生出寿氏の本は「知将児玉源太郎―ある名補佐役の生涯」と「秋山真之のすべて」をかなり前、おそらく大学生の頃に読んだきりでした。
いやぁ、痛快というか、快刀乱麻というか、太平洋戦争の山本五十六とその司令部を一刀両断。
『比するに日露戦争の東郷平八郎連合艦隊司令部とは、そりゃ山本が可愛そうというものだ・
...続きを読む・・』などと思いつつ読み進めるうちに、山本五十六への冷徹な評価に新鮮な驚きを感じます。とかく軍神とあがめられている感のある山本五十六とは、かくも低俗な人間性だったのかと、ちょっと認識を改めざるを得ませんでした。
昔読んだ「失敗の本質」 という、多くの会社社長が座右の書には、「航空主兵を主張する山本五十六」はヒーローみたいな感じで書かれています。それが生出寿氏にかかれば一介の俗っぽい博奕打ちに豹変、国を博打にかけた卑しい性格の人物となりました。
どちらが山本五十六の本質をついているのか。
もう一度「失敗の本質」を読み返してみようと思いつつ、生出寿氏の「凡将山本五十六 烈将山口多聞」も読んでみたいと思います。