歴史・時代作品一覧

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  • のたりのたり春の海〈小説与謝蕪村〉
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    「自分は、西行法師が家庭を捨てて求道の旅に出たのに倣おうとしているのか」…師を失った心を、荒れ果てて収穫のない土地になぞらえ“蕪村”を俳号とし、芭蕉に傾倒して放浪の旅に生きた与謝蕪村。傑出した俳人の苦悩と創作の生涯を描く、歴史長編。

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  • 文久・清水の小政無頼剣
    -
    遠州袋井、松乃屋の一人娘・お京が凌辱され、惨殺された。小政がこの世でただ一人、惚れ抜いた女であった…。清水次郎長一家を離れ、手甲脚絆に三度笠、道中合羽を身につけた小政が、必殺の居合い斬りを武器に下手人探しに命を賭ける!

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  • 寛政・お庭番秘聞
    -
    城内・大奥の境に近いお駕籠台で、お庭番「寅」こと伊吹竜之介は、十一代将軍徳川家斉から密命を受けた。時あたかも奢侈禁止令、倹約令が発せられた寛政の御世。伊吹の任務は羽後・加賀・相模・越後・備前・薩摩六藩の内偵であった…。将軍家安泰のため、命を賭した非情の探索が始まった!

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  • 天保・怪盗鼠小僧次郎吉
    -
    天保三年の春、鼠小僧が軽い気持ちで盗んだ匂い袋は松平家代々の家宝であった。八代将軍吉宗の形見分けである匂い袋…。老中松平康任は極秘裡に奪還すべく、盗賊紫小僧を放ち、さらに鼠小僧の偽者を餌に恐るべき策を練っていた――!

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  • 山岡鉄舟(一)
    4.0
    飛騨高山で郡代の若様としてのびやかな少年期を過した鉄太郎は早くも剣と書に天禀を現わす逸材だった。しかし、畏敬にすら近い愛で慕っていた母を突然うしない、幼い弟妹の面倒は小さな主の肩にのしかかることになる。初恋に破れ、父をまもなくみとり、17歳で江戸に出てからは、天下の千葉道場や浅利道場で猛稽古に明け暮れ、“鬼鉄”の異名をとる剣士に成長する。しかし、幕末怒濤の時代がやがてこの純朴無類の大男を歴史の渦の中に巻き込んでゆく。剣と書と女修行の青春篇。
  • 女陰陽師
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    徳川幕府最後の秘策、それは将軍家茂へ皇女和宮を降嫁させ、公武合体策を進めることだった。計画を阻止すべく皇女奪取を狙う薩長勢力に対し、影武者として招喚された清冽な美少女・八瀬。和宮に生き写しである彼女こそ、類い希なる“女陰陽師”だった!

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  • 敗戦日記(新装版)
    5.0
    “最後の文士”高見順が、第二次大戦初期から死の直前まで、秘かに書き続けた精緻な日記は、昭和史の一級資料たるのみならず、日記文学の最高峰の一つとなった。ここに収録されたのは昭和20年1月から12月までの記録で、自己をも押し流しながら破局へと突き進む空襲下の8月までと、すべて価値観が変わってしまった、連合軍の占領下にある年末までの日本の悲劇を、冷徹で仮借ない文学者の目をもって率直に活写した、ハイライトの部分である。
  • 嗚呼 江戸城(上)
    -
    天下を握った徳川家康には金がなく、一大名になり下った豊臣秀頼には巨額の金銀があった。貧しい天下人家康は、富有な大名を滅ぼしてその財宝を奪うべく兵を起す。大坂の役とは、それだけのことであった……。しかし三代将軍家光はその大金の埋蔵場所を知らされていなかった。ドラマはそこから始まる。将軍家から大名、旗本、はたまた浪人、商人、いかがわしい町奴に吉原の遊女までが縺れ合い、江戸城の建設と莫大な太閤の遺金をめぐって展開される雄大な長篇の幕開け。
  • ドキュメント戦艦大和
    4.0
    かつて世界最強を謳われ、連合国に「幻の大戦艦」と恐れられた巨艦に何が起ったのか。名著『戦艦大和ノ最期』の著者吉田満と大和研究の第一人者原勝洋が、六十人を超える大和乗員の生存者と関係者の証言を丹念に集め、さらに日米の資料を駆使し、昭和二十年春の沖縄大和特攻作戦を再現する。「作戦準備」「作戦発動」「米攻撃隊来襲」「戦艦大和沈む」「戦いのあとに」と、五部に分けて克明に時間経過を追った本書は、無謀無策といわれた大和特攻の真実に迫る。
  • 寺田屋騒動
    -
    幕末の悲惨な事件はなぜ起こったのか。文久二(1862)年四月二十三日、伏見の船宿・寺田屋の二階。長州と手を組んでクーデターを謀る薩摩誠忠グループの動きは、長州嫌いの久光の怒りを買った。蹶起中止を説得する使者との間に朋友相撃つ惨劇が起こる。武士にとって藩命と理想、君命と朝命はいずれが重いか、この時点でこれは答えの出ない命題だった。怒涛の時流にのまれ、ピュアに生きすぎた武士たちの過ちとプライドを絶妙の語り口でつづった歴史ドキュメント。
  • 慶喜を動かした男―小説 知の巨人・横井小楠
    3.0
    開国か攘夷か――幕末の動乱期、日本の命運を一人の男が握ろうとしていた。横井小楠。“有徳”の政治を説き、龍馬ら憂国の士の信奉を集める小楠が描いた日本の未来像とは?知られざる英傑の生涯を独自の視点で描いた歴史小説。

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  • 雷神の剣 介錯人・野晒唐十郎〈五〉
    3.0
    夜陰にひびく甲高い金属音と骨を砕く鈍い音。刃を頭上で受けた藩士は刀身ごと斬り落とされた。 剣を断ち折って迫る“雷神の剣”―― 小宮山流居合術の達人・野晒唐十郎は剛剣の使い手といかに対峙するのか!? 唐十郎、危うし!人気シリーズ第五弾。

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  • 隠された帝――天智天皇暗殺事件
    3.5
    <大化の改新の立役者・天智天皇は弟・天武天皇によって暗殺された!>天武天皇は正当に皇位を継いだのか!?もし正史が暗殺者による自己正当化のための書としたら…。ベッド・ディテクティブで解き明かす、日本史の中枢を揺るがす衝撃の歴史推理!

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  • 蒙古来たる(上)
    -
    朝鮮海峡のはるか彼方に不気味な牙をむくフビライの蒙古。フビライは何度も使者をよこし、「友好」と称した臣従を日本に求めてきた。鎌倉幕府はおののき、国論は分裂した。幕府の執権北条時宗は悩みつつも強硬派に組していた。一方、幕府の御家人で伊予の豪族・河野通有はこの指針を危ぶみ、時宗に諫言しようと鎌倉をめざす。その途上の京都で、通有は公卿の中納言実兼に遭い、実兼が和平論者と知るが、疑念もいだく。事実、実兼には蒙古などどうでもよく、幕府の支持する現天皇をしりぞけて、上皇をかつぎだす思惑で動いていたのである。その手足が幕府の六波羅探題(京都)の長官赤橋義宗であり、鎌倉にいる義宗の弟義直であった。実兼はすでに肥後天草の武士・獅子島小一郎を籠絡し、天皇暗殺さえ企てていたが、これは小一郎に見抜かれて失敗していた。これらの人物たちに、日本に逃げてきているペルシャの王女と家来たち、それを援助するクグツの一団が絡む。さらにはおどり念仏を主唱する智真房、声高に救国を説く日蓮などの時代の動きをもまじえて、物語はアジアにまで広がる舞台と複雑な経緯を描きながら、ついに蒙古の襲来というクライマックスへ。

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  • 与力の娘 居眠り同心影御用3
    4.7
    北町奉行所筆頭同心の蔵間源之助は先頃、「居眠り番」と蔑まれる閑職に左遷された。暇を持て余す源之助に、南町奉行所吟味方与力が極秘の「影御用」を依頼。一人娘が惚れた徒組頭(かちぐみがしら)次男坊は役者絵から抜け出たような色男だが、婿となれば与力の跡を継ぐ。身上調査をしてほしいというのだ。調べていくと意外な事実が……。
  • 侍ニッポン
    -
    大老井伊直弼の落胤新納(にいろ)鶴千代。悪旗本から一条卿の姫を救ったことが発端となり、転変波乱の修羅の巷に引きこまれる。二人の美女に惑乱され、封建社会の枠にもはまれず、勤皇佐幕の波にも乗れず、幕末動乱の浮き世をさすらうニヒルな侍の孤影――人を斬るのが侍ならば恋の未練がなぜ斬れぬ。阪東妻三郎主演、西条八十作詞、松平信博作曲の映画主題歌が津々浦々に流れ、一世を風靡した名作。
  • 仇討小説全集
    -
    人間の情念の微妙さを描き出す卓抜な技巧、弱者に対する深い思いやり――菊池寛の特質は、仇討小説にもっとも鮮やかに表われている。九年目にめぐりあった仇の隧道(ずいどう)開削の悲願に心を動かされた青年武士がともに槌を振るう名作『恩讐の彼方に』、逆の側から忠臣蔵を見た『吉良上野の立場』、仇討の複雑な心理を直接間接に捉えた『仇討三態』など、収録した仇討ものの全短編は、まさに巨匠の独擅場! ■収録作品■恩讐の彼方に/仇討三態/吉良上野の立場/下郎元右衛門――敵討天下茶屋/仇討兄弟鑑/敵討順逆かまわず/返り討崇禅寺馬場
  • 怪異雛人形
    -
    連続殺人の犠牲者は、みな雛人形を抱えていた。名人人形師の遺作という五体の人形には、どんな秘密が隠されているのか。日ごろ子どもに手習いを教える異色の同心いろはの左近は、この謎をどう解く?推理小説の手法も鮮やかな表題作をはじめ、般若面をつけた生首の怪を追う『鬼面三人組』、刺青を彫った死体ばかりが盗まれる『美しき白鬼』など、巨匠の抜群の小説技巧を示す初期捕物帳七作を収録。
  • 荒木又右衛門(上)
    -
    寵童渡部源太夫を河合又五郎に殺害された岡山藩主・池田宮内少輔忠雄の怒りは、又五郎が、かねて池田家に遺恨を抱く旗本組に身を寄せるに及んで頂点に達する。そのころ、大和郡山で事態の進展を見守る源太夫の義兄・荒木又右衛門は、武門の意地と掟の狭間で深い苦悩の中にあった……。旗本対大名の対立と幕藩体制の緊張感を背景に、緻密な考証で仇討の本義を描き出す、本格歴史小説屈指の名作!
  • 新撰組(上)
    5.0
    かたや但馬流独楽師・織之助、こなた卑怯未練な金門流名人・紋兵衛。男の意地と美女を賭けて、秘術の限りを尽して対決する独楽(こま)試合は、果たして吉と出るか、凶と転ぶか。息づまる一世一代の大勝負が、直情径行の熱血漢、織之助の人生を大きく変えていく。幕末の逆まく怒濤のなかを逞しく生きぬく若者の数奇な運命を奔放な想像力で描き出し、大衆文学の魅力を定着させた、面白さ抜群の大長編、一番勝負!
  • 佐々木小次郎(上)
    -
    自分の力を試したい。家柄が物をいわず、己れ一人の実力が頼れる世界に出たい――小太刀の名人に養育された孤児佐々木小次郎は、一剣に野望を賭け、恋人を捨て、故郷を捨てた。やがて、出雲のお国の舞い姿に啓示を得た無心の剣は、一閃、熊野に乱舞する飛燕二羽を斬り落とす。これぞ、秘剣つばめ返し! 恨みの白刃、恋のしがらみを振り払い、己れの恣意に生きる美貌の天才剣士の華やかな躍動感!
  • 海と風と虹と(上)
    4.0
    藤原純友は、知略にたけて色を好むが、官途への望みを断ち、力による天下改革を夢見ていた。一方、坂東下総の住人で、官位を求めて京に上り、公家の専横と、盗賊・夜盗の跋扈(ばっこ)する都の退廃を目にし、やや憂鬱の色をたたえるも、強靭な体躯をもつ平将門。純友は朝廷転覆の驚くべき野心を将門にもらす……伊予掾(いよのじょう)に任じられて都を去った純友は、西海の海賊追捕の兵に加わって功名を求める将門の無事を画策する。将門は東国に帰り、一族争闘に巻き込まれ、ついに叛乱を起こした。純友もこの機に「海賊大将軍」となって、一気に都を攻略すべく、淀川河口に大船団を集結させた。このとき一筋の虹 が空にかかる。

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  • ミッドウェー海戦
    -
    日中戦争の時代から太平洋戦争の終結まで報道カメラマンとして多くの戦線を目撃してきた著者が、なんとしても正しい記録を残しておきたいという一念から書き上げた迫真のミッドウェー海戦記。淵田美津雄・奥宮正武氏の『ミッドウェー』が大局的な観点からの忠実な戦史であるとすれば、これは個の視点から見すえた「ナマの戦史」である。

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  • 帝国海軍の最後
    -
    著者は太平洋戦争開始時には駆逐艦「天津風(あまつかぜ)」艦長としてミンダナオ島(フィリピン)のダバオ攻略作戦に参加、以来多くの駆逐艦の司令として激闘百数十回をかぞえ、最後は巡洋艦「矢矧(やはぎ)」艦長として戦艦大和らとともに沖縄特攻作戦に参加し、その目で帝国海軍の最後をみた。苛烈な実戦の貴重な記録。

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  • 真珠湾攻撃
    -
    旗艦の空母「赤城」の飛行隊長になり、真珠湾攻撃飛行機隊総指揮官としてみずから機上の人となり「真珠湾奇襲」を成功に導いた現場指揮官の手になる緊迫感あふれる迫真のドキュメント。太平洋戦争を知るための必読の一冊。著者淵田美津雄は戦後キリスト教に入信し、日米で伝道活動に従事したことでも知られる。

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  • 赤い影法師
    -
    柴田錬三郎の代表作。最高傑作といってもよい。石田三成に雇われていた忍者「影」の三代を主人公に、柳生宗矩(むねのり)・小野忠常(ただつね)の2人を審判に将軍家光のまえで挙行された寛永御前試合をめぐって展開される謎また謎の出来事。母子「影」がもくろむのはいったい何なのか? 忍術と武術の秘儀が目くるめくばかりに展開されて飽くことがないファンタジー時代小説の傑作。

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  • 戦艦武蔵
    -
    著者は戦艦武蔵に一兵曹として乗り組み、奇蹟的に生還した。「秘密のうちに生まれ、秘密のうちにシブヤン海に沈んだこの巨大戦艦は、500機の敵機来襲に、魚雷26発、直撃弾15発、至近弾20発以上を受け(これらは大和をはるかに凌駕する)、満身創痍となりながら、なお沈むまで数時間を生き延びた。その死闘を、そしてそれを戦った《兵の心》を知ってもらいたかった」…この著者の言葉がすべてを語る迫真の戦史!

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  • 黄金奉行
    5.0
    金山の不正を正すため徳川家康が設けた極秘の職=黄金奉行のもとに、羽州天童で大量の辰砂(砂金)が盗まれたとの報が届いた。直ちに北上するや、奉行一行は壮絶な戦いに突入。やがて現われた天童九郎なる首魁は、奥羽復古を叫び、北の地に乱を興さんと企図していたのだ!

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  • 流転の影 無茶の勘兵衛日月録10
    3.0
    越前大野藩の苦悩は深い。次期藩主松平直明の不行跡が幕閣に知られ廃嫡の危機に。一方、大和郡山藩は嫡流と庶子の後継争いから領国を二分された。その背後に大老酒井忠清がいるのだ。この危機をいかに切り抜けるか?大野藩御耳役の落合勘兵衛は長刀「埋忠明寿」習熟の野稽古の途次、捨子を救けるが、これが事件の発端となって…
  • 戦う石橋湛山 昭和史に異彩を放つ屈伏なき言論
    4.4
    日本が戦争へと傾斜していった昭和初期にあって、ひとり敢然と軍部を批判し続けた石橋湛山(後の第55代内閣総理大臣)。その壮烈なる言論戦を、戦火を煽りに煽った大新聞(朝日新聞、毎日新聞……)との対比で描いた名作。 ――暴走する軍部に自らとすっぽりと身を寄せ、国際的孤立へと世論を導いたマスコミ。長引く閉塞感から、「乱」を望んだ一般大衆……。満州事変に端を発して、破局への道を踏み出した日本の一大転回期の真相を、“歴史の証人”湛山を通し、大ベストセラー『昭和史』の著者が初めて明らかにする。 ※本書は2008年1月に東洋経済新報社より刊行された『戦う石橋湛山(新装版)』を電子書籍化したものです。

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  • 朝顔の姫 居眠り同心影御用2
    4.0
    北町奉行所きっての凄腕同心・蔵間源之助は故あって「居眠り番」といわれる閑職に左遷され、暇つぶしに浅草寺の朝顔市にやって来た。これが新たなる「影御用」につながるとは思いもよらずに……。翌日、南町同心の不審死を告げられ、さらに御台所様御用人の旗本家から息女美玖姫の探索を依頼された源之助は……。
  • 進之介密命剣 忘れ草秘剣帖1
    -
    安政二年(一八五五)五月、開港前夜の横浜村近くの浜に、瀕死の若侍を乗せた小舟が打ち上げられた。回船問屋宮田屋に運ばれたが、頭に銃創、袈裟懸けの一刀は肌着の上の鎖帷子まで切断していた。宮田屋の娘おさきらの懸命な介抱で傷は癒えたが、記憶が戻らない。そして、若侍の過去にからむ不穏な事件が始まった。

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  • 暗闇坂 五城組裏三家秘帖
    -
    元禄九年師走の早朝。実高百万石と噂される仙台藩江戸屋敷門前に死体が……。そして斬死体も……。いったいなぜ? 誰が? 藩奉行探索方で影山流抜刀術の名手・望月彦四郎に真相解明の命が下った。手掛かりは二人が残した俳人芭蕉の句三句。それにどんな秘密が? 行く手を阻む壁と謎。やがて第二、第三の悲劇が……。大型新人が挑む白熱の時代小説傑作!
  • 風雲の谺 無茶の勘兵衛日月録9
    3.0
    延宝三年、越前大野藩の次期後継者を廃嫡せんとする謀略は深化していた。構図は明瞭だった。中心に居るのは大老の酒井忠清で、その黒い糸は大和郡山藩の分藩騒動にまで及んでいた。郡山本藩には目付見習いとして落合勘兵衛の弟藤次郎がいるのである。そんな情勢下、御耳役の落合勘兵衛が謎の失踪をとげた……。正統派教養小説(ビルドンクスロマン)待望の第9弾!
  • 居眠り同心影御用 源之助 人助け帖
    4.5
    その名を聞いただけで江戸中の悪党どもが震え上がる、北町奉行所筆頭同心の蔵間源之助は、さる事件探索の余波で、居眠り番と蔑まれる閑職に左遷された。暇で暇で死にそうな源之助に、ある大名家の江戸留守居から極秘の影御用が舞い込んだ。盗まれた神君家康公拝領の大名物を捜し出してほしいというのだ。
  • 夏椿咲く つなぎの時蔵覚書
    -
    貸本屋笛吹堂の時蔵は、武州秋津藩十二万石の元藩士であった。それが二十年前の藩政内紛劇から冤罪死寸前のところを家老鎌田に救われた過去を持つ。その時蔵宅へ秋津江戸藩邸から密かに“づなぎ”が入った。藩金不正問題の真偽を、と言う鎌田からの命である。時蔵は直ちに探索を開始した……。父と娘の情愛とあり方を通奏低音に、やがて浮かびあがる“法度”を巡る意外な真相!
  • 円四郎斬鬼剣
    -
    真里谷円四郎は江戸愛宕下に剣術道場を構え、門弟一万人を抱える無住心剣流の達人であった。元禄三年三月のある日、隅田堤へ花見に行く途上、両国橋の上で女を悶え狂わす不思議な脇指を男から奪った。それは「痣丸」と異名を持つ淫刀であった。脇指の刃を見せつけられた女は体の芯が抜け、ズキンと小壺が縮んだようになる。この痣丸を狙って円四郎を襲う刺客の群……。

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  • 火の縄
    -
    鉄砲にかけては百発百中の名手稲富治介は風采のあがらない無骨者のため細川忠興・ガラシア夫妻にうとまれ出陣の機会も与えられず不遇の一生を終えた。戦乱の時代の非情を描く長編時代小説。
  • 父子の剣 目安番こって牛征史郎5
    -
    長寿庵の蕎麦大食い大会に出場した初老の武士が口から血をあふれさせて事切れた。御公儀御小納戸頭取・近藤英之進であった。女中の目撃証言から幇間の久蔵が毒殺犯とされ、征史郎にまで嫌疑がかけられる。目安番花輪征史郎絶対絶命の窮地に、元隠密廻り同心河瀬吉蔵と倅の同心吉太郎が立ち上がった。
  • 惜別の蝶 無茶の勘兵衛日月録8
    4.0
    延宝三年、越前大野藩士の使番・永井鋭之進が本庄(本所)で斬殺された。調べによれば神田で売比丘尼と遊び、その帰途であったという。しかしなぜ藩邸から遠い本庄に足を運んだのか? やがて浮かび上がる斬殺犯と思われる黒ずくめの武士とは何者なのか? 一体、何が狙いなのか? 藩御耳役・落合勘兵衛の新たなる闘いが始まった……
  • 雷剣の都 目安番こって牛征史郎4
    3.0
    京都所司代・松平豊後守資訓急死の陰に謀殺の疑いありとの投書が目安箱に入った。真相を探るべく京に上った目安番・花輪征史郎は、鞍馬山中の寺で驚愕の光景に出くわした。境内の裏手で九代将軍家重呪殺の調伏が始まったのだ。しかもその場に、将軍の弟・田安宗武の姿も見える。これは何を意味しているのか? 無外流免許皆伝の心優しき旗本次男坊好評シリーズ第4弾!
  • 虚飾の舞 目安番こって牛征史郎3
    3.0
    九代将軍家重の側近・大岡忠光から示された、目安箱への連日の無記名の投書には「勅語奉答の儀の時、何かが起きる。仮名手本忠臣蔵以上の事件になる恐れあり」とあった。直参旗本千石、花輪家の次男坊・征史郎は「目安番」として、投書の裏を探るべく、将軍の弟・田安宗武の身辺から調べはじめた。征史郎の剣と兄の目付・征一郎の頭脳が策謀を断つ!
  • 誓いの酒 目安番こって牛征史郎2
    -
    直参旗本千石、花輪家の次男坊・征史郎に、九代将軍家重の側近・大岡忠光から密命が下った。日本橋の両替商・両口屋が目安箱に「喜多方藩で御家騒動の恐れあり」と投書してきたので探索せよ、というのである。喜多方藩主と家重の次女紀美姫の婚儀が整っていた。無外流免許皆伝の征史郎は両口屋に出向いたが……。
  • 憤怒の剣 目安番こって牛征史郎
    5.0
    大御所として九代将軍家重を後見していた八代将軍吉宗が没するや、家重の弟・田安宗武を担ぐ一派が暗躍しはじめた。家重の側近・大岡忠光は、直参旗本千石、花輪家の次男坊・征史郎に「目安番」という密命を与え、家重を守らんとする。将軍追い落としをはかる巨大な陰謀に、無外流免許皆伝の征史郎の剣が立ち向かう。
  • 報復の峠 無茶の勘兵衛日月録7
    3.5
    大野藩次期後継直明の不行跡に端を発する陰謀は、着々と進行しつつあった。その中心に幕府大老酒井忠清があり、越後高田、越前福井の両藩が実行役として牙を剥き始めた……。一方、耳役として江戸在勤の落合勘兵衛に、不吉な一報がもたらされた。勘兵衛を討つ、と富田流小太刀の名手丹生文左衛門父子が大野藩を脱藩したのである。
  • 陰謀の径 無茶の勘兵衛日月録6
    3.0
    越前大野藩の忍び目付服部源次右衛門が持ち帰った津軽藩伝説の秘薬<一粒金丹>が、新たな謀略の始めだった。それは次期大野藩主直明への福井藩の贈り物だった。が、江戸留守居役松田与左衛門吉勝と落合勘兵衛は秘薬に疑惑を持った。贈り物の背景を探るうち、やがて巨大な陰謀が浮上。大老酒井忠清の巨大権力と結託した大藩からの圧力……。
  • 刺客の爪 無茶の勘兵衛日月録5
    3.5
    邪悪の潮流は越前大野から江戸へ。そして大和郡山藩に及んでいた。大野藩若君の不行跡は幕府老中の知るところとなったのである。苦悩する落合勘兵衛を打ちのめすかのように更に悲報が舞い込んだ。藩随一の手練れといわれている塩川重兵衛が、江戸潜伏中と思われていた山路亥之助に斬殺されたという……なぜ? どうしてなのか?
  • 冥暗の辻 無茶の勘兵衛日月録4
    4.0
    越前大野藩の無茶勘こと落合勘兵衛は嵯峨野典膳との死闘に勝つも深傷を負い床に臥した。一方、彼の親友で小姓組頭の伊波利三は、若殿松平直明の不行跡を諫言し、その激怒から職を解かれ謹慎処分を受ける身となった。暗雲が二人を包み、それはやがて藩全体に広がろうとしていた。大河ビルドンクスロマンの傑作シリーズ第四弾!
  • 残月の剣 無茶の勘兵衛日月録3
    3.5
    無茶勘こと落合勘兵衛は帰途、浅草猿屋町で病に倒れていた一人の老剣客を助けた。医師によれば重い肝の臓の病で、余命は一ヵ月との診立てである。男の名は百笑火風斎。大和国吉野天河郷に住し、後村上天皇から位衆傅御組の名を賜り代々天皇守護の務めをする家柄という。驚く無茶勘だったが、やがて凄絶な藩主後継争いの渦に巻き込まれて……。
  • 火蛾の舞 無茶の勘兵衛日月録2
    4.0
    “山路亥之助を討て”江戸に着くやいなや「無茶勘」こと落合勘兵衛に下されたこれが秘命であった。親友で、次期藩主松平直明の小姓頭である伊波利三によれば、これは上意討ちではなく若君直々の密殺令であるという。山路は先の銅山不正事件で目付けを斬り大野藩を逃亡した男である。なぜ自分が? 政事の暗部が静かに勘兵衛を呑み込みはじめた……。
  • 山峡の城
    4.5
    「無茶勘」こと落合勘兵衛「武士は働くために食う。食うために働くものではない」と父孫兵衛に厳しく教えられて成長した。武を鍛錬し文に励む日々。だが、越前大野藩に不穏な影は忍び寄りつつあった。そしてそれは一人の藩士の斬殺体から始まった……。藩政に翻弄されながらも毅然として生きる父と子の姿を清冽な筆致で描く、著者渾身の教養小説(ビルドゥングスロマン)の傑作!
  • 誇 毘沙侍降魔剣1
    -
    徳川将軍家に連なる名門旗本の次男・松平清之介は武士の一分に懸けて「兜跋組」の頭目・竜崎沙王に単身、闘いを挑んだ。兜跋組とは、法では裁けぬ江戸の悪を賞金と引き換えに仕置する浪人集団である。清之介が一足一刀の間合いに入った刹那、沙王はさりげなく告げた。「このまま死なすにゃ惜しい。俺の組に入れ」
  • 初秋の剣 大江戸定年組1
    3.7
    三人の男は職を退いた。町方同心の藤村慎三郎、三千五百石の旗本夏木忠継、町人の七福仁左衛門。旧友の三人はまだまだ気力体力ともに充分で、さてこれからどう生きるかと思案。三人の願いは、いい景色の中で暮らすこと。手頃な隠れ家〈初秋亭〉を根城に、江戸市中の厄介事解決に乗り出した。手前の女房がさらわれまして──初めての事件は、豪商からの突飛な話で始まった。 時代小説の実力派が挑む市井小説の傑作!
  • 刺客の海 もぐら弦斎手控帳3
    3.0
    長屋の手習い師匠・弦斎の養女・お春が消えた。まだ這い這いしかできぬ赤ん坊だ。騒ぎのなか、脅迫状が届く。人足寄場から一人の無宿人を逃がせばお春を返すという。差出人には、覚えがあった。かつて縁のあった悪党にちがいない。弦斎は単身、人足寄場に潜り込んだ。そこは脛に傷もつ荒くれ男たちの巣窟だった。
  • ふたり写楽 もぐら弦斎手控帳2
    3.0
    手習いの師匠・弦斎が住む長屋の大家が東洲斎写楽の浮世絵を手に入れた。だが値が安すぎるうえに、落款が違っている。版元の見立てでは、写楽の絵であることは間違いないというのだが……。深まる謎のなか、「実は写楽は何者かに拐かされたのです」と、版元の主人・蔦屋重三郎が驚くべき秘密を打ち明けた! ミステリー仕立てで江戸の謎に挑む注目の時代小説第2弾!
  • 逃がし屋 もぐら弦斎手控帳
    3.3
    歴史ミステリーの俊英が鮮烈な着想で放つ時代小説の新シリーズ! 記憶を失い、長屋の子らに手習いを教える寺子屋の師匠弦斎には、隠密としての過去があった。ある日、本所深川の「なめくじ長屋」で一人の老人が殺された。老人の息子は旧友の十兵衛。かつて自分をかばって死んだ男だ。賊の目的は、十兵衛が遺した克明な捜査日誌だった。弦斎はふたたび巨大な悪に立ち向かう覚悟を固めるのだった。
  • 紺碧の艦隊1 運命の開戦・帝都初空襲
    4.0
    昭和18年4月18日。ラバウルを発ち最前線視察と激励に赴く途中、敵P38が接近。一発の敵弾が彼に命中、意識は途切れた…。照和の時代に生まれ変わった彼=高野五十六は、二度と同じ過ちを繰り返さぬ為に精鋭集団「紺碧会」を結成する…。

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  • スクランブル イーグルは泣いている
    3.9
    平和憲法の制約により〈軍隊〉ではないわが自衛隊。その現場指揮官には、外敵から攻撃された場合に自分の判断で反撃をする権限は与えられていない。航空自衛隊スクランブル機も同じだ。空自F15は、領空侵犯機に対して警告射撃は出来ても、撃墜することは許されていないのだ。F15(イーグル)を駆る空自の青春群像ドラマ!(『僕はイーグル[1]』改題)

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  • 鎧櫃の血
    -
    三浦老人の話は、およそ二十四、五の短編である。単彩の話題をとらえて、人生の断面を衝き、時代相と生活が渾然と融け合っている……。「江戸」がすっかり懐ろに収まっている趣きである。全十八編収録。

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  • 鷲(わし)
    -
    お鷹場を荒らす尾白の鷲をめぐって血みどろの葛藤(「鷲」)、名工の兜が持ち主に祟りをもたらす(「兜」)など、不思議な因縁の糸に導かれ、人知を越えた恐怖の世界を、ふと垣間見てしまった人々の運命は?(全十編)

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  • 剣法秘伝(電子復刻版)
    -
    三代将軍家光の頃、江戸では親陰流、無明流が覇を競っていた。将軍家指南役、新陰流柳生但馬守宗矩は、無明流の声望高きを怖れ、無明流四天王の謀殺をはかった。三人までは仕留めたが、神月悪源太のみは残った。宗矩は更に刺客を放つが、ことごとく撃退される。ついに旅に出ていた嫡男十兵衛を呼び寄せ、無明流道場へと送り込んだ……(「殺人鬼」)。剣に命を賭けた男たちの生きざまを描く習作十篇収録。

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  • 光秀夢幻
    3.0
    信長を将軍に――光秀の大戦(おおいくさ)は 〈本能寺の変〉の前に始まっていた! 運命の刻に至る熾烈な心理戦。 光秀と秀吉の、勝つのはどっちだ! 主君・織田信長が征夷大将軍の職を戴くための朝廷工作を秘密裡に始めた明智光秀。そこには、平和のうちに天下統一を果たすという大いなる野望があった。しかし、毛利攻めで戦の場にあった羽柴秀吉がその企みを知った瞬間から、計画は狂いを生じ始める――本能寺の変に至る光秀の戦いとその心理的葛藤を、圧倒的密度で描く、驚嘆の著者デビュー作。
  • 西郷隆盛
    -
    西郷隆盛は、1827年、鹿児島県に生まれました。7人兄妹の長男として西郷家をささえ、薩摩藩のために身をつくしますが、二度にわたり島流しにあいます。倒幕をめぐってはげしくゆれ動く世の中で、西郷は禁門の変や薩長同盟、江戸城明けわたしなどで重要な役割をはたしました。新政府の中心人物として、数々の改革を実現した西郷でしたが、「征韓論」で下野したのち西南戦争で城山のつゆときえました。
  • 明智光秀をめぐる武将列伝
    4.0
    2020NHK大河ドラマ「麒麟がくる」をより面白く! 名著『武将列伝』から光秀ほか六人の武将を抜粋した特別編集版。 戦国史上最大の逆臣と言われる明智光秀。 信長に仕えて以降は詳しく伝えられているが、その出自と最期は判然としない。 そこに改めて光を当てたのが海音寺潮五郎。 名著『武将列伝』から光秀自身と、彼に関わる武将の列伝を新たに編んだのが本書である。 斎藤道三、織田信長、 豊臣秀吉、前田利家、明智光秀、黒田如水、徳川家康の七人を収録する。
  • 三国志読本
    3.5
    歴史はふりかえってみるものではない。すすんでいって、みるものである。「特別随想 ふりかえること」より 『三国志』をはじめ長年、中国歴史小説を書き続ける著者が、みずからの歴史観、世界観、小説観をあますところなく開陳した。 自作解説や作家、経済人、学者など多彩なメンバーとの対談などを収録。 <目次> 【ロングインタビュー】私の「歴史小説」 【自作解説】三国志の世界 ・『三国志』の沃野に挑む--大歴史絵巻の豊穣なる世界 ・曹操と劉備、三国志の世界--正史からみえてくる英雄たちの素顔 ・『三国志』の可能性--歴史は多面体だからこそおもしろい ・『三国志』歴史に何を学ぶのか--構想十年、執筆十二年の大長編を終えて 【対談】歴史小説を語る ・水上勉--歴史と小説が出会うところ ・井上ひさし--歴史小説の沃野 時代小説の滋味 ・宮部みゆき--「言葉」の生まれる場所 ・吉川晃司--我々が中国史に辿り着くまで ・江夏豊--司馬遼太郎真剣勝負 ・五木寛之--乱世を生きるということ 【講義&対談】中国古代史の魅力 ・中国古代史入門--どこから学べばいいのか ・白川静--日本人が忘れたもうひとつの教養 ・平岩外四--逆風の中の指導者論 ・藤原正彦--英語より『論語』を ・秋山駿--春秋時代から戦国時代へ ・マイケル・レドモンド--碁盤上に宇宙が見える ・項羽と劉邦、激動の時代--ふたりを動かした英雄たちと歴史的必然 ・『三国志』をより深く楽しむための本 ・宮城谷昌光 中国歴史作品の年代一覧 ・特別随想 ふりかえること ・宮城谷昌光 出版年譜
  • 夜明けの雷鳴 医師 高松凌雲
    4.0
    医療は平等なり。近代医療の父の高潔な生涯 パリで神聖なる医学の精神を学んだ医師・高松凌雲は、帰国後、旧幕臣として箱館戦争に参加する。近代医療の父を描いた幕末歴史長篇。
  • 大盗禅師
    3.4
    大坂落城から三十年。摂津住吉の浦で独自の兵法を磨く浦安仙八の前に、ひとりの僧が現れる。妖しの力をあやつる怪僧と、公儀に虐げられる浪人の集団が、徳川幕府の転覆と明帝国の再興を策して闇に暗躍する。これは夢か現か―全集未収録の幻想歴史小説が、三十年ぶりに文庫で復活。
  • 太公望(上)
    4.2
    古代中国史の中で、この男ほど謎と伝説に彩られた武人はいない……。羌(きょう)という遊牧の民の幼い集団が殺戮をのがれて生きのびた。年かさの少年は炎の中で、父と一族の復讐をちかう。商王を殺す――。それはこの時代、だれひとり思念にさえうかばぬ企てであった。少年の名は「望(ぼう)」、のちに商王朝を廃滅にみちびいた男である。中国古代にあって不滅の光芒をはなつこの人物を描きだす歴史叙事詩の傑作!
  • 諸葛孔明(上)
    4.0
    後漢衰微後の群雄争覇の乱世に一人の青年が時を待っていた……。透徹した史眼、雄渾の筆致が捉えた孔明の新しい魅力と「三国志」の壮大な世界。史料の徹底的な吟味によってよみがえる孔明の「志」! 後漢の光和四年(一八一)、琅邪の諸葛家に次男が誕生した。名は亮。四歳のとき、黄巾の乱が起こった。宦官と士大夫が抗争を繰り返した後漢王朝は衰微し、中国は未曾有の動乱期に入ったのである。父を亡くした孔明は叔父にひきとられ、襄陽で青年期を迎えた。覇を競いあった群雄の多くは滅び、袁紹を破った曹操が北方の大勢力となった。万民の幸福を希求し、天下の形成を冷静に分析する「臥竜」孔明の草廬を、荊州の劉表に身を寄せる劉備が訪れる……。透徹した史眼、雄渾の筆致がとらえた諸葛孔明の新しい魅力と壮大な「三国志」の世界。
  • 彗星夜襲隊 特攻拒否の異色集団
    4.6
    昭和二十年四月、沖縄が決戦場となり、陸海全軍特攻の嵐が吹き荒れる只中で、強固な信念のもとに正攻法を採り続けた日本海軍芙蓉部隊。夜襲戦法を発案した指導官美濃部少佐と隊員たちは、不利な戦況をいかに戦い抜いたのか―戦場を熟知する搭乗員と整備員たちが結集し、熾烈な沖縄戦に挑んだ最後の戦いを描く。
  • 血槍三代 青春編
    -
    三河刈屋の城主の嫡男・水野藤十郎勝成は、鉄砲の名手・孫六と城を出奔、戦乱の京へと向った。石田三成、舞女・お国ら多彩な人物と関わり合う中で、不思議な老人の片鎌の槍を貰い受けたことから、数奇な運命の糸に絡まれ、漂白の旅が始まる……。おのれの腕と力量を頼りに、戦国山野を逞しく生きる豪放無頼の青春を描く異色時代小説。
  • ウエスギカゲカツ―上杉景勝―
    -
    「皆、殿のことを心配して……帰りを待っているのです。どうか、この兼続の願い、お聞き届けを……」軍神・上杉謙信死去。謙信の二人の養子、景虎・景勝のどちらが跡を継ぐのか…家中騒然となる中、その当事者・景勝は、国境いの農村にいた!?直江兼続の必死の懇願にも駄々をこね、重い使命から逃げ出そうとする“ヘタレ男”上杉景勝、だがそんな彼にも腹をくくらねばならない瞬間が訪れようとしていた…。

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  • サナダユキムラ―真田幸村―
    -
    真田幸村、16歳。幼い頃より悪戯や喧嘩に明け暮れて奔放に育った彼は、人質として越後・上杉家へ送られる。だが幸村の人質生活はあくまで前向きだった。「俺より強いやつのところなら、人質でもいいから行ってみてえ!」越後で彼を待っていたのは領主・景勝をはじめ勇猛な家中の侍たち。そして言い寄る女忍者と青い目の刺客…。のちに家康を苦しめる“烈火の武将”真田幸村のやんちゃな少年期!

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  • アザイナガマサ―浅井長政―
    -
    「生まれながらの人質」と呼ばれた浅井新九郎長政。辛く長い人質生活を強いられてきた少年は、十歳になってようやく領地・北近江に帰還し、次第に戦国武将としての器を示し始める。 領地をまとめあげ、己の“野望”へと突き進む彼の運命は天下の覇者・織田信長と、信長の妹で天下一の美女・お市と激しく交錯する。二人との出会いによって、長政は野望をはぐくみ、天下をも狙う怪物となってゆく

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  • 北風の軍師たち(上)
    3.0
    大御所・徳川家斉の気随気儘から発令された三方所替え。二百年にわたり庄内を領した酒井家に代わり、有数の貧乏藩・川越松平家が転封してくるという事態に、庄内領民は阻止運動に立ち上がった。領民を先導する謎の天狗たち、そして庄内に先乗りした川越藩忍び組。両者の戦いの幕が切って落とされた。
  • むすび橋 結実の産婆みならい帖
    3.3
    幕末の八丁堀界隈で、産婆を志し奮闘する結実の物語。出産で亡くなる母子が今よりもずっと多かった時代、お産はまさに命がけ。命が生まれる現場で葛藤しながら、成長していくひとりの女性の姿を描く感動作。書き下ろし時代小説。
  • 三国志姜維伝 諸葛孔明の遺志を継ぐ者
    3.8
    魏・呉・蜀、三国が並ぶ中華動乱の時代。天才軍師・諸葛孔明に見いだされ、その才能を受け継ぐといわれた武将、姜維(きょうい)。強大な敵軍が迫る中で、師への思いと祖国を守るために、姜維は戦い続ける。三国志の最後を飾る名将の物語。
  • 第二次湾岸戦争 上
    -
    聖地解放を大儀名分に、イラク軍がサウジ・アラビアへ侵攻!!日韓および欧州諸国からなる国連軍派遣が決定される。消極的な米国をしりめに、民航機、トラック、果てはロシアの巨大輸送機まで動員、奇跡的短時日のうちに大量の兵力を展開した陸海空自衛隊。初の実戦にもかかわらず、中東の戦場では、ストライク・イーグル、九〇式戦車など最新のハイテク兵器が活躍する。だが国内では、潜入したテロリストにより数千もの犠牲者が。
  • 戦略原潜浮上せず 上
    -
    横浜へクルーズ中の動く海上都市”クイーン・エリザベス2世号”が、アメリカ海軍の元軍人たちに乗取られた。さらに彼らは、ソ連の最新鋭戦略原潜”レニングラード”と洋上で会合し、核魚雷の弾頭をQE2へと移す。与党ナンバー2の政治家、米国大統領令嬢夫妻らを乗せた豪華客船と、二四〇発の核を搭載した大型原潜。東京湾へと近づく両艦に対し、米軍グリーンベレーと海上自衛隊対潜哨戒機P-3C部隊による攻撃が命令された……。

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  • 原子力空母を阻止せよ
    -
    太平洋で演習中の米原子力空母にソ連原潜が激突、炉に致命的損傷を受けた空母は横須賀に強行入港をはかる。米空母撃沈の密命を帯びた海自最新鋭潜水艦と、米ソ原潜の息づまる戦いは。

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  • ラバウル烈風空戦録1 初陣篇
    3.0
    我々の歴史とは異なる時間世界を生きた海軍航空隊撃墜王が、九六艦戦、零戦、さらにはついに実現しなかったはずの幻の名機を駆り、南方の空に的を追う。痛快無比のSF空戦記第一弾
  • 伊勢大名の関ヶ原(新潮文庫)
    3.0
    戦国武将富田信高が移封させられた伊勢国。そこはしたたかな商人や地侍が根を張る、一筋縄でいかぬ土地。信高は穏やかな気性と慧眼で治世を進め、領民の声を聞き、新田開発に乗り出し、胆力のある蓼姫も娶った。だが時は大乱前夜。城に迫りくる毛利・吉川の大軍に対峙するのは、挙国一致の富田勢。孤軍奮闘する信高の前に、馬上の「若武者」が現れた。異色な大名と知られざる夫婦の戦を描く傑作。
  • 木挽町のあだ討ち(新潮文庫)
    4.6
    雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏手で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。白装束を血に染めて掲げたるは父の仇、作兵衛の首級(しるし)。二年後。目撃者を訪ねる武士が現れた。元幇間、立師、衣装部屋の女形……。皆、世の中で居場所を失い、悪所に救われた者ばかり。「立派な仇討」と語られるあの夜の〈真実〉とは。人の情けと驚きの仕掛けが、清々しい感動を呼ぶ直木賞・山本周五郎賞受賞作品。(解説・中島かずき)
  • 江戸彩り見立て帖 色にいでにけり
    3.8
    “色”で江戸の難題、解決します。 累計32万部突破「居酒屋ぜんや」シリーズの坂井希久子、 文庫オリジナル、新シリーズ始動! 江戸時代は、洗練された美意識と、繊細な色彩感覚が頂点に達した時代でした。 もしも、江戸にカラーコーディネーターがいたら……? お彩の父親は腕のいい摺師でしたが、火事で視力も、仕事場も失ってしまいます。 盲いた父の面倒を見ながら貧乏長屋で暮らしているお彩。 婚約者との縁談も流れ、粗末な木綿の着物に身を包んでいますが、お彩には、天性の鋭い色彩感覚があるのでした。 そこに目をつけたのが、謎の京男、右近。 一本気なお彩に邪険のされながらも、懲りずにまとわりつく右近は、お彩に次々と色に関する難題を持ち込みます。 そして、“江戸のカラーコーディネーター”、お彩の活躍が始まります! 着物や芸能にも詳しい坂井さんならではのエピソードや、 色や柄にまつわる知識も満載。 例えば鼠色だけでも、これだけ種類があるのか!と驚かされます。 ※ お彩はお蔦の顔と見比べながら、帳面をめくっていく。 白鼠、銀鼠、藤鼠、湊鼠、錆青磁、柳鼠──。(中略) 「あっ!」 唐突に、記憶の糸が張り詰めた。 一枚の錦絵がするすると、脳裏に引き出されてくる。(本文より) ※ 新作菓子の意匠から花魁の仕掛けの図案まで、豊かな色彩溢れる江戸のカラーコーディネーターとして活躍するお彩の人情物語。
  • 鬼にきんつば―坊主と同心、幽世しらべ―(新潮文庫)
    4.5
    「鬼の河原(かわはら)」と皆が恐れる同心の河原小平次(こへいじ)には秘密が二つある。甘い菓子にはめっぽう目がなく、じつは幽霊が大の苦手。「この家には幽霊がいます」と家賃の値下げを迫る店子の僧侶・蒼円に、秘密を二つとも見破られた小平次は、それが人知れず殺された女の霊と知り、蒼円の推理を元に下手人を探し出す――。異能を持つ美貌の僧侶と、強面だが心優しい同心が、市井の謎を解く大江戸人情推理帖。(解説・恩田陸)
  • 漆花ひとつ
    4.5
    変転する時代を生きのびろ! 平安末期、貴族の世から武士の世に時代が移ろうとする都を舞台に、権力者に翻弄されながらも懸命に生きる人々 の姿を描く。 二十二年前に討たれたはずの悪対馬守が二人舞い戻り、「我こそが本物」と衝突する表題作、内裏に勤める楽人が琵琶の達人を帝の師に迎えるため奔走する「鴻雁北」など至高の五編収録。 必死に足掻いて生き続けるのさ。この国の政がどうあろうともーー。 宮廷を覆う不穏な影。 猛き者たちの世へ時代が移ろう中で、滅びゆくものと、生き続けるもの。 歴史小説の一等星、澤田瞳子が描く至高の短編集。
  • 麻布怪談
    -
    「その日、大坂は朝から陰雨が濡れそぼっていた。」  この名作は、この一文から始まる。  時は江戸の末。所は、鄙びた麻布界隈。独り身の男の許に、繁々と通い詰める女がふたり。  ひとりは美少女。幽霊だった。もうひとりも美女。こちらは狐女。  ふたりの美少女に惚れられた男は、命まで取られてしまうのか。  怪異譚、傑作――。
  • 甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺
    3.9
    菓子職人の兄と番頭の弟。上菓子屋兄弟の繁盛記。「藍千堂菓子噺」シリーズ第1作。 両親亡き後、叔父に実家を負われた晴太郎と幸次郎。 兄弟は、かつて父の許で修業していた職人の茂市と一緒に、 菓子司「藍千堂」を開く。優しい職人肌の晴太郎と、 しっかり者で商才に長けた幸次郎は、亡き父の教えを守りながら、 叔父の嫌がらせにも負けず、知恵と工夫を凝らした季節の菓子で店を切り盛りする。 解説=大矢博子 ※この電子書籍は2013年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 紅い月 浮世絵おたふく三姉妹
    -
    三社祭で選ばれた“小町娘”三人のうちふたりが惨殺された。もうひとりの小町・お篠も狙われる恐れがある。 娘たちはなぜ殺されたのか!? 真相を探るべく、浅草一の人気水茶屋「おたふく」を切り盛りする看板三姉妹、 桜・梅・竹は同心・加納らの協力を得て、お篠を囮に下手人を誘き寄せるが……。 悪事や不正を暴くため、危険を顧みず敵の懐に潜入、暗躍する“お江戸版キャッツアイ”ともいうべき美人三姉妹の姿を鮮やかに描く。 痛快時代小説、最新作!
  • 虹を待つ 駆け込み寺の女たち
    -
    妻から離縁の申し立てをするには、縁切寺に駆け込むしかない――。上州にある縁切寺・満徳寺。今日も事情を抱えた女たちが駆け込んでくるが……。夫の浮気に悩み、この世にたった二つの縁切寺の一つ、上州満徳寺へやってきたなつ。だが、そこにいたのは夫の情女(いろ)で!? 憤るなつに、美しき尼僧・慈白は、ここで助け合って暮らすように言い……。事情を抱えた女たちは、笑い泣き、時に励ましあいながら、人生の“雨宿り”の場で何を見つけるのか。悩めるあなたに贈りたい時代小説No.1!
  • 捻れ家 古道具屋 皆塵堂
    3.6
    若い筆職人の念次郎が飲み仲間の取引先の若旦那松助と夜、迷い込んだ大きな料理屋。広い宴席には誰の姿もなく、二階にあがると、なぜか真っ昼間の明るさだった。いったい、ここはどこなのか? いつなのか? そして松助も「煙のように」姿を消した。外に出た念次郎はさんざんさまよったあげく、深川の皆塵堂の大家の清左衛門に救われる。 松助の祖父の亀松は、明和の大火のときに、目黒の料理屋で飲んでいて火事に巻き込まれた。その後金貸しとして儲けるが、十八年後に姿を消し、死体で発見された。松助の父の松蔵は、それから十八年後にやはり突然姿を消し、やはり死体で発見されている。松助は、祖父と父の死について、叔父の継右衛門からくわしくは聞かされていなかった。そして今年は、父の松蔵が死んで、十八年後にあたる。松助は大丈夫なのか? 清左衛門から曰くものを扱う古道具屋皆塵堂を教えてもらった念次郎は、皆塵堂を拠点に、姿を消した松助を探しはじめる。 幽霊の見える太一郎も、さすがに時空がねじれていると、気配が読めず、今回は役立ちそうにない。 料理屋、二階建ての長屋、湯屋、大店など建物にまつわる因縁のある屋敷で繰り広げられる幽霊譚。 大江戸版ホーンテッド・マンションに、皆塵堂の面々は、どう立ち向かうのか?
  • 絡繰り心中<新装版>
    3.9
    直木賞作家の珠玉にして衝撃のデビュー作!  旗本の息子だが、ゆえあって家を出て町に暮らし、歌舞伎・森田座の笛方見習いをしている遠山金四郎は、朝帰りの日本堤田んぼで、女の骸を見つけた。  花魁の雛菊が斬り殺されていたのだ。  昨夜、狂歌師にして、戯作者でもある大田南畝の御伴で吉原遊廓で戯れた折、金四郎の隣に座っていた稲本屋の女だ。  胸の靄が晴れぬ中、興行の手伝いに戻る金四郎だったが、急に遠国に派遣されていたはずの父・景晋に呼び出され、素行を糺される。  景晋と旧知の間柄で、金四郎を心配して顔を見せた南畝の咄嗟の機転で難を逃れるも、なぜか雛菊の下手人探しをする羽目に――。  雛菊に妙な縁がある、森田座の役者絵を手掛ける浮世絵師・歌川国貞とともに、事の真相を探り始める金四郎。  調べるうちに、雛菊は座敷に出るたびに相手の男へ心中を持ちかけていたことが知れる。  一体何が雛菊を死へ向かわせたのか?  心中を望む事情を解き明かしたはいいが、重荷を背負った金四郎は……。  直木賞作家の珠玉にして、衝撃のデビュー作。 ※この作品は『部屋住み遠山金四郎 絡繰り心中』として配信されていた作品の新装版です。
  • 博徒大名伊丹一家
    3.0
    「博徒と殿様」二足の草鞋 藩財政再建の秘策は 賭場のご開帳!? どん底なんてくそくらえ! 泥を喰らって這い上がった不屈の男 貧困病気挫折、絶望の淵をくぐり抜けてきた作者が、精魂込めて綴った一冊です 出羽国松越藩の外様大名・伊丹阿波守長盛が、継嗣のないまま急逝した。このままでは御家は無嗣子改易の憂き目に遭う。 長盛の「深川黒江町に跡継ぎが」といういまわの際の言葉に、江戸家老高川監物たちは必死の探索を続ける。そしてようやく探し当てた男は、文字通り裸一貫の境遇から二百人の配下を持つ博徒の親分に這いあがった、腕と気風と度胸に才覚を持ち合わせた破天荒な男だった! 〈書下し任侠大名一代記〉 序章 第一章 成りすまし大名 第二章 泥饅頭を食え 第三章 博徒大名伊丹一家 第四章 生きていく術
  • 芽吹長屋仕合せ帖 日日是好日(新潮文庫)
    完結
    4.0
    長屋に暮らし縁結びの仕事に生きがいを感じているおえん。だが、三十路半ばにして、ふと思案する。わたくしは一人で生きていくのだろうか……。そんな時、持ち込まれたのは、あろうことか別れた夫の再縁話、そして自分の見合い話だった。焦らず、己れをごまかさず、わたくしは、わたくしを生ききろう――。丁寧に気持ちに向き合う日々の先に出会えたご縁とは。芽吹長屋仕合せ帖シリーズ最終巻。
  • 観相同心早瀬菊之丞 死のお告げ
    -
    観相の達人、同心早瀬菊之丞には放ってはおけない男が現われた。小野吉村という八卦見である。小野は平安の世に活躍した公卿であり歌人であった小野篁の子孫だと自称している。篁には閻魔大王の側近としてこの世と冥界を行き来していたという伝説があり、その末裔である吉村も冥界と繋がっていて人の死期がわかるらしい。菊之丞が手札を与えている岡っ引、薬研の寅蔵によると、吉村に死相が出ていると告げられた人間が二人死んだという。一人は八十を過ぎた老婆、もう一人は十歳の男の子だったそうだ。菊之丞は吉村の素性を探るべく、八卦見を受けることに……。
  • 徳川家康〈新装版〉
    -
    ベストセラーコミック「シグルイ」の原作者が描く、2023年NHK大河ドラマの世界! 常に選択を迫られた徳川家康の生涯 三歳にして生母と別れ、その三年後には父のもとをも離れ、織田信秀、今川義元の人質として不遇の少年時代を過ごした徳川家康。 だがその境遇は、天下を取るために不可欠な、忍耐と、常に理知的判断を忘れぬ冷静沈着さを与えた。 常に選択を迫られつつ戦国の世を生き抜いた家康は、関ヶ原の戦いに勝利し、ついに武家の棟梁、征夷大将軍となった。 三河の小忰から東照大権現として神の座に上った家康の、七十五年の生涯を描いた傑作長編。 この書物を書き上げたとき、ほんの少しでも家康と言う人間が好きになっていれば、成功したと思ってよいのではないか──そう考えて、筆をとった。(中略) 今、こうして筆を措いてみて、家康と言うオヤジ、そんなに悪くもないな、仲々いいオヤジだな──と思う。 だから、私なりに成功したと言ってよいかも知れぬと思っている。(著者あとがきより) 【目次】 一  三河の小忰 二  青年城主 三  海道一の弓取り 四  冷たき夫・悲しき父 五  信長の客将 六  天下争覇の人 七  失意の人 八  律義な大納言 九  大きな惑星 十  最後の覇者 十一 駿府の大御所様 十二 狸たぬき親おや爺じ家康 十三 東照大権現 あとがき
  • とむらい屋颯太
    4.0
    弔いは、亡くなった者のためにするんじゃない。 遺された者のためにするんだ! 死を蔑ろにするということは、 生を蔑ろにするということだ。 (本書解説より) 文芸評論家 北上次郎 「人の死で飯を食う。それがあっしの生業」 新鳥越町二丁目に「とむらい屋」はある。 葬儀の段取りをする颯太、死化粧を施すおちえ、渡りの坊主の道俊。 時に水死体が苦手な医者巧先生や奉行所の韮崎宗十郎の力を借りながらも、 色恋心中、幼なじみの死、赤ん坊の死と様々な別れに向き合う。 十一歳の時、弔いを生業にすると心に決めた颯太。 そのきっかけとなった出来事とは――。 江戸時代のおくりびとたちを鮮烈に描いた心打つ物語。 【とむらい屋で働く人々と仲間たち】 颯太:新鳥越町二丁目の葬儀屋の店主。十一歳で葬儀屋になると決める おちえ:母を颯太に弔ってもらって以降居座るおせっかい 勝蔵:早桶職人。初めての棺桶は妻のものだった 道俊:寺に属さない渡りの坊主 巧重三郎:水死体を見るのが苦手な医者 韮崎宗十郎:南町奉行所の定町廻り同心 【目次】 第一章 赤茶のしごき 第二章 幼なじみ 第三章 へその緒 第四章 儒者ふたり 第五章 三つの殻 第六章 火屋の華 解 説 北上次郎
  • 方丈の孤月―鴨長明伝―(新潮文庫)
    4.0
    齢五十余にして粗末な庵で想う。私の一生とは何だったのか。下鴨神社の神職の家に生まれながらも、不運と挫折の連続。孤独を抱え、災禍に遭った都を悶々と歩き回る。やがて歌の才が認められ「新古今和歌集」に入撰するのだが――。晩年、独り方丈に坐し、筆を執る。「ゆく河の流れは絶えずして…」。人はどこから来てどこへ行くのか。世の無常と、生きる意味を見つめ続けた長明の不器用で懸命な生涯。(解説・細谷正充)
  • 影ぞ恋しき 上
    4.5
    夫婦の絆、親子の情愛。 葉室麟渾身の長編小説。 吉良上野介の孫娘・香也を養女に した雨宮蔵人と咲弥夫婦のもとに信州諏訪から密使の冬木清四郎が。 かの地に配流された上野介の息子・ 義周が香也に一目会いたいというのだ。 諏訪に出向いた一家は、死期迫る義周に清四郎と香也の婚儀を迫られ、承諾してしまう。 時は綱吉治世の末期。一家は再び天下の政争に巻き込まれることに。 ※この電子書籍は2018年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 乱愛剣豪 美女めぐり秘譚
    -
    六千三百石の大身旗本・藤岡家の剣術指南役、五味源十郎──。年は四十二、樽のように逞しい巨漢で、無骨な凄腕剣豪であった。 そんな源十郎が、同家の腰元を手籠にした咎で出奔することに……。が、これはあくまで世間を欺く絡繰り。 多額な借金を背負い、お取り潰し寸前の藤岡家には、実は一万両という隠し金があるといわれ、その在り処を探索するため、白羽の矢が立った源十郎が浪人となったのだ。 しかしその秘密は、十八娘の背中に“白粉彫り”で記され、女悦の極みで浮かび上がるという。 剣は一流なれど、堅物で閨事には疎い源十郎が、果たして三人の美女に近づくことはできるのか──!? 新たに書下ろし番外篇「裸女の剣法」を収録した傑作が甦る!!

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