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東京、ハワイ、オレゴンと、ジニは学校からたらい回しにされてきた。ホームステイ先で彼女は、五年前の出来事を語りはじめる。在日韓国人として生まれた、朝鮮語がわからないまま、過ごした朝鮮学校での日々。居場所を見つけられず、二つの言語の間で必死に生きるなか、あの日、テポドンが発射される。第59回群像新人文学賞受賞作。第155回芥川賞候補作。
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Posted by ブクログ
日本の小学校、朝鮮の中学校、アメリカの高校といった異色の経歴を持つジニ。 僕自身在日韓国人で、中学まで朝鮮学校に通って高校から日本学校に通った。 だから、ジニの心情なり肖像画の違和感がとてつもなく共感できた。 ただジニの感受性の豊かさは僕より全然豊かで、「確かに言われてみれば、あれっておかしかった...続きを読むよな?」って思うことが多々あった。 視点が鋭いだけでなく、非常に批判的見方である。 確かに僕の周りにも一定数、そういう子がいた。 しかし僕みたいな学生が大半であり、みんな「韓国人なのに、なぜ朝鮮学校に通っていたのか?」と聞かれると答えれなかったし、親が通わせたからという質問しかできなかった。 そのくらい、在日社会は伝統を重視していて、外者を排除する傾向が強いと思う。 一方でその分団結力も凄いし、それは今までの歴史をみればわかるし、現に僕らが未だ朝鮮学校に通えてることがそれを証明している。 また1990年代当時はまだまだ在日韓国人に対する、ヘイトがたくさんあった時代だった。 しかし、反骨精神丸出しの主人公はそれに屈することなく、大人や社会に立ち向かった。 それも中学生にしてだ。 どの国に行っても、在○外国人は存在していて、そこでその人達が、現地人から差別や不平等を被る。 しかし、その中で闘っていかないと、皆が結束して社会において地位、権利を得ないとその国における外国人のコミュニティはなくなるのだ。 そして、現に2023年の在日同胞社会は崩落寸前とも言われていて、生徒数も激減している。 だからこそ、どうにかしないといけないし、僕が通っていたからこそなくなってほしくない。 在日同胞社会の闘いはまだまだ続く。
この本の感想を書くのは難しい。 それはたぶん「この本の感想を書くのは難しい」と書くことにさえ、なにか間違っているような気がしてしまう自分自身への違和感のようなものに起因するような気がする(ごめんなさい、本当にどう書いてよいか書きようがない)。 それはつまり「日本人」である自分は、この本に物語られた...続きを読む「在日朝鮮人」のボイスをどのように受け止めていいのかわからないという戸惑いから来ているようにも思う。 気になったから色んな人の感想を読んでみた(普段はそんなことしない。小説を読んでどんな感想を持とうが、それはその人の自由だと思うから)。 良い評価をつける人の多くは、この本に書かれた荒々しく、生々しい感情に圧倒されたようだ。あるいはジニの立ち場に共感したようだ。 逆に悪い評価をしている人は、どうやらここに表現されたものに共感できなかったようだ。そして違和感よりも嫌悪感を持ったみたいだった。 僕も、正直、共感は、できない。 積極的に読むのがしんどい箇所もあった。 でも拒否もできない。 いや、拒否してはいけないような気がする。 それが感想。 こんなことを書くと、「いいカッコするな」とか「偽善者」とか言われそうだ。 だからこの本の感想を書くのは難しい。 というより怖い。 どんなことを書いても、「お前は間違っている」と言われそうだし、言われたら反論できない。 そう、たぶん、僕は間違っている。 ( Amazing. Every word of what you just said was wrong. ) というわけで感想終わり。 僕の良い本の基準は、それを読んでどれだけのことを考えさせられたか、あるいは棘のようなものを感じて立ち止まらざるを得なくなったか、なので、その観点からは間違いなく面白い本です。 あとはご自分でお確かめあれ。
自分の今の職場には、韓国から来た人と中国から来た人が何人かいる。自分はその人達を「同じ作品に携わり、より良いものにするために一緒に頑張る人」という認識で接していて、国籍なんて関係ないと思ってる。だから知り合って間もない頃は「えーっと、この子は韓国と中国どっちだったかな……」なんて考える間が、会話の中...続きを読むで一瞬生まれることもあった。自分の中で、国の違いを意識しないようにしようとしていたからかもしれない。 でもそれは、相手の生まれ育った国をあまり尊重していないようで、失礼にも思えて。だって、「この人何県出身だったっけ……」と同じことだもん。まるで相手に興味がないみたいじゃないか……! 小学生から高校生にかけて、少なからず日本の歴史を学んできた身なので、日本と韓国の関係性がどんな感じなのか、は知識として最低限頭に入ってるつもり。自分はネット上で時折見かける、頭ごなしに韓国の人を非難しているような日本人にはなりたくないし、国籍なんか関係なく同じ人間として純粋に接していきたいと思ってる。でも、そういう意識ってとても難しいもので、「違いを気にしないように」と気を遣いすぎることもある種の仕分け意識に近いんじゃないか、みたいな不安が、韓国の人と接するときにいつも付きまとっている。 いきなり本の感想から逸れたことを書いちゃったけど、この本はそういうことを考えさせてくれる素晴らしい一冊だった。勧めてくれた職場の後輩に飯奢るレベルで。 自分はどうも昔から日本人以外の国籍の人に好意的なイメージを抱く傾向があって、たとえば野球。遠い国から海を渡ってこんな島国で頑張ってる助っ人外国人選手は、球団関係なく2割増しくらいで「頑張れ!」と思ってしまう。オリンピックとかで日本と戦ってる相手には何とも感じないので、アウェイで頑張ってる感が好きなのかもしれない。つまり何が言いたいかというと、俺は韓国の人と仲良くしたいってだけの話です。それも、上辺だけじゃなくちゃんとした友達として。自分は韓国人の友達が出来たら「お前キムチ臭ぇな!」「うるせーよ!」みたいなやり取りを、お互い笑いながらやり取りしてみたいんです。日本人の友達とやり取りしているような会話を、国境跨いで韓国の人と、世界中の人とやってみたいんです。 余談ばっかりだけど、3年くらい前にやってたネットゲームで韓国の人とボイスチャットが繋がって、「日本の人だ!」ってめちゃくちゃはしゃいでくれた人がいたんだ。一緒に遊んだのはその一回だけだったけど、お互い拙い英語で連携取り合って、勝ったり負けたりがとても楽しかったのをよく覚えてる。良い思い出。
自分の知らない、でも社会にはある朝鮮学校を舞台にした小説。著者の実体験を踏まえたフィクションということからすごく没入しやすく、心が痛くなる作品でした。 あまりにもあっという間に終わってしまったがために星4つにしましたが、ぜひチェシルさんの他の作品を読みたいと思わせてくれる一冊でした。
決して私にはわかり得ない世界で踠いている主人公だけれど、何故だかその踠きの原点にある葛藤には見覚えがあって、不意に心に留まる言葉が現れたりする。「宇宙のゴミがそれだけで輝くことができるのならば、社会のゴミである私にも輝くチャンスがあるのかなって」なんとも言えない表現に痺れた。
インパクトの強い作品でした。在日3世の少女が 見えない敵と闘う革命の作品です。歴史観の違いや 見えない差別との闘い、経験した人だけが、感じる想いなども読んでて伝わってきたし、自分に何ができるのかと、あらためて勉強になった作品でした。 著者も在日3世の方で、とてもリアリティがあって ノンフィクションか...続きを読むと思わせるほど、生々しさが読んでいくうちに、胸に刺さりました。テポドンの章では、少し読むのが辛くなりましたけど、実際にこんな状況に近いことが、起きてるんだなと、実感しました。
ぼくは友部正人が歌い続けている「空が落ちてくる」が、40年にわたって聞き続けている好きな歌だが、十二歳の少女の上に落ちてきたらつらいだろう。読みながら、そんなことを考えていた。 こういういい方をしていいのかどうか、「在日文学」といういい方があると思うが、この作品を読んで、在日文学が新しい場所を見...続きを読むつけ、新しい風が吹き始めたと思った。 小説としては素朴、稚拙で単純といっていいかもしれない。だが、読後感は「さわやか」だ。 ぼくはこの作家が、次にどんな作品を書くのか、かなり期待している。
朝鮮人にも日本人にもなれないジニが、周りの人や環境そのものと対峙し、孤独に戦う物語。 人種というカテゴリーに当てはまらないいわばあぶれてしまう人を徹底的に排除する傾向が強い今、とても考えさせられる話だった。 人間って、見た目が違うだけでみんな一緒なのに、なんで傷つけ合うんだろう? 他国を尊重しましょ...続きを読むうなんて言葉が、当たり前になって使われなくなって、ジニと同じ境遇にいる人々が生きやすい時代が来て欲しいと切に願う。 著者の崔実さんの荒削りな文章は若干勿体無かったものの(もっと丁寧に書いていれば...)、みずみずしさ、ほとばしる思いが存分に伝わってきた。題材が重いけれど難しい表現が文中にそこまでないから、中学生とかでも読めそう。
すごく揺れ動くというか、いいなと思って読んでたら変に理屈っぽく正論語り出したり、と思ったら最後の方のグミもらう時の場面とかすごく良いし、で何だろなと思うんだけど、これ高校生のジニの視点と思えばしっくりくる。そうだ、ジニの視点なのだ。 高校生だったらこう思うだろう、と大人が書いているのではなくて、ジニ...続きを読むが語っているのだ。 だから、良かったよ、これは。
北朝鮮にルーツを持ち日本人として育った中学生の行きづらさを描いた作品、自伝的内容はリアルで息苦しく身に迫るものを感じる。
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