あらすじ
大手建設会社に勤める水原智彦は、政商、相川章一郎の孫娘真美と婚約しながら一方で、結婚を餌にホステスの瑞枝に近づき、彼女の身体を利用して着実に出世の道を歩んでいた。その頃、丹沢山中で相模中央電鉄社員、本宮恒夫が現総理への闇献金を運ぶ途中で殺された。そして新宿のマンションでは瑞枝の死体が。二つの犯罪に偶然なる符合。警視庁捜査第一課の棟居弘一良が果敢に捜査を開始する、棟居刑事シリーズ第2弾!
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棟居刑事の情熱
棟居刑事は多忙ななか休暇が取れて穂高岳を目指す。若い女性を偶然にも上高地で見かけ気になっていた。登山初心者のようである。軽装備で頼りない足取りながら、棟居の後ろをついてくるのである。棟居は彼女をさりげなくガイドするかたちでサポートする。とうとう彼女は穂高岳山頂に立てたのである。2人は意気投合したのだが、連絡先も交換せず帰途の新宿駅で別れる。彼女の名は本宮桐子。
この小説は、棟居と桐子の出会いの小説でもある。以降、森村氏の作品では、棟居登場の陰に桐子あり、の場面が幾度となく設定される。2人は相思相愛の様相であるが、プラトニックな関係をあえて崩さない。棟居刑事シリーズなどでは、桐子は、たびたび登場し棟居に事件解決のヒントを授けることとなる。
物語は、新宿署の銀座ホステス殺人事件、厚木署のライフル射殺事件、碑文谷署の料亭従業員の失踪事件、八王子署の赤坂料亭従業員殺人死体遺棄事件、の関わりが、各署の刑事たちの執念によって紐解かれていく。新宿署には警視庁捜査一課那須班も投入される。新宿署の牛尾刑事、那須班の棟居刑事の活躍も描かれる。