
mmファンさんのレビュー一覧

レビュアー
-
購入済み
死海の伏流
物語は出版社に勤める亜希子を中心に展開する。姉の美樹子が、厚木から広沢寺温泉に向かう途中行方不明になり、山中で遺体となって発見される。
銀座エトランジェのママ邦子が、伊豆下田の間道で殺害される。これら2つの事件の犯人探しが進展する。
物語りの後半になって、美樹子が国家機密のスパイ活動に利用されていたことが判明する。スパイ防止法の立法をめぐる暗躍、陰謀が浮かび上がる。
この小説には「あとがき」(昭和61年)があり、著者が民主主義や報道.表現の自由について語っているのが興味深い。
今は、令和6年12月。折しも経済安全保証(特定秘密防止)の記事が新聞紙面を賑わしている。 -
購入済み
暗渠の連鎖
清家は恋人と車内デート中に、近頃頻発している強盗強姦魔に襲われた。これをきっかけに恋人悠子とは別れてしまう。鋭い洞察力を発揮する清家、屈辱を晴らしたい清家の犯人探しが始まる。
同じ被害者に接触していくうちに、房子と知り合い、連携して犯人を追求していく。房子はこの事件を担当する刑事、露木の娘であった。
犯人は警察によって突き止められたが、富士山の樹海の中で死体となって発見される。
清家は、強盗強姦犯はもう1人いる、それはかつての恋人悠子などと関わっているのではないか、との疑いに行きたく。
捜査陣、露木刑事も動く。清家は露木も驚くような発想で犯人に迫っていく。 -
購入済み
虚構の空路
いくえにも施されたトリック(虚構の空路)を捜査陣が、解き明かしていく。犯人のアリバイくずしに引き込まれる。最後にはどんでん返しのストーリーとなる。
東京発新幹線、熱海駅で、座席に女性の薬殺体が。またホテルでは刺殺体が発見される。本庁捜査1課は、2つの事件は関連があると睨んで捜査する、蒲田暑、静岡県警の合同捜査へと進展していく。三立観光に勤める音川は、エンパイアホテルの経営者令嬢である雪子と結婚し玉の輿にのる。捜査1課と蒲田暑は、音川を刺殺体の被疑者として洗い出す。
が、事件当時刻に音川は、フランスのパリで知人の出迎えをうけており、確たるアリバイがあった。捜査陣の執拗なアリバイ崩しが始まる。 -
購入済み
砂の碑銘
砂の碑銘
志鶴子は子供のころの記憶が曖昧で、自分の生まれた育った場所を思い描く。
ある日、志鶴子は、混雑した電車の中で、痴漢と間違われた露木を助ける。実は痴漢被害を訴えた女性は女スリ。志鶴子は、女スリが彼から何かを抜き取ろうとしていたのを目撃したのである。
露木との会話から、思いもかけず幼いときの記憶を覚醒させる訛りを聞く。ここが物語の出発点であるが、読者はまだ今後展開される志鶴子の数奇な運命や生い立ちを知る由もない。
露木からお礼の誘いを受け待ち合せた志鶴子だったが、彼は現れなかった。物語が進むにつれて、露木は志鶴子の生い立ちにも複雑に関わっている者であったことが明らかにされていく。 -
購入済み
鍵のかかる棺(上)
ホテルに宿泊していた記者の深谷は、何者かに狙われている危険を察知し、一介のホテルマンである山名へ写真を預けた後、殺害されてしまう。写真は、ホテルの実質的な経営者である支配人の久高の不倫現場が写っていた。
佐々木は山名の同僚である。佐々木は、過去に久高から屈辱的な仕打ちをうけていた。こうして二人は、共同して久高へ対峙していく。
また佐々木は、記者深谷の殺害者の女性が、ビルから突き落とされて殺害された現場を目撃する、女性の手には、犯人からむしりとった万年筆が握られていた。
殺された記者深谷からフィルムを預かった山名、ビルから女性を突き落とした犯人の万年筆を入手した佐々木へ、得体の知れない人物 -
購入済み
異型の街角
街角で働く人々が遭遇した5つの事件。気がかりな事件を彼らが解決していくストーリー。
スーパーマーケットの後方処理担当課長の川地はさまざたな苦情処理係であり、お詫びのためにある女性を訪ねると....。
ゴミ収集が仕事の清掃作業員平川は、ある女性を見かけ密かに憧れを寄せるようになるが...。
テレビ番組「会いたいな、あの人に」のプロデューサー樋笠は、生放送のご対面番組中に、遠い過去の女性放火殺人事件に迫っていく。
有線放送の技術員である佐古は自転車で狭い坂道をくだっている時、登ってきた対向車と接触しそうになり口論となる。それを目撃していた女性が殺害される...。
高層ビルの窓拭き業を -
購入済み
異型の白昼
コルト45口径M1911A1を入手した人物を取り巻く人間模様と付随して発生する事件を描く。拳銃を持ったことによる自信、心の余裕が、その人物の人間模様に改善をきたし、引き金を引くことなく手放す。拳銃を駅のコインロッカーへ預けて、キーを見ず知らずの人物へ気づかれぬまま渡してしまう。
思いもかけずそのコインロッカーのキーを入手した新たな人物が拳銃を手にする。そしてまたその人物を取り巻く人間模様と付随して発生する事件が描かれる。やはり拳銃の引き金が引かれることはなく、拳銃は先と同様にして手放される。
拳銃は再び駅のコインロッカーを経由して、次の登場人物への物語へと進展していく。このようなストーリー -
購入済み
彩り河
業界雑誌の雇われライターである山越は、東洋商産を操っている陰の人物へ、暴露記事を持って接触し、600万円をせしめたのだが、罠にはめられ帰らぬ人となった。
下巻の主役は、過去、東洋商産で社長の座を巡って敗れ、今は高速道路料金所で働く井川となる。
井川のかつての恋人山口は、銀座クラブ・ムアンのママとなっていた。一方、山越はこのママのパトロンが追求している人物と睨んでいた。二人はお互いにムアンのママの様子を探っている時に偶然に知り合っていた。
井川は山越の調査活動の足跡を辿り、黒幕にたどりつく。黒幕は井川のかつての恋人山口を殺害している。過去、黒幕から被害を被っていたジョーを交え、井川の仕返し -
購入済み
銀河鉄道殺人事件
銀河鉄道の旅として企画された列車に、高沢含む見ず知らず男3人と女性1人が同席した。高沢のガールフレンド衣子は列車を見送るが、高沢は帰らぬ人となってしまう。同席の彼らをめぐり、二つの殺人事件が起きるのである。
衣子は事件解明の糸口を見出し、たびたび捜査陣へ進言する。衣子は小説の中で素人探偵のポジションをも与えられている。
銀河鉄道の旅の4人、その他の登場人物がおりなす複雑なストリーであるが、全ての殺人事件は解決したかにみえた。しかし高沢の死に納得できない衣子は、さらに追求していく。はたして交通事故死だったのか。
物語にまだ大きな結末がまっていた。 -
購入済み
暗黒流砂
国土庁の公有地不正交換疑惑を追っていた中津刑事は、罠にはめられ退職となる。それでも中津は、悪の中枢に迫るべく活動する。
国土庁の課長、梅原もまた部下の不正を理由に解雇となる。
ホテルで二件の殺人事件が同時に発生する、中津と梅原は、各事件現場へ何者かに呼び出され、まだ見知らぬふたりは、思いもかけずこのホテルのエレベーターで遭遇する。
悪の中枢の息がかかった料亭「まつ坂」、その女将の娘と中津は恋に落ちる。新たな殺人事件も発生する。まつ坂を舞台の中心にして、那須警部も登場して、中津を中心にストーリーは展開していく。
はたして悪の中枢は暴かれるのであろうか。中津と恋人の仲は、どうなってしまうの