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台北野球倶楽部の殺人
時刻表を駆使したアリバイ崩しと台湾現代史に刻まれた悲劇をめぐる人間ドラマが松本清張を彷彿とさせる傑作ミステリー。 第6回金車・島田荘司推理小説賞受賞作。 昭和十三年、日本統治下の台湾・台北市。台北駅からほど近い喫茶店「グランドスラム」では野球愛好家の集まり「球見会」の定例会が開かれていた。 日本でプロ野球が発足してまだ三年目。当時もっとも注目されていたのは東京六大学野球で、この夜も話題の中心は早慶戦ともう一つ、台湾の高雄商業学校のエース兼四番バッター大下弘だった。球見会には六大学のOBが参加していて、彼らは大下を自分たちの出身大学にスカウトすべく鍔迫り合いを演じていた。 そんな折、球見会の会員二人が別々の列車内で不審な死を遂げた。この会の唯一の本島人(台湾人)会員・陳水金は台北の北鉄新店線萬華駅で、慶應OBの藤島慶三郎は高雄駅で台北から乗車した寝台列車の中で発見された。 台北南署の刑事・李山海とその相棒の北澤英隆は高雄署とも協力し事件の謎を追う。果たして二人の死には、「明日の球界を背負う逸材」大下弘のスカウト合戦が関係しているのか、それとも……? -
ひとりぼっちの殺人鬼
【きっと見つかる、大切なもの。 ――実業之日本社文庫GROWからあなたへ。】 少女は親友を殺した。 そして、少女だけが大人になった――。 センセーショナルな事件に潜む「なぜ?」 人の心の闇と謎に迫る《泣ける》衝撃作!! 2004年、未成年による殺人事件が起きた。 ひとりの少女が親友の少女を殺したのだ。 「人を殺してみたかった」 ――ショッキングな供述は世間を震撼させるが、 その動機は果たして真実なのか? 全てを失った後、名前を変え普通の女性として社会復帰した「恵」を、 被害者の兄と女性ジャーナリストが追いつめてゆく。 心の闇とその再生をえがく渾身作! -
中国の古代文学
中国文学の原点である『詩経』と『楚辞』の成立、発想、表現を、『記紀万葉』と対比し考察する。古代共同体的な生活が破壊され、封建制が根付いたとき、人々はそれぞれの運命におそれを抱き、そこに古代歌謡が生まれる――。この巻でとり扱った時期は、古代中国人が神を発見し、また失う過程を示すものである。斬新で美しい論の展開、すべてを網羅した知識、知的興奮が味わえる白川静の世界へようこそ。 427ページ -
紫蘭後宮仙女伝
百花国の遊牧民・浮花族の娘、紫蘭は、草原の穴から落下。辿り着いた先は百年前の後宮だった。そこで彼女は伝説の仙女・第八花仙に祀り上げられ、王子、月季と出会う。月季は迫害されていた浮花族を守り、浮花族に居場所を与えた、後の賢王だった。が、今の彼は後ろ盾もなく冷遇され、王太子になる気配は微塵もない。やがて自分がこの国へやってきたことで歴史が変わってしまったと気付いた紫蘭は、彼を王にすべく奮闘するが……? -
貴公子探偵はチョイ足しグルメをご所望です
<第10回ポプラ社小説新人賞・奨励賞受賞作!>麗しき貴公子探偵の推理の秘訣は、庶民派チョイ足し料理!? ポジティブ貧乏家政婦とセレブな金髪美少年探偵の凸凹コンビによる、グルメミステリー開幕! -
恐怖箱 呪禁百物語
「今から人が死にますよ」 耳元で突然聞こえた囁き。 十秒後、悪夢が…(「予告」より) 人を呪い殺せる壷 仏間の地下儀式 駐屯地の祟る供養塔 日常の闇を覗き見る百怪談! 4人の怪談蒐集家が独自の取材で聞き集めた実話を代わる代わる紡ぐ百物語。 今から人が死にますよ…駅のホーム、ふいに囁かれた声はどこから?「予告」 おにぎり工場の釜の湯気に浮かぶ顔。笑っているうちはいいのだが…「飛顔」 月に一度予知能力が開花する女性。条件が二つあり…「勘がいい人」 二週間に一度クラブのママの家を訪れる霊。徐々に距離が縮まって…「通い婚」 駐屯地の敷地内にある木杭。それを蹴った自衛隊員は…「同情無用」 水回り限定で怪異の起こる家。毎年7月の同日に見る恐ろしい夢とは…「命日」 ほか、短夜にさらりと読めて深く残る恐怖譚、珠玉の百話をどうぞ。 -
久保田万太郎俳句集
芥川龍之介は万太郎の俳句を「「嘆かひ」の発句」と喝破した.万太郎は「俳句は余技」とした.その無防備を装って詠み上げられた余技は,日本語での詠嘆の美しさ,表現の自在さにおいて,他の俳句の追随を許さない.国民に広く愛唱されてきた.明治末年より亡くなる昭和38年までの半世紀間の全句8000句から900句を精選した.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
走る凶気が私を殺りにくる
うしろから、あおり運転。 助手席に、認知症の老人。 介護タクシー会社に勤務する芹沢千晶は、ある日、仕事中に後続車からあおり運転を受けた。 黒く巨大な車は獣のように荒々しく、車間を詰めてパッシングを繰り返す。助手席に認知症の老人を乗せる千晶は、次第に不安と恐怖を抱き始める。 何が気に入らないのか、何が目的なのか、ハンドルを握る手に汗がにじむ。やがて単なるあおり運転とは別の悪意を感じ始め……。 悪夢のような一日と、その果てに辿り着く恐るべき結末。 このドライブの結末は、誰も予想できない――。 極限下のドライブホラー! -
いじめられっ子ノラ
実在の少女・典子の告白をもとに描く、「いじめ」とたたかった女子中学生と不思議な猫たちの物語。学校では友だちや上級生だけでなく、教師からもいじめぬかれ、安らぎのあるはずの家庭でも、両親が離婚し、幼児期から激しい虐待を受けて育ってきた典子。図書館の本と、放送室で聴ける音楽だけを楽しみに、けなげに生きる典子に否応なくつづくいじめは、典子が耐えれば耐えるほどに、エスカレートしていく。しかし、あるときを境に、典子はがぜん強くなる。もうやられっぱなしの典子ではなくなるのだ。その典子をまるで援護するように、街のノラ猫たちが典子をいじめた者たちを追い詰め、恐怖におとしいれる。給食にチョークの粉をまぜられ、トイレのモップで顔を拭かれ、お金を要求され、などは現実に典子に行われたこと。もしも自分が典子だったら、どこまでたえることができるだろうか? いじめる者の醜さ、弱さ、いじめられている者の悲しみがわかる本。 -
映画 バクテン!! ノベライズ
この日々を、忘れない。男子新体操が、大好きだ!! 映画の熱量をそのままに、小説でもアオ高の物語を楽しめる! 舞台は私立蒼秀館高等学校(通称アオ高)の男子新体操部。 『男子新体操』に魅せられ、それぞれの想いを胸に集い、いつしか“チーム”となった個性豊かな部員たち。 翔太郎のケガも乗り越え、青春のすべてを懸けて熱くひた走る彼らの物語は、次なる舞台、インターハイへ。 ──インターハイが終われば、キャプテンを含む三年生は部活を引退。 大学では新体操をやらないと語る先輩たちに、主人公・翔太郎は複雑な気持ちを抱く。 6人で跳べるのはこのインターハイが最後。 「アオ高男子新体操部」最後の挑戦が始まる……! ★朝読にもおすすめです! -
平安陰陽怪異譚
幼いころから怪異に愛される体質でよく怪奇事件に巻き込まれる頼寿(よりひさ)。 満月が輝くある春の夜、彼は邸にある桜の木の前に呼び出される。 彼がそこに向かうと、頼寿を呼び出した男は木の下に倒れていた。 殺人の嫌疑をかけられた頼寿を助けるべく、友で陰陽師の千景(ちかげ)は彼とともに真相を探ることに――。 怪異に愛される貴族と彼を守る堅物陰陽師が都で起きる怪奇事件を解決していく -
リトル・ゾンビガール
「一歩をふみ出せば、世界はどんどん姿をかえていくのかもしれない」 分断が進むこの社会で、“他者を知ること”の意味を伝える心温まる物語。 いまから約200年前、互いの生き残りをかけて人間とゾンビは戦争を繰り広げた。戦いに敗れたゾンビたちはわずかな数を残して森の奥へ逃げて以来、人間に一切干渉しないことで自分たちの生活を保ってきた。一方で人間たちは、ゾンビは絶滅したと思い込み、時の経過とともに戦争は風化され、「ゾンビは怖い」程度の認識を持ちながら平和に暮らしていた。 そんなある日、ゾンビたちが住む森を商業施設として開発しようと、人間たちが森に足を踏み入れた。戦争を忘れず、「人間は冷酷だ」と語り継がれてきたゾンビたちは、自分たちの暮らしを脅かされると思って怒り、人間に復讐しようと立ち上がる。 このまま人間とゾンビの全面戦争は避けられないのか!? 異なる世界に生きる人間とゾンビが共存する道は、ゾンビの少女・ノノと人間の少年・ショウの二人に託される――。 -
源氏物語五十四帖 現代語訳 紫式部の物語る声 [一] 桐壺・帚木・空蟬・夕顔・若紫
千年前の物語は、すでにこの世の真実を語っていた 複雑に絡み合う人間心理、繊細な自然描写、内裏での政(まつりごと)や神事。 目に映るすべてが緻密に描かれた物語世界を分析し、 「原文分解分類法」を確立した著者による、原文に沿い本質に迫った現代語訳。 紫式部にとって、「物語」は、「物事の真実を語ること」。 後世の我々に、人間として「生きる意味」を、伝えたかったのだと思います。 (「おわりに」より) 光源氏誕生から、のちに妻となる紫の上との出会いまでを綴った、 「源氏物語」はじまりの全5 帖を収録。 理解がより深まる、著者作成の五十四帖人物相関図付き まえがき 源氏物語原文五十四帖構成分類 源氏物語原文分解分類法1〜18 桐壺 帚木 空蟬 夕顔 若紫 あとがき 参考文献 -
15の夏を抱きしめて
15歳で死んだトーマス.元恋人のオルフェー,母親,衰弱した祖父には,まだ彼の姿が見える.一方,トーマスも,思い出にしばられるオルフェーや,崩壊しそうな家族のようすを,静かに見守っている.人は大切な人を失ったとき,どのように立ち直ってゆくのか,「生」の喜びとは何かを描く. -
セレナーデ【電子特典付き】
シンガーUruが自身の楽曲を元に書いた短編集、デビュー記念日に発売! ライブ会場での朗読やファンクラブ会員限定で発表している自身の曲を素に書かれた短篇物語「しあわせの詩」「鈍色の日」、そこに書き下ろし「セレナーデ」を加えて刊行いたします。 また、物語の元になる「セレナーデ」はドラマ日曜劇場『マイファミリー』の主題歌としても話題を呼ぶニューシングル「それを愛と呼ぶなら」のカップリングとして収録されます。 ■収録作品■ 「しあわせの詩」 私は病院で不思議な光を浴びてから、体に異変を感じるようになる。夫と息子の3人の幸せな日々に、予測できない奇妙な運命が待っていた。 「鈍色の日」 僕が自死を決意した日、実家で暮らす母から荷物が届いて――。 「セレナーデ」 摂食障害で悩んでいる、高校三年生の葵。ある出来事を境に、恋人の隼人、幼馴染の陽との関係が崩れていく。瑞々しい青春群像劇。 ※電子特典として、巻末にUruからのメッセージを収録しています。 -
予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる
黒木渚、ベストアルバムと同名小説、ついに発売! 不純な動機から始まった音楽は、私のすべてになった。 「私の歌で、こんな世界ぶち壊してやる!」 誰にも話したことがないけれど、私は光と共に生きてきた。 未来について想像するとき、私の頭の中には必ず白い光のイメージが浮かぶ。 高校二年の「シッポ」は中学時代からの片思いの相手、森園太陽に接近するために軽音部に入る。 好きな音楽はパンク、好きなバンドはクラッシュ、セックスピストルド、ダムド、ニルヴァーナ…… これ、全部嘘。 だけど太陽に近づくためにシッポが周到に用意した「設定」は、徐々に彼女の中にあった「音楽の光」をとらえて、 追い越していく。 眩しくて白いーーあの光はスポットライトか、それとも恋か。 音楽を始める動機なんて、不純だっていいじゃないか! 音楽×小説×青春 歌手兼小説家・黒木渚が初めて描く青春と音楽。 青春はエゴイスティックで汚くて、生々しい。それでも眩しい一瞬の光だ。 -
P+D BOOKS 幼年時代・性に眼覚める頃
室生犀星“初の小説”を含む自伝的作品集。 婚外子として生まれ、生後間もなく養子に出された〈私〉。いつもやさしい義姉を除いて、周囲に理解してくれる人はおらず、小学校では喧嘩を繰り返して先生からも目をつけられていた。 そんななか、実の父親が亡くなり、母が行方不明になってしまう。ますます自棄になって乱暴を繰り返していた〈私〉は、川のなかでその後の人生を変えるあるものを見つける。それは、苔むした地蔵だった――。 自伝的色彩の濃い、著者初の小説「幼年時代」をはじめ、「性に目覚める頃」「或る少女の死まで」を加えた“幼年時代三部作”を中心に、繰り返し映画やテレビドラマになった「あにいもうと」を加えた全4篇を収録。 -
降格警視2
警官がモグリの副業で性風俗店を経営しているとのタレコミが。調べてみると本当だった。しかも大繁盛している。同僚が観て見ぬフリをしていて、それをいいことにかなりのサービスをやって評判だった……。その警官は、仕事は真面目で警察情報をヤクザに流している形跡はない。「本人にはやんわりと説得するから、事を荒立てないで欲しい」と錦戸は言われるが、彼は納得出来ない。しかし、そのその風俗店で、風俗嬢の殺人事件が発生。「ドイツで起きた『フリッツ・ホンカ事件』に似ている」と錦戸。彼の頭には世界中の猟奇殺人事件がデータベースのように入っている。超エリートらしく緻密に捜査方針をたてた錦戸だったが、またぞろ榊鋼太郎ら超庶民が一枚も二枚も噛んできて…。他、女子高生誘拐、ネット殺人、オレオレ詐欺を扱った全四編。エリート思考と庶民派人情のぶつかり合いが意外や意外、難事件を解決に導く異色警察小説第二弾! -
ミライヲウム
新二度読みミステリー、待望の文庫化! 凜太郎は、中学と高校時代に、つきあっていた女性に触れた瞬間、未来を見てしまった。しかもバッドエンディングばかり。そんな体質だから、恋愛とは無縁の大学生活を貫いていた。大学二年の大晦日の夜、花火を見に出かけた同級生にキスされた瞬間、凜太郎はとんでもない未来を見てしまう。その結末を変えるべく、凜太郎は奔走するのだが……。 「やられました」「とにかく読んで」「面白さ、保証します」などなど、単行本刊行時に話題となった一気読み必至、新・二度読みミステリーが待望の文庫化です! 驚きのあとにやってくる感動を、是非とも体験してください!! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ミライヲウム』 の文庫版となります。 -
乳頭温泉から消えた女
北海道の西に位置する積丹半島。「積丹ブルー」と呼ばれるその海景を前に崖から転落死した男がいた。自殺か他殺かは定かではない。ちょうどその直後、男の取引先の女性社員・皆川が乳頭温泉で忽然と姿を消していたことが判明。果たして事件との関連は? 温泉で失踪発覚の瞬間に立ち会ったリスクコンサルタントの円堂雅流は、皆川の女友達の協力も得て、独自に捜査に乗り出す。札幌、積丹半島、小樽、余市……。北海道のさまざまな交通機関を絡めた推理行から、終盤は舞台を東京に転じての展開へ。旅情とグルメを連結してのサスペンスフルな謎解き列車が走る! -
私を愛して下さい(十津川警部シリーズ)
旅行作家の菊地文彦が、東京の自宅で刺殺された。直前に岩手県の宮古へ取材に行ったことが判明。捜索にあたる十津川警部は、相棒の亀井刑事と宮古へ向かう。菊地が訪れた姫川村の寺で、砕かれた石碑に“列”という刻字を見つける。東日本大震災で破損しただけでなく、故意に粉砕したと感じた十津川は、石碑の由来を調べ始める。第二次大戦の特攻作戦に繋がると睨んで鹿児島へ飛ぶが……。特攻隊員の妻の命の叫びが、現代の殺人を呼んだ!? 岩手と鹿児島を舞台に、特攻作戦の真実に迫る。陸軍幼年学校の最後の生徒だった著者による渾身の戦争&旅情ミステリー。 -
小説 西海屋騒動
人生そのものが 博打なんだよ 転がる賽に金は生えぬ 罪深き人 欲求は満たされる事を知らない ――――柳亭左龍 てめえらは、何度俺から奪えばそれで気が済むんだ。 軽井沢の有名旅籠の次男として育った理吉。裕福な環境で恵まれた生活を送っていたものの、なぜか家族との距離を感じ、心はいつも満たされずにいた。そうした心の飢えを埋めるかのように兄・新吉のものをくすねては、新吉と喧嘩になる毎日。やがて新吉は侠の世界に飛び出すが、理吉は家業の手伝いをするのみ。旅籠の下働きの定丸に誘われるままに、博打を覚えたがために家を追われ、西海屋に流れ着く。番頭の慶蔵のもとで頭角を現すが……業と欲に呑まれ、因縁に絡み取られていく―― 因果と侠の中で揺れ、流転と転落の男の物語――小説 古典落語シリーズ第4弾! 松浦シオリ・装画 -
シン・論 おたくとアヴァンギャルド
庵野秀明の「シン・」シリーズは、「おたく」の歴史を踏まえた自覚的な「つくり直し」である。その方法と美学の出自を探る、挑発的芸術論。 戦後の「おたく」表現のフェティシズムや美学の出自は、戦時下に狂い咲いたアヴァンギャルドが、戦後、政治的にウォッシュされたものであるというのがぼくの一貫した主張だが、「シン・」シリーズは、 その美学や方法を「正しく」運用し直し、戦後おたく表現を「修正」する試みなのだ。成田亨ウルトラマンの初期デザインの採用などその際たるものだろう。しかし、それは「特撮」とか「アニメ」とか 戦後のジャンルに必ずしも閉じたものでなく、もう少し広い。その「広さ」が重要だ。 (「あとがき」より) ※本データには、図版・注釈への双方向リンクは含まれません。 -
魚影島の惨劇
真っ赤な血は明らかにナイフによる傷。 事故じゃない、殺人だ。 絶海の孤島、連続殺人鬼が迫る! 書下し恐怖サスペンス 仰向けに倒れて目を閉じている由美の首からは、真っ赤な血が流れていた。明らかにナイフによる傷。事故じゃない。今度は明らかな殺人だ。この島にいる誰かが由美を殺したのだ。 この島は、ほんの少し前まで、余計なことに頭を悩ませたり、心を痛めたりする必要などまったくなく、ただ小説の執筆に専念していればよい場所だった。 そう、ここ魚影島は、時代小説のベストセラー作家・國分誠吾を師とし、十四人の作家志望の男女たちが、自給自足に近い共同生活をしながら、切磋琢磨し、小説家デビューを目指す、塾が運営されていたのだが……。 絶海の孤島で起こる、連続殺人の恐怖! ●主な登場人物 ・早野あずさ……十八歳の美少年。高校を中退、しばらくの家出の後、魚影島に来た。 ・上原光三郎……六十二歳。塾生では最年長。元、中学校の国語の教師。 ・久保寺和男……五十歳。元、飲食店の経営者。塾に多額の寄付を。 ・星優佳里………二十四歳。元、大手自動車メーカー事務職。城戸孝治と恋仲。 ・一条千春………二十一歳。島のアイドル的存在。大学休学中。早野あずさに恋心を抱く。 ・城戸孝治………二十七歳。元、サラリーマン。長身でハンサム。 ・青木潤…………四十歳。夢をあきらめ、島を去ることに。 ・清水由美………三十歳。元、地方新聞の記者。川端隼人と恋仲。 ・吉岡一馬………三十歳。元、ギタリスト志望者。剽軽もの。 ・石橋麗子………四十歳。元、主婦・ホテル厨房勤務。塾では食事係担当。 ・川端隼人………三十五歳。元、フリーター。現在の塾生では最古参でリーダー的存在。 ・杉田流星………二十八歳。元、高校球児、不動産会社営業職。陽気な人気者。 ・小川翠…………三十八歳。元、大手出版社勤務の編集者で、國分を担当。 ・水原綾乃………三十四歳。かつて作家デビューしたが失速。再デビューを目指している。 ・國分誠吾………五十五歳。時代小説のベストセラー作家。魚影塾主催者。 ・國分沙希………二十九歳。國分誠吾の娘。自由奔放な性格で塾生たちを翻弄する。 -
レオ・ブルース短編全集
世界初紹介の未発表草稿10編を含む 本格の巨匠が遺した全短編を完全網羅! 本格黄金期を代表する推理小説作家レオ・ブルースの全短編をここに収録。 パーティーの夜に起きた秘書殺しの謎をビーフ巡査部長が快刀乱麻の名推理で解決する「ビーフのクリスマス」、遺産相続をめぐる練り上げられた策謀を暴く「逆向きの殺人」など、短い紙幅に「魅力的な謎の呈示」と「合理的解決」という本格の醍醐味が凝縮された珠玉の短編全40編。 図書館で発掘された未刊のタイプ原稿から直接邦訳した11編(内、世界初紹介9編)と発見者による解説を含む、ファン垂涎の真の「完全版」の登場! -
湘南夫人
湘南を舞台に巨大企業グループを擁する一族の栄枯の美を描いた石原文学の真骨頂。急逝した三代目の残された夫人は複雑な関係の中で…。 湘南地方に広大な邸宅を構え、巨大企業グループを擁する北原家。手掛ける事業は鉄道から機械、観光開発にまで及ぶ。その三代目社長・勝彦が急逝し、残された妻の紀子は亡夫の異母兄弟・志郎と結ばれることでその血脈を繋いでいた。だが、縁戚で音楽評論家の野口による音楽事業の提案や、その甥・明からのレジャーの誘いなどによって、複雑に入り組んだ一族同士の関係に微妙な変化が起こりつつあった。その美貌で男たちの心を捉え、また並外れたピアノの才にも恵まれた紀子。彼女の人生にこれから待ち受けているものとは……。 -
歴史と秘密のホテル
アイヴィーがフロント係として働くホテルは、20世紀初頭に富豪が建てた屋敷を改装したもの。宿泊客は、一族が収集した絵画や彫刻に彩られた豪華な空間での非日常を楽しみに訪れていた。あるときアイヴィーがチェックインを担当したのは、気難しい老婦人。一緒に来た息子だけでなくホテルスタッフや別の宿泊客にも強い言葉で迫っていた彼女が、ディナーの席で倒れ、そのまま命をひきとってしまった。重度の食物アレルギーがあったため、疑われたのは料理を作ったシェフ。完璧主義者の彼がそんな初歩的なミスを犯すなんてありえない。けれど警察はそれ以外の可能性を探ろうとせず……彼の絶対の無実を信じるアイヴィーはひとり、事件の真相を探ることを決意する! -
女王の番犬
中央オリヴィア王国の前女王暗殺の大罪人・ヴァイスは、処刑執行の直前にエリザベス二世に命を拾われ「女王の番犬」として、ブラッドフォードという名を与えられた。 それから五年後、戦乱が続いていた中央・東端・西部の三国はついに停戦条約を結ぶことになった。 しかし会談の日が迫ったある日、オリヴィア王国の君主の証である『エリザベスの鏡』が何者かに盗まれる。 ブラッドフォードは停戦条約締結の日までにエリザベスの鏡を取り戻すことができるのか――? -
みるならなるみ/シラナイカナコ
男子たちに嫌がられた。だから女子だけでバンドを組んだ。けどメンバーのひとりが進路を理由に脱退。「女子限定」の欠員募集に応募してきたのは、胡散臭いけどとんでもなくキーボードのうまい男で…。(みるならなるみ) ごく普通の女子中学生・四葉は新興宗教で「幸福の子」と崇められている。学校にも居場所がない四葉は、唯一の友達である加子の秘密を知り「小さな」罪を犯してしまう。(シラナイカナコ/2021年度集英社ノベル大賞〈大賞〉受賞作品)――2003年生まれ、17歳の才能が抉り出す新世代小説。鮮烈で泥濘んだ少女たちの感情を生々しく繊細な筆致で描くデビュー作! -
大寺学校/ゆく年
浅草に生まれた万太郎(1889‐1963)が,青年期までをすごしたその土地に寄せる,エレジイともいうべき2篇である.代用学校が市立の学校へ「座」を譲ろうという時代の激しい変動が,さまざまの人の上に,どう乱反射したかを活写した「大寺学校」.「ゆく年」とともに明治末の東京の一隅の特異な風土を巧みな話術で描いた作品である. (※本書は1989/1/1に発売し、2022/4/26に電子化をいたしました) -
これでいくほかないのよ
いつまでも終わらない物語のはじまり 世界を旅してきた写真家が十年の時をまたぎ、 フォークランドと広東省で経験した驚くべき偶然とは…… (「スルメと空豆ご飯」) 職を失ったホステスとバンドマンがバーで出会い、 店長の話をきっかけに、町に団子屋を復活させようと動き出す…… (「これでいくほかないのよ」) ふとした会話と、少しのつながりから生まれる八編。 今なお斬新、最新短編集。 -------------------------------------- 【目次】 ■六十四年インパラ ■人生は野菜スープ ■スルメと空豆ご飯 ■「今日は三月十二日です」 ■エスプレッソ ■銀座化粧 ■夜景が見えます ■これでいくほかないのよ ■あとがき -------------------------------------- -
一の悲劇 【新装版】
ラストまで一気読み! 間違い誘拐の真相は? あなたはきっと騙される―― 二転三転する事件の裏に隠された、瞠目のトリック。 誘拐ミステリ史上屈指の傑作! 「あなたが茂を殺したのよ」泣き叫ぶ冨沢路子の言葉に、山倉史朗は絶句した――。 犯人は山倉の息子と間違えて、同級生で路子の息子である茂を誘拐した。厳戒下、山倉は身代金授受に失敗、少年は骸となって発見されたのだ。 誰が、なぜこの凶行を? やがて浮上した容疑者には、作家探偵法月綸太郎と一緒にいた、というアリバイがあった……。 [韓国版連続ドラマ 『ザ・ロード:1の悲劇』原作] -
ルパン三世 小説版<新装版>
「おれ、ルパン。すこぶる出来のいい泥棒でね。ついぞ警察につかまったことがない」そんなルパンに挑戦状をたたきつけたのが、暗黒街の魔術師といわれる白乾児【パイカル】だ。彼の秘密のメモを入手した峰 不二子。ルパンを倒せばそれを返すと、白乾児をけしかけたのだ。ルパンは白乾児式火炎放射器の攻撃を、はたして切り抜けられるのか(第1話「ルパン死すべし」より)。他に「サスペンス・ゾーン」「魔女戦線」「集まれ奇人ども」「『ルパン伝』猛撮影中」を収録。2015年、モンキー・パンチ×おおすみ正秋×辻 真先の〈『ルパン三世』特別鼎談〉を初収録。 -
P+D BOOKS がらくた博物館
米国最北端の町で繰り広げられる人間ドラマ。 ――彼等はみんなその祖先に流れ者の血を持っているので、流れ者に対して寛容であり、理解もあった。―― 命からがらの逃避行でロシアから逃れ、中国、そしてアメリカ最北端へと流れ着いたマリヤ。マリアの飼う4頭のシベリア犬に飼い猫を殺されたにもかかわらず、友人づきあいをする日本人アヤ。そのアヤは、前夫との子を連れ日本に一時帰国するが、元夫とはやはり心を通わせることができず、親子ともどもさみしい思いを抱いてアメリカに戻る。 アヤとも知り合いのカルロスはスペイン、中米から自作のヨットで漂着し、そのまま居着いてしまった印刷屋の主人。ある日フェリーでやってきた東洋系の女性と知り合うが、彼女もまた、韓国系の母親と日本人の父親を持つ“漂流者”の一人だった――。 第14回女流文学賞を受賞した名作長編。 -
深夜の人・結婚者の手記
生涯で膨大な作品を残した室生犀星。大正から昭和初期にかけての著作の中から、結婚や家族を対象したもの、芥川龍之介を中心とした交遊関係に言及したもの、関東大震災を経験し生と死について触れたものを各章に分けて編纂。小説、詩歌のみならず、日記や書簡からも犀星の文学に対する姿勢や精神を読み解く作品集。 (※本書は2012/2/11に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました) -
ソニー最後の異端 近藤哲二郎とA3研究所
不遇の天才かつ変人研究者、近藤哲二郎。彼は、なぜ、標準放送で送られてきた映像を、ハイビジョンクラスの高品位映像に置き換える新技術を開発できたのか? ーー話しても分からない人間には何も話さない、相手がたとえ役員であっても。ソニー随一の特許数を持ちながら、その性格ゆえ、開発した技術は1件も商品化されない、という不遇にあった近藤哲二郎が、一転して、「WEGA(ベガ)」「BRAVIA(ブラビア)」を成功に導く、デジタル高画質技術「DRC」を誕生させるまで。傑作ノンフィクション。 ーー取り寄せた特許のリストを1頁目から丹念に目を通していくうちに、出井(いでい)はひとりの研究者の名前に目を止めた。彼の保有する出願及び登録特許数が400件近くもあり、他を圧倒する数だったからである。(中略)そのうえさらに出井が驚かされたのは、そのうち商品化されたものが1件もなかったことである。「これは、いったい全体、どういうことなのか……」――本文より -
ファミリア・グランデ
加害者告発に加え、否認した母と傍観者だった自分も性虐待に加担していたという自責から書かれた本は他に類を見ない。まさに震撼の書である。――信田さよ子 ■本書の内容 30年前、わたしの双子の弟を性虐待したのは、誰もが敬うエリート学者の「継父」だった。そして、現実から目を背け、わたしたち姉弟を糾弾したのは、誰よりも自由と解放を重んじたはずのフェミニストの闘士、母だった――。 1980~90年代、自由礼賛の名の下に、左派インテリの両親はわが子の人生を支配した。「継父」による加害が発覚したあとも、周囲の大人たちは(ひとりを除き)目をつぶり、告発しないことを選んだ。その共謀の過程で、子どもたちは名ばかりの同意と沈黙を強いられてきたのである。 著者は、傍観者としての、小さな加担者としての罪悪感を見つめ直し、苦悩の記憶を掘り起こしながら、文学的努力を払い、その経験を言語化する。 実父は「国境なき医師団」創設者のひとり、叔母はトリュフォー監督も認めた有名女優、母も継父も著名な言論人ということもあり、2021年1月の原書出版時にはフランス中に激震が走った。本が出版された1週間後には、「#MeTooInceste」というハッシュタグで8万件ものツイートが流れ、マクロン大統領が「子どもに対する性犯罪」の対応に関して声明を発するまでに至ったという。 本書は、被害がなかったことにされる構造と、沈黙にともなう罪悪感をありありと表現した一冊だ。フランスで32万部突破、海外版権15か国の話題作、ついに邦訳。
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