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年に1度、春の川辺にやってくる緑の髪の女の人。真夜中にだけ開館する秘密の図書館。鬼子母神伝説がささやかれる、ザクロの木のある保育園。父さんが聞かせてくれた昔話はどれも不思議であったかく、そして秘密の匂いがした。小さな奇跡でつながっている家族たち。産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。
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Posted by ブクログ
とっても素敵な短編集。今回はお父さんが主人公。柏葉さんは児童文学の名手であるけれど大人が読んでも十分楽しめる。むしろ物語にこめられた教訓は大人のほうが気づくかも。
井辻朱美さんの解説の言葉を借りると「ふだん子供にとって、ややとっつきにくい感のある、中年の『お父さん』」がテーマの短編集です。何というか、じわーっと泣けてきます。どの物語も、どこか「ツボ」にくるポイントがあって、数ページ読み終わった後には不思議な満足感を感じました。 読み始めて「これはイマイチか...続きを読むな」と思った「鏡よ、鏡……」も、なんとお父さんは町の毛糸屋さんで、店員(こちらも年配の男性)と共に編み物の名手というじゃないですか。……ツボった。 疲れて、重い本(内容的にもグラム的にも)を読めない時などには、ぜひこの本をどうぞ。
短編集だけれど、柏葉さんの世界がこれでもかというほど詰まっている!柏葉さんの、知識の深さ、読書量の多さを改めて感じてしまった作品でした。どこにでも転がっているけれど、なかなか拾うところまでいかない身近なファンタジーたち。
父、語る。いいねえ。ほんわか家族ものだけど、ちょっとどっきりしたりしんみりしたり、素敵なおはなしがいっぱい。私としてはザクロの木の話とか、着付けの話とか、好きだなあ。泣きたくなるほど大切な気持ちとか。この日のために、ってゆー親子の心意気がなんかもう、いいなあ、って感じ。柏葉さん、好きだ〜!あ、でも正...続きを読む直表紙は前の方が好きかな。
昔、大好きでよく読んでいた柏葉さん。大人になって、改めて読んでみて、やっぱりこの人の描くファンタジーとリアルのちょうど良い混ざり具合が好きだなと改めて思いました。どの短編も楽しめました。
不思議だけれどちょっとリアルさもあるお話が詰まった短編集。かなり読みやすくてさくさく読めた。 ほんわかする家族のお話もあり、ドキッとするような展開のお話もありで読んでいて飽きが来ない一冊だった。
あまんきみこさんのような 、でもちょっと捻った童話のような、クスッとホワッとオワッとする短編ファンタジーがとても上手い柏葉幸子さん。不思議な家族のお話。
9つの短編集。本の裏表紙の解説にあるように、どの話も「不思議であったかく秘密の匂い」がする。 私は壮大な国つくりの類いのファンタジーが苦手だ。読んでいる時は、ハラハラドキドキして面白いと感じるが、読後に反芻して楽しむ事が少ないからだ。 これらの小編はファンタジーの括りとしても差支えないと思うが、...続きを読むこの人とこの人はどんな関係だっけ?と迷うこともなく、もちろん手に汗を握ることもない。家族の短いお話なにで、当たり前ですが。子どもの頃、自分の周りにもあったことなのに大人になって忘れてしまったことかもしれないと思わせる現実味がある。 私は、「木積み村」「ザクロの木の下で」「『信用堂』の信用」が好きです。表紙絵も好きです。 三省堂中学1年生の国語科教科書で紹介されている。
どこにでもいるようなお父さんが語る、昔話のような不思議な話。 短編集なのですが、どの話も暖かい日だまりのよう。 物語を語り聞かせるお父さん達が、何とも言えず魅力的で良いですね。
大人が読んでも心が「ほっこり」しそうだし,少しものがわかるようになった小学生ぐらいの子供に読んで聞かせてあげるにもいい感じの童話集に仕上がっている。 連作かと思っていたが,それぞれは独立したお話。でも,まぁそれもあっさりしていて,かえって童話らしいのかもしれない。最近はちょっと人気が出るとすぐに...続きを読むシリーズものや連作化してしまう傾向が強いように感じるので,さまざまな短編を単発に読むという習慣ももう少し見直されていいように思う。そういうただ一遍の小説にも,大人になるまでどこか心に残るものや,独特な読後感を持つものなどがあるものだ。また,一度受けた設定に依拠して話を展開するよりも,個人的には,その方が作家のストーリーメーカーとしての手腕がより厳しく試されるもののような気もする。 昔,新実南吉の童話が好きだったが,それに近い肌触りを持ちながらも,平成の今の時代に不自然さなく収まっているそういうところがとても微妙な読後感をもたらしてくれる。 半日で読める程度のお手軽なボリュームも気安く手にとれる。 そういう傾向のお話が好きな向きには,なかなかお勧めの一作。
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