人物評伝作品一覧

  • へこたれない UNBOWED ワンガリ・マータイ自伝
    -
    小池百合子訳。「もったいない」伝道師自伝。 「人生は旅であり葛藤だ。自分でコントロールすることはできない。だが私たちは、どんな状況も、最善を尽くして切り抜けることはできる」(本文より) 日本人が忘れかけていた「もったいない」の心を世界に広め、環境保護と住民の生活向上を図る「グリーンベルト運動」では三〇〇〇万本もの植林を達成。アフリカ人女性として初のノーベル平和賞を受賞した、ケニア人女性政治家ワンガリ・マータイ氏。差別、愛する人の裏切り、失業、不当逮捕、暴力、暗殺の危機。度重なる苦難にも「へこたれない」で「地球の未来」のために戦い続けた、その不屈の人生を綴った感動の自伝。 翻訳を担当するのは環境大臣時代にマータイ氏と交流のあった、小池百合子東京都知事。「地球環境の保全が、平和構築へつながることを証明した彼女の業績に、あらためて敬意を表したい」(訳者あとがきより)
  • ヘレン・ケラー ――行動する障害者、その波乱の人生
    3.5
    生後19ヶ月で視力と聴力を失いながら不屈の心で障害を克服し、平和と福祉のために闘った〈世界一有名な障害者〉、その壮絶な生涯。(巻末エッセイ・高橋源一郎)
  • ヘレン・ケラー自伝 (新装版)
    3.0
    ヘレン・ケラーは19世紀後半、アメリカに生まれた社会福祉活動家です。この本は彼女が22歳のときに書いた『わたしの生涯』の翻訳として、かつて刊行されたものをもとにしています。見えない、聞こえない、話せない、の三重苦を、驚くべき努力と周囲の支援で乗り越え、やがて障害者教育、福祉の発展に尽くしました。 巻末には、ヘレンの教育者・サリバン先生の生涯について、東海大学教授・鳥飼行博氏の解説を収録。
  • ヘレン・ケラーのことばと人生 心を強くする! ビジュアル伝記8
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「すべての人間には、幸福な人生を送る権利がある」「下を向いてはいけない。いつも頭を高く上げていなさい。そして、世界をまっすぐに見ることである」 生後19か月で視力と聴力を失うも、サリバン先生の指導で話法や点字を習得。ラドクリフ・カレッジを卒業、政府の福祉政策に協力するなど、つねに前向きに生きたヘレン・ケラーの人生をことばでたどります。理解に役立つクイズや資料も充実。新感覚伝記シリーズ、第8弾。
  • 編集者国木田独歩の時代
    3.5
    自然主義作家・国木田独歩は、優れた編集者としての一面をもち、日露戦争期に爆発的な人気を博したグラフ誌を創刊・発行した。独歩の編集者としての半生を綿密に追い、活気あふれる明治の時代を描き出す。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 編集者ディドロ
    3.0
    フランス啓蒙思想の金字塔『百科全書』。壮大なプロジェクトの全貌を編集長・ディドロを通して、精緻かつ自在な分析で描き出す。
  • 別冊NHK100分de名著 「わが道」の達人 水木しげる
    4.3
    生と死の「境界」に魅せられた、唯一無二の鬼才 「100分de水木しげる」(2022年8月27日放送)が待望の書籍化! 「鬼太郎」「悪魔くん」から「のんのんばあ」「ラバウル戦記」まで。各界を代表するファンが集い、多彩な作品の魅力を熱く語りながら、「わが道」を極めた水木流の人生哲学を読み解く。図版も多数収載した決定版!
  • ベトナム反戦運動のフィクサー陸井三郎 ベトナム戦争犯罪調査と国際派知識人の軌跡
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ベトナムにおける「アメリカの戦争犯罪」調査に大きな役割を果たした陸井三郎の軌跡を今、見つめ直す! 陸井三郎(1918-2000)は、ベトナム戦争期に行われた、「アメリカの戦争犯罪」を調査する活動に長く中心人物として関わり、各国の運動を結びつけるその活躍は「フィクサー」と称された。ベトナム戦争犯罪調査の活動は、ベトナム戦争がアメリカの侵略戦争であり、ジェノサイドの性格を帯びていることを明らかにしたのである。 2025年はベトナム戦争終結から50年。半世紀を経た今も、ロシア・ウクライナ戦争、イスラエルのガザ侵攻など「終わりなき戦争」が続く。現在、陸井の人物像とその軌跡を知ることは歴史的視点からの洞察の大切さを伝え、私たちに大きな示唆を与えてくれる。 目次 第一部 ベトナム戦争犯罪調査、 ベトナム国際反戦運動と陸井三郎  一 ラッセル法廷、ベトナム戦争犯罪調査委員会と 陸井三郎の役割…藤本 博  二 同時代のベトナム戦争論――ベトナム戦争犯罪調査を とおしてベトナム戦争を考える…陸井三郎 第二部 陸井三郎とはどのような人物だったのか  一 陸井三郎の生き方と人物像――第一部と第二部二 (『陸井三郎先生に聞く』)を理解するために…河内信幸  二 『陸井三郎先生に聞く』(一九九二年三月)  三 陸井三郎 略年譜…河内信幸作成 参考文献 参考資料 「陸井三郎関係資料群」(立命館大学国際平和ミュージアム所蔵) 主要目録一覧 あとがき 略語一覧 事項索引 人名索引 他
  • ベラ・チャスラフスカ 最も美しく
    4.0
    祝・2020年東京五輪開催決定! 4年に一度、スポーツヒロインを生み出してきたオリンピック。1964年、前回の東京五輪の華といえば女子体操個人総合金メダルのベラ・チャスラフスカです。しかし、東欧社会主義圏のチェコに生まれ育った体操の女神のその後の人生は、あまりにも過酷なものでした。時代の荒波に翻弄されながらも自分の生き方を貫き通そうとした女性の個人史を丹念な取材によって描いた、大宅賞作家・後藤正治渾身の力作!
  • ベースボールと陸蒸気日本で初めてカーブを投げた男・平岡ひろし(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 明治4年、一人の悪童が単身アメリカに渡った。彼の名はヒラオカ・ヒロシ。後に一代で巨万の富を築き、鉄道王と呼ばれた男である。また彼は日本にベースボールを輸入し、初の野球チームを作り、カーブを投げて人々を驚かせた「野球殿堂入り第1号」であり、他にもローラースケート初滑り、邦楽家元、リール釣り第1号、日本画・ポンチ絵作者、江戸物コレクター等、広範な趣味で一生を遊び尽くした道楽の天才だった!金は遊ぶために稼ぎ、笑うために使うもの。幕末から昭和の激動期を飄々と生きた道楽大尽の人生とは…。
  • ベートーヴェン
    -
    悩みを通じての歓喜(Durch Leiden Freude)へ!——ロマン・ロランの不朽の名著 “Vie de Beethoven” の高田博厚訳(レグルス文庫版)が待望の復刊。 史実的考証と文学的表現を結合させ、ベートーヴェンの生涯をドラマティックに浮かび上がらせる。国際的彫刻家であった高田の翻訳は彼の彫刻のように硬質で、卓越した表現が読む人の心を打つ。 「大気は我らの周囲に重苦しい。老いたるヨーロッパは鈍重な汚れた雰囲気の中に麻痺している。威厳もなき唯物主義は思想に圧(お)し懸り、政府や個人の行為を妨げている。世界はその抜け目ない陋劣(ろうれつ)な利己主義の中に気を失って死ぬ。世界は窒息している。」(本文「序」より)
  • ベートーヴェン 音楽の革命はいかに成し遂げられたか
    4.2
    不世出の巨匠の人生と作品の凄みとは 生誕250周年――他の音楽家の創作意欲を失わせるほど、すべてのジャンルにおいて史上最高の傑作を作り上げた、その偉業を振り返る
  • ペガサスの記憶
    3.7
    桐島洋子と三人の子供たちが繋ぐ家族の物語。 「この伝記を読めば、なぜ私たちが桐島さんにあれほど熱狂したかわかる」・・・林真理子(作家) フリージャーナリストとしてマス・メディアで活躍するかたわら、未婚のまま、かれん、ノエル、ローランドの三姉弟を育て上げ、「女性の自立と成熟」の代名詞として女性の絶大なる人気を集めた桐島洋子による、破天荒で波瀾万丈な自伝に加え、三人の子供達が、母への思いを存分に綴った、最初で最後の「桐島家」本格自叙伝。長年の桐島洋子ファンをはじめ、自分らしく生きることを模索する現代の女性たちに、年代を超えて勇気と元気を与えてくれる1冊。 「大胆不敵で聡明で驚くばかりの行動力。お嬢様育ちで女王様のようでもあり、恋をすると熱烈――」(桐島かれん) 「人間としての母に対する私たちのリスペクトは揺るぎないものです。その絆はどんなことがあっても変わりません」(桐島ノエル) 「現代のシングルマザーたちが置かれている環境も大変ですが、母の生き様が少しでも励みになってくれたら幸いです」(桐島ローランド) 今こそ知りたい! 「桐島洋子」という生き方。
  • ペリー提督は吉田松陰を絶賛していた――原典で読む 外国人が見た日本
    5.0
    150年前の外国人が見た「ここが凄いよ日本人!」 「日本人の強み」がこの1冊でわかる!! この本でひもといた外国人の記録を読めば、おそらく、私たちが大切にしたいこの国の心や価値観、あるいは日本の国とはどのような国なのか、日本人とはどのような特質を持つ国民なのか、普段はあまり考えもしないそういったことに、自然と気付かされるのではないかと思います。(「はじめに」より) ◎マシュー・C・ペリー(米海軍司令官) 「この日本人の性向を見れば、この興味深い国の前途はなんと可能性を秘めていることか」 ◎ロバート・フォーチュン(英植物学者) 「日本の園芸家は、菊作りの技術にかけては、われわれよりも大分うわ手で、不思議と大輪の花を咲かせる」 ◎ハインリッヒ・シュリーマン(独考古学者) 「今の今まで、日本人が『おいらん』を尊い職業と考えていようとは、夢にも思わなかった」 ◎エドワード・S・モース(米生物学者) 「人々が正直である国にいることは実に気持ちがよい」 ◎小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)(作家) 「国民の信仰心の最も純粋な発露、けっして滅びず、けっして古びることのない表象が、神道なのである」――他
  • Pen Books 石ノ森章太郎とサイボーグ009
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 巨匠・石ノ森章太郎生誕80周年の今年、ライフワークともいえる『サイボーグ009』を軸に、石ノ森章太郎という人物像と作品の数々を振り返ってみると、その足跡がどれほど豊かな実りに満ちていたかを実感するだろう。 SF、ヒーローマンガ、少女マンガ、実用マンガ、時代劇、そして人間ドラマ。 どの世代にも必ず、記憶に残っている作品があるはずだ。 本書は雑誌「Pen」(2012年9月1日号)の「サイボーグ009完全読本。」に、石ノ森の原点ともいえる墨汁一滴や実験的作品「ジュン」の一部などを追加、加筆、再編集をしました。
  • 蜂起には至らず 新左翼死人列伝
    3.0
    死屍累々。60年安保の樺美智子さんから、2000年病死の島成郎さんまで。ベトナム反戦、安田講堂占拠、よど号ハイジャック、連合赤軍、三菱重工爆破、中核VS.革マル、三里塚闘争――新左翼運動の中で落命し、あるいは自死した者たち。自らも活動家であった著者が、27人の死者への祈りを込めた挽歌!
  • 豊熟の時代――森鷗外
    -
    苦悩を背負いつつ現在を生き抜く――上司との対立、左遷、離婚、肉親の死……。幾多の試練に直面しながらも、それに耐え、真の生を求めて敢然と現実に立ち向かう。苦しみの中で形成された鷗外「豊熟」の秘密を、全く新しい視座からあますところなく捉えた著者畢生の論考。
  • ほう統 孔明と並び称された蜀の大軍師
    3.0
    三国時代の幕開けの頃、荊州の都市・襄陽で、のちに鳳雛と称される大才の賢士が産声をあげた。少年時代はあまり評判を得なかったほう統だが、人物鑑識眼で有名な司馬徽が主宰する、私塾入門をきっかけに、めきめきと頭角を現しはじめる。さらにそこで、諸葛孔明と運命的な出会いを果たすこととなる。司馬徽の私塾を巣立った若者たちは、大志を抱きながらそれぞれの道を歩みはじめる。ほう統は、太守・劉表の病死により、いち早く荊州の動乱を予見し、呉都の郊外に居を移す。その地で期せずして、旧友・孔明と再会したほう統は、周瑜から呼ばれ、曹操への「火攻めの計」について意見を求められる。ほう統はたちどころに「連環の計」を具申し、自らその陣営に赴き、見事なまでに曹操を欺くことに成功する。結果、赤壁の戦いを大勝へと導くのである。諸葛孔明に優るとも劣らない蜀の大軍師の生涯を描く、長編歴史小説。
  • ほがらかな探究 南部陽一郎
    5.0
     時代を進みすぎてノーベル賞が追いつけなかった南部陽一郎氏が2008年ついに物理学賞を受賞した。「最大の物理学者」(益川敏英氏)「遅すぎた。何十年前にもらってもおかしくない」(小柴昌俊氏)という南部さんにシカゴで密着取材し、ビジュアルな本に仕上げた。
  • 朗らかに笑え ユーモア小説のパイオニア 佐々木邦とその時代
    -
    直木賞受賞作、中島京子『小さいおうち』で描かれる昭和初期、家庭では雑誌が娯楽の中心だった頃、若きも老いも連載を心まちにしていた作家が、佐々木邦。夏目漱石とまた違った意味での、日本におけるユーモア作家のパイオニア。その佐々木邦が没して、今年で50年。戦前のベストセラー作家は、英語に通じ、大学で教壇に立ち、マーク・トゥエインを愛し良作を書きまくった。邦の孫が秘蔵の資料から描く。
  • 北斎になりすました女 葛飾応為伝
    4.1
    「おうい」「おーうい」 仕事の合間、繰り返される呼び声。北斎の口ぐせ。 天才絵師の壮大な画業を支えた共作者、三女お栄の画号はここからきた。 光と影の女絵師・葛飾応為。 「美人画を描かせたら俺より上手い」と言わしめた、もう一人の天才。 署名を持たない絵を世界の美術館に探し、歴史の闇に隠れた女性の鮮やかな生涯を描き出す。 「おうい、どこいった」 〈目次〉 序 章 闇に消えた女 第1章 北斎の幽霊 第2章 応為誕生 第3章 光と影を描く 第4章 シーボルトのコレクション 第5章 長崎から来た男 第6章 北斎になりすました女 第7章 秘密の仕事 第8章 応為、夜を描く 終 章 応為はどこに消えたのか
  • 誇りに思う日本人たち
    -
    魅力的な日本人三〇人をとり上げ、その劇的かつ感動的な生きざまを紹介する人物伝集。牧野富太郎、新渡戸稲造、正岡子規、平塚らいてう、是川銀蔵、松前重義、住井すゑ、升田幸三、水木しげる、北原怜子、田原総一朗、小澤征爾、鎌田慧、島岡強などなど、戦前から現代までに活躍した、あるいは活躍中の日本人の人生、パーソナリティを見つめ、日本人の美点に迫る。日本人とは何か? 日本人ってすごい。

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  • 保科正之言行録
    -
    兄家光の遺命を受けた正之は、四代将軍家綱の輔弼役を忠実に果たして徳川幕政を文治主義体制に導いていった。その行動は誠実無私、家臣や領民に対しては寛容と仁心をもってことにあたり、彼の清廉な精神は会津士魂として後世まで多大な影響をもたらす。晩年、盲い、血を吐きながらも惑乱することなく最後まで使命をつとめた不世出の名君は、堂々たる死への準備を整える。保科正之。彼こそ幕政時代の理想の政治家であった。
  • 保科正之 徳川将軍家を支えた会津藩主
    3.7
    徳川秀忠の子でありながら、庶子ゆえに嫉妬深い正室於江与の方を怖れて不遇を託っていた正之は、異腹の兄家光に見出されるや、その全幅の信頼を得て、徳川将軍輔弼役として幕府経営を真摯に精励、武断政治から文治主義政治への切換えの立役をつとめた。一方、自藩の支配は優れた人材を登用して領民の生活安定に意を尽くし、藩士にはのちに会津士魂と称される精神教育に力を注ぐ。明治以降、闇に隠された名君の事績を掘り起こす。
  • 星の文人 野尻抱影伝
    -
    飽くことなく星への憧憬を語って大正・昭和の天文少年少女を魅了し尽した“星の文人”野尻抱影。ハマッ子の洒脱、江戸趣味人の博識、心霊学への肩入れ、末弟・大佛次郎に見せる長兄の厳しさ……。「二世天文屋」を自任した天文学者による決定版評伝。 『野尻抱影―聞書“星の文人”伝』を改題 〈解説〉渡部潤一
  • 星を抱いた男 経営者にしてオペラ歌手、世歌勳・小栗成男という生き方
    -
    経営者でありながら、テノール歌手としてカーネギーの舞台に立った男がいる! その男の名は小栗成男。名古屋で自動車販売会社を経営し、名古屋市の教育委員にも名を連ねている。小栗の人生は挫折と屈辱の連続であった。しかしそれを糧にしてトップセールスマンとなり、経営者となり、まわりからの目を気にすることなく50を過ぎてテノール歌手への挑戦を続けてきた。著者の松下隆一は小栗を見てこう語る。「自分自身の本来あるべき姿、自分を偽らない生き方。小栗成男はそのために――彼の言葉を借りるのなら――『身体がふるえて全部血が抜けるくらいつらかった』という切実なる想いから解放されるために、無謀だと言われる挑戦をしなければならなかった。あなたが、自分を変えたい、閉塞感から抜け出したい、ささやかでも“誰か”のために生きたいというのなら、小栗成男の生き方をヒントにすれば、その望みはかなうかもしれない」と。挫折も屈辱も糧にして、底抜けに明るく挑戦する男の生き方に学べ。
  • 星をつくった男 阿久悠と、その時代
    3.6
    伝説的アイドル、ピンク・レディーを手掛け、『津軽海峡・冬景色』をはじめ、生涯に五千作におよぶ歌をのこした作詞家阿久悠。敗戦で価値観の大転換を経験した少年が、時代を食らい、歌謡界の巨人へと駆け上がった軌跡、最期までこだわり続けた「言葉」への執念――。丹念な取材を元に綴られた傑作ノンフィクション。
  • ホセ・ムヒカと過ごした8日間 世界でいちばん貧しい大統領が見た日本
    -
    「世界をよくするためには何をすべきなのか。日本はそれを示せる国だと信じています。」 『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』著者・くさばよしみが、ホセ・ムヒカ氏に密着した、8日間。 来日時に密着した著者が見た、ムヒカさんの素顔とは…。 ムヒカ氏からの新たなるメッセージも収録。
  • 細野晴臣と彼らの時代
    4.6
    音楽家・細野晴臣の決定版評伝! 「はっぴいえんど」「ティン・パン・アレー」「YMO」で彼は何を生み出したのか。 細野晴臣本人をはじめとし、松本隆、鈴木茂、坂本龍一、高橋幸宏、 林立夫、松任谷正隆、矢野顕子など共に音楽活動をしてきた人々が証言する、 苦悩、確執、“解散”の真相、そして音楽の歓び。 「もうこれ以上、話すことはないです。」 細野晴臣
  • ほっかいどう百年物語 電子版:その1【開拓・町づくり編】
    4.0
    『ほっかいどう百年物語』は、2000年から継続しているラジオ番組と同名の書籍。番組の内容は北海道ゆかりの人物に光をあて、その人生ドラマを朗読形式の30分番組として放送。2002年からは書籍化が始まり、これまでに300人を越える人々を紹介してきた。放送開始から10年を経て、より多くの人々に楽しんでもらうため、電子本として用意。電子書籍化にあたり登場人物を活躍分野ごとに再構成し、1コンテンツ10話にまとめた。スタートは、その1【開拓・町づくり編】で、榎本武揚、黒田清隆、村橋久成、松浦武四郎、依田勉三、渡辺カネ、武田斐三郎、永倉新八、柳川熊吉、宇都宮仙太郎の10人を取り上げている。
  • 北海道命名150年記念 ほっかいどう百年物語 上巻
    -
    北海道のSTVラジオで毎週日曜朝9時から30分間放送されている「ほっかいどう百年物語」の書籍化シリーズ特別編の上巻。開拓期から今日まで、北の大地で繰り広げられた先人たちの人間ドラマを紹介する同番組から、「北海道命名150年」を記念し、シリーズ第10集以降に放送されたうち、20の物語を収録した。本書では大横綱として生涯を相撲道に捧げた北の湖敏満、開拓使の一員として礎を築いたルイス・ベーマーや安達喜幸、依田勉三と共に十勝へ入植した鈴木銃太郎、障害者福祉に尽くした南雲総次郎や髙江常男の物語などを取り上げている。
  • 北方探検の英傑 近藤重蔵とその息子
    -
    江戸後期、数回にわたり千島方面を探検、択捉島に「大日本恵登呂府」という標柱を建てるなど、北方の開拓・防備に尽くした英傑・近藤重蔵。のち書物奉行となり、多くの著書を残したが、そのスケールの大きさと旺盛な研究心はかえって幕閣の反感を買い、ついには、長男・富蔵の殺傷事件に連座して悲壮な最期を遂げる――。綿密な文献調査と取材をもとに、重蔵と富蔵父子の愛憎に彩られた親子関係を浮き彫りにし、二人の足跡を辿った歴史巨編。

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  • 炎凍る 樋口一葉の恋(小学館文庫)
    4.7
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 24歳で近代文学の名作を残して夭逝した天才作家・樋口一葉。恋も実らず、結婚もせず、貧困のうちに病に倒れたといわれてきたその生涯とは? 一葉の人生の軌跡を丹念に追いながら、明治という時代をしたたかに生きたひとりの女性としての一葉を描き出し、その創作の秘密に迫る。
  • 本草学者 平賀源内
    -
    「我よりおとなしく人物臭き面な奴に、却て山師ハいくらも有」――。江戸中期の大人気学者平賀源内はその華やかな活躍とは裏腹に、自らを「貧家銭内(ヒンカゼニナイ)」と嘆きながら、罪人となり生涯を終えた。エレキテルや火浣布の製作、『物類品隲』執筆など本草学への熱い思いを体現しながら、「山師」と誹られた源内。誰もが知っていそうで実は知られることの少なかった、学者としての実像に迫り、再評価を試みる。(講談社選書メチエ)
  • ホンダ神話(上) 教祖のなき後で
    5.0
    鍛冶屋の息子として生まれ、自動車修理工場の丁稚から身を興した天才技術者・本田宗一郎。金を集めることにかけては天才的な経営者・藤沢武夫。二人の運命的な出会いがホンダを創り、ホンダを独自の文化を持つ世界企業に育て上げた。ところがF1の世界チャンピオンを目指すホンダの足元を欠陥車騒動が揺るがした。藤沢は、水冷エンジンを嫌って、あくまでも空冷エンジンに固執する宗一郎への”クーデター”を敢行せざるを得なかった――。第27回大宅賞受賞作品。
  • 本田宗一郎 ――ものづくり日本を世界に示した技術屋魂
    3.7
    下町のバイク修理工場を世界的な自動車メーカーに育てあげ、F1レースにも優勝。創意工夫と独立の精神で、戦後復興の象徴となった男の生涯。(巻末エッセイ・田原総一朗)
  • 本当に偉いのか―あまのじゃく偉人伝―
    3.0
    福沢諭吉や夏目漱石のどこがそんなにエラいのか? 坂本竜馬は結局何をした? アレクサンドロス大王やコロンブスはただの侵略者じゃないか? 評価が上げ底されがちな明治の偉人、今読んでもちっとも面白くない文豪、熱狂的な信者が多いだけの学者……世間の評価に流されず、その業績や作品を詳しく見れば、歴史や文学の新たな一面が浮かんでくる。独断と偏見で「裸の王様」をブッタ斬る、目からウロコの新・偉人伝!
  • 本当は偉大だった 嫌われ者リーダー論
    3.0
    人の上に立つリーダーの孤独と、己の信念の貫き方を知る一冊。雑音は聞かない! 直感を信じよ! いつか歴史が正しさを証明してくれる!! 激動の時代に国家の岐路に立たされ、たとえどんなに当時の人に嫌われても、自分の信念を貫いた5人の<嫌われ者リーダー>の物語。彼らこそが、その国を救い、新たな未来を作った。第二次大戦中、ナチスに占領されたフランスに対し、ひとりで別の政府をロンドンで宣言し、人々を鼓舞して結果的に戦勝国に導いたシャルル・ド・ゴール。17世紀のヨーロッパ、新教徒と旧教徒の争いの中、諸外国との争いからフランスを守り抜きフランスの王権を確立し強国に育てた宰相リシュリュー。19世紀末、フランス革命後のパリにてナポレオン3世の懐刀として、今も世界中から観光客が押し寄せる“花の都パリ”を作ったウージェーヌ・オスマン。激動の中国近代史を父・蒋介石と共に指導者として生き抜き、最終的には台湾に渡って、台湾の近代化と台湾人のための国づくりを進めた蒋経国。幕末の動乱期に、朝廷と幕府の間にはさまれ、融合を図るも失敗。諸外国の思惑を外に内戦の危機から日本を救った最後の将軍・徳川慶喜。東西の傑出したリーダーをフランスで3人、アジアでふたり、取り上げた。彼らの決断こそが、今に続く繁栄の礎になったことを、人々はもっと知るべきであろう。
  • ほんとはこんなに残念な日本史の偉人たち
    完結
    -
    水戸光圀は札付きのワルだった!?「英世」への改名に隠された野口英世の過去?……誰もが知っている日本史の中の有名人の意外な過去、いわば「黒歴史」が面白い!偉人たちが世に出る前にやってしまった出来事、にわかには信じられない意外な過去……その一方で「いかにも」と思わせるエピソードや、その人のイメージが一変する出自や、定説をくつがえす過去など、知れば知るほど面白い「意外な過去」の日本史。 第一章 できれば隠したい!? 偉人たちの若気の至り 野口英世 徳川光圀 陸奥宗光 伊藤博文 葛飾北斎 南方熊楠 渋沢栄一 岩崎弥太郎 前田利家 塙保己一 西行 藤堂高虎 本多正信 三島由紀夫 頼山陽 第二章 歴史人物のイメージを覆す意外な前歴  徳川家康 高橋是清 西郷隆盛 長宗我部元親 上杉謙信 水野忠邦 乃木希典 小村寿太郎 高杉晋作 岩倉具視 菅原道真 吉備真備 春日局 新井白石 マシュー・ペリー 松尾芭蕉 第三章 偉人たちの性格に裏打ちされた納得の前歴 上杉鷹山 武田信玄 大久保利通 紫式部 伊能忠敬 福沢諭吉 板垣退助 藤原道長 藤原定家 後藤又兵衛 平賀源内 北条政子 徳川慶喜 住友政友 坂崎直盛 第四章 定説崩壊!? 教科書には記されない意外な出自伝説 徳川吉宗 北条早雲 斎藤道三 平清盛 保科正之 藤原不比等 一休宗純 豊臣秀頼 天草四郎 豊臣秀吉 山本勘助
  • 本牧亭の灯は消えず 席亭・石井英子一代記
    5.0
    日本最後の講談定席として惜しまれつつ平成二年に休場した東京・上野の本牧亭。その席亭を務めた著者が四十二年間の軌跡を振り返る。家族ぐるみで交流した芸人達の素顔、伝統話芸を守らんと試行錯誤を重ねた日々。江戸っ子の爽やかな人柄がにじむ「おかみさん」奮闘記。 目 次 序 章 雪の夜の楽屋 第1章 生い立ち 第2章 娘時代の私 第3章 戦中から戦後にかけて 第4章 本牧亭再興 第5章 寄席の経営 第6章 父のこと 第7章 『巷談本牧亭』のこと 第8章 中国旅行 第9章 鉄筋ビルの寄席に 第10章 休席の顚末 第11章 講談の灯は消さない 第12章 人との縁 終 章 幸せな星の下に あとがき 文庫版あとがきにかえて  清水孝子 年 表 本書に登場する主な講釈師たち 〈対談〉本牧亭がつないだ講談の昔と今  宝井琴調×神田伯山 〈解説〉客と演者とおかみさん――本牧亭をめぐる人間模様  長井好弘 人物索引
  • 僕が伝えたかったこと、古川享のパソコン秘史
    -
    本書は、古川享がアスキーに入社した頃のパソコン黎明期から、マイクロソフトの日本法人であるマイクロソフト株式会社設立の過程、MS-DOSから現在のWindowsに至るパソコンのOS(基本ソフト)がデファクトスタンダードになる過程、日本のパソコンの標準マシンであったNECの98シリーズが一時代を築き、その後、世界標準のDOS/Vマシンに移行する過程など、パソコンの進化の激動の時代を中心に、それぞれの時代の様々な現場で何が起こっていたのか、そこで輝いていた人たちの知られざる活躍を語ったものです。

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  • ぼくが出会った素晴らしきミュージシャンたち
    4.0
    音楽プロデューサー、DJ、ライターとして活躍する岩田由記夫が、世代を越えて人気を集めている15名のミュージシャンの知られざる素顔を紹介します。過去35年の中で行った当時のインタビューをもとに、新たに書き下ろし、1冊の応援歌としてまとめました。あの歌が生まれたときのいきさつ、あの歌手が続けている意外な行動、あのミュージシャンの息の長い活動を支える動機などなど、初めて知る数々のエピソードを交えながら、彼らの音楽への熱い思いと人生に対する真摯な姿勢を伝えています。素晴らしきミュージシャンたちの心の言葉に、思う存分、耳を傾けてください。この本を読めばきっと、彼らの歌をもう一度聴いてみたくなるでしょう。

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  • 牧水の恋
    3.5
    旅と酒の歌人・若山牧水は、恋の歌人でもあった――。 白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 幾山河越えさりゆかば寂しさのはてなむ国ぞけふも旅ゆく これらの名歌が生まれた背景には、小枝子という女性との痛切な恋があった。 若き日をささげた恋人の持つ秘密とは? 恋の絶頂から疑惑、別れまでの秀歌を、高校時代から牧水の短歌に共感し、 影響を受けてきた俵万智が丁寧に読みこみ、徹底した調査と鋭い読みで、二人の恋をよみがえらせる。 スリリングな評伝文学。 第29回宮日出版文化賞特別大賞受賞作。 『ぼく、牧水!』の対談集がある俳優・堺雅人氏も絶賛。 「解説」は牧水研究の第一人者・伊藤一彦氏(堺氏の高校時代の恩師で、『ぼく、牧水!』の共著者)。 ※この電子書籍は2018年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ボクの彼氏はどこにいる?
    4.0
    アイドルの女の子を好きなふりをしたり、気になる男子の名を寝言で呼んだらどうしようと修学旅行で眠れなかったり――著者がゲイであることに悩み、認め、周りにカミングアウトしていく、さわやかで感動を呼ぶ青春記。同性愛の人はもちろん、異性愛の人にも勇気と希望を与えてくれます。(講談社文庫)
  • ぼくの花森安治
    -
    花森安治の叱声が聞こえてきそうな、臨場感あふれるエピソードに満ち溢れている。 「暮しの手帖」編集長として、確固とした生活の哲学をもち、社会へ透徹した目を向けた信念の男を、「あの手書き文字」を書き続けた著者が、柔らかな語り口で回想する。 花森安治と大橋鎭子を語れる数少ない人物が、満を持してペンをとりました。 NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」では描ききれなかった「暮しの手帖」の真実。 晩年の花森安治に、足かけ9年、正味8年仕え、大橋鎭子には、亡くなる寸前までのほぼ40年仕えた筆者だからこそ分かる「暮しの手帖」が貫いた生活哲学と、世の中を見る目、まっとうな暮しのありようを、ここに余すことなく明かす。 誌面に独特の手書き文字を書き続けた元副編集長の視点から捉えた書き下ろし
  • 僕はこうして科学者になった 益川敏英自伝
    4.0
    大の勉強嫌いがノーベル賞を受賞するまで 2008年にノーベル賞を受賞した著者の初の自伝。宿題を一回もしなかった少年は、いかにして世界に名だたる物理学者になったのか?
  • ボクは漫画家もどき イケてない男の人生大逆転劇
    4.2
    『ドラゴン桜』『クロカン』『アルキメデスの大戦』などのヒット作で知られるベストセラー漫画家・三田紀房さんは、30歳になるまで漫画家になることなど夢想もしていなかった。 それどころか、子どもの頃は「とりたてて人並み優れたところもなく、何かに憧れるということもなかった。だから、人から『将来の夢は?』と聞かれることがとても嫌だった」という。 そんな子供時代から始まった人生は、時折とんでもない不運に見舞われるのだが、のちのち振り返ってみれば、その不運そのものが幸運へのきっかけになっており、まるで「人間万事塞翁が馬」の故事を地で行くような半生を送ってきたのだ。 夢のない少年時代、図らずも巨大な借金を背負うことになった20代、漫画を描いても描いても売れなかった30代。そんな彼が億の金を稼ぐようになった。その大逆転の根底には、三田さん独特のユニークな考え方があった。 この三田さんの思考方法は、今現在、窮地に陥っている中高年、将来に夢を抱けない若者たちにとって、大いなる参考になるはずだ。
  • ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死
    3.7
    僕だって、戦争へ行けば忠義をつくすだろう。僕の心臓は強くないし、神経も細い方だから――映画監督を夢見つつ二十三歳で戦死した竹内浩三が残した詩は、戦後に蘇り、人々の胸を打つ。二十五歳の著者が、戦場で死ぬことの意味を見つめ、みずみずしく描いた記録。第36回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
  • 僕らが愛した手塚治虫 1
    5.0
    手塚漫画に魅入られた作家の自伝的探書記!  幼少の頃に手塚漫画に夢中になり、漫画の神様・手塚治虫の足跡を追ううちに長じてミステリ作家となった著者。その著者が成長とともに奥深い手塚作品の世界に踏み入り、ときに迷宮のような謎に挑みながら、膨大な作品を当時の状況とともに解説していく記録であり、あふれ出る手塚への愛と造詣を綴った偏愛エッセイ。ファンの間では知られる長期連載をまとめた単行本の、文庫化第一弾。「この本では、一人の少年と、彼と同じように手塚マンガを愛した多くのファンやマニアの心象を通して、手塚マンガの魅力に迫ろうとしています。そういう意味では、この本は、これまでの手塚マンガの解説書や評伝とは、少しだけ違っています」「書くにあたっては、自分の持っている収集品をフルに活用し、できるだけ多くの図版をしようと考えました。僕自身、手塚マニアとしての自負もあり、図版を見るだけでも楽しめる本にしたかったのです」(本書まえがきより)。  今回は、単行本未収録の手塚治虫原画をカラーで掲載。
  • 僕らが愛した手塚治虫〈復活編〉
    -
    手塚治虫は、長くて中身が濃い、波瀾万丈のマンガ人生を送ってきた。昭和二十年代後半から三十年代にかけては、『ジャングル大帝』、『鉄腕アトム』、『リボンの騎士』など数多くの傑作を世に送り続け、名実ともにマンガ界の第一人者として活躍した。 また、一九六二年にアニメーション会社の虫プロダクションを興すと、日本初のテレビ・マンガ『鉄腕アトム』や、日本初のカラー・テレビ・マンガ『ジャングル大帝』を制作し、日本中の子供たちをブラウン管の前に釘付けにした。 しかし、劇画ブームの到来や、虫プロダクションの社内争議などのゴタゴタが生じて、手塚は深刻なスランプに陥った。青年マンガの台頭によって、少年マンガに拘った手塚は「手塚治虫はもう古い」とか、「手塚治虫の時代は終わった」などと、世間からも散々言われたのだった。 そんな中、手塚は七三年十一月に、秋田書店の〈週刊少年チャンピオン〉で『ブラック・ジャック』を連載し始めた。また、七四年には、講談社の〈週刊少年マガジン〉で『三つ目がとおる』を描き始めた。これらが好評で、人気を呼び、氏は長い迷いからついに脱することができたのである。

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  • 墨龍賦
    3.9
    デビュー前から、海北友松という男を書きたかった――葉室麟。遅咲きの著者による50作目の記念すべき小説は、武人の魂を持ち続けた絵師を描く本作『墨龍賦』。武士の家に生まれながらも寺に入れられ、絵師になった友松だが、若き明智光秀の側近・斎藤内蔵助利三と出会い、友情を育んでいく。そんな折、近江浅井家が織田信長に滅ぼされ、浅井家家臣の海北家も滅亡する。そして本能寺の変――。友松は、海北家再興を願いつつ、命を落とした友・内蔵助のために何ができるか、思い悩む。迷いながらも自分が生きる道を模索し続け、晩年に答えを見出し、建仁寺の「雲龍図」をはじめ、次々と名作を生み出していった海北友松。狩野永徳、長谷川等伯に続き、桃山時代最後の巨匠となった男の起伏に富んだ人生を描く歴史長編。4月11日から京都国立博物館で友松の大回顧展が開かれることで早くも話題だが、本能寺の変の舞台裏についても、著者自身の推理が端々に光っており、絵師の目から見た戦国絵巻としても愉しめる。

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  • ボストン美術館 富田幸次郎の五〇年
    -
    なぜボストン美術館はアジア美術の宝庫なのか! そのキーマン富田幸次郎の全貌! 富田幸次郎(1890~1976)は東洋美術コレクションで名高い、 米国ボストン美術館のアジア部長を戦前、戦中、戦後の32年間 (1931~1963)勤めた人物である。 「岡倉覚三(天心1863~1913)最後の弟子」と伝えられながらも、 日本では、その経歴や業績はあまり知られていない謎の人物でもある。 本書は、富田幸次郎の生い立ち、アメリカに渡った経緯、アメリカで どんな人々に出会い、どのような活動をしたのかを探りながら人物像に迫り、 また、彼のアメリカにおける活動を解明することによって、20世紀前半の 日米間の緊張が高まるなかにあって、「ボストン日本古美術展覧会」という 一大イベントを成功させ、欧米人の日本文化への関心を多いに高めるとともに、 その後の日米文化交流の道を切り拓いた知らざる歩みを明らかにするものである。 目次内容 はじめに  第一部 ボストン美術館アジア部キュレーターへの道のり 第一章 父親、蒔絵師富田幸七──漆の近代を見つめて(1854~1910) 第二章 幸次郎の生い立ちと米国留学(1890~1907) 第三章 ボストン美術館──めぐり合う人々(1908~1915) 第四章 目覚め──美術史家として(1916~1930)      ──アーサー・ウエーリと司馬江漢の落款をめぐる論争考  第二部 富田幸次郎の文化交流──日米戦争のはざまを米国で生きる 第五章 祖国に国賊と呼ばれて(1931~1935)      ──『吉備大臣入唐絵詞』の購入 第六章 1936年「ボストン日本古美術展覧会」の試み(1936~1940)      ──戦間期における日米文化交流の一事例として 終 章 太平洋戦争とその後(194 ~1976) 富田孝次郎年譜
  • ボタニカ
    3.6
    ただひたすら植物を愛し、その採集と研究、分類に無我夢中。 莫大な借金、学界との軋轢も、なんのその。 すべては「なんとかなるろう! 」 ――日本植物学の父、牧野富太郎。愛すべき天才の情熱と波乱の生涯! 「おまんの、まことの名ぁを知りたい」 明治初期の土佐・佐川の山中に、草花に話しかける少年がいた。名は牧野富太郎。 小学校中退ながらも独学で植物研究に没頭した富太郎は、「日本人の手で、日本の植物相(フロラ)を明らかにする」ことを志し、上京。 東京大学理学部植物学教室に出入りを許されて、新種の発見、研究雑誌の刊行など目覚ましい成果を上げるも、突如として大学を出入り禁止に。 私財を惜しみなく注ぎ込んで研究を継続するが、気がつけば莫大な借金に身動きが取れなくなっていた……。 貧苦にめげず、恋女房を支えに、不屈の魂で知の種(ボタニカ)を究め続けた稀代の植物学者を描く、感動の長編小説。
  • ぼっけもんリーダー術~「呆ける」ことがリーダーに求められている~30分で読めるシリーズ
    -
    さっと読めるミニ書籍です(文章量24000文字以上 32,000文字未満(30分で読めるシリーズ)=紙の書籍の50ページ程度) 【書籍説明】 係長、課長、部長など会社で長のつく役職を与えられた人、その他企業経営者、地域、家庭の父母…。社会の至るところにリーダーのポジションはある。 突然、 「これからリーダーとして、みんなを引っ張ってくれ」 と言われて、 「自分は先頭に立つのは向いていないのに…」 と重い負担を感じている人もいるだろう。 まったく気の毒に思う。 しかしである。本来、日本人のリーダーシップとは「先頭に立って、集団を引っ張っていく」ことではなかった。それは、戦後入ってきた欧米流である。 人を率いて人並み外れた能力を発揮することは必ずしもいらない。 むしろ「呆ける」ことがもっとも優れたリーダーの条件であった。 鹿児島に生まれた「ぼっけもんリーダー術」こそがそれである。 このリーダーの在り方は、部下を信頼して、それぞれの力を発揮させるがゆえに、組織全体の業績を向上させやすい。 何よりもリーダー自身がリーダーであることによるストレスを減少させて楽になれる。すると、部下たちもますます活き活きとしてくる。 但し、ただ「呆けて」いたって「ぼっけもんリーダー」にはなれない。 その奥義を、本書では秘かに伝授しよう。 【目次】 序章え?!ぼくがいきなり200人のトップに? 第1章呆子がやってきた!? 第2章もっとも優れたリーダーは… 第3章方言「ぼっけもん」 第4章西洋的リーダーと日本的リーダー 第五章「傍観」 第6章「内観」 第7章「俯瞰」 第8章「開放」 第9章「放心」 第10章「受容」 第11章「信頼」 第12章「覚悟」 終章呆子がまた現れた?? 【著者紹介】 冨嶽百太郎(フガクモモタロウ) 本名、久保寺岳 フリーライター、放送作家 1964年生まれ。東京都清瀬市出身。 1987年玉川大学工学部経営工学科卒業。 1989年より放送作家(構成、脚本)。ドキュメンタリー、情報番組、アニメーション、バラエティーなどさまざまなテレビやラジオ番組等の企画、構成、脚本を手掛ける。 2003年より病をきっかけに健康関連の出版物の編集・ライティングに携わる。 2009年より東洋思想をバックボーンにもった人物の作品を描きたいと研究/修行を始める。
  • ぼっけもんリーダー術~リーダーに必要な「呆ける」は『老子』が教えてくれる!20分で読めるシリーズ
    -
    さっと読めるミニ書籍です(文章量15,000文字以上 20,000文字未満(20分で読めるシリーズ)=紙の書籍の30ページ程度) 【書籍説明】 洋子は、男性に負けまいと勉強や仕事に邁進してきた優秀なビジネスウーマンである。ところが管理職となって仕事がうまくいかなくなり、人生の迷路にはまってしまう。 あるとき、彼女は「呆子」という不思議な老人から日本古来の指導者像に基づく「ぼっけもんリーダー術」を学び、将来に希望を見出すようになる。 ―ぜひ本書を、男性女性を問わず、リーダーシップに悩む人、人生がうまくいっていない人に読んでいただきたい。 きっと主人公に自分を重ね合わせて、リーダーシップへのストレスが軽くなり、そして自分の人生をあらためて見つめるきっかけともなるだろう。 なぜならば、「ぼっけもんリーダー術」を学ぶことはリーダーシップの原点に返ることであり、“自分の心”を学ぶことだからである。 さらに『老子』というレンズを合わせることで、それがより深く明瞭に見えるようになる。 本書には、生粋のぼっけもんである西郷隆盛やその弟の西郷従道の他に、勝海舟や元京大総長で科学者の平澤興、自然農法の福岡正信などが登場する。 彼らが呆子とともに、リーダーシップだけではなくて、人生に必要な「呆ける」を教えてくれるだろう。 【目次】 プロローグぼっけもんリーダーシップ教室 ○日本的リーダーの真髄は「呆ける」こと 第一章空っぽになる ○道はむなしきも、これを用うればまたみたず ○情報を絶つ 第二章自分を知る ○自ら知る者は明なり ○まずは自分を大切にする 第三章余裕をもつ ○その身を後にして身は先んずる ○自分を客観視する 第四章愚かになる ○容貌愚なるがごとし ○愚かになるために、しゃべらない 第五章あいまいである ○恍たり惚たり ○「あいまいさ」を受け入れる 第六章なにもしない ○聖人は人を棄つることなし ○作為はせず、ゆだねる エピローグ呆子が消えた 【著者紹介】 冨嶽百太郎(フガクモモタロウ) 本名、久保寺岳 作家、放送作家
  • ボルネオの白きラジャ : ジェームズ・ブルックの生涯
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 故郷イギリスから遠く離れた赤道直下の密林に分け入った一人の冒険家が百余年続く「王国」に君臨することに! 彼が人生を駆け抜けた末に見たものは栄光か、それとも絶望か?
  • 凡将 山本五十六〈新装版〉
    -
    膨大な資料、証言をもとに、真珠湾奇襲作戦の立案者である連合艦隊司令長官・山本五十六の劇的な生涯を浮き彫りにする評伝! 渡辺惣樹(日米現代史研究家) 佐波優子(ジャーナリスト) の推薦帯。 真珠湾奇襲作戦の立案者であり、またミッドウェー海戦に惨敗した提督・山本五十六。三国同盟反対、日米開戦回避に尽力した山本が、連合艦隊司令長官を拝命するや戦争に踏みきったのは何故か!? 敵機の爆撃によるブーゲンビル島上空での壮烈な最期が意味するものは暗殺か、それとも自殺だったのか!? 膨大な資料、証言をもとに人間山本五十六の劇的な生涯を浮彫りにする衝撃評伝。 情に流れた長官人事 職を賭せない二つの弱み 「真珠湾攻撃」提案の矛盾 井上成美の明察と偏見 退任延期 対米戦開始へ陰の加担 開戦決定と愛人への手紙 錯誤にすぎなかった真珠湾の戦果 山本五十六の世論恐怖症 珊瑚海海戦への侮り ミッドウェー海戦前の密会 目も眩むような凶報 航空偏重が日本敗戦の根本原因 暗殺説と自殺説
  • ボーイスカウト 二〇世紀青少年運動の原型
    3.5
    英国軍人ベーデン-パウエル(B-P)は大英帝国の国力衰退を予感し、青少年運動「ボーイスカウト」を提起した。第一次世界大戦の予想を超えた惨状に、厭戦気分が蔓延し反戦運動が起きたため、B-Pはスカウトを国際的で平和的な野外活動団体へと路線転換したが、その方法論は彼の意に反して他国の為政者たちに利用されてしまう。大正時代に始まった日本の少年団運動にも大きな影響を与えた運動の軌跡を、B-Pの生涯とともに描く。
  • ボードレールの世界
    4.0
    敗戦まもない北の地・帯広で、深く結核に冒されながら、初めて上梓した魂の書『ボードレールの世界』。愛と孤独と死の意識を追求し、全精神、全人生の精髄としての風景をボードレールに見た、心の深みを凝視し続ける福永武彦の文学の原点。秀作「詩人としてのボードレール」「ボードレール的人生」「ボードレール年譜」を併録。青春の原点を示す代表的評論。
  • ポール・ニューマン語る ありふれたの男の驚くべき人生
    5.0
    「ハスラー」「暴力脱獄」「明日に向って撃て!」など、数々の名作に出演し、今なお愛される伝説のスター、ポール・ニューマン。死後発見されたインタビューを編纂し、トム・クルーズやジョージ・ロイ・ヒルら関係者の声も織り交ぜた、最初にして最後の自伝。
  • My Father, Kim Jong-il, and I 【文春e-Books】
    -
    *この電子書籍は、2016年10月07日に発売した『父・金正日と私 金正男独占告白』の英訳版です。 The abrupt death of Kim Jong-il, North Korea’s supreme leader, in late 2011 has propelled Kim Jong-un, his third and youngest son, to the helm of the reclusive communist state. As the untested young leader tries to consolidate his power, Kim Jong-nam, his half-brother who lives a life of exile in China, is keeping an eye on the precarious situation in his homeland. On January 3, 2012, just weeks after his father’s death, Kim Jong-nam sent an e-mail to a Japanese journalist asking a scathing rhetorical question: “Power transfer to the third generation is unacceptable. How can a young successor, with only two years of grooming, take over the absolute power that has been sustained for the last 37 years?” Based on seven hours of interviews and more than 150 e-mails between Kim Jong-nam and the journalist, Yoji Gomi, “My Father, Kim Jong-il, and I” gives readers around the world rare insight into North Korea through first-hand accounts from the man who holds the key to the fate of the country’s new regime.
  • マイルス・デイヴィスの真実
    4.5
    2016年は帝王マイルス・デイヴィスの生誕90年イヤー。自伝映画『マイルス・アヘッド』も近日公開。マスコミ嫌いで有名だったマイルスに最も近づいた日本人による真実の声の数々。本人へのインタビューと関係者100人以上の証言で綴る「決定版マイルス・デイヴィス物語」が待望の文庫化!「それなら誰にも書けない本を書けよ。なにしろ俺のことは、ずいぶん間違って伝えられているからな」――マイルス・デイヴィス
  • まかり通る 【電力の鬼・松永安左エ門】
    3.8
    政・官の抵抗勢力を向こうに回し、電力会社分割を成し遂げるなど戦後日本の屋台骨をつくった松永安左エ門。昭和の激動期を勝ちぬいた九十余年の痛快人生を描く。 松永安左エ門は、明治8年に九州の壱岐で生まれ、上京後、慶應義塾に入塾し福沢諭吉の教えを受けた。しかし、人間の真価は学歴ではないと慶應義塾を中退。福沢の紹介で日本銀行に勤務するもサラリーマンが合わず退職。石炭販売業を始めて、芸者遊び、相場……とムチャクチャな生活を送りながら、大成功を収めたかにみえたが、株暴落ですべてを失い隠遁。読書三昧の2年間の浪人生活の後に再起し、会社をおこして徐々に成功を収め、九州水力電気を設立。「電力界の松永」といわれるまでに電力業界に君臨し、電力独占化の時代に東邦電力を一人できりもりし5大電力の一角にのしあげた。 しかし軍国化の時代に、「官僚は人間のクズである」と放言し、役人たちと大ゲンカし、一切の職を引退してふたたび隠遁生活へ……。完全に過去の人物になったかと思われたが、戦後、不死鳥のように復活。電力業界再編の中心的人物となり、電力事業の分割民営化を成し遂げた。その後、昭和46年に亡くなるまで、95年の人生を生涯現役でまっとうしている――。 ※本書は2003年7月に東洋経済新報社より刊行された『まかり通る 電力の鬼・松永安左エ門』を電子書籍化したものです。

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  • 牧野富太郎
    3.5
    世界的な植物学者牧野は、学歴としては小学校中退であったが、後に新・変種約2500もの日本の植物の命名を行った。自らを“草木の精”と呼ぶ偉大な学者の生涯。解説=荒俣宏
  • 牧野富太郎 草木を愛した博士のドラマ
    -
    【内容紹介】 2023年・前期連続テレビ小説『らんまん』のモデルは、日本の植物学の父、牧野富太郎(主演・神木隆之介)です。 本書では、牧野富太郎の①生涯、②家族や友人、大学の仲間など関係する人物、③出身地の佐川、高知、活躍した東京などの足跡を掲載し、牧野富太郎の人生と生きた時代に迫ります。 「第1章 牧野富太郎の生涯」では、高知県の佐川に生まれ、草木に興味を持った少年が上京し、東大の植物学教室に出入りして活躍する様子を描きます。富太郎の活躍の背後には、家族、友人たち、応援してくれる人がいました。そうした人たちとのかかわりの様子が見えてきます。 「第2章 牧野富太郎をとりまく人々」では、そうした人々について、詳しく紹介していきます。 そして「第3章 牧野富太郎の足跡案内」では、牧野富太郎ゆかりの地を紹介します。本書を片手に、訪れてみてはいかがでしょうか。 【目次】 はじめに 第1章 牧野富太郎の生涯  1 昭和天皇から届いた「アイスクリーム」  2 佐川の野山で草木を探しまわって  3 寺子屋・私塾などでの学び  4 佐川の教育が生んだ偉人たち  5 初めての上京、東京の学者たちとの交際スタート  6 学歴はなくても植物分類をめぐって友人と切磋琢磨  7 『植物学雑誌』発刊と『日本植物志』をめぐって  8 植物標本と精密画・印刷  9 一目惚れと恋愛結婚  10 矢田部良吉博士からの東大植物学教室出入り禁止とその後  11 困窮する富太郎を支えた愛妻寿衛子の地道な努力  12 膨大で貴重な採集品  13 植物好きの子どもたちとの交流と笑顔  14 スエコザサ  15 理学博士・日本学士院会員・文化勲章への路  16 研究者・富太郎の学問信条  17 ユニークな提言と植物学の日  18 草木の精  19 旅を終えて 第2章 牧野富太郎をとりまく人々  1 家族   牧野浪子/佐平/久寿  牧野寿衛子 牧野鶴代  2 佐川の人たち   伊藤蘭林  田中光顕 古沢滋  黒岩恒  土方寧  広井勇  堀見克礼  吉永虎馬    3 高知の人たち   板垣退助  永沼小一郎    4 当時の学者たち   小野蘭山  飯沼慾齋  シーボルト  伊藤圭介  川本幸民  マキシモビッチ  福沢諭吉  小野職愨  田中芳男  杉浦重剛  小藤文次郎    5 東大植物学教室の人たち   矢田部良吉  平瀬作五郎  松村任三  大久保三郎  染谷徳五郎  三好学  白井光太郎  伊藤篤太郎  池野成一郎  川村清一  服部広太郎  三宅騏一  田中貢一  松崎直枝  籾山泰一    6 東京帝国大学の人たち   浜尾新  菊池大麓  箕作佳吉  桜井錠二  岡村金太郎  五島清太郎  朝比奈泰彦    7 富太郎の支援者・教え子たち   太田義二  五百城文哉  渡辺忠吾  村越三千男  中村春二  安達潮花(初代)  昭和天皇  檜山庫三  上村登   第3章 牧野富太郎の足跡案内  1 佐川町   旧伊藤蘭林塾  金峰神社  佐川町立佐川地質館  佐川町立青山文庫  佐川文庫庫舎  青源寺  司牡丹酒造  牧野公園  牧野富太郎ふるさと館  名教館    2 高知市   高知県師範学校  高知県立高知追手前高等学校  高知県立牧野植物園  3 越知町   横倉山自然の森博物館  仁淀川  4 東京   飯田町  学士会館  神田錦町  小石川植物園  東京大学本郷キャンパス  上野恩賜公園  天王寺墓地  根岸  青山練兵場 荒木山  東京大学駒場キャンパス  小岩菖蒲園  練馬区立牧野記念庭園  成蹊学園  東京都立大学牧野標本館  5 各地   仙台市野草園  会下山小公園   おわりに 牧野富太郎略年譜
  • 牧野富太郎・植物を友として生きる
    -
    朝ドラのモデルとして話題! 小学校中退→実家が破産→極貧→世界的植物学者波瀾万丈すぎる男の生涯とは――牧野富太郎は、NHK連続テレビ小説『らんまん』の主人公のモデルとなった人物。本書は、牧野富太郎の歩みをハイライトごとに描き、まるでドラマを見ているかのように、その波瀾万丈の生涯をたどることができる。多くの苦難を味わいながらも、「日本植物学の父」といわれるほどの学者となった牧野の生涯は、多くの人々に勇気を与えてくれるはず! (本文より)これからはじまる本編を読むと、周囲を気にせず、ただひたすら我が道を行く富太郎の姿に、ときには苛立ちを覚えるかもしれない。特に壽衛の苦労を思うと、彼に嫌悪感を抱く方がいてもおかしくはない。だが、同時に、羨ましくも思えるのではないだろうか。誰に何を言われても、どれほど疎まれても恨まれても、ときには大事な家族に無理を強いてでも――けっして自分を偽らず、寝食を忘れて好きな植物に熱中する富太郎を、心のどこかで羨ましいと感じるのではないだろうか。
  • 牧野富太郎の植物学
    3.5
    「天才植物学者」の真の業績とは? 牧野富太郎は、「日本の植物学の父」と呼ばれ、貧窮の中にあって独学で植物分類学を修め、アカデミズムと対峙しつつも、偉大な業績を残し、植物知識の普及に尽力したとされる。しかし、そうした人物像や人間ドラマばかりが脚光を浴び、研究者としての業績はこれまで十分に顧みられてこなかった。命名した植物数や集めた標本の数が定まらないのはなぜか? 研究、普及活動の真価とは? 2023年度前期の連続テレビ小説「らんまん」の植物監修者が、「天才植物学者」の足跡を追いながら明らかにしていく。
  • 負け組のメディア史 天下無敵 野依秀市伝
    -
    明治末期から戦後にかけて,数々の雑誌・新聞を率い「言論界の暴れん坊」の異名をとった男,野依秀市.同時代では右翼ジャーナリストとして知られた彼ほど,大衆の感情,「世論」を体現した者はいなかった.今や忘れられた桁外れの鬼才の生き様と,大手メディアとは異なる「負け組」の視点でのメディア史を描く.

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  • 負けたくなかった 具志堅用高、波瀾の半生を語る
    3.0
    沖縄の日本復帰から四年、石垣島出身の無名ボクサーが世界王者となった。沖縄の人々を勇気づけ熱狂に包んだ「うーまく(ガキ大将)」は、日本のスターになっていく。デビューした一九七〇年代後半、日本ボクシング界は危機的な状況にあった。「ボクシング冬の時代を救った男」が、夢のような沖縄期、緊張に晒され続けたボクサー時代、引退後のタレントでの活躍、そして、世界王者を育て上げたジムの運営まで、無我夢中で進んできた道を縦横に語る
  • 正岡子規ものがたり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 近代の俳句、短歌に欠かせない正岡子規は、偉大なリーダーとして多くの有能な弟子たちに慕われた先覚者でした。「写生」を説き、「ベースボール」を「野球」と名付けた正岡子規の病とともに生きた道のりを、作品とともに辿ります。 正岡子規とはどんな人物で、どんな作品が有名なのか。これ一冊で早わかり!
  • マザー・テレサ語る
    4.0
    貧しい人の中のもっとも貧しい人に仕えよ――神の啓示を受けたマザー・テレサはインドのスラム街で清貧な生活を送り、病や貧困に苦しむ人、孤児の救済に生涯を捧げる。彼女がひたすら歩み続けたシンプルな道とは? その力の源となった6つの言葉とは? それらの言葉はどのように人間の心を豊かにしてくれるのか? 気鋭のジャーナリストが長い時をかけて取材し、偉人の晩年の言葉を編んだ貴重な記録。
  • マザー・テレサ (新装版)
    -
    マザー・テレサは、1910年マケドニアに生まれた修道女です。たったひとりでインドのコルカタのスラム街に入り、死ととなりあわせに生きる、もっともまずしい人びとをすくう活動を始めました。病人を看病し、孤児を育て、苦しむすべての人を愛し、生きる希望をあたえたのです。マザー・テレサのつくった「神の愛の宣教者会」は世界中で奉仕活動し、1979年ノーベル平和賞を受賞しました。
  • マザー・テレサのことばと人生 心を強くする! ビジュアル伝記3
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「この世でいちばん悲しいことは、自分はだれからも必要とされていないと感じることなのです」 豊かな国に生きるわたしたち中にも「心の貧しさ」があると気づいた、マザー・テレサのことばです。 誰もが望まれて生まれてきたことを、そして、自分と他者を思いやることの大切さを教えてくれます。 理解を深めるクイズや資料も充実。ビジュアル伝記シリーズ、第3弾!
  • マダム花子
    -
    Who is HANAKO?ロダンの唯一の日本人モデル、森鷗外の小説「花子」のヒロイン、そして、世界的に活躍するアーティストの先駆者でもあるマダム花子(1868-1945)とは、いかなる女性であったのか―。
  • マダム・モネの肖像
    -
    パリのテーラーでお針子見習いとして働くカミーユ・ドンシューは、ある日、新進画家から「モデルになってほしい」と請われる。彼は後に大作『印象・日の出』を描き、「印象派」の創始者とも呼ばれる、若き日のオスカル=クロード・モネであった。若き二人は惹かれ合い、やがて愛し合うようになるが、そんな二人を運命の荒波が呑みこもうとしていた……第二帝政、普仏戦争、パリ・コミューンと続くフランス激動の時代を背景に、画家・モネを愛し、支えつづけた、一人の女性の物語。

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  • マッカーサー フィリピン統治から日本占領へ
    3.9
    連合国軍最高司令官として日本占領の責任者となり、日本人にとって最も印象深いアメリカ人の一人となったダグラス・マッカーサー。彼の考え方や行動を知ろうとしても、厚木飛行場に降り立ったとき以降を見ただけでは判明しないことが多い。本書では、父の代から関係の深いフィリピンとの関係、またコレヒドール島脱出時に同行した側近たちについて詳しく足跡を辿りながら、稀代の英雄の全貌を明らかにするものである。
  • マッキンリーに死す 植村直己の栄光と修羅
    4.6
    世界初の五大陸最高峰登頂や北極圏単独走行を成功させて、栄光に輝いた植村直己は「前進」のみを選んで、ついに厳冬のマッキンリーに消えた。手記や手紙を軸に広範な取材を加えて、43歳で幕を閉じたこの現代の英雄の素顔に迫り、冒険行の壮絶なドラマを感動的に描く。
  • マックスむらい、村井智建を語る。
    4.0
    国内最強のアプリメディア/AppBank代表取締役CEO、YouTubeチャンネル登録者数113万人突破、小・中学生男子から圧倒的な支持を集める革命児の半生!
  • 松井秀喜 あきらめない心 夢の頂点へ
    4.0
    度重なるアクシデントを乗り越え、悲願のワールドチャンピオン制覇&MVPに輝いた松井秀喜選手。夢の頂点を目指したひたむきな姿勢と思いを通じて、希望や勇気を持つことの大切さを伝える。さらに夢を追い続ける松井秀喜選手の独占インタビューも収録。

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  • 松岡洋右 悲劇の外交官(上)
    -
    昭和8年、国際聯盟脱退。昭和15年、日独伊三国同盟。昭和16年、日ソ中立条約。――昭和史の重大な転回点の立役者として外交手腕を発揮した異色の政治家・松岡洋右。軍部にも政党にも組せず、独自の理想実現のために行動した彼の生涯と思想を追いながら、太平洋戦争に至る日本の軌跡を新たな視点で見つめる。本書には、松岡の出生から国際聯盟全権に任ぜられるまでの前半生を収める。
  • 松坂大輔 怪物秘録
    4.3
    怪物松坂大輔が語る栄光と挫折の野球人生! 「ボロボロになるまで野球をすることができました」 栄光の甲子園、 イチローとの対決、 MLBでの奮闘、 そして引退。 「平成の怪物」が野球人生のすべてを語る。
  • 松下幸之助 経営の神様とよばれた男
    4.6
    わが国の歴史で“経営の神様”とよばれた唯一の人物、松下幸之助。生家の没落、両親との離別、丁稚奉公など苦難の連続を乗り越えて独立創業、一代で世界有数のグローバル企業を築き上げた“和魂和才”の経営理念は、今なお日本の大きな財産となっている。だが、彼が世の中から尊敬を集めたのは、ただ単に歴史に残る成功者だったからではない。「人生も経営である」という言葉に象徴されるように、経営に社会性や精神性を見出そうとした“求道者”のような生き方にこそある。本書は、「紀ノ川駅の別れ」「電気との出会い」「好況よし、不況なおよし」「水道哲学と創業命知元年」「戦時下の松下電器」「熱海会談」「国家に経営理念を求めて」など、“不世出の経営者”が歩んだ決断と行動の道程を、生い立ちから鮮やかに追体験できる「決定版・松下幸之助伝」。彼が生涯をかけて思索した繁栄の哲学がここにある!

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  • 松下幸之助 成功への軌跡 その経営哲学の源流と形成過程を辿る
    -
    9歳で奉公にでた少年が数十年後、大家電グループの経営者となった秘密はなにか? 松下経営哲学は、どのようにして生まれ、形成されてきたのか。膨大な資料を読み解き、事実を検証し、松下幸之助の人生を追い続けてきた著者が渾身の力で放つ大著。

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  • 松下幸之助の直観力
    -
    松下幸之助とは面識のない著者だったが、松下電器の若い技術者たちの話を多く聞くうちに、松下の卓越ぶりを発見する。人は天才というかも知れない。しかし、本当はそうではなくて、実は自己啓発の正道を歩んだ人、お釈迦様の言う「菩薩道」を自ら見つけだした人ではないかと思うようになった著者による渾身の松下論。
  • 松下幸之助の憂鬱
    3.8
    創業者精神を忘れた企業は衰退する! 松下幸之助の精神は、なぜパナソニックに引き継がれなかったのか? カリスマを失った松下電器は、幸之助の薫陶に与らない四代の経営トップの下で迷走を続ける。四半世紀の取材を基に、稀代の企業家を余すところなく描き出す。ビジネスマン必読!
  • 松平定信 政治改革に挑んだ老中
    4.5
    貨幣経済を刺激した田沼時代は商業の活性化に貢献したが、農村、都市双方に疲弊を招き、しかも浅間山爆発や大洪水という自然の脅威によりその政策は破綻、各地で百姓一揆や打ちこわしが続出、ついには定信の登場となる。彼は内外に危機を抱える幕府の立直しに腐心、直面する課題を慎重に処理して「名君」を称されたが、気紛れな世間に、いつしか保守政治家の烙印を押されて挫折し権力の場を去る。バブル崩壊の今、定信は甦るか?
  • 松村邦洋懲りずに「べらぼう」を語る
    4.3
    【内容紹介】 2025年の大河ドラマ『べらぼう』の主人公は「江戸の出版王」・蔦屋重三郎。 芸能界ナンバーワン歴史ユーチューバー・松村邦洋が、キャスティングから歴史のうんちくまで、大河を200%楽しむためのポイントを語り尽くす大河ドラマ解説本。 喜多川歌麿、東洲斎写楽といったカリスマアーティストたちをプロデュースした江戸時代の版元(出版社)・蔦屋重三郎。老中・田沼意次時代の自由な空気の中で「戯作」や「狂歌本」といったエンタメ本の名作を数々を生み出し、江戸の出版界を大きく盛り上げました。 その後、老中・田沼が失脚し、松平定信が老中首座に就任すると、風紀を正すという大義名分の下、出版界にも言論統制が。「蔦重」こと蔦屋重三郎はそのピンチにあの手この手で立ち向かうのですが……。 ところで、蔦重の名前を初めて聞いたという人も多いのではないでしょうか。実は、ボクもあまり詳しく知りませんでした。というわけで、勉強してみたら面白いのなんのって!大河ドラマをお腹いっぱい楽しむためのトリビアを、この一冊に目一杯詰め込みました。 【著者紹介】 [著]松村 邦洋(まつむら・くにひろ) 1967(昭和42)年8月11日生まれ。山口県出身。お笑いタレント。 大学生の頃、バイト先のTV局で片岡鶴太郎に認められ芸能界入りし、斬新な生体模写で一躍有名に。ビートたけし、半沢直樹、“1人アウトレイジ”、阪神・掛布雅之、故野村克也監督など多彩なレパートリーを誇り、バラエティ、ドラマ、ラジオなどで活躍中。筋金入りの阪神タイガースファン。 芸能界きっての歴史通であり、YouTubeで日本史全般を網羅する『松村邦洋のタメにならないチャンネル』を開設。特にNHKの歴代「大河ドラマ」とそれにまつわる知識が豊富。著書に『松村邦洋「鎌倉殿の13人」を語る』『松村邦洋今度は「どうする家康」を語る』『松村邦洋まさかの「光る君へ」を語る』がある。 【目次抜粋】 人物相関図 主な登場人物の生没年グラフ はじめに ■第1章 大河『べらぼう』はここが面白そう! 豪華キャスティングを深読みする ■第2章 本屋から辣腕プロデューサーへ ~若き日の蔦重~ 蔦重の原点は遊郭・吉原 出版プロデューサーとしての才能が開花 エンタメ本出版に進出! 次なる新規ビジネス「狂歌本」 ■第3章 「バブル」田沼から「コンプラ」定信へ 実はすごかった‶タヌマノミクス〟 江戸城内で本当にあった怖~いハナシ 清廉潔白・定信とダークヒーロー・治済 ■第4章 逆境に負けてたまるか! 蔦重「必勝」の裏側 手鎖の刑、自殺、財産没収 天才・歌麿とコンビを組む 美人画で世間を魅了する 「写楽」という一大プロジェクト 蔦重が遺したもの ■長めのあとがき ――〝Mr.大河ドラマ〟西田敏行さんが逝ってしまった…… …etc
  • 松本清張 「隠蔽と暴露」の作家
    3.5
    社会全体に陰鬱な雰囲気がひろがりつつあるこの時代に、松本清張が再び求められている。本書は清張の表現の核にあった「隠蔽と暴露」の方法をたどる。そして、清張の作品をとおして、わたしたちが日常で感じる社会や国家への「疑い」を称揚し、そこにひそむ秘密を見抜く方法を明らかにする。戦争、明るい戦後、政界、官界、経済界、社会的弱者、宗教など、清張が精力的に描いたテーマは多くあるが、戦後最大の隠蔽装置ともいえる「原子力ムラ」にふみこまなかった清張の謎にも迫る。 【目次】はじめに 松本清張がよみがえる/第I部 松本清張、人と方法/第一章 松本清張とは誰か/第二章 「隠蔽と暴露」という方法/第II部 隠蔽する力に抗う試み/第一章 戦争 『球形の荒野』、『半生の記』、『黒地の絵』/第二章 明るい戦後 『ゼロの焦点』、『砂の器』、『顔』/第三章 政界、官界、経済界 『点と線』、『けものみち』、『黒革の手帖』/第四章 普通の日常、勝者の歴史 『或る「小倉日記」伝』、『父系の指』、『無宿人別帳』/第五章 暗い恋愛 『天城越え』、『波の塔』、『強き蟻』/第六章 オキュパイドジャパン 『小説帝銀事件』、『日本の黒い霧』、『深層海流』/第七章 神々 『黒い福音』、『昭和史発掘』、『神々の乱心』/第八章 原水爆、原子力発電所 『神と野獣の日』、『松本清張カメラ紀行』、「幻の作品」/おわりに 松本清張とともに/主要参考文献
  • 松本清張と水上勉
    -
    ほぼ同時代を生きた松本清張と水上勉には、意外にも共通点が多い。最大の共通性は雑食性。ともに社会派ミステリ作家として出発するもミステリ以外にも手をつけ、清張は小説・ノンフィクションの二刀流を展開し『昭和史発掘』『古代史疑』など歴史評論にも進出、水上勉も『寺泊』で川端康成文学賞を受賞した私小説路線と並行して、寂れゆく辺境や滅びゆく伝統工芸のルポルタージュ、一休や良寛といった高僧の評伝に新境地を切り開いた。好一対だった大作家の歩みと名作を読み解く。 【目次】序章 清張と勉――その軌跡/第1章 文壇作家時代の松本清張/第2章 初期水上勉は私小説家だったのか/第3章 清張の乱歩批判/第4章 『天城越え』は『伊豆の踊子』をどう超えたか/第5章 清張の江藤淳批判/第6章 映画「砂の器」は小説をどう補修したか/第7章 『点と線』から『日本の黒い霧』へ/第8章 推理小説家時代の水上勉/第9章 日本型私小説を究める――その後の水上勉/第10章 国民的文化人・松本清張――『読書世論調査』の結果から/第11章 言葉を超えた世界へ・水上勉――『才市』の奇跡/あとがき/松本清張・水上勉年譜/人名索引
  • 松本清張の昭和史
    4.0
    社会派推理の開拓のみならず、小説、ノンフィクション、古代史、現代史など、領域を自在に超えた執筆活動を展開し、「国民作家」の名をほしいままにした松本清張。その膨大な仕事のなかでも、自らの同時代史に取り組んだ『昭和史発掘』『日本の黒い霧』は重要な柱といえる。清張は、軍部をはじめとする国家権力、二・二六事件で蹶起した将校たちにどのような眼差しをむけていたか。占領期に起きた不可解な事件をいかに捉えていたか。没後30年を経て、清張史観はいかに評価されるべきか。松本清張から「時代の記録者」としてバトンを託された著者が清張史観の核心を平易な文体で伝える。阿刀田高、加藤陽子各氏との対話を収録。
  • 松本清張の深層心理 隠された潜在メッセージ
    NEW
    -
    \今も根強い、清張人気。 物語に秘められた清張の真意は何か?/ \清張作品に潜む深層心理を、小説と映画の比較から初めて読み解く!/ 松本清張の作品群には、既成のアカデミズムの欺瞞を糺し、形骸化した閉鎖的な各ジャンル(政界、医学界、法曹界、考古学界、文壇等)に風穴を開ける意図があった。そうした松本の作品創作には小説だけでは読み取れない深層心理が秘められていた。 その深層心理は、膨大な著作の中から原作小説と映画化作品の比較分析によって、はじめて浮かび上がってきた。原作小説だけでは読み取れなかった松本清張の、知られざる創作心理の深部を読み解きます。 【本書の特徴】 ◎今までの主要な「松本清張論」のポイントを随所で紹介し、清張がどのように論じられてきたのかを押さえつつ、現在の視点で深層心理に迫っていきます。 ◎本章では原作小説と映画化作品の比較から深層心理を分析し、補章では清張の知られざる側面にスポットを当てて深層心理の源流を探っていきます。 ◎本章の中心となる「霧の旗」論では、清張の着想の元となった仏映画『眼には眼を』について、フランス語の原作をふくめて、詳細な分析をしています。 ◎巻末の「作品索引」では、書籍(雑誌)と映画を別々に立て、同じ作品名でも、書籍(雑誌)と映画がすぐにわかるようにしています。 【序章 二〇二〇年代の「松本清張」という存在】 ・松本作品に見る昭和世代の原点確認 ・松本清張が開拓した独自の「小説世界」 ・極私的 松本清張体験 ・松本清張が開拓した「小説世界」の特質 ・作家の出自が培養した創作因子 【第一章「霧の旗」──映画化作品から読み解く潜在メッセージ】 ・原作小説「霧の旗」の着想の元となった映画「眼には眼を」 ・原作小説「眼には眼を」におけるヨーロッパ思考とアラブ思考の相違点 ・事件概要と相反する読者感情 ・常識が通用しない思考回路 ・「行き場のない怒り」の代償行為の行方 ・ストーリー展開を崩壊させる小説作法 ・予想外の感情効果が伝える真意 ・常識の「空白」を埋める「深層心理効果」 ・ささやかな「私的正義」の実践と達成 ・小さな悪意の保存    (一部抜粋) 【第二章「波の塔」と「内海の輪」、そして「砂漠の塩」―─恋愛と不倫の境界線】 ・「波の塔」に見る六〇年代の恋愛ドラマ ・「内海の輪」から始まる不倫ドラマの原型 ・映画化素材としての原作小説 ・女性読者獲得の方法論 ・新しい恋愛小説の行方と終焉―─「砂漠の塩」の場合 ・情事の果てにあるメロドラマの結末 ・不倫ドラマの最終地点は破局と転落 【第三章「ゼロの焦点」と「砂の器」―─絶対に隠したい、誰にも知られたくない過去】 ・「運命」と「宿命」という概念の捉え方 ・「知られたくない過去」の清算方法 ・長篇と短篇の功罪 ・社会派ミステリが示唆する人間の描き方 ・宿命に翻弄される様々な人生 【第四章「けものみち」と「迷走地図」―─政治の魑魅魍魎という幻想譚】 ・幻想譚としての「裏社会」 ・知られざる裏世界との遭遇 ・裏社会に翻弄される女の転身 ・魑魅魍魎の舞台としての「政界」 ・政界の中のメロドラマ ・群像劇としての政界映画の特質 【第五章「疑惑」の核心、その虚像と真実】 ・「疑惑」の設定とその方法 ・「事故の疑惑」と「疑惑の事故」 ・「疑惑の女」と「女の疑惑」 ・「悪女」の定義 ・映画に託した「疑惑」の真意 【終章「霧の旗」の桐子と「疑惑」の球磨子】 【補章「深層心理」の源流を探る】 付記Ⅰ 極私的 松本清張作品ベストテン 付記Ⅱ 極私的 原作映画ベストテン 引用文献索引/作品索引 【著者 藤脇邦夫(ふじわき・くにお)】 1955年(昭和30年)広島県生まれ。大学卒業後、専門学校、業界誌を経て、1982年出版社入社、2015年定年退職、以後、著述業。著書に「仮面の道化師」(弓立社)、「出版幻想論」「出版現実論」(共に太田出版)、「出版アナザーサイド」(本の雑誌社)、「定年後の韓国ドラマ」(幻冬舎新書)、「断裁処分」(ブックマン社)、「人生を変えた韓国ドラマ」(光文社新書)、「韓国ドラマの超ストーリーテリング術」(監修・解説 国書刊行会)がある。
  • マドンナの言葉
    3.8
    「みんながそうだから私も無理っていう、みんなって何なの?」 人気、実力、社会からの注目度、影響力、すべてにおいて規格外のマドンナ。 2018年8月に六十歳の誕生日を迎えてなお「クィーン・オブ・ポップ」であり続ける。 完璧に見えるマドンナだが、年齢や性別、世間の評価に対して、つねに「こうあるべき」と闘ってきた。 数々のロマンスと別れ、六児の子育て、プロフェッショナルであること、また「バッド・フェミニスト」としての矜持など、 いつの時代も世界の話題の中心にいるアーティストのリアルな言葉とは。
  • 真似のできない女たち ──21人の最低で最高の人生
    4.0
    シンガー、ダンサー、女優、作家、修道女、デザイナー、ピアニスト……「完璧な成功者」とは大きく異なる、鮮烈すぎた彼女らの一生の真似はできない。けれど不思議と、誰もが自分と「他人」ではないような気もする――。魂の命ずるまま、己の人生を思う存分、燃えるように生き抜いた女性たちの姿を紹介。各章の大幅な増補と書き下ろしを加えた完全版!
  • マリ・キュリー ──放射能の研究に生涯をささげた科学者
    -
    「放射能」の命名者にして、二度のノーベル賞受賞に輝く女性科学者。あくなき探究心と闘志で科学界のみならず世界に影響を与えた生涯を描く。科学者として、他国の支配に苦しむ人として、女性として、母として、常にまっすぐ前を見ていた人。
  • マリリン・モンローの言葉
    4.4
    やわらかそうな胸に、ぽってりとした唇、セクシーな歩き方、「世紀のセックス・シンボル」マリリン・モンロー。 しかし彼女は世界的大スターでありながら教養、生い立ち、そして本格女優でないことへの劣等感に満ちた人だった。 なぜ彼女は男たちを魅了したのか。 女であることをすべて使い、自分を厳しく見つめ、足りない部分はひたすら努力した。マイノリティへの愛に溢れ、変化を恐れず、劣等感を魅力に変えていったマリリンの、美、仕事、結婚、男、そして人生についての「言葉」が伝えるものとは。
  • マリリン・モンロー 魅せる女の言葉
    3.0
    愛されるために何をする? 20世紀を風靡した悩殺の映画スターの素顔から学ぶ、「魅せる」人になるということ――。無邪気でセクシーな稀代の女優、マリリン・モンロー。「世界の恋人」と謳われた彼女の魅力は、今もなお人々を惹きつけてやみません。完璧なまでの美しい肉体と天才的なエンターテインメント性を持つ彼女は、ともすれば「可愛くてちょっと頭の弱いブロンド娘」ととらえられがち。しかし彼女にしてみれば、そのイメージすらも、愛されるために築き上げたひたむきな努力の証だったのです。本書では、モンローが残した60の言葉から、世界を魅了することを真剣に目指した彼女の新たな側面を描き出します。愛されながら、ひときわ輝く女性になるためのヒントをくれる1冊。 【項目例】●本物の女優になりたいのよ。お金や名声はどうでもいいの。 ●私は女としては失格よ。 ●2+2が4でなくてもいい、ということがわかって良かったわ。 ●私たち、地上にいる数少ない星は、ただ、輝いていたいだけなのです。
  • マリリン・モンロー論考
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 マリリンは死んだ。しかし、マリリンはいまも生きている──。ひたむきに生きようとしてたえず変貌し、自分を縛りつける桎梏をかなぐり捨てていった栄光と孤独の女マリリン・モンローの生の軌跡をたどり、その魅力を解剖する。

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  • マリー・アントワネットとフェルセン、真実の恋
    4.3
    フランス革命で民衆の手に斃れた王妃マリー・アントワネットの物語は、いつの時代も人を魅了する。著者が丹念に読み込んだ史料により、彼女とスウェーデン貴族フェルセンとのすべてがあきらかに!ヴェルサイユで出会ったふたりは、歴史の荒波に負けず支えあい、アントワネットの死後もフェルセンはその思慕ゆえに苛酷な人生に耐えた。生涯をかけた恋愛のゆるぎない美しさを描いた渾身のノンフィクション。
  • マリー・アントワネットの生涯
    4.0
    マリー・アントワネットの生涯を少女時代のハプスブルク家の様子から詳しく描いた労作。一般に理解されているアントワネット像をさらに掘り下げて、「愚かだった」という評価は一概には正しくないという持論を展開している。読み応えのあるマリー・アントワネット伝。
  • マリー・アントワネットの娘
    4.0
    マリー・アントワネットの娘、マリー・テレーズは母の処刑後も生き抜き天寿を全うしたが、その人生は波乱に満ちたものだった。母の影響を色濃く受けた生涯の足跡をヨーロッパ各地にたどり、華麗にして過酷な運命を生きた一人の女性を浮き彫りにする歴史エッセイ。同時収録「マルゴ王妃」。

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