。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 月蝕の祝祭
    -
    1巻495円 (税込)
    永遠の若さと命とを約束する“月の水”は、だが、一族以外の者にとっては、それがそのまま死を招く水となる、と叔母は晶に言ったのだ。母に言わせれば、叔母の話す事などは一から十まで絵空事ということになるのだが、母と幾つも違わないはずの叔母の若さを見ると、晶にはますますそうは思えなくなる。(「月の水盤」より)  人間の深層に隠された心理が織りなす魔性のサスペンスを描く。本格耽美小説作品集。 *月の水盤 *宿命の女 *双貌の月 *黄金残照 *蒼い薔薇 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 月の振り子
    -
    1巻495円 (税込)
    あの月が何に見える? 僕には振り子みたいに見えるよ。絶えず動いているのに、それでいていつも同じ弧を描いている振り子に……。もともと僕らは誰でもない者なんだ。あの月光の奥に溶け込むその時まで、これからずっと、行き来し続けるのだろう……。(「月の振り子」より)  表題作の他3篇を収録した本格耽美小説作品集。 *聖母たちの囁き *夢鏡 *十三日のバレンタイン *月の振り子 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 夜叉の鏡
    -
    1巻495円 (税込)
    桂木東吾の大学時代の恩師、鎌田教授が殺された。民俗学の権威である彼が残したのは、謎の言葉が記された一通の手紙のみ。「鏡面に映りし 夜叉の 朱き血が 染めし一夜の 八重桜かな」……東吾はこの歌を手がかりに、新米ミステリー作家の聡美と共に犯人を探し始める。やがて東吾の前に現れた人物は、かつて鎌田教授につれられて“不二の里”を訪れた際に出会った、一人の美しい少年だった……。  代々神に仕える巫女を“夜叉”と呼び、女達の慟哭や呪詛を何百年もの間のみこんできたという神社を舞台に、悲劇の幕が上がる。呪われた一族の血に翻弄されながら生きた、少年の哀しい想いとは? 長篇ミステリ小説。文庫版から大幅に加筆修正の上、「電子版あとがき」を追加収録。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • 双貌のマリア
    -
    1巻495円 (税込)
    毎日この像の前に額づく二人の女も、片方は自らの生活を厳しく律して修道女としての人生を貫いてきたことに矜持と意地をもち、もう一人は、女手ひとつで娘を育てた人生に誇りを感じながら、雇い主の妻が亡くなったこの祭壇で、その彼と娘との結婚を母として願い続けていたのだろう。「二つの貌か……」胸の中に重い嘆息とともにつぶやいた享平の目に、その時、大理石のマリア像の上に広がるうっすらとした染みが飛び込んできた。(「双貌のマリア」より)  表題作の他2篇収録の作品集。 *真紅の貴婦人 *死んでしまった弟 *双貌のマリア ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。
  • イヴの鎖
    -
    1巻770円 (税込)
    私たちは生まれ方を間違ったの? どこでなら生きていけるの?  名門私立女子学院の高等部を卒業し、国立大に進学後、弁護士となった有吉馨。彼女は、世間的には恵まれた境遇だと思われていたが、暗い過去と性の秘密を背負っていた。担当した離婚調停が不調に終わろうとしていたある日、同じ事務所に勤めている高校時代の友人・匡子とトラブルを起こしたことから、馨の周囲の平静が少しずつ狂いはじめる……。  授けられた性とは異質な精神を持つものたち「トランスセクシュアル」。この果てしなき迷宮からの解放とは? 性的マイノリティの懊悩を描いた長篇小説。「電子版あとがき」を追加収録。 ●榊原史保美(さかきばら・しほみ) 東京都出身。立教女学院を経て中央大学文学部哲学科卒。1982年『小説JUNE』創刊号の最優秀投稿作に選ばれ、「螢ケ池」でデビュー。1985年、初の単行本、『龍神沼綺譚』を上梓。以降、民俗学、宗教学の素養を生かし、形而上学的テーマを昇華させた作品『鬼神の血脈』『荊の冠』等、多数発表。美意識に貫かれた作風により、「耽美小説の草分け的存在」と称されることも多い。1995年発表の『蛇神 ジュナ』より、ペンネームを「榊原姿保美」から現在のものに改めている。趣味は、陶芸、写真、近代建築・ギャラリー巡り。

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!