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昭和史研究の第一人者が、積み重ねた取材から東條英機、、石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂が残した謎に迫る。
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Posted by ブクログ
180810昭和の怪物 七つの謎 保阪正康 ☆☆☆ 「東條英機」ナンバーワン! 石原莞爾・瀬島龍三が勉強になった 犬養毅・渡辺和子・吉田茂も良かった 1.東條英機 選んではならない首相「自省がない」 昭和天皇と木戸内大臣の奇策 自己保身が国を滅ばした (1)軍人の偏狭さ①精神論が好き②妥協は敗北③...続きを読む事実誤認は当たり前 ⇒安部晋三首相と似ている(14)凄い大胆な発言 選んではならない (2)人事大好き 東條人事こそ陸軍最大の誤り 私情がらみの人事 諫言の士より服従の部下 口を挟まない幕僚 (3)東條の大いなる勘違い あくまで軍事的勝利を目指す、天皇は戦争に負けるより「国体護持」「皇統を守る」 国家指導者の懸念を理解できなかった(保坂氏は無視というが) ①勝算無く三年八ヶ月もなぜ戦争を続けたのか? ②東條は軍事独裁体制を布いたが、責任は誰が負うと考えたか? 東條は軍人 戦うことしかできない (4)東條の精神論 戦争は、負けたと思ったときが負け ⇒日本に負けはない 国家が滅びても負けを認めない (5)理念無き戦争を行なったツケ 軍人にこの国を任せたツケは日本の未来を縛る 軍人は戦争の真の意味を理解していない ⇒この章だけで十分重かった 2.石原莞爾 軍人としてスケールが圧倒的に大きい 満州事変の戦略判断は見事 ソ連スターリンが動かない読み しかし前例を作ったことの影響は結局日本を滅ぼしてしまった 敗戦の際に、東亜の道義は消えない、くじけてはダメと 拓銀破綻とDNAに似ている
平成という時代のが終わろうとしている今、戦前、戦後の昭和の時代に何が起こり、誰がどんな判断をしてきたのかを2018年の今こそ知らしてくれる一冊。
講談社現代新書今月の新刊。丁寧なインタビューと一次資料の読み込みにより昭和史の謎に迫る。第1章の東條英機についても予断を排してその存在を再構築していく様が白眉かつ痛快。2章以下は 石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂。2018年必読の書。 以下本文p13-14より 東條英機論 …とにかく強...続きを読む引で、自分に都合のいい論理しか口にしない。(中略)いわば人間形成が偏頗なのである。こういうタイプの政治家、軍人は三つの共通点を持つ。「精神論が好き」「妥協は敗北」「事実誤認は当たり前」(中略)(その点では安倍晋三首相に似ているともいえるが)。(中略)つまるところは「自省がない」という点に尽きる。(中略)その行き着く先は国家存亡の危機である。
東条英機や吉田茂など6人の人物にフォーカスして、昭和前期の歴史を読み解いた本。 本書は関係者への取材や文献記録などをもとに、昭和前期(戦前)に起こった出来事に関係する6人の人物を中心にして昭和前期の歴史をひもといていきます。 歴史から教訓を導き出すことは、未来をより良くするために必要なこと。私た...続きを読むちは昭和前期の歴史から何を学ぶべきか。何を教訓にすべきか。そのことを本書は教えてくれます。
面白い。一気に読んだ。特に犬養道子氏と渡辺和子氏のエピソードは心に迫る。元号が変わり昭和が歴史になりつつある今、こうした切り口の書物は大変意義深いと感じた。
昭和史は私の世代の歴史教育では把握し難いものがあって、あまりよくわかっていないため、本書は興味深く読んだ。側近へのインタビューを通じて提示されるそれぞれの人物像が新鮮。良いところ(悪いところ)ばかりでないのが良い。一部救いのない人もいるが…
面白い面白いと聞いていたけど、これはスゴ本だ。下手なスパイ小説や戦争モノを読むよりよっぽどヒリついててスリリング。 東條英機、石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂についての膨大なインタビューをもとに、それぞれに問題提起をしつつ実像に迫っていく本。 東條英機はホンモノのクズだったっていうの...続きを読むは本当に膝の力が抜けるくらい悔しいというか腹が立つというか。全くのグランドデザイン無しに非科学的な思想のみでこいつは一体何人の人間を死に追いやったのか。「東條英機とは戦争というものを全く理解していなかった日本陸軍という組織の結晶のような存在である」という風な批判が引用されていて、なるほどそれならば確かに学ぶべき貴重なサンプルではあると思う。 犬養毅の孫娘である渡辺和子氏( 前ノートルダム清心学園理事長)の回顧は胸が熱くなった。この方の著作も読んでみたいと思う。 それにしても・・・五・一五事件、ニ・二六事件という軍人の蜂起で政党政治が崩壊し軍部主導の統治が始まり大東亜戦争を引き起こし、そして『日本のいちばん長い日(岡本喜八監督版)』をこの間観たのだけど、玉音放送の寸前まで日本軍はクーデターを起こしている。 日本人が「軍人」という職につくと本当に始末が悪い。そしてそれを嫌というほど自覚しているから今の憲法があってシビリアンコントロールの仕組みが出来上がってるというのに、日の丸に富士山デザインのマスクを着けたり、背広を脱いで自衛隊の訓練に参加したりする、内向きコミュニケーションしかし取れないSNS大好き中学生みたいな馬鹿が自衛隊トップを務めたりしている現実にはウンザリだ。 この本を読み、『日本のいちばん長い日』『ザ・レポート』『マーシャル・ロー』を観て悟った。日本という国は、日本人は、この国の政治は「軍」を持てるほど成熟していない。 「次も」絶対に失敗するから、軍は持たない方がいい。
保阪正康の著作には、昭和史の大きな流れを扱ったものと、小さいポイントを掘り下げたものと2タイプあるが、これは後者のカテゴリーに入る。昭和の歴史を見つめた当事者の聞き書きをもとに、深層に迫っていく。いささか重箱の隅をつついている感は否めないものの、年表や出来事を羅列するだけが歴史の綴り方ではないとも思...続きを読むうから、これはこれで正解なのだろう。
平成が終わる中、今一度昭和史、特に戦中、戦後と社会が大きく変わった時代のリーダーたちを知りたくてこの本をとった。 東条英機の文学や哲学、学問を軽視する姿や逆の立場であった石原莞爾など、時代は違えど人間として、現代人にもi-eyところはあった。 特に瀬島龍三のエピソードにあった、平気で一次情報の文書を...続きを読む書き換える姿勢は、現代の官僚と通じるぶぶんがある。70年賀状たった今でも、変わらないところはあるのだと感じた。 ただし、各エピソードに出てくる事件や物事など、ピンと来ない部分がある。それは自分がまだ歴史の理解が足りない部分である。 今、未来を考えるにも、過去も学ばなければいけないと、再認識した一冊です。
半藤一利と並ぶ昭和史研究の大家である著者が、太平洋戦争の目撃者たる東条英機、石原莞爾、吉田茂ら6名の人物に焦点を当て、それぞれの謎について、膨大なこれまでの研究成果をもとに著者なりの真相仮説を提示する。 特に重点を置いて描かれるのは東条英機と石原莞爾の二人であり、この二人に対するパートで本書の半分...続きを読む弱が占められている。東条英機と石原莞爾の対立関係、というよりも東条の石原に対する怖れや、石原莞爾が描こうとして理想の社会とは何だったのか、そうした問に、具体的かつ百科全書的な著者のこれまでの昭和史の知見がフルに援用されながら、ストーリーが語られる様は見事で、知的好奇心を多いに満たしてくれた。
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昭和の怪物 七つの謎
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