あらすじ
妊娠した。お腹にいる子どもへの愛とつわりへの憎しみを両立させてほしい/「理想のいれもの」。顔の大きなホクロ、ついにコンプレックスから解放される日が来た/「君の線、僕の点」。中学生の息子に髭、母親の頭にはいつしか白いものが/「彼方のアイドル」。誰の身にも起こりうる身体の変化、そこから立ち上がる新たな景色とは――。各話に託されたポジティブなメッセージが、胸に心地よく響く五編。
解説・瀧井朝世
※本作品は2019年5月に小社より刊行された『魔法がとけたあとも』を文庫化に際し改題したものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
短編集。
表題作「彼方のアイドル」に共感した。
親にとって子どもは、いくつになっても一推しのアイドル。
それと「花入りのアンバー」の翠子さんが、スマホン、というのが好き。
Posted by ブクログ
冒頭「理想のいれもの」では、悪阻に苦しむ主人公が登場する。
マタニティマークをつけることで、疎んじる敵よりも、ふと労ってくれる味方が圧倒的に増えた。
「でも、その世界に自分がいないような気がするのはなぜだろう」
理想のいれものになろうとして、なれないのは自分だと、目が覚めるような思いをすることがある。
以前に単行本版『魔法がとけたあとも』を読んでいて、ふと、なぜ改題されたのだろう?と思った。
そこに触れてくれていたのが、解説の瀧井朝世さんで、ちょっとビックリした。
「魔法がとけたあとも人生は続く」と彼女が解釈したことにも、納得した。
単行本版では、最後の「キャッチボール•アット•リバーサイド」の衝撃が大きくて、読み終えたあと、そればかりが残っていたようだ。
タイトルが変わって、知らずに二周目を開始したとき、どの話も良くて、やっぱりあっという間に読み終えてしまった。
人と人との「ギスギス」を、重苦しく書かない、と言えばいいのか。
それが、読んでいる側にも自然と染み込んでくるくらいの、優しさを持って「ギスギス」を描いてくれていると言えばいいのか。
難しい。
きっと、読んで嫌な気持ちで終わらないのは、主人公たちが「ギスギス」しながらも、開いていこうとするからなのだと思う。
理想ではなく、現実の自分を見据えて。
Posted by ブクログ
日常にあふれる出来事をテーマにした5つの短編集。どのお話もやるせない気持ちが伝わってきて、共感できる人も多いんじゃないでしょうか。
誰かの一言がきっかけで気づきが生まれ、自分自身と向き合う。自分が変わることで、周りの状況もほんのちょっと好転する。それが大袈裟じゃなく、リアルなんですよね。リアルだからこそ響く。
読んだ後に少し前向きな気持ちになれる、そんな作品です。
「花入りのアンバー」に出てくる、20代OLのスイちゃんが、可愛らしいです。