無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
ミリオンセラー『悩む力』と長編小説『心』の著者が、夏目漱石が一○○年前に書き残した最大の問題作に挑む。登場人物“先生”の長大な遺書を収めた漱石の『こころ』は、なぜ多くの読者の感情を揺さぶってきたのか。それは、この世に生きる者がみな、誰かに先立たれた存在だからだ。「死にゆく人々は、みんな先生」という認識から見えてくるものとは?漱石『こころ』とトーマス・マン『魔の山』の後日談を描いた実験的小説も収録。心の実質を太くする生き方を提唱した、新しいスタイルの物語人生論。【目次】第一章 現代という武器なき戦場/第二章 なぜ生きづらいのか/第三章「魔の山(イニシエーション)」の力/第四章 真ん中でいこう/第五章 「語り継ぐ」ということ/終章 いまこそ「心の力」/おわりに
...続きを読むPosted by ブクログ 2015年01月17日
グローバリゼーションが進み、多様化が進むどころか、むしろ人びととの価値観が画一化し、「代替案(オルタナティヴ)」というものを考えられなくなった。どのような生き方が賢くて、どのような働き方が尊敬されて、どのような生活スタイルがカッコいいのか。そうしたことについての価値観が異様なくらい画一的になっていて...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年05月24日
「心をどう捉えるかについてはさまざまな考えがあるでしょうが、心は、自分が何者であり、自分がこれまでどんな人生を歩んできたのか、「そして、それから」どう生きようとするのかという、自分なりの自己理解と密接に結びついています。その意味で、心は、人生に意味を与える「物語」においてのみ、理解可能なのです。」
...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年01月23日
「魔の山」と「こころ」。二つの名作の主人公が数十年の時を経て、おともだちになってしまうという実験的妄想ノベルも掲載。
過去に向き合いすぎなのも、いかがなものかと思うけど、過去に向き合わないと、語り継ぐべきものはない。自分が自分こそが語り継ぐべきものが何なのか判ったとき、初めて生きる意味が見つかるの...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年11月24日
凡庸といっても、ただの平凡ではなく、ハンス・カストルプ的な幅と深みと余裕のある偉大なる平凡の話が面白い。
「こうでなくても、あれがある。あれでなくても、これがある。」というようにオルタナティブ(代替案)が生きていく上で大切であることも知る。
この話とは別に著者の名前の尚中にはドイツ語で「偉大なる真ん...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年09月21日
夏目漱石とトーマス・マンの作品を土台に、心の病、大切な人に先立たれた人々がどうやって死に向き会うかなどが述べられています。
人間の在り方は社会と切り離すことができないというところが個人的になにか諦めるきっかけになりました。
中に真面目であるから悩み、悩む力が蓄えられる、それが心の力の源流だと書いて...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年03月16日
金曜日の仕事帰り、ちょっと寄り道した串焼き屋で、この本を手にぼんやり考えてみる。
著者は20世紀は心の病が発見された世紀である、としている。生きとし生けるものは何がなんでも生きようとするのが本能であるのに、自分から生きることをやめようとするのは不自然なことであり、そのような自殺が多発する現代は人...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年08月20日
トーマス・マン 「魔の山」
夏目漱石 「こころ」
同じ時代に書かれた2つの小説の姜尚中的な、その後の物語。
幅のある選択肢の中から、もっとも最適なものを選択する。(本文より)
世間で言われている方程式に従ってたった一つの高い理想を描き、そこからはずれたらおしまいだなどと震え上がらないでください...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。