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怨霊や生霊の世界が身近にあった室町時代末期。6代将軍の落胤という熊野の源四郎は「将軍になろう」と、飢饉と戦乱で荒廃しきった京へ上る。都では8代将軍足利義政の御台所、日野富子と、側室の今参りの局が権勢争いに明け暮れていた。その暗闘に巻き込まれた源四郎を、幻術師・唐天子の奇々怪々な幻戯が襲う。
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Posted by ブクログ
久々の司馬遼太郎。今回は短め・室町時代の物語をチョイス。いやーやっぱり面白い…!ページを捲る手が止まらなかった。タイトル見て「何読んでるの…?」と夫は少し心配していたけれど。笑 下巻もすぐ読む!
司馬遼太郎先生が室町時代、しかも戦国時代と言われる末期ではなく中期を執筆していたとは、知りませんでした。箱根の坂の後に読んだのでその時代の空気感が伝わります。 室町幕府将軍の落とし胤とされる熊野育ちの源四郎を通して、私たちは室町時代を目にすることとなります。話は熊野から京都へ、唐天子による幻術に源四...続きを読む郎と印地の大将である腹大夫はなんども欺かれ、拐かされます。ハラハラドキドキの司馬遼太郎、室町ファンタジーの始まりです。
熊野生れ「お前は六代将軍足利義教の御落胤」と母に聞かされた主人公源四郎は「将軍になる」と決意し京にのぼるが (『国盗り物語』そっくり) 、そこは土倉(質屋)、一揆の大将、印地(博徒まがいの浮浪者だが戦闘の際、足軽=新戦術の主力要素となる)、宗教勢力に四分されていた…。山田風太郎の忍術小説にたいして著...続きを読む者は「幻術小説」とでも言いたいほどよく幻術が出てくる。合理主義の著者にも否定しきれない人格の迫力が実在したと認めざるを得なかったのであろう。室町時代は書院造り、集落居住など日本的生活様式が出来た時期、宗教も
司馬氏の作品を「歴史忠実もの」「幻術もの」に大局するとすれば、この小説はどちらの性格も持ち合わせているのではないか。日野富子とお今の局の対立は女として興味深く読んでしまいます。
三代悪女と称される日野富子。怨霊や生霊が身近に蠢いていた室町時代末期の世相を、日野富子、六代将軍の落胤という熊野源四郎、側室の今参りの局を中心に描く。
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