小説・文芸 - 中央公論新社作品一覧

  • ポー名作集
    3.3
    理性と夢幻、不安と狂気が妖しく綾なす美の世界をつくりだす短篇の名手ポーの代表的傑作(「モルグ街の殺人」「盗まれた手紙」「マリー・ロジェの謎」「お前が犯人だ」「黄金虫」「スフィンクス」「黒猫」「アシャー館の崩壊」)の8篇を、格調の高さで定評のある訳文で収める。

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  • ひなのころ
    3.5
    お雛様や、お人形とも話せた幼い日々、病弱な弟を抱える家族の中で、ひとり孤独を感じていた頃、将来が見えず惑い苛立った思春期。少女・風美にめぐる季節を切り取り、誰もが、心のなかに大事に持っている“あのころ”の物語を描き出す。期待の新鋭、初の文庫化!

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  • はみだしオケマン挑戦記 オーボエ吹きの苛酷なる夢
    3.7
    オーボエ吹きの夢はとどまるところを知らない。N響首席奏者として華麗かつ苛酷なビータ〈演奏旅行〉をこなしながらも、リサイタル、ソロアルバムレコーディングにと精を出す。飽くことなき好奇心を持つ音楽家の日常に眠る暇なし!? 『のだめカンタービレ』の著者二ノ宮知子氏絶賛!

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  • いつの日か旅に出よう
    -
    「これはこれはこれはこれは!」この街では、王様の奇妙な生声が時報の代わりに響きわたる。それが仕事だと信じて疑わない「むじゃき大王」と、その支配に染まったおかしな住民たち。軽妙な会話文で強烈な風刺が繰り出される、異色の長篇ファンタジー第一弾。

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  • 11月そして12月
    3.5
    高校も大学も中退したぼくは、カメラを手に都会の生き物を撮り歩いている。退屈な人と言われ続けた二十二年の人生は、明夜と出会った頃から変わりはじめた。父親の不倫、姉の自殺未遂、そして「明夜とは二度と関わるな」という男の出現。事件と真実に触れ、苦しくても確かな一歩を踏み出していく姿を鮮やかに描く傑作青春小説。

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  • 〈私〉という演算
    3.8
    〈私〉についてこうして書いている〈私〉という存在とは……。〈私〉と世界との関係を見つめた表題作はじめ、思考のかたちとしての九つの短篇小説。

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  • 植木枝盛 民権青年の自我表現
    3.0
    自由民権期の輝かしい理論家の一人で、板垣退助のブレーンとして活躍した植木枝盛は、歿後一〇〇年を超えるが、その短い波瀾の生涯を、同郷の中江兆民、馬場辰猪、小野梓とのかかわりをも交えて描く。とくに本書は、維新の混乱の中で失われたアイデンティティを求めた枝盛の苦闘と、伝統思想に依拠しつつ西洋の新しい民主主義思想を受け容れ、ラジカルな思想形成を行なった枝盛の心的過程と自我表現とに新たな光を照射する。

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  • 文人たちの句境
    -
    文人の俳句は面白い。なぜかといえば、発想が自在で、飛躍もあり、ものの核心を衝いているからである。彼らは佳句を作り、人と競おうという気負いはなく、肩肘はらず、しかし精神は集中させ、普段の息遣いで句作している。本書は、文人たちの秀句を任意にとりあげ、常住座臥、温故知新、哀傷・追懐、女人賛歌、存問のジャンルにわけて、悟達の境地に喜遊する、彼らの喜怒哀楽、おりおりの心の揺れをうけとめる、俳句悠遊である。

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  • 尻出し天使
    -
    いたずらっぽい媚態が魅力の若い愛人達と嫉妬と猜疑心の塊の九歳年上の妻。三人の女の間を揺れ動く男の夢と欲望を描いた傑作長篇。〈解説〉勝見陽一

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  • 堺港攘夷始末
    -
    慶応四年二月十五日、フランス水兵と土佐藩兵との間にその事件は起こった。殺されたもの、切腹したもの、死は免れたもの――非運な当事者たちを包みこむ事件の全貌を厳密正確に照らし出そうとする情熱、歴史をみはるかす自由闊達な眼差し……。構想十年、歴史を文学に昇華させる夢を紡いだ偉大な作家の渾身の遺著。

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  • 剣

    -
    塚原卜伝、上泉秀綱、柳生石舟斎、松永久秀、石田三成、坂本龍馬、榊原鍵吉ら、兵法の奥義を、天下統一を、新しい時代の幕開けを、戊辰戦後の屈辱への憤りを剣に賭けた武士たちの壮烈な人生を鮮やかに描く歴史小説10篇。

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  • サハリン棄民
    4.5
    戦前・戦中、炭坑資源開発のためサハリン(樺太)に渡った労働者の中には強制的・半強制的に募集・連行された韓国・朝鮮人が数万人いた。終戦とともに始まった引き揚げ事業はサハリンにも及んだが、その中に帝国臣民として徴用された朝鮮人は含まれていなかった。彼らはソ連統治下のサハリンに残されたのである。冷戦・南北朝鮮対立という国際環境、そして日本の戦後責任への無自覚に抗し、故郷訪問に至るまでの四十五年の足跡を克明に辿る。

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  • 叛逆捜査 オッドアイ
    3.8
    1~9巻704~880円 (税込)
    捜査一課の刑事・朝倉は、陸自の空挺団出身の変わり種。都内で自衛官の首が切断される猟奇殺人事件が起こり、自衛隊の警務官が捜査本部に乗り込んできた。互いの矜恃をかけて捜査を進める男達だが、朝倉は警務官が抱える機密――基地で首を切られて死んだ別の自衛官の存在を知る。さらに米国海軍犯罪捜査局も絡み、事件はより複雑な様相に……「傭兵代理店」の渡辺裕之が描く、新時代の警察小説。シリーズ開幕。
  • 愛のようだ
    3.0
    1巻704円 (税込)
    40歳にして初心者マークの戸倉は、友人の須崎と、その彼女琴美とドライブへ。退院したらどこかいこうという約束を果たすのだ。キン肉マン、北斗の拳、奥田民生……車中の合唱、前方を走るタンク車に興奮、振られた男は高速道路で捨て身の行動に打って出る。そして、大切なことに気付く瞬間が訪れて――。愛しさと哀しみを鮮明に描いた恋愛小説。〈解説〉大塚真祐子
  • 三の隣は五号室
    3.7
    1巻704円 (税込)
    今はもういない者たちの一日一日が、こんなにもいとしい。 傷心のOLがいた。秘密を抱えた男がいた。 病を得た伴侶が、異国の者が、単身赴任者が、 どら息子が、居候が、苦学生が、ここにいた。 ――そして全員が去った。それぞれの跡形を残して。 驚きの手法で描かれる、小さな空間に流れた半世紀。 優しく心を揺さぶる著者最高作。 各メディアで話題を呼んだアパート小説の金字塔 第五二回谷崎潤一郎賞受賞
  • 駐在日記
    3.5
    1~3巻704~770円 (税込)
    人気シリーズ「東京バンドワゴン」の著者が贈る、どこか懐かしい警察連作短編。 山懐に抱かれた平和な田舎町で巻き起こるのは…… 昭和五十年、春。神奈川県皆柄下郡の雉子宮駐在所に蓑島周平と花の新婚夫婦が赴任してきた。女性連れで現れた指名手配の強盗犯、嵐の夜に盗まれた秘仏、急増する蛇と化け物の噂……時折起こるワケあり事件の解決のカギは、入念な捜査と少しのお節介!? 元刑事のミノさんと元外科医の花さんのタッグで綴る、ハートフル連作短編がついに文庫化!
  • これでもいいのだ
    3.8
    ずっとこんな存在を待っていた。 私たちの進む獣道のちょっと先を行く、素敵な先輩を。 ――宇垣美里さん(解説より) 思ってた未来とは違うけど、これはこれで、いい感じ。 明日の私にパワーチャージするエッセイ66篇。 私の私による私のためのオバさん宣言/「ごめんなさい」とベビーカー/“現役”のアップデート/四十代にちょうどいいパンツ/「大丈夫だよ」と言ってほしかった ほか。 私たち、これでもいいのだ!
  • 死香探偵 尊き死たちは気高く香る
    3.8
    1~5巻704~726円 (税込)
    大人気「化学探偵Mr.キュリー」シリーズ著者の最新作! 「さて、現場の謎を嗅ぎ解こうじゃないか!」 特殊清掃員として働く桜庭潤平は、死者の放つ香りを他の匂いに変換する特殊体質になり困っていた。そんな時に出会ったのは、颯爽と白衣を翻し現場に現れたイケメン准教授・風間由人。分析フェチの彼に体質を見抜かれ、強引に助手にスカウトされた潤平は、未解決の殺人現場に連れ出されることになり!? 分析フェチのイケメン准教授×死の香りをかぎ分ける青年の、新たな化学ミステリ開幕!
  • 新装版 お腹召しませ
    3.8
    えっ、その責任おれがとるの!? 仕事と、家庭と、世の中と――戦う男の本分とは。 司馬遼太郎賞・中央公論文芸賞受賞。 『一路』『流人道中記』の浅田次郎が贈る、笑って泣ける傑作時代小説。 婿養子が公金を持ち出し失踪。不祥事の責任を取りお家を守るため、妻子や部下に「お腹召しませ」とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断とは……。武士の本義が薄れた幕末期。あふれ出す男の悩みを、侍たちはどう乗り越えたのか。表題作ほか全六篇に書き下ろしエッセイを特別収録。
  • DEAMON SEEKERS 這いつくばる者たちの屋敷
    3.0
    1~3巻704~968円 (税込)
    著名な民俗学者・舞浜光太郎が、複数の人間の血が撒かれた研究室で突然消えた。娘の理理花は行方を捜すため、父が失踪直前に訪れたという田舎のある屋敷へ赴く。その途中に出会ったのは、言葉を話さない謎の青年。彼は、光太郎が研究していた〈あってはならない存在〉を追っているようだが……。美貌の青年・草月が、喪われた神の世界に貴方をいざなう! 『汝、怪異を語るなかれ』改題。
  • さよなら獣
    3.8
    美しく野性的な野々花、聡明でプライドの高い阿佐、繊細ゆえに孤絶しがちな咲。 小学5年生の春、三人はそれぞれの理由でクラスで浮いてしまう。 共通点も一切ない彼女たちだったが、二十歳になり、 それぞれモデル、大学生、ショップ店員と大きくなり、ふしぎな交流をもつ。 三人は少女時代の獣道をくぐりぬけながら、 野々花は〝ヤリマン〟とメディアで叩かれ、 阿佐は恋愛経験ゼロの自分を恥じ、性と生をこじらせていく。 そこで、不器用な咲が意外な行動を起こし…… 『少女は花の肌をむく』より改題。
  • おばちゃんたちのいるところ Where The Wild Ladies Are
    3.8
    追いつめられた現代人のもとへ、おばちゃん(幽霊)たちが一肌脱ぎにやってくる。失業中の男に牡丹灯籠を売りつけるセールスレディ、 シングルマザーを助ける子育て幽霊、のどかに暮らす八百屋お七や皿屋敷のお菊……そして、彼女たちをヘッドハントする謎の会 社員・汀。嫉妬や怨念こそが、あなたを救う!? 胸の中のもやもやが成仏する愉快な怪談集。
  • 御子柴くんの甘味と捜査
    3.6
    長野県警から警視庁捜査共助課へ出向した御子柴刑事。甘党の上司や同僚からなにかしらスイーツを要求されるが、日々起こる事件は、ビターなものばかり。上田市の山中で不審死体が発見されると身元を探り(「哀愁のくるみ餅事件」)、軽井沢の教会で逃亡犯を待ち受ける(「不審なプリン事件」)。傑作ミステリー・葉村晶シリーズ第一弾『プレゼント』に登場した御子柴くんが主役の、スイーツ&ビターなミステリー短篇集。
  • 歴史を応用する力
    4.0
    中国歴史小説の第一人者が、光武帝と呉漢、項羽と劉邦、商の湯王と周の文王の生涯をたどりながら、ビジネスや人間関係における考え方のヒントを歴史からどう学ぶかを、具体的に平易な語り口で解説する。伊藤忠商事元会長、丹羽宇一郎氏との対談も収録。文庫オリジナル
  • ストレンジャー・イン・パラダイス
    3.0
    ここは〈晴太多〉。観光地も名物産業もないほぼ限界集落。そんな故郷を再生するため、町役場で働く土方あゆみは、移住希望者を募集する。やってきたのはベンチャー企業の若者、ニートの男、駆け落ちカップルなど、ワケありなはぐれ者たち。彼らが持つ忘れたい過去も心の傷も、優しい笑顔が包み込む。〈晴太多〉へどうぞ。みんなが待ってます!
  • イデアの影 The shadow of Ideas
    3.4
    1巻704円 (税込)
    この世は、すべて幻なのです。現実なんてものはない。ただ、映っている影だけが見える。そうではありませんか?――主人と家政婦との三人で薔薇のパーゴラのある家に暮らす「彼女」。彼女の庭を訪れては去っていく男たち。知覚と幻想のあわいに現れる物語を繊細かつリリカルに描く衝撃作。
  • 維新始末
    3.3
    老中・水野忠邦による天保の改革から二十年。黒船来航以降、恐慌を来す江戸の町を、勤王の志士を騙る剣呑な浪人たちが跋扈するようになっていた。さらにその黒幕には、薩摩藩の巨魁の影が…。失われた秩序を取り戻すべく、我らが榊扇太郎が江戸の顔役たちとともに立ち上がる!「闕所物奉行 裏帳合」シリーズに連なる、待望の文庫書き下ろし。
  • 小さな幸せ46こ
    4.0
    〈小さな幸せは「なん個」と子どもみたいに数えたい〉 最悪の思い出も、いつか最高になる――。両親の死や家族へのまなざし、大切な友だちや犬猫との絆、食や旅の愉しみ、さまざまな出会いと別れ。何気ない日常の中にある「小さな幸せ」を見つけて慈しむエピソードの数々。あなたの人生に寄り添ってくれる幸福論的エッセイ集。各話にタムくんのイラスト付き。
  • ゆら心霊相談所 消えた恩師とさまよう影
    4.3
    1~5巻704~748円 (税込)
    高校内をさまよう黒い霊と、突如始まったイジメ。悩みを抱える秋都尊を救ったのは「心霊相談所」を営む由良蒼一郎だった。蒼一郎は七歳の娘・珠子を抱えて孤軍奮闘中の父親。家事ができて霊も見える尊は、何とも便利な人材として目をつけられて――いくらこき使われようと、珠子の笑顔のためなら頑張れる!? ほんわかホラーミステリー開幕!
  • 坊っちゃん殺人事件 新装版
    -
    浅見家の“坊ちゃん”浅見光彦は、夏目漱石、正岡子規らの足跡を辿る取材のため松山へ向かう。途中、訪れた場所で何度もすれ違った美女から変質者扱いをされ、警察に目を付けられてしまう。後日、その女性が絞殺体で発見されたことを知り驚く光彦だったが、容疑者としてマークされる羽目に。新たに発生した事件への関与も疑われた光彦は、2つの事件を解決するため推理を働かせるが――。浅見家の“坊ちゃん”が記した事件簿!
  • 老後の資金がありません
    3.8
    「老後は安泰」のはずだったのに! 後藤篤子は悩んでいた。娘の派手婚、舅の葬式、姑の生活費……しっかり蓄えた老後資金はみるみる激減し、夫婦そろって失職。家族の金難に振り回されつつ、やりくりする篤子の奮闘は報われるのか? ふりかかる金難もなんのその、生活の不安に勇気とヒントをあたえる家計応援小説。
  • 新装版 御免状始末 闕所物奉行 裏帳合(一)
    -
    ※<ご注意ください> 本書は、二〇〇九年十一月に刊行された作品を改版して電子書籍化したものです。 遊郭の打ち壊しが起こり、闕所物奉行、榊扇太郎は競売の入札権を持つ天満屋とともに後始末にあたる。事件を発端に不可解な殺人が続発、そこには水戸藩の思惑と幕府の陰謀が入り乱れていた。やがて吉原にも魔の手がのび、扇太郎にも危険が迫る! 痛快時代小説新シリーズ、待望の新装版!
  • マレ・サカチのたったひとつの贈物
    3.8
    誰か、私を留めて。どこかへ跳び去ろうとする私を――世にも奇妙な「量子病」を発症して以来、自らの意志と関係なく世界中をワープし続ける稀。一瞬後の居場所さえ予測できず、目の前の人と再び会える保証もない。日々の出会いは儚く、未来はゆらぐ。人生を積み重ねられない彼女が、世界に爪痕を残すためにとった行動とは?
  • 昭和式もめない会話帖
    4.0
    小津安二郎、溝口健二、成瀬巳喜男などの昭和映画には、人の心を丸くする、技ありフレーズがいっぱい。泥酔した人に優しく「お元気が過ぎましたのね」、財布を取り出す後輩を制して粋に「ほんの少しだから恥かかすんじゃないよ」……。仕事、恋愛、冠婚葬祭に、たった今から使いたいニクイ大人の会話帖。『昭和ことば辞典』を改題し再編集。
  • Valentine Stories
    4.0
    ドラマチックが、止まらない――。 あげる人もあげない人も、もらう人ももらわない人も、チョコが好きな人もそうじゃない人も、なぜか気になる日。心がザワザワする日。2月14日、バレンタインデー。本命チョコ、友チョコ、義務チョコなど、様々な関係性でやりとりされる〈それ〉は、ただ甘いのか、ほろ苦いのか……。バレンタインをめぐる「粒より」のドラマを8種詰め合わせた、ちょっと贅沢な限定アソート。
  • 五十坂家の百年
    4.0
    その朝、双子の老姉妹が手に手をとり、崖から飛んだ。疎遠だった子らが葬儀に集い、やがて武家屋敷の床下に隠された四体の遺骨を見つけ出す。これは誰? いつからここに? 金貸し一族の淫靡で切ない歴史と、“乙女”のゆがんだ欲望を描き出した、背徳のミステリー。〈解説〉大矢博子
  • 手習重兵衛 闇討ち斬 新装版
    3.0
    江戸白金で行き倒れとなった重兵衛は、頑健な体躯とくっきりとした目鼻立ちを持つ二十三歳の浪人だ。手習師匠・宗太夫は、わけありの彼に何も聞かず居候させてくれる。子供らに囲まれ平穏な日々を送る重兵衛だったが、同郷の者に呼び出され帰ってこない宗太夫を心配し、その男を訪ねたところ……。快男児が謎を斬る時代小説シリーズ第一弾。(二〇〇三年十一月に刊行された作品を改版)
  • 黒蟻 警視庁捜査第一課・蟻塚博史
    3.8
    警察エリート一家に育ち、優秀な兄と比較されながらも地道に事件に向き合う蟻塚博史。六本木で起こった爆破事件では、元暴力団員の単独犯として捜査が進むのを疑問視し、独自の捜査を続けた結果、カジノ法案可決の裏で暗躍する警察上層部に疑いの目を向ける。中心には警備局長の兄の姿が……。中公文庫警察小説に、新たな才能が登場! 警察キャリアの兄との確執を抱えた孤独な刑事・蟻塚が、巨悪に挑む!!
  • よすが横丁修理店 迷子の持ち主、お探しします
    4.0
    人に大切にされた道具には心が宿り、人との縁が切れると道具は迷子になる――。ぼくは、古道具修理店「ゆかりや」で店長代理のエンさん(ちょっと意地悪)と一緒に、人と道具の「縁」を結んだり断ち切ったりしている。でもある日、横丁で不思議な事件が続いたと思ったら、ぼくの体にも異変が起こり始めて? 愛された道具と人を結ぶ「ゆかりや」。その不思議なお店で頑張る「ぼく」の秘密とは……?
  • 刑事たちの夏(上)
    4.0
    大蔵省のキャリア官僚が墜落死した。自殺か、他殺か――。「特命」で捜査に加わる捜査一課強行犯六係主任・松浦洋右警部補は、他殺の証拠を手にする。しかし、キャリア同士で大蔵省と取引した上層部により自殺と断定され、捜査は中止に。自らの属する組織と対峙し私的な捜査を続ける松浦は、政官財癒着を象徴する巨大な陰謀にたどり着くが……。 単行本刊行時に各紙誌で絶賛されベストセラーとなり、現在のブームの先駆となった〈レジェンド・オブ・警察小説〉が、待望の電子書籍化! 359ページ
  • 竹人形殺人事件 新装版
    -
    浅見陽一郎刑事局長は、越前大観音堂の用地取得に絡む不正に目をつぶるよう、関係者から圧力を掛けられる。その場には、かつて父から贈られた竹人形を披露する女もいて、窮地に追い込まれる陽一郎。兄の依頼で真相を探るべく北陸へ向かった光彦は、竹細工師殺害事件に遭遇し、容疑者として巻き込まれてしまう。名探偵は、父の汚名を晴らせるか!
  • 江古田ワルツ 喫茶〈ひとつぶの涙〉事件簿
    3.7
    1~2巻704~792円 (税込)
    江古田にある日本茶専門喫茶店〈ひとつぶの涙〉には、今日もご近所さんが集まってくる。常連客の持ち込む話や、ふらりと立ち寄った一見さんの抱える悩みを、年齢不詳、自称・元サイコセラピストで元警視庁プロファイラーの“ママ”が鮮やかに解決する。クスリと笑えて心温まるエピソードで綴る全六話。
  • 少年と空腹 貧乏食の自叙伝
    -
    日本中が貧乏だった著者の少年時代、空腹を抱えてさまざまな工夫を凝らし、何でもかんでも「食べ物」にした日々。おかしくせつなく懐かしい、美食の対極をゆく食味随筆の奇書。飽食の時代にこそ噛み締めたい、逆説に満ちた、食事風景の昭和史。『少年とグルメ』改題。
  • 北の街物語
    4.0
    彫刻家の自宅から“妖精”が消えた。同じ頃、荒川河川敷で絞殺死体が見つかる。一見、何の繋がりもない二つの事件に、四桁の数字という共通点を見つける浅見光彦。ここから一気に事件は解決へ向かうと思われたのだが、ミステリアスな人間模様が明るみに出るなど事態はさらに錯綜する――。地元・東京都北区で起こった事件に、名探偵が挑む!
  • 空より高く
    3.9
    1巻704円 (税込)
    廃校が決まった高校の最後の生徒として入学した僕らの、「終わり」だらけの平凡な毎日は、特命を受けて赴任した非常勤講師との出会いで一変した――。  「レッツ・ビギン!」と叫ぶ熱血中年オヤジ・ジン先生の「始めるウイルス」に、いつの間にか感染するイマドキの高校生たち。 省エネを第一とし、面倒事からは極力距離を置こうとしていた主人公・ネタローも、通学路で見かけたピエロさんのジャグリングに魅せられ、ついに「始め」の一歩を踏み出すことに……。  今を生きる全ての人に贈る、直球ど真ん中の青春賛歌。
  • 一路 (上)
    4.2
    失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。齢十九にして初めて訪れた故郷では、小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追い詰められる一路だったが、家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!
  • 棟居刑事の絆の証明
    -
    休暇を利用して訪れていた唐松岳山頂で、トレッキングツアーグループから写真撮影を頼まれた警視庁捜査一課の棟居弘一良。名前も告げ合わず別れた彼らとはその場限りだったはずが、下山後、思わぬ再会を果たす。メンバーの一人が、殺人事件の被害者となってしまったのだ。金と愛欲にまみれた下界の悪に、棟居刑事が迫る!
  • 点線のスリル
    3.5
    ぼくが養護施設の前に捨てられていたのは、医者の見立てによると二歳になるかどうかの年だったらしい。「あやと」と名前だけ書いた紙しか置いてなかったのは、ぼくは親にではなく、誘拐犯にでも捨てられたからなのか。――中学校でも異物扱いのぼくは、卒業を前にして、十三年前のあの日を探し始める。今日までの点線の道を塗りつぶすために。ぼくの自分探しの結末は?
  • 海のふた
    4.3
    ふるさと西伊豆の小さな町は、海も山も人も寂れてしまっていた。実家に帰った私は、ささやかな夢と故郷への想いを胸に、大好きなかき氷の店を始めることにした。大切な人を亡くしたばかりのはじめちゃんと一緒に……。自分らしく生きる道を探す女の子たちの夏。版画家・名嘉睦稔の挿画26点を収録。

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  • 陽だまりの時間
    -
    大ベストセラー『だから、あなたも生きぬいて』の著者が、弁護士のキャリアを中断し、ダウン症の娘・悠ちゃんと夫とともに移り住んだ山里での日々を綴る。庭でハーブを育て、料理に腕をふるい、ステンドグラスやDIYの趣味に精を出し、夜には星空を見上げる……。弁護士や大阪市助役として都会で忙しく働いていた日々には想像できなかった、子どもと向き合って過ごす幸せのかたち。現代の生活で忘れがちな「一日一日を丁寧に感謝して生きる」豊かさが、ここにある。大平流レシピも満載。

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  • 静子の日常
    4.0
    おばあちゃんは、あなどれない――果敢、痛快、エレガント。75歳の行動力に孫娘も舌を巻く! 味わい深くユーモラスに、年齢を重ねてこそのしなやかな境地を描く。チャーミングで心ほぐれる家族小説。

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  • 愛と快感を追って あきらめない女たち
    -
    婚外恋愛、性感マッサージ、出張ホスト、乱交パーティ、ハプニングバー。女たちはセックスに何を求めているのか。その本音に迫ったルポルタージュ。
  • 女の残り時間 ときめきは突然、やってくる
    3.7
    普通の女が「女」に目覚める時――「女としての部分」に不安を抱く女性たちの迷い戸惑う姿を描く。夫には知られたくない、妻には読ませたくない、四十代女性の性の現実。
  • 命の版木
    -
    仙台で無禄厄介の林(はやし)子(し)平(へい)は、江戸・蝦夷・長崎を訪れ見聞を広め、海防の必要性を著すが、老中・松平定信から本・版木の回収を命じられる。子平は、版木の彫師お槇(まき)と二人で『海国兵談』の完成を目指すが、幕府の監視は日に日に強まり、二人は命をかけて版木を彫ることになる……。第15回中山義秀文学賞受賞作『彫残二人』改題。
  • 魚釣島奪還作戦
    4.0
    日中台の係争地・尖閣諸島の魚釣島が過激な中国系武装集団に占拠された。海上保安庁や中国大使館による説得も徒労に終わり、陸上自衛隊の特殊部隊「サイレント・コア」が派遣される。岩礁とジャングルに覆われた無人島で、両者の決死の戦闘が始まった!
  • 棟居刑事の代行人
    -
    結婚式当日に失踪した新郎。その代役を務めたイベント代行業者の降矢は、翌日も現れない新郎の行方を探し始める。一方、警視庁捜査一課の棟居刑事は、連続老女強盗殺人事件を追っていた。それぞれに捜査を進める降矢と棟居だが、二つの事件は徐々に絡み合い大事件へと発展。政界・カルト教団をも巻き込んだ事件の全貌とは? 解説・池上冬樹

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  • もぐら
    3.4
    1~8巻691~859円 (税込)
    かつて警視庁組織犯罪対策部に属していた影野竜司。彼はある事件で相棒と愛する妻、娘を失い表社会から姿を消した――。十年後、竜司は闇社会で“もぐら”と恐れられるようになる。警察には相談できぬ事件を請け負い、暴力を厭わず、超法規的に過激な手段で解決するトラブルシューターとして。悪を憎む孤独なヒーロー、ここに誕生! シリーズ第一弾。

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  • チャコズガーデン
    3.9
    吉祥寺の瀟洒なマンション、チャコズガーデンに住む渚は、離婚を隠したまま孤独な数ヶ月を過ごしていた。だが不審者の侵入や奇妙な騒音が頻発、住人同士で協力することに。そこで見えてきたのは各家族の秘密、最上階の謎のレディの正体……渚は住人達と危機を乗り越え、新しい一歩を踏み出せるのか。サスペンスの名手が描く人間ドラマ!

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  • パリの学生街 歩いて楽しむカルチェ・ラタン
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    たおやかに曲がる細道を行けば、今日も小さな発見がある―― 歳月を経た建物の柔和な表情、ローマ人の支配の痕跡、 美術館、ソルボンヌ大学、教会、書店、露店市…… 知的で質実、おおらかな風が吹き抜けるこの街に暮らして二十年、 日々心をときめかせるカルチェ・ラタンの素顔の魅力をつづる。 〈本文より〉 「カルチェ・ラタンは歩いていて楽しい。観光名所にはないパリの魅力が味わえる」 「散歩でも用事でも、飽きもせず古い道を選んで歩く」 「古いパリの佇まいは、心が和むほどに優しい」 〈目次より〉 住まいは、右岸か左岸か/古代ローマの大浴場遺跡/学生街で楽しむ古い教会めぐり/ジョルジュ・サンドが賛美した「貴婦人と一角獣」のタピスリー/ヘミングウェイの空腹とリュクサンブール公園今昔/ソルボンヌと音楽祭/モンテベロ河岸の箱本屋/ひとつの村のようなモーベエル広場界隈/コレッジュ・ド・フランスの自由な講座/しっとりとした佇まいのビエーブル通り/辻邦生が住んだデカルト通りの坂/日本人の顔には「盗んでもいいよ」と書いてある/とっておきの場所、アラブ世界研究所の図書室 ほか

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  • SOSの猿
    3.3
    三百億円の損害を出した株の誤発注事件を追う「猿の話」。ひきこもりを悪魔祓いで治そうとする男の「私の話」。やがて交差する二つの話を孫悟空が自在に飛び回り、「SOS」をめぐる問いかけが物語を深化する。世界最強の猿からユングまでを召還し、小説の可能性に挑戦した、著者入魂の記念碑的長篇!

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  • あんでらすの鐘 高瀬川女船歌五
    -
    宗因は理不尽な理由で大寺を追放された若い医僧に出会い、町医になることを勧める。しかし、男の命を狙う黒い影が……。一方、駆け落ちなのか、夫婦を装った訳ありの男女が高瀬船を降り立ち旅籠「柏屋」の暖簾をくぐった。心中を心配する女主お鶴に、二人は「匿ってほしい」と――今日も居酒屋の主宗因は、人々のために走る。

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  • Theコンプレックス 幸せもキレイも欲しい21人の女
    3.0
    1巻691円 (税込)
    肌、年齢、体形、セックス、親子関係……女は誰しも“思い通りにならない自分”を抱えている! 美容ジャーナリスト・齋藤薫が、女たちの本音をリアルに抉る。

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  • 今日を生きる
    -
    260万部の大ベストセラー『だから、あなたも生きぬいて』のその後を綴る。女性初の大阪市助役を務めた後、40歳で結婚。そして生まれた娘・悠ちゃんはダウン症だった。娘の健康を考え、山間の地へ移住、育児に専念する日々。家族の笑顔に囲まれ、穏やかな時間が流れるなか、「生まれてきてよかった」と思えるようになる――。

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  • その妻
    3.5
    私はいまから人を殺しに行く――。貞淑な妻はなぜ変貌したか? 鬼となった女の大胆不敵な罠。予期せぬラストから、あなたは目をそらせない!

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  • 逃亡侍 戯作手控え 満月の夜
    3.0
    頃は如月、満月の夜。仙台藩作事方・桂木家の次男、清之進は、剣術道場同門の遣い手・国村幻鉄殺害の現場に居合わせたことから、その下手人に仕立てられる。江戸へ逃げた清之進は、戯作者に姿を変え、みずから疑いを晴らすべく、市中に潜伏していると覚しき真犯人の探索にとりかかる。シリーズ第一作。

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  • 逃亡侍 戯作手控え 女難剣難
    -
    江戸に出て戯作人となった桂木清之進。しかし、殺しの下手人とされ、仙台藩から討っ手を向けられる身でもある。隠れ家を転々と変えながらも、戯作のネタ探しは忘れない。ある日、浅草奥山に出た清之進は、怪しげな占い師に「女難の相」があると指摘され……。シリーズ第二弾!

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  • ステップ
    4.2
    1巻691円 (税込)
    結婚三年目、突然の妻の死。娘と二人、僕は一歩ずつ、前に進む――娘・美紀の初登園から小学校卒業まで。「のこされた人たち」の日々のくらしと成長の物語。

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  • 禁断
    3.3
    惨殺された親友の元恋人は、名前も住まいも偽っていた正体不明の人物だった。一体その女は何者なのか。親友の死と関わっているのか。謎を追ううち、邦彦はいつしか女に惹かれていく。その危険な愛の先にあるものは……!? 渾身の長篇サスペンス。

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  • 青春の神話
    -
    江戸時代から現代へ、不思議な竜巻に運ばれてタイムスリップした十七歳の甲賀忍者・望月小平太。組織暴力団に牛耳られる町で、高校生となった彼は、野球部に入部。超常の忍法で悪を懲らしめ、廃部寸前の弱小チームを甲子園出場へ導く。時代を超えた正義の活躍を描く、伝奇的青春小説。

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  • パリの秘密
    3.5
    パリに居座るゲニウス・ロキ(地霊)は、多くの秘密を生む――エッフェル塔、モンマルトルの丘から名もなき通りの片隅まで。数百年の時を経てなお、パリに満ちる「秘密」の香りは遊歩者(フラヌール)を惹きつけてやまない。夢の名残を追って現代と過去を行き来する、瀟洒なエッセイ集。

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  • 廃墟のとき
    3.3
    不毛な人生に倦み疲れた美砂は、自殺を決意する。ただし、死ぬまでの10ヶ月を可能なかぎり飾り立て、人々の羨望を浴びながら死ぬのだ。美人起業家への見せかけの転身は成功、偽りのショーは順調に始まったが……。明野ワールド全開のサスペンス長篇。『砂の花』改題

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  • 冷ややかな肌
    3.7
    十年の商社勤めの末、三十四歳にして「島流し」の憂き目にあった夏季は、出向先の若き取締役、渡辺真理の手腕に羨望と疑念を抱く。地味な外見、希薄な存在感に反して発揮される冷徹な決断力と異様な行動力。夏季は後輩とともに秘密を探り始めるが……女の闇を描く明野ワールドの集大成!

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  • 棟居刑事の青春の雲海
    3.0
    公園の片隅で発見されたホームレスの死体。八年前に起きた迷宮入り強盗殺人事件。二つの事件を繋ぐ糸は北アルプスに……。棟居刑事は、その糸を手繰るうちに、思わぬ邂逅と新たな凶悪犯罪を引き寄せてしまう。青春山岳ミステリー巨篇。『青春の雲海』改題。

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  • 料理歳時記
    4.0
    いまや、まったく忘れられようとしている昔ながらの食べ物の知恵、お総菜のコツを、およそ四〇〇種の材料をとりあげて四季をおってあますところなく記した、日本の おふくろの味 総集篇。

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  • 八八艦隊物語1 栄光
    4.0
    中部太平洋に来襲する米海軍を艦隊決戦で邀撃、撃滅せよ――呉軍港に勇姿を現した帝国海軍の悲願、八八艦隊。旗艦「長門」以下、世界最強の一八インチ砲を備えた「伊吹」級四艦を含む一六艦がついに完成したのだ。昭和一六年末、優勢な戦艦部隊を頼みに、日本は太平洋戦争に突入する。一二月九日、マーシャル群島沖。連合艦隊は洋上の覇権を賭け「サウスダコタ」率いる米艦隊群を迎え撃つ。巨砲相撃つ死闘の行方は……。

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  • 冬のつばめ 新選組外伝・京都町奉行所同心日記
    -
    江戸から京に配された東町奉行所の青年同心・大仏(おさらぎ)伝七郎は、かつて近藤勇や土方歳三と剣技を磨いた仲であった。新選組が尊王攘夷派を襲撃した池田屋事件からひと月後、池田屋で奉公していた若い女が刺殺された。伝七郎は手掛かりを求め、壬生(みぶ)の屯所に足を運んだ。そして歳三から一通の書状を見せられる……(「池田屋の虫」)。

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  • 天空の橋
    3.0
    精巧優美な粟田焼に取って代わり、清水焼を京焼で一番にする――焼物問屋の長左衛門は野望実現のため、粟田随一の陶工・喜助を引き抜き、十五歳の八十松を見習いに付ける。やがて清水焼の品質は向上し粟田焼と拮抗するが、喜助と腕を上げる八十松には激しい妬みが。また、長左衛門には決して口外できない暗い過去があったのだ。

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  • 太陽黒点
    -
    ある日、浅見隆司の平凡な人生は唐突に終わりを告げた。妻の不倫が発覚し、しかも相手は、高校時代に彼を目の敵のように虐待し続けた、八幡朱印社員の江木啓介だったのだ。そして、この八幡朱印こそ、かつて詐欺同然に父の財産を略奪し、そして死に追いやった怨敵なのだ! 忘れ去っていた怨念を目覚めさせ、巨悪に復讐すべく、全てを捨てさった浅見だったが、その背後には……。

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  • 西ひがし
    -
    三千代夫人はひとりベルギーに残った――。暗い時代を予感しながら暑熱と喧噪の東南アジアにさまよう詩人の終りのない旅。『どくろ杯』『ねむれ巴里』につづく自伝。

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  • 聖域 調査員・森山環
    3.6
    「産みたくない」と、突然言い出した妊婦。最近まで、生まれてくる子供との生活を楽しみにしていた彼女に、何があったのか……。その夫から相談を受けた調査員・森山環は動き出した。単なるマタニティ・ブルーではないと直感した環は、彼女に「隠蔽された過去」があることに気づいたのだが――。

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  • 女帝の歴史を裏返す
    3.5
    女帝とは、しょうがなくの中継ぎではなく、政治力・外交力にも長けた国の大黒柱だった――従来の男中心史観の常識を鮮やかに裏返して、歴史小説の第一人者がその実態を描き出す。推古天皇から後桜町天皇まで、古代から江戸に生きた八人の女帝たちを通観し、隠された権力者たちの素顔に迫る。

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  • 時代小説英雄列伝 柳生十兵衛
    -
    剣豪といえば柳生新陰流、そして柳生十兵衛。豪快なイメージと陰惨な影の同居する多面体のヒーローを剣豪作家五味康祐の筆が鮮かに描く。

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  • 時代小説英雄列伝 若さま侍
    4.0
    五大捕物帖の最後に控えし「若さま侍」は、姓名・身分一切不詳の名探偵。侍らしからぬ伝法口調で、ひとたび立てばどんな難事件もたちどころに解決!

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  • 時代小説英雄列伝 鞍馬天狗
    -
    時代小説の一時代を画したヒーローたち。その魅力をたっぷりと味わうアンソロジー。気鋭の文芸評論家、縄田一男の選、解説による文庫編下し第一弾。

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  • 口奢りて久し
    5.0
    「私が大食漢であるかどうかは知らないが、食べることに人一倍熱心で、年期の入っていることは確かであろう」──五十年間、一食たりともおろそかにせず、食事中も次の食事の事を考える。名著『食は広州に在り』から半世紀。世界中の美味を求めて歩き回った著者の、珠玉の食エッセイ。

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  • 公主帰還
    4.3
    北方の脅威・女真族の金国に皇帝らが連れ去られて十年。太平を貪る南宋の都に北から逃れ来た帝姫と名乗る美女があらわれた。主だった皇族は北に囚われたまま、現皇帝とは面識がなく、帝姫との確証がない。その見極めと隠れさた真相とは――? (表題作)。繁栄する中国宋代を舞台に描く佳作七編を収録。

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  • オケマン大都市交響詩 オーボエ吹きの見聞録
    4.5
    花の都のカツ丼を食べそこなったパリ、美しくも青くもないドナウを見たウィーン……。オーボエ奏者として訪れた全世界26都市での爆笑音楽スーパーエッセイ。〈音楽空想旅行〉では、想像の世界にまで飛躍した著者が、前代未聞のオーケストラ短篇小説に挑戦!

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  • おはん・風の音
    5.0
    妻と愛人、二人の女に惹かれる一人の男。人を愛することの悲しさと難しさ、そこに営まれる情痴の哀愁を美しい上方言葉で描く、昭和文学の古典的名作「おはん」に、女の献身的愛の極致を優艶な文体で浮き彫りにし、人生の深淵を覗き見る「風の音」を併録。

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  • あたしのこと憶えてる?
    4.0
    壊れかけた家庭のために毎週一本バラを買う私に、花屋のあるおは同じ話ばかりする。繰り返しに苛立ち、私は彼と抱き合ってしまう。その瞬間は確かなのに、翌日になると、あるおは私を覚えていない……ものを覚えられない青年への愛を描く表題作ほか、男女の性と対話を見つめた九篇。

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  • 「史記」再説 司馬遷の世界
    4.0
    中国前漢の時代、司馬遷は何を感じ、何を考えて、『史記』を書いていったのか。その生い立ちから、腐刑の屈辱と苦しみに耐え、『史記』の完成にいたるまでを、時代背景とともに辿る。司馬遷の実像に迫り得た名著。『史記――司馬遷の世界』加筆・改題

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  • 夏の海の色 ある生涯の七つの場所2
    -
    1巻683円 (税込)
    孤独な少年の日々に垣間見た〈生〉の光と闇。青年の「私」が目撃する様々な男女の愛と裏切りと死。フランス人女性との甘美な愛の生活――。独立した挿話が現代史のモザイクを形づくる連作第二集。

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  • 戦国を駆ける
    -
    あるじを七たび変えながら立身を続けた藤堂高虎、利害よりも友情を選び関ヶ原に散った大谷刑部、天下の動向を読み巨万の富を築きあげた今井宗久など、乱世を彩り消えていった武士や商人の姿を史料を駆使して追い、権謀術数の戦国時代の実相を浮き彫りにした十七篇。

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  • 空耳アワワ
    3.6
    喜喜怒楽楽、ときどき哀。オンナの現実胸に秘め、懲りないアガワが今日も行く! 読めば吹き出す痛快無比の「ごめんあそばせ」エッセイ。
  • トゲトゲの気持
    3.7
    襲いくる加齢現象を嘆き、世の不条理に物申し、女友達と笑って泣いて、時には深ーく自己反省。アガワの真実は女の本音。笑いジワ必至の痛快エッセイ。
  • 江戸の雷神
    4.3
    火付盗賊改役の伊香雷蔵は、常に捕物の先頭に立ち、町人に人気がある。その勇猛さで「江戸の雷神」と呼ばれる一方、斬り捨て御免の火盗改ながら、できるだけ賊を生け捕るのが信条という快男児だ。府内を騒がす辻斬り、押し込みに加え、その鮮やかな手並みで「匠小僧」と呼ばれる盗賊を追う雷蔵だったが――。痛快時代小説シリーズ、開幕!
  • 化学探偵Mr.キュリー3
    3.7
    1~10巻682~726円 (税込)
    体調不良を引き起こす呪いの藁人形、深夜の研究室に現れる不審なガスマスク男、食べた者が意識を失う魅惑の《毒》鍋。次々起こる事件を、Mr.キュリーこと沖野春彦と庶務課の七瀬舞衣が解き明かす――が、沖野の前に、かつて同じ研究室で学び、袂を分かった因縁のライバル・氷上が現れた。彼は舞衣に対し、沖野より早く事件を解決してやると宣言し!?
  • 化学探偵Mr.キュリー
    3.7
    1~10巻682~726円 (税込)
    構内に掘られた穴から見つかった化学式の暗号、教授の髪の毛が突然燃える人体発火、ホメオパシーでの画期的な癌治療、更にはクロロホルムを使った暴行など、大学で日々起こる不可思議な事件。この解決に一役かったのは、大学随一の秀才にして、化学オタク(?)沖野春彦准教授――通称Mr.キュリー。彼が解き明かす事件の真相とは……!?

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  • 新装版 七つの証言 刑事・鳴沢了外伝
    4.0
    海、今、藤田、そして高城――鳴沢了は彼らと再び事件に挑む! 堂場瞬一史上売上NO.1警察小説、シリーズ唯一の連作短篇。 警察を辞め私立探偵となった小野寺冴。閑古鳥が鳴く事務所に鳴沢了から、俳優の息子・勇樹のボディガードをしてほしいという依頼がくる。破格の報酬につられ引き受けるが……(「不変」より)。藤田、海、今、そして高城――仲間たちが見た「刑事として生まれた男」の真実とは?
  • 警視庁組対特捜K
    4.3
    1~6巻682~748円 (税込)
    成田の旧家育ちの東堂絆(20)は本庁・所轄の垣根を取り払うべく期待されて、警視庁組織犯罪対策部特別捜査隊所属となった。ガラの悪い組対刑事もいつの間にか仲間に引き込む、人を巻き込む天性の明るさを持つ絆の前に、非合法ドラック「ティアドロップ」のバイヤーが殺害される事件が発生。背後には底知れぬ闇社会の陰謀が!? 果たして絆は、無事事件を解決できるのか?
  • アクセス
    3.3
    親友の自殺は自分のせい。悲しみに暮れる可奈子の携帯が着信した。悪意に満ちた声が言う、「お前が殺したんだよ」と――。すべての始まりは、誰かを勧誘すれば無料となるプロバイダ「2mb.net」。登録した高校生たちに襲いかかる殺人の連鎖。仮想現実を支配する「極限の悪意」を相手に、生き残りを賭けた壮絶な戦いが始まった!

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