あらすじ
保守党派閥抗争の確執の中、若手議員・川村は色と金を求め、銀座の高級クラブのママ織部佐登子に眼をつけた。だが、彼女は財界人をパトロンに持ち、政・財界間の影の資金ルートをつないでいた。次期首相を約束される寺西議員のもとから、逆リベートを運ぶ途中、佐登子は若い男に金を強奪されてしまう――。秘書、運転手、院内紙記者、代筆屋など代議士の陰で蠢く永田町人種の生態。
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迷走地図(上)
物語前半は数人の国会議員をとりまく主に第1秘書、第2秘書、女性秘書、お抱えの運転手達や議員演説のゴーストライターの日常が語られていく、事件は起きない。
織部佐登子は銀座のクラブ.オリベのママである。今は亡き愛人からの資産が20億とも30億とも言われる。
川村正明は非主流派の板倉退介派に属する政界では若手、その二枚目俳優のような容貌から、婦人層の人気が厚いと自他ともに認識されている。鍋屋健三は川村議員の影の秘書といえる人物で、政治資金もない川村は鍋屋に頼り切っていた。
鍋屋は政治資金目当てに佐登子ママと川村の接近を画策するがママのほうが1枚上手のようだ。
寺西正毅は現総理から禅譲が見込まれている政界の大物である。ある朝早く、佐登子は寺西宅の近くで2千万円入りのオーストリッチ.ハンドバッグを奪われる。鍋屋は2千万円の意味に思い当たる。