検索結果

  • 文藝春秋2024年6月号
    NEW
    -
    ◎森喜朗 元首相 「裏金問題」真相を語る 240分 「私が裏金作りを始めたと言っているのは誰だ」 聞き手・森功 ・岸田首相から電話の事情聴取で尋ねられたこと ・「全責任を取って仲間を救ってやれ」と塩谷座長を説得した ・下村元文科相が「二千万円」持参して私に土下座した理由 【緊急座談会】 ◎「カイロ大卒」小池百合子都知事の真贋 田崎史郎 奥谷禮子 澤章 【総力特集 がんの新世紀】 ◎がん先進治療ここまで来た! 森省歩 ◎患者2万人の本当の悩み 大久保淳一(「5years」代表) 【大反響 第3弾】 ◎コロナワクチン後遺症とがん「がん超過死亡率が上昇している」 福島雅典(京都大学名誉教授) ◎アンチエイジングはSFではない 河合香織 ◎認知症介護6つのヒント 奥野修司 ◎2つのディストピア 米中に呑み込まれるな 岩井克人 ◎短期集中連載5 駐中国大使、かく戦えり 垂秀夫 「台湾有事」中国の本当の狙い  ◎トランプは独裁者のカモになる ジョン・ボルトン ◎投資家必読! 円安が続かない理由 岩本さゆみ ◎中国不動産バブルのキズは深い 柯隆×高口康太 安田峰俊 ◎メジャーリーグと賭博コネクション 芝山幹郎 ◎国民的スターSMAPの明日 鈴木おさむ ◎91歳、今が一番楽しんでる 渡辺貞夫 ◎『青い壺』50万部突破 有吉佐和子のおもちゃ箱 原田ひ香 平松洋子 ◎日本の顔 辻惟雄インタビュー 「若冲と70年安保」 【連載】 ◎新連載 地図を持たない旅人2 大栗博司 ◎お笑い社長繁盛記5 太田光代 ◎ムーンサルトは寝て待て11 内館牧子 ◎記者は天国に行けない29 清武英利 ◎有働由美子対談65 草なぎ剛(俳優) ◎小説 病葉草紙 最終回 京極夏彦

    試し読み

    フォロー
  • 松本清張の昭和史
    4.0
    社会派推理の開拓のみならず、小説、ノンフィクション、古代史、現代史など、領域を自在に超えた執筆活動を展開し、「国民作家」の名をほしいままにした松本清張。その膨大な仕事のなかでも、自らの同時代史に取り組んだ『昭和史発掘』『日本の黒い霧』は重要な柱といえる。清張は、軍部をはじめとする国家権力、二・二六事件で蹶起した将校たちにどのような眼差しをむけていたか。占領期に起きた不可解な事件をいかに捉えていたか。没後30年を経て、清張史観はいかに評価されるべきか。松本清張から「時代の記録者」としてバトンを託された著者が清張史観の核心を平易な文体で伝える。阿刀田高、加藤陽子各氏との対話を収録。
  • 五・一五事件 橘孝三郎と愛郷塾の軌跡
    4.0
    五・一五事件は軍国主義の幕開けになり、日本ファシズムの導火線となったとされる。単なるテロ事件に終始せず、多くの農民が実行犯の減刑を嘆願した事件の背景には、注目すべき”大衆”の情緒があった。人道主義の系列にあった橘孝三郎と愛郷塾が、五・一五事件と結びついたのはなぜか。本人への取材に基づき、歴史を変えた大事件を検証する。

    試し読み

    フォロー
  • 本土決戦幻想 コロネット作戦編―昭和史の大河を往く〈第8集〉
    4.0
    1巻880円 (税込)
    昭和21年3月1日、相模湾、九十九里浜に米軍上陸、目標は東京。 現実に計画されていた作戦から、米ソに分断占領されるあり得たもう一つの日本を予測する。 <目次> マッカーサーの野心とコロネット作戦 昭和二十一年三月一日、米軍関東上陸──コロネット作戦 相模湾へ上陸するアメリカ第八軍と守る日本第五十三軍 あってはならない戦い──勝算なき「関東決戦」 あの戦争の終末点──本土決戦という「敗戦のかたち」 陸に上がった連合艦隊司令部──日吉台地下壕 戦艦大和の最期と日吉台連合艦隊司令部 渡邉恒雄二等兵が相模湾で夢見た「空想」 松代大本営内の昭和天皇の「御座所」 軍が守るべきものは何か──スイスと日本の違い 終戦への道を模索する鈴木内閣と本土決戦派の確執 鈴木貫太郎の終戦への固い決意 九十九里浜を望む山中に残るトーチカ跡 本土決戦前夜、勤労動員生徒と学徒兵の証言 一九四五年八月の日米の市民たちの感情 竹槍三〇〇万本あれば日本は防衛できる? 「竹槍では間に合わぬ」──東條首相vs毎日新聞 「国民総玉砕願望」としての本土決戦 米ソに分断された二つの「日本」 「大量自死の悪夢」として記憶される本土決戦  あとがきに代えて── 国民を不条理な死に追いやる史上最悪の作戦
  • 戦争の近現代史 日本人は戦いをやめられるのか
    -
    世界がウクライナ戦争で大きく揺らぎ始めている。再び戦争の時代に戻りそうな端境期にある今だからこそ、歴史から多くを学ぶべきだと主張する著者は、これまで軍指導者や兵士など延べ四千人に取材し、戦争と日本について五十年近く問い続けてきた。なぜ近代日本は戦争に突き進んだのか? 戦争を回避する手段はなかったのか? 明治・大正と昭和の戦争の違いとは? それらを改めて検証する過程で新たに見えてきたのが、これまでの「戦争論」を見直す必要性である。本書では、日本近現代の戦争の歴史から、次代の日本のあるべき姿を提言する。
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―
    4.1
    戦後六十年の間、太平洋戦争は様々に語られ、記されてきた。だが、本当にその全体像を明確に捉えたものがあったといえるだろうか――。旧日本軍の構造から説き起こし、どうして戦争を始めなければならなかったのか、引き起こした“真の黒幕”とは誰だったのか、なぜ無謀な戦いを続けざるをえなかったのか、その実態を炙り出す。単純な善悪二元論を排し、「あの戦争」を歴史の中に位置づける唯一無二の試み。

    試し読み

    フォロー
  • 『きけわだつみのこえ』の戦後史
    4.0
    戦没学徒の遺稿集『きけわだつみのこえ』、この感動の書が改ざんされ、政治利用されたことはあまり知られていない。戦没学徒の叫びは、いかに踏みにじられたのか。戦後の反戦運動の行き過ぎた一面を描く、著者の隠れた名著。
  • 集英社新書創刊20周年記念小冊子(試し読み付)
    無料あり
    1.7
    【祝!! 集英社新書創刊20周年!】集英社の<知の水先案内人>として、文化、芸術、政治、経済と幅広いジャンルを網羅する集英社新書が、2019年11月、創刊20周年を迎えました。そこで集英社新書でおなじみの著者の方々にご登場いただき、集英社新書や自身の著作への思いを語っていただきながら、その歴史を振り返ります。また、数々の名著の作品紹介と試し読みも収録。ぜひダウンロードしてお楽しみください。

    試し読み

    フォロー
  • 愛国の作法
    3.8
    北朝鮮のミサイル実験と中国の軍事的台頭。靖国参拝と歴史認識をめぐり膠着する日中・日韓関係。風雲急を告げる東アジアで、日本の立ち位置が試されている。今後焦点となる改憲、歴史の見直しとどう向き合うか。愛国心を押しつけることで、何が損なわれるのか。本当の愛国とは。思考停止は許されない。いま最も注目の政治学者が、悩める国民に贈る、この国の正しい愛し方。

    試し読み

    フォロー
  • 「愛国」のゆくえ─「戦後」の無意識とトラウマ
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 自由の謳歌と敗北の屈辱と……ふたつの相反する感情があざなって「戦後」の時空間は形成された。ふとしたことから噴出するわれわれの無意識とナショナリズムの関係に光をあてる。――「歴史認識」のぶつかりあいが必至なこれからの時代にあって、日本人はなにを思考の土台に据え、言葉を発していけるのか。 【本文から】 国家がもっている記憶の集積としての歴史について、それに一定の敬意を払うことは当然ですが、それに服従しなければいけない、それと一致しなければならないという歴史教育はおかしい。みずからが、国家がもっている記憶の集積にたいして、地域や家族の記憶を突き合わせて「どこがどうちがうんだろうか」と自律しながら見ていく目は必要ですね。(保阪正康) 地益を地域のなかに生きている人びとがしっかりと自覚し、その地益に基づいて、地域と地域とが広域的に結びつく可能性に開かれていくならば、われわれは歴史の轍を踏まないで、これからの未来に、若い世代に、新しい日本、新しい朝鮮半島の可能性を用意してあげられるのではないかと思います。(姜尚中) このところの憲法を変えろという議論に象徴される、威勢のいい、勇ましい傾向は、ある種の葛藤、集合的な無意識だと私は思っているんです。みんながほんとうに本質的にこれが正しいと思って論理的に選択しているのではなく、「見たくないもの」を回避するための症状ですね。(香山リカ) ※北海道新聞社は、2009年から毎年さまざまなゲストを招いて道新フォーラム「現代への視点~歴史から学び、伝えるもの」を札幌で開催、基調講演と討論、参加した若い人たちとの質疑を通して昭和史の教訓を今後にどう生かしていくかを考えてきました。今回は2012年11月25日に保阪正康、姜尚中、香山リカの三氏を招いて札幌の道新ホールでおこなわれたフォーラムの詳報です。 ≪道新フォーラム≫活字化 第4弾 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 愛する人を喪ったあなたへ
    -
    著者は22歳の息子を突然、喪った。悲しみが幾重にも襲う。茫然自失、理不尽さへの怒り、そして最後には希望の曙光が――。大切な人の喪失後に、傷ついた心はどんな段階を経て癒されるか。十数年前のこの痛切な体験を克明に記した渾身作に大幅加筆して復刻。大震災で身寄りを喪い、けなげに生き抜こうとする人々に、どう声をかけ、どう寄り添ったらいいか得心できる。「鎮魂と再生」を願っての緊急出版。

    試し読み

    フォロー
  • 明仁天皇と裕仁天皇
    4.0
    「君主」の父、「民主」の子。二人の象徴天皇。それぞれの「戦争と平和」に秘められた昭和史の真実。そこには、天皇家の〈父と子〉のみに伝えられる口承があった。講談社創業100周年記念出版。 「今までは、勝ち抜くための勉強、運動をして来ましたが、今度からは皇后陛下の御歌のやうに、つぎの世を背負つて新日本建設に進まなければなりません。それも皆私の双肩にかゝつてゐるのです。」――<昭和20年8月15日 明仁皇太子が書いた作文より> 「今度のやうな決心をしなければならない事情を早く話せばよかつたけれど 先生とあまりにちがつたことをいふことになるので ひかえて居つたことを ゆるしてくれ 敗因について一言いはしてくれ 我が国人があまりに皇国を信じ過ぎて 英米をあなどつたことである 我が軍人は 精神に重きをおきすぎて 科学を忘れたことである」――<昭和20年9月9日 明仁皇太子への昭和天皇の手紙より>
  • 悪の力
    3.5
    川崎市中一男子生徒殺害事件、群馬大病院事件、名古屋大女子学生の殺人・傷害・放火事件、酒鬼薔薇聖斗、ルフトハンザ系航空機墜落……。周囲では日々、「悪の力」が増大しているように映る。そして、ひとたび「悪」を見出したとき、人々は心の奥底からどす黒い感情が湧き出すのを感じるだろう――“こいつだけは許せない”、と。しかし、そうした憎悪のエネルギーは、実のところ「誰かと繋がりたい」という叫び声でもある。現代人を苦しめる「悪」はどこから生まれるのか。私たちはそれとどう向き合えばいいのか。100万部のベストセラー『悩む力』の著者が、人類普遍の難問に挑む。『教団X』の中村文則氏推薦!【目次】プロローグ/第一章 悪意に満ちた世界/第二章 悪とは何か/第三章 なぜ悪は栄えるのか/第四章 愛は悪の前に無力か/エピローグ/後書
  • アジア辺境論 これが日本の生きる道
    3.9
    アメリカ、欧州で排外的な政治勢力が台頭する中、ロシア、中国の影響力が日増しに拡大している。米ソ対立の冷戦終結から四半世紀経ち、世界各地に複数の覇権の競合関係が生まれている。はたして、その狭間で日本が生き残るためには何が必要なのか? そのカギは日・台・韓の連帯にあり。アメリカとの一方的な従属関係を見直し、中国、ロシアなど、スーパーパワー間にある中小民主主義国家同士の協力関係の構築はいかにして可能か。世界史レベルの地殻変動と戦後の平和国家的な国のあり方を蹂躙する近年の日本の政策を目の前に、リベラルの重鎮ふたりがその理路を提示する。 【目次】はじめに 日本・韓国・台湾連携の夢 ――これがボクらの生きる道 内田 樹/序章 問題提起 ――自由主義はなぜこれほど脆かったのか/第一章 リベラルの限界 ――「モビリティー」に無力化された自由主義/第二章 ニッチな辺境国家が結ぶ新しいアジア主義の可能性/第三章 アジアの連携を妨げる「確執」をどう乗り越えるか/第四章 不穏な日本の行く末 ――たどり着けるか「日本の生きる道」/おわりに アジア辺境の「虚妄」に賭ける ――これがみんなの生きる道 姜尚中/主要参考文献
  • アジアを生きる
    3.0
    「この道を行こう――」 歴史の悲しみを乗り越えて 集英社創業95周年記念企画『アジア人物史』総監修・姜尚中による未来社会への提言! 【おもな内容】 新たな戦争と、覇権国家の台頭を前に、「アジア的な野蛮」に対する警戒心が強まっている。 だが、文明vs野蛮という図式を相変わらず持ち出しても、未来は暗いままだ。 単なる「アジア回帰」でも「アジア主義」の復権でもない突破口は、果たしてどこにあるのか? 朝鮮戦争勃発の年に生まれ、「内なるアジア」と格闘し続けてきた思想家が、自らの学問と実人生の土台を根本から見つめ直した一冊。 この世界に生きるすべての者が、真の普遍性と共存に至る道は、「アジア的なもの」を潜り抜けることしかない。
  • あの戦争から何を学ぶのか
    4.0
    私たちの「歴史感覚」を鍛えなおすための「保阪昭和史」の集大成。教訓いまだ尽きず! ――緒戦の勝利での空疎な熱狂、情報と科学技術の軽視、偏狭なセクショナリズム、責任追及における主体性の欠如……。あの戦争で露呈した日本人の錯誤を、再び繰り返さぬためにはどうすればよいか? 凡人は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ。体験の風化を前に、ぜひ繙くべき「保阪昭和史」の集大成。
  • あの戦争になぜ負けたのか
    3.7
    21世紀の日本人は「あの戦争」から何を学ぶべきなのか? 書籍の刊行から10年を経て、いまも読み継がれる名著、待望の電子化! 対米戦争の目的は何だったのか? 陸軍エリートはどこで間違えたのか? 特攻、玉砕、戦艦大和……開戦から敗戦までの疑問を徹底的に掘り下げ、20世紀日本最大の失敗を最高のメンバーが論じた。その議論は戦略論、組織論、日本人論、エリート論など広範囲にわたり、戦後70年を過ぎたいまなお、輝きを失わない。 議論された人物、歴史的な出来事などに詳しい注がついているので、近現代史の入門書としても最適。 【目次】 <第一部>座談会 あの戦争になぜ負けたのか 1.対米戦争の目的は何だったのか 2.ヒトラーとの同盟は昭和史の謎 3.開明派・海軍が持つ致命的欠点 4.陸軍エリートはどこで間違えた 5.大元帥陛下・昭和天皇の孤独 6.新聞も国民も戦争に熱狂した 7.真珠湾の罠 大戦略なき戦い 8.特攻、玉砕、零戦、戦艦大和 <第二部>あの戦争に思うこと ●空しかった首脳会議(半藤一利) ●八月九日の最高戦争指導会議(保阪正康) ●私の太平洋戦争観(中西輝政) ●果たされなかった死者との約束(戸高一成) ●戦わなかった戦争から学ぶということ(福田和也) ●戦争を決意させたもの(加藤陽子)
  • 安倍“壊憲”政権と昭和史の教訓
    -
    昭和史の第一人者が、敗戦につながる昭和10年代に着目。桐生悠々、斎藤隆夫、2.26事件、皇紀2600年など多彩な素材を基に、"壊憲"に向け暴走する安倍政権下の日本人が学ぶべき教訓を引き出す。大幅加筆した保阪流「自省史観」の真骨頂。
  • 生きる意味
    3.3
    1巻1,100円 (税込)
    人生100年時代に放つ、後半生の生き方論第2弾! ミリオンセラー『悩む力』から14年、新しいフェーズに入った「ウィズコロナ」時代における“生きる意味”と可能性を独自の視点で追求し、現代社会に人生の道標を示す著者最新エッセイ。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 生きるコツ
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    100歳以上の高齢者は2020年9月時点で8万人を超え、日本は世界有数の長寿国となっています。現代社会において長寿とは、確かに喜ばしいことではありますが、健康や金銭面での不安があるのも事実です。「長生きしても仕方がない」と悲観的に考えるのではなく、高齢社会を肯定的に捉えられないものでしょうか。 先例のない長い老後と私たちはどう向き合い、生きればよいのか。留意すべきことは何か。70歳になられた姜尚中さんが、人生や老いにまつわる悩みを抱える多くの人々を勇気づけてくれます。現代における「老い」の意味と可能性を追求する、人生100年時代の必読書です。 人生の曲折を経て、私は身の丈の豊かさによって叶えられる 平穏な生活があることを発見したのである。 老いても、自分の知らなかった自分に出逢える。 そんな新しい発見に、「老いの妙」のようなものを感じる。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 石橋湛山の65日
    3.8
    石橋湛山は首相としての在任期間がわずか65日である。近代日本史の上では最短に近い。しかし私は、「最短の在任、最大の業績」と思っている。これに対峙するのは「最長の在任、最小の事績」という言い方をしている。 石橋はわずかの期間だったが、言論人の時の自らの信念が政治の年賦に刻まれていると思えば、宰相の意味も変わってくるし、その重みも他の総理とは異なっている。最長の首相がさしたる事績が残さなかったとするならば、そこに比較しても首相の格の違いが浮き彫りになるだけではないだろうか。 石橋はその短い在任期間に、首相というのは日頃から思想や哲学を明確にしておくことの重要性を教えた。首相が何を目指し、どのような方向に、この国を率いていくのか、そのことを国民は知りたい。それは首相を目指す政治家が日頃から信念を発信する姿勢を持たなければならないように思う。石橋を真似せよ、と強調しておきたいのである。 ──〈おわりに〉より 太平洋戦争の終戦から10年余の時を経た昭和31年、国内政治の民主化と自主外交を旗印にした石橋湛山政権が誕生した。だが、わずか65日の短命で終わる――。そして、日本は自主性なき外交の道を歩み出した。戦前・戦中から一貫して小日本主義、反ファシズムを唱え続けた反骨の言論人が、戦後、政治家の道を歩み、首相の座を降りるまでの激動の保守政治の史実を克明に描き、短命に終わった“まぼろしの政権”が日本人に投げかけた謎に迫るノンフィクション。新型コロナウイルスの未曾有の危機が立ち去った後、日本の前途は洋々たりと歩むために立ち返るべき、もう一つの戦後史!
  • 陰謀の日本近現代史
    4.1
    必敗の対米開戦を決定づけた「空白の一日」、ルーズベルトが日本に仕掛けた「罠」、大杉栄殺害の真犯人、瀬島龍三が握りつぶした極秘電報の中身──。歴史は陰謀に満ちている。あの戦争を中心に、明治以降の重大事件の裏面と人物の命運を検証し、真実を明らかに。
  • 「裏切りの近現代史で読み解く」歴史が暗転するとき
    -
    1巻1,540円 (税込)
    2022年、ウクライナ時間の2月24日午前5時、ロシアはウクライナ東部への侵攻を開始した。このニュースは、全世界に衝撃を与えた。これに対して、米英仏独の主要西側国はウクライナへの武器供与、ロシアへのさまざまな経済制裁によるウクライナ支援を進めた。日本もまたロシアに対する経済制裁を開始した。だが、ロシアのプーチン大統領はこの侵攻について「ウクライナの非軍事化と非ナチス化」「自国を守る権利を持つ主権国家の決定」と正当化した。 侵攻当初、ロシア、ウクライナ両国による停戦協議も行われたが、合意は得られず、戦闘はまさに泥沼化の様相を呈している。 こうした世界状況の中、日本においては、「日本国憲法」のもと戦争放棄を定めた「平和主義」の見直しを求める声も高まりつつある。 「明治維新から太平洋戦争敗戦まで77年、敗戦から2022年まで77年」 本書の著者は、世界の動向を踏まえながら、2022年が歴史の大転換期として位置づけられるのではないか、と指摘する。 本書は、導入部としてロシアのウクライナ侵攻に触れつつ、「独裁者、謀略、裏切り」をキーワードに日本の近現代史の本質を鋭く抉ったものである。 -主な内容- ◆第1章「プーチンの背信」――ウクライナ侵攻の真相 ◆第2章「ヒトラーの正体」――その栄光と末路 ◆第3章「終戦・占領下の悲劇」――シベリヤ、そしてマッカーサー ◆第4章「指導者たちの真価」――歴史登場者の行方 ◆終 章「裏切られた者たち」――戦争の実相と庶民の抵抗
  • NHK「100分de名著」ブックス 夏目漱石 こころ
    4.6
    1巻838円 (税込)
    あなたは“真面目”ですか 自由と孤独に生きる“現代人の自意識”を描いた、不朽の名作『こころ』が誕生してちょうど100年。他者との関係性に悩む登場人物たちの葛藤を読み解きながら、モデルなき時代をより良く生きるためのヒントを探る。著者渾身の書き下ろしの特別章〈「心」を太くする力〉を収載! [内 容] はじめに 「心」を書こうとした作家 第1章 私たちの孤独とは 第2章 先生という生き方 第3章 自分の城が崩れるとき 第4章 あなたは真面目ですか ブックス特別章 「心」を太くする力
  • Nの廻廊 ある友をめぐるきれぎれの回想
    4.0
    「蒸気機関車は六輛ほどの車輌を率いながら走っている。僕とすすむさんは最後尾の客車のデッキに立ちながら、木製の扉の前に身を寄せていた。通勤の大人たち数人がやはりデッキに立っていて、新聞を読んだり、タバコの煙を吐きだしたりしている。/誰も口をきかず、列車の揺れに身を任せていた。」 昭和27年春、札幌の中学に通うため汽車に乗った二人の少年は、30年余を経たのちに再会します。ひとりは気鋭のノンフィクション作家になり、ひとりは学生運動の闘士から経済学者、さらには保守的思想家へと転じていました。 再会してから30年、突然の別れがやってきます。すすむさん=Nが自裁したのです。 「斎場の隅にいる私たちのところに近づいてきたのは、Nの兄のMさんであった。/ああそういえばもう六十年以上も会っていない。しかしその面差しは依然として柔らかく、そして人を包みこむようであった。外套を脱ぐなり、握手を求めてきて、私の顔を見るなりその穏和な顔に涙が流れるのを隠そうとしなかった。私も涙が止まらなくなった。/「十三歳のときからの友だちだったんだからね……」/Mさんの言葉に、私のなかで耐えていたものが一気に爆発した。/私は人目も憚らず涙を流しつづけた。そして二人でふたたび棺に近づき、蓋を開けてもらい、その顔を見つめつづけた。いっしょに見ていると、表情は動き出しそうで、目を細めて口を尖らせて、吃音気味に話すあのころに戻ったように感じられた。私はMさんと札幌の、白石と厚別の思い出話を、Nに聞こえるように、なんどもくりかえすように話しつづけた。私はNが亡くなったとの報に接してから初めて、悲嘆という感情に触れた。」 あのときのすすむさん=Nの眼に映じていたものはなんだったのか……。不意にいくつかの光景がきれぎれに甦り、その呟きを心耳にふたたび聞いた著者はさながら廻廊を経めぐるように思いを深め、60年の歳月を往還しながら友の内実に触れるべく筆を進めていくのです
  • 追いつめられた信徒 死なう団事件始末記
    4.5
    弾圧に対して「死なう団」の信徒は集団で切腹の抗議をした。昭和史の真相に迫る力作! ――戦前、警察国家の弾圧に対して、死ぬことを最高の教義とする「死なう団」の信徒は、集団で切腹の抗議をした。彼らはなぜ、ここまで追いこまれたのか。切腹で何を訴えようとしたのか。昭和初年の深刻な不況から、血腥いテロ、そして戦争へと突き進んでいく日本の象徴的な事件を、事件関係者への入念な取材と豊富な資料で初めて明らかにする!
  • 開戦、東條英機が泣いた―昭和史の大河を往く〈第2集〉
    5.0
    1巻880円 (税込)
    日米開戦前夜、官邸の一室で東條首相が独り泣いていた―昭和史を縦断する国会と官邸の権力闘争。 その渦中、あの東條すら打ち震えた!!渾身の取材で掘り起こした衝撃の秘話。 <目次> 国会が死んだ日 浜田国松の“ハラキリ問答” 軍部大臣現役武官制という“魔物” 陸軍の二度目のクーデター、議会解体 斎藤隆夫の“反軍演説” 斎藤隆夫を見捨てる議員たち 斎藤隆夫“除名”と政党政治の終焉 “憲政の神様”尾崎行雄の抵抗 “神様”が不敬罪に 翼賛選挙と東京初空襲 尾崎行雄の法廷闘争 首相官邸の主人たち 開戦前夜、東條首相は官邸で独り泣いていた 佐藤首相と官邸前で焼身自殺した老人の戦い 佐藤首相の政治的野心と市井の老人の諫言 五・一五事件──女性たちの証言 テロリストを英雄視してしまった時代 二・二六事件──軍靴に蹂躙された官邸と日本政治 真珠湾攻撃当日、官邸での小宴 終戦の日──鈴木首相の心情 〈戦後〉の原点──東久邇首相の発言を見直す 「直接、国民の声を」──東久邇内閣の50日 吉田と鳩山の総理の椅子を懸けた闘い 自衛隊出動寸前──岸首相と六〇年安保 国民の欲望の肥大化が生み出した“今太閤”──田中政権の終焉 あとがきにかえて──国会と官邸の一角に立ち考えたこと
  • 仮説の昭和史(下)―昭和史の大河を往く〈第13集〉
    -
    1巻880円 (税込)
    昭和史の第一人者が説くもう一つの日本の可能性。 ミッドウェー海戦に勝利していれば、昭和天皇が終戦直後に退位していれば、日本は変わった? <目次> もし日本海軍がミッドウェー海戦で勝利していたら もし米軍のガダルカナル島上陸を本格的反撃と認識していたら 山本五十六は自決したのか? もしアッツ島守備隊が玉砕の道を選ばなかったら 絶対国防圏の欺瞞──もし知米派が作戦の中枢にいたら 海軍乙事件──もし関係者を処罰していれば もし秩父宮の東條の参謀総長兼任批判が表面化していれば もしサイパンの民間人に投降勧告電報が打電されていれば もし台湾沖航空戦の「大戦果」を訂正していれば もし栗田艦隊がレイテ湾に突入していたら もし日本が原爆開発に成功していたら もし「大本営発表」が真実を告げていたら もし近衛上奏文の構想が実現していたら もし繆斌みよんひん工作から講和が実現していたら もし昭和天皇のバチカン和平工作が成功していたら もしソ連を仲介とした和平交渉で日本が手玉にとられなければ もし日本が米ソに分割占領されていれば もし「大本営発表」の虚偽が戦後、法廷で裁かれたなら もし日本が「自主戦犯裁判」を開いていたら もし日本語のローマ字表記化が実行されていたら もし二・一ゼネストが決行されていたら もし昭和天皇が終戦後退位していたら もし占領期政策の継続を問う国民投票を実施していたら あとがきに代えて──あえて歴史に「もし」を持ちこんでみてわかること
  • 仮説の昭和史(上)―昭和史の大河を往く〈第12集〉
    -
    1巻880円 (税込)
    「もし」という視点で語るもう一つの昭和史。 もし二・二六事件が成功していたら、三国軍事同盟を結んでいなければ、真珠湾の勝利に浮かれずにいたら、など興味深い話題が満載! <目次> もし日本がハル・ノートを受諾していたら──本当に最後通牒だったのか ハル・ノート──有田八郎元外相の見解 もし張作霖と日本人顧問が共に関東軍に爆殺されていたら──途中下車した町野武馬の謎の行動 張作霖爆殺事件──目的のためには手段を選ばぬ関東軍 もし宇垣一成が“変心”せずクーデターが実行されていたら もし日本が国際連盟を脱退していなければ もし五・一五事件の決行者が厳罰に処されていたら もし佐野学ら共産党幹部が獄中で転向していなかったら もし永田鉄山軍務局長が斬殺されていなかったなら 二・二六事件──もし決起部隊が皇居に入っていたら 二・二六事件──もし昭和天皇が直接鎮圧部隊を率いていたら 二・二六事件──もし「皇軍相撃」事態になっていたら もしトラウトマン工作により日中講和が成功していたら もし日本軍の中国での蛮行を国民が知ったなら リュシコフ三等大将の亡命は、ソ連の偽装工作か? ノモンハン事件での日本人捕虜帰還者に理解を示していれば もし三国軍事同盟を結んでいなければ もし松岡洋右が外相に起用されていなければ 「ぜいたくは敵だ」ったのか もしルーズベルトの天皇への和平を願う親電が早く届いていたら もし日本が真珠湾の勝利に浮かれずに対応していたら もし日本が事前にタイに領土通過を通告していたら もしタイが日本軍の進駐を拒否していたら 近衛文麿をスイスへ派遣せよ──吉田茂の講和作戦 もし昭和十七年の翼賛選挙で非推薦候補者が多数を占めたら
  • 華族たちの昭和史―昭和史の大河を往く〈第6集〉
    3.7
    1巻880円 (税込)
    世襲、二世たちが日本の進路を誤った! 近衛文麿、木戸幸一、牧野伸顕など、したたかだが脆かった昭和の華族たち。その人生と責任の取り方。 <目次> 華族たちの昭和史 かつて日本に存在した「華族」という階級 近代日本史が凝縮した学習院初等科を訪ねて 乃木、山梨勝之進、軍人出身の歴代学習院院長たち 開戦と敗戦に立ち会った二人の枢密院議長 華族の監督者、宗秩寮総裁・木戸幸一 二・二六事件と木戸の段階的華族廃止計画案 大久保利通、牧野伸顕、吉田茂の系譜 西園寺公望と近衛文麿の暗闘 日米開戦を決定づけた昭和十六年十月十二日の荻外荘会談 「天皇機関説」排撃の先陣をきった貴族院 最後の元老・西園寺公望、坐漁荘での日々 西園寺公望と日本の政治の「死」 東條英機は爵位を欲していたか 二・二六事件と牧野伸顕の決意 牧野伸顕と女婿・吉田茂の闘い 宮中を揺るがした島津治子元女官長不敬事件 赤化華族子弟の秘密組織「ザーリア」 戦時下の貴族院──講和を説く議員たち 敗戦──華族の終焉 華族は皇室の藩屏たり得たか  あとがきに代えて──華族とは何だったのか
  • 【カラー版】あなたは誰? 私はここにいる
    3.7
    【電子特別版・カラー画像多数収録!】伊集院静氏、落合恵子氏、千住博氏推薦! ドイツ留学中の著者は、500年前のデューラーの<自画像>から啓示を受けた。「私はここにいる。お前はどこに立っている?」。絵の中の同じ28歳の男は、鬱々とした内面の森をさ迷う在日の青年に、宿命との対峙を突きつけたのだ。30年後、人気美術番組の司会を務めた著者は、古今東西の絵画や彫刻の魅力を次々に再発見していく。ベラスケス、マネ、クリムト、ゴーギャン、ブリューゲル、ミレー、若冲、沈寿官――。本書は「美術本」的な装いの「自己内対話」の記録であり、現代の祈りと再生への道筋を標した人生哲学の書でもある。※電子版に収録されている画像は紙の書籍のものとは一部異なります。【目次】はじめに わたしたちは今、どこにいるのか/第一章 おまえはどこに立っている アルブレヒト・デューラー《自画像》、ディエゴ・ベラスケス《女官たち》《ドンセバスチャン・デ・モーラ》、エドュアール・マネ《オランピア》、イワン・クラムスコイ《忘れえぬ人》ほか/第二章 生々しきもの ギュスターヴ・クールベ《石を砕く人》《世界の起源》、エドュアール・マネ《草上の昼食》ほか/第三章 エロスの誘い グスタフ・クリムト《ダナエ》、エゴン・シーレ《縁飾りのあるブランケットに横たわる二人の少女》、ポール・ゴーギャン《かぐわしき大地》ほか/第四章 白への憧憬 白磁大壺、長谷川等伯《松林図屏風》、純白のチマ・チョゴリほか/第五章 不可知なるもの マーク・ロスコ《シーグラム壁画》、パウル・クレー《想い出の絨毯》ほか/第六章 死と再生 ピーテル・ブリューゲル《死の勝利》《バベルの塔》《絞首台の上のカササギ》ほか/第七章 生きとし生けるもの 伊藤若冲《群鶏図》《貝甲図》、熊田千佳慕《メスを求めて》《恋のセレナーデ》《天敵》ほか/第八章 祈りの形 アルブレヒト・デューラー《祈りの手》、円空《尼僧》、ジャン=フランソワ・ミレー《晩鐘》ほか/第九章 浄土的なるもの 与謝蕪村《夜色楼台図》、ジャン=フランソワ・ミレー《春》、犬塚勉《暗く深き渓谷の入口I》ほか/第一〇章 受け入れる力 ルーシー・リーの白釉の陶器、ハンス・コパーのキクラデス・フォームの陶器、沈寿官《薩摩焼夏香炉》ほか/おわりに ここで生きる――デューラー《メレンコリア・1》に寄せて アルブレヒト・デューラー《メレンコリア・1》
  • 姜尚中と読む 夏目漱石
    3.5
    『こころ』『吾輩は猫である』『三四郎』……誰もが題名を知っている夏目漱石の小説ですが、じっくりと読んでみたことはありますか? 高校時代から現在まで何度もその著作を読み直してきた著者が、作品に込められた漱石の思いを読み解きます。一〇〇年以上読み継がれてきた、漱石作品の魅力を再発見してみませんか。

    試し読み

    フォロー
  • 姜尚中にきいてみた! 東北アジア・ナショナリズム問答
    -
    渦巻く反日の声と韓流ブーム。その止揚(アウフヘーベン)は可能か? ――揺れ動く朝鮮半島、台頭する中国、そして反日の声に立ちすくむ日本。いずれの国家の奥底にも、偏狭なナショナリズムのマグマが滾(たぎ)っている。われわれは、それを果たしてコントロールできるのか? 21世紀東北アジアの平和を誰よりも希求する姜尚中東大教授に、雑誌『アリエス』が斬り込む。
  • 姜尚中の青春読書ノート
    3.4
    夏目漱石、ボードレール、丸山真男。悩める少年・永野鉄男が、政治学者・姜尚中になるまでに、一体何があったのか。書物との出会い、それは快楽と苦悩を伴う、新たな旅へのいざないだった。在日二世の論客として発言を続ける著者が、青春期の苦悩をへて政治学者として世に出るまでに精神的支柱となった「座右の書」を厳選。だれもが読んでおきたい5冊の古典でたどる、注目の政治学者の原点。

    試し読み

    フォロー
  • 姜尚中の政治学入門
    3.5
    湾岸戦争以後、時代の重大局面に妻子、さまざまなメディアで精力的に発言してきた「行動する政治学者」が、そのゆるぎない思考を支える歴史観と、政治理論のエッセンスを、コンパクトな一冊にまとめました。アメリカ、暴力、主権、憲法、戦後民主主義、歴史認識、東北アジアという七つのキーワードを取り上げ、現代日本とそれが関わる世界の現状をやさしく読み解いた本書は、五五年体制の成立以来、半世紀ぶりの構造変化にさらされる社会の混迷を、正確に見据える視点を養ってくれます。未来への構想力を提言する、著者初のアクチュアルな入門書!【目次】はじめに 七つのキーワードで読む現代の日本/第一章 アメリカ/第二章 暴力/第三章 主権/第四章 憲法/第五章 戦後民主主義/第六章 歴史認識/第七章 東北アジア/あとがき 私と政治学
  • 近現代史からの警告
    3.7
    激動の時代を生き抜くために、これだけは言っておきたい――。 私たちは、近現代史から何を学ぶべきか? ノンフィクション作家・保阪正康による、歴史の大局観を養うための迫真の講義。 ★緊急書下ろし「コロナと近代日本」を収録! なぜ日本は「たった14年」で壊滅したのか? 高度経済成長が「戦争の失敗」を繰り返したのはなぜか? 明治日本はなぜ「帝国主義国家」以外の道を選べなかったのか? 戦前の日本が軍事学を軽視した背景とは? 「天皇がいるけれどいない」大正の5年間は私たちに何を教えるのか? 日本のファシズム体制を形成するプロセス「三段跳び理論」とは? 「コロナ危機」を前に歴史から学ぶべきこととは? 私たちが必ず知らなければならない「歴史の教訓」が、ここにある。
  • 近代日本の地下水脈 Ⅰ 哲学なき軍事国家の悲劇
    4.0
    近代日本の失敗は「地下水脈」で読み解ける! なぜ日本は太平洋戦争を始め、敗戦に至ったのか。なぜ「玉砕」「特攻」といった無謀な作戦で多くの人命を失ってしまったのか?―― 著者が昭和史の研究に携わるようになったのは、こうした謎を解明したいとの強い動機からであった。今まで5000人近くの昭和史関係者にインタビューを重ねてきたのは、それはこの根源的な問いに対する答えを探す旅でもあった。そして、敗戦に至る道筋を調べれば調べるほど、昭和だけでなく、明治維新以降の歴史をもう一度つぶさに検証しなおす作業に迫られることになった。 その結果、著者は「地下水脈」という歴史観にたどり着く。 大日本帝国憲法ができるまでのほぼ20年間、「日本という国をこれからどのように作り変えていくか?」をめぐって、さまざまな勢力の“主導権争い”がおこなわれた。 実際の歴史では、日本は「欧米列強にならう帝国主義国家」の道を歩み、すべてが軍事に収斂していくことになる。その結末が、昭和の悲惨な敗戦であった。 では、残る国家像は、そのまま消えてしまったのか? そうではない。4つのそれぞれの思想やビジョンは、いったん日本社会の地下に潜りながら、いまも脈々と流れ続けている。そして歴史の重要なターニングポイントを迎えるたびに、噴出してくるのである。 「地下水脈」という歴史観でとらえれば、現在の日本の窮状――経済の迷走も、終身雇用サラリーマン社会が変わらないのも、政治がダメなのも、エリート教育がダメなのも、150年以上繰り返されてきたことがわかってくる。 本書は、「地下水脈」をあらためて見つめることで、日本の近現代史を再検証する。
  • 逆境からの仕事学
    4.1
    いまを生き抜く 最良の働き方を語ろう 雇用不安、経済の低成長……不確実な時代だからこそ、ビジネスパーソンは小手先のノウハウではなく、古典・歴史などの「人文知」に学び、働く意味を捉え直す必要がある。逆境だらけの半生をくぐり抜けてきた著者が、ドラッカーの経営書や石橋湛山の先見力などを手がかりに、時代の潮流をつかみ、困難に打ち克つ働き方を示す。ミリオンセラー『悩む力』の著者による、初の仕事論! 自分にとっての仕事の意味を考えよう 1つの領域に自分を100%預けない ドラッカーの「マネジメント」の核心とは フランクリン流の自己管理術 石橋湛山に学ぶ先見力と構想力 すぐれたリーダーの共通項とは 読書の技法から歴史への視点まで 時代に打ち克つ働き方を示す
  • 「檄文」の日本近現代史 二・二六から天皇退位のおことばまで
    3.0
    2.26事件の蹶起趣意書、三島由紀夫の「檄」など、昭和史に残る檄文に秘められた真実に迫る。象徴としてのお務めについての天皇(現上皇)陛下のおことば、亡くなった翁長前沖縄県知事の信念など、印象に残る平成のメッセージについても論じる。
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業
    3.3
    「いまの日本の指導者にいる大人たちの中に、君たちの将来の幸福なんて考えている人間はほとんどいません」―内田樹 豪華講師20人が、中高生に向き合いながら、日本の問題点を語り尽くした白熱1800分! この社会の仕組みはいつまで続くのか? わたしたちはどうやって現代を生き抜くべきか? 文学・社会学・歴史・科学・芸術・政治などさまざまな分野から考えます。 豪華講師が、中高生に向き合いながら、日本の問題点を語り尽くしました。 この社会の仕組みはいつまで続くのか? 白熱1800分!
  • 高度成長――昭和が燃えたもう一つの戦争
    4.5
    昭和には二つの戦争があった。日本を破滅の淵に追い込んだ戦争と、米国に次ぐ経済大国に押し上げた高度成長という「経済戦争」だ。敗北と勝利、結果は正反対だが、二つには数多くの共通点がある。戦後日本が劇的に変化した「あの時代」を、昭和史研究の第一人者が昭和前期の戦争と対比して徹底検証する。
  • 興亡の世界史 大日本・満州帝国の遺産
    3.0
    東京帝大の学生時代は北一輝に心酔し、官界に進んでからは革新官僚として満州の経営に辣腕を振るった岸信介。敗戦後はA級戦犯容疑から総理の座に昇り詰め、高度成長を発進させて昭和の妖怪とも呼ばれる。かたや教師から立身のため満州国軍人となった青年は、戦後、韓国軍の中で頭角を現し、クーデタで政権を掌握。独裁者となって漢江の奇跡と呼ばれる高度成長を達成する。朴正煕と岸信介、二人の揺籃の地、満州国の遺産を問う。
  • 心

    3.6
    「人はなぜ生まれ、死んでいくのでしょうか」青年は深い悩みを抱えてわたしの前に現れた。一瞬、わたしは息をのみ、思わずあの子の名前を口走りそうになった――。親友の死に直面することで生きる意味を見失った学生と、ある哀しみを胸に秘めた先生。ふたりの濃やかな交流を通して描く、喪失と再生の物語。夏目漱石永遠の名作をモチーフに、自らを重ねて書き上げたベストセラー。
  • 心の力
    3.9
    ミリオンセラー『悩む力』と長編小説『心』の著者が、夏目漱石が一○○年前に書き残した最大の問題作に挑む。登場人物“先生”の長大な遺書を収めた漱石の『こころ』は、なぜ多くの読者の感情を揺さぶってきたのか。それは、この世に生きる者がみな、誰かに先立たれた存在だからだ。「死にゆく人々は、みんな先生」という認識から見えてくるものとは?漱石『こころ』とトーマス・マン『魔の山』の後日談を描いた実験的小説も収録。心の実質を太くする生き方を提唱した、新しいスタイルの物語人生論。【目次】第一章 現代という武器なき戦場/第二章 なぜ生きづらいのか/第三章「魔の山(イニシエーション)」の力/第四章 真ん中でいこう/第五章 「語り継ぐ」ということ/終章 いまこそ「心の力」/おわりに
  • 国家のエゴ
    3.8
    国民的議論も経ないまま安保法制が進められる中、日本が戦争をする国にならないための論拠を歴史、哲学、思想面から語り合う。「積極的平和主義」の真の意味、アジア諸国に与える影響、国民なきナショナリズムの台頭など、戦後70年の今こそ問う。
  • 50年前の憲法大論争
    4.5
    本書は、昭和31年(1956)3月16日金曜日に開かれた「第24回国会 衆議院内閣委員会公聴会」の記録です。意見を聴いた案件は「憲法調査会法案について」(法案提出者は時の自由民主党幹事長・岸信介ほか60名)。改憲派、護憲派ともにガチンコの議論を展開。論旨はじつにわかりやすく、議場の緊迫した空気も伝わってきます。白熱の論戦を読みやすく編集し、昭和史研究の第一人者である保阪正康氏の解説を付しました。
  • 最強師団の宿命―昭和史の大河を往く〈第5集〉
    -
    1巻880円 (税込)
    二〇三高地、ノモンハン、ガダルカナル・・・。精鋭ゆえに最激戦地に投入された旭川第七師団を例に、 軍中央の場当たりな作戦指導、失敗の本質をつく。 <目次> 最強師団の宿命 “軍都”旭川を訪ねて 旭川帰還が一転、ガダルカナル島へ──一木支隊壊滅 対米戦に反対した旭川出身の“空の軍神”加藤建夫 旭川“北京”構想から生まれた第七師団 二〇三高地を駆け登った第七師団兵士 旭川第七師団ゆかりの文学者たち ある屯田兵家族の物語 シベリア出兵と第七師団 尼港事件と北樺太保障占領 海軍航空隊黎明期の至宝、赤石久吉の人生 満州事変──混成第十四旅団の激闘 日中戦争と軍のモラルの荒廃 泥沼化する日中戦争と徐州攻略戦 ノモンハン──師団の総力を投入 ノモンハン──須見部隊の死闘 ノモンハンの敗北と北部軍の創設 ミッドウェー島上陸作戦──一木支隊、悲劇への旅立ち “餓島”と呼ばれた島──密林に消えた一木清直支隊長 アッツの玉砕とキスカの奇跡の撤収 沖縄戦で戦死した一万余の北海道出身の将兵 北海道分割を阻止した昭和二十年八月十八日、占守島の戦い 南樺太──八月十五日で終わらなかった戦争   あとがきに代えて──大本営参謀の無謀な作戦と現場の奮戦
  • 作家たちの戦争―昭和史の大河を往く〈第11集〉
    -
    1巻880円 (税込)
    荷風、大岡昇平、山田風太郎、大佛次郎・・・・、あの戦争が彼らを作家たらしめた。 昭和史の視点から作家の日記と作品を読み解く画期的な文学論。 <目次> 山田風太郎の『戦中派不戦日記』を読む 「戦争に負けると、ああなる」──山田風太郎と中国兵捕虜 八月十日の終戦──山田風太郎の心のなかの戦い 「十五日(水) 炎天 ○帝国ツイニ敵ニ屈ス。」 山田風太郎が終生感じた日本人へのもどかしさ 永井荷風の『断腸亭日乗』を読む 荷風が覚悟を決めた昭和十六年六月十五日 「アメリカと戦争するなんて莫迦ばかですよ」 戦時下、荷風が上野駅地下で見かけた男女 八月十五日、疎開先で知る「日米戦争突然停止」 大佛次郎が終戦直後に書いた「英霊に詫びる」 大佛の特攻への共感と荷風、志賀直哉への嫌悪感 「正直に生きていることに悔はない」 東久邇内閣の「内閣参与」として 大岡昇平のフィリピンでの戦場経験 大岡昇平が『俘虜記』で伝えたかったこと 『野火』から伝わる昭和陸軍の狂気 『レイテ戦記』執筆に至る公刊戦史の嘘への怒り 書いたのではなく、亡き戦友たちに書かされた大岡昇平 丹羽文雄が目撃した『海戦』の生と死 高見順が向きあった昭和二十年八月十七日の島木健作の死 清沢洌の怒り──「こんな戦争をやるのは誰だ」 徳富蘇峰が「自ら吾が愚に驚」いた八月十五日 伊藤整が感じた十二月八日の奇妙な静けさ 『戦艦大和の最期』──著者・吉田満の戦後   あとがきに代えて──残酷な踏み絵を作家に迫った時代
  • 参謀の昭和史 瀬島龍三
    3.8
    太平洋戦争中は大本営作戦参謀、戦後は総合商社のビジネス参謀、中曾根行革では総理の政治参謀。激動の昭和時代を常に背後からリードしてきた実力者の60年の軌跡を検証する。 陸大を優等な成績で卒業し、太平洋戦下の大本営作戦参謀を務め、戦後は高度経済成長期に商社の企業参謀、さらに中曽根行革で総理の政治参謀として活躍――激動の昭和を常に背後からリードしてきた瀬島龍三。彼の60年の軌跡を巡る数々の伝説を検証し、日本型エリートの功罪と歴史に対する指導者の責任を問うノンフィクション力作。
  • 昭和維新史との対話 検証 五・一五事件から三島事件まで
    -
    1巻1,980円 (税込)
    「血盟団事件」「五・一五事件」「二・二六事件」当事者と接した2人が明かす革命家群像 保阪氏と鈴木氏の初顔合わせ対談。昭和史には、全人類史が経験したすべての出来事が詰まっているという。貧困・飢餓・戦争・クーデター・占領、そして平和と繁栄……。日本人の罪と過ち、知恵と勇気を映し出す歴史の大舞台で、日本人は何のために互いを「敵」と見做し、テロの果てに血を流したのか? 国家改革を求めた青年将校や憂国者の心理から現代日本の希望と挫折、その課題を浮き彫りにする。 【目次】 第1章 国家改造運動の群像 第2章 五・一五事件と農本主義 第3章 軍事学なき〈軍人大国〉 第4章 未完の国家改造運動と日米開戦 第5章 戦後の革命家たち 第6章 国家改造運動の残したもの 【著者】 保阪正康 1939(昭和14)年、札幌市生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。昭和史の実証的研究のために、これまでに延べ四千人に聞き書き調査を行い、独自の執筆活動を続けている。2004年、個人誌『昭和史講座』刊行などの功績で第52回菊池寛賞受賞。著書に『東條英機と天皇の時代』『後藤田正晴』(ともにちくま文庫)、『瀬島龍三』(文春文庫)、『昭和史 七つの謎』(講談社文庫)、『昭和陸軍の研究』(上下、朝日文庫)、『あの戦争は何だったのか』(新潮新書)他多数。 鈴木邦男 1943(昭和18)年、福島県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。同大学大学院政治学専攻中退。サンケイ新聞を経て元一水会代表。「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」共同代表。著書に『公安警察の手口』『右翼は言論の敵か』(ともにちくま新書)、『愛国と米国』(平凡社新書)、『愛国と憂国と売国』(集英社新書)、『愛国者は信用できるか』(講談社現代新書)、『〈愛国心〉に気をつけろ!』(岩波ブックレット)、『失敗の愛国心』(イースト・プレス)、『ヤマトタケル』(現代書館)他多数。
  • 昭和史がわかる55のポイント
    4.0
    戦争、敗戦、占領、復興、経済成長、バブル景気……。飢餓もあれば飽食もあり、軍国主義も民主主義もあった“昭和”という時代。およそ人類が体験できる事件や事象のほとんどが存在したこの時代は、日本とは何か、日本人とは何かを考える上で多くの示唆と教訓にあふれている。本書は、昭和元年(1926)から昭和64年(1989)までの64年を、前期・占領期・後期の三部にわけ、全55項目のテーマに沿って概観した一冊。「大正から昭和へ」「金融恐慌」「満州への野心」……(前期)、「GHQ最高司令官マッカーサー」「戦後教育改革」「極東国際軍事裁判」……(占領期)、「10年目の経済白書」「60年安保と岸内閣」……そして「昭和天皇崩御」(後期)と読み進めるなかで、昭和史の全体像をしっかりと理解できる。激動の昭和史を次代に正しく伝えていく上で、バランスある歴史感覚でわかりやすく記述された本書は、まさに格好の講師役といえる。

    試し読み

    フォロー
  • 昭和史再掘 〈昭和人〉の系譜を探る15の鍵
    3.0
    「GHQが演出した熊沢天皇」、「中野正剛はなぜ自殺に追いこまれたか」、「挫折した日本の原爆製造計画」など歴史の闇に消えた史実を掘り起こし検証する。著者の昭和史観がうかがえる一冊。

    試し読み

    フォロー
  • 昭和史 七つの裏側
    -
    1巻1,500円 (税込)
    著者の執筆の基本は、「事実に触れた人物に会い、話を聞く」ことが第一である。この姿勢で、4000人以上の昭和史関係者を取材してきた。膨大な作品の中に取り入れたのは、残念ながらその一部に過ぎず、重要な証言や史料が、著者の手元にあふれている。著者はその一端を、自身が主宰する「昭和史を語り継ぐ会」の機関誌「昭和史講座」に掲載してきた。本書は、そこで掲載されたものの中から、昭和史ファン垂涎の7編を選りすぐり、一冊にまとめたものである。内容は、(1)「機密戦争日誌」はいかに保存されたか (2)「昭和天皇独白録」の正体 (3)学徒出陣壮行会で宣誓した学生代表の戦場(江橋慎四郎取材) (4)逆さまに押した判子と上司・東条英機(赤松貞雄取材) (5)「日本はすごい」と思っていなかった石原莞爾(高木清寿取材) (6)本当のところが知られていない東条英機暗殺計画(牛嶋辰熊取材) (7)陸軍省軍務局で見た開戦経緯(石井秋穂取材)の7編。
  • 昭和史 七つの謎
    3.5
    1~2巻649~715円 (税込)
    史実を知れば知るほど、調べれば調べるほど歴史の闇は深まる。真珠湾奇襲やソ連の侵攻、そして東京裁判の背後にはいったい何が蠢いていたのか? 卓抜な史眼の著者が資料の山にわけ入り、数多くの関係者の貴重な証言を基に昭和史に肉薄。文庫化にあたり新たに原武史氏との対談「昭和天皇の『謎』」も収めた。
  • 昭和史七つの謎と七大事件 戦争、軍隊、官僚、そして日本人
    値引きあり
    4.0
    昭和は、人類史の縮図である。 戦争、敗戦、占領、独立。 そして指導者、官僚、メディアの腐敗! 「昭和」はいまも続いている――。 無責任の体系とも言われた「昭和」の体質は、消えたのか? 責任を取らない指導者と官僚、煽るマスコミに騒ぐ国民。平成を経て、令和となっても、それは健在だ。 ゆえに、私たちは昭和の重大事件に常に立ち返らなければならない。 五・一五事件、二・二六事件、太平洋戦争、新憲法制定、60年安保闘争、三島事件、ロッキード事件。 昭和史研究の第一人者が、歴史の転機となった戦争と事件を「精神と行動からの分析」から解き明かす!! ※本書は2009年12月に小社より刊行された『太平洋戦争、七つの謎』と、2011年3月刊『日本を変えた昭和史七大事件』を合本にし、改題の上、加筆修正したものです。 【目次】 新版まえがき 第一部 太平洋戦争、七つの謎 はじめに 第一章 誰が開戦を決めたのか? 第二章 戦時下の国民は戦争をどう捉えていたのか? 第三章 山本五十六はなぜ前線に行って死んだのか? 第四章 なぜ人を武器にする戦術が生まれたのか? 第五章 日本の軍事指導者たちの敗戦の理由 第六章 誰が終戦を決めたのか? 第七章 もし本土決戦が行われていたらどうなっていたのか? おわりに あとがき 第二部 日本を変えた昭和史七大事件 はじめに 第一章 五・一五事件のもうひとつの顔 第二章 青年将校たちの精神と二・二六事件 第三章 太平洋戦争・「誤謬の東條首相」と閣僚 第四章 占領初期・日本国憲法制定と日本の官僚たち 第五章 戦後派世代の生理的嫌悪感と六〇年安保闘争 第六章 三島事件と戦後社会の不可視空間 第七章 田中角栄元首相逮捕という政争・ロッキード事件 おわりに
  • 昭和史の一級史料を読む
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「富田メモ」や『卜部亮吾侍従日記』をはじめ、昭和史における一級史料の発掘が相次いでいる。歴史史料は、どう読んだら理解が深まるのか。ノンフィクションとアカデミズムでは、史料の考え方、使い方はどう違うのか。側近たちが残した史料が語る昭和天皇の実像とは。昭和史研究の第一人者と、史料発掘の専門家が「史料の表裏」を縦横無尽に語り合う。
  • 昭和史の核心
    4.0
    日本人の心情と生活の根底には、鎖国時代に培われた実利主義が延々と生きている。しかしその伝統的実利主義を放棄してしまった時代があった。勝つ見込みのない戦争に突入した、昭和前期である──。戦争の悲劇が生まれた根本的な原因に迫るほか、令和の為政者が昭和史から学ぶべきこと、「報道されなかった東南海地震」「ローマ字社会になりかけた日本」などの昭和史秘史を紐解く。さらに、東京帝大時代に100メートル走の未公認世界記録を出した外交官藤井実、翼賛政治会を議会で批判した中野正剛など、語り継ぎたい日本人についても取り上げる。 (目次より)●「抽象的理想」の蔓延が日本の危機 ●永井荷風の虚無 ●報道されなかった東南海地震 ●ローマ字社会になりかけた日本 ●スターリンの北海道出兵計画 ●台湾の指導者の日本観 ●昭和天皇の摂政時代 ●「昭和8年」の警告 ●あさま山荘事件――戦前と戦後 交錯の瞬間 ●特攻に反対した部隊長 ●議会人の誇りを示した中野正剛 ●驚くべき世界記録を出した藤井実 ●自衛隊を出動させなかった赤城長官――60年安保 ●「半藤史観」継承へ
  • 昭和史のかたち
    3.8
    「昭和」とは、いかなる時代だったのか? なぜ、どのように、泥沼の戦争へと突き進んだのか? 天皇、政治家・軍人、知識人、庶民らは、どう戦前・戦後を生き、時代を形づくったのか? 遠くなりゆく「昭和」を、局面ごとの図形モデルを用い、大胆に解説。豊富な資料・実例を織り込み、現代に適用可能な歴史の教訓を考える。

    試し読み

    フォロー
  • 昭和史の急所 戦争・天皇・日本人
    3.3
    平成は終われど「昭和」は終わらず。私たちにとっての歴史の学びは、常に「あの戦争」が原点であり座標軸となる──著者の膨大な著作から次世代を照らす灯となる言葉、歴史証人の貴重な肉声を一冊に。東條英機、吉田茂、田中角栄らの真実に迫る保阪史観の集大成。
  • 昭和史の教訓
    4.0
    昭和史ノンフィクション作家の第一人者が、これまでの膨大な取材のなかから現代の日本人に学んでほしい教訓を引き出す。敗戦につながる昭和10年代の政治、経済、マスコミ……の諸相は、あまりにも現代の状況に酷似する。桐生悠々、斎藤隆夫、2.26事件、皇紀2600年、太平洋戦争など、多彩な素材から、えぐり出される教訓とは何か――。保阪正康氏の「自省史観」の神髄が、ここに結実。昭和10年代から教訓を学ばない者は、昭和10年代から報復を受ける。

    試し読み

    フォロー
  • 昭和史の深層
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 昭和三十年代の「昭和史論争」を初め、これまで、昭和史をめぐっては様々な論争が繰り広げられてきた。今日でも、国を超えた歴史共同研究が進む一方、個別のテーマに関して、依然として対立点が存在する。これまでの論争は果たして本質的なものであっただろうか?15のテーマに関して、史実を整理し、より本質的な問題点を提示する。
  • 昭和史の本質―良心と偽善のあいだ―(新潮新書)
    4.0
    「国民の九割強は良心を持たない」――芥川龍之介の言葉を裏付けるかのように、時流におもねる偽善は、軍人にかぎらず政治家や知識人、多くの大人たちにも見てとれる。三百万を超える犠牲者を出したあの戦争、敗戦とともに始まった戦後民主主義……日本人は、いったいどこで何を間違えたのか。近現代の名作に刻まれた一文を手掛かりに多彩な史実をひもとき、過去から未来へと連鎖する歴史の本質を探りだす。
  • 昭和史の論点
    4.1
    日本は進路を誤ったのか。戦前は「暗黒」だったのか。ワシントン体制から戦争責任まで、現在にまで尾をひく諸問題を徹底討論する 国を鎖していた小さな国が、急速な近代化をなしとげ、しまいには世界の“一等国”を自任するまでになった。しかし東亜の風雲はおさまらず、軍部は独走し、複雑な国際情勢の中で、ついに未曾有の大戦争に突入していく――。昭和日本はどこで誤ったのか? 戦争以外の進路はなかったのか? ワシントン体制から満州事変、二・二六事件、盧溝橋事件を経て、太平洋戦争、敗戦に至る過程を、昭和史研究の第一人者たちが、片寄った史観にとらわれることなく、徹底的に討論検証する。 【※電子書籍版には収録されていない写真があります。】 1:ワシントン体制(大正10年) 2:張作霖爆殺事件(昭和3年)  3:満州事変から満州国へ(昭和6年)  4:国際連盟からの脱退(昭和8年)  5:二・二六事件(昭和11年)  6:盧溝橋事件から南京事件へ(昭和12年)  7:東亜新秩序生命(昭和13年)  8:ノモンハン事件(昭和14年)  9:日独伊三国同盟(昭和15年)  10:四つの御前会議(昭和16年)  11:ハル・ノート(昭和16年)  12:真珠湾攻撃(昭和16年)  13:大東亜共栄圏  14:餓死と玉砕  15:科学技術と戦略  16:原爆とソ連侵攻(昭和20年)  17:戦争責任と戦後補償
  • 昭和史、二つの日
    -
    昭和16(1941)年12月8日の太平洋戦争の開戦と、昭和20(1945)年8月15日の敗戦。開戦と敗戦の日への道筋、あるいはこの二つの日はどのような日であったのか、幾つかのエピソードを交えて語る歴史エッセイ。
  • 昭和史 忘れ得ぬ証言者たち
    4.0
    菊池寛賞受賞の栄誉に輝く「保阪昭和史」の到達点! 肉声の持つ迫力! ――歴史の決定的瞬間に居合わせた者、戦後を寡黙に生き抜いた者……。真珠湾攻撃時の日本大使館員から、A級戦犯の最期の声を聞いた宗教家まで、文献にはない迫力ある証言の数々。取材した相手の数のべ4000人、菊池寛賞受賞に輝く昭和史研究の第一人者が、次代へと語り継ぐ貴重な肉声を一冊に!<『一語一会』改題作品>
  • 昭和天皇(上)
    -
    1~2巻1,799円 (税込)
    戦前は「立憲君主」、戦後は「象徴天皇」として一貫した行動をとり続けた昭和天皇。その足跡をたどりつつ、日本という国、日本人にとっての天皇という存在の意義を改めて問い直す。上巻は誕生から太平洋戦争・終戦まで。
  • 昭和天皇(上)
    4.3
    戦前は「立憲君主」、戦後は「象徴天皇」として一貫した行動を取り続けた昭和天皇。その足跡を丹念に辿りつつ、「昭和の意味」を浮き彫りにし、日本という国、天皇という存在の全体的意義を改めて問い直す。昭和史研究の第一人者による労作。

    試し読み

    フォロー
  • 昭和天皇実録 その表と裏1
    3.0
    1~3巻1,760円 (税込)
    2014年8月に宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての著者の満を持した試み。 著者は『昭和天皇実録』を、これまで民間に明らかにされなかった国家所蔵の記録を用いたものである点で極めて重要な文書としながらも、その記述にはさまざまな意図が隠されており、『昭和天皇実録』を真に意味あるものにするためには、 眼光紙背に徹した読解が必要だと言う。そこで著者は『昭和天皇実録』を歴史を追って読み込みながら、その都度、著者の昭和史への圧倒的な識見により拡充し、 これまでの歴史研究の成果と突き合わせてゆく。 本書は『昭和天皇実録』をテーマとしつつ、昭和史の新たなスタンダードを確定する画期的な一冊である。第1巻では昭和天皇の戦争体験を詳細に検証する。
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く
    4.4
    最強メンバーは1万2000ページに及ぶ 激動の記録をどう読んだか? 初めて明らかにされた幼少期、軍部への抵抗、開戦の決意、聖断に至る背景、 そして象徴としての戦後。天皇の視点から新しい昭和史が浮かび上がる。 第一章 初めて明かされる幼年期の素顔 第二章 青年期の栄光と挫折 第三章 昭和天皇の三つの「顔」 第四章 世界からの孤立を止められたか 第五章 開戦へと至る心理 第六章 天皇の終戦工作 第七章 八月十五日を境にして 第八章 “記憶の王”として
  • 昭和天皇(上下合本)
    -
    戦前は「立憲君主」、戦後は「象徴天皇」として一貫した行動を取り続けた昭和天皇。御製、会見、側近の証言など多岐にわたる貴重な資料をもとに、その八十七年の生涯を辿りながら、「昭和の意味」を浮き彫りにし、日本という国、天皇という存在の全体的意義を改めて問い直す。昭和史研究の第一人者による労作。 目次 プロローグ 崩御のとき――昭和六十四年一月 Ⅰ 帝王教育とヨーロッパ外遊 Ⅱ 軍部暴走の時代 Ⅲ 日米戦争突入へ Ⅳ 終戦、国民とともに Ⅴ 皇太子結婚と経済成長 Ⅵ ヨーロッパ再訪とアメリカ訪問 Ⅶ 天皇と経済大国日本 Ⅷ 寡黙な当事者 エピローグ 平成時代の幕開け  主要参考文献  関連年表 補章一 歴史になっていく「昭和天皇」 補章二 昭和天皇の秘められし「言語空間」  あとがき  文庫版あとがき
  • 昭和天皇、敗戦からの戦い―昭和史の大河を往く〈第3集〉
    -
    1巻880円 (税込)
    昭和天皇と弟宮が生きた昭和という「哀しみ」の時代。 皇居の濠を隔てて対峙する昭和天皇とマッカーサーの息詰まる心理戦。 “天皇制下の民主主義体制”へ、この国のかたちを決めた決断の時を、 昭和天皇と三人の弟宮が担った歴史的使命を、新視点で問い直す。 <目次> 昭和天皇とマッカーサー 皇居の濠を隔てて対峙する二人の視線 占領者と被占領者の「黙契もっけい」 皇居前広場にこだまする「音」 極秘裏に行われた両者の第二回会見 占領者の帰国と被占領者の意思 昭和天皇と弟宮 富士山を見つめていた秩父宮 秩父宮──近代日本で初めて経験する第二皇子という立場 秩父宮──日米開戦と御殿場での療養の日々 八月十五日の秩父宮──開かれた皇室への舵取り役 昭和天皇の弟宮たちへの思い──二・二六事件に際して 明治天皇の期待を担った皇孫たち──皇室の近代化への道 大正期──それぞれの道を進む皇子たち 高松宮の最期の日々──昭和天皇との思い出 日米開戦前夜──高松宮の昭和天皇への進言 新発見『小倉侍従日記』が伝える高松宮と昭和天皇との激論 終戦後の高松宮──兄宮の「人間宣言」を側面から支援 三笠宮崇仁殿下が著者に託された資料──戦争への真摯な反省の念 三笠宮崇仁殿下──終戦への戦い 三笠宮崇仁殿下──戦時に日本軍の誤りを指摘 昭和天皇と弟宮が生きた昭和という「哀しみ」の時代 〈同時代史〉から〈歴史〉へ移行する昭和天皇像 相次いで公開された側近たちの記録が伝える昭和天皇像 昭和天皇にとっての八月十五日──先帝を超えて あとがきに代えて── 昭和天皇の勝利、天皇制下の民主主義体制へ
  • 「昭和」とは何だったのか
    5.0
    「昭和」という変革の多かった時代。戦争体験者4000人の話を聞いて、昭和前期を検証した昭和史の第一人者に見えてきた真実とは! 昭和史から学ばずに政策を強行する昨今の政治情勢は危険だ。客観的に事実を述べてきた著者の、大本営発表を想起する報道問題から女帝論の歴史的意味までの渾身の問題提起!
  • 昭和の怪物 七つの謎
    3.8
    1~2巻891~913円 (税込)
    昭和史研究の第一人者が、積み重ねた取材から東條英機、、石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂が残した謎に迫る。
  • 昭和の戦争と独立
    -
    太平洋戦争そのものを個々の戦闘の集大成と見ることで、軍事とは本質的にどのような意味を持つのかを検証。また、昭和29年9月に調印された講和条約の発効により国際社会に復帰した折りの日本の政治・外交の局面を俯瞰。
  • 昭和の戦争を読み解く 戦争観なき平和論
    5.0
    20世紀は昭和の時代であった。戦後に刻印された我々の記憶は本当に正しい20世紀像を結んでいるのであろうか。昭和史研究の第一人者である著者が、昭和の戦争、エポックメイキングな事件を再検証し、昭和という時代と昭和を生きた日本人の実像を、独自の視点から読み解く。

    試し読み

    フォロー
  • 昭和の名将と愚将
    3.9
    恩賜の軍刀を与えられた秀才組に名将はいなかった 責任感、リーダーシップ、戦略の有無、知性、人望……昭和の代表的軍人22人を俎上に載せて、敗軍の将たちの人物にあえて評価を下す。 第一章 栗林忠道 第二章 石原莞爾と永田鉄山 第三章 米内光政と山口多聞 第四章 山下奉文と武藤章 第五章 伊藤整一と小沢治三郎 第六章 宮沢繁三郎と小野寺信 第七章 今村均と山本五十六 第八章 服部卓四郎と辻政信 第九章 牟多口廉也と瀬島龍三 第十章 石川信吾と岡敬純 第十一章 特攻隊の責任者 大西瀧治郎・冨永恭次・菅原道大 *電子書籍版では掲載されていない写真があります。
  • 昭和陸軍の研究(上)
    5.0
    1~2巻1,999円 (税込)
    昭和陸軍はなぜ多くの錯誤を犯したのか。国家を存亡の危機に陥れ、自らを解体に追い込み、国民に過酷な運命を強いた昭和陸軍とは、そもそもどのような組織だったのか。そもそも太平洋戦争とはなんであったのか。500人余りの関係者の証言と、膨大な資料から、その解明を試み実像を描いた著者渾身の力作。
  • 新世界秩序と日本の未来 米中の狭間でどう生きるか
    3.8
    「台湾侵攻」は起こるのか? コロナ後の覇権国とは? 時代を代表する論客ふたりが、不透明な世界の先行きを展望する! コロナ禍という未曽有の大惨事を経て、世界情勢は大きな変化を遂げた。アメリカではバイデン新政権が誕生し、国際協調路線を推し進めている。他方、中国は香港やウイグルの問題を抱えながらも「ワクチン外交」を繰り広げ、世界的に影響力を拡大しようとしつつある。こうした米中の覇権抗争のもとで、今後の世界はどのような動きを見せていくのか。アメリカを覆う「分断」の歴史的背景、中国の積極的な対外進出の裏側にある「焦り」の正体、そしてこれからの日本の展望などについて、時代を代表する論客ふたりが縦横無尽に議論する。
  • 眞説 光クラブ事件 戦後金融犯罪の真実と闇
    3.7
    終戦直後の混乱期。若槻礼次郎以来の天才と称された東大生・山崎晃嗣は、ヤミ金融会社「光クラブ」を設立し時代の寵児となるが、わずか27歳で服毒自殺する。後に三島由紀夫、高木彬光らが小説のモデルとし、アプレゲールの典型といわれた山崎は、なぜ死ななければならなかったのか。昭和史研究の第一人者が徹底取材し、その死後60年にして明らかにした山崎の真実の姿とは。戦後金融犯罪の謎に迫る。
  • 新・天皇論
    -
    1巻1,300円 (税込)
    新たな議論はここから始まる。平成から令和へ。天皇の代替わりに併走し、同時進行形で書かれた稀有なる思索。天皇と皇后の役割、父と子の皇位継承物語、天皇とアメリカ、天皇と戦争、皇室と恋愛など、斬新な視点で天皇制の歴史と未来を照らす。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 新編 後藤田正晴 異色官僚政治家の軌跡
    3.8
    政治家として自民・非自民の双方から敬意を集めた後藤田正晴。旧内務省官僚、浅間山荘事件など治安の総帥として指揮を執り「カミソリ」と呼ばれた警察官僚を経て、内閣官房長官時代には自衛隊海外派遣に強く反対した。律儀で真摯で明瞭な生き方を振り返り、氏の歴史的普遍性に迫る。

    試し読み

    フォロー
  • 親鸞 いまを生きる
    4.0
    わが身の愚かしさ、罪深さを悩みぬき、大きな「はたらき」に生かされていることに気づく――。750年の時空を超えて、いまに生きる“親鸞”。政治学者で『悩む力』の著者、姜尚中氏、精神世界に深い関心をもつ作家、田口ランディ氏、親鸞仏教センターの本多弘之所長の3人が、自らの経験に根ざし、その思想を縦横に語る。

    試し読み

    フォロー
  • 時代に挑んだ反逆者たち 近代日本をつくった「変革」のエネルギー
    5.0
    反乱、革命、クーデター……昨今、日本という国で、人びとが自分のエネルギーの全てを振り絞って権力や体制に向かって暴動を起こすといった出来事はほとんど見られない。しかし江戸、明治、大正、昭和と、現代に続く日本の歴史の過程では、時代の趨勢に命懸けで抗った男たちがいた。彼ら“反逆者たち”は、決して一個人の理想や空想に目を奪われて無謀な戦いを挑んだわけではない。混沌として先が見えない“時代の文脈”によって歴史の表舞台に呼び寄せられ、その反逆のエネルギーによって次の時代への扉を開く役割を担ったのである。大石内蔵助、大塩平八郎、高野長英、佐久間象山、西郷隆盛、田代栄助、田中正造、出口王仁三郎、宮崎滔天、石原莞爾――数多くの“反逆者”の中でも、激動期の日本人の心情を最もよく表した10人の男たち。彼らがなぜ“反逆の道”を歩んだのかを著者独自の視点で探っていくことで、近代日本の新たな実相を浮かび上がらせた会心の一作。
  • 実学と虚学 《学び》は人をどう変えるか
    3.0
    資格取得のため、転職のため、キャリアアップのため、多くの社会人が大学や大学院などで学ぶ時代になった。だが、自らの社会的価値や利益を高めるための学びは「虚学」に過ぎない。自己の内面の欲求に即し、生き方そのものを探求する「実学」こそが必要なのである。本書は、「実学」によって自己変革を遂げた4人の具体例を通じ、本当の《学び》とは何かを問いかけた作品である。一代で上場企業を育てあげながら、突如僧侶となった小島康誉氏、猛烈銀行マンから難病を機に、「生きる計画」を立て直す学びに入った梅原健次郎氏、医師として、患者に「死」を語れない無力感の克服を志した清水英一氏、看護師から社会福祉の道に入り、あるべき福祉を探求する丹羽和美氏。佛教大学通信教育課程で出会った4人の取材を通じ、人生を変える《学び》とは何かが見事に浮き彫りにされている。「昭和史の語り部」として知られる著者による異色の自己啓発読本。
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    3.8
    あいちトリエンナーレ2019、日本学術会議 会員任命拒否、検察官定年延長、加計学園問題……今、起きている出来事の本質を見抜くための論考集。 「百人組手で知性を鍛え、不当性に抗う訓練になる一冊」――荻上チキ(評論家) あらゆる「自由」が失われつつある中で、研究者・作家・芸術家・記者などが理不尽な権力の介入に対して異議申し立てを行う。少しでも声を上げやすい世の中になるようにと願って26名の論者が集い、「自由」について根源的に掘り下げる。 批判的思考を養うための書! 【本文より】 表現の範囲がどんどん狭まっている――ヤマザキマリ 批判精神に欠けた学者に囲まれた政府は、端的にいって災厄――藤原辰史 アーティストやタレントが政治的な発言をするたびに、猛バッシングを受けますが、彼らも市民の一人です。政治的発言をしてはならない理由がわかりません――上野千鶴子 私たち日本人は「自由は取扱いの難しいものだ」という実感に乏しいように思われる――内田樹
  • 政治家と回想録 読み直し語りつぐ戦後史
    3.0
    小泉さんにもぜひ書いてもらわなければ……。19人の弁明を採点する! 歴史の評価に耐えうる者はいったい誰なのか? 後世にむけての責任――政治家の最後の責任とは、なんだろうか? それは、回想録を残すことである、と著者は喝破する。彼らの決断は、後世の人々に対し、恥ずかしくないものだったのか。吉田茂、石橋湛山、佐藤栄作から村山富市まで、戦後の主要政治家19人の弁明を仔細に検討、それぞれが歴史に果たした役割を採点する、異色の戦後史。
  • 世界「最終」戦争論 近代の終焉を超えて
    4.6
    アメリカの国力の低下と共に勃興する諸大国の新たな覇権主義。拡大する中東の戦乱、国境を越える大量の難民、欧州のテロ事件。行き過ぎたグローバル経済と格差社会。国内に目を転じれば大規模な災害が起こる中、平和主義の戦後レジームからの脱却を主張する動きが勢いを増している。いよいよ混迷を深める世界と社会の情勢。その背景にあるのは、世界史レベルのパラダイム(知的枠組)の地殻変動である。顕在化している近代の崩落過程についてリベラル派の言論人を代表するふたりが語り合い、難局を避けるために必要な世界の見取り図を提示する。【目次】はじめに――悲劇の氾濫の中で 姜尚中/序章 問題提起 世界は「最終戦争」に向かっているのか/第一章 液状化する国民国家とテロリズム/第二章 我々は今、擬似戦時体制を生きている/第三章 帝国再編とコミューン型共同体の活性化/第四章 グローバリズムという名の「棄民」思想/第五章 シンガポール化する日本/第六章 「不機嫌な時代」を暴走させないために/おわりに 内田 樹/主要参考文献
  • 関口宏・保阪正康の もう一度! 近現代史 戦争の時代へ
    3.5
    1巻1,595円 (税込)
    日清・日露戦争に勝利し、朝鮮半島、南樺太、そして南満州鉄道を手に入れた日本は、強大化した軍事力を背景に一等国の仲間入りを果たした。 迎えた大正時代は、政争に始まった。山縣有朋を筆頭とする明治の元勲・藩閥勢力と、議会政治の確立を目指す勢力が激しく争い、民衆もそれに呼応して護憲運動が起こった。 まもなくヨーロッパで第一次世界大戦が勃発し、ロシア、ドイツで革命が起こって帝政が崩壊すると、日本はその間隙を縫うようにして権益を確保しようと目論む。ドイツが支配していた中国の港湾都市・中国を強引に奪い取り、シベリアにも出兵した。 日本は、「遅れてきた帝国主義国家」となった。国力の伸長を国民も支持し、陸軍の暴走を追認する形で、軍事国家への道を歩み始める。 天皇の体調が思わしくなかった大正後期には軍事行動を自重していた陸軍も、昭和に改元されると、すぐさま満州事変を起こし、さらに柳条湖事変によって中国大陸の奥深くへと侵攻していく。 傀儡国家・満州国建設のため、清朝のラストエンペラー溥儀を天津の日本租界に匿い、日本の保護下に置いた。さらに男装の麗人と言われたスパイ・川島芳子が溥儀の妻・婉容を言葉巧みに連れ出し、満州国建設の準備を進める。 一方国内では血盟団事件、五・一五事件など要人をターゲットにしたテロ事件が続発、ついには、東京に戒厳令が敷かれる二・二六事件が勃発する――。 新興国・日本が経済力と軍事力に自信を深め、欧米列強に伍する新たな一等国として成り上がろうとした、野望の時代。 目的のためには手段を選ばずあらゆる謀略を駆使し、目を覆うような残虐行為が横行する一方、華やかな大正文化が勃興した大正~昭和11年初頭までを描く、大人気シリーズ待望の第二弾。
  • 関口宏・保阪正康の もう一度!近現代史 帝国日本の過ち
    3.5
    1巻1,815円 (税込)
    読者から待望の声殺到の大人気シリーズ、ついに完結! 昭和11年の二・二六事件から、昭和20年8月15日の玉音放送までの10年間。 満州事変、国連脱退、日中戦争、ノモンハン事件と、領土拡張への野望を隠さない日本軍部。政党政治も、皇族宰相も、そして天皇も、その暴走を止めることはできなかった。 1941年12月8日、マレー半島コタバルへの上陸、および真珠湾攻撃によってはじまった対英米戦争は、やがて全世界の連合国47ヵ国を敵に回す絶望的な戦闘へとドロ沼化する。 いっぽう、中国の蒋介石は、妻の宋美齢がたびたびワシントンに飛び、日本を相手に戦うことの正当性を訴え、支援を取り付けることに成功する。 アメリカ、イギリス、ソ連は中国を連合国の主要な一員と認定し、この枠組みは、戦後の国際秩序にも反映されることになる。 ビルマの首都ラングーンから、蒋介石政権の根拠地・南京を結ぶ「援蒋ルート」によって送り込まれた武器弾薬、および支援物資は、中国の抗日戦争を支えつづけた。 日本軍はミッドウェー海戦をきっかけに太平洋でも敗戦を重ね、南海のガダルカナル島争奪戦でも壊滅的な打撃を受けた。 東南アジアでも「史上最悪の作戦」と言われたインパール作戦など兵站・補給を無視し、戦力差をことさら軽視し、精神力のみに頼った日本の戦争は、やがて、人間の命をも兵器として利用する「特攻」という史上類例をみない過ちへと突き進んでいく。 自らの責任を追及されることを恐れ、面子にのみこだわった軍部は、それでも戦争を止められなかった。 東京大空襲による大火災で、民間人に多数の死傷者を出し、沖縄上陸戦で多くの人が命を落とし、広島・長崎への原子力爆弾投下という悲劇を招いても、なお自らの過ちを認めようとしなかった。 当時44歳の天皇は、「無条件降伏」という重い決断を一身に背負う――。 昭和史研究の第一人者と名司会者が語り合う、戦争の悲劇。
  • 関口宏・保阪正康の もう一度! 近現代史 明治のニッポン
    3.0
    1巻1,540円 (税込)
    勝海舟、大久保利通、西郷隆盛、木戸孝允、伊藤博文ら数々の英雄たちが天皇を支え、築き上げた新国家・明治日本。 明治日本を知らなければ、現代の日本はわからない。 明治を形作ったひとり一人の素顔、新天皇の東京入城に沸いた庶民の姿、文明開化、岩倉使節団の珍道中に始まり、西南戦争、台湾出兵と世相は徐々に血なまぐさくなっていく。 軍部の強化に努めた新生日本は遅れてきた帝国主義国として列強の後を追い、日清戦争、日露戦争へと突入していく――。 激変に次ぐ激変、日本史のなかでもっとも面白く、生き生きとした時代の記録。
  • 世代の昭和史 「戦争要員世代」と「少国民世代」」からの告発
    5.0
    日本人の戦争体験の本当の意味を現代に手渡す。 現代史研究の第一人者が、世代論によって昭和史を見つめ直すライフワーク。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 1989年の因果 昭和から平成へ時代はどう変わったか
    3.3
    天皇崩御、与党の大敗、消費税導入、冷戦終結、東西ドイツ統一、天安門事件……世界的な激動の年であった1989年=平成元年の変調は、年を経て、形となって影響をおよぼすようになった。当時の記録をいまの視点からあらためて問い直す。『検証・平成維新』改題

    試し読み

    フォロー
  • 戦後70年 あの戦争は何だったのか 「一億玉砕」という亡国思想
    -
    昭和18年5月、アッツ島の戦いで、突撃の前に支隊長はこう訓示を述べた。〈弾丸が尽きたら銃剣で闘え/剣が折れたら拳で撃て/拳が砕けたら歯でもって敵を噛め……〉。そして約2,600人の守備隊は全滅したのだが、この戦いから大本営は「全滅」を「玉砕」と言い替えるようになった。それは太平洋戦争が「軍事」から「死の美学」へと転じていくことに等しかった。その「十死零生」の戦法は、やがて民間人にも要求されていった。
  • 戦後の肖像 その栄光と挫折
    3.0
    秩父宮、高松宮、赤尾敏、安岡正篤、伊藤律、坂口弘、田中角栄、藤山愛一郎、武見太郎など、もし、この人物がいなかったら戦後の日本の政治・経済・社会状況は別の局面を迎えていたかもしれないようなキーパーソン十五人を取り上げ、彼らの足跡を検証することにより、戦後日本の栄光と挫折に迫る意欲作。

    試し読み

    フォロー
  • 「戦後80年」はあるのか――「本と新聞の大学」講義録
    3.5
    日本の「戦後70年」とは平和の時代であった。しかし今日「戦後レジームからの脱却」へ歩を進める政権によって、かつてないほど不安で希望の見えない時代が迫りつつある。果たして私たちに「戦後80年」は到来するのだろうか。比較敗戦論、論壇と出版、集団的自衛権と憲法、歴史学による戦前・戦後論、少子化問題、中央銀行の破綻……。日本の知の最前線に立つ講師陣が「戦後とは何か」を論じつつ、この先10年、日本が歩むべき道を提言する。朝日新聞社と集英社による連続講座シリーズ「本と新聞の大学」第4期の書籍化である。【目次】まえがき 姜尚中/第一回 基調講演 一色 清×姜尚中/第二回 比較敗戦論 敗戦国の物語について 内田 樹/第三回 本と新聞と大学は生き残れるか 東 浩紀/第四回 集団的自衛権問題とは何だったのか 憲法学からの分析 木村草太/第五回 戦後が戦前に転じるとき 顧みて明日を考える 山室信一/第六回 戦後日本の下半身 そして子どもが生まれなくなった 上野千鶴子/第七回 この国の財政・経済のこれから 河村小百合/第八回 総括講演 姜尚中×一色 清/あとがき 一色 清
  • 戦争と天災のあいだ─記録の改竄、記憶の捏造に抗して
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 見たくないものにしっかりと目を向けることから、はじめて希望は生まれてくる!――大震災はこの国の社会システムの欠陥を白日の下にさらけだした。それは67年前に克服したはずのものだったのに。反省と新たな決意! ※北海道新聞では保阪正康さんの監修のもと、「道新フォーラム~現代への視点~歴史から学び、伝えるもの」という企画を2009年から毎年、発信しつづけています。これまでに半藤一利、立花隆、澤地久枝、姜尚中の各氏が講演し、聴衆と活発な討論を続けてきました。本書はその活字化の第1弾として2011年のフォーラム「20代と考える戦争と大震災」 をお届けするものです。 ≪道新フォーラム≫活字化 第1弾 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 占領下日本の教訓
    4.5
    昭和20年の敗戦から6年8カ月間、日本は主権を失い、占領支配を受けた。この間、国民は何を失い、何を得たのか。今日の経済至上主義の社会とどう繋がるのか。あの体験から学ぶべきは何か。「ここで得た教訓を次代に伝えるのが私の使命だ」。昭和史研究の第一人者で、戦後民主主義教育第一世代の著者が鋭く迫る。好評『昭和史の教訓』『東京裁判の教訓』に続く昭和史「教訓3部作」完結!

    試し読み

    フォロー
  • 漱石のことば
    3.6
    ミリオンセラー『悩む力』の著者が、夏目漱石没後100年の年に、満を持して“名言集”に挑戦。漱石の平易な言葉は、今なお私たちに深い智慧をもたらしてくれる。「可哀想は、惚れたという意味」「本心は知り過ぎないほうがいい」「すれ違いは避けられぬ」「みんな淋しいのだ」「病気であることが正気の証」「嘘は必要」「一対一では、女が必勝」「頭の中がいちばん広いのだ」「片づくことなどありゃしない」。半世紀以上にわたり漱石全集を愛読してきた姜尚中が、密かに会得したこれらの“教訓”とともに、148の文章を紹介。本書は、混迷の21世紀を生き抜くための座右の書である。【目次】序章 残念な人生へのやさしい讃歌/第一章 かくも「私」は孤独である 【自我】/第二章 「文明」が人を不幸にする 【文明観】/第三章 たかが「カネ」、されど「カネ」 【金銭観】/第四章 「人の心」は闇である 【善悪】/第五章 「女」は恐い?! 【女性観】/第六章 「男」は男らしくない?! 【男性観】/第七章 「愛」は実らぬもの?! 【恋愛観】/第八章 「美」は静謐の中にあり 【審美眼】/第九章 とかくに「この世」は複雑だ 【処世雑感】/第一〇章 それでも「生きる」 【死生観】/終章 上り坂の向こう側へ/あとがき
  • そして官僚は生き残った 内務省、陸軍省、海軍省解体―昭和史の大河を往く〈第10集〉
    4.0
    1巻880円 (税込)
    最大の事業仕分け、GHQによる官庁中の官庁・内務省と巨大な人員を擁する陸軍省、海軍省の解体。 だが官僚たちはしたたかだった。名とかたちを変え組織は残った。 <目次> 最後の陸相・下村定の未公開手記 陸軍省消滅と下村陸相の国会での謝罪演説 陸軍最後の日──昭和天皇と下村陸相の涙 陸軍最後の日の皇居内──侍従武官の証言 「公」のためと「私」のための自決 なぜ俺が敗戦国の軍使に──河辺虎四郎の憂鬱 敗戦は「我等軍人の罪」──自決したO大佐の真摯な反省 “官庁中の官庁”内務省解体を目指すGHQ 内務省解体とGHQ内部の確執 “責任ある政府”──ケーディスの理想と内務省解体 解体目前の内務官僚たちの心中──鈴木俊一の証言 国家警察と自治体警察──警察改革を巡る攻防 警察法改正──ゆきづまったアメリカ型警察制度 内務省終焉──真に解体すべきは悪しき官僚制度 海軍は開戦に反対していたという“神話”の誕生 最後の海相・米内光政の訓示に込められた思い 米内光政の見事な出処進退と消えた海軍の戦争責任 戦後、一切の公職に就かなかった井上成美の生き方 「三笠」艦上から海軍解体の日を思う 特攻作戦の責任と海軍将官の自決 海軍という理想郷のなかで消えた「勇断」 警察予備隊創設と旧内務官僚と旧軍人の対立 自衛隊の基礎を作った十一人の旧軍佐官クラスの任用 そして官僚機構はかたちを変え、残った あとがきに代えて──戦前、戦後とも責任をとることのない官僚組織
  • そして、メディアは日本を戦争に導いた
    4.1
    昭和史の大家ふたりが、破局に突き進んだ「昭和の大転換期の真相」を明らかにした対談。タブー視され部分的にしか語られることのなかったジャーナリズムと国民自身の戦争責任について、真正面から取り上げている。そして昭和の歴史を振り返るだけでなく、時代状況が驚くほど似てきた現在へ警鐘を鳴らす。 昭和初期、新聞は軍部の圧力に屈したのではなく、部数拡大のため自ら戦争を煽(あお)った。日露戦争時の「戦争に協力すると新聞が売れる」という教訓にしたがい、先頭に立って太鼓を鳴らし、日本を戦争へ導いたのである。しばらくは軍部に抵抗していた雑誌ジャーナリズムも同様の道をたどることとなった。 国民の側も、5.15事件はじめテロを「義挙」として賞賛し、国連脱退を熱狂的に支持するなど、ひとりよがりな「正義」にとりつかれ冷静さを失っていった。言論人、文化人も狂騒状態に陥り、国際的孤立を歓迎した。ジャーナリズムのミスリードから、付和雷同しやすい民族性もあり、国民全体がなだれをうって破局への道を選択したのである。 当時のこうした時代状況に、“現在”は驚くほど似ている。近現代史の「四〇年周期説」(37ページ)でいっても現在は、昭和初期に当たる。憲法改正の動き、ヘイトスピーチなどに見られる右傾化、新たな形での言論弾圧・テロなど、危険な兆候も増えてきた。にもかかわらず、あまりにも歴史を知らず危機感のないジャーナリストはじめ国民に対して、いちばん大事な「昭和史の教訓」をわかりやすく説いたのが本書である。

最近チェックした本