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「おうい」「おーうい」
仕事の合間、繰り返される呼び声。北斎の口ぐせ。
天才絵師の壮大な画業を支えた共作者、三女お栄の画号はここからきた。
光と影の女絵師・葛飾応為。
「美人画を描かせたら俺より上手い」と言わしめた、もう一人の天才。
署名を持たない絵を世界の美術館に探し、歴史の闇に隠れた女性の鮮やかな生涯を描き出す。
「おうい、どこいった」
〈目次〉
序 章 闇に消えた女
第1章 北斎の幽霊
第2章 応為誕生
第3章 光と影を描く
第4章 シーボルトのコレクション
第5章 長崎から来た男
第6章 北斎になりすました女
第7章 秘密の仕事
第8章 応為、夜を描く
終 章 応為はどこに消えたのか
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
面白かった〜。
葛飾応為、北斎の娘。最近注目されている人物。違う時代に生まれていれば、全く違う人生だったのだろうなー、とつくづく考えてしまう。
当時では、異例の90歳まで生きた葛飾北斎。70代80代でも精力的に描いていたと思いきや、、。(応為だったのかー?)本書を読むと北斎の親心が伝わってきて、新たな一面を見たようで、とてもしみじみとする。
偉大すぎる親の元に生まれてくるとは、幸なのか不幸なのか。
応為にだけなり得た、北斎のなりすまし。
応為は、どんな気持ちで絵を描き続けたのか。
まだまだ謎が多い人物だけに、私の中でも妄想が膨らみ続ける。
「吉原格子先之図」、3年ぶりに今秋公開。
小布施の北斎館にも行ってみたい。
Posted by ブクログ
本書の主人公は、葛飾北斎の娘、葛飾応為であり、優れた助手であり、
または、女性画を描いたら父の北斎を凌ぐと言われている。
なぜ、黒子として父の助手で生涯を終えたのかが、本書で分かるかもしれない。
本書を読む楽しみにしましょう。
一部抜粋すると、
美術研究者の久保田一洋氏が発見したのは、北斎画の中で一部応為が手を加えたか
判別方法がある。
それは、『指先の描き方』と『ほつれ髪』だ。
確かに男の北斎が描くには細かい箇所で苦手な部分だったらしいが、
そこを娘の応為が描くと繊細な女性画に変身した。
葛飾北斎は生涯に引っ越しを90回以上したという記録もあるらしい。
それだから、常に貧乏だったんだろうか?
いや、そうではない。
人気を博した浮世絵が売れまくっていた時代には、一説では三百石取りの武士と
同じ手取りがあったらしい。
現在の金額に直すと、『3千万円から4千5百万円』に値するらしい。
そのお金を惜しみなく、絵の研究とか、絵の具(顔料)にお金をかけて
自分の納得する絵を追求していった結果、常にお金が無い状態が続いていた。
最後に、自分の夢を娘の犠牲(助手)の元に果たせた北斎は幸せだったかの
しれないが、娘の応為は果たして幸せだったのだろうかと、本書を読むと
疑問の一部が解ける気がする。
関連書籍として気になったのは、
浅井まかての小説『眩(くらら)』を読みたくなってきた。
匿名
最近、注目を集めている葛飾応為をテーマにした、ミステリー小説のようなノンフィクション。元はテレビ番組だったらしい。
北斎が遺した膨大な作品の中にある応為の影に迫る、原田マハの本のような味わいの美術ミステリーで、この手の本にありがちの科学的考察はほとんどないので読みやすい。
バラバラの出来事が次々とつながりあって、タイトルの「北斎になりすました女」の意味が解けてくる後半のスピーディな展開は見事。
応為と北斎の晩年を扱った終章は少し切ないけれど、スカッとした読後感もあって、後味はいい。
残念なのは、カラーの図版がもっとあってもよかった。
読み始めると先が気になってやめられなくなるので、時間がある時にオススメです。
Posted by ブクログ
葛飾応為、本名、栄。生没年不詳の謎に満ちた、女絵師。
葛飾北斎の娘である彼女の生涯を探る、ノンフィクション。
序章 闇に消えた女 第1章 北斎の幽霊 第2章 応為誕生
第3章 光と影を描く 第4章 シーボルトのコレクション
第5章 長崎から来た男 第6章 北斎になりすました女
第7章 秘密の仕事 第8章 応為、夜を描く
終章 応為はどこに消えたのか
参考文献・・・書籍・雑誌・論文、ウェブサイト、テレビ番組、史料
カラー口絵他、モノクロも含め適宜、絵の画像有り。
葛飾北斎の娘、応為とは?
知名度抜群の父・葛飾北斎の生涯の影に隠れた存在。
『葛飾北斎伝』の他、乏しい数の書状や文書、記録等の、
記憶の破片を組み合わせて、彼女の生涯を追う内容です。
作品ですら、ほんの僅かしか残っていない。
だが、伝・北斎や無落款の作品に残る、彼女らしさの痕跡。
北斎が試みた遠近法と影、応為が挑んだ光と影。
長崎の絵師、オランダ、貧乏だった理由。
老いても旺盛な北斎の画業の影に、彼女の姿が大きくなってゆく。
それらはまるで、ミステリー。
彼女の技法や痕跡を絵の中に探すのは、謎解きそのものです。
晩年の北斎の作品をじっくり観てみたくなりました。
Posted by ブクログ
TV番組で葛飾応為の特集をしているのを見た
とても面白くて興味深かった
その時に紹介されていた「夜桜美人図」
その美しさにはっとした
レンブラントの「夜警」のような
谷崎潤一郎の「陰影礼賛」のような
光と影の美しさ
その美しさが忘れられずそのあと見に行ってしまった
謎多き、応為の人生
それを掘り進めていった本
北斎の光としての仕事
応為の陰としての仕事
なぜ彼女は北斎の陰にいたのか?
本書はそんな謎にも触れている
謎多き北斎と応為
北斎の作品のいくつかは応為が描いたのではないかと
推測されるという
たしかにそう言われてみれば繊細な部分だったり
色彩や構図など北斎ぽくない画もある…
(ってそういわれてみたらそう見えちゃう素人の恐ろしさ…)
そして、意外なところで名前が登場した
川原慶賀
この方のドキュメンタリーをたまたま見ていたので
その意外なつながりに驚きと感動がひとしお!
この本を読んであらためて北斎と応為の絵を見てみたくなった
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