Posted by ブクログ
2022年02月23日
百人一首コレクターである実業家男性が、自宅で惨殺された。
百人一首の札を一枚握って。
私が一番気になったのは、「壺で人を殺せるのか?」ということだったんだけど、その謎については最後まで解明されなかった。
というのも、最近、壺をもった男が小学校に侵入して教師、児童を襲うという事件が実際に発生した。壺...続きを読むは校内で割れていたそうだが、幸いに死者は出なかった。だから、壺で頭を殴って壺が割れるほどであっても、人は死なない、と私は思っていたのだ…。
余計な知識があるせいで、些末なところが気になってしまって、なんかもったいなかったな。
百人一首については、高校時代に古文の授業で勉強した程度なので、歌人の名前が、ずっとふりがなつけててほしいってくらい読めなかった。
似てる名前も多いし、歌人の名前や、関係性が頭に入ってこなくて困ったぁ…。
その分、現代の事件に関わる人の名前が単純でありがたかった(崇、奈々、里子とか。あだ名があるのもありがたい)。これで、現代の事件関係者も有栖川有栖みたいな名前だったら、途中で放棄していたかもしれない。
事件としては、あまり複雑ではない事件だったかな。
百人一首と家政婦のせいでめんどくさくなっていただけのような…。
事件解決はおまけで、百人一首の謎を解くというのがメインテーマの本だと思った。
私は最近、たくさん勉強できたはずの学生時代に全く勉強してこなかった反動なのか、知らないことをたくさん知りたい!という気持ちになっているので、百人一首の編纂経緯というか(崇の持論だが)、裏話みたいなのに触れて、好奇心を刺激された。
崇が百人一首について語りだすと止まらない姿から、高校時代の古文教師が、百人一首とか源氏物語について、すごく嬉しそうに語っていたことを思い出した。
当時の私にとっては、眠たい話だったけど、好きな人にとっては、語り尽くせないほど熱いものなんだよね。