中公文庫作品一覧

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  • ほろよい味の旅
    3.0
    とくべつうまいものを、なんて考えるようでは、うまいものが食えるわけがない――。好きなものはお粥、酎ハイ、バスの旅。タマゴに馬鈴薯、市場あるき。家で、外で、旅先で。飲んで食べて、また飲んで……。「味な話」「酔虎伝」「ほろよい旅日記」の気ままで楽しい食・酒・旅エッセイ。〈解説〉角田光代
  • 軍国日本の興亡 日清戦争から日中戦争へ
    3.0
    明治維新後、日本は数十年にして近代民族国家としての自立に成功した。この近代化は同時に軍国化にほかならず、日本は帝国主義の時代に参加して日清・日露戦争に勝利した。 しかし、国際社会の一員として世界各国と協力し、互いに主権と独立を守という精神は次第に忘れられ、日本は軍国主義化の色彩を強めていく。軍部は立憲国家の枠を越えて独走、日本は国際的孤立化に陥った。施政者と世論を巻き込んで、大東亜戦争あるいは太平洋戦争へ至った経緯を詳説する。 巻末に著者の回想「軍国日本に生きる」を併録 目次 第一章 近代化と日清戦争/第二章 北清事変と日英同盟/第三章 日露戦争(Ⅰ)/第四章 日露戦争(Ⅱ)/第五章 韓国の併合/第六章 日米関係の緊張と軍国化/第七章 明治から大正へ/第八章 第一次世界大戦とロシア革命/第九章 軍縮と大正デモクラシー/第一〇章 金融恐慌と張作霖爆殺/第一一章 ロンドン会議と〝金解禁〟/第一二章 陸軍の発酵/第一三章 満洲事変/第一四章 五・一五事件と国際連盟脱退/第一五章 ヒトラー政権/第一六章 軍国主義化/第一七章 広田内閣/第一八章 自爆戦争へ/付録 「軍国日本に生きる 猪木正道回顧録」
  • 異常探偵  苺さん殺人事件
    3.0
    スーパーのレジ打ち主婦とへっぽこ美青年の捜査劇!? ある夜、禁忌の性癖を抱えた女性「苺さん」の遺体が発見された。警察は自殺と処理する中、異常事件専門のプロ(?)達が動き出す。被害者、犯人、追っ手もみんな〝異端者〟で……笑いと背徳の先に、優しく涙が胸を打つ、新しい探偵物語。『異常探偵 宇宙船』より改題。短篇「街のお墓」収録。 「無職ということですか?」 「無職? バカな。無職の少年探偵なんて居ないでしょ? 少年探偵なんだから、仕事は少年探偵ですよ。だから無職じゃないでしょ?」 (本文より)
  • さらば南紀の海よ
    3.0
    病床で「白浜温泉に行きたい」と望んだ余命一年の女が、その二日後に殺された。十津川は小説家志望で無職の息子・雄介に疑いの目を向ける。一方、雄介は母の言葉が気になり南紀白浜に向かうが、乗車した特急〈くろしお〉が爆破されてしまう。雄介を尾行していた三田村刑事と北条早苗から報告を受けた十津川は、ある推理を胸に南紀へ飛んだ。東京の殺人事件と白浜の爆破事件――二つを結ぶのは、三十年前のあの夏の日……。
  • 新編 「終戦日記」を読む
    3.0
    空襲、原爆投下、玉音放送・・・・・・そのとき日本人は何を思ったか。 高見順、永井荷風、山田風太郎、徳川夢声、木戸幸一らの日記に当時の心性を探る。 「終戦日記」を渉猟した旧版に、新たに「火垂るの墓」の原点「プレイボーイの子守唄」ほか、〈焼跡闇市派〉として戦争体験を綴ったエッセイ十三篇を増補した新編集版。 〈解説〉村上玄一 【目次より】 Ⅰ 「終戦日記」を読む 第一章 八月五日、広島 第二章 原爆投下とソ連参戦 第三章 空襲のさなかで 第四章 終戦前夜 第五章 八月十五日正午の記憶 第六章 遅すぎた神風 第七章 混乱の時代のはじまり 第八章 もう一つの「八月十五日」 第九章 インフレと飢えの中で Ⅱ 「終戦」を書く、語る 清沢洌著『暗黒日記』 〇 負けるとは思わなかった――わが十二月八日 ぼくの家族は焼き殺された 空襲は天変地異ではない 六月一日に終わっていれば 五十歩の距離 焼跡に謳歌したわが青春 プレイボーイの子守唄 〇 焼跡闇市派の弁 再び焼跡闇市派の弁 人間の知恵と悪知恵 返り見すれば二十八年 すべてうやむやのまま七十年が過ぎた
  • 星になれるか
    完結
    3.0
    全1巻968円 (税込)
    『傷痕の街』で作家デビューした越路玄一郎。野坂昭如との出会い、吉行淳之介、長部日出雄とのバンコク旅行、そして直木賞受賞。その後訪れた睡眠薬中毒と小泉喜美子との離婚。自身が再起へ向かう姿と、一九六四年~七八年の綺羅星のような作家たちの活躍を描く、ハードボイルド作家の自伝的長篇小説完結編。 〈解説〉郷原 宏 ■目次 星になれるか/面白き罪/バンコク有情/ドリアンの謎/モンスターの尻尾/独り砂漠を/甘美なる腐敗/回帰への終章
  • 大阪弁おもしろ草子
    3.0
    時代とともに標準語風に変容していくものの、大阪弁の精神には、なお不変の表情がある。「そこそこやな」「ぼつぼついこか」……。こうした言葉が人生のキャリアを積んだオトナの口からこぼれるとき、大阪弁はより生彩を帯び、迫力を増す。味わい深い大阪弁を通して、上方文化を考察する好エッセイ。〈解説〉國村 隼
  • 大阪弁ちゃらんぽらん 〈新装版〉
    3.0
    「ああしんど」「あかん」「わやや」……。大阪弁独特のこうした言い回しのなかには、大阪人のどんな真情がひそんでいるのか。千年もの間、磨き抜かれた社交技術の粋ともいえる京の言語文化と、三百年の伝統ある商都の知恵を併せ持つ大阪弁。その魅力と、大阪弁を育んだ精神風土を明らかにするエッセイ。〈解説〉長川千佳子
  • 黒死病 ペストの中世史
    3.0
    ある日、人びとは「この世の終わり」が来たことを知った―― 14世紀の欧州を覆い尽くした史上最悪の疫病に、 あらゆる角度から迫った克明な叙事詩。 目次 はじめに 第一章 オイメダム――さまよう病 第二章 「やつらは怪物だ、人間ではない」 第三章 恐怖の跫音 第四章 シチリアの秋 第五章 ヴィラーニかく記せり 第六章 テンプル騎士団総長の呪い 第七章 新しいガレノス医学 第八章 死という日常風景 第九章 頭を西に、足を東に向けて 第十章 ユダヤ人大虐殺 第十一章 「ああ、信仰薄き者たちよ」 第十二章 始まりの終わり 後記 黒死病はペストではなかった?
  • 踊る星座
    3.0
    ダンス用品会社で働くセールスレディのわたしは、ヘンな顧客、重たい家族、痴情の縺れた上司に次々絡まれ、ぶちギレ寸前。今すぐここから逃げ出したい! 泥々に疲れた一日はしかし、幼き日の記憶と結ばれ、生の切なさと可笑しみ溢れる星座を描く――踊り出したら止まらない“笑劇”の連作短編集。〈解説〉小山田浩子
  • ことばの波止場
    3.0
    読んだらすぐに試したくなる、大人が楽しいことばの遊び 戦時中の替え歌、和歌や落語、 しりとり、回文、アナグラム。七五調や韻の妙。 マザーグース、不思議の国のアリス、クマのプーさん。 和田誠さんが長年かけてこつこつ集めた 〈ことばのトリビア〉を紹介します。 ほのぼのする挿絵入り
  • さむらい道(上) 最上義光 表の合戦・奥の合戦
    完結
    3.0
    最上義光、山形に立つ。父・義守との家督相続争いや天童・白鳥氏、そして伊達氏らとの峻烈な内憂外患をいかに乗り越え、山形に君臨することができたのか!? 伊達政宗との抗争から上杉軍と激闘を繰り広げた一六〇〇年九月の〝北の天下分け目の戦い〟まで、義光の「負けまい、勝つまいの戦」を見よ! 山形在住の直木賞作家による渾身の長編歴史小説。 (本文より)  遠国の大名を滅ぼして天下統一をくわだてるのは覇道であって、義光の考えるさむらい道とはあい容れない。武辺にのみ頼る武士は、それによって身を滅ぼす。義光はそう思っていた。 (目次より) 一章 小僧丸/二章 人質/三章 本懐/四章 御所の方/五章 四面楚歌/六章 天童合戦/七章 宿敵/八章 その君の名を
  • 論語
    3.0
    二千五百年の長きにわたり読み継がれ愛されてきた、孔子やその弟子たちの言行録。 簡潔・素朴でありながら深い含蓄のある言葉の数々には、生きる智恵が詰まっている。 中国古代史の大家である訳者が、新解釈を交えつつ、新注・古注に照らして懇切な解説を付した完訳版。 情味あふれる訳文や解説から、人間・孔子のありよう、弟子たちの豊かな個性が鮮明に浮かび上がる。 原文・読み下し付き。〈巻末エッセイ〉倉橋由美子
  • 出張料亭おりおり堂 ほこほこ芋煮と秋空のすれ違い
    3.0
    ついに山田澄香は、仁にプロポーズされた――はずなのだが、ふたりの関係はその後も深海生物の進化ほど変化がなかった。一方、店には澄香を追い出すため暗躍する孝、記憶喪失の虎太郎、更には仁を狙う(?)謎の美女・エリカが現れ、澄香は置き去りに。ずっと仁を信じ待っていた澄香は、ここである決断をするが……。 シリーズ第六弾は波乱の展開に!?
  • 裏切り涼山
    3.0
    信長より、中国攻めを命じられた羽柴秀吉は、敵対する播磨の別所氏の居城を包囲した。無益な血を流すこと嫌う秀吉は、竹中半兵衛の献策で、ひとりの男を敵城内へ送り込むことにする。主家を裏切って滅亡させ、妻子も失い、出家した男・涼山。半兵衛の要請を拒む彼だったが、死んだはずの娘が城内にいると聞かされ、敵城へ向かう――。
  • 炎冠 警視庁捜査一課七係・吉崎詩織
    3.0
    警察小説界、大激震!  驚愕の新人ここに現る。 2019年、夏。渋谷ハチ公像の目の前で、女性が爆死する異常な殺人事件が発生した。被害者の頭部には時限爆弾。指定されたコースを走り、時間内に目的地に辿りつかなければ、爆破するように設定されていた。陸上経験者である刑事・吉崎詩織は特捜の一員として事件を追う。 だが犯人の魔の手は、東京五輪マラソン代表候補であり、かつて詩織のライバルであった樋口舞子の元に迫る――。 警察の威信にかけて異常事件を食い止めろ。 空前のスケールで放つ警察小説!
  • 愛して生きて 宇野千代伝
    3.0
    数多の文豪たちと恋した作家の宇野千代。女性の憧れとして輝く、千代の奔放人生。大正、昭和、平成をまたにかけて活躍し、すぐれた作品を残したほか、尾﨑士郎、東郷青児、北原武夫ほか、梶井基次郎、青山二郎など数多の文豪・文化人たちと恋し、奔放に生きた女としても知られる。今も憧れの女性として輝く宇野千代の人生とは何かを探る。『婦人公論』連載中から話題を呼んだ人物ノンフィクションの待望の文庫化。
  • 養生訓
    3.0
    八十すぎまで長年実践してきた健康法を万人のために丹念に書きとめた「養生訓」は、益軒の身体的自叙伝ともいうべきものである。東洋医学の叡智を結集し、自然治療の思想を基本とした、この自主的健康管理法は、現在でもなお実践的価値が高い。 〈解説〉松田道雄/〈巻末エッセイ〉玄侑宗久
  • DEAMON SEEKERS 這いつくばる者たちの屋敷
    3.0
    1~3巻704~968円 (税込)
    著名な民俗学者・舞浜光太郎が、複数の人間の血が撒かれた研究室で突然消えた。娘の理理花は行方を捜すため、父が失踪直前に訪れたという田舎のある屋敷へ赴く。その途中に出会ったのは、言葉を話さない謎の青年。彼は、光太郎が研究していた〈あってはならない存在〉を追っているようだが……。美貌の青年・草月が、喪われた神の世界に貴方をいざなう! 『汝、怪異を語るなかれ』改題。
  • 会津孤剣 - 幕末京都守護職始末
    3.0
    会津藩藩校日新館で学ぶ孝太郎は、親友・真之介の剣の指導に打ち込む父に自分を認めさせたいと願っていた。ある日、朋輩を目の前で謎の剣士に斬り殺された孝太郎は復讐を誓って京へ向かう。豪商の娘彩(あや)、男装の麗人直(なお)との出会いもあり、孝太郎の人生は大きく変化していく。会津・京都に展開する剣と情のシリーズ第一弾。(『天狗の剣』を改題)
  • 二人の親を見送って
    3.0
    介護がすんで、 看取りも終えて、 気がつけば老いの入口。 これからどう生きていこう。 老いの途上で、親の死は必ず訪れる。介護や看取りの日々を経て、カラダとココロの構えや交友や旅、食事に対する趣も変わる。また、どう見送っても、自分を責める気持ちや後悔を抱えていくのではあるが、親亡き後は、その先の人生に重みと安定を与えるはず。両親を見送った人気エッセイストが、生と死や人と自然のつながりを優しくみつめ直す感動のエッセイ
  • 魂の沃野(上)
    3.0
    戦国の世に百年にわたり独立国家を形成した日本史上の事件・加賀一向一揆を小説に取り込む ――北方謙三が数十年来抱えていた構想がついに結実し、血潮たぎる物語が誕生! 著者自ら「わが心の記念碑」と語る歴史巨篇。 本願寺蓮如との邂逅から、守護・富樫政親との交流、風谷党の旗揚げまで……かの地に燃え広がった真宗の炎と、複雑に交錯する武士・門徒の思惑の中で、戦い、信じ、己の道を見出していく、ある地侍の熱き青春を描き切る!
  • レイテ戦記(一)
    3.0
    1~4巻1,320円 (税込)
    戦争は勝ったか、負けたかというチャンバラではなく、その全体にわれわれの社会と同じような原理が働いている――。太平洋戦争の天王山・レイテ島での死闘を、厖大な資料を駆使して再現した戦記文学の金字塔。毎日芸術賞受賞作。巻末に講演「『レイテ戦記』の意図」を付す。 (目次より) 第一巻 一 第十六師団 昭和十九年四月五日 二 ゲリラ 三 マッカーサー 四 海軍 五 陸軍 六 上陸 十月十七日―二十日 七 第三十五軍 八 抵抗 十月二十一日―二十五日 九 海戦 十月二十四日―二十六日 十 神風 十一 カリガラまで 十月二十六日―十一月二日 巻末付録 講演「『レイテ戦記』の意図」
  • 恋と掃除と謎解きと ハウスワーク代行・亜美の日記
    3.0
    夫の不倫 お墓問題 職場のセクハラ 意外と(?)鋭い推理力で日常の事件を解き明かす! 家事代行会社でアルバイトをする大学生の樋口亜美。ある日、派遣された河西家の妻・ともみから、息子のつぶやいた謎の言葉、そして夫の浮気疑惑について相談を受ける。深まる謎に悩む亜美だが、憧れの男子との会話の中に思わぬヒントが……? 日常の事件を解き明かす、ハートウォーミングミステリ全三篇。
  • ストレンジャー・イン・パラダイス
    3.0
    ここは〈晴太多〉。観光地も名物産業もないほぼ限界集落。そんな故郷を再生するため、町役場で働く土方あゆみは、移住希望者を募集する。やってきたのはベンチャー企業の若者、ニートの男、駆け落ちカップルなど、ワケありなはぐれ者たち。彼らが持つ忘れたい過去も心の傷も、優しい笑顔が包み込む。〈晴太多〉へどうぞ。みんなが待ってます!
  • スワンソング 警視庁特命捜査対策室四係
    3.0
    警視庁一の嫌われ者・小々森八郎巡査部長の命が三度も狙われた。特命捜査対策室四係の面々は、小々森を囮に犯人を誘き寄せる作戦を開始。並行して捜査するうちに、彼の元同僚たちが相次いで死亡していることに気づいた――。暗殺者の正体、小々森を狙う目的とは? それは公安警察をも巻き込む、巨大な闇へと繋がっていた
  • 文豪と酒 酒をめぐる珠玉の作品集
    3.0
    鴎外がビールに、荷風がウィスキーに託した思いとは? 本書は酒が様々なイメージで登場する傑作を厳選。古今東西、人類の友である酒になぞらえた憧憬や哀愁は今でも現代人を魅了し続ける。近代文学に足跡を残した漱石、露伴、安吾、谷崎、太宰ら16人の作家と白秋、中也、朔太郎ら9人の詩人、歌人による魅惑のアンソロジー。 収録作品 屠蘇……夏目漱石「元日」 どぶろく……幸田露伴「すきなこと」 ビール……森鴎外「うたかたの記」 食前酒……岡本かの子「異国食餌抄」 ウィスキー……永井荷風「夜の車」 ウィスキーソーダ……芥川龍之介「彼 第二」 クラレット……堀辰雄「不器用な天使」 紹興酒……谷崎潤一郎「秦准の夜」 アブサン酒……吉行エイスケ「スポールティフな娼婦」 花鬘酒……牧野信一「ファティアの花鬘」 老酒……高見順「馬上侯」 ジン……豊島與志雄「秦の出発」 熱燗……梶井基次郎「冬の蝿」 からみ酒……嘉村礒多「足相撲」 冷酒……坂口安吾「居酒屋の聖人」 禁酒……太宰治「禁酒の心」 ●諸酒詩歌抄 上田敏「さかほがひ」 与謝野鉄幹「紅売」 吉井勇「酒ほがひ」 北原白秋「薄荷酒」 木下杢太郎「金粉酒」「該里酒」 長田秀雄「南京街」 高村光太郎「食後の酒」 中原中也「夜空と酒場」 萩原朔太郎「酒場にあつまる」
  • 孫子・呉子
    3.0
    春秋戦国時代に成立した軍事思想書で、徹底した合理主義を説く「孫子」。戦国時代初期、一大変革期に楚の宰相を務めた呉起の言を集め、戦争における「仁」の重要性を説く「呉子」。ともに兵法書として名高い二書を合本。混迷深まる現代における必携の書。〈解説〉湯浅邦弘
  • とちりの虫
    3.0
    昨年の春、中古のルノーを買って乗り始めてから、間もなく一年になるが、其の間に私は、交通違反でつかまった事が三回ある。その三回とも、奇妙な事に、友人の安岡章太郎が関係しており、これは私には、ただの偶然とはとても思えない。――阿川弘之 私が仕事にかかるふりをしていると、襖がすこしずつ開いて、その隙間から嘲けるような笑いをうかべて、彼はじっと窺っているのである。私もそっと彼の部屋をのぞくと、安岡は布団の上に寝そべって天井を眺めながら鼻毛をぬいているのであった。――遠藤周作 浪人三年、落第一年、秋風がふくと終わらない夏休みの宿題を想い出してゾッとする。出がけには必ず忘れものをし、約束の時間を一時間まちがえてウロウロ。泥棒に入られれば何も盗まれるものがなく警察に困惑され、文学賞の授賞式では緊張してシドロモドロになる。どうも自分の身体の中には一匹の虫が棲んでいて、それが自分を終始とちらせたり、失敗やへまをくり返させたりしているらしい――青春時代をユーモラスにつづる自伝的回想、作家仲間との楽しいやりとり、鋭さを笑いで包んだ社会観察など、著者の魅力が凝縮された随筆集。阿川弘之と遠藤周作によるエッセイを新たに収録。〈解説・中島京子〉
  • 空にみずうみ
    3.0
    1巻1,056円 (税込)
    著者を彷彿させる作家の早瀬と妻の染色作家・柚子、東北地方に暮らす夫婦の、「震災三年後」の一年間を描く。豊かな自然、さまざまな生き物の気配、近所の人々との交流、梅干しを漬けたり草むしりをしたり……という何気ない日々の生活。大きな事件は起こらない。しかし、その「何気ないこと」が続いていく日常の大切さが伝わってくる作品。
  • おらんだ忍者・医師了潤 秘めおくべし
    3.0
    了潤が主命により張り込んでいた男が、一心不乱に書き上げた手記には「秘めおくべし」の表書きが……。手記を奪おうとする二人の侍や毒矢を用いて彼らを襲う正体不明の隠密。そして、町奉行所同心の変死体……。謎が謎を呼び、男の手記にあったという「蝦夷地ニ、草アリ、イシヤマニ、砦アリ」の文言に誘われるように、了潤たち忍び組は蝦夷地へと旅立つ。文庫書き下ろし。
  • イカロスの彷徨 警視庁捜査一課刑事・小々森八郎
    3.0
    都内路上で、筆舌に尽くしがたい残酷な拷問を受けた男性の死体が発見された。直ちに捜査本部が設置され、迷宮入り事件を担当していた小々森たち捜査一課特命捜査対策室四係にも、捜査への応援命令が下る。同じ頃、繁華街で新型覚醒剤が大量に出回っていると噂になっていた。一見、無関係と思われた二つの事件には意外な接点が!? 文庫書き下ろし
  • わたしの 「もったいない語」辞典
    3.0
    「銀幕」「ペーペー」「Gジャン」「アンドロイド」「達者で」――など「あまり聞くことのなくなってきた“もったいない”言葉」を、自身の体験談とともに厳選。作家・文学者・俳人など言葉のプロ150人が選んだ言葉に込められた想いに、共感するもよし、新たな発見を見出すもよし。どこから読んでも楽しいエッセイ集。 <“もったいない語”の例> 「朝ぼらけ」……横文字にはない感覚(逢坂剛) 「恐れ入ります」……礼を失しない交渉術(岸本葉子) 「光栄です」……謙虚な姿勢を表現(佐藤智恵) 「シャレ」……=「親父ギャグ」にあらず(南伸坊) 「せどり」……知識と経験で転売 今は昔(北原尚彦) 「底力」……爆発させれば夢は叶う(市川染五郎) 「到来」……はるか遠くの美味しさ(小川洋子) 「鳴かぬなら…」……嘘もおもしろい(阿刀田高) 「ハンサム」……立ち居振る舞いも問われた(プチ鹿島) 「一っ走り」……自然で粋で頼もしい(福原義春) 「フィルム」……栄華極めた絶滅危惧種(手塚眞) 「まあ大変」……大事装った趣深い造語(泉麻人) 「万年筆」……書き癖に染めて楽しく(高野史緒) 「民芸」……「嬉々」が包み込む風景(ねじめ正一) 「利休鼠」……感性豊か 和の色名(里中満智子)
  • 逆境ハイライト へこたれずに生きています。
    3.0
    1巻726円 (税込)
    商社に就職した朋文は、それなりに順調な人生を歩んでいた。そんな中、直属の上司が横領事件を起こし、濡れ衣を着せられることに。その上、父親が失踪したという連絡も入る。慌てて大学卒業以来一度も帰っていなかった実家――銀座の《元》人気店である老舗和菓子屋に戻ることになり……!?
  • 遥かなる山旅
    3.0
    山に登り、自然の中に身を置くことで、自らとの対話を続けた思索家の、山エッセイ・ベストセレクション。「何故人は山へ登るのだろう」という問いかけに始まり、山行きの持ち物から記憶に残る思い出の山々、詩篇まで、四十六篇を収録。『山歩きの愉しみ』改題。〈編・解説〉高丘卓 【目次】 I小前奏曲   孤独な洗礼 II 身支度   輪かんじき   道具   バドミントン・スタイル   時計と高度計   手帖   画帖   絵具   地図   乗車券   歩き方初歩   夏の山で気をつけること   山の灯   下山術   登山者と山の本 III 山想   春蘭   光と水の戯れ   波   霙の降る林   高原の夕映え   暁の星   山と老人 IV 山の博物誌   山の博物手帖   山に棲む虫   冬の手帖   春の手帖   夏の手帖   秋の手帖   岩上の想い   雪崩の音   山上の初光   静かな流れのほとり V 心の山   上高地の今昔   小海線の車窓   上信越の山と峠   鳥海山   和山の宿   雨飾山   穴あき沢   関東の山々   北海道の山   北穂高岳   小黒部谷遡行剣岳   意地の悪い山案内 VI 詩篇   山頂   氷の岩峰
  • キムラ食堂のメニュー
    3.0
    各地の飲食店主や職人の取材を続けるかたわら、お酒のミニコミ『のんべえ春秋』を発行してきた著者。懐かしの大食堂、小さな台所での工夫、郊外のコーヒーショップ、都会の片隅にある畑……。日常のささやかな変化を感じながら、さまざまな食べもの・飲みものとの出合いを綴る。おいしい話満載の一冊。文庫オリジナル *目次より抜粋 【食堂】 蕎麦屋のカレー/マルカンビル大食堂/福島第一原発大型休憩所内食堂 【コーヒー・おやつ】 東京らしい喫茶店 南千住『カフェ・バッハ』/『ツバメコーヒー』の話 【台所】 海老の尻尾/ひとり暮らしのおでん/「おにぎり」と「おむすび」 【畑】 畑日記三年分 【酒場】 プロ野球中継と晩酌/大衆酒場のチーズ考現学
  • 手習重兵衛 闇討ち斬 新装版
    3.0
    江戸白金で行き倒れとなった重兵衛は、頑健な体躯とくっきりとした目鼻立ちを持つ二十三歳の浪人だ。手習師匠・宗太夫は、わけありの彼に何も聞かず居候させてくれる。子供らに囲まれ平穏な日々を送る重兵衛だったが、同郷の者に呼び出され帰ってこない宗太夫を心配し、その男を訪ねたところ……。快男児が謎を斬る時代小説シリーズ第一弾。(二〇〇三年十一月に刊行された作品を改版)
  • 爪痕 警視庁捜査一課刑事・小々森八郎
    3.0
    麻薬取締官が九州で内偵中の大麻密売情報を、厚労省の若手キャリアが警視庁捜査一課管理官にリークした。同窓のキャリア同士とはいえ、「裏」があると感じた管理官は、迷宮入り事件担当の特命捜査対策室四係刑事・小々森八郎を指名し、別件捜査で現地へ送り込んだのだが……。捜査一課最悪の刑事がここに登場!
  • ダブルフェイス(上) 渋谷署8階 特捜本部
    3.0
    円山町のラブホテル街で女性の扼殺死体が発見され、渋谷署に特別捜査本部が設置された。警視庁捜査一課の若手刑事・根本恭平は、証券会社に勤める恋人とのデートをキャンセルし、所轄のワケありベテラン刑事とともに聞き込みを始める。被害者は外資系証券会社のキャリアOLであることが判明したが……。現代の矛盾に鋭く斬り込む、名作警察小説。
  • 棟居刑事のガラスの密室
    3.0
    親の反対を押し切って上京した七条由香が、死体で発見された。重要参考人として連行されたのは、隣室の住人・北前真司。犯行を自供するも、不審を抱く警視庁捜査一課の棟居弘一良と北前の妹は真犯人を追う。その最中、疑惑の男が服毒死を遂げる。二つの事件は関連しているのか! そして真相は――。(『ガラスの密室』を改題)
  • 乗りもの紳士録
    3.0
    鉄道・自動車・飛行機・船と、乗りもの全般に並々ならぬ好奇心を燃やす著者が、「紳士たち」との旅と交友を綴る。突如自動車教習所に通いはじめた吉行淳之介、著者の運転に御機嫌の志賀直哉、交通巡査にいつも親切にされる芦田伸介ほかが登場。
  • 還暦シェアハウス
    3.0
    1巻594円 (税込)
    妻から別居を宣言され、一人娘は海外留学中。59歳のフリーライター松木は、55歳以上が対象の共同生活住宅(シェアハウス)“R55”に住むことに。しかし車椅子の女性オーナーは訳ありで、他の入居者たちも昭和臭ムンムンのくせ者たちだった。深夜ラジオ、ツチノコ、ジュークボックス、バブル――人生の半分以上を「昭和」で生きてきた男の第二の青春は!? 昭和も平成もオレたちは生きてゆく! 愛しき〈アラ還〉たちの中高年青春小説。
  • 「持たざる国」からの脱却 日本経済は再生しうるか
    3.0
    日本はなぜ長期低迷から抜け出せないのか。ドイツやスウェーデンの成功例を参照しつつ生き残りのための処方箋を提示。
  • 井伊一族 直虎・直政・直弼
    3.0
    井伊家存亡の窮地を救った女地頭・直虎。徳川四天王の一人・「赤鬼」直政。江戸末期の大老・直弼――。平安期に浜名湖北方の井伊谷に定着し、南北朝、戦国を生き抜いた井伊氏は、幾度も没落の危機に瀕しながら、なぜ徳川譜代筆頭の彦根藩主へと昇り詰めることができたのか? 一族の盛衰を辿り、千年の名門の真実に迫る、書き下ろし歴史評伝。
  • 恋する力
    3.0
    平凡な毎日を過ごす法律事務所勤務の美冬は大手商社常務の瀬木と出会い、その強引さに引きずられるように恋に落ちる。今までの人生を塗り変える甘やかな時間、自分だけが知る相手の素顔、二人の関係を密告する電話。不確かな愛の行方は、そして美冬が手にしたものは…。自分の人生に挑み、しなやかに磨かれていく女性の姿を描く長篇恋愛小説。
  • 離婚美人
    3.0
    夫と理解しあい、本当の家族を作りたい―結婚生活27年目、美緒の夢はついに破綻した。家庭に無関心で自分のしたいことだけをする夫と、このまま暮らすか、二人の娘を抱えて離婚するか。どちらの道も楽ではない。別居、財産分与、再就職…立ち塞がる現実に勇気と希望をもって立ち向かい、美しく磨かれていく姿を描く、快心の長篇小説。
  • いい女
    3.0
    平凡なままでは満たされない! 妻として母として一生懸命やっているのに、誰も認めてくれない――。結婚して以来、何よりも家庭を優先させてきた詩織だが、同窓会をきっかけに、女として生きようと決意する。高額エステ、仕事相手との不倫、初恋の男性との再会……。夢を実現させようとして、自らの中に閉じこめていた「女」を開花させていく一人の女性の挑戦と変貌をリアルに描く問題作。
  • アリゾナ無宿
    3.0
    一八七五年、アメリカ合衆国アリゾナ。人の命が、銃弾一発より軽い世界。幼い頃に両親が虐殺され、養父に虐待されながらも生きてきた少女。射撃の名手にして賞金稼ぎを生業とする男。記憶を失い、ハコダテから流れ着いたサムライ。偶然出会った三人が賞金稼ぎのチームを組み、凶悪な“お尋ね者”を追う旅に出るはめに……。
  • 神やぶれたまはず 昭和二十年八月十五日正午
    3.0
    昭和二十年八月十五日、終戦の玉音放送を拝したラジオの前の人びとは、一瞬の静寂のうちに、何を聞きとったのだろうか。太宰治、三島由紀夫、吉本隆明らによる、その日の言説を繙きながら、歴史の彼方に忘れ去られた至高の瞬間をさぐる、精神史の試み。 *目次から 第一章 折口信夫「神 やぶれたまふ」 第二章 橋川文三「『戦争体験』論の意味」 第三章 桶谷秀昭『昭和精神史』 第四章 太宰治「トカトントン」 第五章 伊東静雄の日記 第六章 磯田光一『戦後史の空間』 第七章 吉本隆明『高村光太郎』 第八章 三島由紀夫『英霊の聲』 第九章 「イサク奉献」(旧約聖書『創世記』) 第十章 昭和天皇御製「身はいかになるとも」 *著者紹介 長谷川三千子 1946年東京生まれ。祖母は作家・野上弥生子。東京大学文学部哲学科卒業、同大学院博士課程中退。東京大学文学部助手などを経て、埼玉大学教授。2011年退官、同大学名誉教授。2013年よりNHK経営委員。著書に『からごころ――日本精神の逆説』(中公叢書・中公文庫)、『バベルの謎――ヤハウィストの冒険』(中公文庫、和辻哲郎文化賞)、『民主主義とは何なのか』(文春新書)、『日本語の哲学へ』(ちくま新書)、『九条を読もう!』(幻冬舎新書)など。
  • 小説四十六年
    3.0
    早稲田大学在学中から堺利彦が率いる売文社に出入りをし、社会主義運動に関わりながら、様々な弊害を乗り越え活発な創作活動を続ける。文壇登場までの青春の日々、宇野千代との出逢いと別れ、代表作『人生劇場』にまつわるエピソードや戦時下での従軍体験、日本文学報国会での苦悩を回顧する。絶筆となった自伝的随筆。
  • 闇夜の鴉
    3.0
    大坂の闇社会を仕切る山村検校の追っ手から逃れて十年――。江戸に行き着いた新一は、按摩の傍ら再び殺し屋稼業に手を染めていた。地獄と隣り合わせの日々を過ごす新一だったが、ある依頼をきっかけに、失われた人生を取り戻すため立ち上がることを決意する! 暗黒時代小説の傑作。
  • CAドラゴン
    3.0
    警察庁と極秘に契約を結ぶエージェント・矢島達司。かつて、中国残留日本人孤児の二世や三世がひきいる暴走族グループ・怒羅権の頭として暴れ回っていた最強の男が、信義のために巨悪に立ち向かう。書き下ろし長篇ハード・アクションシリーズ第一弾。
  • 回想十年(上)
    3.0
    昭和二十九年十二月に政界を引退した吉田茂が、その二年後から数年をかけ、池田勇人や佐藤栄作らを相手に語った回想記。戦時中の終戦工作に始まり、自ら政権を率いて戦後日本を形成した数年間の政治の内幕を語りつつ、日本が進むべき〈保守本流〉を訴える。 〈解説〉井上寿一。
  • あおむけで走る馬
    3.0
    イケなくなった売れっ子ホストの兄、ひたすらビル登りをする弟。そして元美人の太った女。無垢にしか生きられない3人が手探りする、温かな旅路とは……。
  • 水の旅 日本再発見
    3.0
    日本の文化は水の文化。そして、日本は「木を植える文化」の国である。米、酒、鮭、杉といった身近なものにも、人が自然に働きかけてきた苦心の歴史がある。先人たちが各地に残した歴史の跡を訪ね、そこに息づく知恵と思想を紹介する。自然環境が激変してゆく時期に、水を通して日本の未来を考えた心打つルポルタージュ。姉妹編に『水の文化史』。
  • 天保水滸伝
    3.0
    若きころ北辰一刀流・千葉道場で竜、虎、鯨と呼ばれ、汗を流し剣技を高めあった平田造酒之進、神崎圭助、市松。だが、大晦日迫るある夜の事件が、三人の仲を無残に引き裂く。十余年の時を経て、それぞれに背負ったもののため、宿命の利根川にて、己の剣を抜いて対峙する――。江戸水滸伝三部作、第一弾。『天保バガボンド』を改題。〈解説〉西上心太
  • 陽炎時雨 幻の剣 - 死神の影
    3.0
    団子屋の看板娘・おひのがかどわかされた。夫である桶屋の波津彦とともに姿を消してから十日。七緒は二人の探索を引き受ける。一方、北町奉行所同心・和倉信兵衛は、両目がくり抜かれた死体と対峙していた。かつての繁盛が嘘のように閑古鳥の鳴く団子屋。おひのの明るい呼び声は戻ってくるのか。シリーズ第二弾。文庫書き下ろし
  • くらべない生き方-人生で本当に大切にするべき10のこと
    3.0
    がんばらないで、生きぬく――ベストセラー作家2人による対談集。失業、うつ、介護など、さまざまな悩みを抱える人が溢れる現代、“幸せ”を感じるために必要な心掛けとは? 「くらべない」「ゆるす」「伝える」「無理をしない」「繰りかえす」「つくりあげる」「泣いてみる」「さらけだす」「寄りかかる」「つないでいく」――困難な時代に生きづらさを感じるあなたへ贈る一〇のメッセージ。単行本未収録の語り下ろし対談「子どもの『いのち』をめぐって」を同時収録。疲れ果てたとき、ゆっくり休む“椅子代わり”になってくれる書。
  • 陽炎時雨 幻の剣 - 歯のない男
    3.0
    剣術道場の一人娘・七緒は、嫁入り前のお年頃。耄碌のはじまった祖父の秋重治左衛門のもと、師範代として稽古をつける日々。町のやくざ者を懲らしめる、剣の腕と好奇心の持ち主でもある。ある日、道場の門前に男が行き倒れていた。ただの空腹だったというその男は、七緒や門人たちの前で、からくり人形を操り出すのだが……。
  • 松前の花(上) - 土方歳三 蝦夷血風録
    3.0
    元新選組副長・土方歳三らの活躍により箱館を掌握した旧幕府軍は、蝦夷政府を立ち上げる。その中には、家臣に殺された父の仇討ちに燃える娘の姿があった。一方、和菓子職人・小野屋藤吉は、蝦夷政府から戦の携行食として、食べたこともないパン作りを依頼されるのだが――。知られざる箱館戦争を描くシリーズ第二弾。単行本『美姫血戦』を改題。

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  • 教室の亡霊
    3.0
    群馬県の公立中学校の教室で、かつてその学校で教鞭を執っていた男性の死体が見つかった。毒殺された被害者のポケットには、新人教師・梅原彩とのツーショット写真が。さらに、彩が顧問を務める陸上部員の父親が殺され――。次々と事件に巻き込まれる彩を助けてほしいと依頼された名探偵・浅見光彦が、現代の教育問題に迫る!
  • 黒船の世紀(上) - あの頃、アメリカは仮想敵国だった
    3.0
    日露戦争に勝利し、坂の上に辿り着いた日本の目の前には、次なる仮想敵国として太平洋の向こうにある大国アメリカが立ちはだかっていた……。黒船来航が与えたトラウマが戦争へと具現化していく過程を、「日米未来戦記」の書き手たちを中心に、群像劇として描いた大河ノンフィクション。

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  • 文壇五十年
    3.0
    自然主義文学の泰斗が、日露戦争以降から敗戦までの文芸・演劇・美術の変遷を回想。団菊以後の左団次、島村抱月の活躍、そして新風の如く登場した荷風や花袋へのオマージュ、江戸趣味や洋行の影響を受けた文学者たちの姿を描く。大逆事件や戦時下の言論制約のなかでの揺れ動いた芸術運動を冷徹な視点で描く文学的自叙伝。
  • 名将と名臣の条件
    3.0
    人物の器量は、運命の分岐点で明らかになる。真田幸村、保科正之、山本八重、東郷平八郎……。戦国武将から日露戦争の名将まで、浩瀚な史料の読解と一方に偏しない公正な史観が掘り起こした、選りすぐりの傑物たち。その人物の魅力を堪能させる歴史エッセイ。

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  • Theコンプレックス 幸せもキレイも欲しい21人の女
    3.0
    1巻691円 (税込)
    肌、年齢、体形、セックス、親子関係……女は誰しも“思い通りにならない自分”を抱えている! 美容ジャーナリスト・齋藤薫が、女たちの本音をリアルに抉る。

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  • 十津川警部「生命」(上)
    3.0
    ※本書は、双葉社から配信されている『十津川警部 「生命」(上)』と同一の内容です。重複購入にご注意ください。 札幌にある北方大学医学部の名誉教授で産婦人科医の三国が、研究室で刺殺された。一月後には東京下北沢の駐車場で、男の撲殺体が発見された。男が勤務する医療機器販売会社は、五年前、不起訴になったものの三国との贈収賄疑惑が取りざたされた。十津川は、当時内部告発したため大学を追われ、離島の診療所に勤める沢井に会いにいくのだが……。
  • 逃亡侍 戯作手控え 満月の夜
    3.0
    頃は如月、満月の夜。仙台藩作事方・桂木家の次男、清之進は、剣術道場同門の遣い手・国村幻鉄殺害の現場に居合わせたことから、その下手人に仕立てられる。江戸へ逃げた清之進は、戯作者に姿を変え、みずから疑いを晴らすべく、市中に潜伏していると覚しき真犯人の探索にとりかかる。シリーズ第一作。
  • ニッポン発見記
    3.0
    函館のガンガン寺から大分・院内の石橋まで。小さな自由を片手に、日本各地を訪ねる、気ままなひとり旅。たどり着いた町で、忘れかけた風景と生活に出会う。いくつもの発見に満ちた、旅の報告一六話。ロングセラー『ひとり旅は楽し』(中公新書)の実践篇。
  • 海賊列伝(上) 歴史を駆け抜けた海の冒険者たち
    3.0
    本書が書かれたのは十八世紀前半の英国。著者の正体はダニエル・デフォーという説もある。西インド諸島とマダガスカル島を拠点に大洋を荒らし回った、実在した海賊たちの貴重な史料である。上巻は、海賊黒髭や、女海賊として有名なメアリー・リードとアン・ボニーといった名だたる海賊たちの列伝を紹介する。『イギリス海賊史』改題
  • 辻邦生のために
    3.0
    いつまでも一緒にいると信じていた人のことを、過去形を使って語らなくてはならなくなるという悲しさは、大切な肉親や伴侶を失った誰しもが経験することなのだろう――半世紀を共にした夫人が、作家・辻邦生の暮らしぶり、愛した品々、日々の仕事についてを、愛惜をこめて綴る。
  • 鬼龍
    3.0
    ※本作品は、KADOKAWA版と同一の内容です。重複購入にご注意ください。 高円寺のアパートでつつましく暮らす青年・鬼龍浩一。奈良に本宮をいただく鬼道衆の末裔として、秘密裏に依頼される「亡者祓い」を請け負っている。今回頼まれたテレビ局のお祓いも、そうした数ある依頼の一つのはずだったが……陰の気うずまく東京で浩一が挑む、最強の亡者とは!? 「祓師・鬼龍光一」の原点となる伝奇エンターテインメント。
  • いろんなものに、ハマってきました
    3.0
    ジューサー、寒天、ジムに置き鍼……次から次へ、めげずにのめり込みました。熟慮と決断の末に手に入ったものは!? 些細なことでも、探究せずにはいられない。懲りない性分の著者が、すったもんだだけれど一生懸命の日常を描く軽快体験エッセイ。
  • 彼女が演じた役 原節子の戦後主演作を見て考える
    3.0
    『東京物語』を初めて見た著者は、紀子役を演じた原節子に魅せられる。『晩春』『麦秋』を含めた紀子三部作を中心に、彼女が主演した戦後映画十一本を精細に論じて、「クリエイティブな能力を無限に持った」原節子の魅力と、それを引き出した小津安二郎監督の卓越した演出を分析した異色の映画論。
  • 修理 仏像からパイプオルガンまで
    3.0
    使い捨ての時代が長く続いているが、物を直して使うというかつての日本の精神と技術は、いまでもきっちりと受け継がれている。書籍、眼鏡、靴等の実用品から古文書、茅葺き屋根、赤レンガ建築等の文化財にいたるまでの三十を越える日本各地の修理現場を徹底取材。修理店等の連絡先付き。
  • 篠山早春譜 高瀬川女船歌四
    3.0
    高瀬船の船頭・弥助は、同じ長屋に住み数珠の玉磨きをしている藤蔵という若者を連れ、宗因の営む「尾張屋」へやってきた。宗因は藤蔵が身分を偽り、かつては腕の立つ武士であったことを見抜く。別の夜には、入れ墨をした一見客が現れ、八丈島の三年半に及ぶ島流しから江戸に戻ったが、ある人物を探すために京都へやってきたというのだが――。
  • 棟居刑事の青春の雲海
    3.0
    公園の片隅で発見されたホームレスの死体。八年前に起きた迷宮入り強盗殺人事件。二つの事件を繋ぐ糸は北アルプスに……。棟居刑事は、その糸を手繰るうちに、思わぬ邂逅と新たな凶悪犯罪を引き寄せてしまう。青春山岳ミステリー巨篇。『青春の雲海』改題。
  • 羆吼ゆる山
    3.0
    北海道日高山脈――悠久の大自然に展開する人とヒグマとの対決の日々を、自らが生きた時代の証言として物語る、戦慄の回想録。〈解説〉宮原昭夫
  • 明日に手紙を
    3.0
    欠陥洗濯機で女性が感電死した。製造元のK電機は責任を認めず、世間の避難を浴びる。管理課係長の成瀬は不買運動を潰すため、妻の真知子に被害者の娘夫婦──平田敬・充子の仲を裂く手紙を書けと命じる。真知子は夫のためと自分に言い聞かせ、敬に「あなたの妻は不倫をしている」という手紙を宛てた…。一通の手紙が人々の心に投げかける意外な波紋とは?
  • 無言殺剣 首代一万両
    3.0
    「懸賞金一万両」。娘夫婦の命を奪われた古河の大店・千宏屋の主人は、身代を賭けて謎の浪人・音無黙兵衛の命を奪おうとする。黙兵衛と連れの伊之助らが起居する善照寺は、夜毎、殺し屋の襲撃に晒される。屈折した親心が招いた殺しの連鎖の果てには何が……。シリーズ第三弾。
  • 民族問題入門
    3.0
    ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、旧ソ連、パレスチナ……今なお世界を揺るがし続ける民族紛争はなぜ起こるのか、その実態はどのようなものなのか。著者専門のイスラム史と国際関係史を軸に、人類永遠の課題・民族問題の理解と解決のための基礎的分析を試みた意欲作。
  • 本棚からボタ餅
    3.0
    本の作者が意図していない所に「へーえ。」、テーマにピンとこなくたって「なるほど」と感じたことはありませんか? 思いつきで読んでみても、得るモノはあるはず。恋に悩む時、仕事に息詰まった時、マンションを買うと決めた時……偶々、解決のヒントを発見できたら、大きなご褒美です。寝転ろんで頁をめくりながら「おまけがついてこないかな」と自然体? で構えてみませんか?
  • 北風の軍師たち(上)
    3.0
    大御所・徳川家斉の気随気儘から発令された三方所替え。二百年にわたり庄内を領した酒井家に代わり、有数の貧乏藩・川越松平家が転封してくるという事態に、庄内領民は阻止運動に立ち上がった。領民を先導する謎の天狗たち、そして庄内に先乗りした川越藩忍び組。両者の戦いの幕が切って落とされた。
  • 平成講釈 安倍晴明伝
    3.0
    安倍仲麿の子孫・安倍晴明尾花丸は、帝の怨病を知り都に上った。幼き身ながら陰陽頭・蘆屋道満との問答対決を制し、御悩平癒の祈祷を拝命する。だが、道満は邪悪な陰謀を巡らせ、仲麿に恨みを抱く唐土の妖狐も加わって、京を揺るがす呪法合戦が──平成の講釈師・夢枕獏秀斎が語ります大バトルの顛末!
  • 非花
    3.0
    あとに残った薔薇の枝だけが、再会の証しだった……唐、宋、明、清――悠久たる中国史のなか、国家の狭間や民族の壁に押しつぶされず、凛と生きた女たちを鮮やかに描きだす。
  • 犯罪同盟
    3.0
    頻発する身寄りのない孤独な男女の失踪事件。都会の片隅に集うスナックの常連四人が、事件に敢然と立ち向かう決心を固め、行動を開始した。失踪事件の裏には政財界を巻き込んだ巨悪の影が見え隠れし、四人に危機が迫る。巨大な組織に比してあまりに微弱な彼らの戦いに勝機はあるのか? 現代の病理を鋭く抉る長篇社会派ミステリー。
  • 白の十字架
    3.0
    刑事の妻が不倫の情交中、相手の大学生を何者かに殺害されたうえ、強姦された。彼女はその後妊娠し、女児を出産する。殺人犯として捜査線に浮かんだのは、ヒマラヤで頂上アタックに失敗した際、仲間を見捨てて下山した登山家の津雲。心に重い十字架を背負う彼の前に、ある日、幼い娘を連れた女が現れる。
  • 這えば立て
    3.0
    あてにならない人生であるから、この舟がてんぷくすることばかりを心配していてもはじまるまい――明治・大正・昭和を駆け抜けた反骨の詩人・金子光晴。その滋味溢れる洒脱な文章は、今もなお色あせることがない。「幼時からこの間のこと」を綴った表題作を中心に、晩年の筆になる随筆を収録。
  • 忍者と忍術
    3.0
    「歴史の深淵にかかわったかもしれない忍者とは、そもそもどのように成立し、どう働いたかを考えてみた。しょせん、忍術は一個の芸能であり、発生は遙かシルクロードの彼方にあると思う」(あとがきより)。大作『服部半蔵』の著者が、忍者研究の集大成として語る。歴史の闇に蠢動する、忍者の源流と足跡。
  • 日本の幽霊
    3.0
    ありもしない怪異がなぜ起り、居もしない幽霊がなぜ出没するのか。昔なつかしいお化けのエピソードも豊かな民俗学者の幽霊研究。〈解説〉矢代静一
  • 日美子の唱歌殺人
    3.0
    知人の父が誰かに尾行されてノイローゼ気味で困っている、との相談を受けた日美子。彼女のタロット占いの結果は凶で、果たして小学唱歌の名曲「夏は来ぬ」の歌詞をなぞるような連続殺人が発生する。
  • 特急「白鳥」十四時間
    3.0
    亀井刑事の首に一千万円の懸賞金が! 犯人の目的は亀井への怨恨か、警察への挑戦か? 亀井は自ら囮になり大阪―青森間を走る「白鳥」に乗り込むが。
  • 棟居刑事の純白の証明
    3.0
    T省課長補佐が、公共事業の受注先である大手商社のビルから墜落死した。自殺か他殺か? 捜査を開始した棟居のもとに、ベテランアルピニストが北アルプス「夢の縦走路」で遭難死したとの報せが届く。二人の死を繋ぐ政官財癒着の深い闇――。腐蝕した組織の底で蠢く黒い欲望とは?
  • 棟居刑事の殺人の衣裳
    3.0
    偶然にも青春の「女神」に似た女性を発見した銀行員・明石は彼女を拉致監禁してしまうが、事態は予期せぬ方向へと進んでいく。愛憎の果ての殺人事件に棟居刑事の推理は!
  • 天空の橋
    3.0
    精巧優美な粟田焼に取って代わり、清水焼を京焼で一番にする――焼物問屋の長左衛門は野望実現のため、粟田随一の陶工・喜助を引き抜き、十五歳の八十松を見習いに付ける。やがて清水焼の品質は向上し粟田焼と拮抗するが、喜助と腕を上げる八十松には激しい妬みが。また、長左衛門には決して口外できない暗い過去があったのだ。
  • 戦後の肖像 その栄光と挫折
    3.0
    秩父宮、高松宮、赤尾敏、安岡正篤、伊藤律、坂口弘、田中角栄、藤山愛一郎、武見太郎など、もし、この人物がいなかったら戦後の日本の政治・経済・社会状況は別の局面を迎えていたかもしれないようなキーパーソン十五人を取り上げ、彼らの足跡を検証することにより、戦後日本の栄光と挫折に迫る意欲作。
  • 森で暮らそう
    3.0
    澄みきった空気と水、真砂なす星空。しかし森は危険も合わせもつ。生活の原点を見すえ、自然と共にありたい人達へ森で暮らす手がかりを伝える好エッセイ。
  • 昭和史再掘 〈昭和人〉の系譜を探る15の鍵
    3.0
    「GHQが演出した熊沢天皇」、「中野正剛はなぜ自殺に追いこまれたか」、「挫折した日本の原爆製造計画」など歴史の闇に消えた史実を掘り起こし検証する。著者の昭和史観がうかがえる一冊。
  • 女神のための円舞曲
    3.0
    20年前、母が市民ホールに遺したオーケストラの不思議な予約それがすべての始まりだった――。音楽教師の身神音々は、即席のオーケストラを結成し、一夜限りの演奏会を催すことを命じられる。それは、20年以上も前に母が市民ホールに残していた謎の「予約」を実現するものだった。時を超え、母から娘へと託されたハーモニーの意味とは? 大人のための癒しと解放の物語。
  • 失踪
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    新宿西口の高層ビルに事務所を構える私立探偵・左文字進。ある日、友人の矢部警部が拳銃で撃たれ入院した。矢部と別居中の妻・美加は失踪し、部屋には女性の絞殺体が。さらに矢部も病院から姿を消し、二人目の殺人が。左文字は一年前に美加が旅行した山形県天童温泉でも失踪事件があったことを知る…。
  • 山本元帥!阿川大尉が参りました
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    『山本五十六』執筆を機に、海鳴りのように胸中に谺する想いにかられ、撃墜された山本元帥機を求めてブーゲンビル島の未踏のジャングルで、ついにその残骸を発見するまでの感動に満ちた鎮魂紀行。アリューシャン列島アッツ、キスカに飛んで、奇跡のキスカ撤退作戦の跡を辿り、予備学生出身の気象官の苦闘を描いた戦記を併載。

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