小説作品一覧

非表示の作品があります

  • 呪いの十円銅貨 ─コックリさん─
    -
    1巻770円 (税込)
    中原咲子は中学生向け進学塾の国語講師をしている。ある日、板書で夢中になっていたときに、やる気のない生徒、飯星遥香たちが後ろの席でコックリさんをして遊んでいた。後片付けをしているときに、咲子がその痕跡に気づき、せっかく真面目に授業をしていたのにと憤慨する。 しかし、落ちていた十円玉に触れたとき、脳裏に不吉なイメージが広がった。咲子には軽い霊感があり、そこに込められた想念を感じ取ることが出来たのだ。コックリさんで呼び出した霊がかなり強いものであったと咲子は直感した。 その日、遥香は家に戻らず、大騒ぎとなり母親の飯星啓子は警察に捜索願を出す。 彼女には以前からストーカーの被害を受けたことがあるらしく日記からそれが判明し、刑事の聞き込みから人相の悪い若者が捜査線上に浮上する。 そして、失踪から一週間後、彼女は遺体で荒川の河川敷に打ち上げられた。
  • オリエント急行殺人事件
    3.8
    大雪のため立往生した国際列車の車内で、富豪の老人が殺された。犯人は乗客の中にいる。しかし、乗客の全員に完璧なアリバイがあって……。大胆なトリックとポワロの名推理が冴えわたる。アガサ・クリスティの代表作であり、傑作映画の原作にもなった傑作ミステリー。
  • 夏の黄昏
    5.0
    南部の小さな町に育った十二歳の少女。背丈ばかりのびて、近所の子どもから仲間はずれになっている少女の夏の出来事。この少女の心の孤独感は、仲間はずれになったことのある誰の心にも消えがたく残っている。そして自分がどこかのグループに属したい、誰かに認められたいという願望も。この作品はこの深くて鋭い心情をとらえて、あますところがない。しかしその卓越している点は、空気さえ感ぜしめる描写の力だ。人は空気によって生きるように、この作品の三人――少女と少年と黒人女性――は作中の暑い夏の空気を呼吸して生きている。その空気は狭いキチンにいる三人の息遣いを伝え、その絶妙の会話を伝える。外で遊ぶ子供たちの叫び、ピアノの調律音、猿まわしの演奏するオルガンの音、照りつける街なかの白い光などを伝え、その脈搏によってこの作品を日常の次元よりも高い、不思議な雰囲気のものにしている(訳者あとがき)。「結婚式のメンバー」という訳書もあるマッカラーズの代表作。
  • 遺志あるところ
    -
    米国実業界の大物ノエル・ホーソーンが、義弟の国務長官の別荘近くの森で死体となって発見され、ショットガンの事故として処理された。遺書の内容はショッキングだった。妻デイジーに50万ドル、3人の娘たちには長女のジューンつまり国務長官夫人にはリンゴ1個、次女でヴァーニイ・カレツジの学長であるメイにはナシ1個、三女で女優のエイプリルにはモモ1個、ジューンの2人の子供アンドルーとセーラにそれぞれ10万ドル、ナオミ・カーンなる女性、つまり愛人に700万ドル、を遺贈するとあったのだ。未亡人デイジーは遺言無効の申し立てをすると主張するが、3姉妹は兄の遺書が公にされスキャンダルになることを恐れ、故ノエルの遺書を作成した弁護士とノエルの直属の部下を同道してウルフを訪ね、ナオミに遺産の半分を放棄するよう説得してほしいと依頼する。やがてノエルの死が殺人である可能性が浮上する……
  • 北原白秋詩集 (上)
    3.0
    1~2巻770円 (税込)
    明治から昭和の日本詩の世界において圧倒的な影響力を持ち、今も多くの人々に愛される巨人北原白秋(1885-1942)。上巻には若き白秋が鮮烈にデビューした初期の詩集──華麗な『邪宗門』と情感あふれる『思ひ出』を、下巻には清明な気品に満ちた『水墨集』『海豹の雲』を中心とする後半期の円熟白秋の詩集を収める。

    試し読み

    フォロー
  • 硝子の探偵と消えた白バイ
    4.7
    警察車両を先導中の白バイが警官もろとも消失した。この怪事件に招聘されたのは「ガラスの探偵」の異名を持つ自称天才、朝倉。捜査は助手任せで見当違いな推理を連発する彼に、刑事たちも呆れ顔。ビル屋上で見つかった白バイ警官の死体と過去のストーカー殺人が絡み合った難事件を、朝倉は解決できるか?
  • 電波次元の巫女
    -
    1巻770円 (税込)
    大平淳一は地味で平凡、クラスの中でもまったく目立たない高校生。念願のスマートフォンを手に入れたものの、友達がいないので誰からの着信もない。それどころか、彼のスマホにだけ異変が起き始めた。原因がわからず混乱していると、芸能界でも活躍する学校一の美少女・純夏(みか)が声をかけてきた。彼女に半ば強引につれられてやってきたのは特殊な病院。ベッドの上には、事故で寝たきり状態となり、生命維持装置や様々な電子機器に繋がれた一人の少女・深秋(みあ)。彼女は警告した。「あなたのスマートフォンの中に“何か”がいます」そして彼女こそ、世界を覆う“異変”に気づいた最初の人間だった…。  スマートフォンと人類の因果関係を描いた長篇SFサスペンス。電子オリジナル作品。 ●町井登志夫(まちい・としお) 作家。1964年生。日本SF作家クラブ会員。1997年、『電脳のイヴ』で第3回ホワイトハート大賞〈最優秀賞〉を受賞し、デビュー。2001年に『今池電波聖ゴミマリア』で第2回小松左京賞を受賞。他の作品に『爆撃聖徳太子』『諸葛孔明対卑弥呼』『倭国本土決戦』などがある。最新作は『改革者蘇我入鹿』。
  • 今池電波聖ゴミマリア
    -
    1巻770円 (税込)
    都市のゴミ集積場が機能しなくなってもう長い年月がたつ。家から一歩外に出ればもう街はあちこちが不法投棄のゴミだらけ。老人は放り出して死なせる。若いやつらは奪い合って人殺しまで横行。生まれてくるべき子供はどんどん中絶し解体し売られる。こんな街に住みたくない。こんなのが人間なら、人間でいたくない…。西暦2025年。日本中部の200万都市の一角・今池。暴力と無秩序が支配する世界で、17歳の森本聖畝は、絶望していた。  彼はある日“仕事”のため、JCDと呼ばれるサイバー・ディーラーの家に忍び込んだ。JCDは日本において唯一、国から手厚く保護されているエリートたちだ。そして、暗号化された一枚のディスクを手に入れたが…。第2回小松左京賞受賞作品。 ●町井登志夫(まちい・としお) 作家。1964年生。日本SF作家クラブ会員。1997年、『電脳のイヴ』で第3回ホワイトハート大賞〈最優秀賞〉を受賞し、デビュー。2001年に『今池電波聖ゴミマリア』で第2回小松左京賞を受賞。他の作品に『爆撃聖徳太子』『諸葛孔明対卑弥呼』『倭国本土決戦』などがある。最新作は『改革者蘇我入鹿』。
  • 常世桜 地神盲僧、妖ヲ謡フ
    4.0
    1巻770円 (税込)
    どこにでも異界はひっそりと口を開け、いつでも世界はどこかしら汚濁にまみれている。桜の古木の傍らに小さな庵を営んで、十六夜清玄は訪れるものを静かに待っている。笹琵琶を掻き鳴らし、経文を唱え、世界の律呂をととのえようと…。三宝荒神の力を頼み、姿無き神霊・精霊と交感する清玄が“見た”ものは。怪奇幻想連作小説。 ●加門七海(かもん・ななみ) 東京都生まれ。オカルト・風水・民俗学などに造詣が深く、怪談、エッセイ、フィールドワーク作品などを著す。最新刊は『お咒い日和 その解説と実際』(KADOKAWA)。小説に『目嚢』『祝山』『鳥辺野にて』など、エッセイ『猫怪々』『霊能動物館』『墨東地霊散歩』など多数。
  • 白骨樹林
    -
    北海道の自衛隊局地医学研究所から九州へ超極秘の物体を運ぶ――それが老諜者・叶捨吉に与えられた使命だった。敵はCIAとKGB。困難の果てに、叶はその物体を手に入れたが、そのとき早くも敵影が……。一方、妻と娘を惨殺した犯人を追い求める正岡は、事件の背後にその物体がからんでいることをつきとめた。超極秘のその物体の中身は、一体、何なのか?国家機密をめぐって展開する男の死闘!
  • 秘事
    -
    1巻770円 (税込)
    〈純子に死に別れたのがちょうど10年前だ。幹也の母親になるといってくれた綾子さんとの、おかしな結婚生活は9年になる〉生後8カ月の幼子を遺し、37歳の妻を亡くした有澤信雄は、妻の親友を後添として迎えたのだが……。純子と綾子は、夫には内緒の恋人同士だったのだ。男女3人の手記、日記から、愛や家族の有り様が浮かび上がる異色の恋愛官能小説。
  • P+D BOOKS 春の道標
    4.5
    1巻770円 (税込)
    戦後間もない時代を描いた自伝的青春文学。 旧制中学から新制高校へと移行する時代、高校2年生の倉沢明史は、通学途中に出会った中学3年生の美少女・棗に惹かれていく。文学に憧れ、政治にも熱い関心を寄せる明史だが、幼なじみの慶子との接吻もあって心は千々に乱れる。 武蔵野の美しい四季を背景に、物資は満足にないけれど心豊かに生きる若者たちの甘く、ほろ苦い思春期の恋愛を叙情的に描いた青春小説の傑作。“内向の世代”を代表する著者が、今回あとがきを特別寄稿。
  • 逢魔が山
    -
    1巻770円 (税込)
    世は戦国。四国のとある小さな山村を、雑兵たちが襲った。秀太・鶴吉の兄弟と村の子供たちは、村長の家に匿われていた謎の子供二人とともに攫われてしまう。そして彼らは「決して立ち入ってはならない」と祖父母らに教えられた禁忌の世界、逢魔が山に迷い込む。深い闇の中、次々と襲い来る怪奇と心に巣くう恐怖に子供たちが立ち向かう。友情と勇気。出色の冒険小説。
  • 静寂の暗殺者
    3.0
    1巻770円 (税込)
    老翁の黒幕・高坂が台湾に渡る。日本のエネルギー政策、領土問題において、台湾は重要な位置にあるのだ。事前交渉にあたっていた外交官2人が相次いで死亡。毒を操る美貌の暗殺者・桔梗の仕業だった。「大日本帝国の亡霊」高坂を抹殺するため、大陸系組織が大軍を率いて襲撃を仕掛けてきた! 乱戦の混迷に紛れ、桔梗の毒針が狙う標的は――。(『桔梗は驟雨に散る』改題)
  • 強行偵察
    3.3
    1巻770円 (税込)
    2億5千万円の借金を抱える古橋に、麻薬生産地〈黄金の三日月地帯〉を支配する君主のネタが持ち込まれた。元警察官僚の古橋は日本政府との関わりを嗅ぎ取り、君主暗殺を企てる。古橋は、「理由あり」の陸上自衛隊狙撃手要員・澤崎をスカウト。彼には、長女の臓器移植手術に充てるため1億円が必要だった。アフガニスタンに渡った二人が直面する驚愕の真実とは!?
  • 第四の射手
    3.0
    1巻770円 (税込)
    来日中のアフリカ某国首相を狙った自爆テロが発生! 公安警察特殊部隊・仁王頭勇斗らの警護により難を逃れたVIPだったが、さらなる刺客が。標的を狙うアンナ、阻止せんとするダンテと黒木。狙撃手同士の因縁めいた対決が再び展開される。緊張が極限にまで昂まるなか、一発の銃弾が「謎の射手」によって放たれる――。死地を生き抜く〈強者ども〉を描いた傑作!
  • バディソウル~対テロ特殊部隊~
    3.2
    1巻770円 (税込)
    根室花咲港に係留されたロシア船で銃撃事件が勃発。出動した北海道警察本部公安部特殊装備隊に容赦なく銃弾が襲う! そのころ機内で致死率90%以上の伝染病が発生したロシア・クリル航空機が千歳空港への緊急着陸を決めた。その伝染病はテロリストが仕掛けた細菌兵器だった――。特殊装備隊隊員・仁王頭勇斗は相棒と心をひとつにし、生命を賭けた闘いに臨む!
  • 因業探偵~新藤礼都の事件簿~
    3.9
    1巻770円 (税込)
    世の中、間抜けばかり――あんな簡単な事件の真相も見抜けないなんて。自らの才能を生かすべく探偵事務所開設を計画する新藤礼都だが、まずは先立つものが必要だ。資金作りにアルバイトを掛け持ちする中、次々と奇妙な事件に遭遇して……。容赦のない発言と冷徹すぎる推理。抜群の頭脳と最悪の性格を併せ持つ女探偵が縦横無尽に活躍する、異色の連作ミステリー。
  • インデックス
    4.0
    裏社会の人間が次々と惨殺された「ブルーマーダー事件」。その渦中で暴力団組長・皆藤が行方不明になっていた。組長の妻は、彼も巻き込まれたのではというのだが。(表題作) マンションの一室で男が合成麻薬による不審死を遂げた。近くでは、車と接触事故に遭った女性が、被害届も出さずにその場を去っていた――。(「女の敵」) ほか、姫川玲子が様々な貌を見せる全8編!
  • 影の探偵 〈新装版〉
    4.5
    美貌の女探偵・唐渡美知子は原宿の自宅マンションで消音器付きの拳銃に狙われた。命拾いした美知子は、過去に関わりのあった、影乃という謎めいた過去を持つ探偵と、事件の真相を追い始める。ほどなく、彼女の事務所を訪れていた女子大生・光成真澄と父親の会社社長が立て続けに殺される……。30年の時を経て執筆された続篇『罠に落ちろ』のシリーズ第1作、藤田ハードボイルドの原点!
  • 美(うるわ)しきもの見し人は
    3.0
    探偵である「私」は、長崎のはるか沖合に浮かぶ波手島を訪れる。孤高のカトリック作家・蘭堂叡人が晩年を過ごした館には、いまも彼の養女ほか、ゆかりの女たちが住んでいた。そこに、蘭堂の隠し子で唯一の相続人と名乗る女が現れたのだ。私の仕事は女の素性を暴くこと。彼女の正体は? さらに、密室から「昇天」して消えたという蘭堂の最期――その驚愕の真相とは?
  • 槐(エンジュ)
    4.1
    1巻770円 (税込)
    水楢中学校野外活動部の弓原公一らが合宿で訪れた湖畔のキャンプ場で、惨劇は起こった。隠された大金を捜す半グレ集団・関帝連合がキャンプ場を封鎖し、宿泊客を虐殺し始めたのだ。囚われの身となった公一たち。だが絶体絶命の状況下、突然何者かが凶悪集団に反撃を開始した! 謎の闘士と中学生たちが決死の脱出に挑む。今最も旬な著者による戦慄と興奮の物語。
  • 京都駅殺人事件
    3.0
    東京調布で浪人生の死体が見つかった。現場には時限爆弾を作っていた痕跡があり、その部屋の住人で被害者の親友・橋本が行方不明に。やがて、京都駅長に奇妙な脅迫状が届く。「古都の景観を損なう醜怪な京都駅を建て直せ。さもなければ爆破する」犯人は橋本なのか? そして、十津川警部は京都駅を守れるのか?
  • ヒカルの卵
    3.9
    「俺、店を出すぞ」ある日、自称・ツイてる養鶏農家の村田二郎が、村おこしに立ち上がった。その店とは、世界初の卵かけご飯専門店。しかも、食事代はタダ、立地は限界集落の森の中、とあまりに無謀。もちろん村の仲間は大反対だ。それでも二郎は養鶏場を担保に、人生を賭けた大勝負に出てしまう。はたして、過疎の村に奇跡は起きるのか? 食べる喜び、生きる素晴らしさに溢れたハートフルコメディ。
  • P+D BOOKS 廃市
    4.0
    1巻770円 (税込)
    退廃的な田舎町で過ごした“青年のひと夏”。 誇り高い姉と、快活な妹――いま、この2人の女性の前に横たわっているのは、一人の青年の棺だった。 美しい姉妹に愛されていながら、彼はなぜこの世を去らねばならなかったのか? 卒業論文を書くために「廃墟のような寂しさのある、ひっそりした田舎の町」にやってきた大学生の「僕」は、地所の夫婦、妻の妹の三角関係に巻き込まれる。 古き日本の風情を残しながらも、どこか享楽的な田舎町での青年のひと夏の経験から、人の心をよぎる孤独と悔恨の影を清冽な筆致で描いた表題作「廃市」は、後に大林宣彦監督によって映画化された。ほかに「飛ぶ男」「樹」「風花」「退屈な少年」「沼」の全6編を併録。
  • イヴの迷宮【上下合本版】
    値引きあり
    -
    〈聖なる母の遺骨〉が示す、 人類の叡智の根源とその未来── なぜ人類の知能は急速に発達したのか? 〈シグマフォース〉VS 中国軍科学技術集団が激突! 人類の未来の鍵を手にするのはどちらだ!? 全世界で日本でベストセラー! シリーズ最新作!
  • 小説 あなたのことはそれほど(上)
    -
    私、2番目に好きな人と結婚しました――偶然の再会から始まる、大人のいびつなラブストーリー。話題の“ザワキュン”ドラマが小説に! 大人の四角関係を、美都、涼太、麗華、光軌、4人の視点で描く。“嫉妬”と“疑惑”の行く末は!?
  • 春や春
    4.0
    1巻770円 (税込)
    俳句の価値を主張して国語教師と対立した茜。友人の東子に顛末を話すうち、その悔しさを晴らすため、俳句甲子園出場を目指すことに。ふたりのもとには、鋭い音感の持ち主の理香や論理的な弁舌に長けた夏樹らの個性的な生徒が集う。そして、大会の日はやって来た! 少女たちのひたむきな情熱と、十七音で多彩な表現を創り出す俳句の魅力に満ちた青春エンタテインメント!
  • 信州・奥多摩殺人ライン
    -
    推理作家の荒木とともに向かった信州・穂高の別荘で、編集者の笹谷美緒は、荒木の妻の絞殺死体を発見する。数日後、奥多摩で若い女性の全裸死体が。2人の女性と関わりのある男が容疑者として浮かぶが……。美緒の恋人・黒江壮は、慶明大学に勤める数学者。端整な顔立ちで、とても無口な「名探偵」である。寡黙にして、精緻な推理で、壮が導き出した真相とは!?
  • 愛の死角 京都~東京殺人ライン
    2.0
    京都・鴨川の河川敷で、女の変死体が発見された。4日後、東京・清澄白河のマンションで男の腐乱死体が見つかる。共に青酸ソーダによる中毒死。2人は愛人関係にあったことが判明する。女が男を殺して自殺したのか!? 同一犯によって2人は殺されたのか!? 壮の弟・洋をきっかけにして、事件に関わることになった壮と美緒。愛の死角に隠れた真実を解き明かす!
  • 釧路・札幌1/10000の逆転
    -
    夫・耕一と別居中の泉恵理は、交際している藤波鉄郎から結婚を迫られていた。離婚について三人で話し合うため、恵理は耕一の住む北海道に向かったが――。数日後、恵理は釧路湿原に放置された車のトランクから死体となって発見される。動機が思い当たる二人の男性には、それぞれアリバイがあった。恵理の友人、笹谷美緒が恋人の壮とともに、事件の解明に乗り出す!
  • 安曇野・箱根殺人ライン
    -
    製薬会社社長・倉上秀代が、田圃に脱輪した車のトランクから遺体となって発見された。秀代の甥・肇が中学時代、家庭教師を務めた壮は美緒とともに、事件の謎を追うことに。別れた夫の小沢敏正は秀代に付きまとい、犯行現場と目される別荘へも出入りしていた。その小沢も殺され、事件は混沌の渦へ。血縁で経営する会社の後継問題も絡み、それぞれの思惑が交差する。
  • 多摩湖・洞爺湖殺人ライン
    -
    女優から画家に転身した日下部沙織が東京・多摩湖畔の自宅寝室で殺された。第一発見者は夫の稔。彼の経営する人材派遣会社は資金繰りに窮していた。妻に一億円の生命保険をかけていた稔を警察がマークしているさなか、第二の殺人事件が北海道の洞爺湖畔で発生――。編集者の笹谷美緒が、恋人の黒江壮とともに事件の謎を追う。二人は鉄壁のアリバイを崩せるのか!?
  • 怒り (上)
    3.9
    若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」という血文字が残されていた。犯人は山神一也、二十七歳と判明するが、その行方は杳として知れず捜査は難航していた。そして事件から一年後の夏――。千葉の港町で働く槙洋平・愛子親子、東京の大手企業に勤めるゲイの藤田優馬、沖縄の離島で母と暮らす小宮山泉の前に、身元不詳の三人の男が現れた。
  • 漱石と三人の読者
    3.6
    漱石がわかる。小説がわかる。近代がわかる――画期的な文学入門書の登場! 漱石の作家活動とは読者との闘争だった! 新聞小説の読者である大衆をどう喜ばせるか。本郷文化人に自らの小説観をいかに伝えるか。漱石は作品ごとに大胆な実験を次々と行なった──。
  • P・O・S──キャメルマート京洛病院店の四季
    3.6
    利益のでない京都の院内店舗の再生を任された小山田は、不可解な行動をとったり、謎めいた商品を要求するお客に翻弄されるが……。
  • 絞首台の謎
    -
    濃霧のロンドンを疾走する一台の車。だがハンドルを握っていたのは喉を切られた黒人運転手の死体であった……17世紀イギリスの首切り役人の名刺を持つ男が出没し、今はなき幻の「破滅の街」が忽然と現われる。そこには不気味な絞首台が立っていた。怪奇と魔術と残虐恐怖をガラス絵のような色彩で描く、カーの初期作品を代表する雄編。
  • P+D BOOKS 小説 阿佐田哲也
    4.0
    1巻770円 (税込)
    色川武大が自らに棲む「阿佐田哲也」に迫る。 「奴とは、ばくち打ちであり、ばくち打ちの奥に至らんと五十年もすごしてきたような、顔をしている人物である」--。色川武大は[阿佐田哲也]を、冒頭でこう評している。 阿佐田哲也なるばくち打ちは『麻雀放浪記』を書き、麻雀新撰組などを結成して世間を煙に巻いた。色川武大名義では『離婚』で直木賞を受賞した作家が、虚にして実、実にして虚の[阿佐田哲也]の素顔に迫った異色作。
  • 新宿警察(1) 捜査篇 新宿警察
    -
    1~10巻770円 (税込)
    東京・新宿にある警察署を舞台に、燃えるような情熱をもった刑事たち  聞込みは、運が左右する。不意に思いがけないことをきかれて、すらすら思い出せるものではない。それに、なにか大事な目撃をした者が、聞込みの時に居合せなければ、それきりである。それに喋るほうは無責任で、正確を期そうとするわけではない。それらの悪条件を克服するのは、犯人を捕えないではいられない情熱と運と、足が棒のようになるほど、根気よく聞込みをつづけることである。(「放火」より)  日本の警察小説史上に輝く最大の金字塔、「新宿警察」シリーズが全集として電子で復刊! 本書は短篇集〈捜査篇〉。巻末に書評家・杉江松恋による解説を収録。 *新宿警察 *所轄刑事 *放火 *新宿西口ビル街殺人事件 *刺傷全身三十余カ所 *轢逃げ *新宿その血の渇き *新宿首狩り事件 ●藤原審爾(ふじわら・しんじ) 1921年、東京都生まれ。「小説の名人」と讃えられ、純文学から中間小説、推理小説、犯罪・スパイ小説、歴史・時代小説、恋愛小説など多種多様なジャンルにまたがって作品を発表。初期の代表作『秋津温泉』や、『泥だらけの純情』『新宿警察』など、映画・ドラマ化された作品も数多い。1952年「罪な女」等で第27回直木賞を受賞。 監修:杉江松恋(すぎえ・まつこい) 1968年、東京都生まれ。ミステリーなどの書評を中心に活動中。著書に海外古典ミステリーの新しい読み方を記した書評エッセイ『路地裏の迷宮踏査』(東京創元社)、『読み出したら止まらない 海外ミステリーマストリード100』(日経文芸文庫)など。2016年には落語協会真打にインタビューした『桃月庵白酒と落語十三夜』(KADOKAWA)を上梓。近刊にエッセイ『ある日うっかりPTA』(KADOKAWA)がある。
  • ひきこもりの弟だった
    3.6
    『質問が三つあります。彼女はいますか? 煙草は吸いますか? 最後にあなたは――』突然見知らぬ女にそう問いかけられた雪の日。僕はその女、大野千草と夫婦になった。互いについて何も知らない僕らを結ぶのは【三つ目の質問】だけ。まるで白昼夢のような千草との生活は、僕に捨て去ったはずの過去を追憶させていく――大嫌いな母、唯一心を許せた親友、そして僕の人生を壊した“ひきこもり”の兄と過ごした、あの日々を。これは、誰も愛せなくなった僕が君と出会い、愛を知る物語だ。
  • 愚者の毒
    4.0
    一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。しかし、希美の紹介で葉子が家政婦として働き出した旧家の主の不審死をきっかけに、過去の因縁が二人に襲いかかる。全ての始まりは一九六五年、筑豊の廃坑集落で仕組まれた、陰惨な殺しだった…。絶望が招いた罪と転落。そして、裁きの形とは?衝撃の傑作!
  • 完全なる暗殺者 上
    3.5
    イスラエルへ核兵器を届けるという極秘任務を帯びて、南アフリカを出港した船が大西洋上で消息を絶った――。偶然、大西洋を航海していたクリスティンは、ある日漂流していたひとりの男性を救う。彼女は知らなかったが、彼は消息を絶った船に乗っていた、イスラエルの諜報機関モサドの最強の暗殺者スラトンだった。彼はヨットを乗っ取りイギリスへと向かわせる。 一方、スラトンが生きていると知ったモサドは彼が祖国を裏切り核兵器を奪ったと判断し追手を送り込むが、スラトンは仕組まれた罠に気づき反撃を開始する! 世界最強の暗殺者の活躍を描く冒険小説!
  • 十億トンの恋
    -
    1巻770円 (税込)
    箱入り娘の“東京”は幼馴染みの“東京湾”と激しい恋に落ちる  父親ジャポン氏の言いなりになってせっせとおめかしする“東京”。彼女を昔から知っている“東京湾”は、今の姿を複雑な思いで眺めていた。あの頃の、野暮ったい、それゆえに香り高い花にも似た輝くような若さと真面目さは、どこへ行ってしまったのだろう。運送屋であるとともに詩人でもある彼は、ついに娘を強引に奪うことを決意する…。(「十億トンの恋」)  第6回小説現代新人賞を受賞した「媼繁昌記」のほか、「黒いピグマリオン」「九条の尼御前」「十億トンの恋」といった単行本未収録の短編小説、さらには雑誌・新聞・地域広報誌に寄稿したエッセイなどを収録。電子オリジナルの作品集。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
  • 隼別王子の叛乱
    4.0
    ヤマトの大王の想われびと、女鳥姫と恋におちた隼別王子は大王の宮殿を襲う。愛と権力を賭けた血なまぐさい叛乱の夢は、大王の前にあっけなく破れ、隼別は女鳥姫とともに誅殺される。かつて宝塚でも上演され、劇画化もされた、「古事記」の中の濃密な物語。
  • 探偵の流儀
    3.0
    1巻770円 (税込)
    調査中、階段から転落し重傷を負った探偵事務所所長の嶋岡。彼が得た信頼で成り立つ稼業ゆえ、残された所員の間宮と松代、飯田は、事務所存続の危機に直面することに。そんな折、嶋岡の見舞いに訪れた姪の美菜子は、叔父のためにある覚悟を決める。そして、事故の真相を追う間宮たちは、政治家や企業も絡む黒い疑惑に迫り……。青春小説の旗手が描く若き探偵たちの物語!
  • フラッシュモブ~警察庁情報分析支援第二室〈裏店〉~
    3.0
    伝えるべきプロポーズの言葉は、悲鳴にかき消された。フラッシュモブの最中、ひとりの女性が刺し殺されたのだ。直後、犯人と思しき男は自殺。しかし、その1年後に男の冤罪を主張したのは、傲岸不遜な警視正・安孫子弘だった。丹念かつ大胆な捜査の果てに、真犯人は存在するのか!?(表題作)破天荒な名探偵が、5つの不可能犯罪に挑む連作ミステリー第2弾!
  • その手をにぎりたい
    4.2
    銀座鮨店に10年通ったバブル期OL物語。  80年代。都内で働いていた青子は、25歳で会社を辞め、栃木の実家へ帰る決意をする。その日、彼女は送別会をかね、上司に連れられて銀座の高級鮨店のカウンターに座っていた。彼女は、そのお店で衝撃を受ける。そこでは、職人が握った鮨を掌から貰い受けて食べるのだ。青子は、その味にのめり込み、決して安くはないお店に自分が稼いだお金で通い続けたい、 と一念発起。東京に残ることに決めた。  お店の職人・一ノ瀬への秘めた思いも抱きながら、転職先を不動産会社に決めた青子だったが、到来したバブルの時代の波に翻弄されていく。
  • 龍臥亭事件(上)
    4.0
    1~2巻770円 (税込)
    御手洗潔が日本を去って一年半。彼の友人で推理作家の石岡は、突然訪ねてきた二宮という女性の頼みで、岡山県まで悪霊祓いに出かけた。二人は霊の導くままに、寂しい駅に降り立ち、山中に分け入り、龍臥亭という奇怪な旅館に辿り着く。そこで石岡は、世にもおぞましい、大量連続殺人事件に遭遇した。推理界の奇才が、渾身の筆致で描く本格ミステリー超大作!
  • 雨の背中
    3.0
    1巻770円 (税込)
    笑うことのできない女と、一本気で無骨な男。東京に出て来て孤独に暮らす鏡子は、中年のアウトロー八代竜二と出会い、お互いのさみしさを埋め合うような恋に落ちる。八代は、古巣の組に復帰するため、ヒットマン指令を遂行したものの情勢が急変。鏡子の妊娠がわかり、一度はカタギの道を歩み始めるが……。不器用に生きる二人の男女をユーモラスに、切なく描く!
  • 夜ごとの闇の奥底で
    3.9
    誤って恋人の脚本家を射殺してしまった妹をかばうため、凶器の拳銃を捨てようと山梨方面に車を走らせていたフリーライター、世良祐介。ところが車を木にぶつけ立ち往生してしまった。偶然通りかかった亜美という若い女に助けられ、彼女のペンションに連れて行かれる……雪の降りしきる山奥のペンション、蠱惑的な女、サイコパセティックなその父親。やがて狂気が全てを……。
  • われら九人の戦鬼 上
    -
    満月が照らす新戦場。天下の牢人者多門夜八郎(実は将軍足利義晴の一子)は、野伏四人に陵辱されかかっていた梨花を救う。夜八郎を生涯の良人と定めた梨花だが、夜八郎は一処不住の漂泊者、旅を続け伊吹野に辿り着く。かつての肥沃の地は枯れ果て、農民は暴君田丸豪太夫の圧政に苦しんでいた。一方、天下第一兵法者を名乗る九十九谷左近も、伊吹野に足を向けた。
  • 笹舟日記
    -
    きょうだいの4人までも自殺や失踪で失った血の悲劇を背負いながらも、心ゆたかに生きようとする著者が、四季折々の日常の光景と、それによって呼び起される切実な過去の記憶との響きあいの中に、生活というものの深い味わい、生命のよろこびと哀切さを、ていねいに紡ぎだして心温まる連作掌編集。
  • ザ・ギフト 聖夜の奇跡の物語
    3.0
    聖夜に見つける、心を震わせる贈り物とは。  なんでも一番を求め、仕事に猛進するルー・サファーン。さらなる昇進のチャンスをものにしようとますます多忙を極め、愛する妻や子供たち、親兄弟と向き合う時間も余裕もない。「自分のクローンがいたらいいのに――」。  クリスマスが間近に迫ったある朝、ルーは会社の前に座る同世代のホームレスにふと目を留め、なんの気まぐれか手にしていたコーヒーをプレゼントする。さらに行きがかり上仕事まで世話するが、その男ゲイブの超人的な仕事ぶりは、ルーに恐れと不安を抱かせ、苛つかせていく。この男は何者なのか――。  そんな折、ライバルの企みで窮地に陥り、私生活でも重大な岐路に立たされているルーに、今度はゲイブがある“贈り物”をする。それは、不思議な錠剤だった。その薬を服用すると・・・・・・。  ゲイブは一体何者なのか? 人生において本当にかけがえのないものとは? 誰もが自らの人生と重ねあわさずにはいられない、現代版『クリスマス・キャロル』。ベストセラー作家が描く、聖なる季節の奇蹟の贈り物。
  • 漱石紀行文集
    4.3
    漱石の満洲、ロンドン、京都を巡る紀行文「満韓ところどころ」「倫敦消息」「自転車日記」「京に着ける夕」をまとめる。漱石の人間、人事、自然を見詰める眼は的確であり、ユーモア溢れる溌剌とした文章で綴られている。近代日本の秀逸な紀行文となっている。小品5篇を併せて収載する。短文ながら文豪の素顔をよく伝えている佳品である。

    試し読み

    フォロー
  • 青空娘
    3.8
    主人公の少女、小野有子は祖母の死によって自身の出生の秘密を知り、見知らぬ土地東京で暮らすことになる。継母とその子供たちからのいじめ、手がかりの少ない実母の行方探しなど幾多の困難にぶつかるが、それでも健気に真直ぐ生きる彼女に手を差し伸べてくれる人々が現れ、運命は好転していく……。青空のように明るく希望に溢れた日本版シンデレラストーリー。
  • 黄金機関車を狙え
    -
    1巻770円 (税込)
    思わぬ機密の漏洩、前夜の誘拐事件、C53の動輪を止めるのは果たして何者か  昭和五年正月。経済恐慌のさなか、目前に迫る金解禁に向けて、大阪造幣局から東京日銀へ、二十円金貨十万枚、五円金貨四十万枚、総重量三トン半の金貨の移送が決定された。強奪計画を練るグループと、受けて立つ鉄道省の警護陣。一方で警備担当の子供を誘拐し金貨を狙う一味。様々な思惑が絡み合う中、金貨を満載したC53が東海道をひた走る。金貨の行方は…。近代史サスペンスの大作。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 血の色の花々の伝説
    -
    1巻770円 (税込)
    殺人トリックが次の殺人トリックを招く……そして恐るべき負の連鎖の果てには?  情事のもつれの果てに生じたガス爆発が多くの人の死を招いた。その事故は偶然か故意か? そして十数年、生き残った関係者の間に、不可解極まる殺人が続発。一連の事件を解く鍵は、珍種のサクラソウという。愛憎渦まく数奇な人生を背景に、謎が謎を呼ぶ…。トリックの名手が贈る会心のミステリー長編。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 文学賞メッタ斬り!
    3.8
    文学賞って何? 文学賞をとると本は売れるのか? 文学賞とれば一人前か?? どの賞をとると偉いのか? 芥川賞や直木賞からメフィスト賞や星雲賞、さらに地方の文学賞(坊っちゃん文学賞やらいらっく文学賞など……)に至るまで、有名無名含め50を超える国内小説の賞について、稀代の読書家二人が徹底討論。小説好きの読者にはたまらない、文学賞ガイド。
  • 予定日はジミー・ペイジ
    4.0
    流れ星を見つけたとき、あ、できたかもと思った。初めての妊娠。でも、「私、うれしくないかもしれない」。お腹の生命も大事だけど、生活って簡単に変えられないよ。ひとり驚喜する夫さんちゃんを尻目に、頼りなくも愛おしい妊婦マキの奮闘が始まる。目指すは、天才ロック・ギタリストの誕生日と同じ出産予定日! 笑えて、泣けるマタニティ小説。著者描き下ろしイラスト多数収録。
  • 読書について 他二篇
    4.4
    前記『付録と補遺』の中から『思索』『著作と文体』『読書について』の三篇を収録。「読者とは他人にものを考えてもらうことである。一日を多読に費す勤勉な人間は次第に自分でものを考える力を失ってゆく。」――鋭利な寸言、痛烈なアフォリズムの数々は、山なす出版物に取り囲まれた現代のわれわれにとって驚くほど新鮮である。

    試し読み

    フォロー
  • 裏切りの戦場 SAS部隊イエメン暗殺作戦 上
    3.0
    一気読みする本が欲しいのなら、クリス・ライアンを読め! ――〈インデペンデント〉 タガを外せ、情けはいらない ロンドンで卑劣な爆破テロが発生。 SAS部隊にテロリスト殲滅が命じられる――! 残忍なテロの手口、ドローンによる攻撃、情報機関同士の権力争い…… ロンドン、パディントン駅で多数の犠牲者を出す爆弾テロ事件が発生。 そのあまりに卑劣な手口にイギリス中が怒りに震える。 テロ実行犯は過激なイスラム教指導者アブ・ライードを支持するふたりの青年と判明。 事態を重く見た政府はMI5、MI6、CIAによる合同の緊急対策委員会〈ハマーストーン〉を結成し、ライードらの抹殺を計画する。 この極秘任務に就いたSAS隊員ダニー・ブラックは、自分を抜擢したMI6のヒューゴー・バッキンガムとうれしくもない久々の再会を果たす。 相棒のスパッド・グローヴァーと共に容赦なく実行犯たちを始末していき、残るは黒幕であるライードただひとりとなった。 しかし、あまりに順調すぎる展開に、ダニーは何者かに操られているような嫌な予感を覚えていた……。 孤高のSAS隊員ダニー・ブラックの活躍を描く、冒険アクションシリーズ!
  • 亡霊は砂塵に消えた ステルス機特殊部隊777チェイス 上
    -
    「飛行シーンと戦闘シーンの描写が素晴らしい。ステルス機の元パイロットでなくてはかけない描写だ」――ジェームズ・ストッダード 新型ステルス機ドリーム・キャッチャーを開発せよ! 戦闘機乗りたちの誇り、ステルス機開発の試行錯誤…… B-2、A-10、MQ-1プレデターの元パイロットの究極の軍事アクション小説! ニューヨークでの同時多発テロ発生後、アメリカ軍はイラク側の幹部を抹殺するためにドローンを使った作戦を刊行するも失敗を繰り返してしまう。 業を煮やした上層部は大統領直轄の極秘作戦〈ケルベロス〉を発動させる。 目的は新型ステルス機を完成させることだ。 作戦への参加を要請された空軍大尉ダニー・シャープは、変人だが天才的な頭脳を持つスコット博士と共に〈ドリーム・キャッチャー〉の開発に着手する。 一方、以前からB-2ステルス機への搭乗を希望していた空軍パイロットのニック・バロンへも〈ケルベロス〉への参加が命じられる。 遂にステルス機に乗れる日が来たと勇み立つニックだったが、彼を待っていたのは地獄のような日々だった――。 元ステルス機パイロットの著者による、空軍を舞台にした軍事アクションシリーズ!
  • エーゲ海 波静か
    完結
    -
    全1巻770円 (税込)
    謎解きもさることながら、クルーズの旅の醍醐味をお味わい下さい 先に発表した「カレドニアン・ローズ」の前段です。マツゾノとグィネスの出会いはエーゲ海クルーズの途上でした。二人はどんな事件に遭遇したのでしょう 【目次】 序 章 それぞれの休暇 第二章 穏やかな船旅 第三章 デボラの死とアリバイのない船客 第四章 疑われる神父 第五章 それぞれの動機 終 章 エーゲ海波静か 【著者】 雄多圭佑 経営コンサルタントの傍ら、紀行文や小説を執筆。専門は戦略的提携や人材開発。 その流れで書いた作品「パックマン・ディフェンス」や「アジアで英語を」で長年の経験と知見の一端を披露している。
  • 殺意の構図 探偵の依頼人
    4.0
    金目当ての義父殺害を疑われる峰岸諒一は、かたくなに無罪を主張していた。弁護人・衣田征夫は、肝心な点で証言を濁す彼に終始翻弄されるが、アリバイの証明により無罪が確定し、釈放に。ところが、間もなく峰岸の死体が発見される! 冤罪事件に端を発し、めまぐるしく浮上する疑惑の果てに潜む真実とは!? 予想は即座に裏切られる展開に、驚嘆必至のミステリー!
  • 異次元の館の殺人
    3.6
    証拠品鑑定のため、粒子加速器をもつ研究施設を訪れた検事の菊園綾子。だが鑑定中に加速器が暴走し始める。一方、調査のため弁護士の森江春策と共に西洋館を訪れた菊園は、密室殺人事件に遭遇する。菊園が推理を披露しようとしたそのとき、加速器の影響で彼女は異次元へ飛ばされてしまう! 真相を見抜かないと元の世界に戻れない!? 奇想爆発の本格ミステリー。
  • 花神曼陀羅 妖花亭の女たち
    -
    1巻770円 (税込)
    永遠の美を保つ女たちと花の香り……幻想ホラーとエロスが充満した怪奇ミステリの名作  昭和三十三年春、売春防止法の施行を前に賑わう私娼の街、東京・玉の井で狂気の放火殺人が行なわれ、娼館“妖花亭”は中庭のけやきの大木を焦がす魔焔に包まれた…。三十年の月日を経て、死の床に就いた事件の終身犯は、獄中で育てた鉢植えを弁護士風野に託す。風野は、遺族の住む南洋の小島に向かうが、そこは巨樹ガジュマルが気根を張りめぐらし、不思議な能力を持つ巫女が統べる秘島であった。帰京した風野の前に死者の再生を暗示する出来事が続き、怪現象の源は、絞首刑者の精液により芽を吹くという伝奇の花アルラウネにまで遡る…。 ●田中文雄(たなか・ふみお) 1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
  • 妖髪
    -
    1巻770円 (税込)
    恐怖怪談! 死んだ娘の遺髪を埋め込んだ人形は夜になると…  人間とそっくりの動きや表情をする人形を製作する南雲昌平は、一束の髪の毛をさし出された。「娘の遺髪です。人形の頭髪に使って下さい」通り魔に殺された娘の動く姿を人形にして、娘の元婚約者に見せたいという、依頼人の言葉に戸惑いながらも、南雲はその製作を引き受けた。やがて、人形は完成し、ウエディングドレス姿で依頼者のもとへ。ところがその人形が…。(「妖髪」より)  モダン・ホラーの第一人者が贈る、珠玉の怪奇幻想短篇8本を収録。 *妖髪 *蟻塚 *墓船 *星軍 *伴走 *兄貴 *魔炎 *幻妻 ●田中文雄(たなか・ふみお) 1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
  • 猫恐(ねこおぢ)
    4.0
    1巻770円 (税込)
    殺したはずの猫の鈴の音が響く! 男は幻聴だと思っていたが…  不意に眼の前にポリバケツが倒れ、黒猫が道を横切って、ひばの生垣に消えた。反射的に立ち止まると、猫にとりまかれているのに気づいた。石の門柱のかげ、屋根の上、植え込みの下から、のぞいている。それも一瞬のことだ。猫たちは姿を消した。敏彦は憮然として歩きだした。猫はたんにさかりがついていたくらいのことであろうが、敏彦には、猫までもが、彼のやったことを見通して、非難しているように感じられたのだ。(「猫恐」より)  ホラー、怪奇、幻想SF作品を収録した短篇集。 *猫恐 *猫の墓 *かくれんぼ *木偶 *窓のない家 *アルメナの記憶 *旅立ち *ゲッペルスの潜水艦 *鬼哭 ●田中文雄(たなか・ふみお) 1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
  • ダーウィンの警告【上下合本版】
    値引きあり
    1.0
    我々は、ここに来るべきではなかった…… ──チャールズ・ダーウィン 南極大陸から〈第六の絶滅〉が、今、始まる…… 全世界で日本でベストセラー! シリーズ最新作! 第一の絶滅──4億4400万年前、全生物の85%が絶滅。 第二の絶滅──3億6700万年前、海洋生物の70%が絶滅。 第三の絶滅──2億4500万年前、陸海で全生物の90%が絶滅。 第四の絶滅──2億年前、全生物の80%が絶滅。 第五の絶滅──6500万年前、恐竜が絶滅。 哺乳類の時代が幕開けした。そして、現在── 人類に第六の絶滅が迫っている…… 〈あらすじ〉カリフォルニア州の軍事研究施設から、爆発とともに謎の物質が流出した。その研究所から発信された最後のメッセージは、〈殺して……私たちを全員、殺して〉。現地に赴いたシグマフォースのペインター・クロウ司令官は、山間部を死の世界に変えながら拡散する物質の封じ込め作戦の指揮を執るが、正体不明の物質への対処法が見つからない。一方、研究施設で行なわれていた実験内容を探っていたグレイ・ピアース隊長は、施設の爆発後に行方不明となったケンドール・ヘス所長の知り合いのアレックス・ハリントン教授から要請を受け、南極大陸に飛ぶ。しかし、現地ではグレイたちの調査を妨げる勢力が待ち構えていた。カリフォルニア州での災厄と氷の大陸での攻撃を、裏で画策しているのはいったい何者なのか? ◆歴史的事実に関して──複数存在する〈南極大陸〉の地図 本書の中には、氷で覆われていない南極大陸を描いたものと思われる古代の地図が何枚も登場する。これらは実在する地図で、何世紀も前に作成されたものであるが、こうした地図に関する議論は今なお続いている。一つはっきりとわかっているのは、古代の人々は我々が考えているよりもはるかに以前から、世界各地の大洋を航海していたということである。人類の航海年表は毎年のように歴史をさかのぼり続けている。古代の知識の宝庫であった有名なアレクサンドリア図書館の破壊とともに、どれほどの量の真実が灰燼に帰してしまったのかは知る由もない。
  • 鉄道ミステリーの系譜 シャーロック・ホームズから十津川警部まで
    3.7
    アメリカの作家エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人事件』(1841年)に始まる推理小説の歴史は、平成28(2016)年で175年を数えます。世界最古の小説といわれる紫式部の『源氏物語』が書かれたのが寛弘5(1008)年ですから、推理小説の175年という数字は、小説の歴史のうえでは決して長いとはいえないでしょう。けれど、名探偵シャーロック・ホームズを創始したイギリスのコナン・ドイルが登場してからというもの、推理小説はイギリスを中心に飛躍的な発展を遂げました。 日本における推理小説は、明治10年代に欧米からもたらされたところから歴史がスタート。明治26(1893)年頃に翻訳物、創作物合わせて一つの頂点に達したのち、停滞期を経て、大正10(1921)年に横溝正史が『恐るべき四月馬鹿』を、翌11年に江戸川乱歩が『二銭銅貨』と『一枚の切符』を発表すると、活況を取り戻しました。以来、推理小説は戦時中の10年ほどの空白を除いて発展の一途をたどり、その勢いは今日まで続きます。 一方、1830年、イギリスに誕生した鉄道は、明治5(1872)年にそのイギリスの指導を仰いで新橋~横浜間で開業して以来、大正時代には旅行の大衆化が一気に進みました。その後、第2次世界大戦で被害にあったものの復興し、昭和39(1964)年には東海道新幹線も開業。日本の経済を時に支え、時に牽引しながらその進展に貢献してきました。そして昭和50年代には国鉄が破綻、民営化されるという経過をたどりましたが、今は再び活気を取り戻しています。本書は、このような推理小説と鉄道双方の歴史と相関関係を踏まえて、鉄道を舞台にした作品、鉄道を主題にした作品などを総称して「鉄道ミステリー」と決め、これはと思われる作品を厳選したうえで時代を追って紹介します。推理小説と鉄道――この二つの相性が抜群によいこともあり、鉄道が重要な要素として、また格好の素材として推理小説に盛んに取り込まれるようになったことは、いわば必然の成り行きだったのでしょう。 ■著者紹介 原口隆行(はらぐちたかゆき) 昭和13(1938)年東京生まれ。上智大学卒業後凸版印刷(株)に入社。 在職中より『鉄道ジャーナル』『旅と鉄道』などに寄稿をはじめ、昭和57(1982)年にフリーに。 著書に『時刻表でたどる鉄道史』『日本の路面電車I・II・III』『鉄道唱歌の旅 東海道線今昔』(以上JTB)、 『イギリス=鉄道旅物語』『イタリア=鉄道旅物語』(以上東京書籍・共著)、 『文学の中の駅』『鉄路の美学』『汽車ぽっぽ最後の時代』(以上国書刊行会)、 『最長片道切符11195.7キロ』(学習研究社)、『ドラマチック鉄道史』(交通新聞社)など。
  • 完本 黒衣伝説
    -
    1巻770円 (税込)
    現実と虚構、その境目に蠢く「黒い者」とは?……本当の恐怖を体験したい人へ  伝奇ホラー作家、朝松健を襲った奇怪な災厄。失踪した編集者、那須蔵人の手記が、忌まわしい世界への扉を開く。突然目の前に現われ、不可解な警告を発する黒衣の男たち。その正体は? その目的は?  著者自らが封印した暗黒の書が、闇底からよみがえる。牧野修による解説「あるいは最後の封印」を収録。 ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
  • 風と共に去りぬ(一)
    -
    アメリカ南部の大農園主の父と、フランス貴族の血をひく母のあいだに生まれたスカーレット・オハラは16歳、魅惑的な顔だちで、青年たちの心をとらえていたが、火のように激しい気性の持主でもあった。彼女が秘かに思いを寄せていたのは、うぶでけがれを知らぬ青年アシュレだった。その彼が従妹のメラニーと婚約したと知って驚くが、自分が打ち明けさえすればと、たかをくくっていた。野外パーティの日、彼女はアシュレを図書室につれこんで愛を打ち明ける。だが、アシュレは彼女をうけ入れようとはしなかった。スカーレットは彼を罵倒し、半狂乱になって彼の頬をなぐる。ところがこの一幕をレット・バトラーという男に見られてしまう。誇りを傷つけられた彼女はアシュレヘの面当てと復讐じみた気持ちから、彼の妹の恋人でありメラニーの兄であるチャールズと結婚してしまう。折から南北戦争が勃発、スカーレットの怒涛の人生が幕をあける……。刊行と同時にベストセラーとなり、今もなお熱烈に読みつがれる壮大な愛のドラマ。
  • ドラゴンの歯
    1.0
    エラリー・クイーンは自分と同じ警察官の息子ボー・ランメルの発案で、いっしょに私立探偵社を経営することになった。ボーは金も出し、足回りの仕事はなんでもやるという。ある日、そこへ億万長者カドマスが現われ、将来、事件を依頼するからという怪しげな条件で、多額の契約金を払っていった。その数日後、依頼人は愛用の豪華なヨットの上で謎の死をとげる。巨万の富を相続することになる二人の娘をめぐってまき起こる怪事件に乗り出すクイーン! 謎ときの興味横溢する本格編! ギリシア神話のカドマスはドラゴンの歯を地中に埋めて多大なトラブルを生み出したのだが……。
  • 女子高生探偵 シャーロット・ホームズの冒険 上
    3.5
    ワトスン博士から数えて6代目の子孫、ジェームズ・ワトスンはロンドンからアメリカのシェリングフォード高校へ転校した。そこにはホームズ家の5代目にして女子高生探偵シャーロット・ホームズがいた! 美しい黒髪とグレーの瞳を持ち、推理と実験と薬に耽弱するシャーロットと、彼女の“相棒”になりたいジェームズ。……運命のようにふたりは出会い、そして事件は起こった。男子学生が殺され、傍らには蛇が――。 《まだらの紐(ひも)》になぞらえられた殺人事件の第一容疑者になったのはシャーロットとジェームズ……! ふたりはこの謎を解くことができるのか!?
  • ヒポクラテスの暗号
    -
    1巻770円 (税込)
    政府要人の寿命が一ヵ月単位で予測されている!? 謎の怪文書をめぐって政財界が揺れ動く 「さっき演壇で挨拶した室縄通産大臣だけどな。今月いっぱいもたないだろう。三年前からわかっているんだ」  健康長寿科学シンポジウムにふらりと現れた五十過ぎの汚い男は、不敵にもそう宣言した。製薬会社に勤める西畑は、酔っ払いの戯れ言だと思っていたが…。やがて、全閣僚の寿命を一ヵ月単位で予測した“ヒポテーブル”なる怪文書を目にして、西畑は男の行方を探し始める。一方、細胞手術(セル・サージェリー)という世界初の手法で執刀された肝臓移植手術の経過報告に、永田町は耳をそばだてていた。肝機能障害を噂される首相の緊急入院、その裏では政財界を巻き込んだ陰謀が蠢いていた…。先端医学情報が国政を揺さぶった六ヵ月を描く、驚異の医学サスペンス。 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
  • 水底の顔
    -
    1巻770円 (税込)
    森が招く、沼が誘う……遠くなってしまった裏山や裏庭に“誰か”がいる!  父の一周忌が済んだ夏の盛りのある日、中学二年生の昭彦は、母とともに滝上市の父の旧家に越してきた。そして、その少年と出会った。夏だというのに枯れ草があたりを覆い、池の表面には薄く氷が張っていた。ポシャッという水音とともに少年は消えて…。(「水底の顔」より)  モダン・ホラーの第一人者が贈る、珠玉の怪奇幻想短篇10本を収録。 *水底の顔 *生首を蹴る男 *魔像を穿つ *蓋のない柩 *森に憩う *かけすと拳銃 *野ざらし *恐竜(ネッシー)に出会った朝 *ライヴ・スクリプト *猫が出てきた部屋 ●田中文雄(たなか・ふみお) 1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
  • P+D BOOKS 上海の螢・審判
    -
    1巻770円 (税込)
    戦中戦後の上海を描いた傑作二編が甦る! 『上海の螢』は、著者が32歳で中日文化協会の文官として滞在した約2年間に及ぶ、敗戦前後の上海での体験を克明に記録した貴重な史料でもあり、一編を遺して未完のままとなった遺作。 1947年発表の『審判』は、『上海の螢』より古く、一兵卒として中国参戦した自身の戦場での体験告白でもあり、誰にも裁かれない自分の犯した戦争犯罪を自身の手で裁くために描かれた問題作。 第一次戦後派作家の“巨人”武田泰淳と上海という場所の因縁深い2作を同時収録。
  • 古事記物語
    4.0
    1巻770円 (税込)
    8世紀に成立したとされる日本最古の歴史書「古事記」。本書は、日本を代表する児童文学者である著者が、「古事記」を子どもにも分かりやすいように物語風にアレンジした『古事記物語』を、現代かな遣いに改め、旧国名の地図や注釈を付して復刊したものである。教訓めいた物語ばかりであった従来の児童読み物を芸術的にも高めていく気運を作り出し、児童文化運動の父とされる著者によって、端正で力強い言葉で綴られたその文章は、大正時代に児童向けに書かれたものであるにもかかわらず、今でも色あせることなく、大人が読んでも十分に楽しむことが出来る。計19の物語を収録し、日本の神話を手軽に楽しめる、古事記の入門書としても最適な一冊。

    試し読み

    フォロー
  • 流氷への旅
    3.6
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】灰色の空と白い氷原に覆われた街・紋別。竹内美砂は流氷研究家・紙谷誠吾を知り、強く魅かれていく。彼はかつての恋人を奪い自殺したという友人のことで心を閉ざしていた。一途に燃える美砂の愛の炎は、そのわだかまりを解かすことができるのか。二人は結ばれることになるのか。移ろいゆく北国の四季の中で、大切なひとを見失わないよう、まっすぐな思いに自身を駆りたてる女性の、豊潤な恋愛小説。
  • 月曜日の朝・金曜日の夜
    4.0
    1巻770円 (税込)
    中央線に乗って国立駅から東京駅まで通う。沿線に展開する四季折々の風景、車内にみる世相百態など、通勤電車の心とその表情を捉えた「月曜日の朝」。週末にホッと一息ついて行きつけの止り木でピーナツを噛み、寿司屋の床几でコハダをつまむ。わが街のやすらぎの風情を描く「金曜日の夜」。ひとつひとつの挿話に季節感が刻みこまれ、日常生活を再発見する新しい歳時記。
  • 土俵を走る殺意 [新装版]
    4.5
    大関大龍が横綱推挙を断る!! 前代未聞の出来事の裏側にどんな事情が!? 本場所千秋楽、好敵手である富士穂鷹との取り組みでの不可解な無気力相撲。両国・回向院で発見された初老の男の死体。高度経済成長時代に起こった誘拐事件。集団就職に隠された闇……。複雑に絡みあういくつもの謎から、真相が炙り出される。吉川英治文学新人賞受賞、社会派ミステリーの傑作。
  • 問題物件
    3.7
    大島不動産販売に入社した若宮恵美子は、前社長の遺児で難病に苦しむ大島雅弘の世話係となるも、突然異動を命じられる。そこは現社長の高丸が、雅弘を追い落とそうと画策して新設した、クレーム対応専門部署だった。途方に暮れる恵美子の前に、探偵を名乗る男・犬頭光太郎が現れて……。次々押しつけられる難題を、破天荒に解決するユーモアミステリーの傑作!
  • 長い橋(上)
    -
    1~2巻770円 (税込)
    暴走族、不純異性交遊、窃盗、そして売春…。保護司・田村雪枝が保護観察に当たることになった17歳の木崎すみれは、中学時代から数々の非行を重ねていた。ありのままの自分を曝けだし、無心になって更生を助ける雪枝の情熱が、すみれの頑なな心に触れたかに見えた直後、昔の不良仲間の事件に巻き込まれた彼女は、突如行方を絶った。その日から、雪枝の長い苦難の旅がはじまった。
  • 島はぼくらと
    4.1
    この島の別れの言葉は「行ってきます」。きっと「おかえり」が待っているから。 瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。
  • 赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE
    3.9
    霧の早朝、私と鮭川は声を持たない聡明な赤目姫と三人でボートに乗っていた。目指す屋敷で、チベットで、ナイアガラで。私たちの意識は混線し、視点は時空を行き来し、やがて自分が誰なのかもわからなくなっていく--。これは幻想小説かSFか? 百年シリーズ最終作にして、森ファン熱狂の最高傑作!
  • 猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数
    3.8
    1~2巻770~792円 (税込)
    大学の探偵助手学部に通う君橋と月々は、志望のゼミに落ち、悪ふざけで出した第3希望の猫柳ゼミ行きが決定してしまう。指導教官は、功績不明かつ頼りなさげな女探偵・猫柳十一弦(25歳)。ショックを受ける二人だったが、名門ゼミとの合同合宿が決まり、勇んで向かった孤島で、本物の殺人事件に遭遇する!
  • 生きるぼくら
    4.7
    いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生(あそうじんせい)。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばあちゃんから? 人生は四年ぶりに外へ! 祖母のいる蓼科(たてしな)へ向かうと、予想を覆す状況が待っていた──。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。
  • ROMES 06 まどろみの月桃
    3.8
    1~3巻770~1,026円 (税込)
    世界最先端の施設警備システム・ROMES06を擁し、世界で最も安全とされる西日本国際空港で密輸の摘発が続発した。税関から協力要請を受けた空港警備チームは、ROMESを駆使して次々と運び屋たちを発見していく。だが……うまく行きすぎる。疑問を抱いた天才システム運用者の成嶋は、一人調査を開始する。大規模密輸を隠れ蓑にして、進んでいた恐るべき計画。成嶋は首謀者の男の知性と情に驚嘆しつつ、男の行動を阻止すべく戦いに挑む!
  • ROMES 06
    3.8
    1~3巻770~1,026円 (税込)
    世界最先端の施設警備システムROMES(ロメス)を擁する西日本国際空港に届いた複数の脅迫状。そしてある日、ROMES(ロメス)の警報装置が作動した! だがROMESの全貌を知るのは、西空警備チームでも最高運用責任者の成嶋優弥ただひとり。愛犬ハルとシステムしか信じない若き天才・成嶋と、テロリストたちの知と情を賭けた攻防の行方は…─

    試し読み

    フォロー
  • i(アイ)~鏡に消えた殺人者~
    3.0
    刺殺された作家・砂村悦子が死の直前に書いた自伝的小説は、かつて悦子に殺された従妹のアイが、鏡に宿り復讐するという内容だった!? 事実、刺殺現場に残された犯人の足跡は、部屋の隅にある鏡の前で忽然と途絶えていた。やがて明らかになる衝撃の真相……。i(アイ)とは何か? 絶妙のトリック、大ドンデン返し! 女流本格ミステリーの旗手が描いた長編傑作。
  • 軍艦長門の生涯(上)
    4.3
    1~3巻770~814円 (税込)
    総排水量4万3千トン、40サンチ砲8門搭載、最高速力26.7ノット。世界最大・最強・最高速の戦艦としてその威容を誇った軍艦長門は、帝国海軍の栄光と矛盾を一身に背負って激動の大正・昭和期を生きた。連合艦隊が壊滅し、ただ一隻生き残った長門を、敗戦後待ちうけていたのは劇的な終焉……。一隻の軍艦の生涯を通して今よみがえる、“あの時代”の日本と日本人の一大スペクタクル!
  • 三浦光世 電子選集 歌集 吾が妻なれば ~妻・三浦綾子と歩んだ40年~
    -
    アララギ派の歌人・三浦光世が妻・三浦綾子との合同歌集「共に歩めば」(1970年刊)と、その後の作品から自選収録した歌集。 三浦光世がのちに妻となる三浦綾子に勧められて「アララギ」に入会したのは1955年の夏であった。その後、59年に綾子と結婚し、70年には綾子との合同歌集「共に歩めば」も刊行する。この本は光世が作歌を続けた個人の作品群と綾子との共著本の中から自選し、1990年に発刊した歌集。 君を想ふ夕べかなしくて袖に来し白き蛾を鉢の菊に移しぬ 涙出づるまでに素直に聞きてゐつ妻が語る前川正との過去 など、妻・綾子との生活にまつわる歌や、光世が個人的に好んだ自然を対象とした叙景歌も多く収録されている。
  • 白い修道院の殺人
    -
    ディクスン・カーの、ヘンリー・メリヴェール卿を探偵役とするシリーズ第三作。この作品も一種の「密室の殺人」を扱っているのだが、本書に取り上げられた「密室」はちょっと毛色が変わっている。一面に雪の降り積もった銀世界、そこにぽつんと立てられている「白い修道院」という名の離れ家で殺人は起こる。だが、犯人の足跡は全くない。あるのは死体を発見した者の足跡だけ。この人物は犯人ではあり得ないのだ。大自然が構成した密室の謎を、H・Mはいかにして解決するのか? 江戸川乱歩が密室を越えた不可能興味と絶賛した作品。
  • 我が屍を乗り越えよ
    -
    ネロ・ウルフのもとを訪れたひとりの女性が、ネヤという同性の友人にダイヤモンド窃盗の嫌疑がかかっており助けて欲しいと嘆願する。二人はモンテネグロからの移民で、教習所でフェンシングの教師をしているという。モンテネグロと聞いただけでなぜかウルフは尻込みしたが、再度訪れた女性はネヤがウルフの養女であると明かし、その証拠を持参する。重い腰をあげてウルフはアーチーを教習所にやるが、生徒のひとりがフェンシングの剣で刺殺される新たな事件が起こる。やがて次第に判明してくる国際的陰謀……ウルフが自らの前半生を語る異色作。
  • シグマフォース外伝 タッカー&ケイン1 黙示録の種子【上下合本版】
    値引きあり
    -
    “人”と“犬”の種を超えた深い絆で結ばれた元米軍大尉と軍用犬 ――タッカー&ケイン。 彼らは並外れた“共感能力”で助け合い、“仕事に挑む”。 〈シグマフォース〉の秘密兵器=タッカー&ケインの〈Σスピンオフシリーズ〉、遂に始動! 世界各地を放浪しながら〈仕事〉の時に備えるタッカー&ケイン。 ロシアでのある仕事を終えたところに、 〈シグマフォース〉のペインター司令官より“仕事”の依頼が――。 一人の製薬王の亡命の手伝い……だがそれは、人類の存亡を賭けた冒険の始まりだった!
  • 神田村
    -
    1巻770円 (税込)
    近代化の波から取り残された問屋街……忍び寄る家業の危機、崩れゆく同族意識  東京神田の雑貨問屋。もともと個人経営の小さな商店だったのが、今では株式会社で、土屋正志はそこの専務である。しかし内実は、同族が寄り集まって、どうせ立身の見込みはないと無気力な社員たちを使って、その日暮らしの商売を続けているに過ぎない。どうすれば会社に活力が戻るのか。正志の悪戦苦闘は続く…。  時代の波に洗われる会社の経営、血の絆に翻弄される男の熱い想いを描く。第83回芥川賞候補となった長篇小説。 ●吉川良(よしかわ・まこと) 1937年、東京生まれ。芝高等学校卒、駒澤大学仏教学部中退。1978年『自分の戦場』で第2回すばる文学賞受賞。1979年『八月の光を受けよ』で芥川賞候補、『その涙ながらの日』で二度目の候補、1980年『神田村』で三度候補となった。1999年JRA馬事文化賞、ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。
  • X-ファイル 2016 VOL.1
    -
    伝説の超常現象サスペンス復活! 真実は「まだ」そこにある――。 異星人やUFOは本当に存在するのか――それとも政府の隠謀なのか? 13年の時を経て、モルダー&スカリーの真実の探求が再び始まる! モルダーとスカリーにもたらされた異星人誘拐事件の情報―― ふたりは懐疑的ながらもアブダクトされた女性を訪ね、これまで思いもしなかったある真実に気づかされる。 それは、世界を巻き込む壮大な事件の幕開けであり、二人と里子に出した息子に関わるものだった……。 ◎オリジナル・シリーズの独創的なストーリーをさらに発展させた新たなX-ファイル事件が始動! ◎UFO、エイリアン、拉致、未確認生物、都市伝説、神話など今なお愛されている人気のテーマ! ◎海外TVドラマ、科学捜査もの、男女バディものそしてUFO・宇宙人・超常現象・都市伝説ブームの原点となった人気シリーズの最新作。 ◎2015.7.2 Blu-ray & DVD発売/レンタル配信開始 〈収録エピソード〉 ■序章/第一章「闘争 前編」/第二章「変異」 〈あらすじ〉 THE TRUTH IS STILL OUT THERE モルダーとスカリーがFBIを去って10年以上が経った。しかし、かつての上司スキナー副長官が二人を呼び寄せる。異星人によるアブダクトと政府陰謀の関係を証明する新たな証人が現われたと告げられる。動画ニュースサイトを運営し自らキャスターを務める保守派の陰謀論者、タッド・オマリーがモルダーとスカリーに協力を求めたいというのだ。ふたりは彼の案内で、異星人に誘拐された経験を持つという女性、スヴェタを訪ねる。彼女の話を聴いたモルダーは、これまで思いもしなかったある“真実”に気づかされることになる。モルダーたちは再び真実を追い始める……。
  • きつねのつき
    4.5
    人に化けた者たちが徘徊する町で、娘の春子と、いまは異形の姿の妻と、三人で暮らす。あの災害の後に取り戻したこの幸せ。それを脅かすものがあれば、私は許さない……。切ない感動に満ちた再生の物語。
  • 死者との結婚
    4.0
    一枚の切符、五ドル紙幣、そしてお腹の中にいる赤ん坊――それがヘレンのすべてだった。男に捨てられた傷心を抱き列車に乗った彼女にとって、前の席で楽しそうに語らう若夫婦と寄るべもない現在の自分との落差はあまりにも大きかった……彼らは親切にしてくれ、ヘレンの心も次第になごんでいった。だが、列車転覆という思わぬ事故でヘレンの運命は一変した。不思議な運命の糸に操られた女の辿る物語を流麗な筆致でつづる!
  • 恐怖
    3.0
    彼の指が女の喉元にくいこみ、やがて女の体は動かなくなった……証券会社に勤めるマーシャルは最愛の女性と婚約し、今日が結婚式だった。しかし、たった一度おかした過ちから恐喝を受け、愛する女性と結ばれるため、結婚式の当日に恐喝者を殺してしまったのだ。殺人の事実を隠蔽し、式を済ませた彼は、ニューヨークを離れ追われる者の苦痛と焦燥の淵へと向かっていく─―ウールリッチ的叙情をサスペンスにあふれる佳品。

最近チェックした作品からのおすすめ