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「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった。新米武士の駿平が武家の世界を駆けずり回って「立身出世」を試みる!
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Posted by ブクログ
いつの時代も就職活動は苦労するんだなぁと思いつつ読んだ。幼馴染の二人の若者の考え方の違いも共感出来て面白かったし、時代は巡るのだと今の社会を鑑みた。ただ最後、お役につけるまで描いて欲しかった。
瀬戸物屋の五男坊が貧乏御家人の家に婿入りし、出世を目指す。 婿入り先の養父は家督を継いで28年経つが、無役の上に常に病気持ち。10才の娘がいるが、当初は妹で将来は嫁の予定だが、オマセで恋愛が芽生えてきて微笑ましい。 幼馴染で手跡指南所からの付き合いの次男坊が脳天気で良い味を出している。この幼馴染から...続きを読むの情報もあり、徒歩組を始めに、様々な職にトライする。 当時の幕府の仕事や、御家人、商家の生活が詳しく書かれている。付録の短編も古文書学者が書いたもので、当時の状況を解説したもの。 江戸時代の歴史参考書的な小説だった。
202111/貧乏御家人の婿養子となった主人公駿平が、お役につけるよう幼馴染み智次郎とともにお役めぐりをし、各々の職務や人間関係、内実の事情等を知り成長していく8編からなる連作短編集。各章タイトルが役名(小普請組・同朋衆・徒組・御膳所御台所・長崎奉行・勘定所吟味・奥右筆・旗奉行槍奉行)になっている。...続きを読むのんびりタイプの駿平と、駿平を振り回す直情的で義に厚い智次郎が良いコンビで、物語をかき回して進む展開も面白かった。各お役がストーリーに馴染んで詳しく語られるのも作者の筆の巧いところ。
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