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Posted by ブクログ
冒頭「理想のいれもの」では、悪阻に苦しむ主人公が登場する。
マタニティマークをつけることで、疎んじる敵よりも、ふと労ってくれる味方が圧倒的に増えた。
「でも、その世界に自分がいないような気がするのはなぜだろう」
理想のいれものになろうとして、なれないのは自分だと、目が覚めるような思いをすることがある。
以前に単行本版『魔法がとけたあとも』を読んでいて、ふと、なぜ改題されたのだろう?と思った。
そこに触れてくれていたのが、解説の瀧井朝世さんで、ちょっとビックリした。
「魔法がとけたあとも人生は続く」と彼女が解釈したことにも、納得した。
単行本版では、最後の「キャッチボール•アット•リバーサイド」の衝撃が大きくて、読み終えたあと、そればかりが残っていたようだ。
タイトルが変わって、知らずに二周目を開始したとき、どの話も良くて、やっぱりあっという間に読み終えてしまった。
人と人との「ギスギス」を、重苦しく書かない、と言えばいいのか。
それが、読んでいる側にも自然と染み込んでくるくらいの、優しさを持って「ギスギス」を描いてくれていると言えばいいのか。
難しい。
きっと、読んで嫌な気持ちで終わらないのは、主人公たちが「ギスギス」しながらも、開いていこうとするからなのだと思う。
理想ではなく、現実の自分を見据えて。
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小説・文芸
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