小説作品一覧
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4.3最近の学説では「浮世絵の祖」といわれ、また「奇想の絵師」のひとりとして江戸絵画で注目の絵師・岩佐又兵衛を正面から描く、力作長編。 母のお葉とともに暮らす又兵衛は、寺の下働きをしていたが、生来、吃音が激しく、ままならぬ日常を送っていた。そんなある日、寺の襖絵を描きに来た絵師・土佐光信と出会い、絵を描く喜びを知る。 その後、自分の出自を知らぬ又兵衛は何者かに追われ京に移るが、新たに狩野派で学ぶ機会を得て、兄弟子でもあり師ともいえる狩野内膳と出会い、更なる絵の研鑽を積む。しかしある日、何者かに母を殺される。 その後もなんとか絵の道で生きていた又兵衛だったが、じつは自分の父は荒木村重であること、母だと思っていたお葉はもともと乳母で、しかも彼女を殺した首謀者が村重だったことを知る。 母を想い、父を恨み、人と関わることも不得手な又兵衛にあるのは、絵だけだった――。
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4.3田舎町に発生した凶悪な殺人事件はT字で彩られていた。T字路に立つT字型の道標に磔にされたT字型の首なし死体、そしてドアに描かれたTの血文字。古代宗教や中部ヨーロッパの迷信等を背景に起る第二第三の殺人にエラリイの推理も翻弄される。有名な読者への挑戦状を付した国名シリーズ中傑作の誉れ高い作品。
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-面白い小説である。作者の驚嘆すべき空想力は微に入り細にわたって、古代の文化や風俗を、絵巻物をくりひろげるように展開してくれる。怪奇あり、愛欲あり、冒険あり、ユーモアありといったふうで、読者を堪能させる。作者ワルタリはフィンランドの作家だ。時代は紀元前3300年代の古代エジプト、主人公は王の頭蓋切開師シヌヘで、新王国第18王朝のイクナートン王の失脚と死のあと、追放の身になってからその来し方を振り返る。エジプトでの数々の出来事はもちろんだが、シヌヘはシリア、ミタンニ、バビロン、クレタ、ヒッタイトなど近隣諸国にも足を運び、その豊富な経験を物語る。ワルタリは古代エジプトの歴史と風俗を研究した成果を本作に盛り込んだが、その正確さはエジプト学者の賞賛をも勝ちえた。
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-団体ツアーは、一種のショック療法である。日ごろ、関わる機会のない人たちと、四六時中一緒にいて、過酷なスケジュールで未知の土地を駆けずり回る。この経験は、二つの側面から、自分を、より客観的に見つめる機会を与えてくれる。まず、未知の土地に身を置くことにより、住み慣れた環境での「常識」から開放される。また、未知の人々と一緒に過すことにより、限られた人間関係の中で硬直していた感情や思考方法からも自由になれる。これらにより、同じような毎日を繰り返しているうちに、一つの型に固まってしまいそうだった自分自身の瓦解、新しい自分の再構築というプロセスを経験できる。 仕事で多忙を極める主人公が、敢えて団体ツアーに参加しようと決めたのも、自分の状態に対する本能的な危機感ゆえだったのかもしれない。会社での重責、配偶者の死、遺された三通の手紙、そして記憶―主人公を取り巻く全てのものが、前に進もうとする気持ちを萎えさせる。このままではいけない―そんな思いに駆り立てられるようにして、主人公は旅に出る。 旅先での思いがけない出会いと別れを通じて、主人公は理解する。自分がどんな人間であって、それが、周りにどんな影響を及ぼしてきたのか。そして、苦しみながら、過去をありのまま受け入れる。 そうして初めて、新しい「始まり」が、いつでも可能であることに気がつく。旅から戻った主人公は、はっきり理解している。過去の過ちを繰り返さないために、自分が今、何をするべきかということを。
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4.0北関東のド真ん中、「ライブハウスもクラブもレコード屋もない」埼玉県・深谷市。この片田舎で結成されたヒップホップ・グループ“SHO‐GUNG(ショーグン)”は、自分たちの曲での初ライブを計画中。しかし、世界に言葉を届けるラッパーになりたいと思いながら仕事もせず実家暮らしの“イック”と彼の仲間たちは、周囲から完全に馬鹿にされていた。そんな時、東京でAV女優として活躍していた高校時代の同級生・千夏が地元に帰ってくる。仲間たちに生じる微妙なすれ違い。ほんとにライブはできるのか?ここから東京、そしてアメリカまでって、いったいどれだけ離れてるんだろう?全編に溢れるおかしさとせつなさで’09年度邦画界を席巻した伝説的インディーズ・ムービーに、劇中では描かれなかった背景やサイドストーリーを大幅に加え、監督自ら、魂の小説化。
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1.0本書は、『SE神谷翔のサイバー事件簿』1巻~3巻及び番外編1冊にまとめた、お得なセット版になります。 ■『SE神谷翔のサイバー事件簿』 草食系でディズニーオタクの新米SE神谷翔。会社では凡ミス連発、頼りがいゼロの彼は、実は警視庁のサイバー犯罪捜査に協力している元ハッカー。知識だけはピカイチの翔と、正義感だけは強い先輩・理沙が繰り広げるネット犯罪捜査ミステリ。 ■『SE神谷翔のサイバー事件簿2』 「娘は預かった」。警視庁生活安全部長に届いたハッカー集団からの脅迫メール。手がかりはリンク先の動画に写るTDRのシンデレラ城だけだった。元ハッカーでサイバー捜査に携わる神谷翔と先輩・理沙の凸凹コンビが奮闘するITミステリ。 ■『クラウド・トラップ SE神谷翔のサイバー事件簿3』 マイナンバーが施行され、国民の全ての情報がクラウド上に保管されたすぐそこの未来。絶対安全と謳われていたアルティメイト社のクラウド基盤を支える無人データセンタが何者かに狙われ、元ハッカーのSE神谷が、孤軍奮闘するハメに!事件の余波は中国まで広がり、反日テロリストや各国政府、<光の道>の思惑が絡み合い、思わぬ大事件へと発展していく――。 ■『ウイルスファクトリー SE神谷翔のサイバー事件簿 番外編』 海外で猛威をふるう新型インフルエンザウイルスが日本にも上陸。特効薬の増産体制に入った工場に、コンピュータウイルスが紛れ込んだという。SE神谷翔は、なぜか公安に指名を受け、その調査のため工場に潜入する羽目に。工場の制御系システムを操るコンピュータウイルスにデータを人質にとる「ランサムウェア」、成りすましにアバターにと虚実が入り交じる……現実(リアル)と仮想(バーチャル)が入り交じる社会の、その先を問う!
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-私を取り巻く環境や年齢ばかりが変化して、私を『大人』として扱いたがる。中身は中学、高校、大学のあの頃からさしたる成長もしていないというのに、肉体ばかりが年をとる―― 大森あかり。社会人バンド『shout』でボーカルをつとめる、悩める二十七歳。 六年間勤めていた会社を辞めたのち、バンド仲間・日向のマンションに転がり込んだ。どうにかしないとと思いつつ、なんとなく動き出せずに時間ばかりが過ぎていく。 そんなある日、日向がレルと名乗る十代後半くらいの青年を拾ってきた。レルの登場をきっかけに、何かが少しずつ変わっていく―― 三つのS――Sing Shout Suomi――が織りなす、大人のための青春ストーリー。 恋愛短編小説「ルピナスの戯言」も同時収録。 【著者】 晴海まどか 千葉県育ち東京都在住の文章クリエイター。2014年3月、ライブドアブログ・impressQuickBooks主催「ライトなラノベコンテスト」で、「明日が雨でも晴れでも」が特別賞受賞。同じくimpressQuickBooksから「髪の毛探偵 石神くん」シリーズ発売中。 公式サイト「白兎ワークス」 http://whiterabbitworks.wordpress.com/
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3.5ネット上の誹謗・中傷の現状を徹底取材! 2020年5月、SNS上で誹謗中傷を受けた末、女子プロレスラーの木村花さんが亡くなった。ネット上で、SNSによる暴力が過激化。匿名になることで、言葉が凶器へと変わり、容赦なく人の心を切りつける。果たして加害者はどんな人物で、動機は何なのか。背景には、社会の構造的な問題があるのだろうか。記者が徹底的な取材で掘り下げる。一方、被害の深刻化、多様化が進み、いつ誰が被害者になってもおかしくない。被害に遭ったらどう対処すべきなのか。そして今、何が議論されるべきなのか。ネットの功罪を検証し、SNSの未来を探る。
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3.5『攻殻機動隊』『スカイ・クロラ』『イノセンス』といった作品から「ゴースト」「生きた時間性」「死」「人形」などのテーマを抽出し、SFをめぐる謎-あるエピソードとセリフの意味、入り組んだプロットの陰に潜む真実、作品の趣旨-に思考の網を張り巡らせる。裏設定の読解やテクノロジーの真偽問題に優先する物語的な謎の解明に注力し、そのおもしろさに身を任せながら、作品に描かれる「“わたし”の固有性のゆらぎ」「未来を奪われた存在」「生と死のありよう」などを丁寧に読み解く。それらの批評をとおして、「別の自己像へのしなやかな流転」というSFがもつ魅力の核を析出する。
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-暗い場所なら、脱出がよく見える 地上21階。ホテルではない。私的な寝室だが、生活感はまるでない。外は雨。そしてここは、かなり暗い空間である。ほぼ初対面の男女が、お互いに裸で、会話を交わす。趣味について話し出すと、女の語る趣味は嘘か本当かわからないような(たぶん本当なのだ)荒唐無稽なものだ。いつかはやってみたいこと、として彼女が語る「夢」はいささか常軌を逸しているようでもあり、同時になにかしら人間という生き物の根源に触れるようなものでもある。この暗がりの中で、二人は生活から、日常から「脱出」している。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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4.1仲村トオル & 舘ひろし 出演! 「さらば、銃よ 警視庁特別銃装班」 本広克行総監督がドラマ化! 2023年4月より配信開始予定! NTTドコモの映像サービス「Lemino」 ▼詳しくはこちら https://teaser.lemino.docomo.ne.jp/ 明日の見えない今の時代を 生きる人々へ捧ぐーー 書き下ろしSF×警察長編小説!! 【あらすじ】 銃犯罪が急増する日本。 来たる銃社会の危機に 立ち向かうのは 警視庁内に設立された 少数精鋭の特別銃装班 SGUーSpecial Gun-bearing Unitー 本書は彼らの活動の記録である。 <全国の書店員様からのおすすめコメント> 悪を一掃するため、最強のスペシャリストここに集結!リアリティさが秀逸。前代未聞の犯罪計画に驚愕。緊迫感ある銃撃戦が圧巻。精鋭部隊とはこういうことだ!最高にカッコイイぜ!(紀伊國屋書店 仙台店・齊藤様) 悪に対して時に暴力は必要なのかもしれない。しかしそれは、自制し律することが出来る人が手にしていい力。圧倒的なスケールでそしてリアルに描写されるガンアクション小説。(TSUTAYA BOOKSTORE 川崎駅前店・紅様) まるでドキュメンタリーを読んでいるかのようなリアリティと緊張感。そして元陸自レンジャー2人の、真っ直ぐな信念と冷静に闘う姿が最高に格好いい!(ジュンク堂書店 天満橋店・小山様) 物語と現実という境界線すら超越せんとする、アクションエンタメの真骨頂。銃犯罪が加速する世界で戦う、まさに戦士とも言えるSGUメンバーの活躍を見逃すな!(ジュンク堂書店 吉祥寺店・田村様) 著者について ●冲方 丁(うぶかた・とう) 1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。最新刊は『骨灰』(KADOKAWA)。
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4.5不動産会社に勤める優愛はこれといって美容に関心のないOL。ある日、高校時代の友人だった美華が営むエステサロンへ行くことに。数年ぶりに再会した美華は相変わらず、金の髪に碧い瞳の美女。そんな彼女に「ずっと好きだった」と告白される優愛。友人として好かれていると思った優愛は「私も好きだ」と言葉を返すものの、美華の真意は違っていた。彼女の柔らかな手に秘所をまさぐられる優愛。官能的な動きをする美華の両手。美華に性的な部分を激しく弄られ、優愛は戸惑うもののしだいに快楽の虜になっていく。攻めて、攻められて。ぬるついた甘い刺激に女性たちは互いの体をとろけさせる。※この作品は女性のオナニーシーンやレズビアンシーンがあります。
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5.0綺麗になることは、快楽なのだ。小学校時代から十年以上も容姿コンプレックスに悩む典子は、美しい自分を夢見て、人知れずあらゆるエステ、ダイエットを試みる。だがその都度、失敗を繰り返すばかり。それは、男性に愛されるための闘いなのだ。わかっていながら、深みにはまっていくエステの魔力と、せつない女心を描く体験的長編小説。 ●横森理香(よこもり・りか) 作家、エッセイスト。現代女性をリアルに描いた小説と、女性を応援するエッセイに定評があり、『40代大人女子のための“お年頃”読本』がベストセラーとなる。代表作『ぼぎちん バブル純愛物語』はアメリカ、イギリス、ドイツ、アラブで翻訳出版されている。東京渋谷でコミュニティサロン「シークレットロータス」を持ち、「ベリーダンス健康法」の講師としても活躍。
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4.4《みなさんの感情や意見には一切口出ししません。手紙の書き方、つまり文章の書き方を教えるのがわたしの役割です》北フランスのリールで書店を営むエステルは、亡くなった父を偲んで手紙教室を開くことにした。参加者を募る新聞広告を出すと、5人から応募があった。孤独な老婦人、重度の産後うつに苦しむ夫婦、仕事にやりがいを見いだせないビジネスマン、そして進路に悩む青年。性別も年齢も異なる参加者とエステルは、手紙のやりとりを通して新しい言葉との出会いに飛び込んでゆく。言葉の力を賛美した小説。"Le Prix Du Roman Qui Fait Du Bien"(癒やしの小説賞)を受賞。
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-美人で、お金持ちで、名門大学生と三拍子そろった秋月涼子さん。ところが困ったことに、彼女は探偵志望で、いぢめられると推理がひらめく、どMだったのです。 秋月涼子さんはどMで、探偵志望の大学2年生。ひとつ年上でSの新宮真琴お姉さまにいぢめてもらうと、名推理がひらめきます。今日は縄? 目隠し? チョーカー? お姉さまはいつも新しい世界を見せてくれます。さて、名門・聖風学園文化大学で今回巻き起こるのはどんな事件でしょうか? そして真琴お姉さまが涼子さんに教えてくれるのは、どんなプレイなのでしょうか? 1巻はシリーズ前半の14話を収録。
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-「別れてほしい…」二年付き合っている彼氏から別れを告げられた琴音は、フラれたショックでお酒を大量に飲んで意識を失ってしまった。 二日酔いから目が覚めると、横には見知らぬ女性が一緒のベットで寝ていた。 介抱してくれた女性にお礼を言うために後日、その女性が働いている代行サービス「エージェント・エス」へ赴くことに――。 そこで介抱のお礼に代行のお仕事をお手伝いすることになった琴音は、 社員や依頼主など仕事を通して出会う人々と触れ合うことによって成長していく――。 人との出会いで変わっていくあたたかな成長ストーリー。 ●目次 プロローグ 久々デートの成れの果て Case01 依頼人は亡き娘が必要 水谷響子の場合 Case02 求む、ダブルデートのカップル 滝本純の場合 Case03 妻の思い出話を聞いてください 四方幸太郎の場合 Case04 大切に思うがゆえに 相田美雪の場合 Case05 見えない想い、訊けない理由 原彰彦の場合 あとがき ●著者 ひらび久美(ひらび・くみ) 大阪在住、英日翻訳者。2013年に恋愛小説コンテストで優秀賞を受賞、本格的に小説の執筆を開始。 『エリート上司の甘く危険な独占欲』(スターツ出版)、『恋愛遺伝子欠乏症 特効薬は御曹司!?』(竹書房)、『恋はメイクの後で』(徳間書店)などを出版。 電子書籍も多数配信中。 ●カバーイラスト ツグトク
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-その村では、いじめは娯楽の役割を果たしていた。そして、村の決めごとで、いじめの対象とされている“サント”とは……。おぞましい因習が残る、青森県P集落。大学の同僚教授・三崎忍に同行し、二十年ぶりに帰郷する「私」には、苦い思い出の土地だった。途中の新幹線で、「私」たちは同じ場所を目指す心理カウンセラーの桜木と出会う。だが、雪で閉ざされた縁切り寺で「私」たちを待ち受けていたのは、世にも奇怪な、連続殺人事件だった……。長篇ミステリ小説。電子版あとがきを追加収録。 ●矢樹 純(やぎ・じゅん) 小説家、漫画原作者。1976年、青森県生まれ。実妹とコンビを組み、加藤山羊の合同ペンネームで2002年、「ビッグコミックスピリッツ増刊号」にてデビューする。『あいの結婚相談所』『バカレイドッグス』などの原作を担う。2012年、「このミステリーがすごい!」大賞に応募した『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』で小説家としてデビュー。2019年に上梓した短編集『夫の骨』が注目を集め、2020年に表題作で日本推理作家協会賞短編部門を受賞する。他の小説作品に『がらくた少女と人喰い煙突』『妻は忘れない』『マザー・マーダー』『残星を抱く』がある。
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-様々な人と出会うライターの行動を通し、場所と人との繋がりだけで物語を生む 先ごろ短編集を出したばかりの作家、柊甲介氏にインタビューしているライターの吉澤輝久は、70歳を越えてなお旺盛に執筆活動を続ける柊に、短編小説がどのように出来上がるのか話を聞きます。作中に登場する海老フライが食べたくなった話などをしつつ、吉澤は最寄り駅に真っ直ぐ行かず。タクシーで下北沢へ。そこで、かつて聞いたエスプレッソの店を訪ね、ふと、この店の常連になりたいと考えます。あちこちへ移動し、様々な人と出会うライターの行動を通して、場所と人との繋がりが、それだけで物語を生むという、その過程が短編小説なのでしょう。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)、『窓の外を見てください』(講談社)などがある。
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-この怒涛の電話の中に真実はあるか? 14歳。自分で自分をもてあまし、世間からは「多感な時期」などと言われたりもする年齢だ。そんな年齢で、両親が離婚した。友人に向かって彼女は、そのことについて好きになれない父親について、めんどくさい新しい母について、そして誰よりも「かっこいい」と思っている離婚した母について電話口で怒涛のようにしゃべりまくる。対面ではなく、すべて電話でのおしゃべり、しかも相手の友人の応答は一切書かれずひたすらこちらがしゃべるだけ、という構えがこの短篇のキモで、そこにはうっすらと孤独が見えるようだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-エルサレムは土煙を上げながら移動を続けた。それはまるで巨大な船が大地に波を立てて進むようであった。陸をさまよう巨大な氷山にも思えた。丘の上の人々は、かつて旧市街があった穴から、少しずつ遠ざかるその姿を眺め、誰も言葉を発することができなかった。(本文より) 聖地が動いた。1匹の犬とともに。そして人間たちと「土」との長い長い物語が始まる……。癒しに満ちた大人のための寓話。 ●浅暮三文(あさぐれ・みつふみ) 小説家。第8回日本ファンタジーノベル大賞最終候補を経て、1998年第8回メフィスト賞『ダブ(エ)ストン街道』でデビュウ。2003年第56回日本推理作家協会賞を『石の中の蜘蛛』で受賞。他作品に『実験小説ぬ』『ぽんこつ喜劇』、エッセイ『おつまミステリー』など多数。著作はイタリア、韓国で翻訳され、中学校教科書に採用された。日本文芸家協会、日本推理作家協会会員。
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-札幌市手稲区のコンビニ前に伏す黒い影。跨ぐと火に纏わる凶事が… 北海道の住宅地・民家で現在進行形で起きている怪、 今もっとも身近で恐ろしい道内のご当地怪談!! 大ヒット前作「恐怖実話 北怪道」の続編がよりディープになって帰ってきた! 【札幌市手稲区】店の前に横たわる黒い影。跨いだその日から火の禍が…「手稲区のコンビニ」 【札幌市北区】床にできる謎の水溜まり。水漏れでもないそれは一体…「北区のアパート」 【苫小牧市】お得な家具付き中古住宅。いざ住むと調度品に不気味な変化が…「ある家の傀儡」 【夕張市】老女の住む家の納戸から出てきた日本人形。老女の身近な人が亡くなると不思議な事が…「花ちゃん」 【恵庭市】不審死の続出するアパート。一体何が起きて…「アパートの変化」 【稚内市】家族全員が異なる霊に遭遇している魔の家…「稚内の家」 【旭川市】神居古潭に向かって夜空に延びる光の帯。そこに人影が…「旭川の流星群」 【小樽市】吹雪の日の追突事故には視界不良以外の恐ろしい原因が…「小樽の吹雪」 【千歳市】老人が孤独死した部屋の上の階に住む男。気が付くと下の部屋が導かれ…「膜」 【伊達市】洗濯機の中に落ち武者の生首が。そのまま洗ったところ…「洗濯日和」 【函館市】教員住宅の部屋に出る黒い人影。天井に吸い込まれていくそれは…「スルスルキエル」 【八雲町】祖父の箪笥の抽斗で見つけた包み紙。詮索するなと言われたその恐ろしき中身は…「宝探し」 他、家族の中で死が連鎖していく恐怖「独り暮らしの訳」など、道内の民家・住宅地・生活圏内で起きた怪事件全36話を収録!
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4.065歳、元大学教師。リベラルで、しがらみのないインテリのつもりだった。まちがえた選択をし続けて65年。どうやら私は、社会から取り残されたらしい。 フロール賞受賞のほか、ゴンクール賞、フェミナ賞、ルノードー賞、アカデミー・フランセーズ小説賞、ジャン・ジオノ賞の6賞候補! 現代社会への痛烈な批判を込めた超弩級の注目作! かつてタレント歴史学者を夢見たロスコフは、落ち目だった。95年に「冷戦下米国のソ連スパイ事件」を巡る書籍を刊行したが、翌日CIAが機密解除、本は一夜にして紙くずに。妻とは離婚し大学を退職、酒浸りだったロスコフは、同性愛者の娘のフェミニストの恋人に刺激され、研究を再開、サルトルやボリス・ヴィアンと親交があったアメリカの詩人・ウィローについての書籍を刊行する。客わずか5人の出版記念トークショーの席上、ロスコフはウィローが黒人であることを記述しなかった理由を問われる。翌朝掲載された匿名のブログ記事が炎上し、ロスコフはレイシストだという非難にさらされる。さらに自分を擁護するツイートに返信したロスコフは、炎上を煽ってしまう。ツイートした知人は、極右政党に入党していたのだ――。
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-Izanaki and Izanami are the significant deities that give birth to all living things in this world, including humans, lands, and even natural objects and phenomena. Despite their creations, tragedy strikes down on the goddess, Izanami, when a deity of fire kills her. Izanaki’s grief leads him to the Land of the Dead to revive her but arrives too late. Their fate seems to separate the Land of Life and the Land of the Dead. And Izanaki who returns from the Land of the Dead purified himself and begets the Three Precious Children, the Sun Goddess Amaterasu, the deity of water Susanoo, and the deity of the Moon Tsukuyomi. Amaterasu, the ancestor of the imperial family, rules the world of Heaven and nurtures all living things on the earth, and Susanoo nurtures all living things by providing water from the underground and also absorbing all our impurities, agonies, sins, carrying them underground.
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-京都、金沢、新潟・親不知… 行方不明の男は被害者か、犯人か? 七色の殺意を呼ぶ死の断崖! 追悼・梓林太郎さん 山小屋の男の失踪の裏に十八年前の殺人事件が!? 長野松本署からの調査依頼が小仏探偵事務所に持ち込まれた。 上高地の山小屋の管理人・徳久が、宿泊予定の登山者・上野を探しに出たまま戻ってこないという。 二人の間に事件が起きた可能性も。小仏が徳久の足跡をたどり、京都、東京、金沢へと足を運ぶなかで、 徳久の出身地である新潟県糸魚川市親不知で起きた未解決事件が調査線上に浮かび……。 〈目次〉 第一章 親不知子不知 第二章 京都へ 第三章 夜の山荘 第四章 明日のない月光 第五章 金沢夜曲 第六章 黒い流星 第七章 海峡 解説 山前 譲
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