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砂の碑銘
砂の碑銘
志鶴子は子供のころの記憶が曖昧で、自分の生まれた育った場所を思い描く。
ある日、志鶴子は、混雑した電車の中で、痴漢と間違われた露木を助ける。実は痴漢被害を訴えた女性は女スリ。志鶴子は、女スリが彼から何かを抜き取ろうとしていたのを目撃したのである。
露木との会話から、思いもかけず幼いときの記憶を覚醒させる訛りを聞く。ここが物語の出発点であるが、読者はまだ今後展開される志鶴子の数奇な運命や生い立ちを知る由もない。
露木からお礼の誘いを受け待ち合せた志鶴子だったが、彼は現れなかった。物語が進むにつれて、露木は志鶴子の生い立ちにも複雑に関わっている者であったことが明らかにされていく。
志鶴子が関わる人々が亡くなる、ついには志鶴子自身も人を殺める、そして子供のころの忌わしい記憶が蘇る。
志鶴子の数奇な人生を描く、悲しすぎる物語である。
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