昭和史研究の第一人者「坂本多加雄」、「半藤一利」、「秦郁彦」、「保阪正康」が昭和史を討論した作品『昭和史の論点』を読みました。
ちょっと前になりますが、12月8日… 太平洋戦争開戦の日に、昭和史のことを考えたくなり読み始めました。
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日本は進路を誤っ
...続きを読むたのか、戦前は「暗黒」だったのか、ワシントン体制から戦争責任まで、いまに尾をひく諸問題を徹底討論する。
国を鎖していた小さな国が、急速な近代化をなしとげ、しまいには世界の“一等国”を自任するまでになった。
しかし東亜の風雲はおさまらず、軍部は独走し、複雑な国際情勢の中で、ついに未曾有の大戦争に突入していく―。
昭和日本はどこで誤ったのか?
戦争以外の進路はなかったのか?
ワシントン体制から満州事変、二・二六事件、盧溝橋事件を経て、太平洋戦争、敗戦に至る過程を、昭和史研究の第一人者たちが、片寄った史観にとらわれることなく、徹底的に討論検証する。
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ワシントン体制から戦争責任までの期間を、時代に沿った以下の17テーマで四人が討論している作品です。
■1 ワシントン体制(大正10年) ― 反英のスタート
■2 張作霖爆殺事件(昭和3年) ― 陰謀の発端と発言せざる天皇
■3 満州事変から満州国へ(昭和6年) ― 泣く子も黙る関東軍
■4 国際連盟からの脱退(昭和8年) ― 新聞の果たした役割
■5 二・二六事件(昭和11年) ― 皇道派と統制派
■6 盧溝橋事件から南京事件へ(昭和12年) ― 陰謀・虐殺の事実は?
■7 東亜新秩序声明(昭和13年) ― 自主外交の突き当たったもの
■8 ノモンハン事件(昭和14年) ― 北進から南進へ
■9 日独伊3国同盟(昭和15年) ― 4国同盟への夢想
■10 四つの御前会議(昭和16年) ― 戦争への道のり
■11 ハル・ノート(昭和16年) ― 多くの陰謀説の検証
■12 真珠湾攻撃(昭和16年) ― 「無通告急襲=騙し討ち」の汚名
■13 大東亜共栄圏 ― 「解放戦争」か「侵略戦争」か
■14 餓死と玉砕 ― 太平洋戦争の軍事的側面
■15 科学技術と戦略 ― 戦艦大和・零戦・酸素魚雷
■16 原爆とソ連侵攻(昭和20年) ― 聖断をもたらせたものは何か
■17 戦争責任と戦後補償 ― 謝るべきか、否か
■関連地図・年表
昭和史研究の第一人者たち… と言っても、17もテーマがあると、それぞれに特に得意なテーマがあるようで、テーマによってリーダー的な発言をする人が異なっていましたね。
意見が相違したり、対立するテーマもありました。
歴史というのは、事実として判明している部分は意外と少なく、事実から類推する部分が多いので、このようなことは起こって当たり前なんでしょうねぇ… ひとりの人の意見だけを信じるのではなく、複数の人の意見を知ることにより、多面的に物事を見て、判断できるようにしないといけませんね。
そういう意味では、歴史って、答えのないミステリーのようなものなんですよねぇ、、、
事実と推理を組合わせて仮説をたて、それを証明できる資料や証言を探す… ということを繰り返して、真実に近づいて行くしかないけど、本当のことは当事者にしかわからないですからね。
興味はあるけど、なかなか頭に入らない昭和史… 勉強させてもらった一冊でした。