小説作品一覧

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  • 熱帯植物園
    3.0
    覚えたてのセックスは考えてたよりよかった。正直いっていまは猿のようにはまってる。でもあたしには生理がまだない。女じゃないのにセックスしてる――。16歳になった日、下校途中に、薔薇の花束を抱えた派手な女が待っていた。あたしと同じ名前のおやじの愛人が……。ほとんど拉致されて連れて行かれたレストランで、おやじの愛人・由美が言った。「名前を変えてほしいの」――。10代の生と性を描いた5編を収録。R指定の室井佑月衝撃のデビュー作!

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  • 檸檬夫人
    4.3
    1巻440円 (税込)
    「ああっ、何をなさいますっ、これ以上、私に恥をかかせるのはおやめ下さい」――親の仇である憎き男と、使用人であった下郎に、お志津は全裸に剥がされ後手に緊縛された。割り裂かれた両足首を棒杭に繋がれ、2人の男に上半身と下半身とを執拗に愛撫される。屈辱感と汚辱感、しかしそれと並行して突き上げて来るこの快美感は一体……「卑怯な、自由を奪った女を辱めるなど――」血走った声はやがて甘美な喘ぎ声に……武士の妻が2人がかりで嬲られる『卑怯者』など、緊縛の文豪による全5篇。

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  • 狙撃者たちの夏 サミット・コンフィデンシャル
    -
    チタニウム合金製の特殊アーミーライフルを前にしたふたりの男。交渉の報酬は一万ドル。仕事の内容は、銃の改造である。折りしもゲリラテロの頻発する不穏な世界情勢下、東京では先進国首脳会議(サミット)開催に向けて、アリ一匹這い入るすきもない厳重な警戒網が張りめぐらされた。だが、圧力をかける警察と取材陣とのもみあいが続く中、その網の目をくぐって、アメリカからの侵入をこころみる男の鞄には、件の銃が仕込まれていた……。鮮烈な刺激に満ちたサスペンス長篇。
  • 少女と武者人形
    -
    「武者人形の剣に血が噴きだしてきたとき、人が死ぬ……」母親と弟の事故死。少女のなかで武者人形と葬式がひとつに重なった。そして別荘での父と叔母の情事──思春期の少女の、揺れ動く複雑な心理と夢魔の世界を描く「少女と武者人形」。ネコをかわいがっている家に赤ん坊が生まれると、ネコと赤ん坊で“運”をとりあい、ネコが死ぬ。でもネコの“運”が赤ん坊の“運”に勝ったとしたら──「ネコのいる風景」など、「奇妙な味の小説」十二篇を収めた直木賞候補の連作短篇集。
  • 氷海越冬譚
    -
    ダンケルク港に帰ってきた船に若き船長の姿はなかった。父と、許嫁のマリはすぐさま捜索におもむく決意を固める。航海日誌と航海士ヴァスランの言葉によれば、若き船長はメールストロム(大渦)に呑み込まれそうになった別の船を助けようと一人の水夫と舵手とともにボートで向かい、そのまま消息を断ってしまったという。

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  • コロンバ
    -
    コルシカ人のあいだに長く受け継がれてきたヴァンデッタ(仇討)の風習…それを一身に担うコルシカの旧家の娘が、父の仇をうつために予備役中尉の兄を強引に誘って目的にむかって果敢にいどむ。原始的な情熱を具現した女主人公のすがたが強い印象をのこすエンタテイメント。
  • ヴェニスに死す
    -
    体力の衰えを感じ仕事に疲れた高名な作家アッシェンバッハは、静養のため地中海への旅を思い立つ。ヴェニスに近いリドで足止めを食った彼は、そこに避暑に来ていたポーランド人家族のなかのひときわ優美な美少年の虜となる。エロスと死をテーマにした佳品。ヴィスコンティの手になる映画も有名である。

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  • トーニオ・クレーガー
    -
    詩的世界に興味をいだく多感な少年トーニオは美少年ハンスにあこがれ、ブロンドのインゲに淡い恋心を抱くが報われない。トーニオは町を棄てて自立したあと、ふたたび二人の姿を目にするが……「芸術家気質」と「市民的気質」、「知性」と「感性」の対立と分裂をテーマにした本書は、マンの自伝的青春の書でもある。

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  • ブラウン神父の秘密1
    -
    チェスタートンによるブラウン神父ものミステリー第4巻。冒頭の「ブラウン神父の秘密」と末尾の「フランボウの秘密」によって神父の探偵方法が明かされ、その実例を8編あいだに挟んで紹介するという新しい趣向の傑作短編集。本巻には「ブラウン神父の秘密」「判事の鏡」「顎ひげを二つもつ男」「飛ぶ金魚の歌」「俳優とアリバイ」の5編を収録。

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  • ブラウン神父の懐疑1
    -
    「懐疑」は短編ミステリーの名手チェスタートンが第一次世界大戦をはさんで十年あまりの休止の後に著わしたブラウン神父物短編集の第3巻。この巻には「ブラウン神父の復活」「天の矢」「犬のお告げ」「ムーン・クレセントの奇蹟」の名作4編を収めた。意表をつく推理はますます健在!

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  • ブラウン神父の純智1
    4.0
    「純智」は、ホームズ物とは一味ちがう、短編ミステリーの名手チェスタートンのブラウン神父物第一巻。黒い大きな帽子とこうもり傘、丸顔でずんぐりした体型の神父が、どことなくユーモラスな雰囲気を漂わせながら意表をつく推理を披露する。本編には「青い十字架」「密閉された庭」「奇妙な足音」「飛ぶ星」「見えない人間」「イズラエル・ガウの厳正さ」の6編をおさめた。

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  • ブラウン神父の知恵1
    -
    「知恵」は短編ミステリーの名手チェスタートンのブラウン神父物第2巻。「消えうせたミスタ・グラス」「盗賊の楽園」「ヒルシュ博士の決闘」「通路の人影」「器械の間違い」「シーザーの顔」の、奇抜なトリック、ユーモアと逆説にあふれた6編を収録。

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  • 退屈な話
    -
    この巻にはチェーホフの代表的な中編「退屈な話」と、最晩年の作品「いいなずけ」を収めた。「退屈な話」は、立派な経歴をもちながら退職後の生き方に自信をもてない絶望的な老教授の心境をえぐった中期の代表作品、「いいなずけ」はこれと対照的に、新しい生活への意欲を燃やして進んでいく娘を描いたチェーホフ43歳のときの最後の小説である。このときチェーホフは戯曲「桜の園」を執筆中で、翌年1月に初演にまでこぎつけたが、結核の症状が悪化し、7月には帰らぬ人となった。

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  • 六号室
    -
    この巻にはチェーホフの代表的な中編「六号室」と「中二階のある家」を収めた。「六号室」は「鉄格子の中も暖かい書斎も本質的にはなにも変わらない」と精神病患者に説教する医師が、周囲の人たちから狂人とみなされて鉄格子の中に閉じ込められ、はじめて現実を知るという話、「中二階のある家」は小さな積みかさねで地道に生活向上をめざす娘と、一挙に現実を改革すべきだといいながら何もしない画家との議論を通して進歩とは何かを問う話。どちらも中期の代表作である。

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  • はつかねずみと人間たち
    4.0
    目はしのきく小男ジョージと、うすのろで馬鹿力の持ち主の大男レニーとの奇妙な友情。飯場から飯場へと移りながらも、二人はひそかに、いつかは農場を持ちたいという夢をもっていた。不思議な緊迫感と寓話にみちた物語。

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  • 魔の沼
    4.0
    サンドは郷里ノアン付近の平和な農村を舞台とする、のどかな牧歌風の小説を4編書いた。これが「田園小説」と呼ばれているもので、『魔の沼』はその第一作にあたる。物語の筋立ての巧みさにおいて無比と称せられる彼女が、幼時の豊富な思い出と親しい観察とを駆使しつつ、簡素な心の美しさと安らかさとを描き出したこれらの作品は、彼女の才能が初めてその本領を発揮したものとして、今日でも広く愛読されている。

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  • 園遊会まで
    -
    短編「手紙」「環境の力」とともに、「カジュアライナ樹」と題された短編集に収められた、モームのいわゆる「南海もの」に属する作品。「奥地駐屯所」「臆病者」「園遊会まで」の3編を収録。どれもマレー半島やボルネオの旧英領植民地に住む英国人たちをとりあげ、その生態をモームならではの視点から浮き彫りにしている。

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  • 手紙
    -
    「手紙」はモームの数多い短編小説のなかでも最もよく知られる名作。完全な正当防衛とみられた殺人事件が、一通の手紙の発見から崩れ去り、驚くような結末が。あわせてもう一編の短編「環境の力」を収めてある。どちらも舞台はマレー半島の奥地であり、植民地に住むイギリス人の心理と暮らしが鮮明に浮かび上がる。

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  • 牝猫
    -
    1巻440円 (税込)
    甘い新婚生活のはずだった若い二人の暮らし…だが、自己中心的な男と、がさつな女の組み合わせ。男は自分が前から飼っている猫が大好きで、女には同等の愛情をそそぐことができない。そして遂には破局が…動物、なかでも猫が特別に好きだったコレットならではの技巧の円熟を感じさせる名作。

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  • 青い麦
    -
    ブルターニュの海辺の避暑地で何度目かの夏の休暇をともに過ごす十六歳のフィリップと一つ下のヴァンカ。輝く陽光、きらめく海、とりどりの花々と木々と鳥、渡る風……網をもって一緒に海の獲物をあさる嬉々とした遊びのなかにも、二人ははっきりと異性を意識する。二人の揺れ動く心のひだのあいだに、「白服の夫人」ダルレー夫人が登場する。フィリップはその怪しい魅力のとりことなる。現代版ダフニスとクロエの物語。

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  • ルバイヤート
    -
    12世紀のペルシアの詩人オマル・ハイヤームの、とくに「酒呑みをたたえた」作品として有名な詩集。1859年、英国の詩人フィッツジェラルドによって英訳されて非常に有名になったが、この日本語訳は、第二次大戦以後の研究の進展にともなってまとめられた、より信頼のおける詩集にもとづいている。

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  • ポー/怪奇傑作集「アッシャー家の崩壊」
    -
    「雲がおもくるしく空に低くかかった、もの憂い、暗い秋の日に」アッシャー家を訪れた主人公を襲う恐怖…エドガー・アラン・ポーの怪奇小説の名作「アッシャー家の崩壊」のほか、「早すぎる埋葬」「落し穴と振子」「罎の中から出た手記」「奇態の天使」の計5編の怪奇ものを集めた傑作集。

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  • 人形の家
    -
    1巻440円 (税込)
    銀行の頭取に出世した堅気な弁護士ヘルメルと妻ノーラとは、仲むつまじい夫婦であった。だがノーラには、夫が病に冒されたときに、借用証書に偽りの署名までして内緒で工面した借金があった。その借金の相手はヘルメルによって職場をくびにされると、秘密の暴露とひきかえにノーラに、復職を夫に働きかけるよう迫る。スキャンダルは危うく未然に回避されるが……ノーラは決然として子どもと家を捨てて出ていく。人間の心のうちを描く近代劇の出発点となった記念碑的作品。

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  • 事故…クリスティ犯罪・怪奇傑作選
    -
    アガサ・クリスティは犯罪もの、怪奇サスペンスものでも見事な作品を残した。この短編集には犯罪もの「うぐいす荘」「事故」、怪奇もの「最後の降霊会」「第四の男」の、代表作4編を収録した。

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  • 郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす
    -
    町から町へと放浪の暮らしを送るフランクは、ほとんど金もない状態でカリフォルニアの街道筋の安レストランにたどり着く。気のいいギリシア人店主はフランクを雇いたいともちかけ、フランクはそれに同意する。だが、フランクの目は店主のセクシーな女房を見逃しはしなかった。二人はほどなく共謀して店主殺害を企てる……アメリカン・ハードボイルドの代表傑作。

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  • 大和路・信濃路
    -
    1巻440円 (税込)
    古典的な美へのあこがれと、近代的な感覚を研ぎすまして、「大和路」を歩いた際の小品集・随想集と、同じく旅の記録「信濃路」をまとめて1巻とした。堀辰雄の資質を知るための鍵となる作品。

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  • 風立ちぬ
    -
    1巻440円 (税込)
    「それらの夏の日々、一面に薄(すすき)の生い茂った草原の中で、お前が立ったまま熱心に絵を描いていると、私はいつもその傍らの一本の白樺の木蔭に身を横たえていたものだった」…散文で描かれた最も純粋な詩と称えられた「風立ちぬ」と、精神的危機からの脱皮を描いた「美しい村」の堀辰雄の代表作2編。

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  • グッド・バイ
    -
    1巻440円 (税込)
    敗戦の経験は太宰をどう変えたのか…未曾有の変転のなかで最後の炎を燃やしつくして未完成に終わった「グッド・バイ」のほか、最後期の作品14編を収録。

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  • 晩年
    -
    1巻440円 (税込)
    遺書のつもりで自ら「晩年」と名づけたという最初の作品集から、「葉」「魚服記」「列車」「猿面冠者」「彼は昔の彼ならず」など13編を収録。

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  • ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯
    -
    1巻440円 (税込)
    本書は16世紀半ばにスペインで書かれ、当時大人気を博すとともに、その後のピカレスク小説の模範とされた。貧しい主人公ラーサロ少年は7人の俗人・聖人につぎつぎに仕えるが、だれひとり偽善の仮面の下に疑わしい品性を隠していない者はなかった。ピカレスク小説の主人公は、社会の下層にうごめき、あちこちと放浪に近い暮らしを送りながら自らの知恵と才覚で(ときに大いに反社会的な手まで使って)生きのびようと努力する人物である。

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  • 夢十夜
    -
    1巻440円 (税込)
    「大阪朝日新聞」の依頼を受けて書かれた小品集。「こんな夢を見た…」で始まる十のファンタジックな夢を語る「夢十夜」、小鳥の死を淡々と描いて名作といわれる「文鳥」、日常雑記といってよいエッセイ「永日小品」の3編からなる。

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  • 倫敦塔
    -
    1巻440円 (税込)
    処女作「我輩は猫である」を執筆中、他の雑誌に発表された漱石初期のロマンティシズムあふれる短編。「倫敦(ロンドン)塔」「カーライル博物館」「幻影(まぼろし)の盾」「一夜(いちや)」「琴のそら音」の5編を収録してある。

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  • 硝子戸の中
    -
    1巻440円 (税込)
    一日中、書斎の硝子戸の内にこもり、頭にうかぶあれこれを、そのつど気分の変わるままに綴ったエッセイ。話題は身辺のなんでもない出来事、人生と社会に関するものなどバラエティに富む。漱石の日常をうかがい知る好編。

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  • 肉体の悪魔
    -
    1巻440円 (税込)
    第一次大戦中の混乱期の世相をバックに、一少年の人妻によせる恋愛心理をえぐった小説。早熟夭折の天才ラディゲ17歳のときの処女作品。その透徹した知性と感性、心理解剖とによって、いまなお多くの共感を得ている名作。

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  • くびかざり モーパッサン短編集
    -
    親しい友だちから首飾りを借りて舞踏会に出かけたマチルドは、帰り道に首飾りを落としてしまい、同じ首飾りを買って返すために借金を背負う。十年後ようやく借金を返すことができたが…意外な結末が印象的な「くびかざり」ほか、フランス社会の様々な階級の生活を活写した珠玉の短編集。この集には表題作のほか、「ジュール叔父」「ひも」「老人」「雨がさ」「酒樽」「帰村」「あな」「クロシェット」「港」の全部で10編を収めてある。

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  • シモンのパパ モーパッサン短編集
    -
    モーパッサンはたぐいまれな人間観察家だったが、それはフランス社会の様々な階級の暮らしの機微を活写する多くの短編として結実した。この巻には名編のほまれ高い「シモンのパパ」と「わら椅子直しの女」のほか、「山小屋」「ペルル嬢」「オリーブ畑」「狂女」「海の上のこと」の全部で7編を収めた。

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  • 危険な夏
    -
    「危険な夏」は二人の闘牛士の命をかけた宿命的な対決を描いたヘミングウェー最晩年の作品。迫真のスポーツライティングであるが、そこには「生のさなかの死」が濃厚に浮かびあがる。本書には、このほかに、スペイン戦争に材をとった短編四つ…「密告」「蝶々と戦車」「戦いの前夜」「尾根の下で」…を収めてある。

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  • 地獄での一季節
    -
    1巻440円 (税込)
    従来もっぱら「地獄の季節」という訳書名で通用してきたフランス象徴派の代表的詩人ランボーの最も有名な散文詩集。この篠沢秀夫訳は、新しい観点から「より真実の意味を掘り起こそうとする」意欲的試みになっている。

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  • クリスマス・カロル
    -
    クリスマスの前夜、守銭奴で強欲な商人スクルージの前にあらわれた三人の「幽霊(精霊)」たち。第一の幽霊はスクルージをしんみりとさせ、第二の幽霊は心ゆくまで楽しませ、最後の幽霊は恐怖のどん底に突き落とす……。長いあいだ親しまれてきた「クリスマス・ストーリー」の最高の名作。

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  • ポー/ミステリ傑作集「モルグ街殺人事件」
    -
    シャーロック・ホームズもルパンも、ポーの作り出した主人公デュパンから生まれたとさえ言われている。この巻にはデュパンが活躍するポーの推理小説の代表作「モルグ街殺人事件」、姉妹編「マリー・ロジェー事件の謎」、同じくデュパンものの「盗まれた手紙」の3編を収めた。

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  • 変身
    -
    「ある朝のこと、落ちつけぬまどろみの夢からさめたとき、グレゴール・ザムザは寝床のなかで一匹のばかでかい毒虫に変わった自分に気がついた。かたい甲羅(こうら)のせなかを下にした寝姿だった。ちょっと頭をもたげてみると、せりあがったアーチ型の腹部が見えた。鳶(とび)色の、固い環節(かんせつ)でいく重にも仕切られている。そのお腹(なか)のてっぺんには、掛けた布団がいまにもずり落ちそうなかっこうで、やっとこふみとどまっているしまつ」……セールスマン、グレゴール・ザムザのへんてこりんな「変身」を通じて家族に引き起こされる悲喜劇。奇才カフカの面目躍如たる短編。

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  • サロメ
    -
    ユダヤの副王ヘロデは後妻の娘サロメの怪しい魅力のとりことなって、みずからの誕生日の宴席でしつこく踊りをせがむ。何でも希望のものをとらせるというヘロデの約束に対して、踊り終わったサロメの望んだものは予言者ヨカナーンの生首であった。世紀末の怪奇幻想趣味あふれる一幕悲劇。

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  • ポー/ホラー・ミステリ傑作集「黒猫・黄金虫」
    -
    不気味な雰囲気をたたえた殺害と復讐の物語「黒猫」と「おしゃべり心臓」、ホームズとルパンの生みの親デュパンが数学と心理を駆使して謎を解く典型的なミステリーの名編「黄金虫」、鬼気せまる恐怖の物語「メールストロムの渦」ほかを収めるポーの怪奇ミステリ傑作集。

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  • 罪と罰(上)
    -
    「非凡人はあらゆる犯罪をなし、あらゆる方法で法律を犯す権利を持つ」――貧しい大学中退生ラスコーリニコフは、こんな犯罪哲学にもとづいて、金貸しの老婆を殺し、行きがかりから、その義理の妹まで殺してしまう……。なみの犯罪小説や推理小説には及びもつかない迫真性と迫力で、ぐいぐいと読者を引っ張っていく、ドストエフスキー、ロシア文学、世界文学の代表作。

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  • ヴィヨンの妻
    -
    1巻440円 (税込)
    表題作のほか、「親友交歓」「トカトントン」「父」「母」「おさん」「家庭の幸福」、絶筆となった「桜桃」を収録。太宰をしのぶ「桜桃忌」は6月19日。

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  • お伽草紙
    -
    1巻440円 (税込)
    民話「瘤(こぶ)取り」「浦島」「カチカチ山」「舌切雀」が見事な風刺文学に変身! 面白さ折り紙つきの「日本文学の傑作」!

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  • 津軽
    -
    1巻440円 (税込)
    1944年、太宰治は初めて故郷の津軽地方を一周する旅に出た。本書は紀行文でもあり、ユーモアをまじえた自伝的な小説ともとれる異色の代表作。

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  • ダス・ゲマイネ
    -
    1巻440円 (税込)
    最も初期の作品であるが、太宰の特色がよく発揮され今日でも前衛的な「ダス・ゲマイネ」、聖書のユダの心情をえぐった異色作「駈込み訴え」の2編と、作者の自伝的小説「東京八景」を収録。

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  • 走れメロス
    -
    1巻440円 (税込)
    力強く簡潔な文体で友情をうたいあげた「走れメロス」、女性独白体形式の傑作「女生徒」、「富士には、月見草がよく似合う」という名文句で名高い「富嶽百景」の3編を収めた太宰治の珠玉の短編集。

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  • 斜陽
    -
    1巻440円 (税込)
    人間は、恋と革命のために生まれて来たのだ…貴族的雰囲気の家庭を舞台に没落していく人間像を描いて、雑誌連載時から大反響を呼び、「斜陽族」という流行語まで生んだ太宰治の代表作。

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  • 人間失格
    -
    1巻440円 (税込)
    「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」…ありのままの自分をさらけ出すことができず、廃人みたいな暮らしを送る男を描いた太宰の代表作。太宰治の自伝的作品とも見られている。

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  • 牛肉と馬鈴薯
    -
    1巻440円 (税込)
    牛肉(現実)か馬鈴薯(理想)か、どちらを食うのがいいのか、という問題を提出する「牛肉と馬鈴薯」、人間の孤独を探求した「酒中日記」ほか、「富岡先生」「少年の悲哀」「空知川の岸辺」「運命論者」「春の鳥」「号外」「窮死」「竹の木戸」「二老人」…独歩中期の代表作11編を収めた。

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  • 風の又三郎
    -
    1巻440円 (税込)
    どっどど どどうど どどうど どどう…青いくるみも吹きとばせ…山村の小学校に風のように現われた転校生が巻き起こす騒動を描く表題作のほか、賢治の童話10編。

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  • セロ弾きのゴーシュ
    -
    1巻440円 (税込)
    未熟な少年音楽家セロ弾きのゴーシュのもとに動物たちが訪れ、ゴーシュは突然、芸術に開眼する。感動的なこの表題作のほか、詩でも大人の読む童話でもある賢治の名編8編を収録。

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  • 銀河鉄道の夜
    -
    1巻440円 (税込)
    孤独な少年ジョバンニと親友カムパネラの夜空の旅を描いた未刊の最長編「銀河鉄道の夜」ほか、「よだかの星」「いちょうの実」「おきなぐさ」、異色作「雁の童子」など広大な賢治童話の世界にふれる9編を収録。

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  • 注文の多い料理店
    -
    1巻440円 (税込)
    賢治がみずからの手で編集し出版した生前唯一の童話集。表題作のほか、「どんぐりと山猫」「烏の北斗七星」「月夜のでんしんばしら」「鹿(しし)踊りのはじまり」など9編に、賢治自身の手になる「序」がついている。

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  • 檸檬 梶井基次郎傑作集
    -
    1巻440円 (税込)
    病魔と闘いながら、鋭敏な感受性を駆使してすくい取られた小品の数々。梶井基次郎の作品は日本近代文学史上に異彩をはなっている。ここには、「檸檬」「城のある町にて」「泥濘(でいねい)」「路上」ほか、15編の代表作を収めた。

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  • 草枕
    -
    1巻440円 (税込)
    智に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される…青年画家の前にあらわれる謎めいた美女。「非人情の美学」を具象化した初期の名作。

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  • こころ
    -
    1巻440円 (税込)
    親友を裏切っての恋の勝利は、親友の自殺によって、主人公の「先生」に極度の罪悪感をもたらす。そうして「先生」が行き着いた先は? 漱石のひとつの到達点をしめす代表作。

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  • 門

    -
    1巻440円 (税込)
    「三四郎」「それから」につづく3部作の最終編。「それから」で親友を裏切りその妻と結ばれた二人は、この作では宗助とお米という名に変わっている。罪を意識する宗助は宗教に救いを求めるが…

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  • それから
    -
    1巻440円 (税込)
    主人公代助は友人の妻に懸想し、社会を相手に戦わざるをえなくなる。前作「三四郎」の続編で、次作「門」へとつづく漱石の三部作の第二編。

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  • 三四郎
    -
    1巻440円 (税込)
    田舎(熊本)出身の大学生三四郎は、東京育ちの美禰子(みねこ)に思慕の情をおぼえるが、なかなか本気にしてもらえない。明治の青春を鮮やかに描いた傑作。三四郎と美禰子が出会った東京大学の心字池は、のちに「三四郎池」と呼ばれるようになった。

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  • 吾輩は猫である(上)
    -
    1~2巻440円 (税込)
    苦沙弥(くしゃみ)先生の家に迷いこみ飼われるようになった猫が、人間社会を観察し、その不可思議さをかいまみて記録するという筋立てからなる、諷刺文学の傑作。全編にみなぎる洒脱さが爽快感を呼び起こす漱石の処女作。

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  • 坊っちゃん
    -
    1巻440円 (税込)
    東京の学校を出て四国松山の中学校に数学教師として赴任した江戸っ子の「坊っちゃん」は、同僚の教師たち、教え子の生徒たちの愚劣さに憤り、まどわされ、敢然と反抗する。ユーモアと情が巧みにないあわされた不滅の名作。

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  • 帰らざる荒野
    4.0
    友近克也は父・善次郎が築いた馬牧場を出た。兄嫁となる女性に想いを残して……。行くあても帰る場所もない、ただ生きるための流浪の旅だった。町々にはびこる悪徒に、容赦なくとどめを刺す克也。暴力と策謀が渦巻く荒野の果てに、安住の地はあるのか? 北海道開拓期。過酷な運命に立ち向かう家族、そして男女を描く連作短編集。
  • 惣角流浪
    3.2
    武田惣角。触れるだけで相手を投げ飛ばす、大東流合気柔術の祖である。「進む道は武芸なり」の信念のもと、武士の世が終焉を迎えた維新後もひたすら修行に励む。のちの講道館柔道の創始者・嘉納治五郎との対決を機に、惣角の流浪が始まる。西郷隆盛との邂逅、琉球空手の使い手・伊志嶺章憲との命を懸けた闘い。合気の道を極めんとする男の壮烈な青春を描く、明治格闘小説。
  • 見知らぬ妻へ
    3.9
    新宿・歌舞伎町で客引きとして生きる花田章は、日本に滞在させるため偽装結婚した中国人女性をふとしたことから愛し始めていた。しかし――(表題作)。才能がありながらもクラシック音楽の世界を捨て、今ではクラブのピアノ弾きとして生きる元チェリストの男の孤独を描いた「スターダスト・レヴュー」など、やさしくもせつない8つの涙の物語。
  • 百億円強奪計画を追え! ~シティガード風牙1~
    -
    1~3巻440円 (税込)
    普段はしがない新聞記者(ブンヤ)稼業で糊口を凌いでいる藤堂風牙。しかし、その正体は伊賀忍者の末裔だ。ブンヤにとって取るに足らない若者の自殺というベタ記事程度のネタを調べるうち、その背後に途轍もない大犯罪の匂いを嗅ぎ取った!空前絶後のスケールで展開する大スペクタクルはあなたを最高のカタルシスへいざなう!

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  • セーラー服通り
    -
    1巻440円 (税込)
    厳しい校則で有名な女子高・白弓学園。そこの生徒3人が<つづき春>の合作ペンネームで投稿した少女漫画が雑誌に採用された!なんと彼女たちは学園の先生たちのことを作中に描いていた…!?――学校の管理教育に反抗し、自らの青春を個性的に求めようとする女子高生3人組の活き活きとした姿を描いた青春ドラマ。80年代にTBS系列でテレビドラマ化もされたヒット作!

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  • ぎんざより愛をこめて
    -
    1巻440円 (税込)
    中高生に大人気のテレビ番組『ぎんざ・NOW!』に突如登場してきた、美人で巨乳の高校一年生・鳩山由宇子。可愛いけど何か不思議。なんと由宇子は高校生のストリッパーだとか!?

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  • 新編 銀河鉄道の夜
    4.1
    貧しく孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って美しく悲しい夜空の旅をする、永遠の未完成の傑作である『銀河鉄道の夜』や、『よだかの星』『オツベルと象』『セロ弾きのゴーシュ』など、イーハトーヴォの切なく多彩な世界に、『北守将軍と三人兄弟の医者』『饑餓陣営』『ビジテリアン大祭』を加えた14編を収録。賢治童話の豊饒な味わいをあますところなく集めた一冊。

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  • 死ぬほど好き
    3.4
    生まれ育った小さな町での結婚を前に、言いようのない憂鬱をおぼえはじめた由希。そんな折、高校の後輩と再会し、心が大きく揺れだして――(「果実」)。熱烈に口説かれ、引きずられるようにして克己とつきあいだした妙子。だが、いつしか恋の主導権は逆転し、不安に駆られた妙子は執拗なまでに恋人を追いかけるが…(「死ぬほど好き」)。女たちが抱える愛の闇を鮮やかにうつしだす八つの物語。
  • ファニーフェイスの死
    3.7
    洋裁学校の学生・恵子は、偶然モデルのゆい子と知り合い、誘われるままにいつしかモデルの道を歩き始めた…。その世界は強い個性をみせながらどこか虚無のかげりをみせる男や女たちがいた。女がいちばん綺麗で、可愛らしかった1960年代。さまざまな伝説と神話が生まれた高度成長のさなか、キラ星のごとく輝き、70年代の夜明けとともに燃えつきていった青春の壮烈な愛と死の物語。
  • マザコン
    3.2
    「あなたはマザコンよ、正真正銘の」と妻に言われ、腹立ちまぎれに会社の女の子と寝てしまったぼく。夫より母親を優先する妻のほうこそ、マザコンではないのか。苛立つぼくの脳裏に、死の床から父が伸ばした手を拒む母の姿がよみがえり…。表題作ほか、大人になった息子たち娘たちの、母親への様々な想いを描く作品集。疎ましくも慕わしい母と子の関係――胸がしめつけられる、切なくビターな8編。
  • 1ポンドの悲しみ
    3.6
    数百キロ離れて暮らすカップル。久しぶりに再会したふたりは、お互いの存在を確かめ合うように幸せな時間を過ごす。しかしその後には、胸の奥をえぐり取られるような悲しみが待っていた――(表題作)。16歳の年の差に悩む夫婦、禁断の恋に揺れる女性、自分が幸せになれないウエディングプランナー……。迷い、傷つきながらも恋に生きる女性たちを描いた、10のショートストーリー。
  • スローグッドバイ
    3.5
    「涙を流さなくちゃ、始まらないことだってあるんだよ」。恋人にひどく傷つけられ、泣けなくなった女の子。彼女に青年の心は届くのか(「泣かない」)。上手に別れるため最後にいちばんの思い出の場所へいく。そんな「さよならデート」に出かけたふたりが見つけた答え――(「スローグッドバイ」)など、普通の人たちの少しだけ特別な恋を綴った10篇。出会いから別れまでの一瞬一瞬をやさしく描く傑作短篇集。
  • あなたへの日々
    3.6
    曜子、23歳。スイミングスクールのインストラクター。学生時代からの友人・徹也に求婚されるが、気持ちは固まらない。徹也のことは好きだけど、恋してはいない。そんなとき造形作家・久住のモデルをつとめ、激しく惹かれてゆく。だが彼は女性関係に奔放で束縛を嫌うタイプ――。愛してくれる優しい男と、不安で仕方がないのに愛してしまう男と。ふたりの男の間で揺れ惑う曜子の心模様。
  • 孤独で優しい夜
    3.5
    ずっと好きだった会社の先輩・入江と親友・美帆の結婚披露パーティの後、痛飲する粧子。苦しい思いに区切りをつけ、素知らぬふりで仕事を続けてはいたが、ふとしたことから入江も実は粧子を好きだったと知る。そして間を取り持ったはずの美帆が二人を騙していたことを……。許せない! 粧子にとって、これは「不倫」ではなかった。本来は自分のものであった「愛」を取り返すだけのこと。略奪愛の行方は…。
  • キスよりもせつなく
    3.5
    失恋の痛手もまだ癒えない知可子は27歳のOL。予定のない週末、偶然に会った同僚の有季から彼氏と紹介されたのは、知可子をふった張本人だった。レンタルビデオ店で出くわした男を仮の恋人に仕立てあげ、その場をしのいだ知可子だが、皮肉な恋の運命が回りはじめる…。知可子と、彼女を巡る女たちそれぞれの愛の選択、恋の行方は? 迷い悩みながら、ひたむきに恋する女たちの姿を描く長編。
  • シフォンの風
    3.5
    OL3年目の佐和には会社の同僚である邦夫という恋人がいる。結婚も秒読みの状態だ。しかし、学生時代の恋人に再会し、心がざわめき始める。友人の沙奈江とその不倫相手の上司、邦夫に恋心を抱く後輩の友実子など、金沢を舞台に佐和をめぐってさまざまな人の思いと人生が交錯する。
  • さよならをするために
    3.5
    約束の時間から1時間。彼はきっと来ない、来るわけはない。恋はいつしか壊れていくもの…。終わった恋にエンドマークを打つために勇気をふりしぼって一歩を踏み出した女の子たち。そして、それは新しい恋の始まり…五つの恋が壊れていくありさまを切なく描く恋愛小説集。人は、さよならをするために恋をするの?
  • 鉄道員(ぽっぽや)
    4.1
    娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた……。映画化され大ヒットした表題作「鉄道員」はじめ「ラブ・レター」「角筈にて」「うらぼんえ」「オリヲン座からの招待状」など、珠玉の短篇8作品を収録した傑作集。日本中、150万人を感涙の渦に巻き込んだ空前のベストセラーに、あらたな「あとがき」を加えた。第117回直木賞を受賞。
  • バスジャック
    3.4
    今、「バスジャック」がブームである――。バスジャックが娯楽として認知されて、様式美を備えるようになった不条理な社会を描く表題作。回覧板で知らされた謎の設備「二階扉」を設置しようと奮闘する男を描く「二階扉をつけてください」、大切な存在との別れを抒情豊かに描く「送りの夏」など、著者の才能を証明する七つの物語。この短編集の中に、きっとあなたの人生を変える一編があります。
  • となり町戦争
    3.7
    ある日、突然にとなり町との戦争がはじまった。だが、銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報紙に発表される戦死者数は静かに増え続ける。そんな戦争に現実感を抱けずにいた「僕」に、町役場から一通の任命書が届いた…。見えない戦争を描き、第17回小説すばる新人賞を受賞した傑作。文庫版だけの特別書き下ろしサイドストーリーも収録。
  • 家日和
    3.7
    会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家などなど。日々の暮らしの中、ちょっとした瞬間に、少しだけ心を揺るがす「明るい隙間」を感じた人たちは……。今そこに、あなたのそばにある、現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く傑作短編集。
  • 青のフェルマータ
    3.7
    両親の不和、離婚から言葉を失った里緒は、治療に効果的だというイルカとのふれあいを求めて、オーストラリアの島にやってきた。研究所のイルカの世話を手伝って暮らす彼女に島に住む老チェリストJBが贈る「フェルマータ・イン・ブルー」の曲。美しいその旋律が夜明けの海に響いたとき、海のかなたから野生のイルカが現れて――。心に傷を持つ人々が織りなすイノセントでピュアな愛の物語。
  • ガダラの豚 1
    4.0
    1~3巻440~550円 (税込)
    アフリカの呪術医研究の第一人者、大生部多一郎は、テレビの人気タレント教授。超能力ブームで彼の著者「呪術パワーで殺す!」はベストセラーになった。しかし、妻の逸美は8年前の娘・志織のアフリカでの気球事故での死以来、神経を病んでいた。そして奇跡が売り物の新興宗教にのめりこんでしまった。逸美の奪還をすべく、大生部は奇術師ミラクルと組んで動き出す。
  • 天帝妖狐
    4.1
    とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。
  • 夏と花火と私の死体
    3.8
    九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく――。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄弟の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか? 死体をどこへ隠せばいいのか? 恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作品。
  • 「須磨明石」殺人事件
    3.7
    大阪の新聞社に勤める新人記者・前田淳子が失踪した。依頼を受け、神戸に飛んだ浅見光彦は、淳子と最後に会った女子大の後輩・崎上由香里と捜索を始める。明石原人について取材中だった淳子は、当日二人連れの男を気にしていたという。足取りを追う浅見が発見したのは!? 源氏物語の舞台となった風光明媚の地を血に染める悲劇。連続殺人の謎に浅見光彦が迫る!

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  • プティまり文庫 Thank you!
    -
    1巻440円 (税込)
    突風の中をスカートで歩いていたことがきっかけで出会ってしまった男に、パンツをプレゼントされた優亜。彼は有名ブランドブティックの副社長だった!! しかし貰ったはいいが、タダで受け取るわけにいかないと思った優亜は、副社長の要《かなめ》に何かお礼がしたいと申し出た。すると、自分の誕生日パーティーに来てくれと言われ、プレゼントはピアノを弾く事でいいと……優亜もようやくお礼を見つけて喜んだのだが……

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  • 24・7(トウェンティフォー・セブン)
    3.5
    1巻440円 (税込)
    「大人のsophisticationは、子供のunderstandingに負けたのだ」〈ピンプオイル〉。「性愛の技巧は、常に、情熱に比例する」〈24・7〉。「手の用途は包み込むことである。そして、その効用は、感じさせることである」〈口と手〉。大人だけに許される不慮の事故という名の恋。感覚が理性を裏切る9つの濃密な愛のアクシデントを描いた傑作小説集。
  • ふくおか今昔異聞集
    -
    1巻440円 (税込)
    地域発ブログ文芸サイト「マチともの語り」からの生まれた、広島在住の作家、北森みおさんの福岡を舞台にした四つの掌編作品集。「人魚の海」は、江戸時代、玄界島の若い漁師と玄界灘伝説の人魚の物語。「天神とたぬきと三つの月」は、十二歳の女の子と福岡市の三日月山のたぬきのファンタジー。「紫川白蛇譚」は、江戸時代、紫川(北九州市)の白蛇伝説をもとにした男女の幻想的純愛的物語。「怪談スィートキャンディー」は、現代のちょっと怖いお話し。九州電書コレクションのお勧め作品。
  • 遅れて来たメッセンジャー
    -
    1巻440円 (税込)
    すばる文学賞受賞作家、楠見朋彦氏がブログ連載に挑戦したオリジナル短編作品。切手の交換サイトを運営するぼくのもとに、ある日、不思議なメールが届いた。差出人は「わたし」。どうやら十年以上も前に文通していた、切手愛好家の年上の女性らしい。外国へ行くと聞いてから、ずっと音信不通だったのに。どこか謎かけのような口ぶりのメールに、三十を過ぎたぼくは、十代のころの忘れかけていた日々を徐々に思い出す。やがて「あの場所」に呼び出され、ためらいつつも出かけて行くのだが、二人の間、そして過ぎた歳月の中間には、阪神・淡路大震災の失われた記憶がクレヴァスのように口をあけていた……。
  • ある日、パースで
    5.0
    バックパッカーとワーホリで有名になってしまった、美しい自然を持つ西オーストラリアの州都パース。だが、そんな街にも密やかに大人の世界が存在する。彼らはもはや若いとは言えないが、「若い」だけが人生ではないということを知っている。パースの太陽を楽しみながら、日が落ちたあとの愉しみも熟知している。そんな彼らが集まる数々の場所を背景に、とびきりいい女たちと「僕」の関係は洒落た会話をともなって始まり、そして終わる。極上の酒をショットグラスであおるような、粋な大人のショートストーリー八話。
  • 青い国から来た殺人者
    -
    東京、大阪、そして京都。三都で起きた連続殺人事件の現場には、同じ筆跡のカードが遺されていた。殺された3人を結ぶ接点は何か? 青い海と空、そして緑の山に恵まれた四国を舞台に、十津川(とつがわ)の必死の捜査が始まった。愛と友情と裏切りをテーマに、巨匠が描くトラベル・ミステリーの傑作。第8回日本ミステリー文学大賞受賞記念特別書下ろし作品!

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  • 殺しはレールに乗って
    -
    1巻440円 (税込)
    幽霊が電車ファンの少年を突き落とした!孤独な運転手が女の部屋で殺された!列車のトイレで女が死んだ!夫婦喧嘩の末、女房が首吊り自殺した!……一見てんでばらばらな事件を結ぶレールの終着駅は、果たしてどこに?北は函館から南は長崎まで、日本に残る路面電車の町から町を仮面の殺人者が行く。あの手この手の長編旅行ミステリー!

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  • 夜を往く者たち
    -
    1巻440円 (税込)
    同時に失踪した父子を見つけてほしい、というやっかいな依頼が秋津慎平のもとへ持ちこまれた。父の名は野中謙一郎、息子の名前は健太郎。経済的にも問題はなく、学業優秀な健太郎との親子仲の良さは、近所でも評判だという。聞き込みを開始した秋津だったが、やがて健太郎の意外な一面を知ることになった!!「探偵・秋津慎平シリーズ」。

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  • 国境の南
    5.0
    1巻440円 (税込)
    来日中のアメリカ副大統領が日本人夫婦を射殺し、その住居に立てこもった。前代未聞の事態に苦慮した日本政府は、その「現場」をアメリカ領土にすべく、「アメリカ大使館別館」を作ってしまう。日本なのに、パスポートが必要な生活に戸惑う近隣住民。そんななか、大使館別館に隣接するアパートの住人、緑川母娘の部屋にやってきたのは…!?

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  • 棟居刑事の悪の器
    4.0
    1巻440円 (税込)
    アパートの一室で若い女性の絞殺死体が発見された。一方、新興宗教の元本部跡にも同様の手口で殺害された女性の死体が……。同じ日、ふたつの現場の中間地点で轢き逃げ事件が起こっていた。三点を繋ぐ見えない糸を必死に追う捜査陣。棟居刑事の推理が冴える!

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