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本と映画と音楽……それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。「大学」という特別な空間を初めて著者が描いた、青春小説決定版!単行本未収録・本篇のスピンオフ「糾える縄のごとく」&特別対談収録。
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Posted by ブクログ
〈不思議だ。 こういうのって、決して特別なシーンじゃないんだね。 他愛のない、ほんのワンショット。夕暮れ時の、小さな川に架けられた石橋が、真っ赤な水面に黒い影を落としてる。〉 青春小説を愛おしくを感じるのはどんな時だろう、と考えてみる。たぶんひとによって答えは様々だとは思うのですが、個人的に...続きを読むは、〈派手な事件〉や〈特別な事柄〉よりも、〈とりとめのない思考〉に対して感じることのほうが多いように思いました。本書は、学生時代のこと、社会のこと、小説のこと、映画のこと、音楽のこと、高校時代の同級生だった大学生三人のまなざしから、それらに関する〈とりとめのない思考〉が綴られていて、読み進めるうちに、どんどん愛おしさが増してくる、そんな作品でした。 もちろん本書はフィクションなので、作家自身の声と同一視してはいけない、と承知したうえで、作中に挟み込まれる〈小説を書く〉ことに対する問い掛けも印象的でした。
「自意識過剰なのにコンプレックスの塊で、やっとプライバシーを手に入れたのに人恋しく、何者かになりたくてたまらないのに、足を踏み出すのは恐ろしかった。」 「愛のために何もしなかった。だから、いけなかったんです。」 女性的「気まぐれで、感情的で、強烈な自尊心があるくせに非常に小心者で、とても嫉妬深い...続きを読む上に異常なほど猜疑心が強いのである。」 「未来は決して劇的なものでも新鮮なものでもなく、こんなふうにだらだらと変わりばえのしないものかもしれない。」 オズマバンドと先輩早瀬さんとがセッションする場面、頭の中で音楽が流れてきてにやにやした。
高校時代に関わりのあった綾音・衛・箱崎一 の名字にザキがつくザキザキコンビ。 それぞれが昔を回顧する群像劇。高一で三人組でフィールドワークのようなことをし、田舎で昼間人がいないことが記憶に残っていたり、それぞれの大学時代の思い出が語られている。高校時代に出会い、関わりはあるが関わりがない人生の進行が...続きを読む描かれている。綾音は本、衛はベース、一は映画を意識の差はあれど大学で取り組んでいた。 一人が伸ばした興味の先に、他人の興味がぶつかっている、関わりが拡散から収束している美しさ・偶然の運命に心が動かされた。過去に同じ体験をした人たちがそれぞれの人生を歩んでいく風景が心にぐっと来た。 自分にこのように時間をかけた体験として思い出せるものがあるだろうかと考えた。ゲームをした思い出が大半で、何かを成し遂げた思い出は大学にはない。これから人生を振り返ったときに、あれをやったことが自分の今につながっていると感慨深く思えるように生きていかなければと感じさせてくれる物語だった。 評価4
同じ高校から同じ大学に進んだ3人の男女それぞれの学生生活。 高校時代は仲良しトリオだったのに、いつの間にか疎遠になっている。決定的な何かが起きたわけでもなく、ただ何となく。というのが、いかにもありそうな話。 彼らの間に何かがあったという話ではなく、何もなかった。という物語でもある。 もう少し何...続きを読むとか出来たのではないか?こんな事もしたかったのに出来なかった。 振り返ってみると、学生時代というものは漫然と過ごしてしまいがちで、今思えば後悔ばかり。 「大学生というのはあまり停車駅のない長距離列車に乗っているようなもの」という例えが、じわじわと読み手の胸を抉る。 恩田作品にしては珍しく、自伝的な要素の強い、半分エッセイみたいな、お話でした。 ケータイのない時代。1980年代の大学生活の雰囲気が、まざまざと蘇ってくるのはさすが。
歩道橋シネマ読んでから、なんとなく読み返したくなって久しぶりに再読 谷内六郎がここにいた 第一部から第三部の大学生パートは、まだ読むには少し生々しくて 自分の大学時代を冷静に、客観的に見つめ直す度量がまだ無い またしばらく時間を置いてから読みたい 糾える縄の如しは何故か水沢めぐみの絵で脳内再生さ...続きを読むれた
こんなに自伝的要素の強い恩田陸作品は初めてだったので、読み始めて純粋にびっくりした。(というか、そもそも恩田さんの一人称が珍しいので綾音の章はその一人称っぷりにびっくりした) しかし衛の章は完璧な三人称、一の章は主観ごっちゃの人称になっていて、なるほどな、と。キャラの物の見方がそのまま表れているのだ...続きを読むろうな。 最後の章の語りをもっとも俯瞰的な人物にするところや、綾音と衛が似た者同士で付き合うところなど、『黒と茶の幻想』を思い出した。やはり衛の章が一番面白かった。
あまりにも普通すぎる話なのでビックリした。 が、最後まで読んでみて納得。 当たり前のように過ぎた日々にだって幸せはある。そう思えた。 個人的には、箱崎がインタビュー中に学生時代の三人での日々を思い出している場面が素敵だと感じました。 2010/01/12
同じ高校から同じ大学に進学した三人の物語。 ベースを弾くのが上手い男の子、 映画が好きな男の子、 本を読むのが好きな女の子。 第1部の綾音の物語を読んだ時、 「これって恩田さん自身の事?」 と疑惑が沸いたが、巻末の対談で 「私にしては珍しく自伝的な作品」 と述べている。 そういえば恩田陸の作品に...続きを読むは高校生が出てくるものは多いが、大学生を主人公にした作品はあまり見かけない‥‥いや、なかったかもしれない。そういう意味では珍しいが、恩田陸カラーはしっかり堪能できる、さわやかな青春小説だ。
日常というか、どんなに世代がかわっても変わらない普遍的なものっていうか… 特別なようで、特別じゃない。 そんな時代が、確かに私にもあったような気がしないでもない(笑) ふと自分の青春時代を重ねて思い出す。そんな懐かしくなる作品。
冒頭─── 狭かった。学生時代は狭かった。 広いところに出たはずなのに、なんだかとても窮屈だった。 馬鹿だった。学生時代のあたしは本当に馬鹿だった。 おカネもなかったし、ついでに言うと色気もなかった。 二度とあんな時代には戻りたくはない。 周りの女友達も、もう学生なんてまっぴらだ、という子がほとんど...続きを読むだ。 けれど、男の子たちは違うらしい。 恩田陸の私的エッセイ風(一部のみ)連作短編集。 学生時代の回想をもとに三人の視点で書かれている。 第一部「あいつと私」は自分。 第二部「青い花」はジャズ研の戸崎。 第三部「陽の当たる場所」はシネマ研究会の箱崎。 男は学生時代を懐かしそうに振り返る。 「ああ、あの頃に戻りたいなあ」と。 私もそうだ。 一生の中であんな自由な時期はなかった。 未来は明るい希望で満ち溢れているように漠然と思っていた。 その希望は、卒業、就職活動が近づくにつれ、少しずつ薄まっていくことになるのだが------。 ことさら凄いエピソードやストーリーがあるわけではないのだが、何故か心に染み入る物語。 恩田陸はファンタジー路線の作品で有名だが、本屋大賞受賞作「夜のピクニック」のような、リアリティのある爽やかな作品のほうが私は好きだ。 こんな作品をもっと書いてもらいたいものだ。
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