講談社文庫作品一覧

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  • 巨悪
    3.8
    消えた復興予算、2兆円。 震災を食い物にする奴らがいる――。 《日本最強の捜査機関》東京地検特捜部に配属された検事・中澤源吾は追い詰められていた。 大手運送会社社長の億単位の脱税疑惑を追うも、立証できたのはごく一部。 だが、元同級生の事務官・城島毅らと捜査を進めるうち、 不可解な金の動きは東日本大震災の復興補助金に繋がり――。 元記者の著者が、取材不可能な組織の深部に迫る、骨太の社会派ミステリー! 【推薦コメント続々!】 これほどまでに真に迫る形で、「東京地検特捜部」を扱った入魂の小説があっただろうか。 『巨悪』を読めば、わかるだろう。 伊兼源太郎が、いま猛烈な勢いで巨星・横山秀夫の域に近づきつつある要注目の俊英だと! ――宇田川拓也(ときわ書房本店) やられてしまった。善とは悪とは。考え続けている。 巨悪に立ち向かう中澤、城島。 その悪の正体が現れた時、怒りが爆発し、悲しみにうち震えた。 重いテーマ、エンタメ度満点の傑作ミステリー。 誰かに思いを話したい。 ――山中真理(ジュンク堂書店滋賀草津店) 理不尽な社会の拳となるのは絶望から生まれた怒りの感情。 「巨悪」とはこの世を覆い尽くす闇でもあれば身近に潜む棘でもある。 本物の正義が伝わる揺るぎなき物語! 目を背けてはならない現実がここにある……。 ――内田剛(元書店員、ブックジャーナリスト) 「東京新聞」の特集も大反響!!
  • 兇悪の警察
    -
    疑惑の事件に挑む刑事のハ-ドボイルド推理――若妻・尾形美那子が、ニューヨークで射殺された。夫の尾形友一は、多額の保険金を受取り、三島安代と再婚したが、5年後、前妻殺しの容疑で逮捕される。安代と親密になった警視庁特捜部の会田刑事は、真相を追いニューヨークへ飛んだ。そこではまた奇怪な殺人事件が待ちうけていた。非情のハードボイルド長編。
  • 兇悪の拳銃
    -
    ご存知「非情のライセンス」を持つ日本警察のヒーロー・会田刑事が登場する兇悪シリーズ――長身独身の硬骨漢・会田の所属する警視庁特捜部に大阪府警の「問題」刑事が異動してきた。その彼の命が狙われているという。会田は彼と組んで謎の狙撃者を追う、という表題作のほか、アクション・ハードボイルド・ミステリーの傑作9編を収録。「男はタフでなければならない」
  • 兇悪の炎
    -
    泣く子も黙る鬼警視=特捜部長の矢部に、脅迫電話がかかった。捜査四課のやるべき仕事=暴力団取締りにまで手を出すな、というのだ。矢部は部下の会田に、暴力団・柳井組を探らせていた。柳井組は強力な武器を確保し、勢力を着々と拡大している。ハミ出し刑事・会田の任務は、その武器の入手経路を洗うことだった。不敵な挑戦に、非情のライセンスを持つ男の怒りが爆発する、ハードボイルドの不朽の名作。「非情のライセンス」としてTVドラマ化された「兇悪」シリーズ。
  • 兇悪の眼
    -
    CMカメラマンの久我が撮ったフィルムに、警察が行方を追っていた麻薬密造人の顔が写っていたのではないか。撮影現場でいわくありげなふたりの男をカメラがとらえていたのだ。会田は久我に身の危険を警告し、フィルムの引き渡しを要請するが、彼は一切を拒否した。会田の予感は的中し、ヤクザ組織のフィルム奪回作戦は秘かに進み、屈強な男たちが現れ久我は窮地に立つ。兇悪に挑む特捜部刑事・会田の怒りが爆発する。汚濁の人間像を活写するハードボイルドの不朽の名作。「非情のライセンス」としてTVドラマ化された「兇悪」シリーズ。
  • 兇悪の門
    -
    警視庁特捜部のはぐれ刑事・会田。彼の周辺はいつも、争闘のスリルと血の匂いに満ちている。尋常の捜査では、ラチがあかないときにのみ密命が下り、会田の出番がまわってくる。まずは、獄中の麻薬密売の大物との接触を求めて、会田みずから囚人となるのだが……。日本のミステリ界に初めて誕生したヒーロー・会田刑事の密命遂行を描く、ハードボイルドの不朽の名作。「非情のライセンス」としてTVドラマ化された「兇悪」シリーズ。
  • 教育工場の子どもたち
    3.0
    実際に学校をまわった教育現場からの報告ーー愛知・千葉などから全国にひろがった極端な管理主義教育は、教室での子どもたちの自由を奪い、その心を窒息死寸前にまで追い込んでいる。創造的で生きいきとした生活は、どうしたら甦るのか。いじめや子どもの自殺など緊急な課題を考えつつ、各地の小中学校をまわって、教育の反動化の実態を明らかにする。
  • 教育の論理―文部省廃止論―
    -
    情熱をこめて説く若者独特の「教育の自由」。文部省を廃止せよ。それは教育を荒廃から救い教師や子どもたちを甦らせる。具体的なデータを提示し、教育の自由のために情熱をこめてつづる力作。――いま、日本の教育を荒廃と腐敗に陥れているのは、文部省である。官僚主義のはびこる文部省の関心は、管理監督取締りにあり、教育の自主性は皆無の現状なのだ。だが輝ける未来は、教育の自由なくしてはありえない。ここに文部省廃止の必然性が生じるのである。教育の自由にささげられた、羽仁五郎の文部省廃止論。
  • 境界殺人 新装版
    3.0
    平穏な住宅地。二つの家族。依頼人が起こした事件に不可解なものを感じた……。隣人殺人の裏にあるあまりにも意外な真実――土地家屋調査士の西脇ゆう子は、不動産登記や測量のスペシャリストである。横浜の牧橋家から、土地分筆・分割登記の依頼を受けた。だが、隣家との不和のため、境界がなかなか確定しない。やがて、依頼者の敷地と隣家との境界を巡る殺人事件が発生。犯人の動機に違和感を覚えたゆう子は、独自の調査を開始する。二つの家族同士の過去とは? 隣家の不登校生が見ていたものとは? そして事件の背後に隠された驚くべき真相とは!? 傑作長編ミステリー。
  • 教誨師
    4.5
    半世紀にわたり、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会い続けた教誨師・渡邉普相。「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束のもと、初めて語られた死刑の現場とは? 死刑制度が持つ矛盾と苦しみを一身に背負って生きた僧侶の人生を通して、死刑の内実を描いた問題作! 第1回城山三郎賞受賞。
  • 境界 横浜中華街・潜伏捜査
    3.0
    一九八一年、横浜中華街。日本に生まれ中国文化の中で育ち、屈折を抱えながら獅子舞の練習に没頭する三人の少年。日中の軋轢は崩れず、中華街でも中国系と台湾系が争い、外事警察は大物華僑を狙っていた。そして三人はある日失踪する。三一年後、横浜。失踪した少年の一人が刺殺体で発見される。犯人は誰か。あとの二人は。県警捜査一課の若き刑事は、所轄のベテランとコンビを組む。捜査線上に浮かんだのはあの大物華僑だった。
  • 鏡花幻想
    4.0
    芸者出身の妻の側から幻想文学の巨匠を描く! 幻想妖美小説の祖・泉鏡花の生涯を描く野心作。――17歳で金沢から上京、尾崎紅葉門下生となった泉鏡花は、神楽坂の芸者・桃太郎との出会う。この出会いは、新進作家・泉鏡花の前途に大きな影響を与え、独自の文学世界を築かせる。絶対的権力をもつ師の尾崎紅葉が、この恋に猛反対した件は、のちに「婦系図」のお蔦と主税に投影される。だが、桃太郎は結局、鏡花の妻となり、苦難の鏡花を側面から支え続けた。耽美小説の祖にして幻想美の天才である泉鏡花の、原点と生涯を精密に描く、力作評伝。
  • キョウカンカク 美しき夜に
    3.5
    死体を燃やす殺人鬼・フレイムに妹を殺された天弥山紫郎(あまやさんしろう)は、音が見える探偵・音宮美夜(おとみやみや)と捜査に乗り出す。美夜は殺意の声を見てフレイムを特定するも、動機がわからない。一方、山紫郎は別の人物を疑い……。ホワイダニット(動機のミステリ)の新たな金字塔が登場! 第43回メフィスト賞受賞作を全面改稿。
  • 梟首の島(上)
    -
    高知からの日本人留学生が遠くロンドンで割腹自殺を遂げた。死の理由に疑念を抱いた同郷の商人光明は、1人真相を追う。事件より遡っての土佐では、留学生の母むめと弟の東吉母子が、自由民権運動の昂まりに身を投じてゆく。やがて新聞を通じての言論活動に携わることとなった母子の運命が向かう先とは!? (講談社文庫)
  • 梟商 小佐野賢治の昭和戦国史
    -
    政商・小佐野賢治は、田中角栄のような政治家とつきあうと同時に、児玉誉士夫をはじめとする闇の人物たちとのつきあいも深かった。政界、財界、闇の世界のすべてにつながっていた一人の男の生き様こそ、昭和を語るにふさわしい。いまだ書かれざる裏面と、その驚愕すべき「悪」のスケールを活写する。政商の実像に肉迫! 昭和とともに生きた一代の怪物の生涯を描く。
  • 凶獣の島
    4.0
    田中光二の新しい衝撃! SF+冒険小説……。狩られるのは誰か? 伊豆沖の無人島でひっそりと催されたゲームのスリルとサスペンスを痛烈なパンチで描く「凶獣の島」。冒険と悲壮美にあふれた釣り物語の「最後の渓谷」など、異常の世界に躍動する爽快さと苦さに満ちた青春を描く8編を収録する傑作短編集。
  • 協奏曲
    -
    かつての恋人で、今は外交官夫人になっている女性を忘れられず、再会を期してフランスへ渡る中年作家。また、海外取材という名目で、この中年独身作家のあとを追う、天衣無縫に生きる若い女性アナウンサー。二つの世代の恋愛とその心理的葛藤を、同時並列の映画的手法で描く傑作長編。

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  • 兄弟 追憶のhide
    3.9
    2022年夏公開の映画「TELL ME ~hideと見た景色~」原作! 主演は今井翼! 監督:塚本連平 出演:今井翼 塚本高史 JUON 津田健次郎 配給:KADOKAWA いま明かされるhideの素顔 X JAPANギタリストとして、ソロ・アーティストとしてミュージックシーンを全速力で駆け抜けたhide。弟が見つめた伝説のロックスターの「真実」がここに! 新エピソード満載で文庫化! X JAPANそしてソロ活動の絶頂期に急逝したギタリストhide。強烈な残像は今なおファンの胸を熱くし、若いアーティストたちを刺激する。hideのただ1人の弟であり、パーソナル・マネージャーだった著者が綴る“真実のhide”。少年時代、X再結成ほか新エピソードを満載して、待望の文庫化! 「本当の俺を見ててくれるのは、おまえだけだから」 いつもそばにいた弟が語る、hideの魂。 横須賀に生まれた3つ違いの兄弟、秀人と裕士。ギブソンのレスポールを手にどぶ板通りにかよった兄は、X JAPANでロックスターの頂点へと駆け上がる。弟は“hideさん”のパーソナル・マネージャーになった――。 ※本書は、2004年7月に角川書店より刊行された『兄弟 追憶のhide』に大幅加筆し、文庫化したものです。
  • 凶弾 瀬戸内シージャック
    -
    1970年、体制に反抗する〈青春〉があった。それも横目に、社会に反抗するしかなく生きる〈青春〉もあった。飢えた野良犬とだけは見られたくない……。唯一の孤独な美学と、一丁の銃に見果てぬ夢を托した若者・荒木英夫。一発の狙撃弾によって幕を下ろす戦慄のシージャック事件を描いたドキュメント・ノベル。石原良純のデビュー作映画の原作。
  • 京都駅殺人事件
    3.0
    東京調布で浪人生の死体が見つかった。現場には時限爆弾を作っていた痕跡があり、その部屋の住人で被害者の親友・橋本が行方不明に。やがて、京都駅長に奇妙な脅迫状が届く。「古都の景観を損なう醜怪な京都駅を建て直せ。さもなければ爆破する」犯人は橋本なのか? そして、十津川警部は京都駅を守れるのか?
  • 京都大原 名旅館の殺人
    4.0
    紅葉燃えさかる洛北・大原の三千院にほど近い橋から、拝むように手を合わせた女性が転落死する。女性は、気鋭のプロデューサー・源田がリニューアルを手掛けた名旅館「源(げん)・雲上楼」の辣腕支配人だった。カメラマン星井裕は、事件の背景に老舗旅館の誇りをかけた「お家騒動」があると推理する。TBS系列「美食カメラマン星井裕の事件簿」ドラマ原作、「名探偵・星井裕の事件簿」シリーズ!
  • 京都『源氏物語』華の道の殺人
    3.3
    華道界の取材で京都を訪れた、カメラマン星井裕。だが、目の前で気鋭の美人華道家が毒殺された。背景には、『源氏物語』にちなんだ、哀しい因縁が見え隠れする。京都通の星井が、刑事である元妻・安西美雪や、助手の小林健とともに名推理を発揮!! グルメで優しい名探偵の新ミステリ。TBS系列「美食カメラマン星井裕の事件簿」ドラマ原作、「名探偵・星井裕の事件簿」シリーズ!
  • 京都恋供養殺人事件
    4.0
    キャサリンの友人宅に届いた殺人予告状! 京都の資産家・西沢家の次女・秋子が千本えんま堂で、当主の四季が千本釈迦堂で相次いで絞殺された。そして、長女・夏子と夫の春彦には殺人予告状が送りつけられる。自殺した養女・冬子の存在、春彦の不倫など西沢家の複雑な人間関係が次々と明らかに。惨劇の真相にキャサリンが迫る本格長編ミステリー!
  • 京都再婚旅行殺人事件
    5.0
    親友ユミの結婚式に出席したのが縁で、麻矢はユミの義兄・杉原太郎と結ばれる。豪華な挙式、京都に1泊して外国へのハネムーン。麻矢は幸せだった。ところが初夜が明けると、太郎がベッドで毒死していた。初めに疑われた麻矢だが、嫌疑が晴れると、自ら探偵役に! だが、夫の過去を探っていくと、連続殺人が……。愛をテーマにした、本格長編推理。
  • 京都嵯峨野 京料理の殺意
    3.5
    イタリアの権威あるグルメガイド『アンジェロガイド』の上陸に沸く京料理界。格付け評価の舞台裏を取材するため京都・嵯峨の三ツ星割烹を訪れた際、カメラマンの星井裕がすれ違った真っ赤なスーツ姿の女性は、直後に京阪電車に撥ねられる。そして星井は、このグルメガイドの調査員が殺された事件の犯人扱いを受けてしまう。死に際に遺された「す、ぐ、に」という言葉が意味するものとは? TBSドラマ「美食カメラマン星井裕の事件簿」原作、グルメ探偵が活躍する「名探偵・星井裕の事件簿」シリーズ!
  • 凶徒津田三蔵
    -
    明治24年5月11日、来遊中のロシア皇太子ニコラスが、滋賀県大津京町筋を通過中、沿道警備の巡査に切りつけられ負傷した。この大津事件を起した津田三蔵の人間像をリアルに描いた表題作。大津事件をめぐって愛国者の名を後世に残した下手人・津田三蔵、責任者・明治天皇、ほかに畠山勇子、児島惟謙の4人を論じた「愛国者たち」を収録。谷崎潤一郎賞、野間文芸賞を受賞した作家の名作。
  • 京都七不思議の真実
    3.5
    醍醐寺、伏見城、龍安寺……、方位アドバイザー艮七星はTV番組で「京都の七不思議」を独自に選定し、その謎に迫る。だが、アシスタントの詩織が艮の陰に踏み込もうとすると、不吉な殺人事件が起こるのだった。北斗七星の呪術が現代人の怨念を呼び覚ますのか?もうひとつの京都が見える斬新ミステリー。
  • 京都西陣シェアハウス 憎まれ天使・有村志穂
    3.0
    京都西陣にあるシェアハウスに住むのは、悩み多き、トラウマを抱えた住人たち。死亡事故を起こした元自動車販売会社の営業マン、不倫相手のために犯罪寸前のOL、過去の恋愛を隠し続ける老人……。そんな"ワケあり"住人たちの心に、ズケズケと踏み込む、就活連敗中女子大生の有村志穂。このお節介は吉と出るか凶と出るか。超ド級のキャラクター・志穂の振る舞いから、もう目が離せない
  • 京都花暦 直参松前八兵衛
    -
    京都町奉行となった松前八兵衛を待ち受けていたのは、与力による懐柔の罠だった。事なかれの怠惰な役人の背後には幕府の威信を失墜させる陰謀が。不可解な金公事と心中事件を探索するうちに見えてきた真相とは? 北条方の間者を率いて、八兵衛は古都に巣くう深い闇をあぶりだして行く。〈文庫書下ろし〉
  • 京都東山「哲学の道」殺人事件 赤かぶ検事シリーズ
    -
    妻を殺された弁護士が容疑者の女を弁護する!? ――信州・松本から京都地検に転勤になった赤かぶ検事は、哲学の道を夫婦で散策中に、変死体を発見した。被害者の女性は日舞の家元で、捜査線上に浮かんだ不倫相手は、何と行天珍男子(ぎょうてん・うずまろ)。妻の行天燎子(りょうこ)警部補とともに、赤かぶが信頼を置く警察官だった。さらに珍男子の派出所で紛失した拳銃が目撃証人殺しに使われ……。
  • 京都三船祭り殺人事件
    5.0
    京都嵐山で、色艶やかな平安絵巻を繰り広げる三船祭り。呼び物の扇流しで祭りが頂点を迎えたとき、大観衆の目の前で人気女優・野上麗子が毒殺された。メイク係の中村由紀子は大部屋女優・田中朱美に不信を抱くが、朱美もまた何者かに毒殺される。二転三転する容疑者。真犯人はいったい誰か!? 傑作長編推理。
  • 京都紫野殺人事件
    5.0
    池上鮎子の恋人で新聞記者の北条が、デートから京都へ戻る新幹線の車中で毒殺された。鮎子は警察の事情聴取をうけた際、北条には京都に婚約者がいたと知らされ、衝撃と疑念をおぼえる。謎を追いはじめた彼女の前に次々意外な事実が。そして北条が記者として追及していた巨大悪とは?
  • 京都紅葉寺の殺人
    4.0
    高層ビル群やテーマパークの建設計画を打ち立てた「京都再生会議」。その座長・塩崎が、謎のメモを残し殺害される。警察は計画に真っ向から反対する東山安寧寺の僧・光雲に疑いを向けるが……。紅葉の撮影で京都を訪れたカメラマン星井裕は、元妻で刑事の美雪、科捜研の蘭とともに、事件の真相を探る。グルメ探偵が活躍する、ドラマ化もされた「名探偵・星井裕の事件簿」シリーズ!
  • 京の小袖
    -
    結婚をめぐって揺れ動く女心をきめ細かに描き、高雅な香りあふれる短編小説集。忍ぶ恋に悔いのない生き方を想い、密やかな愛のなかで男の優しさを求める女の心情。「幻の辻ケ花」と呼ばれる家康着用の小袖を、京都・南禅寺でかつての恋人とともに見る知佐子を描く表題作など、現代の女の生き方を問う名品8編。
  • 狂の精神史
    -
    古代において〈狂〉とは、神に魅せられた状態であった。また芭蕉の、止みがたい漂泊の思は「そぞろ神の物について心を狂はせ」た結果であろうか。無常の世に棲む人間はその哀しさに耐えず、さまざまな〈狂〉を演ずる。その夢の世を、むなしく凝視しつづけた日本人の系譜を追って、現代の〈狂〉を予感させる名著。
  • 京の庭
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 京都の名園といわれる庭園40ヶ所を、「池泉庭園」「枯山水庭園」「茶庭」に分類し、それぞれを造園時代順に配列。庭園のどこに立って、どのように鑑賞すれば、本当の美をとらえることができるかを、その由来・作庭のポイントなど、やさしく解説した、ハンディーな名園解説書。
  • 京のほたる火 京都犯科帳
    3.5
    京の町、名も無き人々、懸命に生きる。「咎」を犯してしまう人々の、悲しさ苦しさを語りながら、読む者の心に、ほんのりとしたあたたかさが残っていく……。『なまくら』の著者が描く、珠玉の時代小説短編集。「京都水無月大賞2010」受賞作品――京の町に帰ってきた親方と、初めての音吉。辻で人を集めて芸をみせ、商いをする、けん玉売りの二人には、人には言えない、もうひとつの仕事があった。危ない橋を渡ろうとする、その先には……(「けん玉売り」)ほおか、短編8編を収録。貧しくとも毎日を懸命に生きる庶民と、揺れる心を見事に綴った、時代小説短編集。
  • 今日は再び来らず
    -
    東大―大蔵省―総理大臣の夢をわが子にかける母。早朝、霜を踏んで寒中受験特訓に励む小学生の群れ……就職に失敗して進学塾を始めた津島には、それはあまりに異様な光景だった――。教師・学生・浪人そして親たちの人生に、このますます加熱する「受験戦争」はどのような意味をもつか? その内幕をえがき、最も切実で緊急なテーマに迫る意欲的長編。
  • 今日も君は、約束の旅に出る
    3.8
    何度だって、飛んで行くよ。笑わないで聞いて欲しい。これは、“絶対に約束を破れない”体質になった男の、一生に一度の恋の話だ。全てを賭けて臨んだオーディションに落ち、女優になる夢を諦めようとする国木アオ。自室で失意に暮れる中、突如地震が発生、目の前に一人の男――幼馴染の森久太郎が現れた。聞けば久太郎は、約束を果たす時が来ると、その場に瞬間移動する体質になってしまったと言う! 極上の感動を約束する傑作恋愛小説。
  • 今日も銀座へ行かなくちゃ
    -
    ビギン・ザ・ギンザ! まずは、銀座を気ままに泳いでみる。ちょいと足をのぼして、築地市場、月島もんじゃストリート、レインボーブリッジへ……。都市で遊ぶ、都市(まち)を遊ぶ<東京の達人>が、大好きな銀座と、その周辺を歩いて綴る、小粋なコラム集。忘れていた都会人の息づかいが、ちょっぴり懐かしい、しなやかな東京本。
  • 極限推理コロシアム
    3.2
    夏の館と冬の館に強制的に集められた男女に「主催者」は命じる。「今から起きる殺人事件の犯人を当てよ」。被害者は彼らの中から選ばれていき、しかも、もう一つの館より早く犯人を当てなければならない。不正解の代償は館に残る全員の「死」――。第30回メフィスト賞受賞作品。(講談社文庫)
  • 極北クレイマー2008【電子特典付き】
    4.0
    1~2巻770~902円 (税込)
    財政破綻がささやかれる極北市民病院に赴任することになった今中良夫。極寒の北国、経費も人材も削減された医療現場に未来はあるか!?
  • 巨鯨
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「母クジラが、ようやく頭を右に振った。そして子クジラをかばうように、私の目の前をゆっくりと旋回していく」──クジラと人間の、啓示に満ちた出会い。子クジラによりそう母クジラの目の優しさ、潮噴きの瞬間、ブリーチの躍動……、それらのすべてに、人間の心を潤してくれる、不思議な力がある。10年にわたる観察と海中撮影で得たクジラの素顔、感動の写真集。
  • 虚構市立不条理中学校
    4.0
    学校とセンセイを笑いでフッ飛ばせ!! 世界一ヘンテコな教育の世界に「おも理科」の鬼才が挑む爆笑長編! ――中学校の三者面談に行った、妻と息子が戻って来ない。小説家の蓬原(よもぎはら)が学校にのりこむと、出てくるのはヘンテコな先生ばかり。「弁当は、おかずの体積がめしの体積を超えてはいけない」など、バカバカしい規則を掲げる教師との爆笑の戦いを描き、管理教育を笑いとばす痛快長編!! <支給『虚構市立不条理中学校(全)』改題作品>
  • 虚構地獄 寺山修司
    4.0
    愛憎渦巻く母子関係が、寺山芸術の「原点」か!? 天才の謎に迫る! ――母の出自を唾棄し、神聖冒涜し、「母捨て」「母殺し」の虚構地獄を創り上げてきた天才は、なぜ、母にこだわりつづけたのか。また、愛憎を渦巻く母子関係は、寺山芸術に何をもたらしたのか……。47歳で他界するまで、全速力で時代を激走した寺山の「迷宮王国」に入り込み、その謎に迫る、野心的ノンフィクション。天才詩人の闘いの軌跡!
  • 虚構の彷徨 ダス・ゲマイネ
    5.0
    左翼運動への裏切りと鎌倉海岸での心中未遂、縊死未遂の告白を軸に、小市民的モラルを否定しながらも惨落と自負の意識に痛ましく引き裂かれていく青春の日々、その絶望の乱舞を、道化の言葉でつづった、「道化の華」「狂言の神」「虚構の春」という、いわゆる『虚構の彷徨』三部作。他に、芥川賞落選で精神的に追い込まれた同時期に書いた「ダス・ゲマイネ」も併録。
  • 虚人の星
    値引きあり
    3.6
    外交官から首相秘書に抜擢された新一は、七つの別人格に苦しむスパイでもあった。その新一が仕える世襲総理松平定男は、凡庸な極右との前評判を覆し、米大統領をも黙らせる名演説で世間の度肝を抜く。しかし彼の内部にも奇妙な変化が現れて……。二重スパイと暴走総理は日本の破滅を食い止められるのか?
  • 『巨人の星』に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。
    3.0
    星飛雄馬はカーブを投げられなかった!? 目から鱗の新発見! ――がんこ親父の代名詞ともいえる星飛雄馬の父・一徹は、ちゃぶ台をひっくり返したことは一度もなかった。中日に入団した大リーガー・オズマは、なぜカタカナで喋るのか? 飛雄馬はどこのマンションに住んでいたのか? ……など、名作『巨人の星』に隠されたナゾを、気鋭のデータコラムニスト・ホリイが徹底解明!
  • 巨泉日記
    -
    年金もあてに出来ない。日本にまだこだわりますか? ――国も政府も信用しない。年金もあてにできない。「オレのことはオレがやる」……セミリタイアから10年、いよいよ日本脱出は正しかったと思う。体力気力が衰えたら、さらにスローダウンし南半球に「定住」もいい。ニュージーランドの格安快適生活に加え、「ひまわり暮し」の実情を詳細に報告。『巨泉 人生の選択』生活編第3弾!
  • 巨泉の使える英語
    -
    簡単フレーズで英会話のコツを掴め! キザと言われようと感動したら“WOW!”、「あっヤバイ!」なんて時には“OOPS!”―― WOW! OOPS! YOU BET! WELL DONE! HOLD IT! ……あんまり学校で教えない、辞書にも載っていない口語的言葉。その使われるパターンを覚えるうちに、自然に英会話のコツがマスター出来る。当たり前だけど英語は言葉、「習うより慣れろ!」です。簡単フレーズで上達しよう!!
  • 巨泉流 成功!海外ステイ術
    4.0
    誰にでも実現可能な「外国暮らし」実践法! ――「一生懸命働いたから、あとはゆっくり楽しもう」を実行した著者が、サラリーマンにもできる「ゆったり海外生活」の実践法を伝授。自分にあった国や土地の見つけ方、安い航空券・良い滞在施設を確保する手段、趣味の楽しみ方、そして、肝心なお金の手当。準備は早くはじめるほど有利だ! <『巨泉(2)』改題作品>
  • 巨大外資銀行
    3.8
    1巻1,012円 (税込)
    邦銀から米系投資銀行に転職した西田。大手医薬品メーカー同士の対等合併という大型案件に挑むが――外資の詐欺的商法に日本経済が蹂躙される実態を明かす。ベストセラー『小説 ザ・外資』を改題した新装版。
  • リベンジ 巨大外資銀行
    4.5
    かつて在籍していた全米第二位の巨大投資銀行を相手に、若き日本人ビジネスマン西田が闘う。世界的な金融不況で破滅するのはどちらだ? 裏切りが横行し欲望が渦巻く国際金融戦争の実態と、日本人の生きざまを、圧倒的なスケールで高杉良が描く!
  • 巨大幽霊マンモス事件
    値引きあり
    4.0
    ロシア革命から数年経ったシベリア奥地。逃亡貴族たちが身を隠す<死の谷>と呼ばれた辺境へ秘密裏に物資を運ぶ<商隊>と呼ばれる一団がいた。その命知らずな彼らさえも、恐怖に陥る事件が発生! 未知なる殺人鬼の執拗な追跡、連続する密室殺人、<死の谷>に甦った巨大マンモス……。常識を超えた不可解な未解決事件を名探偵・二階堂蘭子が鮮やかに解き明かす!
  • 虚名
    3.0
    本名・北野弓子、芸名は長山レナ・風見圭子・簗瀬ルミと変わって十年ぶりに会った女は昔とちっとも変わらぬ美貌を誇っていた。かつてひょんなことから同棲した女が急に売れ出したとき、二人の仲は破局に向かった。再会した男と女の胸中に流れる甘く苦いノスタルジー。虚構の世界に生きる男女を描く連作集。(講談社文庫)
  • 清正を破った男
    値引きあり
    4.0
    戦国時代末期、九州では島津勢が猛威を振るっていた。肥後の一豪族・木山弾正の居城にも島津の大軍が押し寄せる。城を枕に討ち死にか、それとも軍門に下ってしまうか。だが弾正は決意する。選んだ道は、敵の包囲網を突破して、義兄のいる天草へ落ち延びることだった。無事脱出に成功した弾正だが、時代はさらに変転する。弾正は九州の新たな支配者、太閤秀吉の奮う権勢にどう対峙するのか? 傑作戦国時代小説。
  • 機雷
    -
    海軍兵学校出身の梶井中尉は、連合艦隊を夢みながらも、後衛の海防艦「大東」から、さらに後方の機雷敷設艦「常磐」に移される。あてのない敵を待ち続け、海を浮遊する機雷に、運命を弄(もてあそ)ばれながら敗戦を迎えるが、ほどなく彼は、機雷掃海の「戦争」を再び始める……。戦争と生きることの意味を問う、直木賞受賞の名作。
  • 綺羅の皇女(1)
    3.3
    華麗なる和風ファンタジー、開幕!皇族ながら、両親の愛を知らずに修道尼院で育った皇女・咲耶(さや)。真秀皇国(まほらこうこく)の皇帝しか見るはずのない予知夢を見る咲耶は、それを他言することを厳しく禁じられていた。隣国に嫁ぐため渡海したある日、夢で故国の惨状を知るも、咲耶は知らせる術がない。しかし――。権謀渦巻く皇国で、特異な生を受けた少女の運命は。
  • キラレ×キラレ CUTTHROAT
    3.6
    切り裂き魔は、誰? 身動きできない電車の中、息を潜める変質者。ぎゅうぎゅう詰めが怖い、刃物が怖い。満員電車の中、三十代の女性がナイフのようなもので切りつけられる事件が立て続けに起こった。探偵・鷹知祐一朗から捜査協力の依頼を受けた小川と真鍋は、一見無関係と思われた被害者たち全員に共通する、ある事実を突き止める。その矢先に新たな事件が起こり、意外な展開を見せるが……。Xシリーズ第2弾!
  • Killers(上)
    3.5
    2020年、東京五輪に向けて再開発が進む渋谷区のアパートで、老人の他殺体が発見された。捜査の結果、その被害者はかつて名家の人間だったことが判明する。この男は何者なのか――。渋谷で発見される、額に傷を付けられた死体。50年という時の中に潜み続ける殺人者とは――。警察小説の旗手・堂場瞬一が「人が人を殺す」というテーマに向き合い書き上げた、記念碑的文芸巨編。
  • 霧枯れの街殺人事件
    -
    霧で人間まで草のように枯れていく……。霧深い北の街の奇怪な事件。本格ミステリー――北国の街、久寿里。1年の半分は霧に、冬は雪と氷に閉ざされた所だ。真夏でもぐずつくことの多い空に人々の心は晴れない。この街で、さらに陰鬱な事件が起こった。若い女性の首吊り死体と密室の中の首なし死体が発見されたのだ。署長に嫌われ捜査の主流から外れた4人の刑事が犯人を追う! <『霧の町の殺人』改題作品>
  • 切り裂きジャック 闇に消えた殺人鬼の新事実
    3.0
    1888年の8月末日から11月9日にかけて、5人の娼婦を次々と惨殺し、世紀末のロンドンを恐怖のどん底に突き落とした「切り裂きジャック」。逮捕されることなく歴史の闇に消えた殺人鬼の正体を、日本のリッパロロジスト(研究家)の第一人者が、豊富な資料と図版を駆使して追究する、マニア必読の1冊。いま甦る、ロンドンの恐怖伝説!
  • 霧舎 巧 傑作短編集
    値引きあり
    3.9
    名探偵・後動悟が、密室の列車内で、華麗なアリバイ崩しを披露する「手首を持ち歩く男」。師・島田荘司の人気シリーズから御手洗潔と石岡和己の名コンビが登場する「動物園の密室」。ほかに《あかずの扉》研究会と《霧舎学園》のメンバーも集結し、オールスター探偵がハイレベル推理を連発する、珠玉のミステリ短編集!
  • 霧棲む里
    -
    ひたむきな女たちの愛と生を描く短編集――女の心に棲むひめごと。夫の裏切りを知った妻は、すべてを捨てて、静寂な暮しを手に入れたいと、ひそかに思う。ひたむきに自分らしく生きようとする女心を、その微妙に揺れる心の襞を、確かな目で細緻に捉えて描く表題作。ほかに自伝的作品3編をふくめ、女の愛と生を描く、魅力あふれる傑作短編6編を収録。
  • 霧積温泉殺人事件
    3.0
    突然、衝撃の別れ話を妻から切り出され、顔面蒼白の志垣警部。なんとか絆を取り戻そうと計画したのは、一軒宿の秘湯・霧積温泉への家族旅行。だが、気まずいムードの旅先で、一家を待っていたのは殺人事件。しかも第一発見者は、妻・素子。西條八十(やそ)の童謡『ある夜』が暗示する悲劇の真相に、志垣警部が迫る! 離婚危機の志垣警部が、家族旅行で死者に遭遇した、童謡が語る怪死の背景とは?
  • 霧のレクイエム
    値引きあり
    -
    人影のない秋の軽井沢。そこで仁科洋子は男と出会い、恋におちた。語り合ううちに洋子は、男に悩みを洩らす。東京のマンションで不気味な隣人から恐怖を与えられている、と。男はやがて或る計画を持ちかけた。即ち交換殺人! そして事態は予想外の展開へ。哀愁と恐怖が交錯する、ロマンチック推理。
  • 鬼流殺生祭
    3.5
    維新の騒擾(そうじょう)燻(くすぶ)る帝都東京の武家屋敷で青年軍人が殺された。被害者の友人で公家の三男坊九条惟親(くじょうこれちか)は事件解決を依頼されるが、容疑者、動機、殺害方法、全て不明。調査が進むほどに謎は更なる謎を呼ぶ。困惑した九条は博学の変人朱芳慶尚(すおうよしなお)に助言を求めるが……。卓抜な構成と精妙な描写で圧倒する傑作本格ミステリ。
  • キルプの軍団
    4.2
    高校生の僕は、ディケンズの『骨董屋』を読み、作中のキルプにひかれる。そして、刑事の忠叔父さんと一緒に原文で読み進めるうちに、事件に巻き込まれてしまう。「罪のゆるし」「苦しい患いからの恢復(かいふく)」「癒し」を、書くことと読むことが結び合う新たな語り口で示した大江文学の結晶。
  • 岐路
    -
    セミリタイア生活を捨て、なぜ「政治」を選んだのか? 日本の危機的状況は今も変わらない―― 1に健康、2にパートナー、3に趣味。後半生の優先順位を守り、冬はオセアニア、夏はカナダに太陽を追う「ひまわり生活」は十分快適。ひとつ気がかりは、日本の行方だ。「沈没」へ最悪の道を進む日本政治への提言を熱く語り、リタイアから政治へ、巨泉流生き方の岐路がここにある。<『こんな民主主義いらない』『異見のすすめ』を再編>
  • 帰路
    -
    初体験の感傷的な記憶、書いても書いても売れなかった時代に飲んだ酒の味、殺されるのを覚悟した学生運動の日日……売れっ子作家としてTVで顔も知られるようになって、問い続ける青春の意味。友情、恋愛、家族のいったい何が変わり、どこへ行こうとしているのか?走り続ける作家のハードボイルド連作。
  • 木を植えた男を訪ねて ふたりで行く南仏プロヴァンスの旅
    5.0
    夫婦二人旅の提案。テーマは植樹と環境問題。植樹は平和運動である――『アルプスの少女ハイジ』の舞台をスイスに訪ねた夫妻が、次の目的地に選んだのは、「環境文学」の先駆的な名作『木を植えた男』の作者ジオノの故郷。後年、『千の風になって』を作ることになる作家夫妻による夢紀行。植樹とは平和運動なのであると知る「発見の旅」に、さあ出かけよう! 南仏旅行・必携のガイド。
  • 金閣寺の燃やし方
    4.3
    若い修行僧はなぜ火を放ったのか。「金閣寺焼失事件」に心を奪われ、共に事件を題材に作品を書いた三島由紀夫と水上勉。生い立ちから気質まで、すべてが対照的な二人を比較すると、金閣寺の蠱惑的な佇まいに魅入られずにいられない日本人特有の感覚まで見えてくる。著者ならではの分析眼が生きた文芸エッセイ。
  • 金庫番の娘
    3.5
    わたしがあなたを総理にしてあげる! 国のため、社会のため、企業のため、個人が人知れず犠牲を強いられるなんて絶対に許せない! 永田町のドン、総裁選、司法取引―― 私物化された権力の横暴を前に、新米女性政治家秘書が風穴を開ける! 一気読み必至! 元新聞記者がこの「どうしようもない」現実に全力で投げ込む、骨太政治エンターテインメント! ベテラン衆議院議員・久富隆一の秘書を父に持つ藤木花織は、十年近く働いた一流商社を辞め、久富事務所に転職。慣れない業務に慌ただしい毎日を送る中、突然久富から呼び出され、父と一緒に財務秘書――<金庫番>になるよう打診される。 実は政治が好きでもなければ、興味もなかった花織。なぜ彼女がこの世界に飛び込んだのか。そこには誰にも明かせぬ「秘密」があった――。
  • 禁じられたジュリエット
    4.0
    「もはやオマージュを超えた次元で本格魂が炸裂してます」恩田陸氏  退廃文学として禁書となっている「ミステリ小説」に触れてしまった女子高生六人。  彼女ら「囚人」役と同級生二人の「看守」役は思想更生プログラムを強いられる。八人は協力して「監獄ごっこ」を乗り切るはずだったが、「囚人」と「看守」の対立は激化し、ついに悲劇が!   「書」の力を謳(うた)い上げたミステリ愛読者必読の書。 解説 有栖川有栖
  • 金属バット殺人事件
    -
    誰からも「よい子」と愛されていた少年が、ある夜、突然、両親を殴り殺した。いったい今は、何が正常で、何が異常なのか。この一家の両親にも、次男にも、異常なものなど、どこにもなかった。正常な少年を駆り立てた動機とその異常な行動の間の「真白」な闇とは、何であったのか。現代っ子の意識に潜む狂気を暴く問題作! 川崎市で起きた衝撃の事件に鋭いメスを入れる。
  • 金田一温泉殺人事件
    4.0
    座敷童子(ザシキワラシ)が飛び出してきた! 東北の温泉宿、伝説の奥座敷で起きた惨劇を志垣警部が追う! 男は十和田湖畔で、頭を丸坊主にされ唇には紅を塗られて殺されていた。そして第二の殺人は、座敷童子が出るという岩手県金田一温泉の宿で起こった。ナイフを突き立てられながら一滴の血も流さず息絶えた女の側から走り去る座敷童子! 伝説に彩られた猟奇殺人の真相を求めて、志垣警部は豪雪の東北へ! (講談社文庫)
  • 金田一少年の事件簿 小説版 雷祭殺人事件
    3.0
    人気コミックのドラマ原作小説が講談社文庫版で堪能できる! 高校の元クラスメイトが住む雲場村(くもばむら)を訪れた 金田一一(きんだいち・はじめ)と美雪(みゆき)。 その村では雷を崇める夏祭りが催されるという。 雷鳴の轟音が祭りの始まりを告げたのち、友人の屋敷で ”空蝉”(うつせみ)――蝉の抜け殻に覆われた死体が発見される。 この空蝉は、雷に捧げられた呪わしき供物なのか。 陽炎の中から現れた美少女の悲しき秘密とは--。 ハジメは事件現場から消えた足跡のからくりを見破れるのか。 表題作のほか短編「共犯者X」と「迷い込んできた悪魔(デモン)」の2編を収録。
  • 禁断の宴
    1.0
    「この部屋に住んでみる気持ちはない?」素敵な老紳士からの招待をうけた私は、脇の下とアソコを剃毛され、彼のペットに。体の奥の深いところから甘美な疼きが湧き上がり、それが腰を締めつけたかと思うと、体全体にさざ波のようにひろがっていきます……。心と体が触れ合うエロティシズムの極致、痺れる10篇。
  • 禁断の館殺人事件 告発弁護士シリーズ
    -
    「法廷荒らし」猪狩文助が逆転無罪に挑む! ――夫の暴力に耐えかね、家出し、豪邸の住みこみメイドになった志津子。ある晩、拳銃を持って部屋に侵入した夫を、強盗と間違えて殺してしまう。彼女は殺人罪で起訴されるが、老弁護士・猪狩文助は、豪邸の住人たちの奇妙な関係と行動に不審を抱き、法廷では得意の名弁舌で、真相解明と逆転無罪に挑む!
  • 均ちゃんの失踪
    3.8
    ふらりと旅に出たまま帰らない内田均の家に泥棒が入り、この家に出入りしていた元妻の高校美術教師と重役秘書と雑誌編集者という年代の違う女たちが警察で鉢合わせ。均ちゃんへのそれぞれの思いを胸に、ひょんなことから三人そろって箱根の高級温泉旅館に行くことになり……。切なくも軽やかな恋愛小説。
  • 黄金の騎士団(上)
    3.0
    地上げの脅威に晒される、四谷の孤児院「若葉ホーム」。肩を寄せ合って暮らす六人の少年たちの元に、ある時から「黄金の騎士団」と名乗る謎の人物名義の生活資金が届けられる。認知症で失踪癖のある院長先生に代わり、目付け役になったホームのOB外堀公一は、“騎士団”の驚くべき正体を突き止める!?
  • 金融夜光虫
    -
    売国奴の正体を暴く! ――夜の六本木。高層ビルの一室に、金融担当大臣ら要人たちが集まり、ある銀行の破綻処理について、互いの腹を探り合った。その直後、大手銀行と監査法人の争いが勃発。監査法人のエリートが、失踪してしまう。彼はなぜ消えたのか? 金融界に蠢く男たちの「暗部」を描きだす、迫真の経済ミステリー。 ◎「外資に銀行を売り渡す男が政権の中枢にいる! 衝撃の問題作だ」<佐高信氏>
  • 偽作家のリアル・ライフ
    -
    注目される作家の20代の頃の第一エッセイ集――1961年生まれの著者のデビュー作「優しいサヨクのための嬉遊曲」創造の秘密。1961年生まれの著者の衝撃的なデビュー作品『優しいサヨクのための嬉遊曲』の創造の秘密。青くささを唯一の拠り所にする「怖るべき子供」島田雅彦の、きらめく才気をあますところなく伝える第一エッセイ集。「日本のおじさんやおばさんは醜い! 勝手に遊ぶ少年少女は美しい! 世界は美しい者たちのためにある」
  • 戯史三國志 我が糸は誰を操る
    4.0
    董卓(とうたく)に想い人を奪われた若き日の陳宮。己の無力に打ちひしがれていた時「俺の臣になれ」と言う男・曹操が現れ、彼の人生を変えた。名将に重用されながら、呂布(りょふ)に寝返った謀将。その愚行の裏には知られざる熱い友情と真心の物語があった。「小説現代長編新人賞」奨励賞受賞作。(講談社文庫)
  • 偽装倒産
    -
    新規株式上場前日の突然の破産申し立て。銀行と大証券の驚ろくべき陰謀を描く問題作。小説が予見する明日の経済スキャンダル! ――時価発行増資によって手にした22億5千万円のカネを「横領」する、というオリエンタル興業社長・天野実の仕組んだ犯罪劇は、罪もない2人のミドルを自殺に追いやった。二部上場を前にした「優良企業」の突然の倒産に疑問を感じた経済記者・酒井竜也の追及の前に、銀行、証券会社絡みの「悪の筋書」が浮かび上がる!
  • 偽装取引
    -
    政権はゼニから生まれる! ――ゼニが権力を生みだす現代政治。保守政権のメカニズムを抉り、暗闇にうごめく巨魁の姿を白日に曝す。衆議院大蔵委員会で、古沢総理の政治資金に不明朗な点があると爆弾質問を炸裂させ、内閣をゆさぶった反主流派の領袖・浜田重明。だがその浜田の周辺にも黒い噂が渦巻いていた……。ビジネスマン必読の書。
  • 擬態
    3.5
    成り行きで家出少女と同居を始めた女子大生ナナミは、友人の死に責任を感じつつ生きる元ヤンのクニコとおざなりなメールのやり取りを続けていた。平凡な郊外の街で、二人の日常が交差する時、過去の記憶の輪郭が残酷に浮かび上がる。“嫌ミス”の旗手が挑む新境地! 『W-二つの夏』を改題。 (講談社文庫)
  • 義に生きるか裏切るか 名将がいて、愚者がいた
    -
    敗れ去っても美名を残す者、勝ち残っても罵声を浴びる者。人物たちの真価を決めたのは何か? 関ヶ原の小早川秀秋の寝返りに従わなかった松野主馬、明治の終焉とともに夫に殉じた乃木希典夫人……確かな歴史観と志ある者へのまなざしで定評ある著者が、激動の時代を生き、そして消えていった男たち女たちを記す人物評伝。(講談社文庫)
  • Gift
    4.2
    消えた記憶と51億円……俺は一体誰なんだ!? ――病院で目覚めた由紀夫は、みずからの記憶を失っていた。どうやら彼は、消えた51億円の行方を掴んでいるらしく、周囲には、謎の女社長・奈緒美ら、怪しげな面々が……。奈緒美の考案で、頼まれたものは何でも運ぶ「届け屋」となった由紀夫。はたして彼は、失くした過去を取り戻せるか? ミステリータッチで描く、感動のストーリー。
  • 逆転法廷 有罪率99%の壁
    -
    会社社長の殺人容疑で起訴された青年は、社長の娘との結婚問題がこじれていて動機十分、事件当夜のアリバイもなし。殺人現場の応接机からは彼の指紋まで検出されていた。しかし、弁護士朝日岳之助は青年の無実を信じた。冤罪を憎む白髪の老弁護士の破天荒な法廷闘争が始まった! 白熱の社会派法廷ミステリー。(講談社文庫)
  • 逆転無罪 少年はなぜ罪に陥れられたか
    -
    刑事の過酷な取り調べに"偽りの自白"をした少年たちは、婦女暴行殺人犯にされてしまった。アリバイも血液型の不一致も、法廷では無視され有罪判決。無実を訴える彼らの叫びを追い、新聞記者はていねいな取材をつづける。失われた青春の悲惨をたどり、「冤罪ほど残酷な人災はない」実態を克明に明かすルポ。
  • 逆流の殺意 水上着11時23分の死者
    -
    大阪で会社員の男性が、そして水上温泉で美貌の人妻が、同じ日に刺殺された。死体に残された凶器の出刃包丁が同じメーカー製で、男女の身元がともに横浜だったことが、二つの事件を結んだ。捜査線上に次々浮かぶ容疑者。だが彼らには、鉄壁のアリバイが。浦上伸介が時刻表を駆使しアリバイトリックに挑む、傑作長編ミステリー。二つの刺殺事件を解くカギは、台風17号?
  • 逆光の女
    値引きあり
    -
    ワイルドターキーの香る横浜の小さな酒場で重なり合った男と女の人生。慈しみ、惜しみなく奪い合う愛。そして訪れた別離。ひととき心から愛した雅子が殺された。マセラッティを駆り、凶暴なまでに真相を追い詰める風泰生。血肉を注ぐ情念。決して譲ることの出来ない男の美学。これぞハードボイルドの神髄!
  • 逆光のなかの女
    -
    1通の手紙が運ぶ恐怖の芽。愛のサスペンスーー「あなたは癌です。クリニックの検査表は偽りです」という手紙が届いた。1通は大学学部長に、1通は自動車会社社長に、もう1通が出版社重役に。同じころ、「メリークリスマス! クルシミナサイ」というカードが、若い女性編集者に届く。誰が、何のために? 小指の爪ほどの恐怖の芽が、根を張り枝を広げ、平穏な日常を侵してゆく……。社会の不正と闘う、愛と復讐のサスペンス。
  • ギャルの構造
    -
    なぜ「ギャル」の文化が、社会を支配し始めたのか? 今日の不可思議な現象を解明する、待望のギャル論! ――ギャルとは1980年代の日本に登場した、経済至上主義を原点とし、自己の容姿を武器に都市に跋扈する、非社会性と幼児性をあわせもった、蠱惑的な若い女性である。同時に、それに象徴される行動様式および時代思想である。「変体少女文字世代」が社会人に成長して「ギャル」になったとスッキリ解明。
  • ぎゃんぶるハンター
    -
    人生は、ギャンブルだ! 30歳を契機に出版社を辞めた男・辺見真人。ある日、ひょんなことから大金を拾い、美女までが濡れ手で泡のごとくころがりこんだ。自分の博才とツキを信じ、本場マカオのカジノへ……。異様な雰囲気の中で、カジノ始まって以来のバカラの大勝負に挑んだ一匹狼のスリル。情け無用・虚々実々の駆け引きの結果は?
  • 偽薬
    4.0
    人命か、企業論理か? 夢の特効薬は毒薬なのか? 新薬開発の裏に渦巻く野心と葛藤。医療・企業の権力闘争を描く長編。製薬業界の裏側を抉る! ――大協製薬が社運をかけて開発した、脳梗塞の画期的新薬「DKー777」は、すでに臨床試験に入っていた。だが治療中の患者が死亡し、開発本部の野口は、新薬の重大な欠陥を発見してしまう。折しも社内では、創業者派と天下り社員派の権力闘争が激化していた。綿密な取材で新薬開発の裏側を描く、医療・企業小説。
  • 疑薬
    3.7
    十年前に失明した母と暮らす生稲怜花は、ある日矢島という記者に声をかけられる。 老人ホームで起きたインフルエンザの集団感染。その死亡者に処方されていたのは、母の治療に使われたのと同じ新薬「シキミリンβ」だというのだ。 母の失明の原因は――まさか。 乱歩賞作家が描く、製薬会社やマスコミ、数多の謀略が交差する圧巻のミステリー。
  • 「業際」の時代
    -
    技術革新で生活様式がどんどん変わり、社会の環境も人々の価値観も、一八〇度転換しつつある現代。高度成長の時代とはまったく異なった、激動する構造変化と画期的な技術革新が襲う、この混迷の時代を、企業や人はどう乗り切ろうとしているのか? 本書は、専門領域の壁を破る先端的・多角的活動により、いち早い業際化に挑戦し成功した、7つの企業グループの秘密を追った、詳細な現場レポートである。
  • ギリシア人の愛と死
    -
    トロイア戦争とオデュッセウスの流浪の物語ーースパルタの女王とトロイアの王子の不倫の恋が、戦争の発端となった。憎悪、好色、策謀、友情、生の渇望と死への恐怖に満ちた10年戦争の果てに、トロイアは滅び、英雄たちは死に、オデュッセウスは故国まで20年もの流浪の旅を送る……。運命に操られ翻弄される人間の姿は、現代の人間ドラマそのものではないだろうか。

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