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Posted by ブクログ
"功利主義"と言うとどこか堅苦しく考えてしまいますが、平易に考えると、
自分自身にとって必要な知識を抽出し整理する、位のニュアンスになりますか。
- 読書には、大きな罠がある。
個人的には、読書をすること≒考えること、との認識ですが、
この辺りは基礎学問である歴史学の影響が強いと感じています。
- 経済発展の背後には、精神力があるということが再認識されている
- 自由な討論に基づく公共圏を回復することで、
国家の横暴を規制するという気構えが残っている限り、
大衆民主主義は、他の政治体制と比較してよりましな制度なのである
知識として吸収した上で知恵として昇華し、自己の成長につなげる。
これはまさしく、"地頭"を育てるとの観点でしょう。
そしてそのつながりが、"国家"という組織の構成員としての立ち位置も明確にしていく、
福沢諭吉の言う「国を支えて国を頼らず」との観点にいう、自立、になるんでしょう。
ん、以前はその観念的すぎる内容から挫折した"資本論"や"新約・旧約聖書"、
いい機会ですしリトライしてみようかなぁ、なんて。
Posted by ブクログ
この人の本はどれも読み応えがあって面白いです。一度読んだ本でもまた違った読み方ができて面白かったです。特に、綿矢りさの『夢を与える』の書評には「ウーンそんな読み方があるんだ」とうなってしまいました。
この本は佐藤優氏による「実際に役立つ」という観点からピックアップされ、本人は書評を書く訓練はしていない、と謙遜しつつも、ロシア分析で培った『相手の内在的論理』をつかむという筆致で描き出された本の中身の論考についてはやはり、参考になる部分が多かったと思います。『資本主義の本質とは何か?』『大不況を生き抜く智慧』『人間の本質を見抜くテクニック』など、非常に刺激的なタイトルのあとに、一見「この本がいったいなんの役に立つの?」と首を傾げたくなるようなもの。たとえば、『論戦に勝つテクニック』というところで上げた本は酒井順子の『負け犬の遠吠え』と石原真理子の『ふぞろいな秘密』をあげております。
その理由は『ふぞろいな秘密』では事実を淡々と記すことによって相手の男性がいかに不誠実であるということを浮き彫りにするのに最も効果的である、ということ。『負け犬の遠吠え』では結婚して子供もいる『勝ち犬』と仕事に自分磨きにいそしみつつ、まだ未婚の女性は全て『負け犬』と断じることで、筆者いわく「アリストテレス論理学」を実践して論戦で徹底的に相手を打ちのめす方法を伝授しているのだそうです。僕は以前、「負け犬の遠吠え」を読んで「ふーん、あ、そう」という感想しか持ちませんでしたが、こうして読んでみるとまた違った読み方が出来て楽しかったです。ちなみに筆者は現在全面戦争状態にある外務省を相手にこの2冊に使われている方法を存分に応用しているのだそうです。
僕が一番興味を持ったのはやはり『資本主義の本質とは何か?』というところに取り上げられているマルクスの『資本論』とっこれはコミックスになりますが伊藤潤二という方の『うずまき』でした。僕はこの人の本を読んで原著のあの迷宮のような文体で書かれてあることを概要ながら理解することが出来ましたし、マルクスが以下に的確に資本主義の本質を捉えていたかということに感動すら覚えました。そして『うずまき』では直感的に捕らえられた「うずまき」の存在がそれがそのまま資本主義のシステムそのものだ、という筆者の主張にこれもまだ未読ではありますが、どうにかして手に入れて一読をしたいと思いました。
一軒役に立たないもの、これをまた違った角度から見ることによって「見えない世界」が浮かび上がってくる。僕はここに取り上げられた文献をほとんど読んではいませんが、機会があればおいおい、手にとって見たいと思います。とりわけ「テンペスト」という沖縄を扱った小説はドラマ化されておりますので、ぜひ最優先で読んで見たいと思っております。
Posted by ブクログ
佐藤優による読むべき本の紹介本。著者が神学者的考え方をすることがよくわかり、紹介されている本を読めば、より理解が深まるものと考える。小説が多いことには驚いた。
「読書には、大きな罠がある。特に、読書家と言われる人がその罠に落ちやすい。読書はいわば「他人の頭で考えること」である。従って、たくさんの本を読むうちに、自分の頭で考えなくなってしまう危険性がある」p3
「(旧ソ連)労働によろこびを感じる労働力や農民はほとんどいない。ルーブル紙幣がいくらあっても、人々が欲しい商品がない。カネの力で、労働者や農民を働かせることはできないが、暴力を剥き出しにした国家が脅しあげて、国民を働かせていた。国家全体が強制収容所と基本的に変わらなくなった。そして、「国民は国家に対して働いているふりをし、国家は国民に対して賃金を支払うふりをする」という小話をよく耳にするようになった」p8
「新自由主義を継続すると、格差の拡大にとどまらず、絶対的貧困が生まれ、労働力を供給する労働者が弱体化してしまい、結果として、資本主義体制が弱っていくという論理連関を示したい」p10
「資本主義は景気循環をともなうので、恐慌や不況を避けることができない」p11
「マルクスの「資本論」は、有名であるが、ほとんど読まれていない本の代表例である」p28
「学問の急峻な山路をよじ登るのに疲労困憊をいとわない者だけが、輝かしい絶頂をきわめる希望をもつのです」p31
「自然の本質を直観で把握できる人間だけが真理をつかむことができるのである」p43
「資本家的生産は、労働の社会的生産力の増進を利用して発展してきたのであって、資本の蓄積とともに一事業に投ぜられる資本の蓄積もますます増大し、その生産方法も科学的技術をできうる限り利用して、その生産力の増進をもたらすのである」p51
「素人がプロの世界に侵入すると大怪我をする」p84
「大きな仕事をするときはかならず敵が出てくる」p85
「カクテルパーティは、いわば情報戦争の戦場なので、そこで出会う人々は、潜在的な敵なのである」p174
「新自由主義(市場原理主義)が、社会主義的な計画経済はもとより、国家が経済に介入するケインズ政策に対しても勝利したように見られた」p202
「新自由主義モデルでは「規制緩和」ではなく「無規制」が、「小さな政府」ではなく「無政府」が理想となる。個体がすべてなので、民族、国家など「われわれの同胞」という感覚が薄れていく」p204
「経済合理性と逆行する地域共同体の助け合いの伝統が強い沖縄には、新自由主義が浸透しにくい。その結果、沖縄の人々は連帯意識を強くもつ」p205
「大衆民主主義は事実上、為政者とマスコミによって操作される愚痴政治のようになっている」p391
「ドイツ、チェコ、イギリス、ロシアの知識人は基本的にテレビを見ない。日本でもテレビのスイッチを切り、活字を読む習慣をもつ人々が増え、その人々が、喫茶店でも、居酒屋でも、井戸端会議でもよいから、自由な討論を深めることによって、日本の民主主義も少しはマシになるのだ」p392
「国家主義者である筆者としては、新自由主義政策による格差拡大とその固定化は、中長期的に日本国家を弱体化すると考えるので反対だ」p404
Posted by ブクログ
読書の危険なところは「自分の頭で考えなくなってしまうこと」と言う。確かに本を読んでいるうちにその内容があたかも自分の意見であるかのように感じてしまうことがある。特に内容に共感できるものほどそうなのかもしれない。個人的にはそれでも読まないより全然マシだと思っているし他の意見のいいところをうまく編集して自分のものにすればいいと思っているのだが、佐藤氏はさらにその内容をどのフェーズで使う事ができるのかを意識しながら読んでいると言う。それも全く想像もできない使い方も含まれていて興味深かった。具体的にあげられている本も参考になるが、その読み方自体が参考になると思う。自分も功利主義なのでそういった本の読み方ができるようになりたいと思う。
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