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史実を知れば知るほど、調べれば調べるほど歴史の闇は深まる。真珠湾奇襲やソ連の侵攻、そして東京裁判の背後にはいったい何が蠢いていたのか? 卓抜な史眼の著者が資料の山にわけ入り、数多くの関係者の貴重な証言を基に昭和史に肉薄。文庫化にあたり新たに原武史氏との対談「昭和天皇の『謎』」も収めた。
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Posted by ブクログ
保阪正康氏の本は何冊か読んだがハズレがない。膨大な調査の上に書かれていて信頼できる。 しかし、本書を読み始めてすぐに、自分が昭和の通史を知らないことを痛感して、半藤一利『昭和史』を読むことにした。 『昭和史』を読みながら、本書の関連する箇所を読んでいた。よく分かる。やはり大雑把にでも通史をおさえるこ...続きを読むとが大事だ。何事も全体像をつかんでから部分をおさえることが大切なのだ。 本書で保坂氏は、集めた事実から「確実に言えること」を推論する。そのように推論しようと試みている。 それには高い知性が必要だ。集めた情報の断片から分からないところを推論するのは容易ではないからだ。 本書の最後には保坂氏と原武史氏の対談が収められている。原武史氏の存在は先日知ったばかりだ。氏の『滝山コミューン1974』という著書を偶然に購入していたのだ。結果、この『滝山コミューン1974』を読む意欲が高まった。 本書をきっかけに『昭和史』を読んだのは必然である。しかし本書をきっかけに既に購入していた『滝山コミューン1974』への期待が高まったのは全くの偶然である。 そうなのだ。歴史とは必然と偶然が重なり合って紡ぎ出されるのだ。そのことを本書で知った。 米国大統領がルーズベルトからトルーマンに代わっていなければ、おそらく日本は米ソの2カ国に分断的に統治されていた。そのことを本書の解説で中山隆志氏が明確に記している。
昭和前期は、私たちの親の世代が体験した壮絶な時代であるにも関わらず、教科書でも教えられず、身近な時代なのに余りに知識を持っていない歴史。本書でも書かれているが、後の世代が感心を寄せる時代となる。本書からそのことが伝わってくる。
チャーチル曰く「デモクラシーというのはどうしようもないひどい政治である。けれども今までに存在したいかなる政治制度よりはましな制度である」
著者は、昭和の時代を以下のやうに分類してゐる。 昭和前期:〜昭和20年8月 昭和中期:昭和20年9月〜昭和27年4月 昭和後期:昭和27年5月〜昭和64年1月 本書は昭和前期の謎を4つ、昭和中期の謎を3つ採り上げてゐる。 採り上げられてゐる謎は以下の通り。 1.日本の<文化大革命>は、なぜ起...続きを読むきたか? 2.眞珠灣奇襲攻撃で、なぜ上陸作戰を行なはなかつたか? 3.戰前・戰時下の日本のスパイ合戰は、どのやうな内容だつたか? 4.<東日本社會主義人民共和國>は、誕生し得たか? 5.なぜ陸軍の軍人だけが、東京裁判で絞首刑になつたか? 6.占領下で日本にはなぜ反GHQ地下運動はなかつたか? 7.M資金とは何をさし、それはどのやうな戰後の闇を繼いでゐるか? これらの謎に對して著者は、事實を收集し、推理を交へて再構築することで、謎に迫つてゐる。 文庫版あとがきで、筆者は次のやうに述べてゐる。 「本書についていへば、私は、知的な刺激を求めて讀んでいただければと思ふ。(中略) 根據のある推測や可能性のある見解はときに必要にもなるのではないか。 本書ではその試みを行なつたのだが、(以下略)」 本書で初めて知る事實はたくさんあつた。 一例をあげると、ソ聯の日本侵攻である。 8月8日の日ソ中立條約を一方的に破棄しての「驅け込み參戰」は有名な事實だが、 それどころの騷ぎではない。 8月15日のポツダム宣言受諾以後もソ聯は武力侵攻を續け、 なんと9月5日の齒舞諸島占領まで續けてゐたのである。 樺太に上陸したのが16日で、25日に樺太全土を制壓し、 28日に得撫島、擇捉島に上陸。 9月1日に、國後島、色丹島に上陸。 これは知らなかつた。 しかも9月2日には日本は降伏文書に調印してゐるのであるから、 それ以降の軍事行動は、あきらかに國際法に違反してゐるのだ。 戰後處理をにらみ、大急ぎで權利を獲得したわけである。 この戰後のどさくさ占領が、現在の北方領土問題の發端なのである。 2004年4月2日讀了
目次 ・第1話 日本の〈文化大革命〉は、なぜ起きたか? ・第2話 真珠湾攻撃で、なぜ上陸作戦を行わなかったか? ・第3話 戦前・戦時下の日本のスパイ合戦は、どのような内容だったか? ・第4話 〈東日本社会主義人民共和国〉は、誕生しえたか? ・第5話 なぜ陸軍の軍人だけが、東京裁判で絞首刑になったか?...続きを読む ・第6話 占領下で日本にはなぜ反GHQ地下運動はなかったか? ・第7話 M資金とは何をさし、それはどのような戦後の闇を継いでいるか? ・番外編 昭和天皇の「謎」 ちょっと文章が読みにくいというか、頭に入りにくかったけれど、全体的に面白かった。 日本の〈文化大革命〉とは、2.26事件から戦争までの、陸軍が台頭してきた世相のこと。 2.26事件は、働いても働いても楽にならない農村の実態を憂い、それは天皇のそばにいるやつらが私腹を肥やしているからだと、陸軍の青年将校たちが起こしたクーデター。 陸軍が起こし、陸軍が鎮圧し、のちに陸軍が台頭する。 この本では詳しく触れていないけど、これは、陸軍の中の皇道派と統制派の派閥争いでもあった。 青年将校は義憤に駆られて蜂起したのだけれど、彼らの後ろにいたのが皇道派。 そして鎮圧した後力をつけて行ったのが統制派。 「私たちが陸軍の暴走を抑えます」と言って暴走を始める。 そもそも明治維新の時もそうだったけど、目的が善なら手段を問わなくてもよいという暗黙の了解が日本にあるっぽい。 そして、海軍の将校主導の5.15事件では、首謀者にあまり厳しい処分が下されなかったので、イケイケの空気になってしまった部分もある。(でも安藤大尉は最後までめっちゃ悩んだんだよぅ) ああ、いかん。この本の内容からどんどん離れていく。 まあ、そんな感じで、陸軍はどんどん力を増していった。 天皇のために存在し、天皇を守るために戦う。それは全きの善であると。 “昭和十九年、二十年になると、日本の政治、軍事指導者も国民も、あの紅衛兵と同じように目を血走らせて、他者へのコミュニケーションを拒否していたのではないか。太平洋戦争の後期を、カタルシスで戦っただけの日本は、どうあれ中国の〈文化大革命〉やイスラム圏のジハード(聖戦)、あるいは北朝鮮の金正日体制を軽々には批判できない。” 敗戦の理由は、まあいろいろあるけれど、まず第一に個別の作戦計画はあったけれども、戦争自体をどう持って行ってどう勝つかという具体的な計画が一切なかったこと。 相手が「負けました」というまで闘い続ける。将棋の国日本。 そして、情報が武器になることを認識していなかったことも大きい。 東京裁判で陸軍の軍人だけが絞首刑になったのは、天皇の戦争責任を回避するためのストーリーを作っていく上で必要だったのが、陸軍の暴走。 そもそも真珠湾を攻撃して開戦にもって行ったのは海軍だったのに、気がつけば全責任を陸軍が負わされて、2.26の負の遺産をここで精算することになった。 さて、聞いたことはあるけど、実態のわからないM資金。 結果から申しますと、やっぱりわからないらしいのね。 戦前にあったはずの皇室の財産や、戦費としてあったはずの大金が、戦後GHQが調べてみると無くなっている。 それは多分、どこかで誰かが、いろんなタイミングで横領してたからではないかと思うけど。 敗戦のどさくさで、要領のいい人たちはちゃっかり自分のものにしたこともあるのかと。 でも、徳川埋蔵金のように「きっとある」と夢見る人が多いので、M資金詐欺が無くならないのだそうです。 そして、天皇の戦争責任。 戦前の天皇は、国民に対して責任を感じていたのだろうか?と思いました。 天皇のために国民があると教えられ、帝王学を学んでいたのだとしたら、国民に対して権力を持っている自覚はあっても、国民に対して責任を感じるような教育を受けたのかな?と。 敗戦後、初めてそのような概念が天皇に生まれたのだとしても、しょうがないんじゃないかと思います。当時の日本を考えると。 もちろん、自覚はなくても責任はあると思いますよ。 ただ、責任がある=天皇を処刑というものでもないと思っています。 私個人の天皇制への思いはありますが、それを別にして、天皇制を残したまま責任を取らせることも可能だったはず。天皇退位とか。 それをしなかった、させなかったことにはまた理由があるのでしょう。 昭和天皇が皇太子だったころ、イギリスに留学した時に、当時の国王ジョージ5世が「第一次世界大戦の戦場跡を見るように」促したのだそうです。 戦場跡のひどい有様をたくさん目の当たりにした皇太子は、天皇になって敗戦を迎え、焼け野原になった東京を見て、一体何を感じたのかなと思います。 それは戦後の天皇の行動から察することしかできませんけれど。
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