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目が覚めると、そこは病院で、母と名乗る女性がいた。しかし、何も憶えていない。自分の名前すらも……。帰宅途中に襲われて記憶を失ったらしい。母は彼女が非嫡出子で、病気で余命少ない実父、腹違いの弟妹がいることを教える。戸惑う私の前に、次々と恋人を名乗る男たちが現れた。その最中、実父が亡くなり、莫大な遺産を相続することに……。傑作サスペンス。
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Posted by ブクログ
暴漢に襲われ、記憶を失った女性に 次々と「恋人」や「夫」と名乗る男が現れる。 さらに、主人公を婚外子として認知した大金持ちの、 遺産相続も絡んできな臭い話が展開していく... という粗筋だが、何というか...赤川次郎ばりに 次から次へと「これでもか」と事件が起きる 「怒濤の展開」(^ ^; これ...続きを読むを鯨氏独特の文体で書かれると、 何とも不思議な魅力のある作品に仕上がる。 鯨氏の書く本は、誤解を恐れずに言うと 「粗筋を読んでる」っぽい印象を受ける。 登場人物のセリフがとてもあっさりしていて、 心象の補足や、時にツッコミを地の文で入れる、 という文体がそういう印象を与えるのだろうか。 セリフがあっさりしているので、 登場人物によって微妙な口調や口癖の使い分けもなく、 ある意味「リアリティがない」とも言えるか。 情景描写も「デジタルな」印象で、 繊細な目線や細かい季節感などはあまり感じない。 これだけ書くと「悪口」みたいに見えるかもだが、 この粗筋っぽさは「とても映像化しやすい」 とも言える気がする。 実際に鯨作品はよくテレビドラマ化されてるようだし(^ ^ 本として読んでいるときも、あっさりしている分 「読者が勝手に登場人物や舞台を想像できる」余地がある。 「文学として完結いて感動できる」というより、 「読者のイマジネーションを刺激する」読書体験。 これはこれで中々の快感だと思います(^ ^ で、この作品も、「怒濤の展開」で盛り上がると 「ここでコマーシャルだな」みたいに、 いつのまにか脳内で勝手に「二時間ドラマ化」して 読んでいる自分に気づいたりする(^ ^ 最後の最後がちょっと強引で、無理繰りまとめた、 という感じがしなくもないので、★三つ(^ ^; 例によってミステリなので、あまり細かく内容を書けず。 あしからず(^ ^;
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