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  • 紫苑物語
    -
    1巻605円 (税込)
    王朝末期、宗頼は秀れた才能に恵まれながら、歌を捨て、絶対的なものを求めて力の世界に生きるべく弓矢の人となり、国の守として遠国におもむく。その若い領主の尖鋭すぎる理知と、女狐によって象徴される野性の情熱との、宿命的な触れ合いと破局を描き、著者の文学の最高峰をなす『紫苑物語』、思想に裏うちされた幻想的な冒険小説『鷹』、ほかに『善財』を収録。
  • 戦う操縦士
    3.3
    僕は多くのことを考える。万一生きていたら、今夜を待って、とくと考えてみよう。ただ、生きているかどうか……。第二次大戦中、敗走するフランス軍に、一飛行士として従軍した作家サン=テグジュペリ。明日、ドイツ軍が侵入するであろう、祖国の一寒村にたたずんで、死を目前にした極限状況にあって綴られた、生の根源と人間の勇気に果敢に迫り、深く追究する思考。
  • 夢の壁
    4.0
    終戦前後、少女期を北京で過ごした佐智が見たことは、少女の心をひとまわり大きくした――戦争で母親を亡くした悲しみを背負いこむ中国人の少年と佐智との無垢な心の交流を描いた芥川賞受賞の「夢の壁」と、国民学校が消滅した夏の一日、SH学院の利発な少女・宋梅里との友情、両親と共に日本に帰る1947年の船中の出来事など、佐智の目と心を通して活写する「北京海棠の街」を収録。
  • 真知子
    -
    日本の社会と知識人の心を激しくゆさぶらずにはおかなかった、昭和初期のマルキシズム。その嵐の中を手さぐりでさまよう若い魂の群れ。美しい近代女性・曽根真知子は、退屈で滑稽な自分の親類仲間の俗物性を批判し、現実社会を動かしている力に虚偽を感じて、社会の救済を思念する。甘美なヒューマニズムを脱却して真摯な生き方をもとめる真知子の愛と思想を描く、記念碑的小説。
  • 木馬の騎手
    4.6
    出稼ぎに出たきり戻らぬ父を尋ねて、ひとり東京に着いたキワ、自分は電気仕掛けで動くのだと頑なに信じる少年・作次、晴れ着を着て父親とメリー・ゴー・ラウンドに乗るチサ――。危ういバランスをとりつつ、生と死の深淵を覗き見る子供たち。この、人生の小さな冒険家たちの、様々な死とのたわむれを、清冽な抒情と澄んだユーモアを重ね合せて描く「接吻」「睡蓮」「厄落し」「星夜」「初秋」「ロボット」「遠出」「遊び」「出刃」など12編。著者会心の連作短編集。
  • いつも彼らはどこかに
    3.7
    たっぷりとたてがみをたたえ、じっとディープインパクトに寄り添う帯同馬のように。深い森の中、小さな歯で大木と格闘するビーバーのように。絶滅させられた今も、村のシンボルである兎のように。滑らかな背中を、いつまでも撫でさせてくれるブロンズ製の犬のように。――動物も、そして人も、自分の役割を全うし生きている。気がつけば傍に在る彼らの温もりに満ちた、8つの物語。
  • 倫敦千夜一夜物語 あなたの一冊、お貸しします。
    4.1
    お貸しするのは、本の世界を自由に旅する時間。19世紀末・英国。ロンドン郊外の静かな町で、貸本屋《千夜一夜》を営むサラとアルフレッド兄妹。とある事情から侯爵家の生まれという身分を隠して暮らしているふたりだったが、店にはとっておきの一冊を求めて今日もたくさんの客がやってくる。そんなある日、「探してほしい本がある」という貴族の兄弟が店をおとずれて…。ビクトリアン文学ミステリー!!
  • ナルキッソスの鏡
    4.0
    女装倒錯、その美貌とあいまった孤高のナルシズムに生きる作家志望の青年。そして、殺戮をくりかえしてまでも子供たちを守ろうとする過剰な家族愛に生きる異形の大女。高原の避暑地を舞台に、それぞれの人生が交錯するとき悲劇のドラマがはじまる――。愛と憎しみに囚われた人間の2つのストーリーがモザイク模様のように絡み、展開する衝撃のサイコ・サスペンス。
  • 絶対恋愛禁止っ!!(1)
    5.0
    1~3巻605~693円 (税込)
    高1の柚妃はワケあって、全寮制の超セレブ高校・鳳凰学園に転入。 入寮日、右も左もわからずウロウロしていた柚妃の前に現れたのは生徒会執行部のメンバー、超絶美形な俺様キング・響。 ホッと安心したのもつかの間、「お前が今日のエサか」と強引に押し倒されてしまう! 全力パンチをお見舞いし、逃げ切った翌日、「この学園のクイーンが決まった」と校内放送が流れ、まさかの指名をされちゃって――!?!? 波乱だらけの学園生活がはじまった!
  • 考えすぎた人―お笑い哲学者列伝―
    3.7
    「ソクラテスより頭の強い人間はいますか」聞き間違えた神託のせいで頭突き勝負が始まって(「ソクラテスの石頭」)。論理学の講義が苦痛で仕方がない未来の大王は……(「アリストテレスの論理が苦」)。若く美しい婚約者とモメた四十男のヘーゲルは思慮深すぎる手紙を書くが(「ヘーゲルの弁証法的な痴話喧嘩」)。哲学史に燦然と輝く巨星たちを笑いのめし、叡智の扉へと誘うユーモア小説。
  • 新釈 グリム童話 ―めでたし、めでたし?―
    3.3
    老舗ホテルの一人娘として生まれた「眠り姫」は、経営不振の実家を救うためにお見合いをすることに。「ヘンゼルとグレーテル」は廃屋から届くケーキの注文に戸惑っていた。自分こそが学年一の美少女だと思っている「白雪姫」は、同じくらい美しい無愛想な少女の存在が気になっていて……。誰もが知る“グリム童話”を大胆にアレンジ! 人気作家の作品、全六編を収録。
  • ヘッセ詩集
    3.9
    ひたすら詩人になりたいと願い、苦難の道のりをひとり歩み続けたドイツ最大の抒情詩人ヘッセ。仮借ない自己探求の賜物である淡々とし飄々とした風格は、われわれ日本人の心に深く共鳴するものを備えている。18歳のころの処女詩集より70余歳の晩年に及ぶ彼の全詩集から、その各期にわたる代表作をすべて抜萃し、ノーベル賞に輝く彼の小説に勝るとも劣らぬヘッセの詩境を紹介する。
  • シッダールタ
    4.3
    シッダールタとは、釈尊の出家以前の名である。生に苦しみ出離を求めたシッダールタは、苦行に苦行を重ねたあげく、川の流れから時間を超越することによってのみ幸福が得られることを学び、ついに一切をあるがままに愛する悟りの境地に達する。――成道後の仏陀を讃美するのではなく、悟りに至るまでの求道者の体験の奥義を探ろうとしたこの作品は、ヘッセ芸術のひとつの頂点である。
  • 郷愁
    3.8
    豊かな自然に囲まれて育ったペーターは故郷を離れ、文筆家を目指すため都会生活を始める。彼はそこで多くの人と出会い、多くの事を学ぶが、心の底では常に虚しさを感じていた。文明の腐敗に失望し、故郷に戻った彼を待っていたのは、シンプルな暮らしと新たな出会いだったが……。叙情にあふれた美しい自然描写、青春の苦悩、故郷への思いを見事に描いた、著者の処女作にして出世作。
  • P+D BOOKS 悲しみの港(上)
    -
    1~2巻605~660円 (税込)
    現実と幻想の間を彷徨する若き小説家の懊悩。 「僕が故郷に漠然と期待したのは避難港だった。ところが、それどころではなかった」――。 東京から郷里の静岡県藤枝市に居を移した三十手前の小説家・及川晃一の日常的思索を描いた著者の自伝的小説の前編。 1994年、発刊時の単行本の帯には[自分はすでに難破船か、骸骨か。それでもなお試練の故郷で文学者が探し求める自我の新しい船出。現実と想像のあわいに明晰な幻視者・小川国夫が眼をそそぐ]とある。 日本人とは、市民とは、そして小説家とは何かを考え続けた、「内向の世代」の作家・小川国夫の深い懊悩が滲む秀作。朝日新聞に連載され、第5回伊藤整文学賞を受賞。
  • 雲の墓標
    3.9
    太平洋戦争末期、南方諸島の日本軍が次々に玉砕し、本土決戦が叫ばれていた頃、海軍予備学生たちは特攻隊員として、空や海の果てに消えていった……。一特攻学徒兵吉野次郎の日記の形をとり、大空に散った彼ら若人たちの、生への執着と死の恐怖に身をもだえる真実の姿を描く。観念的イデオロギー的な従来の戦争小説にはのぞむことのできなかったリアリティを持つ問題作。
  • 水に似た感情
    3.8
    人気作家・モンクは友人のミュージシャンたちとテレビの取材でバリ島を訪れる。撮影はスタートするが、モンク自身の躁鬱と、スタッフの不手際や不協和音に悩むが、呪術師を取材し超常現象を体験した後、モンクも落ち着きスタッフもまとまる。帰国したモンクは親しい友人たちを誘い再びバリを訪れるのだが。リアルに迫りくる幻想体験を通じ、なぜか読むほどに心安らぐ小説。
  • 酒気帯び車椅子
    3.9
    家族をこよなく愛する小泉は中堅の商社に勤める平凡なサラリーマン。彼は、土地売買の極秘巨大プロジェクトを立ち上げた。必死の思いで進めた仕事のメドがたったある日、計画を知るという謎の不動産屋から呼び出される。彼を待っていたのは暴力団だった。家族を狙うという脅しにも負けず敢然と立ち向かう小泉だったが……。容赦ない暴力とせつない愛が交差する中島らもの遺作バイオレンス小説。
  • 寂聴源氏塾
    4.7
    『源氏物語』の本当の主人公はプレイボーイの光源氏ではありません。藤壷、葵の上、紫の上、夕顔、朧月夜、六条の御息所、浮舟などなど、恋に生き、愛に苦しむ女君たちの心情と迷いを、作者である紫式部は描きたかったのでした――『瀬戸内源氏』を訳しきった著者ならではの解釈に充ち満ちた「千年の名作」の最高のガイドブック。
  • わたしの蜻蛉日記
    4.0
    通い婚の時代も今も、恋する女の苦悩は変わらない――。私小説の元祖といわれる『蜻蛉日記』。作家・藤原道綱母は、美と才能に恵まれながら、嫉妬深さゆえに夫・兼家や自身を追い詰めてしまう。彼女の半生記を通して、千年前の女たちの愛と性を読み解く。兼家を光源氏、道綱母を六条御息所に重ね合わせるなど、『源氏物語』を完訳した著者ならではの解釈も。古典名作の新たな魅力と出会える一冊。
  • 心も身体も全部、全部。[上]
    -
    1~2巻605~627円 (税込)
    大会社の社長令嬢である夏希は幼なじみの翼と付き合っている。翼は将来、夏希の会社を継ぐことが決まっていて、誰もがうらやむ美男美女カップル。しかし、裏では翼は別の女の子と浮気中。夏希はそれを見て見ぬ振りしていた。苦しい毎日を送っていたある日、旧校舎で激しいエッチをしているカップルを目撃。しかも男の人は生徒ではなく、大人しくて頼りないと評判の宇佐先生で――。
  • 孤独な散歩者の夢想
    4.0
    十八世紀以降の文学と哲学はルソーの影響を無視しては考えられない。しかし彼の晩年はまったく孤独であった。人生の長い路のはずれに来て、この孤独な散歩者は立ちどまる。彼はうしろを振返り、また目前にせまる暗闇のほうに眼をやる。そして左右にひらけている美しい夕暮れの景色に眺めいる。――自由な想念の世界で、自らの生涯を省みながら、断片的につづった十の哲学的な夢想。
  • マスカレード・オン・アイス
    3.3
    かつては将来を期待された若手フィギュアスケーターだった白井愛。だが、高一になった今では不調に悩み、昨シーズン、世界ジュニア二位に輝いた姉の華との差は開くばかり。愛は懸命に練習を続けるが、経済的な事情もあり、スケートを続けることすら難しくなりそうで……。だが、そんな時、華をはじめとする周りの人達が、愛の持つ“特別な才能”に気づきはじめ……!?
  • 恋に焦がれて吉田の上京
    3.3
    札幌に住む吉田苑美(そのみ)は、23歳にして人生初の恋をする。相手は四十男のエノマタさん。不器用な乙女は「会いたい」と「知りたい」と「欲しい」の本能のまま、想い人を張り込んだ。だがある時彼は上京し、吉田は友人前田の制止(「正気かい?」)を振り切り後を追う。まだ吉田の存在を知らぬ彼に、ちゃんと出会うために。初恋の全てがここにある! 『とうへんぼくで、ばかったれ』改題。
  • 震災列島
    値引きあり
    3.5
    名古屋で地質会社を営む明石真人は、東海・東南海地震の連続発生を予測。地震による大津波を利用して、娘の仇を討つべく復讐計画を練り上げる。そして数ヵ月後、ついに東海地震が発生。浜岡原発の炉心融解(メルトダウン)を目前に、復讐劇の幕が開く。最新の研究データに基づく大災害小説。そのとき、人は、生き様を問われる。
  • 百年の恋
    3.7
    さえないライター稼業の真一が射止めたのは、容姿端麗、頭脳明晰、3歳年上のスーパーエリート梨香子。出会って4ヶ月で結婚はしたけれど、それこそ百年の恋もさめるような悲惨な日々がはじまる。仕事はできるけど、家事はいっさいダメな妻。妙に几帳面で生活巧者の夫。かみあわないふたりの毎日は、梨香子の妊娠で、そのキテレツぶりに拍車がかかる。逆転カップルの結婚生活を描く傑作コメディ。
  • NOTHING
    4.0
    空手を習い、ジムに通って、通勤電車でも足腰の鍛錬を欠かさない五島は、朝の新宿駅南口で、若い二人組にボコボコにされた。ガタイはいいけど、見かけ倒し。そんな真実の姿が明らかになると、五島の人生も暗転して――。(表題作) 泣きたくなるほど切なくて、でも、どこかおかしく、いとおしい。純な心を描いて、あなたの胸に、ずんとくる珠玉のエイト・ストーリーズ。
  • 初恋ロスタイム
    3.6
    僕の「青春」は、人よりも少しだけ長いらしい。ある日、僕以外の時間が止まったのだ。 それは平凡な高校生活を送る相葉孝司に唐突に訪れた特別すぎる青春だった――。 午後1時35分、毎日決まった時刻に訪れる1日1時間だけの奇妙なロスタイム。そんな中で、僕は僕と同じ景色を見る彼女に恋をした。 琥珀色の瞳で、まるで停止世界が当たり前だと言わんばかりの不思議な魅力を持つ少女・篠宮時音。彼女には“僕だけ”が気付けない、とても大きな秘密があるようで……。 不思議なロスタイムが少年と少女を結ぶ、ほんのり甘くビターに切ない恋愛物語。
  • バスカヴィル家の犬
    3.9
    深夜、銀幕のような濃霧のたちこめた西部イングランドの荒野に、忽然と姿を現わした怪物。らんらんと光る双眼、火を吐く口、全身を青い炎で燃やす伝説にまつわる魔の犬は、名家バスカヴィル家の当主ヘンリ卿を目がけて、矢のように走る――。きわだった叙景によって舞台となる特殊地帯を一種の密室のように仕上げ、息づまるばかりの緊張を生む、ホームズ物語中最大の長編。
  • 四つの署名
    3.8
    ある日、ベーカー街を訪れた若く美しい婦人。父がインドの連隊から帰国したまま消息を断って十年になるが、この数年、きまった日に高価な真珠が送られてくるという……。ホームズ達が真珠の所有者を捜し当てた時、無限の富をもつこの男は殺され、そこには“四つの署名”が――インド王族秘蔵の宝石箱をめぐってテムズ河に繰り広げられる追跡劇! ホームズ物語の2作目にあたる長編。
  • 隠し事
    3.2
    すべての女は男の携帯を見ている。男は……女の携帯を覗いてはいけない!盗み見から生まれた小さな疑いが、さらなる疑いを呼んで行く。話題の芥川賞作家による、家庭内ストーキング小説。
  • 子どもの王様
    3.3
    団地に住むショウタと親友トモヤ。部屋に籠もって本ばかり読んでいるトモヤの奇妙なつくり話が、ショウタの目の前で現実のものとなる。残酷な"子どもの王様"が現れたのだ。怯える親友を守るため、ショウタがとった行動とは? つくり話の真相とは? 『ハサミ男』の殊能将之が遺した傑作をついに文庫化!
  • 蝶のゆくえ
    3.9
    【第18回柴田錬三郎賞受賞作】10代で出産離婚し23歳で再婚した美加だが、新しい夫は息子にまったく無関心だった。彼女もそんな夫に同調し、いつしか虐待が始まる……。突然、夫の両親と同居することになった37歳主婦のいらだち。定年退職した直後の夫をオヤジ狩りでなぶり殺された58歳主婦の孤独。現代に生きる様々な年齢の普通の女たちを鋭く描いた傑作短編集。
  • お気に召すまま
    3.9
    弟に領地を奪われた侯爵は、アーデンの森に移り住んでいる。侯爵の娘ロザリンドは、叔父の娘シーリアと大の仲良しのため邸内にとどまっていたが、ついに追放される。男装したロザリンドは、シーリアとともに森に向ったが、一方、侯爵の功臣の遺子オーランドーも、兄の迫害を逃れて森にやって来る……。幾組もの恋人たちが織りなすさまざまな恋を、明るい牧歌的雰囲気の中に描く。
  • 夏の夜の夢・あらし
    4.0
    妖精の王とその后の喧嘩に巻き込まれ、さらに茶目な小妖精パックが惚れ草を誤用したために、思いがけない食い違いの生じた恋人たち。妖精と人間が展開する詩情豊かな幻想喜劇『夏の夜の夢』。ほかに、奸悪な弟に領地を奪われ、娘ミランダと共に絶海の孤島に漂着したミラノ公プロスペローは、魔法の力を究め弟の船を難破させたが……シェイクスピア最後の傑作『あらし』を収める。
  • ジュリアス・シーザー
    4.1
    “おれはシーザーを愛さぬのではく、ローマを愛したのだ” 高潔な勇将ブルータスは、自らの政治の理想に忠実であろうとして、ローマの専制君主シーザーを元老院大広間で刺殺する。民衆はブルータスに拍手を送ったが、アントニーの民衆を巧みに誘導するブルータス大弾劾演説により形勢は逆転し、ブルータスはローマを追放される……。脈々と現代に生きる政治劇。
  • 情状鑑定人
    3.0
    幼女誘拐の容疑で逮捕された井原信三に、情状酌量の余地があるかどうか――家裁の調査官・立花文代の依頼を受け、精神科医・祝田教授は、被告の過去を調べていく。井原は7年前、妻を殺し放火した容疑で起訴され、実刑判決を受けていたが、その背後に意外な事が……。“精神異常”の本質に迫る表題作の他、読み応えのある傑作ミステリー集。
  • さまよえる脳髄
    3.2
    精神科医・南川藍子の前にあらわれた三人の男たちは、それぞれが脳に「傷」を持っていた。試合中、突然マスコットガールに襲いかかり、殺人未遂で起訴されたプロ野球選手。制服姿の女性ばかりを次々に惨殺していく連続殺人犯。そして、事件捜査時の負傷がもとで、大脳に障害を負った刑事。やがて、藍子のもとに黒い影が迫り始める――。人間の脳にひそむ闇を大胆に抉り出す、傑作長編ミステリ。
  • 水中眼鏡(ゴーグル)の女
    3.6
    黒い水中眼鏡をかけた女が、精神科医の前にあらわれた。ある朝、突然目が開かなくなってしまったという。自宅で発生した火事によって夫を失ったことが原因かと思われたが――。治療が進むにつれ、驚愕の真実が浮かび上がっていく表題作ほか、難病の妻の介護人として雇われた女性が、歪んだ夫婦関係に巻き込まれていく「ペンテジレアの叫び」など。サイコサスペンスの傑作全三篇を収録。
  • 空白の研究
    4.0
    季子が夫の愛人を殺したことは、本人の自白からも、証拠品などからも間違いないらしい。だが、裁判までの過程で、供述に微妙なぶれがあるとして、精神鑑定の依頼を受けた祝田が、犯行時の一瞬の空白を探ってゆくと……。表題作他、心理分析を背景にして描く奇妙な味のミステリー集。
  • なきむし姫
    3.6
    1巻605円 (税込)
    霜田アヤは、二児の母なのに大のなきむし。夫の哲也は、そんな頼りないアヤをいつも守ってくれていた。ところが哲也は一年間の単身赴任となって、アヤは期間限定のシングルマザーに。そこに現れたのは幼なじみの健。バツイチで娘を育てる健は、夫の不在や厄介なママ友に悩むアヤを何かと助けてくれて……。子供と一緒に育つママの奮闘を描く、共感度満点の愛すべきホームコメディ!
  • 藤島さんの深夜ごはん
    3.3
    田舎でひとり暮らしをしている藤島さんは、深夜逆転が常の不健康な作家生活を送る二十九歳。今日も深夜、冷蔵庫を漁るも、出るのはため息ばかり。お腹が空いたのに、何もない。そうだ、ちょっと買い物、行ってくるかな――。 近所のコンビニに深夜の買い出しに出かけた藤島さんが手に取るのは、サバの缶詰、レトルト、サラダにおでんに、チキンカツ……それにほんのひと手間加えて、深夜ごはんの出来あがり。 止めたいけれど、止められない。お腹が求める深夜のお食事。いつもよりもほんの少し幸せになれる、藤島さんの深夜ごはんのお味は?
  • 蛇遣い座の殺人
    3.0
    「壁を突き破り、空中を飛揚(ひよう)して落ちた」としか思えぬ不可解な死。――はるばるフランスから移築された、奇怪な大蛇の幻影がまとわりつく“オランジュ城館”では、じつは25年前にも同様な事件が起きていた。館主を巡る過去の複雑な男女関係の因縁から、事件の渦中に巻き込まれた人々を、巧妙に操って行く蛇遣いは、果たして誰か――。本格推理の女流が放つ会心作。(『蛇つかいの悦楽』改題)
  • 死角の時刻表
    -
    全国のSLファンが集まった伯備線(はくびせん)沿線の山林で、殺人事件が発生! 一方、秋田市内の公園で死体となって発見された貝塚充(かいづかみつる)は、熱烈なSLファンで、岡山県の事件当日、現場近くにいたことがわかった。だが、二つの事件の捜査線上に浮かんだ容疑者には、鉄壁のアリバイが……。時刻表に隠された意外な落とし穴。岡山―秋田を結ぶ殺人ルートの謎。長編推理の傑作!
  • 岩田虞檸為、東銀座の時代
    4.2
    両親失踪、自宅差し押さえ…突如天涯孤独の身になった高校生の万丈は、父が残した伝言通り、東銀座にある「ガルボビル」に向かう。そこで初対面の祖母「石さん」に出逢い、彼女と一緒に暮らすことになるのだが、どうやらそのビルには奇妙な先住者たちがいるようで。訳ありな者どもが集うガルボビル界隈で、石さんと万丈はちょっと不思議な商売を始めることになって…!?
  • 悪夢の果て 新装版~シリーズ・闇からの声~
    -
    「さらば、民主国家日本よ、だな」日下良治は自嘲気味に呟いた。政府の〈教育改革審議会〉が、徴兵制に道を拓く答申を出したのだ。翌朝、モンペ姿の妻に揺り起こされた日下は、息子の達郎に〈赤紙〉が来たことを告げられる。そこは昭和20年、太平洋戦争下の東京だった。(表題作) 羅針盤を失った現代の日本に、著者が警鐘を打ち鳴らす! 「危機意識」を呼び覚ます4編。
  • マヤの古代都市を探せ!(上)
    3.0
    世界各地の歴史の謎に挑み、人類史の数々を塗り換えてきたトレジャーハンターのファーゴ夫妻。メキシコで研究に従事していた二人は大地震に遭遇した。震源はグアテマラとの国境付近の火山で、土砂くずれにより村々が孤立しているという。二人はボランティアの救援活動に携わり現地に向かうが、地震で崩れた山の斜面から明らかに人工的な構造物が露出しているのを発見する。内部に入った二人の前に現われたのは、マヤ時代に建てられたとおぼしき古代の神殿とミイラ化した人間の遺骨だった!
  • 愛して愛して愛してよ
    4.0
    地方のなんでもない町に生まれた少女、尾崎愛。 人見知りで口下手なため、不遇な学生生活を送りながらも、作家になることを夢見て東京で暮らし始める彼女は、愛を求めて、波瀾万丈の人生を経験することになる。 愛って、どこにあるんだろう? 愛って、なんだろう?
  • 最初の目撃者
    -
    新進文芸評論家の建部隆之介の死体が、マンションの自室で発見された。死因は青酸性毒物による中毒死。遺書もなく、闘争の跡もなく、自殺の動機すら考えられない。なぜ、誰に殺されたのか……推理作家・垂水兼人の頭はひらめく。作家、評論家、編集者など文壇を形づくる複雑な人間模様を背景に描く表題作ほか、九篇を収録した推理小説集。
  • 母六夜
    -
    父と子が、同時にひとりの女に魅かれ、愛憎の業のなかにあえぐ名作「沼津」、大岡文学のライトモチーフになる女性像を幻想的な世界に現出する「母六夜」ほか「焚火」「問わずがたり」「木下氏の場合」など、著者の文学世界の核心をかたちづくった傑作十三篇を収録。
  • UFO殺人事件
    -
    海上自衛隊機が南の洋上で、セスナ機からSOS信号を受けた。救援に向かったUS-1機は、突然謎の閃光に襲われる。現場の遭難機にはミイラ状の男二人、女一人の死体。そして、その一人の手にUFOの文字が残されていた。三時間前には生きていた人間が、なぜ、ミイラ状態に……!? 航空推理(ミステリー)第一人者の野心作!
  • 夏の夜会
    2.9
    祖母の葬儀のため、久しぶりに帰省した「おれ」は、かつての同級生の結婚式に出席した。同じテーブルになった5人は皆小学校時代の同級生。飲みなおすことになり、思い出を語り合い始めたが、やがて30年前に起こった担任教師の殺害事件が浮かび上がる……。女性教諭は、いつどこで殺されたのか? 各人が辿る記憶とともに、恐るべき真実が明らかになっていく。
  • 虚業集団
    -
    戦後の混乱期に戸籍を消された上条(かみじょう)健策は、自らを“硬派金融”と称して日本経済界の裏街道を歩いていた。その商売は金融業といっても月並みな高利貸とは違い、金利を稼ぐより相手をそっくり食ってしまうのが狙いであった。上条のもとには経済犯罪のスペシャリストたちが集(つど)っていたが、そこへある融資話が……。権謀術数入り乱れる裏金融界の実態を抉る異色作。
  • イエス・キリストの謎
    -
    空港に近いホテルで電話をしていた男が〈象〉(エレファンタ)という謎の言葉を残して消えた! そこに偶然出くわした私(作家)は、その後、男に会う予定だった大学助教授の論文の行方を追ううちに、美人全裸殺人現場に遭遇した。古来よりキリスト伝説のある東北の地を舞台に、著者が描く異色の長編ミステリー。
  • 奥の細道殺人事件
    -
    大胆な仮説を掲げ、秀抜なトリックを駆使した、記念碑的代表作! 日本重化学工業の田辺工場長が相模湖畔で他殺死体で発見された。捜査の末、工場のたれ流し公害のため妻子を失った東陽大講師の三浦八郎が容疑者として浮かんだ。しかし、三浦は“芭蕉忍者説”解明のため、東北に旅行中だった。アリバイは崩せるか……!?
  • オーダーは探偵に 謎解きは舶来のスイーツと
    4.0
    いつもは静かな喫茶店エメラルドが、珍しく大盛況となっていた。沢山の女性に囲まれたその中心にいるのは、高校生の王子様探偵・上倉悠貴……ではなく、柔らかな笑顔を振りまく金髪碧眼の青年で? その青年――イギリスからの留学生・ダニエルは、美久との奇妙な縁をきっかけとして喫茶店で居候兼ウェイターとして働き始めたのだ。いつしかここは「選ばれしイケメン店員しかいない喫茶店」と噂され……。 そして、今日もエメラルドには、依頼が舞い込んでくる。 紅茶とレモンパイの香りがやさしく広がる喫茶店で、謎解きはいかがですか?
  • 米光一成ブックレビュー Vol.1
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    人気ゲーム『ぷよぷよ』監督のゲーム作家、米光一成が2005年から2006年の2年間にわたって「本の雑誌」に連載した書評集の2005年版です。森達也『いのちの食べ方』や角川春樹『わが闘争』、佐藤幹生『自閉症裁判』、みうらじゅん『正しい保健体育』など新旧、硬軟取り混ぜた“ごった煮書評集”。うねる文体のグルーブ感、ドライブする本へ愛をお楽しみください。
  • 巨悪(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 小便とドブの臭いが漂う大阪の場末で育った呂志忠は、「裏社会」のなかで、確実に自らの足場と人脈を築き、闇社会と中央財政界を手玉にとる巨魁となった。裏と表の世界を巧妙に行き来する彼は、多彩な人脈と話術を駆使して中小ゼネコンを繰り、巨額の手形と政治献金を政界に送りこんだ。一度獲物に食いついたら絶対に離さない呂志忠の虚飾に満ちた野望の構図は? 究極の狙いは? 悪の魅力を如何なく抉る経済小説の問題作!!
  • サウスバウンド
    値引きあり
    4.1
    父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島(いりおもてじま)に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか? それとも勇者? 家族の絆、仲間の絆をユーモラスに描いた傑作長編。
  • 6TEEN
    3.7
    あれから2年。テツロー、ナオト、ダイ、ジュンは高校生になった。はじめてのセックス、二股の恋愛と裏切り、同級生の死。なにが変わって、なにが変わらないのか。東京湾に浮かぶ月島で、ぼくらは笑い、怒り、悩みながら、永遠と未来の間をさまよい歩く。まだ少しだけ、憂鬱や退屈や不安よりも、早く走れると信じて──。『4TEEN』のその後、四人組が駆け抜ける16歳の青春。
  • 劫火 航空事故調査官
    4.0
    名古屋空港で、トランス・エイジアン航空機が着陸に失敗、炎上。現場に向かった新聞記者上沢広之は、事故原因の解明に執念を燃やす。航空事故調査官神野史郎との駆け引き。ボイスレコーダーで甦る機長と副操縦士の会話―真実はどこにあるのか。航空事故における国際的な暗面と、破滅に向かう人間の深層心理に迫る長編。
  • 五十年目の零戦
    -
    昭和20年8月16日、厚木海軍航空隊基地から、2機の零式艦上戦闘機が飛び立った。目的地は十勝の秘密基地。徹底抗戦を表明した航空隊司令の密命を受け、“そのとき”がくるまで機体を温存するためだった。しかし戦闘飛行に出ることなく、機体は十勝平野の片隅で眠りつづけることになった。―それから50年、ひとつの夢を共有する男たちの手で、零戦再生計画が動きはじめる。本格航空小説。
  • 京都新婚旅行殺人事件
    5.0
    南田物産に勤める田中美知子は憧れの上司・朱雀修一郎と結婚式を挙げ、新婚旅行先の京都へ。同日に結婚式を挙げた、南田物産社長の先妻の娘・千津も京都へ。だが、幸福の絶頂の夜は、悲劇の朝に変わった! 千津がホテルの屋上から飛び降り、死亡したのだ。夫の過去に疑いを持つ美知子はやがて、連続殺人の渦に巻き込まれて行く。愛する夫が“犯人”だなんて……?
  • 銀行取付
    -
    稲荷銀行は規模は小さいが、その地方に競合する大手の支店がないため、経営基盤は安定していた。ところが突然、潰(つぶ)れるらしいという流言蜚語(ひご)が拡がった。群集心理による取付騒動は、収拾のつかない事態へ発展した。噂の発信源は? どんな意図が秘匿(ひとく)されていたのか?(表題作)。経済企業小説の傑作集。
  • 河童殺人事件
    -
    鎌倉の病院で看護婦が刺殺された。彼女は屏風に書かれた歌の中の“河”と“童”の文字に血で印を付けて死んでいた。床には水がこぼれ、水藻の臭いが! 一方、川崎市内の産院から建設大臣の孫が誘拐され、現場を目撃した看護婦・圭子も一緒に連れ去られた。しかし、犯人は身代金受取りに失敗。嬰児も取り違えと判明し、二人の命を……。サスペンスあふれる推理傑作。
  • 喧嘩侍 勝小吉
    3.0
    男谷平蔵(おたにへいぞう)の三男・亀松は、7歳で旗本勝家の養子となり、小吉と名乗る。学問嫌いの彼は、喧嘩に強くなることこそ出世の早道と信じて、道場破りや喧嘩三昧の日々を送っていた。行く末を案じた父親は、小吉を座敷牢に幽閉。そして許嫁(いいなずけ)と二人きりにしたところ、長男・麟太郎(海舟)が生まれたことで……。勝海舟の父・小吉の自由奔放な生涯を描く、痛快時代力作!
  • 越後七浦殺人海岸
    -
    吉成行夫(よしなりゆきお)には、十二年来の秘密があった。彼が高校三年生の時、彼の同級生で想いを寄せる宮地亜以子が、廃工場で殺人を犯し、その壁に消えたのを目撃した。卒業後、亜以子は消息を絶った。ところが、同窓会の席上、吉成は、彼女が社長夫人に納まっていたことを知る。未だに彼女を思う吉成は、極秘に彼女を調査すると……!?──トリックを駆使する本格推理の白眉(はくび)!
  • たいやき
    3.5
    堅く真面目なサラリーマンの長兄、いいかげんで放浪癖がある大学生の次兄、そして登校拒否中で家に引きこもって漫画家をめざす妹――。 母が入院し、父が旅に出たために、小さな家に三人だけで暮らすことになった彼ら。 心を開けるほど親密ではなく、かといって無視できるほど疎遠でもない。ひとつ屋根の下に住んでいながら、微妙な距離感でつながっている三人兄妹の平穏な日常が少しずつ崩れていく様子を、コミカルかつ繊細に綴っていく。 家族って、イライラするほど厄介だけど、だからこそ、愛おしいのかもしれない。
  • ノックは無用(小学館文庫)
    3.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 大都会のホテルに、祝賀パーティーで来訪した新聞社編集長夫妻と娘バニー。夫妻の留守を任された子守の女が少女と二人だけになった時、思いもよらぬことが…! M・モンロー主演で映画化されたサスペンスの本邦初訳。
  • 快読解読 池波正太郎(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ジャズを好み、食にこだわり、東京人としての矜持を深く沈めて、数々の名作を描いた池波正太郎、その登場人物に共通するものはある種の潔よさとでも言えるだろう。たった一冊の本との出会いが、その後の人の生き方を変える…本書にはこの言い古された言葉への再発見と証明が随所にある。「鬼平」、「梅安」などお馴染みのヒーローの誕生裏話や創作秘話にまじえて、「剣客商売」全巻のあらすじと解説をまとめた「池波正太郎」読本。
  • 花の佳音
    3.8
    知っていますか? あなたが笑ったり泣いたりしているときに、すぐ横に寄り添って、一緒に微笑んだり涙を流してくれる存在がいることを。 それは……美しくも儚い 「花」 たち。彼らは、いつでも人間を温かく見守り、心の底から祈っています。 あなたが幸せでありますように―― と。 これは、そんな花たちの声を聞くことができる不思議な青年・草介と、心優しい花たちの、切なくも心温まる物語。 ほら、花たちに耳を近づけてみてください。思いがけない、嬉しい囁きが聞こえてくるかもしれませんよ?
  • 富士急行の女性客
    -
    富士山の絶景を楽しめる「フジサン特急」に乗車したカップル。二人は終点の河口湖駅で降りるが、帰りの列車に乗ってきたのは女一人だけだった。消えた男は、そのまま失踪を遂げてしまう。彼は「日本ミステリーの会」というサークルの活動で、青木ヶ原樹海を調べに行ったらしいのだが……。さらに、サークルのメンバーの一人が殺害された! 十津川警部の名推理。
  • 影まつり
    4.0
    美しい黒髪の妻を自動車事故で亡くした後、再婚したフランス女性も事故で失った画家。彼は奇妙な方法で妻たちを偲び……「二人の妻を愛した男」。妻は“一年に一晩だけ自由にさせて”といった。夫はその願いを長く叶えてきた。だが、妻の秘密を知りたくなり……「女系家族」。女性遍歴の末、愛した女に棄てられた旧友には、驚愕の素顔が……「紅の女」。男女の日常に潜む不可思議をミステリアスに描く傑作短編集。
  • 私たちは青になった
    4.3
    自由のないお嬢様に幼ない日から想いを寄せつづけ、大学生になった西源重郎。 長い時間を経て、源重郎の想いが届こうとした時、2人を引き裂く残酷な出来事が起きる。 傷だらけになった2人がたどり着いた、最後の楽園は――。 魔法のiらんど単行本で大人気の『お女ヤン!!』シリーズにも登場する、西源重郎の究極の愛を描いた、切なすぎる号泣ラブストーリー。
  • 不器用な君の、
    -
    高2の小町は、容姿端麗で成績優秀「エース」と呼ばれる呉月くんに憧れていた。週番の放課後、小町しかいない教室に呉月くんが現れる。仕事を手伝ってくれた呉月くんと2人きりの時間――。「こまち、って、かわいい。和歌好きなの?」お互いの名前の由来が和歌にあるという、小さな共通点を見つけた小町の心は有頂天に。でも、その帰り道、呉月くんには大切にしている彼女がいるとわかって……。 憧れが恋に変わった瞬間、小町の切ない片想いがはじまった。 この恋はまるで、古人が詠んだ悲しい恋の歌に似ていて――。和歌の調べに重ねるように紡がれる「好き」って気持ちに、読む人みんなが大感動。今年最高の片想いラブストーリーがついに!
  • 聖楽堂酔夢譚
    4.0
    古い木造の民家にしか見えず、表には看板もない。ほとんど誰も存在すら知らない書店。一歩踏みこめば出迎えるのは名著珍書の山。一風変わった店の名前は「聖楽堂」。祖父が書いた『清楽ひとり語り』の版元。著者が稀代の書『螺旋教典』を発見した店。――書評のようで伝記のような、伝記のようで書評のような、掟破りの意匠が冴える新小説。
  • 凍夜
    3.5
    高校卒業以来、20年ぶりの帰郷だった。鶴巻秀人、39歳、バツイチ。同窓会の懐かしい顔ぶれは、彼の中で風化していた記憶を呼び起こす。たまり場での仲間との会話、憧れの美人教師、初めて抱いた女の子のぬくもり、そして、夢。「俺、小説家になりたいんだ」。氷点下の夜、骨まで凍みる冷気に震えながらも希望に燃えていた1977年、冬、18歳の思い出――。二度と帰らぬ日々を鮮烈に描く青春小説の傑作。
  • さよなら流星ガール
    3.2
    北海道のある町で、同じ日同じ病院に生まれた僕と茉莉(まつり)。家もお隣さん同士という、絵に描いたような幼馴染の僕たち。唯一の違いは“健康な体”で生まれてきたかどうかだった。 いくら星に願っても、神様は茉莉の病弱な身体を治してくれる気がないらしい。けれど彼女はその小さな体じゃ足りないほどの好奇心に溢れていた――。 入院生活での熱心な読書が災いし、ちょっとどうかと思う理系女子に成長した茉莉は、いつも僕を振り回してばかり。ただ、僕には言えない大きな秘密を抱えているようで――。 これは、きらきらの恋をし、やがては消える少女と僕の、刹那に輝く星のような物語。
  • 謀略のステルス艇を追撃せよ!(上)
    3.0
    外見は老朽化した定期貨物船だが、じつはハイテク装備を満載した秘密工作船オレゴン号。男気あふれるカブリーヨ船長の指揮のもと、精鋭の乗組員とともに、オレゴン号は世界を股にかけ、幾多の危機を切り抜けてきた。そしてカブリーヨはいま、決死の作戦に身を投じようとしていた。悪辣なロシア海軍提督によって、極寒のシベリアの監獄にとらわれている旧友を救出しようというのだ。しかし、そこは海軍提督の支配下に置かれた難攻不落の要塞だった!「現代の騎士」カブリーヨ、颯爽と登場。
  • この国の空
    3.4
    戦争末期の東京――空襲に怯え、明日をもしれぬ不安な日々を過ごす十九歳の里子。母と伯母と杉並の家に暮らす彼女の前に、妻子を疎開させた隣人・市毛が現れる。切迫する時代の空の下、身の回りの世話をするうち、里子と市毛はやがて密やかに結ばれるが……。戦時を生きる市井の人々の日常と一人の女性の成長を、端正な筆致で描き上げた長編文学作品。谷崎潤一郎賞受賞作。
  • プライド
    3.8
    1巻605円 (税込)
    電子書籍版オリジナル特典! 書き下ろし最新刊『当確師』の試し読み付き! 確信犯的に期限切れ食材を使った菓子職人の胸中に迫る表題作、変人官僚が事業仕分け人と対決する「一俵の重み」。逆境を支えるのがプライドなら、人を狂わせるのもまたプライド。現代を生き抜くために、絶対に譲れないものは何か。社会問題の深層に潜む、現場の人々の一筋縄ではいかない思いに光を当て、深層心理まで描きこんだ極上フィクション六編と掌編「歴史的瞬間」を収録。 ※当電子版には新潮文庫『プライド』所収の作品のほか、巻末に真山仁『当確師』(2015年秋刊行・中央公論新社)の試読版を収録しています。
  • 屍たちの領域~信州・金沢・東京殺人ルート~
    -
    恵まれない生い立ちの青年にとって、女子大生との同棲生活は夢のような日々だった。しかし、嫉妬から恋人を絞殺。あてもなく部屋を飛び出した彼の足は、いつしか駒ヶ岳へと向かっていた。そこに待ち受けていたさらなる悲劇の連鎖とは? 母が「鬼畜」と罵る父への憎悪が、人生の歯車を狂わせたのか? 逃亡者の心理に深く切り込んだ傑作クライムノベル!
  • 夜ごとの揺り籠、舟、あるいは戦場
    3.8
    森瑤子復刊第二弾は大人の官能を描く衝撃作。 小説家の私は、末娘の夜尿症などの問題行動を機に、半年ほどセラピストとの対話を続けていた。「母がしてくれなかったことを、自分の子供たちにしてあげよう」。そう思いながら子育てをしてきたがうまくいかず、家族との不協和音に自身の精神状態も追い詰められていた。夫との関係もずいぶん前から冷え切っていた私は、夫婦の再和合を目的に、南国の地へ旅に出かけるが、その旅先で夫と「情事」や女性の「性」について問答してしまう。セラピストとの会話を反芻し、現地の男とのエロティックな対話を経て、私は家庭内の問題や自身が抱える心の暗闇の原因に、幼少期の体験があったと気づき……。妻、母、そしてひとりの女として「性」と向き合い、自己を解放していく姿を大胆に描く。また1980年代当時にあたり前として認識されていた「あるべき母親の姿」を、真っ向から破壊した本書。既成の価値観にとらわれず、女の本能に切り込んだ革新的小説!
  • 新宿陰陽師
    4.0
    欲望も希望も飲み込む巨大都市、東京。その新宿の片隅に、赤星和真の事務所はある。和真は近寄りがたい青年だ。顔立ちは気品のある整ったものだが、新宿の住人特有の尖った雰囲気がある。だが彼の稼業は水商売などではなく、陰陽師なのであった。 大手企業に勤める本条千晶は、自身の困り事をきっかけに和真と知り合う。この時世に陰陽師を名乗る和真を信用できない千晶。だが和真は言う。子供も大人もネットを介し手軽に呪詛の言葉を発信し合う。現代だからこそ呪いはある、と。千晶はそれを身をもって知ることになる。東京の光と闇、現代の陰陽師異聞。
  • ソルティ・ブラッド ―狭間の火―
    3.3
    女刑事アリスが追う、放火犯の正体は――? 京都府警察本部の刑事課に所属する新人キャリアの宇佐木アリスは、相棒兼指導役の片平とともに、敬明芸術大学で起きた放火事件の捜査を担当することになった。現場は大学で講師をしている新進気鋭の彫刻家、鏑木成人の机。規模も被害も小さい事件で、疑わしい人物はいるが、確証は得られない。関係者の証言を集めるうち、“吸血鬼”と呼ばれる存在が姿を現し……。
  • 天体少年。 さよならの軌道、さかさまの七夜
    3.9
    天文学者の父親とともに遠く南国の孤島に暮らしている少女・海良。ある日、彼女が闇夜の草原で出逢ったのは、星空から降りたった不思議な少年・τ(タウ)だった。 「僕という天体は、宇宙を未来から過去へと進んでいる。でもこの姿を浮かべていられるのは、ほんの七日間だけ。だから今夜は僕にとって、君との最後の夜なんだよ――」 果たしてその謎めいた言葉の通りに、海良は毎夜、タウと出逢い続ける。約束された出逢いの、避けられない別れの時へ向けて――。 時を遡る少年とすれ違い続ける少女が織りなす、たった七夜のラブストーリー。
  • いびつな贈り物
    5.0
    幼なじみの敏子と偶然再会した大学講師の堀田は、彼女の不遇に同情するうちに、いつしか情事にのめり込んでいった。彼のイギリス留学でふたりの仲は終りを告げるが、その機会に堀田はある決意を固めた…。表題作「いびつな贈り物」など切れ味するどい男と女のミステリー6篇。
  • わたしがいなかった街で
    3.8
    離婚して1年、夫と暮らしていたマンションから引っ越した36歳の砂羽。昼は契約社員として働く砂羽は、夜毎、戦争や紛争のドキュメンタリーを見続ける。凄惨な映像の中で、怯え、逃げ惑う人々。何故そこにいるのが、わたしではなくて彼らなのか。サラエヴォで、大阪、広島、東京で、わたしは誰かが生きた場所を生きている――。生の確かさと不可思議さを描き、世界の希望に到達する傑作。
  • P+D BOOKS 天を突く石像
    -
    汚職と政治が巡る渾身の社会派ミステリー。  建設会社の技師・青山は精神異常を装い、妻帯者でありながら、親友・大場と義妹・冬子に、資源開拓公団総裁の娘・理恵子を婚約者だと紹介する。 そして、その夜、青山は総裁の豪邸で総裁秘書・市橋若葉を絞殺し自殺してしまう。青山の発狂と自殺に疑問を抱いた大場は、独自の調査を開始するのが……。  東京、伊豆、秩父と僅かな証拠を頼りに調査を進めていく中、調査に協力する冬子との間には、いつしか愛の炎が燃えていく。そして、大場は、ついにこの事件に隠された驚愕の事実を掴む。  ダム建設に絡む汚職と政治が巡る、笹沢左保、渾身の社会派ミステリー。
  • オーダーは探偵に 季節限定、秘密ほのめくビターな謎解き
    4.3
    喫茶店『エメラルド』のオーナーである、ドSな高校生探偵・上倉悠貴と、そこで助手兼アルバイトをする女子大生・小野寺美久。悠貴の高校で起こった難事件を無事解決し、エメラルドに戻った悠貴たちだが、そこで彼らを待っていたのは、悠貴のライバルである花見堂聖だった。 突然現れた聖に激昂する悠貴は、聖をエメラルドから追い払う。美久はその一部始終を見て、悠貴と聖の深い溝を再確認する。もう絶対に、聖を悠貴に近づけてはいけない。 ――と思っていたのに!? 翌日、なぜか美久と聖は『エメラルドの探偵』コンビとして謎解きに挑むことになり……!?
  • ノストラダムスと王妃 上
    3.4
    フィレンツェの富豪メディチ家のカトリーヌは、フランス王太子アンリ二世に輿入れしたものの、夫は寵妾ディアヌの虜。商家の娘と蔑まれ、子供にも恵まれず、宮廷で影の薄い存在だった。自分を守り、権力を握ろうとするカトリーヌは、預言者として評判になったノストラダムスに手をのばす。権謀術数の宮廷大河ロマン。
  • リボルバー
    3.5
    ――あいつこんど会ったら殺してやる。まだまだぼくは怒りを憶えつづけなければならない。理不尽な暴力で、屈辱を味わった17歳の少年は、偶然実弾入りの拳銃を手に入れる。少年は決心し旅立つ。自分を叩きのめした男に「仕返し」をするために。――拳銃と職を失った元警察官は、少年の跡を追う。昔を忘れるために。スリリングな2000キロの旅の果てに待つのは!?
  • 取調室3~敵は鬼畜~
    -
    佐賀県鳥栖(とす)駅で、母を待つ少女・知香が保護された。不可解なことに、知香は三カ月前にも、男に東京から連れさられた後、同じ場所で母を待っていた。なぜ二度も少女は鳥栖に? 時を同じくして鳥栖市内で発見された無惨な焼死体は、知香の母・綾乃だった! 必死の捜査の結果、ある男を逮捕。佐賀県警の落としの達人・水木警部補と男の凄絶な死闘がいま、始まる!
  • 招かれざる客
    3.5
    事件は、商産省の組合の秘密闘争計画が、省側に筒抜けになっていて、スパイが発見されたことが発端だった。裏切り者の組合員と、彼の内縁の妻と誤認された女性が殺された。二つの事件の容疑者も事故で死んだ。事件全体に釈然としないものを感じた警部補。鉄壁のアリバイ。密室で姿を消した凶器。乱歩賞次席ながら世に出た、笹沢推理文学の輝ける出発点。
  • 取調室2~死体遺棄現場~
    -
    佐賀県有田町で女性の死体が発見された。現場での目撃証言から、不審な女性が別件逮捕される。被疑者・香山弓江は一世を風靡した美貌のスター歌手であった! だが、被害者との接点は皆無。“落としの達人”水木正一郎警部補の執拗な聴取にも、弓江は完璧な答弁を見せ、事件は暗礁に乗り上げた……。最新の科学捜査を駆使して捜査官と被疑者の死闘を描いた傑作。
  • 殺意の法廷
    -
    福岡市のホテルの一室で、男女の死体が発見された! 被害者は、市会議員の乗松三喜夫とその愛人の広川朱美だった。将田検事指揮による捜査の結果、逮捕された男の名前に、朝日岳之助弁護士は衝撃を受けた。その男、野々口雄次は、かつての同僚の息子だったのだ。弁護を申し出る朝日。だが、なぜか雄次は心を閉ざす……。冤罪を憎む老弁護士の執念!
  • 夫婦岩殺人水脈
    -
    城ヶ島に漂着した段ボール詰めの男の死体。容疑者・山脇健介は島根で、焼殺体となって発見された。駆け出しのフリージャーナリスト・烏丸実果は、9年前、神戸の強盗殺人事件で死んだ男と山脇が同一人物であることを突き止めた。誰が山脇を二度殺したのか? 真相を目前にした実果に“夫婦岩のアリバイ”が立ちはだかる!
  • 若き日の詩人たちの肖像 上
    -
    1~2巻605~715円 (税込)
    北陸の没落した旧家から骨董を学費がわりに持って上京した少年は、その夜雪の東京の街に響く銃声、血ぬられた2・26事件に遭う。暗い夜の時代をむかえる昭和初年に目覚めた青春の詩情と若者の群像を描く長篇(第一部・第二部)。
  • 青鳥
    3.6
    「幸福(シンフウ)を見つけておいで」爺爺(イエイエ)の思いを胸に、台湾から日本に戻った小〓(シャオウェイ、〓は草冠に「威」)を待っていたのは、会社の理不尽さ、外資系企業ならではの多様な文化の渦。幸福には程遠い日々。そんな中、EトレードのCD‐ROM制作の仕事に就くことになるが、トラブルの嵐で……。はたして、シャオウェイの「青い鳥」は見つかるのか!? 笑いあり涙あり。切なくも胸躍る痛快小説。
  • 飛鳥殺人事件~首の迷宮~(上)
    -
    警視庁殺人班の刑事・宇津木冬彦は、有馬安正の妻から、捜査依頼をうけた。有馬は、高松塚古墳研究のため、飛鳥に行くと言って家を出たまま消息を絶っており、また謎の男から、有馬は既に殺されているという電話があったというのだ。宇津木が有馬のマンションを訪ねたころ、高松塚の近くで、男の首なし死体が見つかった! 殺人事件と歴史の謎を絡めた傑作長編!

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