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二日月
幼年童話からYAまで幅広い対象年齢に向て児童書を執筆し、野間児童文芸賞、河合隼雄物語賞、坪田譲治文学賞、日本児童文学者協会賞など数々の受賞歴がある、いとうみく。 本作では、妹の誕生を待ち望んでいた小学生の杏(あん)が、障がいをもって生まれた妹の芽生(めい)を次第に受け入れていく成長の過程が瑞々しく描かれる。妹のことを他人から「かわいそう」と言われたり、からかれたりすることで怒りを感じる一方、姉の自分こそが妹のことを「恥ずかしい」と思っていたと自覚する……。少女の心模様と、妹の存在を正面から受け止める凜とした母の姿が、ふたつの柱となって読む者を引き込んでいく。 本作『二日月』は、夏の読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれたが、このたびの文庫化にあたり、小学生だった杏が成人し、結婚・出産を経て家庭をもった姿が描かれる『月立つ』を書きおろし。杏と芽生のその後が描かれる決定版。 文庫版解説は、『二日月』を舞台化した笹部博司氏(脚本家・演出家)。 -
仏日対訳 ギドとジネヴラまたはフィレンツェのペスト
グランド・オペラの真髄、伝説の衝撃作が188年の時を経て蘇る。 劇作の天才ウジェーヌ・スクリーブと、作曲家フロマンタル・アレヴィ。19世紀パリを震撼させた五幕の超大作『ギドとジネヴラ』が、ついに仏日対訳で登場。 16世紀フィレンツェ、突如襲いかかるペストの恐怖。愛するギドを遺して「死」を宣告されたジネヴラが、墓地の中で目覚める衝撃の仮死シーン。そして、メディチ家を舞台にした愛と絶望の交錯。 単なる復刊ではありません。当時の熱狂を詳細な解題とともに紐解き、オペラ史から忘れ去られていた「劇作術の極致」を現代に蘇らせる一冊です。 【English】 A Lost Grand Opera Masterpiece, Now Reborn in a Bilingual Edition. From the legendary duo behind "La Juive" — librettist Eugène Scribe and composer Fromental Halévy — comes the monumental five-act opera "Guido et Ginevra." For the first time, this haunting tale is available in a French-Japanese bilingual edition. Set against the dark backdrop of 16th-century Florence during a plague outbreak, this work features one of the most chilling scenes in operatic history: Ginevra's awakening in a tomb after being mistakenly declared dead. This volume offers more than just a libretto; it provides deep scholarly insight into the "dramatic revolution" of the 19th-century Paris Opéra. A vital restoration of a work that once captivated Europe, now ready to enchant a new generation of readers. 【Français】 Le retour d'un joyau oublié du Grand Opéra à l'Opéra de Paris. Découvrez « Guido et Ginevra », l'œuvre magistrale en cinq actes née de la collaboration entre Eugène Scribe et Fromental Halévy, les créateurs de « La Juive ». Cette édition bilingue franco-japonaise redonne vie à un drame qui a marqué le XIXe siècle. Dans la Florence du XVIe siècle, entre l'éclat des Médicis et l'ombre de la peste, suivez le destin tragique de Ginevra, déclarée morte et s'éveillant dans l'obscurité d'un tombeau. Une scène de léthargie devenue légendaire pour son intensité dramatique. Enrichi de commentaires approfondis, cet ouvrage rend hommage au génie de Scribe et à sa « révolution dramaturgique ». Une pièce essentielle pour redécouvrir la splendeur et l'audace de l'opéra romantique français. -
仏日対訳 白衣の婦人
19世紀フランス・オペラの頂点、ついに新訳で登場。 ウジェーヌ・スクリーブとボワエルデューによる傑作オペラ・コミック『白衣の婦人』の仏日対訳。本作は、ウォルター・スコットの歴史小説『修道院』と『ガイ・マナリング』を見事に融合させ、霧深いスコットランドの古城を舞台にしたミステリアスな物語です。 正体不明の幽霊「白衣の婦人」の伝説、没落した名家の世継ぎを巡る陰謀、そしてオペラ史上稀に見る「城の競売」シーンの緊迫感。ジャン=クロード・ヨン氏が「劇作術の革命」と評したスクリーブの卓越した構成を、詳細な解題とともに再現します。 【English】 A Masterpiece of 19th-Century French Opera Comique, Now in a New Bilingual Edition. This French-Japanese bilingual edition presents "La Dame Blanche," the crowning achievement of librettist Eugène Scribe and composer François-Adrien Boieldieu. Based on Sir Walter Scott's "The Monastery" and "Guy Mannering," this work weaves a ghostly tale set in a mist-shrouded Scottish castle. Experience the legend of the "White Lady," the mystery of a lost heir, and the thrilling auction scene—a rarity in operatic history. Featuring extensive commentary on the literary connections and Scribe's dramatic genius as praised by scholar Jean-Claude Yon, this volume is an essential addition to any opera lover's library. 【Français】 Le chef-d'œuvre de l'Opéra-Comique du XIXe siècle, enfin disponible en édition bilingue. Découvrez « La Dame Blanche », fruit de la collaboration entre le célèbre librettiste Eugène Scribe et le compositeur François-Adrien Boieldieu. S'inspirant des romans de Walter Scott, « Le Monastère » et « Guy Mannering », cette œuvre transporte le lecteur dans l'atmosphère mystérieuse de l'Écosse. Entre la légende de la Dame blanche, les secrets de la famille d'Avenel et la scène spectaculaire de l'enchère, ce livret incarne la « révolution dramaturgique » saluée par Jean-Claude Yon. Cette édition bilingue franco-japonaise, enrichie de commentaires approfondis, rend hommage au génie de Scribe. -
不貞な貞女
加奈子が地方の素封家に縁づいて、もう5年。夫・浩介は、長い病床にふせったままだ。看病に明け暮れる加奈子も、いつか貞女の幻を心にえがいていた。が、そんな妻に、夫は画廊勤めを勧める。《きみのからだの外のにおいが、僕には爽かな刺激になる……》ーー勤めに出た加奈子は、青年建築家・植木との恋におちた。女心の飢えをみたす、背徳の愛に、加奈子はおののく。が、夫はすべてを知っていたのだ。やがて、臨終の枕もとに妻をよんで、心の葛藤を告げる浩介。美貌の妻に、くらい喪の季節が訪れた……。という表題作など、全10編。 -
不適切にもほどがある!
主演・阿部サダヲ×脚本・宮藤官九郎!! 話題の“意識低い系タイムスリップコメディ”のシナリオを完全収録! 主人公・小川市郎は、ひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップしてしまう。 コンプライアンス意識の低い“昭和のおじさん”の市郎からは、令和ではギリギリ“不適切”発言が飛び出す。 しかし、そんな市郎の極論が、コンプラで縛られた令和の人々に考えるキッカケを与えていくことに。 昭和から令和へ、時代は変わっても、親が子を想う気持ち、子が親を疎ましく想う気持ち、誰かを愛する気持ちという変わらないものもある。 妻を亡くした市郎とその一人娘、そしてタイムスリップしたことで出会う人々との絆を描くヒューマンコメディでもある。 時代とともに変わっていいこと、変えずに守るべきことを見つめ直す、宮藤官九郎脚本のオリジナルドラマ。 <収録内容> ・第1話、第2話、第3話、第4話、第5話、第6話、第7話、第8話、第9話、第10話シナリオ完全オリジナル版 <特典> ・まえがき 宮藤官九郎 ・キャストアンケート ・あとがき 磯山晶(プロデューサー) -
フテンマ戦記 基地返還が迷走し続ける本当の理由
いったいどこに、誰に責任はあるのか? 返還合意から24年、普天間基地問題はなぜ迷走し続けるのか? 歴代政権の間近で混迷を見続けた軍事アナリストがその原因を指摘。 【目次】 はじめに なぜ普天間返還は進まないのか? 序章 チャンスは4回あった 第1章 迷走への序曲 自民党本部1996 第2章 小渕官邸1998~2000 第3章 小泉・安倍・福田・麻生官邸2001~2009 第4章 鳩山官邸2009~2010「トラスト・ミー」の陰で 第5章 沖縄クエスチョン1999~2011 第6章 鳩山だけが普天間を迷走させたのか? 2010~2019 あとがき 信頼を回復する道 -
筆と槍 天下を見届けた男
情報を制した者は、天下を制す。反りの合わない若き主君・三好義継の奸計によって信長の逆鱗に触れた「槍使い」の和久又兵衛は、すんでのところで秀吉に命を救われる。三好家を見限った又兵衛は、逆に三好家調略の功を立て、取次・交渉を担う「右筆」の和久宗是として信長の配下で働くことに。戦場で槍を振るう悦びに焦がれながら、日々筆を執り、天下人の政務を支える宗是の主君は、やがて信長から秀吉へ移る。そして現れる奥羽の雄・伊達政宗――。信長から秀吉、そして家康の世に至る、血生臭くも華々しい戦国を、信長・秀吉・政宗という3人の英傑のもとで生き抜いた「交渉人」の視点で描き切った大河長編。 -
不等辺五角形
避暑地の別荘で、事件は起こった。三十歳を間近に控え、久しぶりに顔を揃えた五人の男女。インターナショナルスクールで出会って以来二十年以上の付き合いになる重成、聡也、梨愛、夏澄、雛乃は、海外赴任が決まった重成の送別も兼ねて、葉山にある聡也の別荘で旧交を温めていた。ところが深夜、雛乃が頭から血を流した状態で死体となって発見される。続けて梨愛が「私が殺したの」と告げ、警察に連行されてしまう。五人の関係は、一夜にしてひとりが被害者に、ひとりが被疑者になる悲劇へ転じた。幼馴染みの面会も拒否し、殺害の動機を語ろうとしない被疑者。弁護士は、残された関係者三人の証言をあつめる。しかし、同じ出来事を語っていても、当事者たちの思惑は三者三様に異なり、証言を重ねるごとに人物像と関係性はめまぐるしく変貌していく。果たして五人の間には何があったのか。あの夜、なぜ事件は起きたのか。関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇の結末は――。 -
蒲団・少女病
「蒲団」私小説の草分けとなった作品。妻子ある30代後半の文学者、竹中時雄。若くて美しい横山芳子という弟子を下宿させ、恋をしてしまう。しかし芳子に恋人ができると時雄は横恋慕し、別れさせるために故郷に帰してしまう。芳子が出て行った部屋で蒲団やら寝間着の彼女の匂いを嗅いで涙する。性欲と悲哀と絶望。「少女病」杉田古城は37歳の妻子ある会社員。元は文学者で大きな体と醜い容姿からは想像もできない繊細で美しい少女小説を書いていた。今は通勤電車や道で見掛ける女の子を観察しては空想に耽るのが至高の楽しみの毎日。ある日、すばらしく美しい少女に見とれてしまい満員電車から転落し事故死してしまう。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
不動産奇譚 神憑み之函
ウチに遊びに来ませんか? 友人の茅ヶ崎恵は不動産屋で働いている。 わたしは彼女に誘われるまま、不穏な家へ立ち入ることとなる。 住人が消えた貸家と、空っぽの家のぬいぐるみ。窓が塞がれた家に偽者の両親。箱が詰まった家と金盃。 不可思議な家には不可思議なモノが残されていて──。 そして、まるで同調するように恵は「家」に不可思議なものを集め始める。 カクヨム発、京女ふたりが巡る家系ホラー。 「こわいことは、なにも、おこりません」 ●目次 第一話 貸家 第二話 水たまり 第三話 猿の手 第四話 二〇一号室 第五話 時計部屋 第六話 袋小路の家 第七話 形見分け 第八話 歯の小指 幕間 キャンプ場 第九話 壁の中 第十話 右袖 第十一話 箱屋敷 第十二話 途切れた橋 第十三話 神さまの音 第十四話 拾い神 最終話 彼女の家 ●著者 藍内 友紀(あいうち ゆき) 2012 年にササクラ名義で、講談社主催の第五回BOX-AiR 新人賞を受賞し『緋色のスプーク』にてデビュー。 2017年の第五回ハヤカワSFコンテストにて、藍内友紀の名義で「スターダスト・レイン」を応募。同作が最終候 補作となり、改題し『星を墜とすボクに降る、ましろの雨』としてハヤカワ文庫JA から刊行。 著書に『アジュアの死神』(講談社)、『芥子はミツバチを抱き』(KADOKAWA)、『天使と石ころ』(早川書房)がある。 -
不動産男子のワケあり物件
「不動産屋を見たら、まずは詐欺師だと疑え」 俺はそう断言できる。ウチの社長は平気で客を事故物件とか悪条件の部屋にぶち込もうとする。でも、本当に幸せになれる物件を宛てがうことが俺たちの仕事じゃないのか? お客さんが本当に満足できる物件がほかにもあったかもしれないのに、不動産屋の都合で部屋を押しつけるなんて……。 そんな想いを抱えるものの、自分も身元を偽って面接を受けた研修中の身。就職活動がうまく行かなかったとはいえ、本当にこんな不動産屋に就職して良いのだろうか? 物件探しにも役立つ、不動産業界の裏を描いた青春物語。 -
風土記 日本人の感覚を読む
七一三年の官命によって編纂された「風土記」。全国各地の産物や土地、神話などを記す古代の貴重な資料である。その地誌としての性格をふまえ「風土記」を読み解けば、日本人に通底する心のありようが見えてくる。 【目次】 はじめに 第一章 「風土記」とはなにか 第二章 「風土記」の時間 序 説 第一節 「風土記」の時間認識 ―「古」「昔」「今」― 第二節 神の歴史 ―オオナムチ神話の国作り― 第三節 天皇の歴史 ―風土記巡行伝説― 第四節 祖先の歴史 ―「祖」「初祖」「遠祖」「始祖」「上祖」の世界― 第三章 「風土記」の空間 序 説 第一節 神話の空間認識 第二節 里長の役割と「里の伝承」 第三節 巡行伝承の空間的再配置 第四章 「風土記」からみた日本文化 序 説 第一節 松になった男女の「罪」と「恥」 第二節 天女の追放 終章 「風土記史観」でみた古代の日本 おわりに 引用文献および参考文献 -
ふなっしー探偵
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ふなっしーは、じつは探偵だった!連続ばくだんまから、みんなを守れ! 東京で「じごくのスノーマン」というはん人による、連続ばくはつじけんが発生。 ちょうさをたん当するけいじ・平塚平助のあいぼうは、なんとふなっしー! 梨のようせい・ふなっしーは、「探偵」という別の顔を持っていたのだ。 ご当地キャラたちで結成しているFNS(ふなっしーネットワークシステム)のおうえんを受けたふなっしーと平助は、ぶじにじけんをかいけつできるのか!? フジテレビで放送されたドラマ「ふなっしー探偵」が なぞときあんごうがいっぱいの本になりました。 -
船泊まりまで
妻の狂気とともに生きる男の愛と漂泊の日々 システムエンジニアの俊一、妻・冴子は、世間や周囲に対し、常に一定の距離を取り、決してうち解けることがない。しかし、それぞれを縁(よすが)とすることで、静かな日々を送っていた。俊一は、前妻とのあいだに子をもうけることができず離別したが、ひとり暮らしのアパートの隣に住む女・冴子の泣き声を毎夜聞き続けるうちに、関係を持ち、世帯を構えていた。 そんなふたりに、彼女の妹夫婦から代理母になってくれないか、との相談が持ち込まれる。その選択を受け入れた冴子だったが、やがて、お腹が大きくなるうちに彼女の中で変調が起こり始める――。 -
舟姫潮姫
関ヶ原の戦いの直前、瀬戸内海の島々を舞台に、美貌の姫たち、歌舞伎踊の名手、海賊船、美貌と剣の兄弟たちが繰り広げる、ソロモンの財宝の在処が古代文字で書かれた舟姫呪文の秘文書を巡る、愛と欲の伝奇物語。伝奇小説の第一人者が描く、妖異怪奇の異色譚。 -
腐肉漁り
【目次】 まえがき 第一章 獲物 第二章 罠は巧妙に 第三章 アンジェス印の財布 第四章 驕り 第五章 終演 エピローグ あとがき ■まえがき 人間は生まれながらにして悪ではない。人間の本質は善良にできているものだ。ただ大人になる途中で悪いことを覚えるだけなのだと、言う。 しかし、いや人間も元々はただの動物だ。だから、どうやればうまく生きてゆけるか、無事に過ごせるか、永遠に種を継続できるか。それを本能的に考え、うまく生き延びなければ人類はとうに滅びている。そのためには敵を先に倒さなければならない。 倒すためには何でもする。もちろん殺しもする。それが出来なければ自分がやられるからだ。そうも言っている。 私には、どちらが正しいか悪いか、そんなことは関係ない。判ることは、自分以外のものを競争相手と見なすかどうか。生きるってことは生存競争だ。それなら相手を倒さないとこちらが殺される、死ななければならん。だったら、相手をやっつけるしかない。 ── 一部抜粋 -
腐肉の処方箋
欲望が医療を破壊……その医者は信じられるのか? 医科大学入学をめぐり狂奔する人々。その最中、私立M医科大学の理事長が刺殺体として発見される。それは欲望が露出した氷山の一角だった。病院長夫人の行方不明、40年前の国立O大学入試問題漏洩事件…。11年前に死亡した恋人の死の真相を追う古閑も事件の渦中に巻き込まれていく。 複雑に絡む事件を解くカギは、一人の老人の副作用死だった。人の命を担うべき医師を育てる医科大学で何が起こったのか…? 美貌の副作用解析医・古閑志保梨が活躍するシリーズ第5弾にして完結編が登場! 現役医師が描き出す、本格医療サスペンス小説。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。 -
船に乗れ!
本屋大賞候補の音楽小説三部作、新装文庫版を電子化! 新生学園大学音楽科の創設者を祖父に持つ津島サトルは、プロのチェリストを目指し、一家の敷いたレールに乗っていたはずだった。しかし芸高に落ち、失意のまま新生学園大学付属高校に入学する。 サトルはそこで一流の音楽を奏でるため奮闘する同級生たちに出会う。フルートを奏でる美少年・伊藤慧とポニーテールの鮎川千佳。そして、見たこともない澄みきった目をしたヴァイオリン奏者、南枝里子。オーケストラの想像以上に過酷な練習は、彼らを戸惑わせる。夏休みのオーケストラ合宿、文化祭、南とピアノの北島先生とのトリオ結成と、一年は慌ただしく過ぎていくが……。 本屋大賞ノミネートの傑作青春音楽小説3部作が、人気漫画家・穂積さんの描き下ろしカバーイラストで新装文庫化!! -
踏切を渡ってコロッケ
彼女と同居するため、主人公が「2000冊の蔵書を全て売却する」という行為は、誰かと一緒に住むという真実を顕にする。 この物語の主人公は、京都で働く女性と結婚し、しかしそのまま京都と東京で別々に暮らしていました。そして1年を経て上京し東京で働く彼女と同居することになります。結婚し、同居するという行為にまつわる事の全てが、ここにあると言っても過言ではないくらい、主人公が決断する「2000冊の蔵書を全て売却する」という行為は象徴的に、誰かと一緒に住む、という事の真実を顕にします。最終的に二人が決める新居は、彼が本を売らなければ見つからなかった場所です。ということは、やはり増え過ぎた本は売るのが正解なのでしょう。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。 -
踏み憑き 現代怪談アンソロジー
その場所はレッドカード! 報い、災い、祟り、呪い… タブーを踏み越えた者に起きた酸鼻きわまる体験談を10名の怪談作家が記録 越えてはいけない境界線、アンタッチャブル怪談集 禁忌──踏み込んではいけないとわかっているのに踏み込んだ時、封じられた怪異が目を覚まし惨劇の幕が音もなく上がる。 ・過酷な移民労働者の呪詛「ハワイの犬神」(田辺青蛙) ・古物商が踏み込んだ恐ろしい場所とは「別棟」(神沼三平太) ・事故現場で大騒ぎした若者たちを襲う惨劇「そしてひとり」(西浦和也) ・孤独な叔母の世話をしに来た男性が遭遇した恐怖「ミツコさんの目玉」(川奈まり 子) ・トラックドライバーの父に降りかかった怪「ヒッチハイク」(丸山政也) ――ほか、牛抱せん夏、クダマツヒロシ、筆者、沫、司翠々稟など10名のベテラン&新進気鋭たちの最恐怪談を収録。 -
フュージョン・詩&俳句集 -訣れのPoetry-
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 処女詩集『流れゆく雲に想いを描いて』を出版してから、いたずらに時を過ごしているうちに、早くも二年という歳月が過ぎ去りました。その当時にも思いましたが、詩集など編んで出版するほどの思想も、詩想もなく、ただ漫然と心に浮かぶ泡沫(うたかた)の思いを書き綴り、こうして上梓するのは罪つくりではないかという疑念がいまだに消えません。 ただ、前回と違うのは、世に対する私の「憤り」の振動幅が増大し、率直にそれを表現しようとしたことで、詩というよりはエッセイ風のものが数点あります。さらに、この詩集は私の「訣れの言葉」集であるので、「死」をイメージした詩がふんだんにあります。また、悩みや痛みの詩なども数多くあるので、それと対照させるために、恋歌や童謡のような調子の詩も散りばめてみました。 今回は、ひとつの試みを為しました。おそらく過去の詩人や俳人が誰もしていないだろうとの思いから、詩と俳句をフュージョンしてみたのです。これは、New Haiku: Fusion of Poetryと同じ発想から来たもので、一つのテーマを詩と俳句で表現したことです。 New俳句などと銘打って季語などを無視して作ってみても、5・7・5とたったの17語で作らなければならないという約束事があるために、当時かなり悪戦苦闘したことを思い出します。 最初、この『詩&俳句集』を作る際に、「65歳以下の者は読むべからず」という注意書きを付けていました。それは、「未成年の者は読むべからず」という青少年を悪書から守るためのようなものではなく、未成熟者からこの『詩&俳句集』を守るための策でした。これを外してしまったからには、内堀も埋められた大阪城の淀君や秀頼、さらには真田幸村の心境ですが、この『詩&俳句集』の内容や試みの成否は、あらゆる年代の読者の判断に委ねる事とし、ここに筆を置くものです。 -
冬
文具会社で働く24歳の井久田菜摘は仕事もプライベートも充実せず、無気力になっていた。ある夜、ひとり会社で残業をしていると火事に巻き込まれ、意識を失ってしまう。はっと気づくと篤生と名乗る謎の男が立っており、「この冬、君は死ぬ」と告げられて――。ラストのどんでん返しに、衝撃と驚愕が待ち受ける! -
ふゆイチ 文庫七福神(ふゆイチGuide2016-2017小冊子電子版)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【無料小冊子】集英社文庫編集部に宿る文庫を知りつくした七人の福の神。歴史の恵比寿天、感動の布袋尊、エンタメの福禄寿、恋愛の弁財天、サスペンスの寿老人、旅の大黒天、冒険の毘沙門天。彼らが全霊でオススメするNo.1お宝本を読めば運が開くかも!! そしてもう一人の神「読み逃しご用心さま」が話題のNo.1本をご紹介。読み逃しにはくれぐれもご用心を……! -
冬華と千夏
AIセックス・アンドロイドが日本を席巻!! その果てにあるのは…… 快楽か嫉妬か絶望か!? 怒濤の近未来セクシャル・サスペンス! ろくでもない世界で アンドロイドの夢を見る 貧困に喘ぐ近未来日本。この荒れ果てた地で、 世界最新鋭AIセックス・アンドロイドがデビュー。 人々は究極の快楽に群がり、翻弄される。 仕掛け人は若き女性社長・冬華。 彼女は姉・千夏の元恋人である清春をビジネスに誘う。 テロや暴動に巻き込まれながら、 セックス・アンドロイドが切り拓く未来を探るが……。 衝撃のラストにあなたは耐えられるか!? (『ジェラシー』改題) 解説/末國善己 【目次】 プロローグ 第一章 開戦前夜 第二章 女の敵 第三章 天使のはらわた 第四章 雨よやさしく 第五章 宿命の色 第六章 命知らず 第七章 涙の行方 第八章 ふたりの果て エピローグ 解説 末國善己 -
冬かもめ心中
四年前、旭川市で起きた二千万円の詐取事件。犯人の平野精一は六歳歳上の愛人・柚木千恵子と共に逃走、そのまま蒸発した。この事件が引き金となり愛する娘の命を失った刑事・大杉善四郎は、警察を辞めた後も、事件関係者である二人の行方を執念深く追い続けていた。やがて彼の元に「身元不明の心中死体が見つかった」と連絡が入る。女は千恵子らしいのだが、男は全くの別人。さらに死因が「衰弱による自然死」だという。凍てついた海峡の町に起きた奇妙な心中事件。謎を追う大杉が葛藤の末、辿り着いたものは……。 北海道、青森を舞台に繰り広げられる長篇サスペンス。1986年には「木曜ゴールデン劇場」(日本テレビ系列)にてTVドラマ化(監督:降旗康男/出演:いしだあゆみ、三浦友和、池部良)された。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。 -
冬と瓦礫
1995年1月17日未明、阪神・淡路大震災が発生した。 神戸市内の高校から都内の大学に進学し、東京で働いていた青年は、早朝の電話に愕然とする。 かけてきたのは高校時代の友人で、故郷が巨大地震に見舞われたという。 慌ててテレビをつけると、画面には信じられない光景が映し出されていた。 被災地となった地元には、高齢の祖父母を含む家族や友人が住んでいる。 彼は、故郷・神戸に向かうことを決意した。 鉄道は途中までしか通じておらず、最後は水や食料を背負って十数キロを歩くことになる。 山本周五郎賞を受賞した作家が自らの体験をもとに、震災から30年を経て発表する初の現代小説。 -
冬に子供が生まれる
著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作! その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。 現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。 彼が目にしたのはこんな一文だった。 今年の冬、彼女はおまえの子供を産む これは未来の予言。 起こりうるはずのない未来の予言。 だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。 これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。 そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。 丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。 三十年前にかわした密かな約束、 二十年前に山道で起きた事故、 不可解な最期を遂げた旧友…… 平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。 『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作! -
冬に咲く花のように生きたあなた
「明日死んでもいいくらい、後悔のない人生を送りたい」。 幼い頃から難病を抱え、限りある日々を大切に生きる会社員・赤月よすが。 「明日死んでもいいくらい、人生が楽しくない」。 いじめから逃れるために親友を裏切り、絶望の日々を過ごす中学生の少女・戸張柊子。 正反対の道を歩む2人は、ある事故をきっかけにお互いの心が入れ替わってしまう。 死にたがりの少女との出会いに運命を感じたよすがは、過去に自分が描いた一枚の絵が問題解決の鍵だと気づくが……。 「私が消えてしまう前に、私自身の希望を誰かに託したかったんだーー」 10万部突破『この空の上で、いつまでも君を待っている』の著者がどうしても書きたかった感動作! -
冬に散る華
侍のごとき刑事あり――激動の明治時代、港町を脅かす大事件に挑む!明治24年10月、函館水上警察署の五条文也警部は、人々の注目を集める見慣れぬ毛皮のコート姿の美貌の女に目を奪われた。函館に生まれながらロシア人の養女になったという彼女の切ない過去を描く「ウラジオストクから来た女」、英露両国の対立が一触即発の状態にまで発展する函館港の危機「聖アンドレイ十字 招かれざる旗」などの4編に加え、文庫オリジナル短編「嵐と霧のラッコ島」を収録。フェンシングの名手五条を筆頭に、函館の平穏を守るべく、日夜街を奔走する刑事たちを活写する、明治警察物語。(単行本版タイトル『ウラジオストクから来た女』を改題・文庫化したものを電子書籍化しました) -
冬の運動会
北沢家は元連隊長の厳格な祖父・健吉、商事会社の部長・遼介、賢夫人タイプの母・あや子、長男の菊男、長女の大学生・直子の5人家族。菊男は高校時代に犯した万引き事件を引きずっており、25歳の今も就職もせずにフラフラしていた。ひょんなことから小さな靴屋でアルバイトを始め、その店の老夫婦と家族のような時間を過ごす。やがて恋人も出来る。ある日、堅物に思えた祖父に愛人がいることを知る。祖父にももうひとつの“家”があったのだ。出演は根津甚八、志村喬、木村功、加藤治子、大滝秀治、赤木春恵、いしだあゆみ、藤田弓子ほか。企画・木下恵介、演出・服部晴治。昭和52(1977)年TBS系で放送。向田邦子の単独執筆。全10回を掲載。