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のべ4000人の元軍人らに取材を重ねてきた保阪正康氏が、昭和を代表する人物のエピソードを通じて昭和の闇=語られざる真実を語るシリーズ第2弾。本書では、田中角栄・三島由紀夫・後藤田正晴・橘孝三郎・近衛文麿・伊藤昌哉・野村吉三郎を取り上げる。
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Posted by ブクログ
昭和史において、政界から在野の人物7名へのインタビュー等を通じて述べた本書。 いくつも初見があって面白い。 特に気になったのは2点。 一つは橘孝三郎。この人物についてはまるっと初見である。農本主義者で理想主義者。なおかつ自ら汗を流す実践家でもある。その人物が何故「五・一五事件」に関与した...続きを読むのか?そこに当時における社会の病巣が関係している。大雑把に言ってしまえば、「都市優先・農村軽視」と「富の偏在・格差社会」。 前者においては、農村の荒廃。今とは比較にならない程、農業者が大半を占める社会において彼らを軽視すればどうなるか。怨嗟の声は天下に満ち、それが動乱への伏流水となっていく。 後者においては貧民窟の存在。当時の日本自体の貧しさを考えればやむを得ない面もあるが、それにしても指導者層(政界・財界)はあまりにも貧困や格差に対して軽視し過ぎであった。自ら恨みを振りまいている感さえある。 それらの問題に対して理想主義を持って対峙しようとした人物。そしてその理想が崩壊していくのと軌を一にするように、日本もまた崩壊していく。 二つ目は、野村吉三郎。駐米大使であり、米国に最後通牒を行った人物なのは知っていた。だが、実は外務省出身ではなく、海軍出身だったのは初見であり、かつ驚く。当時セクショナリズム激しい中、外務省と軍部が連携取れるはずはない。蛸壺化した連携不足で戦争に勝てるわけもなく、しかも始まりにおいてもそうであったとは…。ある意味、首尾一貫していると言えよう。
三島由紀夫、田中角栄、後藤田正晴といった、政治家や政治思想に縁深い昭和の人物七人を取りあげている。本人に直接だったり、関係者への丹念な取材と人脈を生かして七人の人物像を掘り下げる。 それぞれの見方によって人の評価も大きく変わる。七人全員ではないが、この時代の大物達は一言で表すなら「清濁併せ呑む」の...続きを読む印象が残る。 特に田中角栄の章はわかりやすく、面白かった。田中は庶民の欲望をよく理解していて、そして庶民の側は金権まみれが糾弾されると自身の欲望の肥大化を恥じて田中を批判した、というくだりは日本人の国民性をよく表現している。
三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴。 戦中戦後のキーパーソン7人。 知らない人も数名いたが、すべての人物に少なかれ興味を持つことができた。 三島と光クラブ事件の関係性など知らない逸話も。
三島由紀夫・近衛文麿・橘孝三郎・野村吉三郎・田中角栄・伊藤昌哉・後藤田正晴という6人の人物について書いた一冊。 評価が分かれるこれらの人に対して、著者なりに分析しているのは理解できた。
昭和を代表する7人のエピソードが書かれた本。『昭和の怪物 七つの謎』の第2弾。 本作は三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の7人を取り上げています。 田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の3人について書かれた後半は、昭和後期の政治史や政治家とは何かを知る上で必読だ...続きを読むと思います。 後藤田正晴が今の政治状況を見たら、腰を抜かすぐらいあきれるだろうなぁと、本書を読んで思いました。
三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の7人を取り上げる。大戦前後の近衛、橘、野村から始まり、最後の護憲派といわれたカミソリ後藤田まで。意外な真相の解明が楽しい。近衛が東條に首相の座を譲った真の理由、戦争終結へむけた動き、野村大使の真珠湾騙し討ちとなった真相、また...続きを読む「自民党戦国史」の著者、伊藤プーさんが実は角栄が嫌いで、大平を守ろうと動いていた…。その田中の社会主義者的な側面など、興味の尽きない話の数々だった。なかでも著者と後藤田の築き上げた信頼関係から出てくる後藤田の姿は他の本では知り得ない話ばかりだと思う。後藤田から著者の奥さんに感謝の電話があったというのは驚き!
戦後の話が多めで、個人的には正編より飲み込みやすいように感じたな。それにしても、文章も内容もめちゃくちゃ堅い保坂先生の著作がこれほど売れるとは、ちょっと信じられない。新聞にでっかく広告が出たからか……?
著者は「昭和史研究」をライフワークとし、これまで元軍人・政財官界約4千人に取材。そこから引き出した「生身の証言」に加え、関連書籍を渉猟し、これまで多くの類書を著す。 本書は昨夏に上梓された「昭和の怪物 七つの謎」の第二弾。先の大戦に直接・間接的に関わった七人ー三島由紀夫・近衛文麿・橘孝三郎・野村吉...続きを読む三郎・田中角栄・伊藤昌哉ーの体験が各自のその後の人生にどう影響を及ぼしたのかを基軸に編まれた人物評伝。 ◉高木彬光の「白昼の死角」で一躍知られた 「光クラブ事件」。その首謀者 山崎と三島由紀夫の交錯。 ◉米国に国交断交の通告なしの騙し討ちとなった「真珠湾攻撃」の張本人とされた野村吉三郎の不運さ。 ◉命を賭して太平洋戦争の終結に注力し、新憲法制定に向け意欲的に取り組もうとしていた近衛文麿は決して“腰抜け”ではなかった。 ◉五・一五事件の実行犯の減刑を嘆願したのは多くの農民。その理由と背景に見え隠れする橘孝三郎と彼が主宰した愛郷塾とは? ◉昭和天皇の口をあんぐりさせてしまったエピソードを持つ田中角栄は戦争体験者から評価が高かった。その、訳とは? ◉大平正芳の懐刀であった伊藤昌哉が忌み嫌った田中角栄の籠絡させる術と、その術中にはまった鈴木善幸の愚鈍さ。 ◉コワモテでタカ派でありながら「超護憲」であった後藤田正晴の平和思想の源泉は「歴史の中に解答はある」だった。 七人の話の中では、近衛文麿の章が一番興味深く刮目して読んだ。歴史上には毀誉褒貶相半ば人物が何人かいる。蘇我馬子・平清盛・織田信長・田沼意次・徳川慶喜・山縣有朋・乃木希典…。僕の中では、そこに近衛文麿も含まれている。それだけに、本書のエピソードは意外であり大きな発見であった。 著者は小説家ではない。思い入れや理想や判官贔屓を極力排除し、歴史の中に埋もれている多数の事実を丹念かつ執拗に拾い集めた上に浮かび上がる真実を我々に提示する。その一貫した姿勢が深い説得力をもたらす。
田中角栄は庶民の視線で非戦を通し、後藤田正晴は戦争を経験した身として護憲を貫いたという。戦争を知る世代だからこその重み。
「昭和の怪物」シリーズ第二弾。今回は、三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の7人。 中でも駐米大使で、真珠湾攻撃のだまし討ちの責任者となった野村吉三郎(武官時代、ハーバード大学でルーズベルト大統領と同窓だった)についての考察が面白かった。宣戦通告電報の遅延という...続きを読む凡ミスの原因は、大使館内の人間関係の悪さ、事務連絡の不手際、開戦前の緊張感不足が重なり合った結果だった。そもそも参謀本部は奇襲攻撃の事前通告に反対しており、外務省はそれに協力させられたが、その経緯が駐米大使には知らされていなかったという点で、本来の責任は、米国課長の加瀬俊一、参謀本部の戸村盛雄と瀬島龍三にあるとの説が説得力あり。とはいえ、米国では既に日本の暗号は解読されており、奇襲攻撃だと思わされていたのは日本だけという間抜けぶり。 宏池会事務局長も務めた伊藤昌哉の章では、「日本の道を誤らせるのは、人間を生身で見ることのない連中に政権を託すことだ」「日本の政治が成り行き主義に陥り、明確な戦略無き国家の悲劇が戦前も戦後も続いている」「小資源国である日本が生きるには、科学技術を活かすこと、政治家の能力を高めることでしかない」との卓見も。 一本筋の通った護憲派政治家、後藤田正晴は、既に自民党の政治家レベルに愛想を尽かしていた。政治改革に鈍感で、派閥意識でしかものをみないから。もう30年以上前の言葉だが、自民党の政治家はあの頃よりもさらに劣化してしまったようだ。
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昭和の怪物 七つの謎
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保阪正康
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