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Posted by ブクログ
「旗師」宇佐見陶子シリーズの3作目です。
前作と違う出版社から出ているのは何故なんでしょうか。
シリーズ物は当然同一出版社から、
と何となく思い込んでましたがそうでもないのか。
今回は4篇の連作集です。
それぞれ違うジャンルの美術品にまつわるミステリーで、
相変わらず陶子さんがトラブルに巻き込まれて飛び回ってます。
業界内で名前を知られるようになってきたからですが、
半分は美術品に対する好奇心からみずから飛び込んでますね。
カメラマンの硝子さんや練馬署の犬猿コンビも健在です。
『奇縁円空』篇では暗い時代の話もあって重めですが、
「円空仏」に関する記述がたくさんあって大変勉強になりました。
『「永久笑み」の少女』篇では古墳内部の描写が幻想的でした。
謎解き自体はどれもそんなに複雑ではないのですが、
全体を通して主に陶子の美意識というか目利きがすごいです。
感想は、やっぱり骨董の世界って恐ろしい、でした。
大変興味はあるんですけど。
もう、美術品に対する執念が凄過ぎて。
素人としては、ますます敷居が高くなってしまいました。
作品を生み出す側は、ほとんど宗教的とも言えるのめり込み方だし、
流通させる側の駆け引きには薄ら寒くなるものがありました。
コレクターの家族の心情なども、大金が絡むとむべなるかな・・・。
でもそれらの執念が、やはりこのシリーズの醍醐味なんですよね。
普段接することの無い世界を垣間見られて、今回も大満足でした。
Posted by ブクログ
『狐罠』『狐闇』と長編で発表された、店舗を構えない骨董商、旗師・宇佐美陶子シリーズの初短編集です。
「 陶鬼」「永久笑み」「緋友禅」「奇縁円空」の4編ですが、どれも内容が濃いです。
骨董の奥深さと蘊蓄、そこに関わる腹黒い守銭奴と主人公・陶子の駆け引きが魅力です。
こんな濃い内容を短編で惜しげもなく出してしまうなんて、北森鴻はファン想いです。
とくに好きなのは「奇縁円空」です。諸国を放浪し、生涯で12万体ともいわれる仏像を彫ったといわれている円空の謎の考察は、基本的な事実を丁寧に織り交ぜながら、またまたびっくりするような視点を最後に提示してくれました。
円空の木仏に似たもんなんて、素人にも作れるなんて思っていましたが、ピカソの絵なんて子供でも描けると主張するくらい浅はかだったことがわかりました。
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