国内ミステリー作品一覧

  • ある朝の戦雲(電子復刻版)
    -
    海上自衛隊に電子機器を納入するワールド電機営業主任・青山謙一は、ある朝、出張中の同僚、西尾達彦から、ロッカーの書類を預かってほしいと切迫した電話を受けた。直後、西尾は射殺死体で発見され、青山の元には書類を渡せと脅迫電話が入った。だが、書類を調べたところ、なんら機密性はなく、一方、女がらみのトラブルに巻きこまれたという噂が流れた……。日本の軍備・防衛問題に迫るサスペンス。

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  • 50億ドルの遺産(電子復刻版)
    3.0
    インドネシアから独立した人口百万余の島国スマリ。この小島に五十億ドル相当のベトナム戦争の兵器が秘匿されているというのだ! スマリ国元首ジョワンは、この隠匿兵器をタネに島開発のための資金を得たという。一方、海外放浪の途次、スマリに立ち寄った中尾英輔は、偶然に殺人事件を目撃、否応なく国家的陰謀の渦に巻きこまれていった……。気鋭が贈る青春冒険傑作。

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  • 林檎の木の道
    4.0
    1巻605円 (税込)
    高二の暑い夏休みのある日、以前つき合っていた宮沢由実果が、千葉の御宿の海に身を投げたとの知らせを受けた広田悦至。事件当日に悦至は、渋谷にいた彼女からの呼び出しを断っていた。渋谷にいたはずの彼女が、なぜ御宿の海に?だれもが自殺と納得している由実果の事件を、幼なじみとともに調べ始める悦至。由実果の遺留品の中に、封を切っていない下着があったことを知り、彼らは事件が殺人だったと確信する。次第に明らかになる事件の全貌と由実果の姿に、困惑する二人・・・・・・。切なくも爽やかな夏の日々の描写が秀逸な、青春ミステリの傑作。

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  • 木野塚佐平の挑戦だ 木野塚佐平シリーズ2
    3.5
    1巻605円 (税込)
    桃世はケニアに行ったきり。現職の総理大臣が急逝し、世間は大混乱だというのに、あこがれの美人ニュースキャスター香川優子の姿に煩悶する木野塚佐平氏。ダブル不倫、ホモの失踪事件、おなじみ高村女史からの無理難題を解決しては、糊口をしのぐ毎日。そんなある日、電波系オタク男からの依頼、中年女からの盗聴の相談と、事務所に続々寄せられる妙な仕事。さらには、あの香川優子をじかに訪ねる機会まで・・・・・・。抱腹絶倒、呵々大笑、ケニアから帰国した桃世とともに、木野塚氏は今日も行く。ユーモア・ハードボイルド長編。シリーズ第2弾!

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  • 夢の終わりとそのつづき 柚木草平シリーズ5
    3.3
    1巻605円 (税込)
    警視庁捜査一課を辞めて八ヵ月。知人のつてで雑誌へ雑文を寄稿して食いつないでいた俺を、絶世の美女が訪ねてきた。久我山のある家に出入りする人間を一週間尾行してほしいという。元刑事の俺には簡単な仕事に、二百万もの報酬どこか胡散臭さを感じつつも、俺は早速久我山へ向かう。目的の男は買い食いしながら、一日中都内を歩きまわるのみ。しかし三日目、男は胃の中が空っぽの状態で発見される。死ぬ直前まで飲み食いしていたはずの男の身に、何が起こったのか。背後に蠢く巨大な陰謀の存在を察知した柚木の推理は――。大幅改稿、改題で贈る、柚木草平“三十五歳”の事件。

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  • 刺青白書 柚木草平シリーズ4
    3.8
    1巻605円 (税込)
    女子大生・三浦鈴女は、殺害された人気アイドル・神崎あやが中学時代の同級生であったことに衝撃を覚える。傷だらけの状態で発見されたあやには、刺青を消した痕があった。続いて、別の同級生が隅田川で水死体として発見される。彼女にもあやと同じ場所に、同じ刺青があった。2人の右肩にあった小さな薔薇の刺青。刺青同様に2人の同級生が消したかった過去とは何か。あやの事件の記事を依頼された柚木草平は、鈴女たちの中学時代に事件の発端があるとみて関連性を調べ始めた。事件の背後にある悲しい真実に二人は?《柚木草平シリーズ》番外編ともいうべき傑作。

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  • シャドウ
    4.0
    1巻605円 (税込)
    人は、死んだらどうなるの?――いなくなるのよ――いなくなって、どうなるの?――いなくなって、それだけなの――。その会話から三年後、凰介の母はこの世を去った。父の洋一郎と二人だけの暮らしが始まって数日後、幼馴染みの亜紀の母親が自殺を遂げる。夫の職場である医科大学の研究棟の屋上から飛び降りたのだ。そして亜紀が交通事故に遭い、洋一郎までもが……。父とのささやかな幸せを願う小学五年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは? いま最も注目される俊英が放つ、巧緻に描かれた傑作。第七回本格ミステリ大賞受賞作。

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  • 日本殺人事件
    3.0
    1巻605円 (税込)
    その国に辿り着いたわたしを出迎えてくれたのは、カンノン様のありがたい巨大な微笑だった――。人生を一からやり直すため、長年憧れ続けた日本へ赴いた私立探偵トウキョー・サム。そこは、伝統と現代が奇妙に交錯し、神とホトケ、そしてサムライ・スピリットがいまなお息づく神秘の国であった。異国の風物や習慣に驚嘆し、戸惑いながらも、真のサムライにならんと意気込むトウキョー・サム。そんなサムが遭遇した奇妙なセップク事件、茶室の密室、オイラン見立て連続殺人! 徹底した趣向とアクロバティックな論理の結実が、本格ミステリのさらなる可能性を切り拓いた、山口ミステリの真骨頂。日本推理作家協会賞受賞作。

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  • 絵が殺した
    3.8
    1巻605円 (税込)
    《黒川博行警察小説コレクション》 竹の子を採りに来た主婦が発見したのは、白骨化した死体。すぐに被害者は、以前にまったく別の場所で失踪したとされていた日本画家と判明したが、事件の謎は深まる。しかもその背後には、有名日本画家の贋作グループの存在が浮かび上がる――。二十年前に起こった贋作事件との繋がりは? 果たして大阪府警捜査一課深町班は、犯人にたどり着くことができるのか。吉永誠一、小沢慎一コンビに、怪しげな美術ブローカーも加わり、日本画壇・美術商業界の裏側に迫る。アリバイトリック、密室の謎も盛りこまれた珠玉の警察小説コレクション第六弾! ※本作品は東京創元社、徳間書店で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。

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  • ドアの向こうに
    3.8
    1巻605円 (税込)
    《黒川博行警察小説コレクション》 頭部は腐乱、脚部はミイラ化、大阪東南部の橋梁工事現場で奇妙なバラバラ死体が発見された。後日、大阪北部で心中事件が発生。現場にはバラバラ事件の切抜き記事が――。“ブンと総長”でおなじみ、大阪府警捜査一課の文田巡査部長、総田部長刑事に、京都人の五十嵐刑事も加わって事件を追う。“本格ミステリ”の醍醐味に、大阪弁の会話が織り成す、軽妙なタッチも魅力な傑作!

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  • 八号古墳に消えて
    3.7
    1巻605円 (税込)
    《黒川博行警察小説コレクション》 大阪の遺跡発掘現場で、崩れ落ちた土砂の下から大学教授の死体が発見された。事故かと思われたが、死体の気管と食道から採取された泥は現場のものではなかった。警察の捜査が始まると間もなく、別の遺跡発掘現場で謎の墜死事件が……。大阪府警の二人の刑事、通称“黒マメコンビ”が、遺跡発掘と大学のポストを巡る連続殺人事件に挑む!〈大阪府警捜査一課〉シリーズ、第三弾!

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  • 雨に殺せば
    3.5
    1巻605円 (税込)
    《黒川博行警察小説コレクション》 大阪湾にかかる港大橋の上で現金輸送車が襲われ、銀行員二人が射殺された。その翌日、事情聴取を受けた行員が自殺する。さらに、捜査線上に浮び上った容疑者の死体が発見され、事件は複雑さを増していく……。大阪府警捜査一課の二人の刑事“黒マメコンビ”が、軽妙な会話を交わしつつ、日本画壇の内幕に迫り、金融システムの裏側に仕組まれた奸智に満ちた連続殺人事件に挑む! ※本作品は東京創元社、KADOKAWA / 角川書店で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。

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  • 愚行録
    3.5
    1巻605円 (税込)
    ええ、はい。あの事件のことでしょ? えっ? どうしてわかるのかって? そりゃあ、わかりますよ。だってあの事件が起きてからの一年間、訪ねてくる人来る人みんな同じことを訊くんですから。――幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。池袋からほんの数駅の、閑静な住宅街にあるその家に忍び込んだ何者かによって、深夜一家が惨殺された。数多のエピソードを通して浮かび上がる、人間たちの愚行のカタログ。『慟哭』の作者が放つ、新たなる傑作!

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  • 鏡花あやかし秘帖 幽冥の館
    4.0
    1巻605円 (税込)
    絶えず強い風が吹き付けるなか、編集者・香月真澄は大きな屋敷の前にいた。ここはかつての「風鳴村」――十数年前、ひとりの男によって、23人もの村人が惨殺されたいわくつきの地だ。現在は製鉄会社社長・桂木契が住んでいる。出雲の旧家・桂木家では、60年に一度、古代神を祀る神事を行うという。取材のため滞在を許された香月だが、そこで見たものは、腹違いの兄弟の禁断の関係と美しい姉妹、そして血に塗れた巫女・・・・・・!鏡花シリーズ最新作!!

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  • 鏡花あやかし秘帖 夜叉の恋路
    4.0
    1巻605円 (税込)
    明治33年――世紀末の帝都を賑わせている連続猟奇殺人事件。何しろ犠牲者は美少年ばかり、その上死体には毎回「食い散らかされた痕」があるという。一方、雑誌『幻想倶楽部』の新米編集者・香月は、憧れの作家・泉鏡花の担当になり張り切っていた。早速、母校・帝大に資料探しに訪れるが、そこで先輩である神子と子爵令息との悲恋の噂を耳にし……。くるおしいまでの想いが、ひとりの男を闇へと誘う……!

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  • 鏡花あやかし秘帖 からくり仕掛けの蝶々
    3.0
    1巻605円 (税込)
    時は明治。帝都・東京で囁かれる、死体が上がらない“妖し沼”の噂――。新米編集者・香月真澄は取材のため、“妖し沼”を訪れる。それ以来、奇怪な夢を見るようになった。夢の中で沼に咲くのは、亡者の顔をした蓮の花。決まって漂う、沈水香の残り香。そしてその頃、ある芝居が人気を呼んでいた。それは美しい人形による男女の心中もの。担当作家・泉 鏡花に誘われ、その芝居を観にいった香月が、そこで目にしたものは……!?

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  • コーヒーブルース Coffee blues
    3.9
    1991年、北千住の洋館を改装した<弓島珈琲>。店主の僕(弓島大)はかつて、恋人の死に関する事件に巻き込まれた。その時関わった刑事の三栖は、今では店の常連だ。近所の小学生の少女から、いなくなった姉を捜してほしいと頼まれた僕。少女の両親は入院と言い張り、三栖も何かを知るようだが、事件性がないと動けない。そんな折り、麻薬絡みで僕の恋人を死に追いやった人物が出所。事態は錯綜するが、店の営業も中学生の少女捜しも続けなくてはならない……。薫りたつ珈琲店のカウンターで交差する運命。
  • 二千回の殺人
    値引きあり
    3.9
    不可抗力の事故で最愛の恋人を失った篠崎百代。彼女は復讐の為に、汐留のショッピングモールで無差別殺人を決意する。触れただけで死に至る最悪の生物兵器《カビ毒》を使い、殺りくをくりかえす百代。苦しみながら斃れていく者、逃げ惑う者、パニックがパニックを呼び、現場は地獄絵図と化す――。過去最大の密室で起こった、史上最強の殺人劇。
  • 退職刑事6
    4.0
    私が概略を話すと、父は目を閉じて首を垂れる。ややあって顔を上げたときには、まず事件は解決したと思っていい。父のお蔭で迷宮入りを免れた事件もかなりの数になり、老いてなお旺んな好奇心と推理力には脱帽するしかない。推理作家の椿氏も、父の安楽椅子ならぬ炬燵探偵ぶり、窓がまち探偵ぶりに惚れ込んでいる。退職刑事が調べて現職刑事が寝台探偵を務めるという逆の構図で描かれる「拳銃と毒薬」など、8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第6集。/【収録作】「つまらぬ事件」/「桜並木の一本の桜」/「死は木馬にのって」/「拳銃と毒薬」/「耳からの殺人」/「馬の背」/「針のない時計」/「昔の顔」/あとがき=都筑道夫/解説=西澤保彦
  • 退職刑事5
    3.5
    父が状況を聞いて事件を再構成する力に、私は幾度舌を巻いたか知れない。硬骨の刑事魂は、退職したところで一向錆びつきはしないのだ。私の現職刑事ぶりが気になって、足繁く団地へ話しに来るのもわかる。しかし「わたしが俳句に凝ったりしたら、お前が困るだろう、事件の解決が長びいて」などと言われると立つ瀬がなくなってしまう……。退職刑事若かりし頃の事件「凧たこあがれ」や、何とも皮肉な結末に問題発言が飛び出す「Xの喜劇」など、8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第5集。/【収録作】「落葉の墓」/「凧たこあがれ」/「プールの底」/「五七五ばやり」/「闇汁会」/「遅れた犯行」/「あくまで白」/「Xの喜劇」/解説=津田裕城
  • 退職刑事4
    4.0
    推理作家の椿正雄さんには、元刑事の父が何かとお世話になっている。ダイイング・メッセージだの殺人予告だの、父の衰えを知らない好奇心を満たすような話の相手も、少なからず務めてくれているらしい。その椿さんがわざわざ一席もうけるという。非番の日を見繕って現職刑事である私まで招ぶからには、魂胆ありと見たが……。現職退職両刑事と推理作家が故人の梗概(ミステリ)を巡って文殊の智慧を絞る「あらなんともな」など、退職刑事の健在ぶりを示す8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第4集。/【収録作】「連想試験」/「夢うらない」/「殺人予告」/「あらなんともな」/「転居先不明」/「改造拳銃」/「著者サイン本」/「線香花火」/解説=田中博
  • 家庭用事件
    3.8
    市立高校に入学した頃は、こんなにも不可思議な事件に巻き込まれ、波瀾万丈な学校生活を送ることになるとは、僕は想像だにしていなかった――。『理由あって冬に出る』の出来事以前に、映研とパソ研との間で起こった柳瀬さん取りあい騒動を描く「不正指令電磁的なんとか」。葉山君の自宅マンションで起こった怪事件「家庭用事件」。葉山君の妹・亜理紗の学校の友人が遭遇した不可解な引ったくり事件から、葉山家の秘密が垣間見られる「優しくないし健気でもない」など、全五編。事件に満ちた葉山君の学校生活を描く、〈市立高校シリーズ〉短編集。
  • 弥勒の掌
    3.7
    これが現代ミステリの到達点だ! 愛する妻を殺され、汚職の疑いをかけられたベテラン刑事、蛯原。妻が失踪して途方に暮れる高校教師、辻。やがてふたりはある宗教団体の関与を疑い、ともに捜査を開始するが――。 あらかじめ申し上げておきます。本作は、社会派の本格捜査小説であると同時に、読者を罠にはめようとする壮大なたくらみが隠された作品でもあります。どうか注意深く、慎重に、身構えて読み進めてください。それでもなお……! 必ずや前代未聞の驚きを味わっていただけることでしょう。迫真のリアリティ、サスペンス、そして謎解きの美しさ。まさに、現代ミステリの到達点といえる逸品です。
  • 親子の肖像 アナザーフェイス0
    3.8
    最愛の妻・菜緒を亡くし、自分の中の大きな「軸」を失ってしまった大友鉄――。捜査一課の仕事と子育ての狭間で新たな人生のスタートを切る。子どもの人質立てこもり事件に巻き込まれる表題作、“完落ち”したはずの供述の真相に迫る「見えない結末」ほか、若き日の大友鉄の活躍を描く、「アナザーフェイス」シリーズの特別外伝!
  • カノン
    3.7
    自殺者がのこした音楽テープは遺言なのか、それとも怨念なのか。曲を聴いた児童はひきつけを起こし、押入れのチェロはひとりでに弦をはじく。送り主は松本の旧家で作曲をたしなみ、同人誌を発行する「高等遊民」。気味の悪さにテープはうち捨てられるが、音楽だけ別のテープへと乗り移る。死者の真意をさぐるために音楽教師の瑞穂は奔走、その途上、彼女自身が封印してきた過去があばかれることに……。『女たちのジハード』で直木賞受賞の著者による異色ホラー長篇。
  • 暗鬼
    3.5
    両親、弟妹、祖父母に98歳になる曾祖母。いまどき珍しい8人家族に嫁いだ法子を待っていたのは、緑あふれる広大な屋敷、何不自由ない暮らし、家族全員の歓待と、心の底から自分を大切にしてくれる夫だった。しかし、近所で起きた心中事件に家族が関係しているという疑念を抱いた法子は、疑心の闇にはまっていく。家族みんなが何か隠している。そして私を殺そうとしている──これは私の妄想なの!? やがて暴かれる、呪われた血の絆で結ばれた家族の真実とは!?
  • 金色藻
    -
    本書は昭和七年六月から九月まで『週刊朝日』に連載された長編で、起伏の激しいサスペンス十分の展開で、そこに家族の絆や人情といったものが色濃く現れている。(※本書は1995/5/1に発売し、2022/3/25に電子化をいたしました)
  • 世界史怖くて不思議なお話
    3.5
    現在大ベストセラーとなっている『本当は恐ろしいグリム童話』。よく知られている童話に隠された暗部を、流麗な筆致で描き出したのが著者の桐生操氏である。 本書は、華やかに彩られた世界史の表舞台の陰に隠され、迷宮入りしたさまざまな歴史ミステリーの真相に、桐生氏が鋭く迫る好著。 「処刑されたはずの聖処女ジャンヌ・ダルクがその5年後に姿を現した」「希代の英雄ナポレオンは“見えざる力”に操られていた」「モーツァルトの不可解な死の謎を解く三つの説とは?」「虐殺されたロシアのロマノフ王朝最後の皇女アナスタシアは生きていた」……歴史好きならずとも興味津々の話題が満載。 著者名の桐生操は、女性二人の共同ペンネーム。二人は共にフランスに留学し、帰国後、人物の評伝をはじめ、歴史の知られざるエピソードを紹介する著作を多数発表している。本書は、いわば桐生氏の最も得意とするテーマであり、歴史に潜む怖さと不思議さを満喫できる一冊。

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  • メルセデスの伝説
    5.0
    放送作家の鳥居貢は、元妻でTVプロデューサーの島本理江から、ある番組作りの協力を要請される。第二次世界大戦前にヒトラーが皇室に7台贈ったとされる「陛下のメルセデス」こと770・グロッサー・メルセデスを取材するドキュメンタリー番組だった。ドイツに向かった鳥居らは現存するうちの1台の撮影になんとか成功する。ところがふとした偶然から、「銀のメルセデス」と呼ばれる特別仕様車が日本に贈られていたことが判明し……。
  • 剣の道殺人事件
    5.0
    衆人環視の中での殺人事件は、両国N大講堂で開催された全日本学生剣道大会の決勝戦で発生した。殺されたのは武南大の副将石川洋。京都体育大の岸本三段と対戦中のハプニングであった。岸本犯人説が有力となるが、捜査は難航する…。
  • 五色温泉殺人事件
    -
    ぼくは消える。決して探さないでくれ。たったそれだけの書き置きを残し、夫が失踪した。そして謎の女から電話。夫に会いたければ、純白・藍白(あいじろ)・白緑(びゃくろく)・青磁(せいじ)・鉄紺(てっこん)の5つの色を持つ場所を探せという。そして最後に放たれた呪文が、≪怨み・雷・人が死ぬ≫。哀れな若妻・森下紫乃が南志賀の秘湯に見た地獄とは。(講談社文庫)
  • 龍神温泉殺人事件
    -
    銀色の牙をもった龍が次々と人を食い殺していく。夢とも現実ともつかぬ幼いころの血塗られた記憶。紀伊山中の龍神村に生まれた龍神季美子は、大人になってからも、その龍に追いかけられる妄想から逃れられない。そんなある日、彼女と間違えて同僚が殺された。凶器は牙! そして季美子の前に奇妙な男が……。
  • 初恋よ、さよならのキスをしよう
    4.0
    柚木草平は元刑事でルポライター、別居中の妻とのあいだに小学生の娘が一人、時には探偵の依頼もこなす。不思議といい女に縁がある。ある日草平は、スキー場で高校時代の初恋の人、卯月実可子(みかこ)に出くわす。そして……、実可子の姪・佳衣(けい)が、草平に実可子の謎にみちた死を告げた……。人気の柚木シリーズ第2弾。
  • きらきらと闇に堕ちて
    -
    『マルスフタオという蝶を手に入れて親父にプレゼントして下さい。バタフライ・ゴッドにでも尋ねて』シンガポールからの絵葉書を最後に、別居中の夫がマレーシアで殺された。現地へ飛んだ妻の実生(みお)はかつての恋人で昆虫商の草平と再会する。夫の死の真相を求め、草平とともにバタフライ・ゴッドを訪ねた実生の前で、新たな殺人が。妖蝶に魅入られた男たちの残酷な過去とは――。
  • 祭ジャック・京都祇園祭
    3.0
    十津川警部「祭り」シリーズ、遂に電子化! 「祇園祭を爆破する」――。手紙は十津川警部を陥れる罠だった。京都に向かった十津川を待ち受ける犯人の奸計。警部は爆破犯に仕立てられ京都府警に捕まり、直子夫人までが誘拐される。絶体絶命の窮地にたたされた十津川警部。犯人の異常な悪意の裏には何があるのか? 好評の十津川警部「祭り」シリーズ、第3弾。
  • 自白 刑事・土門功太朗
    3.5
    “アメリカ淵”と呼ばれる渓谷で発見された女性の全裸死体。手がかりは仏(ほとけ)が身につけていたネックレスただひとつ……。警視庁捜査一課の土門功太朗は、徹底的な地取り捜査で未知の犯人ににじり寄る。やがて浮かんだ容疑者。息詰まる取調室の攻防。懐かしの昭和を舞台に、男たちの渋い仕事っぷりを描いたノスタルジー刑事小説。「落としの達人」といわれた男の、迫真の事件簿シリーズ開幕!
  • 珊瑚色ラプソディ
    3.4
    結婚式を控えシドニーから帰国した里見は、婚約者の彩子が沖縄旅行中に倒れ入院したと聞く。しかも、彩子は2日間の記憶を失い、女友だちの乃梨子は行方不明。乃梨子の兄の赴任先にともにでかけるはずだったのに、「彩子が男といた」という証言に動揺しながらも、婚約者を信じ真相を追い求める里見の前に立ちはだかるのは……。 南の楽園の悲しみが明かされる長編サスペンス。1987年刊行。(講談社文庫)
  • ロシア紅茶の謎
    3.7
    作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。どうしてカップに毒が? 表題作「ロシア紅茶の謎」を含む粒ぞろいの本格ミステリ6篇。エラリー・クイーンのひそみに倣った〈国名シリーズ〉第1作品集。 奇怪な暗号、消えた殺人犯人に犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の絶妙コンビが挑む!
  • 十津川警部 北陸新幹線殺人事件
    -
    一番列車で狙われた男! 戦地からの手紙に書かれた歴史の真実は!? 十津川警部、金沢&マニラへ! 北陸路を震撼させた事件に戦争の闇が!? 鉄道雑誌の記者・伊東は北陸新幹線の一番列車の取材のためグリーン席の切符を買う。しかし、見知らぬ男から持ちかけられ、豪華客席グランクラスの切符と交換する。ところがそのグリーン車で殺人事件が発生した。被害者の男は元図書館員で、四年前にフィリピンに移住。太平洋戦争に強い関心を持っていたという。男は、彼の祖父が戦争中に遺した手紙と日記を大事にしていたようだ。事件の手がかりになると見た十津川はマニラと金沢へ向うが…!?
  • パンドラ(上)
    3.0
    出世をあきらめ、家族に捨てられても、たったひとり癌特効薬の研究を続けてきた医師鈴木。長い歳月をかけ、やっと発見した新薬が、様々な人間の欲望に火をつける。スクープを追う新聞記者、利権を狙う製薬会社、その功績を奪い取ろうとする厚生労働省……。人類悲願の薬は、開けてはならないパンドラの箱だったのか? 衝撃の医療ミステリー。
  • インターフォン
    3.5
    市営プールで見知らぬ女に声をかけられた。昔、同じ団地の役員だったという。気を許した隙、三歳の娘が誘拐された。茫然とする私に六年生の長男が「心当たりがある」と言う(表題作)。頻繁に訪れる老女の恐怖(「隣人」)、暇を持て余す主婦四人組の蠱惑(「団地妻」)等、団地のダークな人間関係を鮮やかに描いた十の傑作ミステリ。
  • 悪夢のギャンブルマンション
    3.6
    一度入ったら、勝つまでここから出られない!? ここは、勝負に勝って鍵を貰わないと移動できないように、建物がまるごと改造された裏カジノ。オカマ・ママのマッキーら四人は、恐喝に悩む仲間を救うために、ここを訪れたが、各部屋で待ち受けるのは、薄気味悪いディーラーと、巧妙な罠。借金は増える一方だし、死体にまで遭遇。ここから無傷で脱出できるのか――。
  • 奈落のエレベーター
    3.7
    やっと抜け出した悪夢のマンションに、再び引き戻された三郎。彼の前に、殺意に満ちた少女が立ちはだかる。一方、事情を知らずに車で待つマッキーの元に、男の影が……。薬で眠らされたマッキーが目を覚ますと、大切な仲間が惨い姿で転がっていた。自分たちは最初からハメられていたのか? 大ベストセラー『悪夢のエレベーター』のその後。怒濤&衝撃のラスト。
  • 瀕死のライオン(上)
    3.5
    日本に密入国した北朝鮮の諜報機関責任者が政治亡命を希望している? 接触した“内閣情報調査室”の真中と廣瀬は、日本への軍事秘密作戦と総理周辺でそれに協力するスパイの存在を知る。未曾有の事態に真中は、日本の国家機密とされ、知られざる部隊である“特殊作戦部隊”を頼るが……。北朝鮮軍事、自衛隊、内調――極秘情報満載で綴られた軍事・スパイ小説の最高峰。
  • 胆斗の如し 捌き屋 鶴谷康
    4.0
    企業の争いを裏で解決する鶴谷は難題を覆す凄腕で名を馳せてきた。そんな彼に築地再開発を巡るトラブル処理の依頼が入る。東京五輪決定後、移転が進む築地市場。その跡地利用が大手不動産だけでなく、政治家や官僚も群がる巨大利権の種となっていた。殺人も辞さずに平成最大の利権を貪る政官財の陰謀を阻止できるのか? 傑作エンタテインメント。
  • 学校の事件
    3.5
    県立吹上高校は教頭も校長もその息子の新任教師も、可愛い女生徒とつきあう体育教師も、事故死した熱心な社会科教師とその妻も、軟式野球部員と監督も、PTAも、生徒会長も、ついでに町の小説教室講師(売れない作家)も、みな過剰な自意識を持てあます、怪しい輩だった。そんな学校に大量殺人事件が発生! 裏には、とんでもない真相が……。
  • 正三角形は存在しない 霊能数学者・鳴神佐久に関するノート
    3.6
    猿倉佳奈美は「幽霊が見たいのに霊感ゼロ」の女子高生。“見える”と噂のイケメン同級生ユウに近づくと、彼の兄・鳴神佐久は霊現象を数学で解説する変人霊能者だった。「悪霊に会ってみたい」という佳奈美に、佐久は「片化粧」という呪術を教えてしまう。するとユウが激怒。彼には何が見えている? ホラーだけど胸キュンの青春オカルトミステリ。
  • 工学部・水柿助教授の日常 The Ordinary of Dr.Mizukaki
    3.7
    水柿小次郎三十三歳。後に小説家となるが、いまはN大学工学部助教授。専門は建築学科の建築材料。よく独身と間違われるが、二歳年下のミステリィ好きの奥さんがいる。彼はいつしか自分の周囲のささやかな不思議を妻に披露するようになっていた。きょうもまた、あれが消え、これが不可解、そいつは変だ、誰か何とかしろ! と謎は謎を呼んで……。
  • 凍りついた香り
    3.9
    今でも彼の指先が、耳の後ろの小さな窪みに触れた瞬間を覚えている。まずいつもの手つきでびんの蓋を開けた。それから一滴の香水で人差し指を濡らし、もう片方の手で髪をかき上げ、私の身体で一番温かい場所に触れた――。孔雀の羽根、記憶の泉、調香師、数学の問題……いくつかのキーワードから死者をたずねる謎解きが始まる。
  • 不連続の世界
    3.8
    妻と別居中の多聞を、三人の友人が「夜行列車で怪談をやりながら、さぬきうどんを食べに行く旅」に誘う。車中、多聞の携帯に何度も無言電話が……。友人は言った。「俺さ、おまえの奥さん、もうこの世にいないと思う。おまえが殺したから」(「夜明けのガスパール」)――他四篇、『月の裏側』の塚崎多聞、再登場。恩田陸のトラベル・ミステリー!
  • クラウド
    4.7
    「僕はひとり。君と話がしたい」。家に引きこもる玉木つぐみは、ツイッターでカズトと名乗る男と出会う。他愛ないつぶやきに癒されていたがある朝、自宅にカズトから大量の花が届き状況は一変する。暴かれた住所と本名。彼の正体は誰なのか。数日後、元恋人が何者かに殺され――。メガヒット漫画原作者がネットに潜む見えない罠を描く衝撃ミステリ。
  • ささら さや
    3.9
    事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐々良の街へ移住する。そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された! ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。連作ミステリ小説。
  • 虚貌(上)
    3.8
    二十一年前、岐阜県美濃加茂地方で、運送会社を経営する一家が襲われた。社長夫妻は惨殺され、長女は半身不随、長男は大火傷を負う。間もなく、解雇されていた従業員三人が逮捕され、事件はそれで終わったかに見えたが……。癌に侵されゆく老刑事が、この事件を最後と決意して命懸けの捜査に乗り出す。
  • 溝鼠
    値引きあり
    4.0
    復讐を請け負う代行屋、鷹場英一。他人の不幸とカネを愛し、対象者に恥辱と絶望を与えることを何よりの生きがいとしている。この日も依頼を受け、女の髪と眉を剃り落とし、頬を切り裂いた。報酬は二百万円。「仕事」は完璧だった。だが、英一の前に九年ぶりに現れた父親に、偽の依頼だったことを明かされる……。人間の欲望を抉り出す、暗黒エンタテインメント超大作!
  • EM
    4.0
    村上美弥子は、悲惨な遺体を生きているかのように蘇らせることのできる専門技術者(エンバーマー)だ。ある日、平岡刑事からの依頼で仕事が舞い込んだ。遺体の主は一七歳の少年で、自らの肉体をナイフで十数箇所も切り裂いて自殺した。いったいなぜ? 完璧な遺体の処置を終えた美弥子は連続殺人事件に遭遇し、何者かに狙われる……。傑作フィジカル・サスペンス!
  • 十津川警部 東北新幹線「はやぶさ」の客
    -
    憧れの客室、優雅なる「グランクラス」――豪華車両は殺意の棺!? 最後部座席で絶命した男の正体、そしてこの事件の真相はどこにあるのか……? 東京から新青森へ走る東北新幹線・「はやぶさ」の豪華客室「グランクラス」最後尾座席で男性が死亡した。睡眠薬の多飲が死因とメディアでは報道されるが、自殺と断定するには状況に不審な点が多く、警察が捜査に乗り出した。しかも、資産家の経営コンサルタントだった被害者は、保守党の有力代議士を殺した容疑者として十津川警部がマークしていた人物だったことが判明し――。偶然に被害者とおなじ車両に乗り合わせてしまった鉄道雑誌の編集者ふたりを巻き込みながら、事件の闇は深まっていく! 疾走する車両が二つの事件をつなぐとき、真実が明かされる――。怒涛のラストとトリックにページをめくる手がとまらない、傑作トラベルミステリー。
  • 社内スキャンダル
    -
    1巻594円 (税込)
    企業の派閥争いと足の引っ張り合いが激しい社内で、不正や不倫が日常化している。懲罰委員会の査察が厳しさを増し、社員たちは恐怖に震える。社内の秘密と権力闘争が明らかになるとき、人間関係が複雑に絡み合い、隠し通せない真実が暴かれる。野心、嫉妬、裏切りが交錯する中、正義はどこにあるのか。企業社会の裏側を描いた衝撃の小説が、あなたを驚愕させる。
  • 虚像のカリスマ
    -
    1巻594円 (税込)
    詐欺により大金を失ったトレーダー邦夫と、夜の街で復活を賭けるホステス貴子。二人はお金に翻弄されつつ、真の自由と幸福を求め奮闘する。その過程で「お金が全てなのか」「騙される側に責任はあるのか」という深い問いを通じて、人生の本質と向き合う勇気を問いかける。希望と絶望が交差する現代社会の縮図を、鮮やかに描き出し、読者に人間性の多面性を示す小説。
  • 装飾古墳殺人事件 筑豊地方ランチ、スイーツ食べある記
    -
    1巻594円 (税込)
    筑豊地方の観光・グルメ、そしてミステリーを楽しめる一冊! 定年退職を控える井高志は、中2まで住んでいた筑豊地方を妻と旅することに。地元のグルメを楽しみながら観光地を巡っていた高志は、ある遺跡の近くで殺人事件の第一発見者になってしまう。別の場所でも殺人があり、連続殺人事件として捜査が始まる。二人の被害者は実は…。事件に隠された悲しい過去と友情とは。
  • 俺、もしかして洗脳されているかもしれない
    -
    「だからおめえは能無しなんだよ!」上司にどやされ、なにもかもうまくいかなかった俺。会社の帰り道、本屋で何気なく手に取った「ダイナミックス」が洗脳の入り口だった。30年間の洗脳体験で俺が最後に見つけたものは……。現代人が陥りやすい心の闇を描いた衝撃の暗黒小説。引きこもり、カルト、バラバラ死体、不倫、マッチングアプリetc.……。人は洗脳から逃れられない。
  • 忘れない男 ~警視庁特殊能力係~
    4.2
    警察学校を卒業したばかりの麻生瞬。憧れの捜査一課に配属されたが、そこは「特殊能力係」という部署。どうして自分が? 戸惑う瞬だったが、上司の徳永に言われて気がついた。一度見た顔は忘れない、というのはどうやら普通ではないらしい…? 瞬はその記憶力で早速成果をあげはじめるが、なぜか命を狙われるように――。15年前の代議士死亡事故との関係とは!?
  • 孤高のシカリオ 麻薬カルテル死闘編
    -
    「カミラが帰ってこない」 少年ビトは、失踪した姉カミラの行方を必死にさがしていた。 メキシコでは、麻薬カルテルによる性的人身売買目的の拉致が横行していた。麻薬の製造密輸のほかに高収益を見込めるからだ。 カルテルとの癒着によって腐敗した地元警察などあてにならない。そう悟ったビトは、ひとりの日本人シカリオ(暗殺者)の存在を知ることになる。 「日本人の血には、戦いに千年の歴史がある」 そのシカリオに姉の救出を依頼すべくビトは、命がけで国境を越えていく。果たして、彼はシカリオを見つけ出し、姉を救出することはできるのか。 各プラサから集結したカルテル総勢300人に対し、たったひとり戦いの火蓋を切る──。
  • 童顔の暗殺者 新装版
    -
    裏社会で暗躍する凄腕の殺し屋セス。日系人特有の顔立ちから「ベイビーフェイスド・アサシン(童顔の暗殺者)」と呼ばれていた。 アメリカでの流通拡大を目論むメキシコの麻薬カルテル。そして協力関係を築く西海岸ギャング。それを阻止するためアメリカ政府は、FBI・DEA・入国管理局による合同捜査本部を設置する。しかし潜入捜査官殺害事件、組織的な隠蔽、内通者の存在とますます混迷を深めていく。 アメリカとメキシコ。麻薬と武器による双方の「貿易」が成り立つ限り、暴力の連鎖は終わらない。 レイチェルと出逢ったことで、心の平穏を見つけたセス。ささやかな幸せを望んで暗殺家業から足を洗うべく最後の仕事に向かう──。
  • 小説 ノイズ【noise】
    3.0
    漫画原作の同名映画(2022年1月公開)を基に編まれた小説。農家の圭太と猟師の純が暮らす平和な孤島・猪狩島。圭太が生産する幻の黒イチジクにより復興ムードに沸いている。しかし凶悪犯が島を訪れ付近を徘徊。危機を覚えた圭太は純、巡査の守屋と共に、ハウス内で誤って凶悪犯を殺してしまう。島の未来のため、彼らは事実を隠蔽できるのか。崩壊する日常、裏切り、続出する犠牲者……些細なノイズから増幅する悪意の連鎖。狂気が暴走する新感覚サスペンス!
  • ワゴンに乗ったら、みんな死にました。
    3.3
    ワゴンという「密室」繰り返される悲惨な「死の連続」 止まらない恐怖に耐えられますか? 悪夢の殺人車から生還できるのか! ? ノンストップ・デス・ドライブ! 【あらすじ】 目が覚めると、そこはワゴン車の中だったーー。拉致された、互いに見知らぬ6人。彼らの前のモニターで、仮面の男が告げる。「スリリングなドライブを楽しんでもらおう」。解放の条件は決められたルートを走り、制限時間内に最終目的地へ到着すること。やがて「密室」で繰り返される悲惨な「死の連続」。脱出不可能なノンストップ・デス・ドライブから無事に生還できるのか!? あなたは止まらない恐怖に耐えられますか?【新装版】 著者について ●黒田研二(くろだ・けんじ) 2000年に執筆した『ウェディング・ドレス』で第16回メフィスト賞を受賞しデビュー。 『逆転裁判』『逆転検事』コミカライズや、『青鬼』ノベライズ、 『真かまいたちの夜 11人目の訪問者』のメインシナリオなどゲーム関連の仕事も多数手掛けている。
  • ジョーカー・ゲーム
    4.2
    1~4巻594~660円 (税込)
    ”魔王”――結城中佐の発案で、陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校”D機関”。その異能の精鋭達が、緊迫の諜報戦を繰り広げる! 吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞に輝く究極のスパイミステリ。
  • しのびよる月(御茶ノ水警察シリーズ)
    3.6
    1~6巻594~715円 (税込)
    御茶ノ水署・生活安全課保安二係は斉木斉と梢田威だけの小世帯だった。小学校の同級生が御茶ノ水署で再会する。がき大将だった梢田が斉木をいじめた過去があった。それがいまでは斉木警部補と梢田平刑事。復讐に燃える斉木は、ことごとく梢田の出世を妨害し、日常業務に文句をつける。口論しながら推理も続け、神田お茶の水界隈の難事件迷事件を解決していく。ユーモア・ポリス・ストーリー。
  • 困った死体
    3.0
    1~2巻594~649円 (税込)
    捜査が行き詰まると暴走する刑事、ダジャレ連発で現場を混乱させる鑑識課員、優秀で圧倒的な美貌を誇る女王様気質の監察医――3人は〈サーカス〉と呼ばれる、変死事件ばかりを扱う特殊班に所属している。持ち込まれるのは断食中の食中毒死や、停電中の感電死、熱帯夜に見つかった凍死体に、砂漠のど真ん中の溺死体!? ありえない死を遂げた「困った死体」の究明に、個性豊かな面々が奔走する!
  • 神様の見習い もののけ探偵社はじめました
    3.3
    就職活動に失敗した無職の22歳、神成(かみなり)なるか。父は突然仕事を辞めて探偵事務所を設立するも、突如行方をくらました。なるかは事務所設立にかかった借金を返済することになり、途方に暮れる。いっぽう、廃神社の祠に貼られていた札を野良猫が剥がしてしまい、奉られていた神様が解き放たれた。その神様がなるかの家に舞い込み、探偵事務所に仕事の依頼をもってきて――。食欲旺盛で小憎たらしい神様ネコと素人探偵のドタバタコンビが、事件に挑む!
  • 殺意・鬼哭 <新装版>
    3.0
    殺人事件の被害者と加害者。双方から事件について語られる、異色のミステリー。「エンターテインメントの域をはるかに越え出た力業である」と評され、事件の当事者の心理に深く食い込み、それらを圧倒的な描写力で表出させる著者の真骨頂が発揮された傑作。
  • 十津川警部 捜査行 北国の愛、北国の死
    4.0
    札幌近郊のホテルで殺人事件が発生した。被害者は都内在住の女性と判明。その後の捜査である男が捜査線上に浮かぶが、その男は、十津川警部の相棒、亀井刑事の姪の恋人だった! 鉄壁のアリバイを持つその男。果たして真相は……。 (本書は2016年8月に実業之日本社より刊行され、2019年9月に小社より刊行された同名文庫の電子書籍版です。)
  • 棟居刑事の証明
    -
    政財界に大きな影響力を誇っていた大物総会屋・税所重信の変死体が雑木林で発見された。捜査の過程で棟居刑事は、夏の終わりに海で偶然出会った六人の男女と、思いがけない再会を果たす――。人間の本質に鋭く迫る著者会心の長篇ミステリー。
  • 十津川捜査班の「決断」
    -
    盛岡発宮古行「快速リアス」の車中で荒木圭介が毒殺された。荒木はインターネットの仕事探し掲示板で見つけて引き受けた、怪しげな仕事の最中でのことだった。一方、六本木のクラブママ、山本由佳里殺害容疑で逮捕された原田健太郎は、事件当夜、荒木と会っていたとアリバイを主張。二つの事件解決のため、同じ列車に乗った十津川警部が気づいたこととは……!?
  • 猫が足りない
    3.3
    スポーツクラブに入会した知章は、近隣で起きた猫虐待について調べてほしいと会員たちから頼まれる。探ってみると、思いもよらぬ事実が。真相究明に一役買ったのは、四元さんという女性だった。その後、猫がらみで騒動を引き起こす彼女に振り回されてばかりの知章。巻き込まれ型ミステリーに、新たな味わいの傑作誕生!
  • 十津川警部 愛憎の街 東京
    3.0
    帰宅途中の十津川は、女性が車で猫を轢くのを目撃した。翌日テレビを見ていると、その女性、デザイナーの林田ひろ子が出演していた。そこへ、多摩川で殺人事件が発生したとの報せが入り、十津川班が捜査に当たる。被害者は銀座のクラブママ。容疑者として、被害者のスポンサーで不動産会社の社長があがるが、アリバイが成立。だが、社長の女性関係を調べると、林田ひろ子が浮上した……!!
  • 郵便配達人 花木瞳子が盗み見る
    3.8
    1~4巻594~660円 (税込)
    怖すぎるのに、心が温まる── 郵便探偵が暴く、手紙に秘められた嘘と真実に、あなたは必ず震える!お仕事ミステリー開幕!【あらすじ】郵便配達人として、今日も明日も元気に手紙を届ける花木瞳子。彼女は小さな好奇心から、配達すべき封書の中身を盗み見てしまう。そこに書かれていたのはたったの一行。「あなたは誰ですか?」。差出人の正体を追う瞳子の穏やかな日常は二転三転しながら、猟奇的な連続殺人事件へ突入していく。手紙に秘められた衝撃の真実に、あなたの心は震えあがる!
  • 十津川警部 捜査行 殺意を運ぶリゾート特急
    5.0
    奥多摩の渓流でカメラマンの村田の死体が発見された。西多摩署に捜査本部が置かれ、十津川警部が捜査に当たることになった。被害者の村田は、蔵王の御釜で撮影した10枚の写真に殺人事件の匂いをかぎ取り、大学の同窓生の日下刑事に相談していた。報告を受けていた十津川警部は、山形県警にダイバーを使った御釜の捜索を依頼したが……!?
  • 白戸修の逃亡
    3.8
    爆破予告の犯人「松崎」に間違えられ、多くの人に追われることになった白戸修。しかし、行く先々で過去に事件で関わった人たちが救いの手をさしのべてくれる。果たして彼は「白戸」に戻れるのか!?長編ミステリー!
  • リンクス
    3.6
    1~3巻594~836円 (税込)
    東京臨海中央署の日向太一は、地域課の巡査部長ながら、その驚異的な身体能力が認められ、ある特命を下される。ひょんなことから知り合った天才科学者・嶺藤亮の協力を得て、日向は巨大な陰謀が蠢くレインボーテレビへ潜入する! 最強タッグが暴れ回る高速アクションシリーズ、遂に始動。書き下ろし。
  • ヴィオロンのため息の 高原のDデイ
    5.0
    敗戦間近い軽井沢で、ソ連人スパイが殺害された。ノルマンディ上陸作戦の陰で世界史を決した殺人事件! 事件の鍵を握る2人の男女、ドイツ大使館付武官ハンスとのちの法相夫人・敦子は、50年後に再会の約束をして別れるのだが……。そして半世紀ぶりに軽井沢のホテルで、秘密を胸にひめた2人は再会。抱擁する2人だが、思いもかけない運命の裁きが迫ってくる。半世紀の悲恋を描いた横溝正史賞受賞の国際ミステリーロマン。
  • ルート246 華麗なる詐欺師・倉田梨り子1 憂さ晴らし、承ります!
    4.0
    「真の詐欺師とは、その才能を人の幸せにのみ使うものだ」。伝説の天才詐欺師であり失踪中の父・寛治の“腕前”を継いで、仕返し代行ビジネスを始めた梨り子。情の深さと正義感ゆえ、ときに依頼人に騙されてしまう。だが、父親の知り合いと称する謎のおばちゃまや研介に助けられ、次第に成長していく。華麗な詐欺のセンスとテクニックを駆使して、梨り子が弱者の“憂さ”を晴らしていく、痛快ミステリー連作集、第1巻。
  • 探偵事務所 巨大密室
    -
    元警視庁の刑事・室生が営む探偵事務所に、美人OLの雪子が調査の依頼に来る。彼女は、半年前にビルの屋上から投身自殺をした女友達の死に疑問を抱いていた。その友達はなぜか、6年前のパーティとまったく同じ服装をしていたという。調査を開始した矢先、雪子もまたそのパーティと同じ着衣でビルの屋上から身を投げる。現場は完全な密室だったため、警察は自殺と断定するが、室生はそこに殺人の匂いをかぐが…!? 巧妙に仕組まれた連続殺人事件の謎に挑む貧乏探偵を描く、長篇本格ミステリー!!
  • 野望の夏
    5.0
    すべては夏のせいだったのだ。その夏、私たちは野望に燃えていた――。26歳の夕香は平凡なOL生活にうんざりしていた。そんな夕香の前に現れたアキは、獣のように美しい男だった。誘惑されるがままに彼の腕に転げ落ち、炎熱の中で荒々しいセックスに溺れる夕香は、もう一人の自分に目覚めてゆく――。すべてを狂わす夏の中で、絶え間ない快楽の波に押し流されて、夕香がたどり着いた場所は……。暴走を続ける男女たちの“狂った夏”を描く異色のミステリーロマン!
  • 嬲り屋
    -
    不破竜次は2年前まで新宿中央署の刑事だった。同僚たちから“麻薬犬”と蔑称された硬骨な正義感は、組織の中では出世の妨げとなり、妥協のない姿勢は、不破を自然に孤立させていくだけだった。いまでは新宿歌舞伎町でカラオケボックス『ユニゾン』を経営するかたわら“復讐請負人(リベンジ・エージェント)”を裏稼業にしている。法の網を巧みに潜り抜けている悪党どもを、依頼人に代わって次々になぶり、懲らしめるのだ。ある日、不破の店に、26、27の息を呑むほど美しい、それでいてどことなく翳りをおびた未亡人が訪ねてきた……!長編ハード・サスペンス。
  • 六道ヶ辻 ウンター・デン・リンデンの薔薇
    4.2
    廃校となった良家子女の教育機関・青渓女学院。その取り壊し作業が進められる中、現場からはあいついで白骨化した死体が発見される。死亡推定年代はおよそ40年前の大正時代。今や追及するものもいない死、しかしそれは、呪われた血が招いた恐るべき結末だった。かつて青渓女学院に学び、クラスメートと激しくも甘美な恋に堕ちた大導寺笙子、その存在は大導寺の家系図からひっそりと姿を消していた。数十年の時を経て発見された彼女のノートは今、封印された大導寺の惨劇を語り始めた――。六道ヶ辻シリーズ第2弾。
  • 十津川警部の休日
    3.0
    十津川警部は高校時代の友人で画家の本山から、一夕旧交を温める誘いを受け、滞在先の熱海の伊豆山神社に近い旅館に赴いたが、本山は不在で翌朝まで戻ってこなかった。東京に戻った十津川だが、そこに飛び込んできたのは、別居中の本山の妻、由美が殺されたという知らせだった。十津川警部が本山由美殺害事件の捜査に乗り出したが……!?
  • 死に向かうアダージョ 新装版
    3.0
    死に魅入られた二人の男女は、甘美な充足感の中で終焉を迎えるはずだった。アルビノーニの荘厳な旋律に浸りながら……。しかし雪に閉ざされた山小屋で、愛と孤独、そしてほんの少しの偶然が、事態を予期せぬ方向へと導いていく。傑作心理サスペンス!
  • 図書室のキリギリス
    3.5
    バツイチになったのを機に、学校司書として働きはじめた詩織。人には言えない秘密を抱える彼女のもとに、様々な謎が持ちこまれる。本に込められた思いと謎を読み解くブックミステリー。
  • 確証
    4.0
    窃盗犯を担当する警視庁捜査三課の警部補・萩尾秀一と、部下の女性刑事・武田秋穂。独特の「目」で犯罪を観察し事件の真相に迫る。警察小説の第一人者が満を持して放つシリーズ第一弾!! 連続テレビドラマ化原作。
  • 歪んだ顔
    2.0
    新人の梶原巡査はいつの日か管轄区域で起きた殺人事件の捜査を担当することを望んでいた。しかし、初めての事件は青酸カリによる無理心中だった。だが、一命をとりとめた18歳の男性は事情聴取で女性の殺害をほのめかす供述を繰り返していた。心中に不自然な点を感じていた梶原は、地道な捜査を続けた末に意外な事実を見出した。
  • 富良野ラベンダー館の殺人 香りの殺人シリーズ
    3.0
    北海道富良野のラベンダー館でひとりの女性が殺された。資産家の娘だった彼女を狙った殺人なのか、それとも・・・・・・。深まる謎を解くヒントは現場に残されていたラベンダーの香りだった。 ※本書は、1997年5月刊の角川ミニ文庫『ラベンダーの殺人』に加筆・改題した文庫が底本です。
  • 誘拐症候群 <新装版>
    3.5
    1巻594円 (税込)
    誘拐事件が連続して起きていた。しかし子供の家族がなんとか払える身代金を要求するため、表沙汰にはなっていない。今、警視庁人事二課・環敬吾は影の特殊工作チームに招集をかける。だがその時、メンバーの一人で托鉢僧の武藤隆は、知り合いの子供が誘拐された事件に巻き込まれていた――闇に潜む卑劣な犯人を必ず炙り出す! ページを捲る手がとまらない、大人気「症候群シリーズ」新装版・三月連続刊行、第二弾!
  • 閉ざされて
    3.1
    函館の西郊、海に臨んで建つ邸宅。3代続く老舗宝石店の遺産をめぐり、家族の謎が明らかになる……鮮やかな叙述で導かれる驚愕のラスト。著者渾身のミステリ!
  • 超高層ホテル殺人事件
    4.0
    地上62階の高層ホテル壁面に、巨大な光の十字架が浮かび上がる。それは、翌日・クリスマスイブのオープン控えたホテルの、華やかなセレモニーの仕掛けだった。そんな最中、何者かが突き落とされたかのように落下した。転落したのはホテルの総支配人。彼の死は不可解な連続殺人の幕開けとなった――。密室とアリバイで組み立てられた、社会派推理小説の傑作!!
  • 潜行捜査
    3.3
    1巻594円 (税込)
    大晦日に発覚した一家皆殺しという残虐な犯罪。その捜査本部で重要な任についた幸本は、捜査方針の対立から、本部付を解任されてしまう。それから5年、膨大な物証に振りまわされ、事件は迷宮入りの様相を呈してきた。所轄署の生活安全課へと異動となった幸本は、捜査本部と異なる視点で、事件を追っていた。そして偶然に手に入れた犯人の指紋。捜査員100人を相手に幸本執念の捜査は実を結ぶのか!?
  • 祈りの朝
    3.0
    高校教師の安優海は、臨月を迎え産休中。大学研究職の夫が寝言で女性の名前をつぶやき、浮気を疑い始める。研究室の女性ではと疑心暗鬼になり、定期健診の後、夫の職場に向かおうとするが……。同僚教師の傷害事件を知らされたり、卒業生と偶然再会したり、予測不可能な事態が次々に起こり……。東日本大震災からの再生と家族の希望を描く。心揺さぶる衝撃の問題作。
  • 直線の死角
    3.6
    やり手弁護士・小早川に、交通事故で夫を亡くした女性から、保険金示談の依頼が来る。事故現場を見た小早川は、加害者の言い分と違う証拠を発見した。第18回横溝正史賞大賞受賞作。
  • 地獄の道化師
    3.5
    踏切の中で起こった衝突事故! 追突したオープンカーから転がり落ちた美しい裸婦の彫像が、驀進して来た電車に撥ねられた。腰部にパックリと開いた石膏の割れ目。しかし、意外にもそこから鮮血が……。赤地に白い水玉模様の衣装に身を包み、三日月型に裂けた大きな唇に無気味な笑いを浮かべる「地獄の道化師」。残忍な猟奇殺人を重ねる犯人に、冷静な推理で対決する名探偵明智小五郎。抜群のトリックで魅了する本格的推理の傑作! 地獄の道化師/猟奇の果/二癈人/を収録。
  • 吸血鬼
    -
    雨続きに増水して、無気味ににごる川面。岩角にぶち当たってすりむけたのか、顔全体がグチャグチャに崩れ、醜くふくれ上がった溺死体! 死後十日以上経過している。――恋に狂った男たちの奇妙な毒薬決闘の果て、〈死の淵〉へ誘いこまれた哀れな男の末路? 艶やかな未亡人をめぐって、つぎつぎに起こる怪事件。明智小五郎の鮮やかな推理は。多彩なトリック、複雑な謎、乱歩の怪奇推理の決定版。吸血鬼/一人二役/双生児/を収録。
  • 影男
    -
    長いにらみ合いの後、全裸の二青年は恐ろしい勢いで突進した。肉体がはげしくぶつかり、突き合い殴り合い、そのうち鮮血が流れはじめた……。うす暗い地下室で行われた秘密の狂態。血だらけの美青年をみつめて興奮に酔う、上流婦人たちの飢えた陰湿な目、目、目。人生の裏街道を歩きまわり、弱みをもつ富裕階級をユスッて大金をせしめる“影男”とは何者? いくつもの偽名を使い分け、殺人方法に鮮やかな才能をみせる奇想天外な犯罪小説! 影男/ぺてん師と空気男/を収録。

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