【感想・ネタバレ】異型の白昼のレビュー

あらすじ

十数年ぶりに幼馴染みと出会い、愛欲の炎が再燃した瑛子は、資産家だが性倒錯者の夫に殺意を抱き始めた。以前、米国で護身用に入手したコルト・ガバメントが、悪意の実現者として鈍く光り始めた。が、瑛子がコインロッカーに預けた凶器は、ふとした偶然で他人に渡ってしまう。狂暴な殺傷力を秘めた拳銃は、それを手にした人間の殺意と憎悪に微妙な変化をもたらしていく……。

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異型の白昼

コルト45口径M1911A1を入手した人物を取り巻く人間模様と付随して発生する事件を描く。拳銃を持ったことによる自信、心の余裕が、その人物の人間模様に改善をきたし、引き金を引くことなく手放す。拳銃を駅のコインロッカーへ預けて、キーを見ず知らずの人物へ気づかれぬまま渡してしまう。

思いもかけずそのコインロッカーのキーを入手した新たな人物が拳銃を手にする。そしてまたその人物を取り巻く人間模様と付随して発生する事件が描かれる。やはり拳銃の引き金が引かれることはなく、拳銃は先と同様にして手放される。

拳銃は再び駅のコインロッカーを経由して、次の登場人物への物語へと進展していく。このようなストーリーが、都度、新たな登場人物により、何回も繰り返される。

拳銃は、澁谷駅、池袋駅、上野駅、秋葉原駅、東京駅、新橋駅、品川駅の各コインロッカーを経由して渋谷駅コインロッカーへ戻る。

拳銃の各移動につき、1つのストーリーが展開されるのだが、各独立した短編小説ではない。前のストーリーの一人の登場人物が、次のストーリーで読者があっと驚く役割をになう。森村小説ここにあり、といった印象である。

コルト45口径M1911A1は、最後まで引き金が引かれず物語は終了する。

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2024年03月07日

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