小説 - 双葉文庫作品一覧

  • ほろよい読書
    4.0
    今日も一日よく頑張った自分に、ごほうびの一杯を。酒好きな伯母の秘密をさぐる姪っ子、自宅での果実酒作りにはまる四十路のキャリアウーマン、実家の酒蔵を継ぐことに悩む一人娘、酒が原因で夫に出て行かれた妻、保育園の保護者達からオンライン飲み会に呼ばれたバーテンダー……。今をときめく5名の作家が「お酒」にまつわる人間ドラマを描いた、心うるおす短編小説集。
  • 見えない情事
    3.5
    刺激はないが穏やかな暮らしに幸せを感じていた夕起子と夫。結婚5年目にしてハネムーン以来となるリゾートホテルへの旅行に出かけた。そこである夫婦に声をかけられる。最初こそ友好的だったが、次第に夫の様子が明からにおかしくなり、二組の夫婦の間には不穏な空気が漂うようになる(表題作「見えない情事」)。デビューから4年半の間に執筆した、著者初の”幻想・怪奇・サスペンス短編集”。装いも新たに復刊!
  • やさしい夜の殺意
    -
    両親と喧嘩をして実家を出た久美。身を寄せたのは13年間疎遠だった兄の家だった。彼は郊外の瀟洒な一軒家に、やや翳りのある物静かな雰囲気の美しい妻と暮らしていた。兄夫婦との居心地のよい生活がつづいていたが、底知れぬ不幸は音もなく近づいてくるのであった(『やさしい夜の殺意』)。予測不能のサスペンス短編集!
  • 十津川警部 南紀・陽光の下の死者
    -
    池袋警察署の伊熊刑事は管轄区域で起きた未亡人殺害事件を担当していたが、独断専行を指摘され非番を命じられた。南紀白浜に向かう途中、特急「くろしお19号」の車中で男と知り合うが、翌日、その男が殺される。この殺人事件と東京の事件が繫がり、十津川警部は南紀白浜へ向かった。
  • ほんともう勘弁してください
    5.0
    毎朝出社するたびに俺に「好きです」と告白してくる女子社員がいた。新卒同期の彼女の告白がはじまったのは入社二年目の夏。それから五年続いた告白はある日、終わった。彼女が突然亡くなったのだ。その後、俺は彼女が日記を書いた日に「飛ぶ」ことができることに気づき、ある決意をする。儚く切ない恋愛小説。
  • 悪徳刑事 闇捜査
    4.0
    渋谷南署生活安全課保安係所属の矢沢龍一は、悪党を挙げるためならば違法捜査も躊躇わない危ない刑事。邪魔をする奴はその弱みを見つけてとことん追い込む。そんな矢沢が今回、署長の西城から命じられたのは闇世界への潜入。矢沢は周到に準備を進め、深く静かに潜行する。
  • 十津川警部 ストーブ列車殺人事件
    -
    同人雑誌「北風」の世話人で、F賞を受賞し、有望新人と注目されていた菊地順二が、太宰治の生地の雪原で自殺した。一年後、井上昭は菊地と同じルートをたどった旅に出た。そこで、同人たちで立てた墓標に死にまつわる文字を発見。菊地の死の謎を解くには、自ら手記を書くことと考え「北国」に掲載した。それに応える形で、同人たちもそれぞれの思いを綴った手記を発表する。その頃、F賞の予選委員である文芸評論家の岡本裕三が殺害された。捜査に乗り出した十津川警部は……。
  • 悪徳刑事 ブラックディール
    4.0
    渋谷南署生活安全課防犯係所属の矢沢龍一は、捜査のためならば違法捜査も躊躇わない危ない刑事。邪魔をする奴はその弱みを見つけて恫喝する。そんな矢沢が今回目をつけたのは、特殊詐欺グループを率いる謎の男。闇に隠れ決して表に出てこない詐欺の帝王を引きずりだすため、いつもにまして危険な捜査がスパークする!
  • あなたのゼイ肉、落とします
    4.3
    ダイエットは運動と食事制限だけではない。大庭小萬里はマスコミには一切登場しない謎の女性だが、彼女の個別指導を受ければ、誰もが痩せられるという。どうやら、身体だけでなく「心のゼイ肉」を落とすことも大事なようだ……。身も心も軽くなる、読んで痩せるダイエット小説。
  • 夜行観覧車
    3.5
    高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。
  • よるのばけもの
    4.2
    夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいて――。280万部超の青春小説『君の膵臓をたべたい』の著者、住野よるの三作目が待望の文庫化!!
  • 負けるな、届け!
    4.2
    「社長があなたを嫌っているから」と、25年勤続にもかかわらずいきなりリストラされたかすみ。プライドはずたずた、崖っぷちに立たされたかすみが這い上がるきっかけは、東京マラソンの沿道で縁もゆかりもないランナーたちを応援する友人の姿だった――。独身アラフィフ、無口な夫との生活に飽き飽きしている専業主婦、社内で「客寄せパンダ」的にしか振る舞えない中堅女性社員。それぞれが「人を応援すること」を通し人生を見つめ直していく連作短篇集。読めば元気が出る、疲れた心に贈る栄養剤小説! ※本電子書籍は2016年2月に講談社より刊行された『アレー! 行け、ニッポンの女たち』を加筆修正して改題、文庫化したものです。
  • 啓火心 Fire’s Out
    3.3
    都内で、覚せい剤の密造所と見られる建物からの出火が連続していた。燃え痕からはなぜか、多量のペットボトルやメタンの成分が検出される。危険なはずの現場にどうしてそんなものが? 飯倉消防出張所に所属する若手消防士・大山雄大は密かに調査を開始する。だがそれが、六本木界隈の危険な奴らを刺激し、雄大は思わぬ危機に陥る――。大人気消防シリーズ第3弾
  • むかしむかしあるところに、死体がありました。
    3.8
    1~2巻704~814円 (税込)
    昔ばなしが、まさかのミステリに! 「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さまご存じの〈日本昔ばなし〉を、密室やアリバイ、ダイイングメッセージといったミステリのテーマで読み解いたまったく新しいミステリ。「え! なんでこうなるの?」「なんと、この人が……」と驚き連続の5編を収録。数々の年間ミステリにランクイン&本屋大賞ノミネートを果たした話題作、待望の文庫化。
  • パパの愛した悪女 <新装版>
    -
    男と心中すると手紙を残して失踪した母。二年後、十六歳の香織は父の恋人を紹介されるが、その場で偶然に母の心中相手とされる山岸の息子と出会い、山岸が一億円横領容疑で警察に追われていたことを知る。その日から香織の周囲に不穏な空気が漂い始める。女子高生が絡まりあう謎に奮闘する長編サスペンス。
  • エースの遺言
    3.7
    悪夢の甲子園決勝再試合から25年。連投で限界を迎えたエースを登板させて炎上した元監督が辿り着いたマウンドの真実とは何か!? 大エースの苦悩と執念、監督の葛藤と不運――秘められた球児の思いと結末は感涙必至! 人間の真実を描き、予想もつかない真相が待ち受ける珠玉の短篇集。第38回小説推理新人賞を受賞した表題作を含む4篇を収録。
  • 彼方のアイドル
    3.0
    妊娠した。お腹にいる子どもへの愛とつわりへの憎しみを両立させてほしい/「理想のいれもの」。顔の大きなホクロ、ついにコンプレックスから解放される日が来た/「君の線、僕の点」。中学生の息子に髭、母親の頭にはいつしか白いものが/「彼方のアイドル」。誰の身にも起こりうる身体の変化、そこから立ち上がる新たな景色とは――。各話に託されたポジティブなメッセージが、胸に心地よく響く五編。 解説・瀧井朝世 ※本作品は2019年5月に小社より刊行された『魔法がとけたあとも』を文庫化に際し改題したものです。
  • 彼女が花に還るまで
    4.0
    1巻704円 (税込)
    大学生の谷村温人は、ある日、同じ大学に通う学生で、どこか花のような儚さを思わせる花守木綿子と出逢う。一緒に花見をしたり、ナノハナ畑を見に行ったりと、様々な出来事を経験し、その優しい人柄に触れていくうち、徐々に木綿子に惹かれていく温人。しかし、木綿子には人に言うことができないある秘密があった——。切なくも温かく、そしてなにより美しい、唯一無二の愛を描いた落涙必死の感動作!
  • 読心刑事・神尾瑠美
    3.7
    1巻704円 (税込)
    驚異の凶悪事件検挙率を誇るR県警捜査一課。その秘密は若き美人刑事にあった――。神尾瑠美は「人の心が読めちゃう」テレパス能力者。その能力で殺人犯の心を全部読み取り、次々と逮捕していく。瑠美の前では証拠隠滅も黙秘も嘘も通じないのだが、ひと筋縄でいかない難事件が起きてしまう。型破りの連作警察小説。
  • 早房希美の謎解き急行
    3.4
    大手私鉄・武州急行電鉄に勤める早房希美のもとに、社内の各部署からトラブルが持ち込まれる。踏切の障害物検知装置が謎の誤作動を繰り返したり、駅員に階段で突き落とされたと乗客から訴えられたり――名刑事だった祖父の知恵を借りながら、鉄道の安全と乗客の生活を守るため、希美は奔走する! 鉄道ミステリー短編集。
  • 夜警 <新装版>
    -
    巨大な複合施設〈Kヒルズ〉の夜警である栄田雄一郎は、深夜の巡回中にまるで幽霊のような少女と出会う。少女はヒルズ内の住居で行われている殺人計画の現場に栄田を連れてゆく。その後、栄田と関わる人間たちが次々と不可解な死を迎えるが、いずれも少女が関わっていた。震撼の長編ホラーサスペンスの新装版。
  • 歴史はバーで作られる
    3.0
    新進気鋭の歴史学者と史学科の学生がふと入った場末のバー。そこには美人バーテンダーと歴史学者を称する老人の常連客が。4人で歴史談義に花を咲かせているうち、歴史の通説ではありえない珍説・奇説が飛び出し、バーは歴史推理合戦の場へと変貌する。ネアンデルタール人から源義経、八百屋お七まで。歴史の常識を覆す推理合戦が繰り広げられていく連作短編。
  • 十津川警部 「子守唄殺人事件」
    -
    銀座のクラブのママが殺された。死体の口にはおしゃぶりが、胸には子供をあやすでんでん太鼓が置かれていた。さらに演歌歌手が殺され、この死体の口にもおしゃぶりがあり、胸にはこけしが置かれていた。奇妙な遺留品は、日本各地の子守唄を暗示していることに注目した十津川警部が、連続殺人の謎を追う!
  • 紙のピアノ
    4.5
    あの人に響け、ありったけの想い――。貧しさゆえイジメに遭っていた白石ほのかは、町のピアノ教師・二ノ宮に助けられた。ほのかの音楽的才能を見抜いた二ノ宮は、献身的にピアノを教えこむ。音大に入ったほのかは、プロのピアニストを目指すため、コンクールに挑むことを決意する。奏でられる奇跡のメロディに感涙必至のミュージックストーリー!
  • きらきら眼鏡
    4.4
    最後の1ページまで切ない――人生の岐路に立つ若者の、ひたむきな恋と決断の物語。愛猫を亡くしたばかりの立花明海は古本屋で自己啓発本を買った。中には「大滝あかね」と書かれた名刺が挟まっていて、自分がもっとも心を打たれたフレーズには傍線が。明海は思い切ってあかねにメールしてみるが……。2018年9月映画公開。
  • 鬼人幻燈抄 : 1 葛野編 水泡の日々
    3.9
    1~7巻693~770円 (税込)
    江戸時代、山間の集落葛野には「いつきひめ」と呼ばれる巫女がいた。よそ者ながら巫女の護衛役を務める青年・甚太は、討伐に赴いた森で、遥か未来を語る不思議な鬼に出会う――江戸から平成へ。刀を振るう意味を問い続けながら途方もない時間を旅する鬼人を描いた、和風ファンタジー巨編の第1巻。デビュー作にして絶賛の嵐だった話題作が、早くも文庫化!
  • 今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
    3.9
    1~2巻693円 (税込)
    住宅地の奥でひっそりと営業している、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。この喫茶店には、がんばっている毎日からちょっとばかり逃げ出したくなったお客さんが、ふらりと訪れる。SNSで発信される〈ていねいな暮らし〉に振り回されたり、仕事をひとりで抱え込み体調を崩したり……。目まぐるしく変わる世の中で疲れた体と強ばった心を、店主そろりの美味しい料理が優しくほぐします。今宵も「あなたの悩みに効くメニュー」をご用意してお待ちしております。心がくつろぐ連作短編集、開店。
  • 大正浪漫 YOASOBI『大正浪漫』原作小説
    4.2
    1巻693円 (税込)
    時翔のもとに届いた不思議な手紙。大正時代を生きる千代子が書いたものらしい。思いがけず始まった“文通”で距離を縮めるふたりだったが――令和と大正、時を超えた恋の行方は? 「小説を音楽にするユニット」YOASOBIが楽曲化した、「夜遊びコンテストvol.2」大賞受賞作!
  • 夜に駆ける YOASOBI小説集
    3.8
    「さよなら」というメッセージを受け取って駆けつけると、彼女はマンションの屋上、フェンスの外に立っていた。出会った瞬間に一目ぼれした僕は、死神が呼んでいると語る彼女を引きとめようとするが――。(「タナトスの誘惑」)「小説を音楽にするユニット」YOASOBIの楽曲『夜に駆ける』『あの夢をなぞって』『たぶん』『アンコール』『ハルジオン』の原作小説を収録!
  • 旋律 君と出逢えた奇跡
    4.2
    一人娘とともに、専業主婦として平凡な日々を過ごす西沢円香。唯一の楽しみは、毎朝、端正な顔立ちの高校生とすれ違うことだった。ある日、偶然、気になっていた高校生の広瀬楓と言葉を交わすようになる円香。そして毎週水曜日、お互いに英語とピアノを教え合う約束をする。そんな日常に些細な幸せを感じていた円香だが、夫の裏切りを知ったことで、すべてが狂い始めて、そして何かが動き出す――。『京都寺町三条のホームズ』の望月麻衣が贈る、眩しく狂おしい純愛小説!
  • 犬棒日記
    3.5
    犬も歩けば棒にあたる――。その故事のごとく、一歩外に出てみれば、そこにあるのは幸運か災難か!? 巧みな人物造形と心理描写で多くの読者から支持される著者が、街で見た人物や光景を日記形式で描く人間観察記。あなたの身近の風景も、著者の手にかかれば、一瞬にして物語になる!
  • 踊る彼女のシルエット
    3.5
    義母が営む喫茶店を手伝う佐知子と芸能事務所でマネージャーをする実花。出会ってから十六年。趣味にも仕事にも情熱的な実花は、佐知子の自慢の親友だった。だが、実花が生み育てたアイドルグループが恋愛スキャンダルで解散に追い込まれたのをきっかけに、彼女は突然“婚活"を始める。「私には時間がないの」と焦る実花に、佐知子は打ち明けられないことがあり……。幸せを願っているのに、すれ違ってしまう二人が選ぶあしたとは。揺れうごく女の友情を描く長編小説。『デートクレンジング』改題。
  • あやかしよろず相談承ります
    3.0
    女子高生の日向万梨音は、幼い頃のトラウマが原因で極度の人見知りになり、学校生活にもなかなかなじめない。そんな折、唯一、心を許している友人の瑠依から、自身が患う〝病気〟に関して衝撃の告白を受ける。瑠依は病気の原因を探るため、ある場所へ一緒に行ってくれるよう万梨音に頼み込む。そうして、二人が訪れたのは「魔法道具店」。勇気を振り絞って中に入ると、そこにいたのは美魔女と目を見張るようなイケメン――この人たちって、やっぱりあやかし!?
  • 始まりはジ・エンド
    3.4
    技巧派で知られる著者がその才をいかんなく発揮した、トリッキーでミステリアスなオリジナル短編集。人生には始まりがあって終わりがある。そして「終わりがあるから始まる」ことがある。『絶縁』『永久に』『引き際』『余命』『陰のコレクター』『彼女のステージ』『死ぬまでにしてほしい五つのこと』の珠玉の7編。
  • 遥かに届くきみの聲
    3.3
    かつて天才子役と謳われた小宮透は、子役だった過去を隠して高校生活を送っている。しかし偶然にも、同級生の沢本遥は子役時代の透が朗読に励んでいたことを知っていた。遥は自分が所属する朗読部へ入部するようしつこく勧誘するが、透は拒み続ける。なぜなら、今の透には決して人前で声を出せない理由があった――。 第1回双葉文庫ルーキー大賞受賞作!!
  • 境遇
    3.3
    デビュー作の絵本『あおぞらリボン』がベストセラーとなった陽子と、新聞記者の晴美は親友同士。 共に幼いころ親に捨てられ児童養護施設で育った過去を持つ。 ある日、「真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。 「真実」とは一体何なのか。そして犯人は……。巻末に絵本『あおぞらリボン』(文・みなとかなえ 絵・すやまゆうか)を収録。
  • Nのために
    4.0
    超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは、20代の4人の男女。それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。なぜ夫妻は死んだのか? それぞれが想いを寄せるNとは誰なのか? 切なさに満ちた、著者初の純愛ミステリー。
  • 二階の沈黙 <新装版>
    4.0
    団地のベランダから落ちそうになった西沢芳恵の一人息子を救った佐原。いかにも善良そうで魅力的な男だった。西沢夫婦は彼に好意を持ち、就職の世話をする。しかし、経理係の女性の自殺、近所の家庭が崩壊、と事件が起こる。日常に迫る惨劇を描くミステリー。
  • サンライズ・サンセット
    -
    亡き夫との思い出の地、ニューヨークで白タクに乗った田舎者の老女に、運転手は高値を吹っかけようとするが/「ホワイト・キャブ」。街なかで拾ったカモを池に戻すため、少年たちが小さな冒険に出発する/「C・P・D」。絶品六編を収録。時代小説の名手が肌で感じた現代NYの街の匂いや人情が、鮮やかに伝わる短編集。
  • 十津川警部 篠ノ井線・姨捨駅 スイッチバックで殺せ
    -
    新宿西口バス爆破事件に巻き込まれた作家志望の北村悟は、思いがけないことから大金を手にした。それを機に、長編小説を完成させるために長野へ取材旅行に赴いた。そこで出版社を経営する親娘から意外な申し出を受け、ますます意欲的に作品の完成を目指すが、そこには、数奇な運命にもてあそばれる人々が……。
  • ときどき旅に出るカフェ
    4.2
    氷野照明に勤める奈良瑛子が近所で見つけたのは、カフェ・ルーズという小さな喫茶店。そこを一人で切り盛りしているのは、かつての同僚・葛井円だった。海外の珍しいメニューを提供する素敵な空間をすっかり気に入った瑛子は足しげく通うように。会社で起こる小さな事件、日々の生活の中でもやもやすること、そして店主の円の秘密――世界の食べ物たちが解決のカギとなっていく。読めば心も満たされる“おいしい”連作短編集。
  • 劇団42歳♂
    3.5
    大学で劇団仲間だった5人の男たち。卒業後20年が経ち、今は異なる道を歩む彼らだが、一日限りの「オセロー」公演に向けて劇団を再結成した。だが個々の事情もあり、稽古は思うようにいかない。そのうち一人は姿をくらましてしまい……。果たして、無事に幕は上がるのか? そして、芝居の内容と絡みあう彼らの現実問題、その行く末は──? ややこしいから愛おしい、中年男子の「友情」を描いた連作短編集。 解説・北村紗衣
  • 昔はおれと同い年だった田中さんとの友情
    4.4
    小6の拓人、忍、宇太佳はスケボーが大好きな仲良し三人組。新たに見つけた格好のスケボー練習場所で出会ったのが神社の管理人、田中さんだ。その日から、11歳と85歳の交流が始まった。いつも穏やかに話を聞いてくれる「マジで菩薩レベル」の優しい田中さん。だが田中さんは拓人たちと同じ11歳の頃、家族も家も失っていた。それを知った三人組は、ある行動を起こす――。第69回小学館児童出版文化賞受賞作。 解説・森絵都
  • 4ページミステリー 震える黒
    3.0
    傑作ショートショートミステリー集「4ページミステリー」の第三弾!書き下ろしを含む61編を収録。
  • 悪夢に架ける橋
    -
    団地に暮らす専業主婦・浩枝は、現実と見まがうような「人が死ぬ悪夢」にうなされていた。ある晩、夢で見た殺害現場が現実のものと分かり、自分に不思議な力があることに気づく。浩枝だけが知っている事件の真相を伝えるべく同窓生の刑事・片岡と連絡をとるが、同時に平穏な生活に影が射しはじめる。ノンストップサスペンス。
  • 長崎眼鏡橋 カフェよりどころ
    3.0
    1巻682円 (税込)
    長崎でOLをしている丸川頼子は、眼鏡橋そばで居酒屋を開いていた父親が亡くなり、お店を継ごうと決意するが、母親に反対されてしまう。そんな折、店の前で行き倒れになっている謎の男を発見した頼子は、男に食事をふるまう。すると、コータと名乗るその男は「君の料理に胃袋を掴まれた。もう一度、ここで店をやろう!」と、いきなり宣言してきて……。長崎の名物グルメてんこ盛りの、読めばお腹が空いてくる食べ物小説。
  • 今宵はジビエを召し上がれ 函館のフレンチシェフは謎解きがお好き
    3.3
    北海道の函館にたたずむ、ジビエフレンチレストラン『フォレアンシャン』。女子大生の小桧葉陽葵は、ひょんなことからこの店のオーナーである御世野景悟と出会い、アルバイトをすることになる。食材にこだわり、自分で狩りまでするほどの料理オタクの景悟だが、同時に『謎』にも目がない。陽葵は景悟とともに、店に来た客においしい料理と『謎解き』を提供することになり――。
  • 前略、旅の途中です。
    3.7
    世の中には勝者もいれば敗者もいる。だけど、その勝ち負けは誰が決めるんだ? ――高校を卒業後、小さな鉄筋加工工場でアルバイトをはじめた俺。超ベテランの爺さんと組むが、その手は…「鉄の手」、建築現場で働く労働者との出会いで俺が決めたのは…「ヨンパチ」、地元の裸祭に参加しようか悩む俺…「フンドシ・トランス」など、勝ち馬に乗れない“俺”たちを描いた連作短編集。ひとつひとつの短編がかすかに繫がり、すべてを読んだ後に見えてくる景色に、心も体も躍り出す。 この作品は、二〇一二年に幻冬舎より刊行された『傍らの人』に訂正を加えて再編集をしたものです。文庫化にあたり、改題をしました。
  • 少年たちのおだやかな日々 〈新装版〉
    4.0
    こんな時、どうしますか?同級生の母親の不倫現場を目撃してしまったら?姉の婚約者が、ある犯罪の常習者だったら……。ある少年が遭遇する7つの出来事は、驚異のどんでん返し7連発。 1999年8月に文庫刊行以来、2度目の新装版。
  • 贖罪
    4.0
    15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。娘を喪った母親は彼女たちに言った――あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。十字架を背負わされたまま成長した四人に降りかかる、悲劇の連鎖の結末は!?
  • 少女
    4.0
    親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く――死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。
  • 告白
    4.6
    「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー。
  • 唐沢家の四本の百合
    3.5
    唐沢慎介の三人の息子たちの嫁と、慎介の後妻の車椅子の美しい連れ子。四人の女性は雪に閉ざされた慎介の別荘で彼の到着を待っていた。そこに不吉な速達が届く。これまで他人同士だが仲良く幸せに暮らしていた彼女たちが、突然、恐怖のどん底に突き落とされる。美しい文章と卓越した心理描写で綴る極上の長篇心理サスペンス!
  • ツツヌケ
    4.0
    辻井未来は、小学2年生の娘・茉優と二人暮らし。モラハラ夫と離婚し、介護センターに勤めて派遣のヘルパーをしている。あるとき、ひとり暮らしの介護利用者の家に、夜中、何者かが侵入するという問題が起きた。同僚ヘルパーのイケメン、晴馬が暗視カメラを置いてみることを提案。スマホにつなげ、ほどなく犯人は判明したが、最先端のAI機器の便利さに触れた未来は、一人で家にいることが多い茉優を心配して、自宅にもAIスピーカーと連動するカメラを導入した。しかし、後日、家に帰ると茉優の姿が消えていた――。現代に潜む、思いがけぬ危険を炙り出すサスペンス、文庫書き下ろしで登場!
  • 夏を拾いに
    3.7
    1巻671円 (税込)
    「お父さんが小学生のときはな……」父が息子に誇りたい、昭和46年のひと夏――小五の文弘は、祖父から町に不発弾が埋まっている話を聞く。様々な家庭の事情を抱えた仲間四人で、不発弾探しを始めるが。「家族の言い訳」シリーズをヒットさせた著者が描く、懐かしく爽やかな青春小説。
  • ケモノの城
    4.0
    17歳の少女が自ら警察に保護を求めてきた。その背景を探る刑事に鑑識から報告が入る。少女が生活していたマンションの浴室から、大量の血痕が見つかったのだった。やがて、同じ部屋で暮らしていた女も警察に保護される。2人は事情聴取に応じるが、その内容は食い違う。――圧倒的な描写力で描く事件は、小説でしか説明する術をもたない。単行本刊行時に大反響を呼んだ、著者の新しいステージを告げる問題作にして衝撃作がいよいよ文庫に!
  • 劇薬
    3.3
    小田切可憐は毎日家事を終えると「デル・エア」へ向かう。かつて婚約者を亡くした喪失感を埋めてくれるのが、このパチンコホールでの本名すら知らない女性達との人間関係と大当たりの時の高揚感だった。しかし、その仲間の一人が自殺を遂げる。その後、元婚約者にそっくりな男が現れ――。次々と明らかになる、嘘と虚飾に満ちた人間関係の真実と絡み合った欲望。「楽園」を追い求め、彷徨う女性達を息詰まる筆致で描いた傑作長編。
  • 風紋 上 新装版
    3.9
    1~2巻671~759円 (税込)
    ある殺人事件をめぐる家族の物語――。事件後、報道によって明らかになる被害者の姿。それは、近しい人間を殺され、ただでさえ苦しい残された家族をさらに追い詰める。またそれは、加害者側にもいえることだった。真に迫る緻密な心理描写で他の追随を許さない著書の、後世に語り継がれるべき傑作が装いを新たに登場。読みだしたら最後、読み手の心を放さない。
  • 夢巻
    3.6
    久しぶりに再会した古い友人に連れられて入ったのは、とあるシガーバー。店員に渡された葉巻を口にすると、子どもの頃の光景が鮮やかによみがえった。この不思議な葉巻を、友人は「夢巻」というのだが――(表題作)。現代ショートショートの旗手による大注目デビュー作。幻想的だったり、シュールだったり、ナンセンスだったり。1話5分で楽しめる、夢と驚きに満ちた世界がここに!
  • 野原ひろしの名言 「クレヨンしんちゃん」に学ぶ幸せの作り方
    -
    「家族だから幸せなわけじゃない。野原家だから幸せなんだ! 」「しんのすけのいない世界に未練なんてあるか!?」などなど、ご存じ『クレヨンしんちゃん』の父ちゃん・野原ひろしの名セリフを映画、TVアニメ、原作コミックから集大成。当たり前のことを毎日続けるってすごい! 等身大の父親・野原ひろしによる珠玉の名言集。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 小説 星守る犬<新装版>
    4.1
    道ばたでないていた子犬の「ぼく」を、みくちゃんって女の子が拾ってくれた。ぼくの新しい生活がはじまった。みんな一緒の楽しいくらしは、ずっと続くと思ってた。でも、家族はだんだん離ればなれになって、ぼくは一人取りのこされたおとうさんと「旅」に出ることになったんだ――日本中が涙した大ヒットコミック、その感動が小説になって蘇る!
  • 夜は不思議などうぶつえん
    3.6
    1巻660円 (税込)
    動物園でアルバイトをする飛鳥は、急な代理で夜間見回りを頼まれ、一緒に夜勤当番をする職員の不破の秘密を知る。なんと、不破は動物と「入れ替わる」ことができる特殊な体質だった。ライオン、キリン、サイ、フラミンゴ……不破の体を借りて檻の外に出た動物たちと、夜ごと愉快な時間を過ごすうちに、飛鳥は諦めていた夢を思い出す。しかし、老朽化による動物園の閉鎖が半年後に迫っていて――。楽しい動物たちとの交流と、人間の再生する姿を描いた、温かく不思議な夜の物語。
  • サラリーマン芸人。
    3.7
    1巻660円 (税込)
    中野界隈で夜な夜な飲んだくれているだけの芸人集団「竜兵会」。しかし、そのメンバーは土田晃之、有吉弘行、劇団ひとり等、いまのバラエティ番組には欠かせない売れっ子ばかりである。実は竜兵会は単なる飲み会ではなく、サラリーマン諸氏の行なうノミニケーションと経営戦略会議を兼ねた場だったのだ! 大人気トークバラエティ『アメトーーク!』でもたびたび取り上げられる、不況を生き抜くためのバカイイ話満載、サラリーマンなら必読の一冊!
  • あやつられ文楽鑑賞
    4.0
    あなたは、人形浄瑠璃・文楽を知っていますか? え、知らない? 大丈夫、ぜったい退屈しない仕掛けが満載! ほお、ご存じですか。でもちょっと待った。あなたの知らなかったことが、こっそりと書かれています。ーー若き直木賞作家が、いかにして“文楽くん”に恋をし、はまっていったのか。文楽の真髄に迫るべく資料を読み、落語を聞き、突撃インタビューを敢行する愛と笑いに溢れたエッセイ。小説『仏果を得ず』と合わせて読むと、おもしろさ10倍増!
  • 仏果を得ず
    4.1
    高校の修学旅行で人形浄瑠璃・文楽を観劇した健は、義太夫を語る大夫のエネルギーに圧倒されその虜(とりこ)になる。以来、義太夫を極(きわ)めるため、傍からはバカに見えるほどの情熱を傾ける中、ある女性に恋をする。芸か恋か。悩む健は、人を愛することで義太夫の肝(きも)をつかんでいくーー。若手大夫の成長を描く青春小説の傑作。直木賞作家が、愛をこめて語ります。
  • 無垢の傷痕 本所署〈白と黒〉の事件簿
    3.6
    本所署刑事課に所属する黒星達成。刑事にあるまじき名ゆえに超ネガティブ思考の彼が新たに組まされたのは、元看護師という変わった経歴をもつ白石雪乃巡査長。艶やかな黒髪に白い肌、おっとりした外見とは裏腹に前職で培われた観察力から、事件現場や被害者に遺された「傷痕」を決して見逃さない。東京の下町を舞台に、異色のコンビが活躍する“本格”警察ミステリ。
  • 元カレの猫を、預かりまして。
    4.0
    1巻660円 (税込)
    仕事にお疲れな34歳独身OL・まさきのもとに、突然元カレからの電話が。「しばらく預かって欲しい」と頼まれたのは、ふてぶてしい一匹の雄猫だった。猫は「しばらく面倒みたってや」と関西弁を喋りだし、まさきに対して人間顔負けの恋愛指南をはじめて…!? 恋に不器用な女性とわがまま猫が繰り広げる、もふもふラブコメディ。
  • 哀愁しんでれら もう一人のシンデレラ
    3.3
    ただ幸せになりたかったはずだった――市役所の児童福祉課で働く咲良は、8歳の娘・カオリを男手ひとつで育てる開業医の孝太と出逢い、結婚。誰もが羨む幸せな家庭を手に入れた。しかし、「理想の家庭をつくる」という咲良の願望は知らぬ間に自身を追い詰め、次第に家族の歯車を狂わせていく……。 土屋太鳳、田中圭出演で2021年2月公開の話題映画を、『暗黒女子』の原作者・秋吉理香子が小説化!
  • 刑事の灯
    3.3
    新進気鋭、豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。男の遺体に残された謎の傷痕とは……「星の傷痕」(麻見和史)。新人の女刑事を助ける不思議な派出所……「道案内 警視庁捜査一課・小野瀬遙の黄昏事件簿」(沢村鐵)。犯人の心が読めちゃう美人刑事の登場……「読心刑事・神尾瑠美」(藤崎翔)。首相夫人腹上死事件に公安刑事2人が挑む……「ファーストレディの黒子」(吉川英梨)。傑作4編を収録!
  • 背中、押してやろうか?
    4.0
    連続する同級生の死は、事故なのか自殺なのか!? 親友の不登校、そして突然始まった「ぼく」へのいじめ。いったいこの中学校でなにが起こっているのか?小説推理新人賞作家が、みずみずしい筆致で描く青春ミステリー。
  • 本日もセンチメンタル<新装版>
    -
    成屋詩織、十七歳はひと一倍感激屋の女子高生。そんな詩織がデートの最中、強盗事件に巻き込まれ、おさな妻・啓子と赤ん坊の二人を引き取ることになってしまった。ところが、その母子が次々と成屋家から蒸発。しかも啓子は暴力団の娘だったから大騒動!! 長編ユーモア・ミステリー。
  • スパイは楽園に戯れる
    -
    突然、目の前に現れた見知らぬ男は少年に言った。「世の中のためになる人間――誰かの役に立つ人間になれ。大切なのは何のためにそれが必要か、ということだ」と。そして月日が流れ、少年は政治家になった。情報分析員の葉山隆は、HUMINTとして、ある男の調査を始める。真実に近づくことは、前途有望な若き政治家の人生を翻弄することにもなるとも知らず……。大藪春彦賞受賞作家が放つ、本格スパイ小説!
  • 行方
    3.8
    公園から忽然と姿を消した三歳の琴美。両親は必死に捜すが、一向に見つからない。――22年後。自堕落な生活を送る幸子のもとに、一通の手紙が届く。差出人は、消息不明の妹を捜し続けている男だった。同じ頃、浜名湖畔で楓は父親の誠司とペンションを営んでいた。ある日を境に、誠司に対して不信感を抱く楓。父は何か秘密を抱えて生きているのではないか。交わるはずのなかった人生が交錯したとき、浮かびあがる真実。切ない想いが胸を満たす長編ミステリー。
  • 拳に聞け!
    3.9
    芸人になることを諦めた池上省吾は、便利屋でアルバイトをしていた。ある日、古びたボクシングジムの前で佇む女性を見かける。聞くと、ジムに立ち退きを迫っているらしい。一枚かんで金儲けをしようとジムに通うようになる省吾だが、そこでひとりの若いボクサーと出会い、ボクシングに魅力を感じ始める。やがて省吾自身の中であることが……。『罪の声』の著者が、綿密な取材を重ねて描いた意欲作。息を詰めるボクシングシーンや人物の深い心理描写はまさに圧巻!
  • 呪い殺しの村
    3.5
    東北の寒村・不亡村に、古くから伝わる「三つの奇跡」。調査に訪れた探偵の海老原浩一は、術を操る糸瀬家に翻弄される。一方、「奇跡」と同時刻に、東京で不可解な連続殺人が発生。警視庁捜査一課の鴻上心が捜査にあたる。被害者には不亡村との繋がりがあった。海老原は鴻上とともに、怨念渦巻く村の歴史と謎の解明に挑むのだが……。
  • 義経暗殺
    4.8
    1189年、兄頼朝に追い詰められ、平泉に逃げ込んだ義経。頼朝の圧力を受けて、奥州藤原氏・泰衡が衣川で義経を討ち取ったというのが歴史の定説である――しかし、この物語は通説を覆し、義経が妻子とともに自害したところから始まる。ただ、自害とするには現場の状況、義経の心理面などを洞察すれば不自然なことも多い……この謎に「吾妻鏡」に驚異の博覧強記としてその名が上がる、“頭脳の人”清原実俊が挑む。中級の文官である実俊だが、たとえ泰衡相手でも、強気の姿勢を崩さない豪放な性格である。それを苦心して諫めているのが従者の葛丸(男装しているが、実は女性)。泰衡、頼朝の刺客、弁慶、藤原一族。実俊がさまざまな“容疑者”を調べ、推理していく、傑作歴史ミステリー小説。
  • セブン殺人事件
    3.3
    新宿淀橋署の宮本刑事部長と、本庁から来た佐々木警部補。年齢も容姿も経歴も好対照の2人は、その名前から「宮本武蔵と佐々木小次郎」にたとえられるライバル同士だ。そんな異色の凸凹コンビが7つの難事件に挑む。どんなときも、2人の推理は真っ向から対立、はたして正しいのはどちらか?息もつかせぬ展開、綿密なトリック、思いもよらない結末と、推理小説の神髄が味わえる7編を収録。
  • 蒼い月 死神と朝食を
    3.5
    外国人VIPの警護を任された駆け出しボディガードの愛。美術商だという容姿端麗なVIPを護衛するなか、彼女に警告の電話がかかってくる。「その男は死神だ」と。その言葉を裏付けるかのように、関係者の死や、何者かの突然の襲撃に遭う。愛はVIPを護ることができるのか!? ※この作品は2012年9月、単行本刊行された『死神は恋を連れてやってきた』を改題しました。
  • ツリー 上
    -
    ある新人賞に驚異的な小説が応募された。書評家の私は、編集者から頼まれて、連絡のつかない作者・風森大樹を捜すことになった。本籍地の青森に行くも、杳(ルビ・よう)として行方が知れない。地元で聞くには、風森には子どもの頃から特殊な能力があったという。手伝いをしてくれた若者が不審な死を遂げ、事態は急転する――。サスペンス、スリラー、怪奇。著者の面白さが見事に詰まった、スリリングな傑作が文庫で登場!
  • JR周遊殺人事件
    -
    根室本線の厚岸駅を出発した快速ノサップ号が門静駅をすぎたあたりで脱線転覆した。一ヶ月後、まったく同じ脱線転覆事故が再び起こった。二人の運転士は、前方に強烈な閃光が走り、目が眩んで急ブレーキをかけたと話した。二度目の事故では、東京のルポライター杉浦重夫が死亡。JR北海道に脅迫状が届き、十津川警部が捜査に乗り出した。だが、浮上した容疑者には完璧なアリバイが……。
  • 晩鐘〈上〉 新装版
    4.3
    1~3巻660~671円 (税込)
    犯罪被害者の問題を真っ向から取り上げた衝撃作『風紋』。その7年後を描く。――母を殺された真裕子。新聞記者・建部。父が殺人者となった大輔。3人を中心に、それぞれに関わる人間の姿を余すことなく活写する。『風紋』に勝るとも劣らない心理描写に慟哭必至の大作。
  • 十津川警部捜査行 愛と幻影の谷川特急
    2.5
    晴海埠頭で人気作家の遺体が発見された。それに続き、鬼怒川温泉で作家の若い愛人の殺害遺体もみつかる。事件の捜査に当たった十津川は殺害された作家が小説誌に寄稿されたとされるミステリー小説のストーリーをなぞっていることに着目したが…。

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  • 十津川警部捜査行 愛と殺意の伊豆踊り子ライン
    2.5
    渋谷のマンションの一室でバスローブ姿の女性の絞殺死体が発見された。顔見知りの犯行という線で捜査が始まったが、同一犯の犯行と見られる新たな事件が発生し、捜査は行き詰まりを見せた。十津川警部の地道な捜査が続く……。

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  • #指令ゲーム
    4.0
    あなたの人生は本物ですか? 福山鞆広は大学卒業後も就職せずに、アルバイトを続けていた。そんなある日、大学の先輩だった城之内祥子から「起業するから幹部社員として参加してほしい」と連絡が入る。しかし条件があり、それは日常型エンターテイメントゲーム【指令ゲーム】のテストプレイをすることだった――。これはゲーム? 現実? 日常と非日常が交差するこのゲームに終わりはあるのか……。第6回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞の気鋭の作家によるサスペンスミステリー!
  • プラチナエイジ : 1
    -
    1~3巻649~726円 (税込)
    「まだまだ現役なのよ、わたしたち」。2015年放送の大人気昼ドラマを脚本家が自ら小説に! 今の60歳はこんなに元気! 家庭でも社会でも重要な役割を担って、遊びもまだまだ。恋愛だって!? プラチナの石言葉は【多感な心】。「シルバー世代」ではなく、これからは「プラチナエイジ」と呼ぼう! ――舞台は湘南。3組のアラ還夫婦のドラマチックな日常をそれぞれの妻の視点で描く、読みやすくて面白いコミカル長編。全3巻を連続刊行。エピソードてんこ盛り、リアリティ抜群、息も継がせぬ展開で一気読み必至!
  • 海色の壜
    3.7
    初老のマスターが営むその小さなバーには、酒の種類がひとつしかないという。出されたグラスの美しさに驚いていると、マスターは酒の名前を告げた。口に含んだとたん、目の前に海の景色が広がって――(「海酒」)。不思議なのに懐かしさを感じさせる、現代ショートショートの傑作集。1話5分で楽しめる、夢と驚きに満ちた世界がここに!
  • 十三階の女
    3.9
    圧巻のスパイサスペンス、待望の文庫化。「十三階」シリーズ第1弾の登場! 警察庁の公安秘密組織『十三階』。この組織は国家の異分子を排除すためには、ときに非合法な捜査も厭わない。若き刑事・黒江律子は北陸新幹線爆破テロを起こした『名もなき戦士団』を殲滅するため、女を使ってまで捜査にまい進する。接触したテロリストを愛してしまったかもしれない――捜査の過程で悩み苦しむ律子は首謀者「スノウ・ホワイト」を逮捕できるのか!?
  • 警視庁公安0課 カミカゼ
    3.9
    1~4巻638~814円 (税込)
    過激思想が疑われる市民団体〈パグ〉を内偵中の公安0課作業班員・藪野と友岡は東雲の武器密造工場に侵入。激しい銃撃戦の末、二人とも行方不明になる。事態を重く見た警視庁上層部は新たな作業班員の投入に着手。「刑事の匂いがしない者」として浮上したのは三鷹で交番勤務する瀧川。少年課への異動を望む瀧川に仕掛けられる罠。やがて壮絶な公安教育を経て作業班員となった瀧川は、いきなりパグの潜入を命じられる。週刊大衆連載で話題沸騰のハードアクション、ついに登場!
  • ル・ジタン<新装版>
    -
    女性歌手撮影のため、カメラマンは日本からパリまで同道した。会心の一枚が撮れたと確信した直後、目の不自由なストリートミュージシャンがギターを強奪される。ギターを取り返してくれと懇願され困惑するカメラマン。ギターを奪ったのはネオ・ナチどもだった――。表題作「ル・ジタン」を含む珠玉のミステリー短編集
  • 幹事のアッコちゃん
    4.0
    アッコさん節、次々とサク裂! 妙に冷めている男性新入社員に、忘年会プロデュースの極意を…(「幹事のアッコちゃん」)。敵意をもつ取材記者に、前向きに仕事に取り組む姿を見せ…(「アンチ・アッコちゃん」)。時間の使い方が下手な“永遠の部下”澤田三智子を、平日の習い事に強制参加させて…(「ケイコのアッコちゃん」)。そしてアッコ女史にも一大転機が!? 大人気シリーズ第3弾待望の文庫化。
  • 母恋旅烏<新装版>
    4.0
    1巻638円 (税込)
    一家の大黒柱・花菱清太郎が家族全員を巻き込んで始めたのは、『レンタル家族』という商売。行く先々で依頼人の理想の家族を演じるものの、失敗につぐ失敗で借金はかさみ、家計は火の車に。やがて住む家すら失った花菱家の六人は、それぞれ別の道を歩んでいくが・・・・・・。 これぞ荻原作品の"原点"!笑いと涙が詰まった傑作家族小説、新装版にて刊行!
  • イジ女
    3.4
    意地悪な女、意地っ張りな女、イジイジした女、イジらしい女、イジくる女……世の中には「イジ女」がたくさんいる。女性の悪意を書かせたら随一の著者が、女社会のリアルシーンをこれでもかと描き込み、チクチクする気持ちを炙り出す。怖くて楽しい短編集。
  • クラッシュマン
    3.8
    過剰防衛による殺人の裁判で無罪となり、警察庁警備局公安課特別捜査室“サクラ”に復帰した田臥を、新たな任務が待ち受けていた。東京発博多行きの“のぞみ167号”の車内ごみ箱でTNT爆弾が発見されたのだ。さらには、イスラム国の対日本専門のテロリスト“クラッシュマン”が入国したという情報がICPOのリヨン事務総局よりもたらされる。田臥は、“サクラ”の仲間たちと共に深く静かに捜査を開始する。迫真のタイムリミット・サスペンス。
  • リップステイン
    3.5
    ここ渋谷で“悪意”と戦っている――。行人が出会った制服姿の香砂はそう言った。彼女は世間を震撼させる連続事件現場に必ず現れることから、刑事に追われていた。 “悪意”とは何なのか? 香砂の目的は? 学生の行人と少女を追う刑事。二つの追跡行はやがて交錯し、衝撃の結末へと至る。青春ミステリー・サスペンスの傑作!
  • 奇跡の人 The Miracle Worker
    4.3
    盲目で、耳が聞こえず、口も利けない少女が弘前の旧家にいるという。明治二十年、教育係として招かれた去場安は、その少女、介良れんに出会った。大きな苦難を背負った少女と、人間の可能性を信じて彼女の教育に献身する女教師、ふたりの長い闘いがはじまった――。『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の著者、渾身の感動傑作!
  • ウツボカズラの夢
    3.6
    斉藤未芙由は長野から上京する。亡くなった母の従姉妹の家に住み込み、家事の手伝いをしながら毎日を過ごす。団体職員の父、専業主婦の母、大学生の長男、高校生の長女が暮らすその家、鹿島田家の日常を未芙由の静かな視点で描く。
  • てのひらに爆弾を
    -
    都心で市民を狙った爆発事件が発生。爆弾が仕込まれたのは携帯電話だった。犯人は通信会社に5000万円を要求するが、その後動きを止めてしまう。時間ばかりが経過し、苛立つ捜査陣を嘲笑うかのように、事件は思いがけない方向へと転がっていく――。『そして粛清の扉を』の著者が放つ迫真のクライム・サスペンス!
  • 2005年のロケットボーイズ
    3.9
    梶屋信介は都内の工業高校に通う17歳。ちょっとしたことから人工衛星をつくることになった。といってもそんなの絶対ムリ!なので仲間を集めたがその仲間が揃いも揃って変わり者ばかりときた……。――冴えない毎日を冴えない気持ちで送っていたおれたち。でも、何かやらなきゃ何も変わらない。落ちこぼれ高校生たちが繰り広げる、たっぷり笑えてちょっぴり泣ける青春小説。
  • 祟り火の一族
    3.6
    殺したはずの女が蘇り、のっぺらぼうが林に立つ。包帯男に語り聞かせる怪談に興味をもった劇団員の明爽子は、刑事の浜中と探偵の海老原を巻き込んで、捜査に乗り出した。舞台となった廃鉱山では、連続殺人が起きていたと判明。解き明かされる真実から、火に祟られた一族の宿命が浮かび上がる。ミステリー界の奇才が放つ現代版『犬神家』!
  • 復讐捜査線 通訳官エリザ
    -
    東京、名古屋の中間に位置する大浜市には、出稼ぎで訪れた多くの日系ブラジル人が暮らし、独自の生活文化をつくっていた。なかには日本の法を無視する者もおり、トラブルは絶えない。刑事通訳官を務めるエリザは、殺人鬼が名前も顔も変えて密入国し、この街に潜伏しているという噂を聞く――。

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