講談社文庫作品一覧

非表示の作品があります

  • 新聞が面白くない理由
    4.0
    衰退一途の日本のジャーナリズム。その根本の病巣こそ「記者クラブ」である。広いスペース、税金から支出される通信費、光熱費……。官公庁から便宜供与を受けて他のメディアを締め出すさまは、中世のギルドさながら。果たして彼らに自浄作用はあるのか? 健全な民主主義のため既得権を抉った渾身の書!(講談社文庫)
  • 新本格魔法少女りすか
    3.3
    1~4巻715~770円 (税込)
    己の野心のため「使える手駒」を探す、小学生らしからぬ小学生・供犠創貴は、赤い髪に赤い瞳の転校生・水倉りすかが『赤き時の魔女』の名を持つ魔法使いだと知る。りすかは、神とも悪魔とも称される大魔導師の父を追い、『魔法の王国』から『城門』を越えてやって来た。予測不可能、縦横無尽の魔法冒険譚!
  • シンボーの人間模様
    -
    普通の人々との愉快な出会い、楽しい会話、そして懐かしい想い出をつづるエッセイ。韓国、フィリピン、中国から日本の各地へと旅して出遇った「普通人」と、たくまずに繰りひろげる人間コメディ。こんなにも心の通う世界があったのかと、驚かずにはいられません。シンボーの優しい眼が、人間の輪を拡げます! 人間のやさしい心があふれています。
  • 神宝聖堂の王国 鉄剣の戦士
    -
    超古代ムー大陸が沈んだ後、乱れ始めた島々の物語。亡き王の娘・ファネラは、王国を救えるか!? ーー超古代大陸ムーが沈んだ後の島々の世界では、神宝聖堂を中心に頂く王国に混乱が訪れた。亡き王の血を引く姫・ファネラは、はたして王国を救うことができるのか!? 超古代大陸アトランティスを扱った大ベストセラー『風の大陸』と対をなす、新シリーズ『神宝聖堂の王国』。傑作ファンタジー・ノベル。
  • シンマイ!
    4.0
    米は最高の炭水化物!光る粒、甘い香り、味覚をぶん回す旨み――。泣いて笑って腹が減る! 小説版『22年目の告白』の浜口倫太郎が描く、コメ作りエンタテインメント!
  • 新名将言行録 源平時代
    -
    荘園制の崩壊は、王朝貴族社会の瓦解を促し、承平天慶の乱、保元平治の乱などを経て、天下の政権は次第に武家の手に移っていった。そして、そこにまた源平の激しい確執が……。この体制変革の時代を生きのびる雄将、智将の経略譜。本巻には平将門、源義家、源義朝、平清盛、源頼朝、北条政子、源義経を収録。
  • 新メカトロニクス革命
    -
    開発が進む知能機械の最前線を現場レポート。センサー、マイコン、超LSIなどを応用した知能機械が、急ピッチで開発されている。いまや人間以上に精密な作業をするロボットまで実用化された。これら新技術の最前線を現場からレポートし、企業戦略に与える影響を考える。あわせて第三の産業革命を迎えた、私たちの生き方についても鋭い提言を行う。
  • 深夜の顔
    -
    オフィスで密かに愉しんでいたセックスの相手が殺された。美人OL全裸殺人事件として社内は揺れ、情事の相手である企画室長・松浦も疑われたため、自ら事件の解明に乗り出す。すると、海外旅行でOLが知り合った謎の男の正体からストリッパー、自社の上層部と意外な線がつながり……。鮮やかな推理と官能の合致した、話題の長編官能ミステリー!
  • 深夜のためらい
    -
    父の留守中に知り合いからかかって来たなにげない電話がもとで、ある事件に巻きこまれた父娘の、絶妙なアリバイ崩しを描いた表題作をはじめとして、男女の愛をめぐって、日常茶飯に発生するさまざまな犯罪のかたちを描き、その謎を鮮やかに解く。短編推理の名匠によるオリジナルの自選傑作11編を収録。
  • 深夜の弁明
    4.3
    締切りなのに、書けない! 編集者に言い訳やお詫びを書き始めた作家は、ついに小説の予定枚数分の弁明を書き上げてしまった。――笑えない題材こそ笑いの宝庫とばかりに、ありふれた身近な新聞の投書欄、旅行記、解説、新人賞応募原稿、ワープロ……。当たるを幸い、知的で笑えるパスティーシュに仕立て上げた傑作集。
  • 真友
    3.3
    「父さんが殺された。親友の父親に」。刑事による警官殺し。憎悪と絶望を胸に、親友だった二人の人生は激変する。仇討ちを誓った少年は刑事に。世間を敵にまわした少年は裏側の世界に。その間で揺れ動く女心ふたつ。二人の人生は二度と交差しないはずだった。さらなる事件が起きるまでは――。
  • 神遊の城
    3.3
    応仁の乱末期、若き甲賀忍・三郎兵衛は細川京兆家当主暗殺のため京の今出川屋敷に潜入するが、返り討ちに遭い独りで生還する。10年後、足利第九代将軍義尚が、六角家征伐のため大軍を率いて湖南に陣を敷いた。三郎兵衛改め新蔵人は復仇のため、異父妹のお喬らと夜襲をかけるが、将軍に深手を負わせるにとどまる。手練れの武士に強烈な反撃を受けたためだ。新蔵人はお喬の目の前で爆死。お喬はその死を受け入れられず復讐を誓う!
  • 真理のひびき 天風哲人 新箴言註釈
    4.0
    人生はただ一回限りである。ならば何としても生き甲斐のある人生を送らなければならない。「健康や運命が意のままにならないときほど『心』を積極的にする」「自己の言行をできる限り人の世のためになることに重点を置く」「不平不満を口にしない」「気取ったり、ぶったりしない」「どんな場合にも慌てない」「不幸に直面しても、現在生きていられることに感謝する」「腹を立てている人には決して過度の共鳴をしない」「自己自身を正しく向上させるために反省を行う」など──、価値ある人生建設に必要とされる心得を集録した、天風哲人絶筆本。
  • 森林がサルを生んだ 原罪の自然誌
    3.0
    霊長類は、食物が豊富な森林という楽園で、進化してきた。この生態的背景が、元来は植物食であった霊長類に、肉食獣的性質をも内包するという、二面性を持たせた。この傾向を強くおし進めたのが人類で、草食獣的性質が善の範疇に入る徳性を生み出し、肉食獣的性質が悪の範疇に入る行動を創造することになった。森林を舞台に進化した霊長類ゆえ、人間がサルから背負ってきた悪の原罪とは? 人間、この不思議な生物の進化の源流!
  • 神話
    -
    子供たちにとって、母親はかつて美しい娘であり、父親は雄々しい若者であった、という神話が断じて必要だ――核家族を象徴する団地を舞台に、現代の親子の関係を描いた「神話」。妻の影響を受けて変わる夫という面から結婚生活を追求した「偕老同穴」。大学の教師と学生の奇妙な共感を描いた「師弟」。ほか3篇を収録。
  • 神話の果て 【新装版】
    3.7
    アメリカの巨大鉱業会社から、ペルーの山岳ゲリラの首領抹殺の仕事を依頼された破壊工作員・志度正平(しどしょうへい)は、首都リマに到着、2人のインディオと共にゲリラの進発地チャカラコ渓谷に向かう。4千メートルを超すアンデスの山々を越え、ゲリラの基地に潜入した志度を待つ過酷な運命とは!? 南米3部作第2弾! (講談社文庫)
  • θは遊んでくれたよ ANOTHER PLAYMATE θ
    値引きあり
    3.9
    死体に記された謎の文字「θ」が示すものは? 25歳の誕生日にマンションから転落死した男性の額には、θ(シータ)という文字が書かれていた。半月後、今度は手のひらに赤いθが書かれた女性の死体が。その後も、θがマーキングされた事件は続く。N大の旧友・反町愛から事件について聞き及んだ西之園萌絵は、山吹ら学生三人組、探偵・赤柳らと、推理を展開する!
  • C.W.ニコルの自然記
    -
    「森が危ない!」目に見える形ばかりでなく、ひたひたと私たちの周辺に迫る環境破壊の実態に警告を発しつつ、自然の中で自然とともに生きる喜びを書き綴ったエッセイ集。この広い世界に住む、多くの未知の「友人」たちに、自然を愛することのすばらしさと楽しさを伝える「森と山からのメッセージ」。
  • C.W.ニコルの旅行記
    -
    酷寒の北極、南洋の孤島、アフリカのジャングル、ヒマラヤの山々……地球を大股で歩くC.W.ニコルのすばらしい出合いの数々。将来いつの日か、人間が旅するのをやめることがあるとしたら、そのときこそ、私たちの種族の終焉の日になることであろう。旅が好き、人間が大好き! わが地球に――乾杯!
  • C.W.ニコルの野性記
    3.0
    若者たち、「野性の炎」は消えていないか。心のままに学び、冒険した野性児C.W.ニコルが、「生きるとは何か!」を、熱い思いを込めて問いかける。黒姫山麓に住み、日本はもちろん世界の自然を求めて、好んで荒野に遠征した中から生まれたエッセイ集。街で暮らす人々が「野性の心」を持ち続けるために。
  • シーナイトを救出せよ
    -
    ケネディ大統領の暗殺前夜、英仏独ソによるアメリカ壊滅作戦を託された英国潜水艦が、大西洋の深海に消えた……。それから25年、米海軍深海調査艇・シーナイトが謎のメッセージを残し、同一ポイントで消息をたった。必死の捜索活動をする米海軍、それを妨害しようとする英仏独ソ連合国の大戦争! 超大国の機密を巡る、迫真のハイテク軍事サスペンス。
  • Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲
    4.1
    なぜ「会いたくて震える」のか? 「自分らしさの檻」って何? その答えは、哲学の中にあった! Jポップの名曲の歌詞を分析した、最も分かりやすい「哲学入門」。Jポップの歌詞を哲学で読み解く! ――Jポップは、しばしば「自分」や「愛」「人生」をテーマとし、その歌詞は、シンプルであるがゆえに我々の胸に響く。一方、複雑な事象の本質を突き止め、露わにして見せようとするのが哲学ならば、両者は、密かに同じ企みを担っているとは言えまいか。Jポップの名曲を題材に誘う、いま旬の哲学入門!
  • ジェイムス・ジョイスを読んだ猫
    3.3
    感性豊かな人気作家の読書日記とエッセイ。文学とは、楽しみの一つの形式である、という警句そのまま、表現・言葉の知的遊びの世界を好む著者から、本を読む人々への、ユーモアと優しさにみちた呼びかけ――徹底的に、断固として、非妥協的に本を読む。文学が芸術であるように、読書もまた創造的芸術である、と考える著者の、読書への愛着。作品の中から美しさを引き出す、感受性と能力を持つ読み手となるための、数々の工夫。現代人の密かな思いをとらえて選ばれた本の、楽しい読書法と、身辺を語るエッセイ。
  • ジェット・ストリーム
    -
    国際線パーサーの松島は国際犯罪結社の一員だった。日本と海外とで稼いだ額は二百万ドル。最後の強奪はヤクザ相手にヘリを使った秘密作戦。痛快アクション長編! (講談社文庫)
  • ジェントルマン
    4.0
    眉目秀麗、文武両道にして完璧な優しさを持つ青年、漱太郎。しかしある嵐の日、同級生の夢生はその悪魔のような本性を垣間見る――。天性のエゴイストの善悪も弁えぬ振る舞いに魅入られた夢生は、漱太郎の罪を知るただ一人の存在として、彼を愛し守り抜くと誓う。切なくも残酷な究極のピカレスク恋愛小説。
  • ジェームス山の李蘭
    4.0
    運命的な愛の輝き、男の真心と行動の美学を描いた、著者渾身の処女長編。敗戦後の横浜を舞台に、放蕩とスタッド・ポーカーの勝負に明け暮れた無頼の青春。神戸に移り、脱走米軍将校と組んで始めた酒場での日々。謎を秘めた中国美女・李蘭との出会いに至る、異色の恋愛小説。全女性に捧げる恋文として書かれたデビュー作。
  • 身元不明 特殊殺人対策官 箱崎ひかり
    3.8
    定年間近の無気力(ゴンゾウ)巡査部長・浦安圭吾に、若き異色のキャリア警視・箱崎ひかりとコンビを組む特命が下る。被害者は全員身元不明、さらに身体の一部が取り除かれていた。真逆の二人が噛み合い始める時、オリンピックで激変した東京湾岸に潜む、国を覆す陰謀の蓋が開く。元警察官僚が喝破するリアル警察小説。
  • 時間を止めてみたんだが
    4.0
    時間を止める能力を身につけた高校生・笹森陽太。試行錯誤の結果、時間を止められるのは呼吸を止めている間だけだとわかる。思春期全開の陽太が目指すのは当然……おっぱいを!? ターゲットは美人の芝原麗奈。彼女に近づき、左胸に……そのとき麗奈のポケットの手紙に気づく。それはいじめの被害を受けている女生徒からの告発の手紙だった! 学校の裏に蠢く陰謀に気づき始める陽太は、微妙な超能力を武器に対峙していくが……。
  • 時空犯
    値引きあり
    3.7
    私立探偵、姫崎智弘の元に、報酬一千万円という破格の依頼が舞い込んだ。依頼主は情報工学の権威、北神伊織博士。なんと依頼日である今日、2018年6月1日は、すでに千回近くも巻き戻されているという。原因を突き止めるため、姫崎を含めたメンバーは、巻き戻しを認識することができるという薬剤を口にする。再び6月1日が訪れた直後、博士が他殺死体で発見された……。
  • 自己愛人間 現代ナルシシズム論
    -
    現代人の新しい傾向を鮮やかに分析した名著! 現代の若者たちの生きるうえでの最大の目標が、自己愛の実現にほかならぬことを、豊富なデ-タを駆使して説得力豊かに論証し、その自己愛人間の生態を具体的に描く――自己愛人間にとっては、自己愛をみたすことが毎日の最大の関心事であり、その心の決め手は、相手がどう感じ考えているかではなく、自分の自己像が自分の思い通りであるかどうかにある。自己愛人間という観点に立って、人と人のかかわりから日本人論に至るまで、心が関わるすべての領域を展望する。
  • 事故係 生稲昇太の多感
    3.2
    22歳の昇太は、正義感たっぷりで直情型の愛宕南署交通課巡査。南署のマドンナ・大西碧とつきあうクールな先輩・見目とコンビを組んで交通事故の解決を目指す。だが、社会や組織の壁にぶち当たり、うまくいかないことばかりで……。これこそ警察小説の新境地! 『脳男』で乱歩賞を獲得した著者の受賞後第一作。
  • 自己発見
    -
    現代の碩学が自由に綴る含蓄深いエッセイ集。偉大な学者であり、芸術にも造詣深い著者が、古典について、自分自身の意識の生いたちについて、現代社会の状況について、思うままに語り提言する。――〈人間が忙しく走りまわる文明を、高度の文明だとは思いません〉〈対立するということではなくて、相待つということを、もういっぺん考えなければならぬ〉……人類と社会への熱っぽい提言、また古典への深い思い、生き甲斐論、創造的生き方のすすめ、など、現代を代表する知性による、現代人必読の、含蓄深いエッセイ集。
  • 地獄谷温泉殺人事件
    -
    永眠、意外な文字を同窓会名簿に見た主婦の進藤陽子は、大学時代に結婚の約束まで交わした元恋人・竹井哲雄の謎の死を「あいつは地獄で死んだのさ」という情報を頼りに追及し始める。世界で唯一、猿たちが温泉に浸かる場所である信州・地獄谷温泉で発生した殺人事件の真相とは? 文庫書下ろし長編推理。(講談社文庫)
  • 地獄の虹
    -
    『沖縄のパウロ』新垣牧師の奇しき人生。ノンフィクション・ノベル――牧師はかつて死刑囚だった……。サイパン玉砕戦を生き延びたが、捕虜収容所で<アメリカかぶれの売国奴>を殺し、死刑の判決を受けた新垣三郎。刑務所では、英語がわからず、一人孤独な日々が続いた。ある日、同房の日系2世がくれた、日本語の『予言の書 聖書通信教育』を手にしたときから奇跡が始まった。
  • 地獄番 鬼蜘蛛日誌
    -
    地獄の天上の向こうに、高くて青い空があったら。それは地獄で暮らす鬼たちにとって、救いか、報いか。ここは説法に耳を貸さない民衆に僧侶が、美しいものに醜いものが、鬼となり罰を与える場所。そんな地獄に堕ちた女郎の願いは、蜘蛛(くも)になること。日誌を書く役目を与えられた彼女が見つけた何か、とは。(講談社文庫)
  • 「自殺社会」から「生き心地の良い社会」へ
    4.0
    毎年、自殺者が3万人を超える自殺大国・日本。1日100人が自殺する社会への処方箋とは? 生きづらい国日本の正体とは? 緊急対論! ――2004年、NPO法人「ライフリンク」を立ち上げ、「自殺対策基本法」成立の原動力となった清水康之氏と、「生きる意味」を問い続ける文化人類学者の上田紀行氏が、「自殺社会」日本の正体と、「生き心地の良い社会」への道筋を、徹底対論!〈文庫オリジナル〉 ◎日本では、毎日100人近くもの人たちが自殺で亡くなっています。未遂者は既遂者の10倍はいると言われていますから、この同じ時代に、この同じ社会で、毎日1000人もが自殺を図っていることになるわけです。それが、日本の「自殺の現実」です。 [年間自殺者3万人超 12年連続] [交通事故死者数の6倍] [イラク戦争で亡くなった米兵の10倍] [自殺による深刻な影響 国内で毎年200万人] [自殺死亡率 米国の2倍、英国の3倍]
  • 自殺のサインを読みとる 改訂版
    -
    1年に3万人以上の人間が自殺で亡くなっている。しかし「死の意志が固まっている人」はいない。周囲の人間が気を遣えば自殺は予防できるのだ。性格や体験などから発する「自殺のサイン」はどう発見すればよいのか。背後に隠れる心の病を見つける方法と治療を、第1章を最新の知見で全面的に改訂して解説。(講談社文庫)
  • 「地震予知」はウソだらけ
    -
    予知成功回数「ゼロ」、特定は「不可能」―― これが科学的な結論だ! 地震予知がはじまって、50年以上。莫大な予算を使いながら、いまだかつて一度も予知は成功していない。しかも、予知開始時に「およそ現実的ではない」とされた巨大地震が、「起きる可能性は低い」とされた場所に起き、原発集中地域を襲っている。予知における役人と学者の予算獲得競争から国際的な評価までを、日本を代表する地震学者が語る!
  • 時速十四ノット、東へ
    -
    前進全速ッ! ドイツ潜水艇Uボートの雷撃を受けながら八坂丸は必死に速度をあげる。第1次世界大戦下の地中海、120名の乗客を守るため、我が身を捨てて船を走らせる男たちの汗と涙。皆殺しを狙う敵艦に怯えながら地中海に燃えあがる愛の炎。危険に満ちた航海に臆する事なく海運日本のさきがけとなった船乗りたちの冒険ロマン。
  • 自宅の妾宅
    -
    妻公認の妾を敷地内のアパートに囲った男には、既に3人の愛人が……。さらに新たにもう一人と、夢のような日々のはずが……。女の執念と男の妄想を描く表題作をはじめとして、現実より実感のある不思議な夢に取りこまれ、夢の世界を生き始める男。現実と夢の狭間に入りこんだ男たちの姿を描く異色短篇集!
  • 時代
    4.0
    新聞記者一筋だった笠間は、同期との競争に負け、販売部への異動を告げられる。記者職への断ち切れない思いを抱えつつも、自分の仕事に邁進し、販売部でも存在を発揮し始める。一方で、ずっと忙しい父親との関係に、二人の息子・翔馬と翼は悩んでいた。しかし葛藤を抱きつつも、翔馬は父と同じ、新聞記者という道を行くことを決める。働くことは何なのか。父親として息子に残せるものは何か。普遍的な親子の絆を描いた、傑作長編!
  • 時代小説の愉しみ
    3.5
    志を立て、それに殉じた英傑たち。彼らの誇りはいまなお烈々と訴えかけてくる。その志・誇りに光を照射してみる。織田信長・武田信玄・明智光秀らに新解釈を加え、歴史上の人物の器量と命運をダイナミックにはかりながら、人間の面白味を発見してゆく。著者の風格と風貌を鮮やかに伝える歴史エッセイ集。
  • 時代末(上)
    4.0
    平成ニッポンの閉塞状況を打破せよ!! いまだ引きずり続ける「昭和」のシステムを変革せずして未来なし! 21世紀への内申書――平成ニッポンの閉塞状況の理由とはなにか? 答えはいまだ清算されえぬ「昭和」というシステムにある。20世紀のこの国の大部分を占めた時代を無視した未来はない! 無謀な戦争と奇跡の復興を経て、東アジアの一角に巨大な近代工業社会を現出させたメカニズムと功罪を、鋭くかつ明快に論じた渾身の力作。<上下巻>
  • 時代ミステリ傑作選 逃亡記
    4.0
    突如、命を狙われた武士とそれを助ける女。男が明かされた自らの素性と軍用金を巡る藩内の権力闘争。大きな渦に巻き込まれた武士は……。表題作にして名作「逃亡記」、南町奉行所を舞台に、左官職人を殺めた罪で投獄された女の取り調べを行うなかで浮かび上がる深川・しじみ河岸に生きる人々の姿を鮮烈に描く「しじみ河岸」など。市井に生きる人々の息づかい、生活、そして生き様を活写した名手の筆が光る江戸ミステリの傑作六篇。
  • 時代を読むノート テレビ現場からの衝撃メッセージ25章
    -
    心の中で人びとは何を考え、時代の趨勢はどこへ向いつつあるのか。瞬間の映像に賭けるテレビの現場にいると、人間のホンネが見えだして、社会の志向性を痛いほどに身に感じる。番組「トゥナイト」の人物直撃インタヴューでも話題のドキュメンタリー作家が、時代の病巣を見据えて放つ衝撃メッセージ25章。政財界から芸能界まであらゆる分野の時の人を取材し、鋭い人物批評を展開する著者の、知られざるテレビの裏側とマス・メディアについてのエッセイ。
  • 自治官僚
    -
    知事、副知事、総務部長など、都道府県の重要ポストは自治官僚によって独占されている.地方から日本を支配する自治官僚。大蔵省も恐れるパワーの秘密を解く! ――地方から日本支配をたくらむ、自治官僚の全容をレポート。知事、副知事、総務部長はじめ、そのラインにつながる財政課長や地方課長など、都道府県を牛耳る重要ポストを占める自治官僚出向組の数には、目をみはるものがある。大蔵省が「最大の敵」と恐れる自治省パワーの秘密を解明する。
  • 実見 江戸の暮らし
    3.3
    人気のおかずは? 快適に暮らすための知恵とは? 当時の貨幣経済はどうだったの? 江戸庶民の毎日は、リサイクルを徹底し、低エネルギーでありながら実に豊かだった。当時のベストセラーの挿絵に息づく、バラエティ豊かな江戸の人々の衣食住を、分かりやすく解説。時代小説の副読本としても役立つガイドブック。(講談社文庫)
  • 実験的経験 Experimental experience
    3.8
    たとえば括弧を空集合にしてみる。」あ、もしかして、先生……「こんなに自由な原稿を読んだことがあるか? 小説であり、小説でない。ミステリィでもエッセィでも詩でもない。創作の可能性を無限に広げる、奇才・森博嗣の新たな境地がここにある。究極の読書体験が味わえる話題作、待望の文庫化!
  • 十手人
    4.5
    死んだはずの母親の消息を訊いた酒場で暴れ、入墨者になった源七は、奉公先で盗みの濡れ衣を着せられた娘・お菊を救うため奔走する。町方同心・佐々木弦一郎の下で、十手捌きを身につけていく源七に、渋柿長屋の人々の眼差しは温かい。お菊を陥れた悪党を源七は炙り出せるのか!? 江戸の人情を描く<第10回時代小説大賞受賞作>捕物帖。(講談社文庫)<第10回時代小説大賞受賞作>
  • 実現可能な五つの方法 琉球独立宣言
    -
    なぜ今、独立なのか? 現在、辺野古新基地建設で政府と対立を深める沖縄。戦後70年、"本土復帰"から43年経った今も、在日米軍基地の74%が集中する現実。沖縄において"戦争"は決して終わっていない。その現状、政府による差別の歴史、琉球国の歴史や民族独立運動、世界の独立運動などをふまえ、琉球人学者が独立の具体的な方法とその未来図を提案する。決して絵空事ではない、実現可能な政治的・経済的道筋が示される。
  • 実力とは何か
    -
    人はどうすれば実力をつけることができるのか。どうしたら自分の能力を100パーセント発揮できるのか。いかにしたら集中心・闘争心を体得できるのか。日本人で初めて「全米スポーツキャスター協会賞」を受賞したトップ・アナウンサーが、超一流プレイヤーたちの熱闘・死闘を通して勝者の条件・敗者の条件を明かす。
  • 自伝的戦後史(上)
    -
    恐怖からの解放、自由と正義のための闘いの書。自由の敵・戦争の原因たるファシズムとの闘争に一生をかける著者の抵抗と革命への意志。たぎる情念が我々を闘いへと駆り立てるダイナミックな予見者の書。――アウシュビッツの大量虐殺が、なぜ起こったか? 本書は、この現代における人類の絶望からの解放なくして、人類の未来の希望はありえない、と偽りの平和を生きる我々に、忍び寄るファシズムの恐怖を訴え、自由と正義のための闘いに読者を駆り立てる、情念の書。また、困難な時代にこそ、繰り返しひもとかれるべき現代の聖書。<上下巻>
  • 自動車密約
    -
    業界再編に向けた日米ビッグの思惑。合弁、M&Aの「闇の手」動く! 熾烈な駆け引きの内幕を活写し、知られざる実態を描く! ――自動車業界の低迷を打開するため、日本とアメリカのビッグ企業が、合弁・M&A・再編に向けて巧妙なかけひき。その背後で、熾烈なシェア競争と過剰生産を乗りきる奥の手が、しかけられていた。瀋陽自動車工場、中国市場をめぐって、日米ビッグは、真っ向から衝突するのか。虚々実々の内幕を綿密な取材で描く。
  • 地鳴りの家
    -
    瀬戸内海沿岸の浅川村で200年続いた旧家=加納本家の莫大な財産を、二軒の分家の男たちが虎視眈々と狙っていた。莫大な財産をめぐる血塗られた骨肉の争いだ。子宝に恵まれぬ本家の夫婦は、折しも玄関先に捨てられていた女の赤ん坊をりんと名づけ、養女にして財産を継がせようとした。夫婦があいついで世を去り、成長したりんが当主となった時、血の惨劇がはじまった。零落する一方の北加納家の男たちは、その財産を狙うのだが……。――明治の瀬戸内地方を舞台にした野心的長編。
  • ジニのパズル
    3.8
    1巻649円 (税込)
    東京、ハワイ、オレゴンと、ジニは学校からたらい回しにされてきた。ホームステイ先で彼女は、五年前の出来事を語りはじめる。在日韓国人として生まれた、朝鮮語がわからないまま、過ごした朝鮮学校での日々。居場所を見つけられず、二つの言語の間で必死に生きるなか、あの日、テポドンが発射される。第59回群像新人文学賞受賞作。第155回芥川賞候補作。
  • 慈悲をめぐる心象スケッチ
    4.5
    「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」。はたしてそうなのか。著者は反芻(はんすう)し、問い直す。しかし賢治はそう確信して「慈悲」を希求し、それゆえ自らに怒りを向ける。「世界のぜんたい」に人生を捧げる。痛ましいほど美しく清らかな賢治の想いを、同じく文学と宗教に生きる著者が描く。(講談社文庫)
  • 治部の礎
    4.0
    大義、嫉妬、敵愾心。押しつぶされそうな時もある。 この三成は、屈さない。 あの嫌われ者は、何のために闘い続けたのか――。 豊臣家への「義」か、はたまた自らの「野心」からなのか。 覇王信長の死後、天下人を目指す秀吉のもと、綺羅星の如く登場し活躍する武将たちを差し置いて、最も栄達した男、石田三成。彼の「眼」は戦国を優に超えていた――。 歴史の細部を丁寧に掬う作家、吉川永青が現代人に問う、政治家石田三成の志。渾身の書き下ろし長編小説。
  • 自分育てのすすめ
    -
    女性の一生は、いろいろなマスクをつけたあなたが演じる、豊かなパフォーマンス。一度かぎりの人生を、「これは本当の私ではない。もっと別の生き方があるはず……」と不平のうちに終わるのでは、もったいない。どのマスクを手にしても、生き生きと演じきる知恵と工夫があれば、人生はみずみずしく輝く。結婚前の女性も、結婚した女性も、「学び」によってこそ生活は豊かになり、自己充足が実現できる。「パフォーマンス論」の第一人者が、パフォーマンス理論と自らの実践とで展開する、多面体に生きるためのユニークな提案。
  • 自分の顔、相手の顔 自分流を貫く生き方のすすめ
    4.0
    少しは「まとも」でいたい人のために、筋のとおったエッセイ――「失われた10年」を過ぎても、日本人は、人間としてのまっとうな感覚が、こわれたままだ。過度の贅沢や安楽の果てに、わたしたちは、思いもかけぬところに行こうとしているのではないだろうか……。もう一度、確固とした価値観を模索し、よく生きようとする人への、「曽野綾子流考えるヒント」が満載の、辛口エッセイ。
  • 「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい
    4.0
    死刑存続論者の多くは、「死刑制度がある理由は被害者遺族のため」と言う。しかし、著者は問う。「自分の想像など被害者遺族の思いには絶対に及ばない。当事者でもないのに、なぜこれほど居丈高に、また当然のように死刑を求められるのか?」本書は、死刑制度だけでなく、領土問題、戦争責任、レイシズム、9・11以後、原発事故、等々、多岐にわたる事象を扱う。日本に蔓延する「正義」という名の共同幻想を撃つ!
  • 自分発見テスト エゴグラム診断法
    1.0
    もうアメリカでは常識の、エゴグラム自己診断法。質問事項に答えて、その結果をグラフで表わせば、あなたの性格、異性との相性や恋愛運、職業の適性・出世度、それから、かかりやすい病気や受けやすいストレスまで、様々なことがわかります。そして悩み解消のノウハウも。星占いや血液型より科学的でナットクできる、現代医学の最先端「交流分析」の成果が、本書にはギッシリ満載。読もう! 「性格改善療法」も掲載。
  • 自分をさがして旅に生きてます
    5.0
    It''s up to you――君の考え次第だよ。自分の道は、自分でしか決められない。ニューヨークのハーレムで、基地の街・沖縄で、カスバで、多くの「今日をせいいっぱいに生きるあなた」に会った。同性愛の少年、少女娼婦、未婚の母、他人(ひと)には限りなく優しく、自分には厳しい人たちの、真剣な眼差しと笑顔をあなたに! フォト&エッセイの名作。
  • 自分を好きになる方法
    3.4
    16歳のランチ、28歳のプロポーズ前夜、34歳の結婚記念日、47歳のクリスマス、3歳のお昼寝タイム、63歳の何もない一日。リンデは「お互い心から一緒にいたいと思える相手」を求め続ける。密やかな孤独と後悔、それでも残るほのかな期待を丁寧に描いて、女性たちの圧倒的な共感を呼んだ第27回三島由紀夫賞受賞作。『異類婚姻譚』で2016年度芥川賞を受賞した人気作家による長編。
  • 地べたっこさま
    -
    地べたっこさま(大地)が語る、民衆の怨念と仲間への限りないやさしさ――。児童文学界に新風を送った、ヒューマニズムあふれる民話風創作集。「かっぱの目だま」「おこんじょうるり」「首なしほていどん」「南蛮きつねつき」「赤ガラス大明神」など8編を収録。日本児童文学者協会新人賞・野間児童文芸推奨作品賞ダブル受賞。
  • 自民党幹事長 三百億のカネ、八百のポストを握る男
    -
    結党50年、その椅子に座れた者は40人に満たない。「幹事長は、総裁を補佐し、党務を執行する」。党則第8条のたったこれだけの文言が、無限のパワーを生む。300億のカネと八百のポストを握り、選挙を仕切ったのちに待つのは、栄光か転落か? 欲望と権力の力学を明快に示した必読の1冊。岸信介から武部勤まで、総理総裁への最短距離といわれる歴代幹事長の明暗と、政権政党のうまみを徹底解剖! 『自民党幹事長というお仕事』改題作品。
  • 自民党・ナンバー2の研究
    4.0
    日本政治の失われた10年。その原因は秀れたナンバー2の不在だ。剥出しの権力欲が激突する自民党内で、無念にもたおれた者、あえて補佐役に徹して身をまっとうした者……。彼らが「戦後」を動かしたのだ。保守合同の立役者、緒方竹虎、三木武吉、大野伴睦から平成の小沢一郎、加藤紘一まで、30人の列伝。出でよ、平成の「寝業師」そして「策士」。忘れられぬ政治家たちの物語!
  • 自民党分裂 政治改革の攻防
    -
    政治改革をめぐり、党分裂へと進む自民党の、権力闘争を活写する。リクルート、共和、佐川急便、ゼネコン……留まるところを知らぬ相次ぐ疑獄事件。高まる一方の政治不信のなかで、政治生命を賭けて政治改革に執念を燃やす自民党若手議員が流れの中枢に躍り出た。ついに自民党分裂で、38年間続いた自民党政権に終止符を打つ。分裂そして政界再編へと向かう権力闘争・抗争劇の内幕!
  • 邪淫記
    -
    ノンフィクションライター・小宮の住むマンション屋上で、凄惨窮まりない猟奇殺人が行われた。被害者の若い女は、首、乳房、性器を切断されていた。1ヵ月後に酷似した事件が発生し、同一犯と見られた。小宮は犯人の心理を再現しようとテレビ出演するが、犯人は小宮に挑戦し、小宮の恋人の身辺に魔手が迫った! 猟奇殺人犯がつづる、残虐な殺人日記に迫る。鬼気迫るレイプ殺人犯の予想外の素顔とは? 傑作クライム・ノベル。
  • 聖豹紀
    -
    地球支配をもくろむ魔人・サーベルドラゴンの標的はトルファンの地下に隠された“魂を操る機械”。迎え撃つのは戦士ジャガー、藤村剛、ラマ僧ツォン師、その前に立ちふさがる美少女マリがもつ強大な破壊力とは!? 地底王国アガルタを舞台にした宿命の対決、躍動する戦闘(バトル)&冒険(アドベンチャー)。息をもつかせぬ傑作長編小説!(講談社文庫)
  • 寂庵だより
    4.0
    生きるということは、自分を創ること。その力は、誰にでも公平に与えられている。かけがえのない一生を、誰かの責任にゆだねず、自分で守り育て、自分の心に聞いて生きて行きたい。――出離した作家の行動と思索の日々、仏恩や衆生恩に報いる努カの中から見えてきたものを、静かに、カ強く語るエッセイ集。
  • 寂聴さんに教わったこと
    3.3
    寂聴さんの最晩年をいっしょに過ごした、66歳年下の秘書が描く微笑ましい二人の姿と、愛情溢れる寂聴さんの教え。写真も多数掲載!
  • 寂聴相談室 人生道しるベ
    -
    個人的な悲しみは、普遍的な悲しみです――不倫、家庭内暴力、借金、いじめ、新興宗教、自殺、病苦、愛する者との別れ……生きる意味を見失い、絶望視、戸惑う現代人。十年にわたって寄せられた悩みに寂聴尼が真摯に温かく、ときに厳しく直言する。真実の人生を生きる指針を示す、100通の身の上相談。
  • 寂聴・猛の強く生きる心
    -
    家族の崩壊が進み、生命の循環に危険が訪れた今、人間の営みを支えてくれるものは何か? 人は如何にして生きてゆくべきか? 私心なく全力で取り組めば、必ずものごとは成就するのか?――精神の義姉弟(ぎきょうだい)、瀬戸内寂聴と梅原猛が、自分たちの苦悩の青春時代を踏まえて語り合い、人々を励ます、熱い心の対談集。
  • 寂聴 天台寺好日
    -
    岩手県の北部、青森県との境の小さな町にある古刹、天台寺。さびれきったその寺に、懇請され、住職として晋山(しんざん)した著者の、愛と勇気と行動の日々。数々の困難を乗り切って、名刹に命をとりもどした、奇蹟のような10年間の実践。深い仏縁と、はかり知れない仏恩の下で、地元の人々と共に復興に努める、感動の記。
  • 寂聴と読む源氏物語
    4.2
    光源氏に愛された姫君たちが抱いていたプライドにテーマをしぼって考察し、大きな評判を呼んだ講義を再現! 千年前の女たちは現代の女性に勝るとも劣らない、毅然としたプライドで身を処していた。たくさんの男女の恋愛、さまざまな男女の愛の形が描かれている『源氏物語』をより深く味わえる必携の読本。
  • 寂聴の仏教入門
    3.7
    日常の仏事から日本人の宗教観まで。心の恐れをとり除き、苦しみから救う「仏教」を、易しく、面白く語り伝える! ーー智の力ではとらえがたい「何か」が存在し、人間はそれによって生かされている。心がまき起こす不安・恐れ・怯えはいつもあるが、施無畏(せむい)の教えはそれをとり除き、苦しみから人々を救い出す。心の問題を抱える現代人に、瀬戸内寂聴と仏教研究者・久保田展弘が、対談の形でやさしく仏教を伝える、好個の入門書。
  • 麝香姫の恋文
    3.0
    本当にもう、バカばっかり……。「退屈」のため息をもらす美貌の女怪盗・麝香姫(じゃこうひめ)に天才(かもしれない)青年探偵・間宮諷四郎が挑戦! 美貌の女盗賊VS.遊民探偵青年! ――近頃、帝都・東京を賑わすのは、「真に美しいものしか狙わない」美貌の女怪盗・麝香姫の噂ばかり。彼女からの予告状(こいぶみ)が舞い込んだ神宮寺家でも、幻の「青い薔薇」が盗み出されるのでは、と戦々恐々。しかし裏には、もっと巨大で黒い陰謀が、隠されていたのだった……。天才探偵・間宮諷四郎との戦いの行方は?
  • 邪神聖宴 ブルー・マン2
    -
    「暴神」を体内に宿す、美貌の殺人鬼・八千草飛鳥は、深い苦悩の中に陥っていた。彼のたぐい希なる能力を狙って、謎の獅子吼老人が、熊野修験者、秘術を操る女妖術師、宗教学者らを率いて、魔戦を挑んできたのだ。美しき魔人は、邪悪な神と死を決して闘う!  超絶のスケールで描く、ハイパー伝奇バイオレンス巨編。神は誰に微笑む?
  • 蛇の湯温泉殺人事件
    4.0
    「あなたは私のお父さん」と、浮気しようとした美女から突然告げられ、人事部長の梨田進は、30年前に犯した過ちが、幸せな家庭を破壊しにかかってきたことを知る! 最愛の妻と一人娘にとっては、まさに青天の霹靂。信じていた夫の、父の過去を知って激震に見舞われた一家に、奥多摩の秘湯でさらなる悲劇が……。そこには、眉を剃られた女の死体が!
  • 邪魔 上下合本版
    値引きあり
    -
    平穏な日々が、暗転する――その幸福は、本物ですか? 奥田英朗、初期の傑作にして大藪春彦賞受賞作! ほんの小さなきっかけから追い詰められてゆく人たち。 どうして自分が、こんな目に。 ドアホンを手に取ると「警察です」という 男の低い声が恭子の耳に飛び込んだ。 心臓が早鐘を打つ。ドアホンを置く手が小さく震えた。 怖がることなんか何もない。 うちは貧乏でも金持ちでもない平凡な家庭なのだ。 何も起こるわけがないじゃないか。 (本文より) 妻を事故で亡くして以来、不眠に悩まされている刑事、九野。スーパーのレジ係として働きながら子育て中の主婦、恭子。華やかではないが平穏な二人の日常が、ある事件を機に交錯し始める――。小さなほころびがいつの間にか取り返しのつかない事態へと発展する、人生のもろさ、人の危うさを描いた著者初期の傑作! 奥田英朗は、新人の頃から凄い!
  • JAL 虚構の再生
    3.0
    負債総額2兆3221億円。破綻したJALには多額の公的資金が投入され、「見せかけの再建劇」が演出された。その間公正な競争は歪められ、結局日本の空の国際競争力は低下するばかり。稲盛和夫CEOの経営手腕を手放しで賛美するだけでは、問題の本質を見抜けない! 世間の常識を覆す、告発のドキュメント。今、待望の文庫化!
  • ジャングル・ジムがしずんだ
    -
    少年タローの友だちは、デパートのおもちゃ売場のロボットや人形たちだ。そのおもちゃたちを作ったデブの社長と知りあったことから、ちょっと気になるチビの女の先生や子犬を道づれに、タローはジャングル・ジムのエレベーターで、地下のおもちゃの国によばれた……。恵まれないものへの愛を奇抜な構想で描いた、ファンタジックな長編童話。
  • ジャンヌ・ダルクまたはロメ
    3.3
    裁かれるジャンヌ・ダルクは、ほんとうに神より遣わされし者なのか?国王シャルル七世の寵臣ジョルジュは、自らの地位を脅かしかねぬ女(ジヤンヌ)の素性を洗い出そうと心を砕く。そして最後に彼が気づいたある戦慄すべき事実とは……。西欧中世史に材をとった表題作のほかに六篇を収める、才気横溢の傑作短篇集。
  • 巨人機が消えた
    -
    東洋国際航空の桐山琢磨機長は、箱根のホテルで静養中、何者かに襲われた。だが、瀕死の重傷を負った彼自身が、「…ジャンボが…消えた…」と謎の言葉を残し、姿を消してしまった。その後、副操縦士、フライト・エンジニアと関係者が次々に殺される。機長の娘と婚約者が事件の解明に動く! 航空ミステリーの代表作。
  • 十一人の賊軍
    3.7
    命は奪えても、誰にも魂は奪わせない――。本屋大賞作家が放つ、書き下ろし大型時代エンタメ。小説版「十一人の賊軍」! 戊辰戦争のただ中、侍殺しの罪で捕まった駕籠かき人足の政(まさ)は、薩長率いる「官軍」から砦を守るよう命じられる。勝てば無罪放免、負ければ死。共に戦うのは、あらゆる悪事を犯した十人の罪人たち。果たして、彼らは生きて帰ることができるのか――。強者の狭間で足掻く者たちの熱き闘いを描く、極上の時代エンタメ! 映画「十一人の賊軍」 主演:山田孝之 仲野太賀 監督:白石和彌 原案:笠原和夫 脚本:池上純哉 2024年11月1日(金)公開!!
  • 従軍慰安婦
    3.0
    旧軍関係者は、自分たちが従軍慰安婦なる兵隊性欲処理機関をともなって戦場へおもむいていたことを、戦中も戦後も秘密にしてきた。理由は、神聖なる天皇の軍隊の名誉にキズがつく、軍が国家予算で売春宿を経営していたことを一般国民に知られたくない、女性の大半は朝鮮半島から強制動員したがそのことを秘匿しておきたい、などであった。今なお議論され検証が続く日本軍の闇の真実をさぐる、歴史的で野心的なノンフィクション!
  • 「重厚長大」産業の復権 90年代へのポリシーX
    -
    潮流は「重厚長大」産業へ、という時代があった。新日鉄、三菱重工、トヨタ自動車、味の素、東レなど、内部蓄積してきたポリシーXが、全面展開しはじめている。90年代の産業界はどうなっていたのか。企業ルポの第一人者が、技術戦略面から現場を密着取材し、トップの発想も含め、日本の巨大企業の動向を鋭く読む力作。
  • 15年目の処刑
    -
    資産家に生まれた矢部徹は、幼くして両親と死別し、姉・今日子と二人暮らし。最愛の姉を金蔓として食い尽くし、身籠もった子まで殺して、死に追いやった弁護士・小関は、事情を知る徹をも消そうとする。15年の雌状を経て復讐の修羅と化した徹は、奴の罪なき妻や娘、息子を……。渾身のハード・バイオレンス! すべてをかけヤツを追いつめる。心を揺さぶる男の執念!
  • 十五万両の代償 十一代将軍家斉の生涯
    3.8
    寛政の改革から爛熟の化政文化へ――御三卿の一橋家から思いがけず将軍となり、53人もの子をなし、孝心篤く実父治済(はるさだ)と自身に官位を望んだ家斉。政治の実権を握っていた松平定信を追い落とし、老中首座となった水野忠成(ただあきら)とともに舵を切ったインフレ政策の先見性と思わぬ陥穽(かんせい)。目から鱗が落ちる歴史小説。(講談社文庫)
  • 13歳の黙示録
    4.3
    札付きの非行少年・幸雄の閉ざされた心に、中学教師の千佳は献身的に向き合おうとする。少年の内にあった驚くべき葛藤とは?  そして周囲の心配どおり、13歳の幸雄は千佳にナイフを向けた! 彼はなぜ、人を殺してしまったのか? どの教師も手を焼く非行少年の心を、千佳はこじ開けようとしたが……。少年向けに物語を紡ぎ出してきた著者が世に問う「人を殺めることの重さ」。親も子も読みたい、胸に迫る感動の傑作、心に突き刺さる衝撃作!
  • 十三人の修羅
    -
    明治維新を間近かにした文久2年12月、攘夷の激情をおさえかねた長州の若手藩士13人が、横浜の英国公使館を焼打ちする。20歳の瓜生愼蔵もその中のひとりだった。彼は激変する歴史の流れに順応することを拒み、独自の道に入る。それは或る娘との出会いで宿命づけられた人生……。歴史小説の俊英による野心作。
  • 13人目の探偵士
    3.5
    ミステリのすべてがこの1冊にある! ――奇妙な童謡を模して、探偵ばかり狙う殺人鬼・猫(キャット)。残忍かつ狡猾な見立て殺人は、13人目の犠牲者に向け研ぎ澄まされていった。密室で発見された探偵皇(たんていこう)の死体、血文字の伝言(ダイイング・メッセージ)と記憶喪失の男、そして消えた凶器。探偵が支配する探偵だらけのパラレル世界で、様々な謎が煌(きらめ)き、可能性が揺らめく。ミステリの真髄!
  • 十七八より
    3.7
    ある夏、ある少女の「1か月」。 いつかどこかに存在したあらゆる一瞬の堆積が、鮮やかに立ち上がる。 第58回群像新人文学賞受賞作。期待の書き手のデビュー作がついに文庫化。
  • 銃士伝
    -
    戦わざるをえなかった“銃と日本人”の物語! 日本史上初めて鉄砲が有効に使われた戦といわれる長篠の合戦、関ヶ原の戦いでの島津勢の決死の退却、坂本龍馬の命を護ったスミス・アンド・ウエッソン、新政府軍と戦った二本松少年隊の悲劇、南太平洋の孤島で繰り広げられた名もなき日本人狙撃兵の孤独な戦い……。“銃器と日本人”を描いた傑作短篇集! (講談社文庫)
  • 十字架
    3.9
    いじめを苦に自殺したあいつの遺書には、僕の名前が書かれていた。あいつは僕のことを「親友」と呼んでくれた。でも僕は、クラスのいじめをただ黙って見ていただけだったのだ。あいつはどんな思いで命を絶ったのだろう。そして、のこされた家族は、僕のことをゆるしてくれるだろうか。のこされた人々の魂の彷徨を描く長編小説。吉川英治文学賞受賞作。
  • 十字路に立つ女
    4.0
    慢性腎不全を患うみずえに不審な生体腎移植手術の話が持ちあがった。時を同じくして起きた、みずえの実家、神田の古書店に対する地上げ攻勢、婦女暴行魔の脱獄、そして何者かの影に怯える美しいスペイン研究者・理絵……。神田界隈を背景に私立探偵・岡坂神策が錯綜する謎に挑む。大人のミステリー!
  • 十二歳
    3.6
    おとなになるってムズカシイ。私も「何かになれる」んだろうか。第42回講談社児童文学新人賞受賞作。鈴木さえは小学6年生。ポートボールが大好きで友だちもいっぱいいる楽しい毎日だったはずなのに、突然何かがずれ始めた。頭と身体がちぐはぐで何だか自分が自分でないみたいな気がする。こんな私でも大人になったら、みんなが言うように「何かになれる」んだろうか? (講談社文庫)
  • 12歳までに身につけたい お金の基礎教育
    4.2
    ファミレス、CM、回転寿司……実例で学ぶ超経済入門――幸せな人生を送るため、健全な金銭感覚を身につけよう。ファミレス、回転寿司、フリーマーケット、スーパーなどでの実践例から、陥りやすいお金の罠と経済の仕組みを解き明かします。悪徳商法から身を守る方法、我が子がカツ上げに遭った時の対処法から、銀行・証券との付き合い方まで。親と子で学ぶ、超経済入門。
  • 十二秒の誤算
    5.0
    ニューヒロイン登場! 不倫調査員・片山由美・27歳。不倫に疲れて会社を辞め、興信所に勤めた由美の初仕事は、主婦の浮気調査だった。夫の依頼で尾行を始めて10日目、妻は愛人と彼のマンションで毒死していた。心中かそれとも……。事件の真相に迫る由美に危険が──。鮮やかな推理で謎を解く、新シリーズ傑作短編集。
  • 「十年先を読む」発想法
    -
    光ファイバーなど、光通信をめぐる基本発明をはじめとして、数多くの独創的発明や研究で知られる著者が、初めて語る、独創的発想法の秘密。無資源国・ニッポンに残された、唯一の生き残る道――独創的技術開発のための戦略を説く。学生はもちろん、ビジネスマン、教職者、経営者必読の、創意あふれる西澤式発想法。工学界の発明王が明かす、発想法のエッセンス。

最近チェックした作品からのおすすめ